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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058064
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】什器および什器システム
(51)【国際特許分類】
   A47B 97/00 20060101AFI20240418BHJP
   A47B 55/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A47B97/00 M
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165188
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】江里口 裕紀
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA00
3B067AA07
3B067AA08
3B067AA09
3B067DA00
(57)【要約】
【課題】壁面の電源コンセントへのアクセスが容易となる什器および什器システムを提供する。
【解決手段】什器10Aは、左右方向に互いに離間して立設された複数の支持体1と、物品を載置可能な物品載置面2aを有し、複数の支持体1を互いに連結する第一連結体2と、物品を載置可能な第二の物品載置面3aを有し、第一連結体2より低い位置で複数の支持体1を互いに連結する第二連結体3と、を備える。支持体1、第一連結体2および第二連結体3によって、少なくとも後方に開放されたアクセス空間4が形成されている。支持体1の後縁部1bが、第一連結体2の後縁部2bと第二連結体3の後縁部3bのうち最も後側にある後縁部と比べて前方に位置することによって、支持体1の後方に、配線が挿通可能な配線挿通空間5が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に互いに離間して立設された複数の支持体と、
物品を載置可能な物品載置面を有し、複数の前記支持体を互いに連結する第一連結体と、
物品を載置可能な第二の物品載置面を有し、前記第一連結体より低い位置で複数の前記支持体を互いに連結する第二連結体と、を備え、
前記支持体、前記第一連結体および前記第二連結体によって、少なくとも後方に開放されたアクセス空間が形成され、
前記支持体の後縁部が、前記第一連結体の後縁部と前記第二連結体の後縁部のうち最も後側にある後縁部と比べて前方に位置することによって、前記支持体の後方に、配線が挿通可能な配線挿通空間が形成されている、
什器。
【請求項2】
前記支持体の前縁部は、前記第一連結体の前縁部と前記第二連結体の前縁部のうち最も前側にある前縁部と比べて後方に位置し、
前記アクセス空間は、前方および側方に開放されている、
請求項1記載の什器。
【請求項3】
前記アクセス空間の前面側を開閉自在に覆うカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、前記第一連結体と前記第二連結体の少なくとも一方に着脱自在に取り付けられる、
請求項2記載の什器。
【請求項4】
前記第一連結体に、什器側電源コンセントが設けられ、
壁面側電源コンセントが形成された壁面に、前記什器を、前記壁面側電源コンセントが前記アクセス空間に臨むように対向させたとき、前記什器側電源コンセントは、接続用ケーブルを介して前記壁面側電源コンセントに接続可能である、
請求項1に記載の什器。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の什器を複数備える、
什器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器および什器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、公共施設等の室内空間においては、電子機器、照明等に電力を供給するため、壁面に電源コンセントが設けられている。壁面に電源コンセントが設けられていると、機器を容易に電源と接続することができ、利便性を高めることができる(例えば、特許文献1を参照)。しかし、この構造では、電源コンセントに接続された配線によって、利用者が通行しにくくなる場合がある。
【0003】
そのため、壁面の電源コンセントの前に、背面に開口を有する什器を設置し、開口を介して電源コンセントにアクセス可能とした構造が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。この構造によれば、電源コンセントにアクセス可能に設置した什器において、電子機器を電源に接続することが容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60-170408号公報
【特許文献2】特公平6-087815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の構造では、例えば、壁面の電源コンセントにアクセス可能に設置した什器とは異なる他の什器で電力が必要となる場合などに、電源へのアクセスが容易でなくなることがあった。
【0006】
本発明の一態様は、壁面の電源コンセントへのアクセスが容易となる什器および什器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る什器は、左右方向に互いに離間して立設された複数の支持体と、物品を載置可能な物品載置面を有し、複数の前記支持体を互いに連結する第一連結体と、物品を載置可能な第二の物品載置面を有し、前記第一連結体より低い位置で複数の前記支持体を互いに連結する第二連結体と、を備え、前記支持体、前記第一連結体および前記第二連結体によって、少なくとも後方に開放されたアクセス空間が形成され、前記支持体の後縁部が、前記第一連結体の後縁部と前記第二連結体の後縁部のうち最も後側にある後縁部と比べて前方に位置することによって、前記支持体の後方に、配線が挿通可能な配線挿通空間が形成されている。
【0008】
この構成によれば、他の什器などからの配線を、配線挿通空間を通して壁面の電源コンセントに接続することができる。したがって、壁面の電源コンセントへのアクセスは容易である。
【0009】
前記支持体の前縁部は、前記第一連結体の前縁部と前記第二連結体の前縁部のうち最も前側にある前縁部と比べて後方に位置し、前記アクセス空間は、前方および側方に開放されていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、アクセス空間が前方および側方に開放されているため、前方および側方から、壁面の電源コンセント、およびこの電源コンセントに接続された接続用ケーブルにアクセスできる。よって、壁面の電源コンセントおよび接続用ケーブルへのアクセス性は良好である。
【0011】
前記什器は、前記アクセス空間の前面側を開閉自在に覆うカバー部材をさらに備え、前記カバー部材は、前記第一連結体と前記第二連結体の少なくとも一方に着脱自在に取り付けられることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、アクセス空間の前側をカバー部材によって覆うことによって、什器の体裁を良くすることができる。
【0013】
前記什器は、前記第一連結体に、什器側電源コンセントが設けられ、壁面側電源コンセントが形成された壁面に、前記什器を、前記壁面側電源コンセントが前記アクセス空間に臨むように対向させたとき、前記什器側電源コンセントは、接続用ケーブルを介して前記壁面側電源コンセントに接続可能であることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、壁面の電源コンセントへのアクセス性は良好となる。よって、什器の使い勝手を向上させることができる。
【0015】
本発明の一態様に係る什器システムは、前記什器を複数備える。
【0016】
この構成によれば、他の什器などからの配線を、配線挿通空間を通して壁面の電源コンセントに接続することができる。したがって、壁面の電源コンセントへのアクセスは容易である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、壁面の電源コンセントへのアクセスが容易となる什器および什器システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る什器および什器システムの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る什器の拡大した斜視図である。
図3】第1実施形態に係る什器および什器システムの内部構造を示す斜視図である。
図4】第2実施形態に係る什器および什器システムの分解斜視図である。
図5】第2実施形態に係る什器および什器システムの斜視図である。
図6】第2実施形態に係る什器および什器システムの斜視図である。
図7】第2実施形態に係る什器の分解斜視図である。
図8】第3実施形態に係る什器および什器システムの分解斜視図である。
図9】第3実施形態に係る什器および什器システムの斜視図である。
図10】第4実施形態に係る什器システムの斜視図である。
図11】第5実施形態に係る什器システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施形態の什器および什器システムについて図面を参照して説明する。
【0020】
[什器](第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る什器10および什器システム20の斜視図である。図2は、什器10の拡大した斜視図である。図3は、什器10および什器システム20の内部構造を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、什器システム20は、複数の什器10を備える。複数の什器10は、什器10Aおよび什器10Bを含む。什器10Aおよび什器10Bは左右方向に隣り合って設置されている。
【0022】
XYZ直交座標系を設定して什器10および什器システム20の構成を説明する。X軸に沿う方向を左右方向という。Y軸に沿う方向を前後方向という。Z軸に沿う方向を上下方向または高さ方向という。X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。前後方向のうち、Y軸を示す矢印Yが指し示す側を後側という。後側の反対側を前側という。X軸とY軸に沿う平面をXY平面という。X軸とZ軸に沿う平面をXZ平面という。Y軸とZ軸に沿う平面をYZ平面という。Z軸に沿う方向から見ることを平面視という。
【0023】
什器10Aは、一対の支持体1と、第一連結体2と、第二連結体3と、を備えている。
一対の支持体1は、左右方向に離間して配置されている。支持体1は、YZ平面に沿う板状とされている。支持体1は、上下方向に延在する長板状とされている。後縁部1bは、支持体1の後側の縁部である。前縁部1cは、支持体1の前側の縁部である。
【0024】
支持体1は、第二連結体3から上方に向けて立設されている。支持体1は、例えば、連結体2,3の左右方向の両端部に相当する位置にそれぞれ設けられている。支持体1は中空構造を有する。支持体1の内部空間には、接続用ケーブル12が挿通可能である。支持体1は、樹脂、金属などで形成されている。支持体1は、支持板または支持柱ともいう。支持体1は、柱状(例えば、角柱状)に形成されていてもよい。
【0025】
支持体1の断面形状(上下方向に直交する断面の形状)は、例えば、矩形状(長方形状)、長円形状などである。
なお、支持体1の数は2つに限らず、複数(2以上の任意の数)であってよい。支持体1の数が3以上の場合でも、これら複数の支持体1は左右方向に間隔をおいて配置される。
【0026】
第一連結体2は、XY平面に沿う板状に形成されている。第一連結体2は、例えば、左右方向に延在する長板状とされている。第一連結体2は、複数の支持体1の上部を互いに連結する。第一連結体2の上面は、物品を載置可能な物品載置面2a(第一の物品載置面)である。物品載置面2aは、XY平面に沿う面である。第一連結体2の前後方向の寸法(幅)は、例えば、支持体1の前後方向の寸法(幅)より大きい。第一連結体2は、上部連結体ともいう。
【0027】
第一連結体2は、例えば、平面視において矩形状(長方形状)である。第一連結体2の一端部(図1において左方向の端部)の2つの角部は、例えば、平面視において、丸面取りされた形状である。後縁部2bは、長方形状の第一連結体2の後側の長辺に相当する。前縁部2cは、長方形状の第一連結体2の前側の長辺に相当する。第一連結体2は、樹脂、金属などで形成されている。
【0028】
第一連結体2の物品載置面2aには、1または複数の什器側電源コンセント11が設けられている。什器側電源コンセント11は、外部の電気機器のプラグが差し込まれるソケットを有する。什器側電源コンセント11は、電子機器への給電を行うことができる。什器側電源コンセント11は、什器側電源アウトレット11ともいう。
【0029】
什器側電源コンセント11は、第一連結体2の一端部(図1において左方向の端部)に近い位置に設けられている。本実施形態では、什器側電源コンセント11は2つ設けられている。2つの什器側電源コンセント11は、例えば、前後方向に並んで設けられている。
【0030】
第二連結体3は、XY平面に沿う板状、または直方体状に形成されている。第二連結体3は、例えば、左右方向に延在する長板状とされている。第二連結体3は、複数の支持体1の下部を互いに連結する。第二連結体3の上面は、物品を載置可能な第二の物品載置面3aである。第二の物品載置面3aは、XY平面に沿う面である。第二連結体3の前後方向の寸法(幅)は、例えば、支持体1の前後方向の寸法(幅)より大きい。第二連結体3は、下部連結体ともいう。
【0031】
第二連結体3は、第一連結体2より低い位置にある。第二連結体3は、第一連結体2に対して上下方向に間隔をおいて配置されている。
【0032】
第二連結体3は、例えば、平面視において矩形状(長方形状)である。第二連結体3の一端部(図1において左方向の端部)の2つの角部は、例えば、平面視において、丸面取りされた形状である。後縁部3bは、長方形状の第二連結体3の後側の長辺に相当する。前縁部3cは、長方形状の第二連結体3の前側の長辺に相当する。第二連結体3は、樹脂、金属などで形成されている。
【0033】
平面視において、第二連結体3は、第一連結体2と同じ形状である。平面視において、第二連結体3は、第一連結体2と重なる位置にある。第二連結体3の後縁部3bは、平面視において第一連結体2の後縁部2bと一致する。第二連結体3の前縁部3cは、平面視において第一連結体2の前縁部2cと一致する。
【0034】
支持体1と、第一連結体2と、第二連結体3とは、アクセス空間4を形成する。アクセス空間4は、支持体1と、第一連結体2と、第二連結体3に囲まれた空間である。アクセス空間4は、第一連結体2と、第二連結体3との間に形成される。アクセス空間4は、後方および前方に開放されている。アクセス空間4の後側の開口を後側開口4aという。アクセス空間4の前側の開口を前側開口4bという。アクセス空間4は、壁面側電源コンセント101を含む壁面100の領域に対向する。
【0035】
什器システム20は、壁面100に対向して床面Fに設置されている。壁面100は、XZ平面に沿う面である。第一連結体2および第二連結体3は、壁面100に接していてもよいし、壁面100から離れていてもよい。第一連結体2および第二連結体3の後縁部2b,3bのうち少なくとも一方は、壁面100に接しているか、または壁面100に近接していることが望ましい。壁面100には、壁面側電源コンセント101が設けられている。壁面側電源コンセント101は、壁面側電源アウトレット101ともいう。什器10Aは、壁面側電源コンセント101がアクセス空間4に臨むように設置される。床面FはXY平面に沿う。什器10Aが壁面100に対向して設置されている構造を「什器構造」という。
【0036】
支持体1の後縁部1bを、前後方向の位置について、第一連結体2の後縁部2bおよび第二連結体3の後縁部3bと対比する。後縁部1bは、後縁部2bと後縁部3bのうち最も後側にある後縁部と比べて前寄り(前方)に位置する。すなわち、後縁部1bは、平面視において、後縁部2bと後縁部3bのうち最も後側にある後縁部と比べて前寄りに位置する。本実施形態では、後縁部2bと後縁部3bは前後方向の位置が同じであるため、支持体1の後縁部1bは、後縁部2bと後縁部3bの両方に比べて前方に位置する。
【0037】
支持体1の後縁部1bが連結体2,3の後縁部2b,3bに比べて前方に位置するため、支持体1の後方に、配線挿通空間5が形成される。配線挿通空間5は、支持体1の後縁部1bと壁面100との間の空間である。配線挿通空間5は、壁面側電源コンセント101に接続される配線(例えば、接続用ケーブル)が挿通可能である。例えば、什器10Aとは異なる他の什器からの配線は、配線挿通空間5を通って壁面側電源コンセント101に接続可能である。配線挿通空間5は、什器システム20を構成する他の什器(例えば、什器10B)を通る配線を壁面側電源コンセント101に接続することもできる。
【0038】
支持体1の前縁部1cを、前後方向の位置について、第一連結体2の前縁部2cおよび第二連結体3の前縁部3cと対比する。前縁部1cは、前縁部2cと前縁部3cのうち最も前側にある前縁部と比べて後寄り(後方)に位置する。すなわち、前縁部1cは、平面視において、前縁部2cと前縁部3cのうち最も前側にある前縁部と比べて後寄りに位置する。本実施形態では、前縁部2cと前縁部3cは前後方向の位置が同じであるため、支持体1の前縁部1cは、前縁部2cと前縁部3cの両方に比べて後方に位置する。そのため、アクセス空間4の一部は、側方(左方向と右方向のうち少なくとも一方)にも開放されている。この構造により、アクセス空間4は、前方、後方および側方に開放されている。
【0039】
図2に示すように、什器側電源コンセント11に接続された接続用ケーブル12は、支持体1の内部空間に挿通されている。接続用ケーブル12は、支持体1の下部に形成された挿通孔を通してアクセス空間4に出て壁面側電源コンセント101に接続されている。什器側電源コンセント11は、接続用ケーブル12を介して壁面側電源コンセント101に接続可能である。
【0040】
図3に示すように、什器側電源コンセント11に接続された接続用ケーブル13は、支持体1の内部空間を経て第二連結体3の内部空間に挿通されている。接続用ケーブル13は、什器システム20内で、第二連結体3を通して左右方向にも配線することができる。第二連結体3と同様に、第一連結体2も内部空間に接続用ケーブルを配線することができる。
【0041】
什器10Aに隣り合う什器10Bは、什器10Aと同様に、一対の支持体1と、第一連結体2と、第二連結体3と、を備えている。什器10Bは、什器10Aと同様の基本構成を有するため説明を省略する。
【0042】
本実施形態の什器10Aは、支持体1の後縁部1bが連結体2,3の後縁部2b,3bに比べて前方に位置するため、支持体1の後方に、配線挿通空間5が形成されている。そのため、他の什器からの配線を、配線挿通空間5を通して壁面側電源コンセント101に接続することができる。したがって、壁面側電源コンセント101へのアクセスは容易である。よって、什器10Aの外にも電力を供給できる。什器10Aでは、什器システム20内で配線挿通空間5を通して左右方向に配線を延ばすこともできる。そのため、什器システム20内であって左右方向に離れた位置にある電子機器等に電力を供給することもできる。
【0043】
什器10Aでは、他の什器からの配線を、配線挿通空間5を通して壁面側電源コンセント101に接続することができるため、配線作業における作業性を良好にすることができる。
【0044】
什器10Aは、壁面側電源コンセント101がアクセス空間4に臨むように配置することによって、壁面側電源コンセント101に接続された配線、および壁面側電源コンセント101を什器10Aの背後に収めることができる。そのため、壁面側電源コンセント101および配線の露出を少なくし、体裁を良くすることができる。さらに、壁面側電源コンセント101に接続された配線を什器10Aの背後に収めることができるため、配線が利用者の通行の妨げになるのを抑制できる。
【0045】
什器10Aのアクセス空間4は、前方および側方に開放されているため、前方および側方から、壁面側電源コンセント101、および壁面側電源コンセント101に接続された接続用ケーブルにアクセスできる。よって、壁面側電源コンセント101および接続用ケーブルへのアクセス性は良好である。
【0046】
第一連結体2には什器側電源コンセント11が設けられている。什器側電源コンセント11は、接続用ケーブル12を介して壁面側電源コンセント101に接続可能である。そのため、壁面側電源コンセント101へのアクセス性は良好となる。よって、什器10Aの使い勝手を向上させることができる。
【0047】
什器システム20は、什器10Aを備えるため、壁面側電源コンセント101へのアクセスが容易である。什器システム20は、配線作業における作業性を良好にすることができる。什器システム20は、壁面側電源コンセント101および配線の露出を少なくし、体裁を良くすることができる。
【0048】
[什器](第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る什器110および什器システム120の分解斜視図である。図5および図6は、什器110および什器システム120の斜視図である。図7は、什器110の分解斜視図である。第1実施形態の什器10との共通構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0049】
図4に示すように、什器システム120は、複数の什器110を備える。複数の什器110は、左右方向に隣り合う什器110Aおよび什器110Bを含む。
【0050】
什器110Aは、アクセス空間4の前側開口4bを開閉自在に覆うカバー部材7を備えている点で、第1実施形態の什器10A(図1参照)と異なる。カバー部材7は、前板部7Aと、側板部7Bとを備える。前板部7Aは、平板状に形成されている。側板部7Bは、前板部7Aの左右方向の端部から湾曲しつつ後方に延びる。側板部7Bの一部は、支持体1の外面の一部に重なる。図4図6に示すように、前板部7Aは、アクセス空間4の前面側を覆うことができる。側板部7Bは、アクセス空間4の前側開口4bの側面側を覆うことができる。
【0051】
図7に示すように、前板部7Aの下端には、係止部8が形成されている。係止部8は、例えば、左右方向に延びる凸部である。係止部8は前板部7Aの下端から下方に突出する。第二連結体3の前縁部3cには、係止部8が係止する係止受け部9が形成されている。係止受け部9は、左右方向に延びる溝状の凹部である。係止部8は、係止受け部9に対して係止および解除可能である。前板部7Aの上部の内面には、磁石21が設けられている。磁石21は、第一連結体2の前面に磁力により吸着可能である。磁石21は、第一連結体2に対して着脱自在である。
【0052】
カバー部材7は、係止部8を凹凸係合により係止受け部9に係止させるとともに、磁石21を第一連結体2の前面に吸着させることによって、第一連結体2および第二連結体3に取り付けることができる。カバー部材7は、第一連結体2および第二連結体3に対して着脱自在である。なお、カバー部材7は、第一連結体2と第二連結体3のうち少なくとも一方に着脱自在に取り付けることができればよい。
【0053】
本実施形態の什器110Aは、アクセス空間4の前面側および側面側をカバー部材7によって覆うことによって、什器110Aの体裁を良くすることができる。
【0054】
[什器](第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る什器210および什器システム220の分解斜視図である。図9は、什器210および什器システム220の斜視図である。他の実施形態の什器との共通構成については、同じ符号を付して説明を省略する。図8および図9に示すように、什器システム220は、複数の什器210を備える。複数の什器210は、左右方向に隣り合う什器210Aおよび什器210Bを含む。
【0055】
什器210Aは、配線挿通空間5を開閉自在に覆う第二カバー部材207を備えている点で、第2実施形態の什器110A(図4参照)と異なる。第二カバー部材207は、アクセス空間4の後側開口4aの側面側を覆うことによって、配線挿通空間5を覆うことができる。
【0056】
第二カバー部材207は、第一連結体2と第二連結体3のうち少なくとも一方に着脱自在に取り付けることができる。第二カバー部材207は、例えば、カバー部材7(図7参照)と同様に、係止部および磁石によって第一連結体2および第二連結体3に取付けできる。第二カバー部材207は、第一連結体2と第二連結体3のうち少なくとも一方に着脱自在に取り付けることができればよい。
【0057】
本実施形態の什器210は、第二カバー部材207を備えるため、配線挿通空間5を通す配線がない場合に、配線挿通空間5を覆うことができる。よって、什器210の体裁を良くすることができる。
【0058】
[什器システム](第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る什器システム320の斜視図である。他の実施形態の什器との共通構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
図10に示すように、什器システム320は、複数の什器210を備える。複数の什器210は、什器210A,210B,210C,210D,210Eを含む。什器210A,210B,210C,210D,210Eは、左右方向にこの順に並んで設置されている。
【0060】
什器210B,210Cは、一対の支持体1と、第一連結体2と、第二連結体3(図8参照)とに加えて、一対の第二支持体201と、第三連結体202と、を備えている。
一対の第二支持体201は、左右方向に間隔をおいて配置されている。第二支持体201は、YZ平面に沿う板状とされている。第二支持体201は、上下方向に延在する長板状とされている。第二支持体201は、第一連結体2から上方に向けて立設されている。第二支持体201は、第一連結体2の両端部に相当する位置にそれぞれ設けられている。第二支持体201は、支持板または支持柱ともいう。第二支持体201の数は2つに限らず、複数(2以上の任意の数)であってよい。
【0061】
第三連結体202は、XY平面に沿う板状に形成されている。第三連結体202は、左右方向に延在する長板状とされている。第三連結体202は、複数の第二支持体201の上部を互いに連結する。第三連結体202は、第一連結体2より高い位置にある。第三連結体202は、第一連結体2に対して上下方向に間隔をおいて配置されている。第二支持体201および第三連結体202は、樹脂、金属などで形成されている。
【0062】
第一連結体2と、第二支持体201と、第三連結体202とは、収容空間204を形成する。収容空間204は、第一連結体2と、第二支持体201と、第三連結体202とに囲まれた空間である。
【0063】
什器210Bおよび什器210Cの第一連結体2の物品載置面2aには、ベース部230が設けられている。バッテリBは、ベース部230に着脱自在に接続できる。ベース部230は、例えば、バッテリBを充電する機能を有する。ベース部230は、収容空間204に臨む位置に形成されている。そのため、バッテリBは、収容空間204内に収容してベース部230に装着できる。
【0064】
ベース部230は、例えば、接続用ケーブル(図示略)を介して壁面側電源コンセント101(図8参照)に接続されている。接続用ケーブルは、例えば、支持体1および連結体2,3の少なくとも1つの内部を通って壁面側電源コンセント101(図8参照)に接続されている。
【0065】
バッテリBは、充放電が可能な可搬式の蓄電装置である。すなわち、バッテリBは、充電式の携帯バッテリである。バッテリBは、本体部B1と、本体部B1の上部に設けられた把手B2とを備える。バッテリBは、物品載置面に載置される「物品」の一例である。
【0066】
本実施形態の什器システム320によれば、バッテリBを体裁よく搭載できる。よって、室内の美観を高めるとともに、バッテリBの使い勝手を良くすることができる。
【0067】
[什器システム](第5実施形態)
図11は、第5実施形態に係る什器システム420の斜視図である。他の実施形態の什器との共通構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
図11に示すように、什器システム420は、複数の什器210を備える。複数の什器210は、什器210A,210B,210C,210D,210Eを含む。
什器システム420は、互いに垂直な壁面100A,100Bを有する壁のコーナー部分に対向して設置される。什器210A,210Bは、第1の壁面100Aに対向して設置される。什器210C~210Eは、第2の壁面100Bに対向して設置される。
【0069】
本実施形態の什器システム420は、壁の形状に合わせた形態をとることができる。よって、室内の省スペース化を図ることができる。
【0070】
本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1実施形態の什器10A(図1参照)では、第一連結体2の後縁部2bと第二連結体3の後縁部3bとは前後方向の位置が同じであるが、後縁部2bと後縁部3bとは前後方向の位置が異なっていてもよい。その場合、支持体1の後縁部1bは、後縁部2bと後縁部3bのうち最も後側にある後縁部に比べて前方に位置すればよい。後縁部2bと後縁部3bとの前後方向の位置が異なる場合は、後縁部2bが後縁部3bと比べて後側にある場合と、後縁部3bが後縁部2bと比べて後側にある場合とを含む。
【0071】
第1実施形態の什器10A(図1参照)では、第一連結体2の前縁部2cと第二連結体3の前縁部3cとは前後方向の位置が同じであるが、前縁部2cと前縁部3cとは前後方向の位置が異なっていてもよい。その場合、支持体1の前縁部1cは、前縁部2cと前縁部3cのうち最も前側にある前縁部に比べて後方に位置すればよい。前縁部2cと前縁部3cとの前後方向の位置が異なる場合は、前縁部2cが前縁部3cと比べて前側にある場合と、前縁部3cが前縁部2cと比べて前側にある場合とを含む。
【符号の説明】
【0072】
1 支持体
1b 後縁部
1c 前縁部
2 第一連結体
2a 物品載置面
2b 後縁部
2c 前縁部
3 第二連結体
3a 第二の物品載置面
3b 後縁部
3c 前縁部
4 アクセス空間
4b 前側開口
5 配線挿通空間
7 カバー部材
10,10A,10B,110,110A,110B,210,210A,210B,210C,210D,210E 什器
11 什器側電源コンセント
12 接続用ケーブル
100 壁面
101 壁面側電源コンセント
20,120,220,320,420 什器システム
B バッテリ(物品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11