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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058070
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】食事用道具及び工具
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/02 20060101AFI20240418BHJP
   B26B 29/02 20060101ALI20240418BHJP
   B25B 15/00 20060101ALI20240418BHJP
   A47G 21/04 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A47G21/02
B26B29/02
B25B15/00 630E
A47G21/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165206
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】517078703
【氏名又は名称】株式会社テント
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】青木 亮作
【テーマコード(参考)】
3B115
3C061
【Fターム(参考)】
3B115AA22
3B115BA10
3B115BA12
3B115BC01
3C061BC01
3C061CC09
3C061EE18
(57)【要約】
【課題】対象物とカバー部材との固定強度を長期に亘って維持できる食事用道具を提供する。
【解決手段】食事用道具であるナイフS100は、磁性材料で形成された刃体12及び刃体12を支持する柄11を有するナイフ本体10と、刃体12に装着されるカバー部材20とを備え、カバー部材20は、磁力により刃体12をカバー部材20に固定する磁石25を有する。
【選択図】図3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料で形成された、フォーク、ナイフ又はスプーンである作用部及び前記作用部を支持する柄を有する本体と、
前記作用部に装着されるカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、磁力により前記作用部を前記カバー部材に固定する磁石を有する、
食事用道具。
【請求項2】
前記磁石は、前記カバー部材の先端部に設けられている、
請求項1に記載の食事用道具。
【請求項3】
前記磁石は、前記作用部と所定の空隙を隔てて設けられている、
請求項1又は2に記載の食事用道具。
【請求項4】
前記作用部の先端は、前記磁石により前記カバー部材に固定された状態において、前記カバー部材と所定の空隙により隔てられている、
請求項1又は2に記載の食事用道具。
【請求項5】
前記磁石は、前記カバー部材の側面部に設けられている、
請求項1又は2に記載の食事用道具。
【請求項6】
複数の前記磁石が、前記作用部の長さ方向に沿って設けられている、
請求項5に記載の食事用道具。
【請求項7】
前記磁石は、
前記カバー部材が装着された状態の前記食事用道具を前記カバー部材が上となるように鉛直方向に位置させた場合に、前記本体が前記カバー部材から落下しないように前記作用部を保持する磁力を有する、
請求項1又は2に記載の食事用道具。
【請求項8】
前記磁石は、
前記カバー部材が装着された状態の前記食事用道具を磁性材料の鉛直面である対象物に取り付けた場合に、前記食事用道具が前記対象物から落下しないように前記食事用道具を吸着させる磁力を有する、
請求項1又は2に記載の食事用道具。
【請求項9】
柄と、
磁性材料で形成され、前記柄から延び出した棒状又は板状の工具部と、
前記工具部に装着されるカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、磁力により前記工具部を前記カバー部材に固定する磁石を有する、
工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事用道具及び工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォークやナイフを覆うように合成樹脂製のカバーが取り付けられる食事用道具が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実全昭52-121379
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の食事用道具は、柄の部分がカバーの中空部に圧入されるような方式で、カバーが柄に取り付けられる構成であるため、長期に亘って使用を続けると樹脂製のカバーの形状が変形しカバー部材が外れやすくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、対象物とカバー部材との固定強度を長期に亘って維持できる食事用道具及び工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、磁性材料で形成された、フォーク、ナイフ又はスプーンである作用部及び前記作用部を支持する柄を有する本体と、前記作用部に装着されるカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、磁力により前記作用部を前記カバー部材に固定する磁石を有する、食事用道具を提供する。
【0007】
前記磁石は、前記カバー部材の先端部に設けられていてもよい。
【0008】
前記磁石は、前記作用部と所定の空隙を隔てて設けられていてもよい。
【0009】
前記作用部の先端は、前記磁石により前記カバー部材に固定された状態において、前記カバー部材と所定の空隙により隔てられていてもよい。
【0010】
前記磁石は、前記カバー部材の側面部に設けられていてもよい。
【0011】
複数の前記磁石が、前記作用部の長さ方向に沿って設けられていてもよい。
【0012】
前記磁石は、前記カバー部材が装着された状態の前記食事用道具を前記カバー部材が上となるように鉛直方向に位置させた場合に、前記本体が前記カバー部材から落下しないように前記作用部を保持する磁力を有してもよい。
【0013】
前記磁石は、前記カバー部材が装着された状態の前記食事用道具を磁性材料の鉛直面である対象物に取り付けた場合に、前記食事用道具が前記対象物から落下しないように前記食事用道具を吸着させる磁力を有してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、柄と、磁性材料で形成され、前記柄から延び出した棒状又は板状の工具部と、前記工具部に装着されるカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、磁力により前記工具部を前記カバー部材に固定する磁石を有する、工具を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対象物とカバー部材との固定強度を長期に亘って維持できる食事用道具及び工具を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る食事用道具を示す図である。
図2】カバー部材が外された状態の食事用道具の本体の側面図である。
図3】カバー部材の内部構造を説明するための図である。
図4】刃体の断面形状とカバー部材の断面形状とを説明するためのA-A切断線における模式的な断面図である。
図5】磁石の磁力の一例を説明するための図である。
図6】カバー部材をナイフ本体の刃体に装着する様子を説明するための図である。
図7】本発明の他の実施態様に係るナイフを示す図である。
図8】本発明の一形態に係る工具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る食事用道具を示す図である。図1(a)は、食事用道具の平面図であり、図1(b)は食事用道具の側面図である。図2は、カバー部材が外された状態の食事用道具の本体の側面図である。以下では、食事用道具としてナイフを例示する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の食事用道具であるナイフS100は、ナイフ本体10と、カバー部材20とを備えている。
【0019】
ナイフ本体10は、図1及び図2に示すように、柄11と、刃体12とを有する。本実施形態のナイフS100の特徴の1つは、磁石25によって刃体12をカバー部材20に固定できる点にある。
【0020】
柄11及び刃体12は、特定の形状に限定されないが、本実施形態では次のような形状を有する。柄11は、一例として細長い形状に形成され、刃体12の基端部(不図示)を支持している。柄11は、どのような材質であってもよいが、例えば樹脂製、木製、又は金属製である。柄11は、側面11a及び側面11bを有し、これらの側面11a及び側面11bはいずれも一例として平面状に形成されている。側面11aと側面11bとは、一例として互いに平行であり、柄11の厚みは一定である。
【0021】
刃体12は、例えば物を切るための作用部であり、柄11から延び出している。刃体12は、具体的には、平板状であって所定の板厚を有する。刃体12は、磁石が吸着するように磁性材料で形成されている。一例として、刃体12は、強磁性体のステンレス鋼で形成されている。刃体12は、後述するように、カバー部材20に設けられた磁石25に引き付けられる。
【0022】
なお、本実施形態では、物を切るためのナイフである刃体12を示しているが、刃体12はバターナイフのような物を塗るための形状であってもよい。
【0023】
図3は、カバー部材20の内部構造を説明するための図である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は側面図であり、各図においてはカバー部材20の断面形状が模式的に示されている。図3は、磁石25により刃体12がカバー部材20に固定された状態を示している。この状態は、カバー部材20の基端21cが柄11に当接し、刃体12がそれ以上カバー部材20の内部に挿入されない状態である。図4は、刃体12の断面形状とカバー部材20の断面形状とを説明するためのA-A切断線における模式的な断面図である。
【0024】
カバー部材20は、図1及び図3に示すように、刃体12に装着され刃体12を覆う部材である。カバー部材20は、例えば磁性材料ではない材質であり、一例として樹脂製又は木製である。カバー部材20は任意の形状を有していてよいが、本実施形態では、カバー部材20は、先端が閉じた細長い筒状に形成されている。
【0025】
カバー部材20は、具体的には、図3及び図4に示すように、刃体12の一方の側面に対向する第1側面部21-1と、刃体12の他方の側面に対向する第2側面部21-2と、それらの側面部を刃体12の背側で接続する接続領域21-3と、それらの側面部を刃体12の刃側で接続する接続領域21-4と、カバー部材20の先端を閉じる端部領域22とを有している。第1側面部21-1は側面21aを含み、第2側面部21-2は側面21bを含み、これらの側面21a及び側面21bはいずれも一例として互いに平行な平面状に形成されている。
【0026】
側面21aは、柄11の側面11aと同一面に位置しているか、又は、側面11aよりも刃体12の厚み方向の外側(図3(a)における下方)に位置していることが一例として好ましい。同様に、側面21bは、柄11の側面11bと同一面に位置しているか、又は、側面11bよりも刃体12の厚み方向の外側(図3(a)における上方)に位置していることが一例として好ましい。このような構成によれば、磁石25の磁力を利用してナイフS100を冷蔵庫のドア等の対象物に吸着させる際(詳細後述)に、カバー部材20の側面21a又は側面21bを対象物に良好に接触させることができ、ナイフS100を安定的に固定できる。
【0027】
カバー部材20は、刃体12が挿入される中空部20hを有している。中空部20hは、カバー部材20の基端21cから先端側に向かって延在している。中空部20hは、刃体12が挿入可能な形状であればどのような形状であってもよい。本実施形態では、中空部20hは、図4に示すように、刃体12の断面形状より一回り大きい四角形の断面形状を有している。中空部20h内における刃体12の位置を規定するために、カバー部材20の内面に刃体12が挿抜される際にガイドとなるリブ(不図示)が形成されていてもよい。
【0028】
カバー部材20には磁石25が設けられている。磁石25は、磁力により刃体12をカバー部材20に固定する。
【0029】
磁石25として、具体的には、図3(a)に示すように第1磁石25-1及び第2磁石25-2が設けられている。第1磁石25-1は、第1側面部21-1の内面に設けられており、第2磁石25-2は、第2側面部21-2の内面に設けられている。なお、第1磁石25-1及び第2磁石25-2の両方が設けられていることは必須ではなく、いずれかが設けられていればよい。第1磁石25-1及び第2磁石25-2は同様の形状及び同様の配置であるため、以下、第1磁石25-1について説明する。
【0030】
第1磁石25-1(以下、磁石25ともいう)は、例えば厚み方向に磁化された永久磁石である。第1磁石25-1は、刃体12の側面に面するように配置されている。具体的には、第1磁石25-1は、磁化方向に直交する吸着面25aが刃体12の側面の側に対向するように設けられている。磁石25が刃体12の側面に面するとは、本実施形態のように磁石25と刃体12の側面との間に他の部材が介在していない状態だけでなく、他の部材が介在した状態で、磁石25が刃体12の側面に対向している状態も含む。
【0031】
磁石25は、カバー部材20の先端部に設けられている。具体的には、磁石25は、一例として、カバー部材20が装着された状態で、刃体12の全長の先端側1/4の長さの領域S(図1参照)内に位置するような、カバー部材20の先端部に設けられている。カバー部材20が装着された状態で、刃体12に対して図3(b)の白抜き矢印に示すような方向の力が加わっていることが好ましく、これにより、カバー部材20を所定の固定位置に固定することができる。
【0032】
図3ではカバー部材20が単一の部材のように描かれているが、カバー部材20は2つの部品が互いに結合されて構成されていてもよい。具体的には、第1側面部21-1側の第1部品と、第2側面部21-2側の第2部品とが互いに結合されてもよい。磁石25は、結合前の各部品に対して予め固定されてもよい。磁石25を固定するための手段は任意であり、例えば、各部品に形成された凹部に磁石25が嵌め込まれてもよいし、又は、接着剤等で磁石25が各部品に固定されてもよい。なお、第1磁石25-1及び第2磁石25-2は、同極どうしが向き合うように配置されてもよいし、異なる極どうしが向き合うように配置されてもよい。
【0033】
磁石25は、図3(a)に示すように、刃体12と所定の空隙を隔てて設けられている。このような構成によれば、カバー部材20を装着したり取り外したりする際に、磁石25が刃体12に接触しないので、刃体12や磁石25が損傷しない。磁石25は、また、側面部21-1又は側面部21-2の内面よりも突出しないように配置されていてもよい。このような構成によっても、刃体12が磁石25に当接することが防止され、刃体12や磁石25が損傷しない。
【0034】
また、本実施形態では、刃体12の先端も、カバー部材20と所定の空隙により隔てられている。このような構成によれば、カバー部材20に刃体12が接触しないので、刃体12やカバー部材20の損傷を防止できる。
【0035】
磁石25の磁力は、例えば、カバー部材20を鉛直方向の下方に向けた場合に自重でカバー部材20が落下しないような強さである。磁石25がこのような磁力を有することで、刃体12がカバー部材20に吸着されて固定され、カバー部材20が容易に外れない。
【0036】
図5は、磁石25の磁力の一例を説明するための図である。図5(a)は、カバー部材20が装着された状態のナイフS100をカバー部材20が上となるように鉛直方向に位置させた状態を示している。図5(a)に示すように、磁石25は、このような状態でナイフ本体10がカバー部材20から落下しないように刃体12を吸着し、保持する磁力を有していてもよい。
【0037】
また、図5(b)に示すように、磁石25は、ナイフS100を例えば冷蔵庫のドア等の対象物50に取り付けた場合に、ナイフS100がその対象物から落下しないようにナイフS100を吸着させる磁力を有していてもよい。対象物50は、具体的には一例として、磁性材料で形成された鉛直面である。このような構成によれば、使用者は、ナイフS100を磁性材料の任意の対象物に取り付けることができ便利である。特に、磁石25が、刃体12を吸着させる機能と、ナイフS100自体を対象物に吸着させる機能との両方を有しているので、ナイフS100を対象物に吸着させるための磁石を別途設ける必要がない。
【0038】
図3(a)に例示したように、カバー部材20には、第1磁石25-1と第2磁石25-2とが互いに対向するように配置されている。例えば、第1磁石25-1及び第2磁石25-2の磁力を同一にするとともに、第1側面部21-1及び第2側面部21-2の形状や材質を同一にすることで、第1磁石25-1の周辺部と第2磁石25-2の周辺部とが対称的な構成となる。このような構成によれば、ナイフS100の向きにかかわらず、同様の吸着力でナイフS100を対象物に固定することができる。
【0039】
(ナイフS100の作用)
図6は、カバー部材20をナイフ本体10の刃体12に装着する様子を説明するための図である。刃体12にカバー部材20を装着する際、使用者は、図6(a)に示すように、刃体12の先端をカバー部材20の中空部20h内に挿入する。
【0040】
図6(b)のような位置まで刃体12が挿入されると、磁石25の磁力によって刃体12が磁石25側に引き付けられる。その後、図6(c)のような位置まで刃体12が挿入されると、カバー部材20の基端21cがナイフ本体10の柄11に当接し、刃体12が中空部20hの奥側にそれ以上挿入できない状態となり、この状態で、磁石25の磁力によって刃体12とカバー部材20とが固定される。
【0041】
(効果)
以上のように構成されたナイフS100は、磁石25の磁力により刃体12とカバー部材20とが固定される方式であり、カバー部材20の一部と柄11の一部とを機械的に係合させて固定する方式ではないため、仮にカバー部材20の形状が変化した場合であっても固定強度が低下せず、固定強度を長期に亘って維持することができる。
【0042】
また、本実施形態では、磁石25がカバー部材20の先端部に設けられており、図3(a)の白抜き矢印で示したように、刃体12を中空部20h内に引き込む方向の力が刃体12に対して与えられるので、磁力により刃体12をカバー部材20に良好に固定することができる。
【0043】
また、本実施形態では、磁石25が刃体12に所定の空隙を隔てて設けられており、磁石25が刃体12に接触しないので、刃体12を出し入れし易く、また、刃体12が損傷することも防止される。
【0044】
以上、本発明の一形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は種々変更可能である。例えば、本発明の食事用道具は、ナイフではなく、磁性材料で形成されたフォーク又はスプーンである作用部と、その作用部を支持する柄とを有し、カバー部材に設けられた磁石の磁力によって作用部とカバー部材とが固定される構成であってもよい。このように、ナイフ以外の構成であっても、磁石によりカバー部材と作用部とが固定される方式によれば、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
<変形例1>
図7は、本発明の他の実施態様に係るナイフS101を示す図である。上述した実施形態では、カバー部材20の長手方向の一箇所に磁石25が設けられた構成を説明したが、本発明の食事用道具においては、複数の磁石25が、作用部である刃体12の長さ方向の異なる位置に設けられていてもよい。具体的には、複数の磁石25が、刃体12の長さ方向に沿って設けられていてもよい。各磁石25は、同一の構造であってもよいが、例えば、カバー部材20の先端側ほど磁力が強まるような構成であってもよい。図7ではカバー部材20の一方の側面部のみを示しているが、反対側の側面部も同様に構成されていてもよい。
【0046】
このような構成によれば、複数の磁石25が設けられているため、1つ1つの磁石25を小型にすることができる。したがって、例えばカバー部材20を小さく又は薄く形成する必要がある場合に、配置スペースを確保し易い点で有利である。カバー部材20を所定の固定位置に位置させるため、カバー部材20の一部と刃体12又は柄11の一部とが互いに係合する係合構造が設けられていてもよい。
【0047】
<変形例2>
図8は、本発明の一形態に係る工具S102を示す図である。本発明は食事用道具に限らず、工具にも適用可能である。図8に示す工具S102は、工具本体110と、カバー部材120とを有する。工具本体110は、柄111と、柄から延び出した工具部112と、を有する。
【0048】
工具部112は、上述した実施形態の刃体12と同じように磁性材料で形成されている。工具部112は、棒状又は板状の形状であってもよいが、図8の例では、工具部112は棒状の形状を有する。工具部112は、一例としてプラスドライバを構成する工具部である。
【0049】
カバー部材120は、工具部112を覆うように取り付けられる。カバー部材120は、一例として、先端が閉じた筒状の形状を有する。カバー部材120は、具体的には、円筒であってもよい。カバー部材120には、上述した実施形態と同様、磁石25が配置されている。磁石25は、カバー部材120の任意の位置に設けられてもよいが、この例では、カバー部材120の先端面に設けられている。
【0050】
図8の構成において、カバー部材120を工具部112に装着すると、磁力により工具部112がカバー部材120に対して固定される。磁石25の数や配置位置、及び、磁石25の磁力などについては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ナイフS100を例として上述した説明を工具S102に対しても適用しうる。磁石25は、一例として、工具部112を周方向に取り囲むリング状の形状を有していてもよい。
【0051】
以上のように構成された工具S102によれば、磁石25の磁力により工具部112とカバー部材120とが固定される方式であるため、カバー部材120の固定強度を長期に亘って維持することができる。
【0052】
ここまで、例えば図1図8等を参照してカバー部材の例を示したが、磁石の磁力で対象物を固定する方式は、例えば次のような場合にも利用可能である。具体的には、一例として、ナイフ本体の刃体が、まな板などに形成された中空部に差し込まれて保持されるようになっている構成において、当該中空部の内部に磁石が設けられていてもよい。この磁石は、上述した実施形態と同様、磁力により刃体を引き付けて、ナイフ本体を所定の固定位置に保持させるものであってもよい。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0054】
10 ナイフ本体
11 柄
11a 側面
11b 側面
12 刃体
20 カバー部材
20h 中空部
21-1 第1側面部
21-2 第2側面部
21-3 接続領域
21-4 接続領域
21a 側面
21b 側面
21c 基端
22 端部領域
25 磁石
25-1 第1磁石
25-2 第2磁石
25a 吸着面
50 対象物
110 工具本体
111 柄
112 工具部
120 カバー部材
S 領域
S100 ナイフ
S101 ナイフ
S102 工具

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8