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  • 特開-スリープマスク 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058093
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】スリープマスク
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/04 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A61F9/04 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165243
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】522147551
【氏名又は名称】株式会社ミヤジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮村 正司
(57)【要約】
【課題】
明るい場所で睡眠をとり易くすることに限定されず、夜間の就寝時における長時間の睡眠を深いものとするスリープマスクを提供することを課題とする。
【解決手段】
布製又は軟質プラスチックから成る軟性部材であって、目を覆う主部材と、頭部に対して装着される機能を果たす頭部装着用部材と、を備え、前記主部材は、少なくとも耳全体を覆う位置まで延出されていることを特徴とするスリープマスクによって、上記課題を解決した。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布製又は軟質プラスチックから成る軟性部材であって、目を覆う主部材と、
頭部に対して装着される機能を果たす頭部装着用部材と、を備え、
前記主部材は、少なくとも耳全体を覆う位置まで延出されている
ことを特徴とするスリープマスク。
【請求項2】
前記主部材は、頭部の周囲長さよりも長いものとされ、
前記頭部装着用部材は、面ファスナである
ことを特徴とする請求項1に記載のスリープマスク。
【請求項3】
前記主部材は、耳全体を十分に覆う位置までの長さとされており、
前記頭部装着用部材は、弾性紐である
ことを特徴とする請求項1に記載のスリープマスク。
【請求項4】
頭頂部を含む頭部を覆う副部材を、備え
前記副部材は、前記頭部装着用部材と共に頭部に対して装着される機能を果たすものである
ことを特徴とする請求項1に記載のスリープマスク。
【請求項5】
鼻筋脇からの光線の侵入を防止する光線侵入防止手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のスリープマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明るい場所で睡眠をとり易くすることに加え、夜間の就寝時における睡眠をより深いものとするスリープマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
明るい場所で睡眠をとり易くするために目を覆い、光を遮るスリープマスク(アイマスク)が慣用されている。スリープマスク(アイマスク)は、夜間労働者の日中の睡眠や、飛行機や列車等の乗物での移動時に機内や車内で使用することが有効とされている。
一方、近年、「睡眠負債」をキーワードとして、睡眠負債を解消して快適な睡眠を手に入れるための具体的な方法が研究されており、快適な睡眠の3条件は暗さ・静けさ・室温を整えることだとの提唱がされている(参考:ニュートン別冊 睡眠の教科書 増補第2版ISBN978-4-315-52438-3)。このような中、睡眠ブーム、睡眠ビジネスといった動きが俄然注目されるようになってきている。
上記した3条件の暗さ・静けさ・室温について、室温は冷暖房の空調設備で何とかなろうにも、意外にも、暗さと静けさが盲点となることが少なくない。特に、都会の喧騒の中では、適正室温は確保できても、暗さと静けさを得ることが困難である場合が少なくない。
ところで、スリープマスク(アイマスク)の中には、外部光の遮断に加えて、外部音の防止も可能にするものも提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1に記載のスリープマスクは、付属された耳栓を装着して仮眠時に用いることが想定されている。特許文献2に記載のスリープマスクは、ヘッドギア(イヤーマフ)にアイバイザーが付属されたものであり、これを装着して乗物での移動時に用いることが想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-254022号公報
【特許文献2】特開2007-267310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や2に記載のスリープマスク(アイマスク)は、これら文献において説明されるように、仮眠時や移動時に使用することが想定されているものであって、本格的な就寝時に使用することは想定されていない。このため、長時間での就寝時に使用すれば、耳栓やヘッドギアでの圧迫感からくる不快感を伴うばかりか、寝返りを打つ際には、耳栓やヘッドギアといった硬質部材がこめかみや耳介に接触して痛みを感じ、寝返りを打つ妨げともなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、明るい場所で睡眠をとり易くすることに限定されず、夜間の就寝時における長時間の睡眠を深いものとするスリープマスクを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスリープマスクは、少なくとも以下の構成を具備するものである。
布製又は軟質プラスチックから成る軟性部材であって、目を覆う主部材と、頭部に対して装着される機能を果たす頭部装着用部材と、を備え、前記主部材は、少なくとも耳全体を覆う位置まで延出されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、硬質な部材を用いることなく、軟性部材によって、目と耳を覆うことが可能となるので、明るい場所で睡眠をとり易くすることに限定されず、夜間の就寝時における長時間の睡眠を深いものとするスリープマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクを装着した睡眠者の正面図、(d)はスリープマスクを装着した睡眠者の側面図である。
図2】本発明の第二の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクを装着した睡眠者の正面図、(d)はスリープマスクを装着した睡眠者の側面図である。
図3】本発明の第三の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクを装着した睡眠者の正面図、(d)はスリープマスクを装着した睡眠者の側面図である。
図4】本発明の第四の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクの底面図である。
図5】本発明の第四の実施形態に係るスリープマスクを装着した睡眠者を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るスリープマスクは、勿論、仮眠時に使用できるものであるが、夜間の就寝時において快適な睡眠、熟睡を得るためのものであり、基本的には、軟性部材を主な部材として構成されている。
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため、部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。また、本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクを装着した睡眠者の正面図、(d)はスリープマスクを装着した睡眠者の側面図である。
【0012】
第一の実施形態であるスリープマスク1は、目耳あて部11と、面ファスナ12と、鼻ラインフォーム13から構成されている。
【0013】
目耳あて部11は、頭部の周囲長さよりも長いものとされ、後頭部位置で余るようになっている。このため、スリープマスク1の本来の機能である睡眠者の目を覆うことに加えて、睡眠者の耳全体をも覆うようになっている。目耳あて部11の幅(図1における高さ)は、目の高さ位置と耳の高さ位置に多少の個人差があるところ、標準的な者ならば対応できるように、ある程度以上の幅(高さ)に設定されている。目耳あて部11は、綿、絹、ポリエステル等の布地の他、フォーム材(スポンジ)等を用いて形成されるが、何れにしても軟性部材で出来ており、骨材やパッド等が存在せず、寝返り時に邪魔となることがないようにされている。ただし、縫製により、顔の輪郭線に沿った若干の形状が整えられる態様までもが排除されるものではない。例えば、後記する鼻の輪郭に対応させた鼻ラインフォーム13や、フォーム材を用いて、瞬きの障害を無くしたドーム形状のアイホールを形成することは、快適な睡眠のために有効である。
【0014】
面ファスナ12は、後頭部位置での目耳あて部11の余長分を睡眠者の頭の大きさに合わせるように調整した後で、スリープマスク1をしっかりと睡眠者に装着するためのものである。目耳あて部11の一方端にフック(鉤)が設けられており、目耳あて部11の他方端の所定領域にループ(輪)が設けられており、自由に周囲長さを調整できるようにされている。所定領域の長さは、頭部サイズの異なる睡眠者の調整ができるような一定量のものとなっている。
【0015】
鼻ラインフォーム13は、縫製により、鼻の輪郭に合わせた形状が保持されるようにされたものであって、鼻筋脇からの明かりが目に届かないようにする光線侵入防止手段として機能する。図1(d)に示されるように、鼻ラインフォーム13が鼻のラインにフィットして外光を完全に遮断している。なお、睡眠者に圧迫感を与えない程度であれば、軽度の骨材を縫い込むようにしても良い。鼻ラインフォーム13は、夜間に明かりを落とした就寝時には然程には必要とならないものかもしれないが、第一の実施形態であるスリープマスク1は、夜間の就寝時以外にも、乗物での移動時に使用されることも想定されているので、そのための対策として講じられているものである。
【0016】
第一の実施形態のスリープマスク1は、従来のアイマスクと同様に、薄い軟性部材によって構成されている。耳部全体も覆うことができるように、より大きい長さとされているが、耳を覆うために、特に厚みを持たせるということはされていない。このため、こめかみや耳介に痛みを感じることもなく、違和感なく寝返りを打つことができる。目耳あて部11による防音効果につき、耳栓やイヤーマフと比べて効果がないのではないかとの疑問が生じるかもしれないが、そんなことは決してない。たしかに、防音効果そのものを物理測定すれば差はあるであろう。しかし、重要なことは、深い睡眠が可能であるか否かということである。本発明者により実施されたベンチマークテストでは、第一の実施形態であるスリープマスク1によって熟睡感が高まったとの感想を抱く被験者が圧倒的に多く、耳全体を覆うことの無い従来のアイマスクとの間に有意差を確認することができた。
【0017】
(第二の実施形態)
図2は、本発明の第二の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクを装着した睡眠者の正面図、(d)はスリープマスクを装着した睡眠者の側面図である。
【0018】
第二の実施形態であるスリープマスク2は、目耳あて部21と、弾性紐22と、鼻ラインフォーム23から構成されている。
【0019】
目耳あて部21は、後頭部までは届かない長さとされている。ただし、耳全体を十分に覆う位置までの長さは有しているため、スリープマスク2の本来の機能である睡眠者の目を覆うことに加えて、睡眠者の耳全体をも覆うようになっている。目耳あて部21の幅(図2における高さ)は、目の高さ位置と耳の高さ位置に多少の個人差があるところ、標準的な者ならば対応できるように、ある程度以上の幅(高さ)に設定されている。目耳あて部21は、綿、絹、ポリエステル等の布地の他、フォーム材(スポンジ)等を用いて形成されるが、何れにしても軟性部材で出来ており、骨材やパッド等が存在せず、寝返り時に邪魔となることがないようにされている。ただし、縫製により、顔の輪郭線に沿った若干の形状が整えられる態様までもが排除されるものではない。
【0020】
弾性紐22は、頭のサイズの異なる睡眠者の誰に対しても、スリープマスク2をしっかりと装着できるようにするためのものである。第一の実施形態に比べて、簡単な構成とできる他、第一の実施形態では、面ファスナ部の布地が重なった部分の厚みで、寝返り時に不快感を抱く可能性があるところ、これを避ける意味もある。もっとも、紐での締め付け感を嫌う者もいる訳で、要は、睡眠者が自身の好みに合うフィット感のものを選択すれば良いということではある。
【0021】
鼻ラインフォーム23は、縫製により、鼻の輪郭に合わせた形状が保持されるようにされたものであって、鼻筋脇からの明かりが目に届かないようにする光線侵入防止手段として機能する。図2(d)に示されるように、鼻ラインフォーム23が鼻のラインにフィットして外光を完全に遮断している。なお、睡眠者に圧迫感を与えない程度であれば、軽度の骨材を縫い込むようにしても良い。鼻ラインフォーム23は、夜間に明かりを落とした就寝時には然程には必要とならないものかもしれないが、第二の実施形態であるスリープマスク2は、夜間の就寝時以外にも、乗物での移動時に使用されることも想定されているので、そのための対策として講じられているものである。
【0022】
第二の実施形態のスリープマスク2の防音による熟睡度についての効果(ベンチマークテスト)は、第一の実施形態と大きく変わらなかった。寝返り時の違和感の度合いについては、上述したように、個人での好みによるところではあるが、熟睡効果に大きく影響を及ぼす程の差はなかった。
【0023】
(第三の実施形態)
図3は、本発明の第三の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクを装着した睡眠者の正面図、(d)はスリープマスクを装着した睡眠者の側面図である。
【0024】
第三の実施形態であるスリープマスク3は、目耳あて部31と、面ファスナ32と、鼻ラインフォーム33と、キャップ34から構成されている。
【0025】
目耳あて部31は、頭部の周囲長さよりも長いものとされ、後頭部位置で余るようになっている。このため、スリープマスク3の本来の機能である睡眠者の目を覆うことに加えて、睡眠者の耳全体をも覆うようになっている。目耳あて部31の幅(図3における高さ)は、目の高さ位置と耳の高さ位置に多少の個人差があるところ、標準的な者ならば対応できるように、ある程度以上の幅(高さ)に設定されている。目耳あて部31は、綿、絹、ポリエステル等の布地の他、フォーム材(スポンジ)等を用いて形成されるが、何れにしても軟性部材で出来ており、骨材やパッド等が存在せず、寝返り時に邪魔となることがないようにされている。ただし、縫製により、顔の輪郭線に沿った若干の形状が整えられる態様までもが排除されるものではない。
【0026】
面ファスナ32は、後頭部位置での目耳あて部31の余長分を睡眠者の頭の大きさに合わせるように調整した後で、スリープマスク3をしっかりと睡眠者に装着するためのものである。目耳あて部31の一方端にフック(鉤)が設けられており、目耳あて部31の他方端の所定領域にループ(輪)が設けられており、自由に周囲長さを調整できるようにされている。所定領域の長さは、頭部サイズの異なる睡眠者の調整ができるような一定量のものとなっている。
【0027】
鼻ラインフォーム33は、鼻筋脇からの明かりが目に届かないようにするためのものであり、縫製により、鼻の輪郭に合わせた形状が保持されるようにされたものである。図3(d)に示されるように、鼻ラインフォーム33が鼻のラインにフィットして外光を完全に遮断している。なお、睡眠者に圧迫感を与えない程度であれば、軽度の骨材を縫い込むようにしても良い。鼻ラインフォーム33は、夜間に明かりを落とした就寝時には然程には必要とならないものかもしれないが、第三の実施形態であるスリープマスク3は、夜間の就寝時以外にも、乗物での移動時に使用されることも想定されているので、そのための対策として講じられているものである。
【0028】
キャップ34は、頭部に被せるものであり、第三の実施形態においては、面ファスナ32と併せてキャップ34も、頭部装着用部材として機能するものである。本実施形態では、前頭部側は、デザインを重視して、布製で表示部が設けられている一方で、後頭部側は、快適性を重視してメッシュ素材とされている。しかし、前後全体に亘って、メッシュ素材としても良い。
【0029】
第三の実施形態のスリープマスク3の防音による熟睡度、寝返り時の違和感の度合いについての効果(ベンチマークテスト)は、第一及び第二の実施形態と大きく変わらなかった。ただし、キャップ34があることによって、より外れ難いということは確認された。
【0030】
(第四の実施形態)
図4は、本発明の第四の実施形態に係るスリープマスクを示す図であり、(a)はスリープマスクの正面図、(b)はスリープマスクの側面図、(c)はスリープマスクの底面図である。図5は、第四の実施形態に係るスリープマスクを装着した睡眠者を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0031】
第四の実施形態であるスリープマスク4は、目耳あて部41と、面ファスナ42と、鼻あて部43と、キャップ44から構成されている。
【0032】
目耳あて部41は、頭部の周囲長さよりも長いものとされ、後頭部位置で余るようになっている。このため、スリープマスク4の本来の機能である睡眠者の目を覆うことに加えて、睡眠者の耳全体をも覆うようになっている。目耳あて部41の幅(図4における高さ)は、目の高さ位置と耳の高さ位置に多少の個人差があるところ、標準的な者ならば対応できるように、ある程度以上の幅(高さ)に設定されている。目耳あて部41は、綿、絹、ポリエステル等の布地の他、フォーム材(スポンジ)等を用いて形成されるが、何れにしても軟性部材で出来ており、骨材やパッド等が存在せず、寝返り時に邪魔となることがないようにされている。
【0033】
面ファスナ42は、後頭部位置での目耳あて部41の余長分を睡眠者の頭の大きさに合わせるように調整した後で、スリープマスク4をしっかりと睡眠者に装着するためのものである。目耳あて部41の一方端にフック(鉤)が設けられており、目耳あて部41の他方端の所定領域にループ(輪)が設けられており、自由に周囲長さを調整できるようにされている。所定領域の長さは、頭部サイズの異なる睡眠者の調整ができるような一定量のものとなっている。
【0034】
鼻あて部43は、鼻筋脇からの明かりが目に届かないようにするためのものである。図4(a)に示されるように、目耳あて部41の中央下端に連接されるものであるが、当該箇所で、折り返せるようになっており、内側に折りこむことも、外側に捲り出すことも可能となっており、鼻あて部43の使用ないし不使用を状況に応じて選べるようになっている。図4(c)の底面図に示されるように、鼻すじによりスリープマスク4と顔面との間に生じる空間を、鼻あて部43で塞げるようにされている。すなわち、図5(b)に示されるように、鼻の下が塞がれる格好となっている。鼻あて部43は、夜間に明かりを落とした就寝時には然程には必要とならないものかもしれないが、第四の実施形態であるスリープマスク4は、夜間の就寝時以外にも、乗物での移動時に使用されることも想定されているので、そのための対策として講じられているものである。
【0035】
キャップ44は、頭部に被せるものであり、第四の実施形態においては、面ファスナ42と併せてキャップ44も、頭部装着用部材として機能するものである。本実施形態では、前頭部側は、デザインを重視して、布製で表示部が設けられている一方で、後頭部側は、快適性を重視してメッシュ素材とされている。しかし、前後全体に亘って、メッシュ素材としても良い。
【0036】
第四の実施形態のスリープマスク4の防音による熟睡度、寝返り時の違和感の度合いについての効果(ベンチマークテスト)は、第三の実施形態と大きく変わらなかった。鼻ラインフォーム33か鼻あて部43かについては、意見(感想)が分かれたが、個人差ということであり、各人が好みのものを選択すれば良いということである。
【0037】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、主部材については、軟性部材を用いていればよく、布地でなくとも、ジェルなどを内容物とした軟質プラスチックを用いても、寝返り時の妨げとならないようにすることができる。この場合、冷蔵庫にて冷却して用いることで、暗さ・静けさに加えて、温度についても、快適さが得られるようにすることが可能となる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
特に、本発明は、耳までを覆うにも関わらず、寝返り時にも問題がなく、夜間の就寝時におけるスリープマスクとして用いることができる点に大きな意義が存するものであり、当該点に基本的思想を置く発明である。したがって、本発明は、実施形態として説明された構造的な特徴に限定されるべきものではなく、発明思想として広く捉えられるべきものである。
【符号の説明】
【0038】
1…………スリープマスク
11………目耳あて部(主部材)
12………面ファスナ(頭部装着用部材)
13………鼻ラインフォーム(光線侵入防止手段)
2…………スリープマスク
21………目耳あて部(主部材)
22………弾性紐(頭部装着用部材)
23………鼻ラインフォーム(光線侵入防止手段)
3…………スリープマスク
31………目耳あて部(主部材)
32………面ファスナ(頭部装着用部材)
33………鼻ラインフォーム(光線侵入防止手段)
34………キャップ(副部材)
4…………スリープマスク
41………目耳あて部(主部材)
42………面ファスナ(頭部装着用部材)
43………鼻あて部(光線侵入防止手段)
44………キャップ(副部材)
図1
図2
図3
図4
図5