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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005818
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】塵芥収納容器取着具
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/262 20060101AFI20240110BHJP
   E03C 1/264 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
E03C1/262 Z
E03C1/264
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106209
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平井 良典
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DA02
2D061DA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】塵芥収納容器取着具において、可撓性や伸縮性を有する塵芥収納容器を用いても、塵芥収納容器内に収納した塵芥によって排水器の排出口が閉塞されることが無く、また塵芥収納容器を支承するために排水性能が悪化する場合や、清掃性が悪化する場合の無い塵芥収納容器取着具を提供する。
【解決手段】排水流路に配置可能な塵芥収納容器取着具を、塵芥が投入される投入部及び通水性を有し投入部からの塵芥を収納する収納部を備えた塵芥収納容器を排水流路に配置可能な塵芥収納容器取着具であって、
前記塵芥収納容器取着具は、前記塵芥収納容器を着脱可能に取着する取着部を備え、前記取着部は、前記収納部の少なくとも一部を解放状態となるように取着すると共に、前記塵芥収納容器取着具は、前記収納部を係止することで前記収納部の解放状態部分が前記排水流路の下流側へ延出することを制限する制限構造を備えて構成する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥が投入される投入部及び通水性を有し前記投入部からの塵芥を収納する収納部を備えた塵芥収納容器を排水流路に配置可能な塵芥収納容器取着具であって、
前記塵芥収納容器取着具は、
前記塵芥収納容器を着脱可能に取着する取着部を備え、
前記取着部は、前記収納部の少なくとも一部を解放状態となるように取着すると共に、
前記塵芥収納容器取着具は、前記収納部を係止することで前記収納部の解放状態部分が前記排水流路の下流側へ延出することを制限する制限構造を備えたことを特徴とする塵芥収納容器取着具。
【請求項2】
前記塵芥収納容器は、可撓性又は伸縮性のいずれか一方、または両方を有する素材より構成されることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収納容器取着具。
【請求項3】
前記制限構造を、前記塵芥収納容器取着具に設けた、前記収納部の端部又は途中部分を係止する位置決め構造によって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塵芥収納容器取着具。
【請求項4】
前記制限構造を、前記収納部の途中部分を係止することにより閉塞することで、前記収納部の収納可能部分の長さを調整する長さ調整構造によって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塵芥収納容器取着具。
【請求項5】
前記長さ調整構造を、前記塵芥収納容器取着具に設けた、前記収納部を挿通することで前記収納部の途中部分を係止する挿通孔より構成したことを特徴とする請求項4に記載の塵芥収納容器取着具。
【請求項6】
前記長さ調整構造を、前記収納部の途中部分を挟持することで係止する挟持体より構成したことを特徴とする請求項4に記載の塵芥収納容器取着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流し台のシンク等の槽体の排水口に取り付けられるゴミ袋等の通水性を有した塵芥収納容器の取着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流し台のシンク等槽体の内部に生じた排水を処理するため、槽体の底面等に排水流路に連通する排水器を取り付け、排水器に配管を接続して下水側に排水を排出する方法が広く知られている。
槽体に取り付けられる排水器は、上方に槽体内の排水が流入する排水口を設け、底面又は側面に内部の排水を排出するための排出口を備えてなる。また、排水器の内部には、排水中の塵芥を捕集するための目皿やゴミかご等が配置される場合が多い。
また、ゴミかごを使用する場合、内部に溜まったゴミを容易に取り除き、清掃の手間を減らすことを目的として、ゴミかご内に可撓性を有する塵芥収納容器であるゴミ袋を取り付ける方法や、ゴミかごの捕集部分を着脱式のゴミ袋とする方法が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、排水口に取り付ける塵芥収納容器としてのゴミ袋を取着する塵芥収納容器取着具に関する発明であって、樹脂や金属等で構成したリング体からなる塵芥収納容器取着具に、通水性を有するネット状のゴミ袋を通し、投入部を折り返すことでゴミ袋を塵芥収納容器取着具に取着させてゴミかごの機能を持つ部材として構成したものである。
排出口を底面に備えた流し台の排水器の排水口内に、上記塵芥収納容器取着具を配置する。
流し台を使用し、排水が排水口及び通水性のゴミ袋を通過する際に、ゴミ袋が排水中の塵芥を捕集すると共に、ゴミ袋の内部に塵芥が溜まった場合は排水口から塵芥収納容器取着具を取り出し、ゴミ袋の取着状態を解除してゴミ袋ごと塵芥を処分することができる。
また、ゴミ袋の周囲には壁面が存在しない解放状態のため、ゴミ袋を通過した排水は容易に下流側に排出される。
【0004】
特許文献2に示された塵芥収納容器取着具は、排水口に取り付ける塵芥収納容器としてのゴミ袋を取着する塵芥収納容器取着具であって、樹脂や金属等で構成したリング体と、このリング体の内部にリブ片からなる支承部を備えた塵芥収納容器取着具の内部に、通水性を有するネット状のゴミ袋の投入部を配置してゴミ袋を塵芥収納容器取着具に取着させてゴミかごの機能を持つ部材として構成したものである。
排出口を側面に備えた流し台の排水器の排水口内に、上記塵芥収納容器取着具を配置する。
流し台を使用し、排水が排水口及び通水性のゴミ袋を通過する際に、ゴミ袋が排水中の塵芥を捕集すると共に、ゴミ袋の内部に塵芥が溜まった場合は排水口から塵芥収納容器取着具を取り出し、ゴミ袋の取着状態を解除してゴミ袋ごと塵芥を処分することができる。
また、ゴミ袋の周囲には壁面として支承部が配置されている部分があるものの、大部分は壁面が存在しない解放状態のため、ゴミ袋を通過した排水は容易に下流側に排出される。
【0005】
特許文献3に記載の発明は、排水口に取り付ける塵芥収納容器取着具(ストレーナー)とその内部に取り付けられる塵芥収納容器としてのゴミ袋に関する発明であって、略オワン形状を成す塵芥収納容器取着具の側面及び底面に排水用の小孔を複数設け、その内部に通水性を有するネット状のゴミ袋を取り付けて、塵芥がゴミ袋内に収納するように構成したものである。流し台の排水口内に上記塵芥収納容器取着具を配置する。
流し台を使用し、排水が排水口及び通水性のゴミ袋を通過する際に、ゴミ袋が排水中の塵芥を捕集すると共に、ゴミ袋の内部に塵芥が溜まった場合は排水口から塵芥収納容器取着具を取り出し、ゴミ袋を塵芥収納容器取着具から取り出してゴミ袋ごと塵芥を処分することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-47013号公報
【特許文献2】意登1685684号公報
【特許文献3】特開2015-143413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各特許文献に記載した従来の塵芥収納容器取着具の内、解放部分を備えた塵芥収納容器取着具においては、ゴミ袋内部に塵芥が溜まると、塵芥の入ったネット状の塵芥収納容器が排水の流れる方向、即ち下流側に垂れ下がって流路を塞ぐ場合があった。
詳述すると、ネット状のゴミ袋(塵芥収納容器)は可撓性と伸縮性があり、内部に塵芥を収納すると、収納された塵芥が、ネット状のゴミ袋内に収納された状態のまま、排水の流れに沿って下流側に流下してゆく。塵芥は塵芥収納容器であるゴミ袋内に収納されているため完全に下流側に流れてしまうことは無いが、ネット状のゴミ袋は伸長の限界に達するまでは重量物である塵芥の流下を止めることができない。ネット状のゴミ袋に排水器の排出口まで伸びる長さ及び伸縮性の余裕があると、図25に示したように、塵芥はゴミ袋内に収納された状態のまま、排水器に備えられた排出口まで流下し、排出口を閉塞してしまう。
特許文献2に記載の従来の塵芥収納容器取着具には、塵芥収納容器を支えるように支承部が設けられているが、塵芥収納容器取着具が備えられる排水口の内径は150ミリメートル程度と比較的大きく、支承部の本数が多くないこともあり、直径40ミリメートル程度の塵芥であれば支承部の間の解放部分からゴミ袋内に収納された状態のまま、排水器に備えられた排出口まで流下し、排出口を閉塞してしまう。
特許文献3に記載の従来の塵芥収納容器取着具のように、塵芥収納容器取着具を略オワン形状とし、その内部にネット状の塵芥収納容器としてのゴミ袋を取り付けるようにすれば、ゴミ袋には解放部分が無く、塵芥はオワン形状の部分を通過することができず、排出口が閉塞されることは無い。略オワン形状の部分には通水の為の小孔が備えられてなるが、塵芥またゴミ袋はこの小孔を通過できないため、特許文献3の塵芥収納容器取着具に取り付けられたゴミ袋には解放部分は無く、解放部分から塵芥が下流側に流下することも無い。
しかし、排水は塵芥の詰まったネット状のゴミ袋を通過した後、更にオワン形状の部分の小孔を通過しなければならないため、ゴミ袋を通過した排水の流れは極めて悪くなる。また、オワン形状の部分の内面にゴミ袋が接しているため、オワン形状の部分の内面には塵芥の汚れが付着すると共に、塵芥に由来するヌメリが付着し、ゴミ袋を取り出した後、塵芥収納容器取着具のオワン形状の部分の内面を清掃する必要が生じ、結局容易に塵芥の処理することはできない、という問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、塵芥収納容器取着具において、可撓性や伸縮性を有する塵芥収納容器を用いても、塵芥収納容器内に収納した塵芥によって排水器の排出口が閉塞されることが無く、また塵芥収納容器を支承するために排水性能が悪化する場合や、清掃性が悪化する場合の無い塵芥収納容器取着具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
手段1.本発明は、塵芥が投入される投入部及び通水性を有し投入部からの塵芥を収納する収納部を備えた塵芥収納容器を排水流路に配置可能な塵芥収納容器取着具であって、
前記塵芥収納容器取着具は、前記塵芥収納容器を着脱可能に取着する取着部を備え、前記取着部は、前記収納部の少なくとも一部を解放状態となるように取着すると共に、前記塵芥収納容器取着具は、前記収納部を係止することで前記収納部の解放状態部分が前記排水流路の下流側へ延出することを制限する制限構造を備えたことを特徴とする塵芥収納容器取着具である。
ここで、「収納部が解放状態である」とは、塵芥収納容器の収納部について、収納部の周囲に、収納部が排水流路に向かって延出することを妨げる壁面等が無く、収納部が排水流路の排水の流れに沿って下流側に延出することが妨げられない状態を示す。例えば、特許文献1に記載の発明では、収納部の周囲に収納部が排水流路に向かって延出することを妨げる壁面等が無く、収納部が排水流路の排水の流れに沿って下流側に延出することが支障なく可能な状態であり、収納部は解放状態である。
特許文献2に記載の塵芥収納容器取着具では、収納部の周囲に支承部があるものの、支承部の間隔が広く、支承部同士の間を収納部が排水流路の排水の流れに沿って下流側に延出することが支障なく可能な状態であり、収納部は解放状態である。
特許文献3に記載の発明では、収納部の周囲に略オワン形状を成す塵芥収納容器取着具による壁面が配置されている。収納部は、塵芥収納容器取着具の壁面を通過することも、塵芥収納容器取着具に設けられた排水用の小孔を通過することも不可能である。即ち、特許文献3に記載の発明における収納部は、収納部の周囲に配置された塵芥収納容器取着具に小孔が存在しているが、塵芥収納容器取着具から塵芥収納容器が下流側に延出することは不可能なため、解放状態ではない。
【0009】
手段2.本発明は、前記塵芥収納容器は、可撓性又は伸縮性のいずれか一方、または両方を有する素材より構成されることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収納容器取着具である。
【0010】
手段3.本発明は、前記制限構造を、前記塵芥収納容器取着具に設けた、前記収納部の端部又は途中部分を係止する位置決め構造によって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塵芥収納容器取着具である。
【0011】
手段4.本発明は、前記制限構造を、前記収納部の途中部分を係止することにより閉塞することで、前記収納部の収納可能部分の長さを調整する長さ調整構造によって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塵芥収納容器取着具である。
【0012】
手段5.本発明は、前記長さ調整構造を、前記塵芥収納容器取着具に設けた、前記収納部を挿通することで前記収納部の途中部分を係止する挿通孔より構成したことを特徴とする請求項4に記載の塵芥収納容器取着具である。
【0013】
手段6.本発明は、前記長さ調整構造を、前記収納部の途中部分を挟持することで係止する挟持体より構成したことを特徴とする請求項4に記載の塵芥収納容器取着具である。
【0014】
本発明によれば、ゴミ袋などの塵芥収納容器を、解放状態を有して取着する塵芥収納容器取着具において、塵芥収納容器が可撓性や伸縮性を有していても、収納部の解放状態の部分が排水流路の下流側へ延出することを制限する制限構造を備えたことで、収納部の解放状態の部分から塵芥収納容器に収納された塵芥が排出口まで流下し排出口を閉塞することを防止することができる。
また、本発明の構成を備えた塵芥収納容器取着具には、可撓性や伸縮性を有する素材より構成した塵芥収納容器を使用すると好適である。
制限構造の具体的構造としては、塵芥収納容器の収納部の端部や途中部分を係止することで、塵芥収納容器に収納された塵芥が排出口まで流下することを防止する位置決め構造や、ゴミ袋等塵芥収納容器の、収納部の長さを調整することで、塵芥収納容器に収納された塵芥が排出口まで流下することを防止する長さ調整構造等がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第一実施例を採用した流し台の断面図である。
図2図1の流し台の排水口近傍の断面図である。
図3図2の部材構成を示す参考図である。
図4】第一実施例の塵芥収納容器取着具の平面図である。
図5】第一実施例の塵芥収納容器取着具の底面図である。
図6】第一実施例の塵芥収納容器取着具の側面図である。
図7】第一実施例の塵芥収納容器取着具の断面図である。
図8】第一実施例の塵芥収納容器取着具にゴミ袋を取り付ける手順を示す参考図である。
図9】第一実施例の塵芥収納容器取着具にゴミ袋を取り付ける手順を示す参考図である。
図10】第一実施例の塵芥収納容器取着具にゴミ袋を取り付けた状態を示す断面図である。
図11】第一実施例の塵芥収納容器取着具を流し台に施工する手順を示す断面図である。
図12】第一実施例の塵芥収納容器取着具を流し台に施工した状態を示す断面図である。
図13図12の実施例の、収納部内に塵芥を収納した状態を示す断面図である。
図14】第二実施例の塵芥収納容器取着具の平面図である。
図15】第二実施例の塵芥収納容器取着具の側面方向の断面図である。
図16】第二実施例の塵芥収納容器取着具の斜視図である。
図17】第二実施例の塵芥収納容器取着具にゴミ袋を取り付ける手順を示す参考図である。
図18】第二実施例の塵芥収納容器取着具にゴミ袋を取り付けた状態を示す断面図である。
図19】第二実施例の塵芥収納容器取着具を流し台に施工する手順を示す断面図である。
図20】第二実施例の塵芥収納容器取着具を流し台に施工した状態を示す断面図である。
図21図20の実施例の、収納部内に塵芥を収納した状態を示す断面図である。
図22】他の実施例の塵芥収納容器取着具にゴミ袋を取り付けた状態を示す断面図である。
図23】挟持体を用いる塵芥収納容器取着具の実施例を示す断面図である。
図24】挟持体の、(a)開口状態を、(b)閉口状態を、それぞれ示す斜視図である。
図25】特許文献1に記載の従来例の、ゴミ袋に塵芥を収納した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の各実施例について説明する。
尚、以下に記載する本発明の各実施例の説明において、塵芥収納容器取着具1は、ホームセンターでの購入やインターネットによる通販、いわゆるeコマースで購入する場合を想定しており、シンクS等に施工された既設の排水器の排水口9aから既設の塵芥収納容器(ゴミかご)等を取り外し、新規に購入した本発明の塵芥収納容器取着具1に交換する場合も想定して構成している。
このため、設計に際し後述する標準寸法を適宜参考として設計を行い、多種多様な排水器の排水口9aに対応できる塵芥収納容器取着具1としている。
【0017】
以下に、本発明の第一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図13に示した、本発明の第一実施例の塵芥収納容器取着具1は、槽体としての流し台NのシンクSに用いられる。
【0018】
まず、流し台Nについて図2及び図3を参照して説明する。
流し台Nは、以下に記載するワークトップ部W、キャビネット部C、排水器本体9、継手部材11、トラップ部材12等の部材より構成される。
ワークトップ部Wは、金属の板材からなるカウンター部Kと、カウンター部Kに設けられた、上方が開口した箱体形状であるシンクSとからなる。また、シンクSの底面には排水器本体9が取り付けられる取付穴S1が設けられてなる。
キャビネット部Cは、上方が開口し、正面に扉が備えられた箱体であって、その内部に排水器本体9等からなる排水配管が施工される。
排水器本体9は、有底円筒形状を成す上方が開口した部材であって、その内部には施工完了時シンクS内の排水が流入する排水口9aが形成されてなる。また、排水口9aの内部には排水口9aの上端から20ミリメートルほど下方となる位置に内側に突出した段部9bを備えてなる。
また、排水器本体9は、上端の外周部分に周縁に沿ってフランジ部9cが設けられ、フランジ部9cの下方の外側面には雄ネジ部9dが設けられると共に、排水器本体9の底面近傍の側面に、側面方向に向かって排水口9aからの排水を排出させる排出口9eを備えてなる。
また、排水口9aの内径部分の寸法は、「標準寸法」にて設計されている。
標準寸法について説明すると、例えばシンクSを製造するメーカーと排水器本体9を製造するメーカー等、接続部分を有するが製造するメーカーは別のメーカーである場合に、メーカー各自がまちまちの寸法を採用すると、接続箇所の寸法が合わない不具合が生じる。これを避けるため、工業規格とは別に、メーカーや販売会社等の間で使用実績・使用目的・販売目的に合わせて自発的に共有の寸法を設定する場合があり、これが標準寸法である。
本実施例の排水器本体9においては、フランジ部9cの外縁、排水口9aの上縁から段部9b上面までの内径部分、シンクSの取付穴S1や排水器本体9の取り付け個所の外径等が標準寸法であり、本実施例を含む本発明の各実施例の塵芥収納容器取着具1は、適宜標準寸法を参照して各部を設計している。
また、排水器本体9は雄ネジ部9dと螺合する雌ネジ部10aを備えたナット部材10を備える。
継手部材11は、管体を略L字形状に屈曲させた部材であって、上流側の端部は排出口9eに、下流側の端部はトラップ部材12の上流側端部に、それぞれ接続される。
トラップ部材12は、管体をS字形状に屈曲させることで内部に封水部を形成するように構成した配管部材である。トラップ部材12の下流側は、床下に備えられた床下配管に接続されてなり、床下配管は下水側の配管に接続されてなる。
【0019】
流し台Nは以下のように施工される。尚、キャビネット部Cとワークトップ部Wは、キャビネット部C上にワークトップ部Wを取り付けた状態で建物の建築時に搬入され、建物の床面に固定される。
ワークトップ部WのシンクSの取付穴S1に上方から排水器本体9を挿入し、取付穴S1の周縁上面に排水器本体9のフランジ部9cの下面を当接させる。次にシンクSの下方からナット部材10の雌ネジ部10aを排水器本体9の雄ネジ部9dに螺合させ、フランジ部9cとナット部材10とで取付穴S1の周縁を挟持することで、排水器本体9をシンクSに固定する。
次に、排水器本体9の排出口9eを継手部材11の上流側端部に接続する。
次に、継手部材11の下流側端部をトラップ部材12の上流側端部に接続した上で、トラップ部材12の下流側端部を床下配管に接続することで、図2に示した流し台Nの施工が完了する。
【0020】
次に塵芥収納容器取着具1について説明する。
図4乃至図10等に図示した塵芥収納容器取着具1は、以下に記載する取着具本体2から構成され、以下に記載する塵芥収納容器としてのゴミ袋Gが取着される。
取着具本体2は、以下に記載する、枠体部3a、取着部3、覆い部4、投入口5、目隠し部6、位置決め構造としての係止爪7から構成される。
取着部3は、円環形状を成す枠体部3aと、枠体部3aの下端から外周方向に向かって放射状に延びる複数の突起部3bと、から構成される。突起部3bの先端は、図5に示したように円弧形状を成し、この突起部3bに後述する塵芥収納容器としての投入部G1の開口の内側面を着脱可能に取着する。
また、図5の点線は排水口9aの上端の内径と同じ大きさの円を仮想的に示したものである。この図5より明らかなように、複数の突起部3bの先端部分が成す円弧の径は、排水口9aの内側面が成す円弧の径とほぼ同一であり、これによって後述するように突起部3bは排水口9aに内接可能に構成されている。排水口9aの上端の内径は標準寸法であり、標準寸法に基づいて突起部3bを設計することで、排水器本体9のメーカーに関係なく突起部3bを排水口9aに内接するように構成することができる。
覆い部4は取着部3の枠体部3aの上端から外径方向に設けられたリング状の部分であって、取着部3の枠体部3aと突起部3bを上方から覆う位置に設けられている。また覆い部4の外径は、標準寸法を参考として排水器本体9のフランジ部9cの外径とほぼ同じ径となるように構成されている。
目隠し部6は、前記取着部3の枠体部3aの内側に向かって設けられた壁面であって、中心に向けて緩やかな登り勾配を成す部分と、中心に向けて下り勾配を成す部分の二つの傾斜部分を備え、この2つの傾斜部分の間に、取着具本体2の上方から取着部3の枠体部3a内に連通する開口である投入口5を備えてなる。
係止爪7は図6及び図7に示したように、複数ある突起部3bの内の一つの上面に設けられ、上方に向かって突出する円錐状の突起からなる。
【0021】
塵芥収納容器としてのゴミ袋Gは、可撓性及び伸縮性を有するネット状の素材を袋状に編み合わせた部材であって、塵芥Dが投入される開口を備えた投入部G1と、投入部G1からの塵芥Dが収納される収納部G2と、から構成される。塵芥Dが投入される投入部G1の開口にはリング状のゴムを編み込んだことで、応力を加えることで拡径させることができ、応力を加えることをやめることで収縮させることができる。また、収納部G2を成すネット状の素材は通水性を有し、排水を通過させつつ、排水等の中に含まれる塵芥D等を捕集することができる。
尚、この塵芥収納容器としてのゴミ袋Gは、使い捨てを前提とした安価な部材であり、各種メーカーから類似した商品が多数販売されている。どのような流し台Nや塵芥収納容器取着具1であっても取着可能とするため、ゴミ袋Gは排水口9aの標準寸法を参考として、標準寸法より若干大きめの寸法となるように構成されることが多い。このため、多くのゴミ袋Gにおいて、ゴミ袋Gを伸ばした時の全長(投入部G1から収納部G2下端までの長さ)は、排水器本体9の排水口9aの上端から排出口9eまでの長さより長くなるように構成されている。
【0022】
塵芥収納容器取着具1は、以下のように組み立てられる。
まず、図8から図9に図示したように、取着具本体2の取着部3の突起部3bに投入部G1の開口を取り付ける。投入部G1の開口にはリング状のゴムが編み込まれており、その弾性によって投入部G1の開口の周縁を内側から取着部3の突起部3bに取着させると、投入部G1の開口が収縮して投入部G1が取着部3から外れない状態となる。
この状態から、図9の矢印にて示したようにゴミ袋Gの端部となる下端部分を持ち上げ、係止爪7に刺してゴミ袋Gの端部を位置決め固定することで、図10に図示した状態となり、塵芥収納容器取着具1の組み立てが完了する。このように、この時投入部G1の開口は取着部3の枠体部3aの外側に位置する突起部3bに取着されているため、枠体部3aの内側に設けられている投入口5は塵芥収納容器である投入部G1の開口に連通した状態である。
また、係止爪7によって可撓性を有する塵芥収納容器であるゴミ袋Gの端部を位置決め固定していることから、係止爪7は位置決め構造である。
また、本実施例の塵芥収納容器取着具1では、収納部G2の周囲には壁面などの構成が存在せず、収納部G2が排水流路の排水の流れに沿って下流側に延出することが妨げられていない状態であり、即ち収納部G2の全体が解放状態となるように取着されている。
【0023】
上記のようにして組み立てられた塵芥収納容器取着具1は以下のようにして排水流路の一部である排水口9aに配置され使用される。
まず、図11に図示したように塵芥収納容器取着具1の突起部3bの先端が排水口9aの内側面に内接した状態となるようにして、排水口9aに塵芥収納容器取着具1を上方から取り付ける。突起部3bの先端が排水口9aの内側面に内接することで、塵芥収納容器取着具1は水平方向に移動することは無くなり水平方向に対して位置決めされる。また、図12に図示したように、覆い部4がフランジ部9cの上面に当接し全体を覆い隠すことで上下方向に対しても位置決めされる。
上記のように、本実施例の塵芥収納容器取着具1は標準寸法のみを参考として設計しているが、当接する部分は標準寸法に係る部分のみであるため、標準寸法以外の部分の寸法が合致しない流し台Nの排水口9aであっても支障なく施工することができる。
以上のようにして、塵芥収納容器取着具1を排水口9aに配置することができ、本実施例の塵芥収納容器取着具1を採用した流し台Nの施工が完了する。
【0024】
上記のように構成した流し台Nを使用し、塵芥Dを含んだ排水がシンクS内に排出されると、排水は、投入口5から排水口9a内に流入し、ゴミ袋Gの収納部G2を通過して排出口9eに達し、排出口9eから継手部材11、トラップ部材12、床下配管を介し最終的に下水側に排出される。即ち、本実施例では、排水口9aの上端から、排水器本体9内、排出口9e、継手部材11、トラップ部材12、床下配管を介し下水側の配管までが排水流路であり、排水口9aはその入り口である。
また、排水に含まれていた塵芥Dは、ネット状の素材からなるゴミ袋Gに捕集されて下流側に流出することは無い。
また、塵芥収納容器取着具1の配置が完了した状態において、ゴミ袋Gの内部は目隠し部6に覆われるため、使用者がゴミ袋G内部の塵芥Dを視認して不快な思いをすることは無く、良好な意匠性とすることができる。
【0025】
流し台Nの使用により塵芥収納容器であるゴミ袋Gの内部に塵芥Dが溜まると、塵芥Dの重量と排水の流れによって可撓性及び伸縮性を有するゴミ袋Gが下流側に伸長するが、本実施例においては、ゴミ袋Gの端部が位置決め構造である係止爪7に位置決め固定されている。このため、図13に図示したように、ゴミ袋Gが大きく下流側に延出することは不可能となり、ゴミ袋Gにより排出口9eや排水流路が閉塞されることが無くなる。即ち、係止爪7によって収納部G2の端部を位置決め固定する構造は、排水流路の下流側へ収納部G2が延出することを制限する制限構造である。
【0026】
流し台Nを使用することでゴミ袋G内部に大量の塵芥Dが溜まった場合、排水口9aから塵芥収納容器取着具1を取り出し、塵芥Dを処理するための大型のゴミ袋等の開口まで移動させた上で、投入部G1の開口周縁を把持して複数の突起部3bとの取着状態を順次解除する。また、ゴミ袋Gの端部をつまみ上げることで係止爪7とゴミ袋Gとの位置決め固定が解除される。このようにして塵芥収納容器取着具1とゴミ袋Gとの取着が解除でき、塵芥収納容器としてのゴミ袋Gを大型のゴミ袋内に投下することができる。
この作業において、前述の通り投入部G1の開口周縁と係止爪7に係止されていた部分、少なくとも突起部3bよりも上方の部分には塵芥Dが付着していないため、ゴミ袋Gと塵芥収納容器取着具1との取着を解除する際に、作業者が塵芥Dに触れることは無く衛生的である。
【0027】
次に、本発明の第二実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図14乃至図21に図示した、本発明の第二実施例の塵芥収納容器取着具1は、槽体としての流し台NのシンクSに用いられる。尚、流し台Nや流し台Nに施工される排水配管の各部材の構造や施工方法は第一実施例の流し台NのシンクSや排水配管と同一のため省略し、以下に第一実施例と相違する部材としての塵芥収納容器取着具1と、塵芥収納容器取着具1を目隠しする新規な部材としての目隠しプレートMについてのみ説明する。
【0028】
以下に第二実施例の塵芥収納容器取着具1について説明する。
図14乃至図18等に図示した第二実施例の塵芥収納容器取着具1は、以下に記載する取着具本体2から構成され、以下に記載する塵芥収納容器としてのゴミ袋Gが取着される。
取着具本体2は、以下に記載する、取着部3、支承部3dから構成される。
取着部3は、円環形状の枠体部3aと、その枠体部3aの上端から外周方向に向かって延出された鍔部3cと、から構成される。鍔部3cの外径は排水口9aの内径と略同一となるように構成されており、施工完了時には、鍔部3cが排水口9aの段部9b上に載置される。
支承部3dは、枠体部3a下端から、側面視円弧を描きつつ枠体部3aの中央に向かうようにして設けられたリブ片である。本実施例では、6本の支承部3dが枠体部3a上に等間隔に設けられ、枠体部3aの中央部分で合流するように構成されてなる。
また、上記支承部3dの中央の合流部分に上下に貫通した挿通孔3eが構成されてなる。
【0029】
塵芥収納容器としてのゴミ袋Gは、第一実施例のゴミ袋Gと同一の構成の為説明は省略する。
【0030】
目隠しプレートMは、流し台Nの使用時において、塵芥収納容器の内部に収納された塵芥Dが使用者に露出し、使用者が不快感を生じるため、塵芥収納容器の内部を覆い隠すための部材であって、円盤状にして排水や塵芥Dを通過させる投入口5を備えた目隠し板部M1と、目隠し板部M1の周囲から下方に延出された環状脚部M2と、から構成される。目隠し板部M1の外径は、排水口9aの内径と略同一となるように構成されてなる。
【0031】
塵芥収納容器取着具1は、以下のように組み立てられる。
まず、図17に図示したように、ゴミ袋Gの投入部G1の開口を上方に向けた状態で、取着具本体2の上方からゴミ袋Gを降下させ、枠体部3a内側面及び支承部3d上面に、ゴミ袋Gの収納部G2の外側面が接するようにする。
次に、ゴミ袋Gの投入部G1の開口周縁を折り返して鍔部3cに投入部G1の開口周縁を巻き付けるように配置する。
次に、ゴミ袋Gの収納部G2の下端を挿通孔3eに挿通することで、図18に図示した状態となり、塵芥収納容器取着具1の組み立てが完了する。このように、ゴミ袋Gの下端を挿通孔3eに挿通すると、挿通孔3eの位置でゴミ袋Gは係止され結束された状態となり、挿通孔3eよりも下方ではその内部に塵芥Dが収納されることは無くなる。このようにして、塵芥収納容器であるゴミ袋Gの収納部G2の収納可能部分の長さが調整される。
即ち、挿通孔3eは、塵芥収納容器の収納部G2の収納可能部分の長さを調整する長さ調整構造である。
また、本実施例の塵芥収納容器取着具1に取着されたゴミ袋Gでは、支承部3dの間部分に位置した部分は解放された状態であり、当該部分における収納部G2の周囲には壁面などの構成が存在せず、収納部G2が排水流路の排水の流れに沿って下流側に延出することが妨げられていない状態である。即ち、本実施例では、収納部G2の少なくとも一部は解放状態となるようにして塵芥収納容器取着具1に取着されている。
【0032】
上記のようにして組み立てられた塵芥収納容器取着具1は、排水口9aの段部9b上に鍔部3cを載置させることで排水口9aに配置される。
排水口9aに塵芥収納容器取着具1を配置した時、排水口9aの内側面に鍔部3cの外側面が接することで、塵芥収納容器取着具1は水平方向に移動することは無くなり水平方向に対して位置決めされる。また、鍔部3cが段部9b上に配置されることで、塵芥収納容器取着具1は上下方向に移動することは無くなり上下方向に対して位置決めされる。
以上のようにして、塵芥収納容器取着具1を排水口9aに配置することができる。
上記のように、本実施例の塵芥収納容器取着具1は標準寸法のみを参考として設計しているが、当接する部分は標準寸法に係る部分のみであるため、標準寸法以外の部分の寸法が合致しない流し台Nの排水口9であっても支障なく施工することができる。
以上のようにして、塵芥収納容器取着具1を排水口9aに配置することができる。
更に、排水口9a内であって、塵芥収納容器取着具1の上方に目隠しプレートMを配置して、本実施例の塵芥収納容器取着具1を採用した流し台Nの施工が完了する。
【0033】
このようにして塵芥収納容器取着具1を排水口9a内に配置した流し台Nを使用し、塵芥を含んだ排水がシンクS内に排出されると、排水は、目隠しプレートMの投入口5から排水口9a内に流入し、ゴミ袋Gの投入部G1の開口と収納部G2を通過して排出口9eに達し、排出口9eから継手部材11、トラップ部材12、床下配管を介し最終的に下水側に排出される。
この時、排水に含まれていた塵芥Dはネット状の素材からなるゴミ袋Gに捕集され下流側に流出することは無い。
【0034】
流し台Nの使用により塵芥収納容器であるゴミ袋Gの内部に塵芥Dが溜まると、塵芥Dの重量と排水の流れによって可撓性及び伸縮性を有するゴミ袋Gが下流側に延出するが、本実施例においては、ゴミ袋Gの収納部G2の収納可能部分の長さが挿通孔3eの位置までに制限されている。このため、図21に示したように、ゴミ袋Gの収納部G2の収納可能部分が排出口9eに達することなくゴミ袋Gの伸長の限界に達する。このため、ゴミ袋Gに収納された塵芥Dにより排出口9eや排水流路が閉塞されることが無くなる。即ち、挿通孔3eによって収納部G2の途中部分を係止し閉塞することで、収納部G2の収納可能部分の長さを調整する長さ調整構造は、排水流路の下流側へ収納部G2が延出することを制限する制限構造である。
尚、図20に図示したように、収納部G2の下端が排出口9eに達する場合があるが、収納部G2の途中部分が挿通孔3eに係止されて閉塞されているため、閉塞位置よりも下方(下流側)の収納部G2は収納可能部分ではなくなっている。このため、閉塞位置よりも下方(下流側)の収納部G2である収納部G2の下端に塵芥Dが収納されることは無く、塵芥Dによって排出口9eが閉塞されることは無い。収納部G2自体は通水性を有するため、内部に塵芥Dが存在しない状態であれば、収納部G2が排出口9eに達しても、排出口9eが通水不可能となることは無い。
【0035】
流し台Nを使用することでゴミ袋G内部に大量の塵芥Dが溜まった場合、排水口9aから塵芥収納容器取着具1を取り出し、塵芥Dを処理するための大型のゴミ袋等の開口まで移動させた上で、投入部G1の開口周縁を把持してゴミ袋Gを塵芥収納容器取着具1から引き上げる。ゴミ袋Gを引き上げることで、自然に挿通孔3eからゴミ袋Gの係止状態が解除されて抜脱され、塵芥収納容器取着具1とゴミ袋Gとの取着が解除できる。そのまま、塵芥収納容器としてのゴミ袋Gを大型のゴミ袋内に投下し、ゴミ袋Gを処理することができる。
この作業において、前述の通り投入部G1の開口周縁、少なくとも鍔部3c裏面に配置されていた部分には塵芥Dが付着していないため、当該部分を摘まむことで、ゴミ袋Gと塵芥収納容器取着具1との取着を解除する際に作業者が塵芥Dに触れることは無く衛生的である。
【0036】
本発明の実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定される物ではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記第一実施例では、係止爪7に塵芥収納容器の収納部G2の端部を係止しているが、塵芥収納容器が相当に長い場合、図22に示した実施例のように、係止爪7に塵芥収納容器の収納部G2の途中部分を係止するように構成しても構わない。
【0037】
また、上記第二実施例では、塵芥収納容器取着具1に挿通孔3eを設け、この挿通孔3eに塵芥収納容器を挿通することで、塵芥収納容器の途中部分を係止させて塵芥収納容器を閉塞しているが、図23に示した実施例のように、挟持体8に塵芥収納容器の途中部分を係止させて塵芥収納容器を閉塞するように構成しても構わない。
図23の実施例においては、塵芥収納容器取着具1は、第一実施例の塵芥収納容器取着具1から係止爪7を省略した取着具本体2と、以下に説明する挟持体8から構成されている。
挟持体8は、図24に示したように、二枚の板状体8aと、この板状体8a同士をつなぐヒンジ部8bと、板状体8aのヒンジ部8bとは反対側の端部に設けられた嵌合部8cからなる。
図23の塵芥収納容器取着具1を使用する場合、取着具本体2に、第一実施例の塵芥収納容器取着具1と同じ方法でゴミ袋Gを取着した上で、ゴミ袋Gの途中部分に挟持体8を配置する。
ゴミ袋Gの途中部分に配置した挟持体8を、図24の(a)に図示したような開口状態から、ゴミ袋Gの収納部G2の途中部分を板状体8a同士の間に挟みつつ、嵌合部8cを嵌合させ、図24の(b)に図示したような閉口状態とする。このようにすることで、図23に図示したように、ゴミ袋Gの途中部分が挟持体8によって挟持・閉塞され、ゴミ袋Gの収納部G2の途中部分を閉塞することができる。
この時、図23の実施例では、収納部G2の挟持体8に挟持された部分を除く全体が解放状態となるようにして塵芥収納容器取着具1に取着されている。
上記のように構成した塵芥収納容器取着具1を、第一実施例と同様に構成された流し台の排水口9aに配置することで、流し台Nを支障なく使用することができる。
図23の実施例においては、挟持体8によってゴミ袋Gの収納部G2の途中部分を閉塞し、収納部G2の収納可能部分の長さを制限したことで、ゴミ袋Gの収納可能部分が排出口9eに達することなくゴミ袋Gが伸長の限界に達する。このため、ゴミ袋Gに収納された塵芥Dにより排出口9eや排水流路が閉塞されることが無くなる。
【0038】
また、上記実施例では、流し台NのシンクSに塵芥収納容器取着具1を配置してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、浴槽や洗面台等の排水口9aに採用しても構わない。
【符号の説明】
【0039】
1 塵芥収納容器取着具 2 取着具本体
3 取着部 3a 枠体部
3b 突起部 3c 鍔部
3d 支承部 3e 挿通孔
4 覆い部 5 投入口
6 目隠し部 7 係止爪
8 挟持体 8a 板状体
8b ヒンジ部 8c 嵌合部
9 排水器本体 9a 排水口
9b 段部 9c フランジ部
9d 雄ネジ部 9e 排出口
10 ナット部材 10a 雌ネジ部
11 継手部材 12 トラップ部材
C キャビネット部 D 塵芥
G ゴミ袋 G1 投入部
G2 収納部 K カウンター部
M 目隠しプレート M1 目隠し板部
M2 環状脚部 N 流し台
S シンク S1 取付穴
W ワークトップ部
図1
図2
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