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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058189
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A63F7/02 304B
A63F7/02 316A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165399
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅史
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆行
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA03
2C088DA07
2C088EB14
2C088EB64
(57)【要約】
【課題】センサを適切に収納部に収納することができる遊技機を提供する。
【解決手段】収納部222に収納された第2始動口センサ22aがフック226の爪部226bによりロックされる。その爪部226bを支持する軸部226aは、挿入方向と交差する方向に延び出す第1軸部226a1と、挿入方向に延び出す第2軸部226a2とにより構成されている。これにより、第2始動口センサ22aを収納部222に収納する際に、第1軸部226a1と第2軸部226a2とにより構成される軸部226aを撓ませ易くなり、第2始動口センサ22aを適切に収納部222に収納することが可能となる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向からセンサが収納される収納部と、
前記収納部に収納された前記センサを爪によりロックするフックと、
を備え、
前記フックが、
前記収納部に設けられ前記所定の方向と交差する方向に延び出す第1軸部と、
前記第1軸部の先端から前記所定の方向に延び出す第2軸部と、
前記第2軸部の先端に設けられる前記爪と、
により構成されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1軸部が、前記収納部に固定され前記所定の方向と直交する方向に延び出すことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1軸部と前記第2軸部とが直行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1軸部の長さ寸法が、前記第2軸部の長さ寸法より長いことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記フックは、前記第1軸部と前記第2軸部と前記爪とにより樹脂製の素材で一体的に成形されており、
前記第1軸部と前記第2軸部とが弾性力に抗して撓むことで、前記センサが前記収納部に収納されて前記爪によりロックされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、球の通過を検知する近接センサ、磁石を感知する磁気センサ等の種々のセンサを備える遊技機が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-134542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
球の通過を検知する近接センサ等の種々のセンサは収納部に収納されて、フックの爪によりロックされるものがある。このようなフックでは、通常、爪が軸部により支持されており、軸部を撓ませることでセンサが収納部に収納されるが、収納部の形状に応じて軸部が短くなる場合がある。このような場合には、軸部を撓ませ難くなり、センサを適切に収納部に収納することが困難であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために創出されたものであって、センサを適切に収納部に収納することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、所定の方向からセンサが収納される収納部と、前記収納部に収納された前記センサを爪によりロックするフックと、を備え、前記フックが、前記収納部に設けられ前記所定の方向と交差する方向に延び出す第1軸部と、前記第1軸部の先端から前記所定の方向に延び出す第2軸部と、前記第2軸部の先端に設けられる前記爪と、により構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機では、センサが所定の方向から収納部に収納され、フックが、収納部に設けられ所定の方向と交差する方向に延び出す第1軸部と、第1軸部の先端から所定の方向に延び出す第2軸部と、第2軸部の先端に設けられる爪とにより構成される。これにより、第1軸部と第2軸部とを撓ませることで、センサを適切に収納部に収納することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図2図1に示すパチンコ遊技機に設けられた表示器類を拡大して示す説明図である。
図3図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図4図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図5】第2始動口に入球可能な状態の普通可変入賞装置を示す斜視図である。
図6】第2始動口に入球不能な状態の普通可変入賞装置を示す斜視図である。
図7】第2始動口センサを示す斜視図である。
図8】第2始動口センサが収納された状態のセンサ収納器を示す斜視図である。
図9】第2始動口センサが収納されていない状態のセンサ収納器を示す斜視図である。
図10】第2始動口センサが収納された状態のセンサ収納器を示す斜視図である。
図11】第2始動口センサが収納されていない状態のセンサ収納器を示す斜視図である。
図12】第2始動口センサが収納された状態のセンサ収納器を示す側面図である。
図13】第2始動口センサが収納されていない状態のセンサ収納器を示す側面図である。
図14】第2始動口センサが収納された状態のセンサ収納器を示す背面図である。
図15】第2始動口センサが収納されていない状態のセンサ収納器を示す背面図である。
図16図15のAA線における断面図である。
図17】従来のフックを備えるセンサ収納器を示す平面図である。
図18】実施形態のフックを備えるセンサ収納器を示す平面図である。
図19】他の実施形態のフックを備えるセンサ収納器を示す平面図である。
図20】他の実施形態のフックを備えるセンサ収納器を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
【0011】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)および賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0012】
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者
が右手または左手で押圧操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図4)と、演出ボタン振動モータ9b(図4)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0013】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。つまり、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられており、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押圧操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0014】
前面枠18のうち、上部左側には左サイドランプ23aが設けられており、上部右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。
【0015】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。遊技盤2は、遊技盤2の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置(特別電動役物)30と、第2大入賞装置(特別電動役物、Vアタッカー)33と、ゲート(普通図柄用入球口)12と、普通可変入賞装置(普通電動役物、電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、センター装飾体14と、レール部材17とを備える。
【0016】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面
の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(図4において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0017】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち右遊技領域3bの上方に配置されており、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えている。第1開閉部材31は、第1大入賞口32のシャッターの役目を果たす板状の役物であり、第1開閉部材31が前面側に突出して第1大入賞口32の上方を閉じることで第1大入賞口32に遊技球が入賞(入球)不能な状態になる。一方、第1開閉部材31が奥側に収容され第1大入賞口32の上方を開放することで第1大入賞口32に遊技球が入賞(入球)可能な状態になる。即ち、第1開閉部材31が前面側に突出した状態が第1大入賞口32を閉鎖する閉鎖状態であり、奥側に収容された状態が第1大入賞口32を開口する開口状態である。
【0018】
また、ゲート12は、第1大入賞装置30の下方に配置されており、第1大入賞装置30から下方に流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材21を備える。可動部材21は入球口が左側を向けて設置された第2始動口(特別図柄用入球口)22への橋渡しの役目を果たす板状の役物であり、普通図柄に当選すると選択された動作パターンに従って内部機構により可動部材21が前面側に突出し(橋が架かった状態となる)、右遊技領域3bを流下する遊技球が可動部材21を介して第2始動口22に入賞(入球)可能な状態になる。即ち、可動部材21が奥側に収容された状態が第2始動口22を閉鎖する閉鎖状態であり、前面側に突出した状態が第2始動口22を開口した開口状態となる。
【0019】
また、第2大入賞装置33は、普通可変入賞装置20の下方に配置されており、第2大入賞口35(V入賞口ともいう)を開閉する第2開閉部材34を備えている。第2開閉部材34は、第2大入賞口35のシャッターの役目を果たす板状の役物であり、第2開閉部材34が前面側に突出して第2大入賞口35の上方を閉じることで第2大入賞口35に遊技球が入賞(入球)不能な状態になる。一方、第2開閉部材34が奥側に収容され第2大入賞口35の上方を開放することで第2大入賞口35に遊技球が入賞(入球)可能な状態になる。即ち、第2開閉部材34が前面側に突出した状態が第2大入賞口35を閉鎖する閉鎖状態であり、奥側に収容された状態が第2大入賞口35を開口する開口状態である。以下、第1大入賞口32および第2大入賞口35に共通の事項を説明する場合は、単に大入賞口という。
【0020】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第2大入賞装置33の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51およ
び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0021】
本実施形態では、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52は、それぞれ8個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)がそれぞれ特別図柄を表しており、LEDの点灯箇所が所定方向(たとえば、左から右)へ流れる状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、本実施形態では、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLED(□)および消灯したLED(■)が普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が手前側に突出し、第2始動口22へと遊技球が入球可能な状態となる(但し、普通図柄に当選しても非時短状態については突出するのはごく短い時間である為、実質的に入球できない)。
【0022】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。また、後述のように小当たりに当選した場合には第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0023】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。また、後述のように小当たりに当選した場合には第2大入賞装置33が作動して第2開閉部材34が開閉し、第2大入賞口35(V入賞口)が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0024】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまで
の遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。更に、パチンコ遊技機1には大当たり以外に小当たりと呼ばれる当たりも存在する。小当たりに当選した場合には、大当たり遊技は行われないが大入賞口が所定期間のみ開放される。特に本実施形態では、大当たり遊技では第1大入賞口32が開放され、小当たりに当選した場合には第2大入賞口35が開放される。
【0025】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常の大当たり判定において大当たりと判定された場合に加えて、遊技中に遊技球が第2大入賞口35に入賞(V入賞)した場合にも大当たり遊技が開始される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。また、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は基本的に固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
【0026】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。センター装飾体14は、遊技盤2のうち上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、可動体15を備える。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0027】
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~9の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0028】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図
柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0029】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄を大当たり演出図柄といい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄をハズレ演出図柄という。本実施形態では、大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。たとえば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。たとえば、確定表示された左演出図柄9Lが「7」、中演出図柄9Cが「6」、右演出図柄9Rが「7」の状態である。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄を演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像または動画像である。
【0030】
演出図柄変動パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。尚、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、及び第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。従って、遊技者は、演出表示装置7に表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。尚、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知しても良い。
【0031】
また、パチンコ遊技機1では、上記演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯、役物の動作等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0032】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図3および図4を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図3)と、払出制御基板73(図3)と、サブ制御基板100(図4)と、画像制御基板150(図4)と、ランプ制御基板79(図4)と、音声制御基板78(図4)とを備えている。
【0033】
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、普図当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、普電動作パターンテーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブルなどの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0034】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリな
どとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。第1特図保留記憶部64aは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51(図2)が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0035】
一方、第2特図保留記憶部64bは、第1ないし第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52(図2)が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などは第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0036】
大当たり乱数などは作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数などが第1ないし第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などが時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数などは、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。たとえば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数などは第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数などに基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0037】
普図保留記憶部64c(図3)は、遊技球がゲート12(図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)や動作パターン乱数(普通可変入賞装置20の動作パターンを選択する為の乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数や動作パターン乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。本実施形態では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0038】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120(図4)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ35aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド33aとが電気的に接続されている。
【0039】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口35に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0040】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド33aは、第2大入賞装置33の第2開閉部材34(図1)を開閉駆動する。特に小当たりに当選した場合において第2大入賞口ソレノイド33aが作動して、所定期間のみ第2大入賞口35(V入賞口)が開放状態になり、第2大入賞口35に遊技球が入賞可能な状態となる。そして、所定期間が経過すると第2大入賞口35に遊技球が入賞不能な状態へと戻る。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0041】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0042】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は
、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0043】
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0044】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、演出選択テーブルTa7などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0045】
第1特図保留演出記憶部121は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1ないし第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0046】
サブ制御基板100には、画像制御基板150が電気的に接続されている。画像制御基板150には、画像制御用CPU152と、VDP151(Video Display Processor)と、制御用ROM153と、制御用RAM154と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)155と、VRAM(Video Random Access Memory)156とが実装されている。画像制御用CPU152は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM153には、画像制御用CPU152が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM154は、画像制御用CPU152がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM155には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP151は、画像制御用CPU152によって作成されるディスプレイリストに従って、CGR
OM155から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM156内の展開領域に展開する。そして、VDP151は、VRAM156内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM156内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP151は、VRAM156内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0047】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して上記可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0048】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0049】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6gと、演出レバー回転検出スイッチ6hと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6gは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6gから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6hは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6hから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0050】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演
出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0051】
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
【0052】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1の普通図柄表示器53には、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。一方、特別図柄表示器についても、確率変動機能は無く、変動時間短縮機能のみ備わっている。
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。
【0053】
普通図柄表示器53の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。たとえば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。
【0054】
また、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率は非時短状態と変わらないが、当たりと判定された場合に時短状態と非時短状態とでは前述したように普通可変入賞装置20の可動部材21の動作パターンが大きく異なっている。非時短状態では第2始動口22への遊技球の入球が実質不可能なごく短い時間のみ可動部材21が第2始動口22を開口する開口状態となり、一方で時短状態では普通可変入賞装置20の可動部材21が開口状態となるのが非時短状態に比べて長くなっており、第2始動口22への遊技球の入球が非常に容易な状態となっている。つまり、時短状態では普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。
【0055】
普通図柄表示器53の変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。
【0056】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄及び第2特別図柄による抽選で大当
たりした場合(V入賞による大当たりも含む)において大当たり遊技終了後に、電サポ制御が行われるとともに時短状態(以下、この状態を時短遊技状態という)へと移行する。この時短遊技状態(a時短ともいう)は、大当たりの種別に基づいて設定された時短回数(特に本実施形態は第2特別図柄を1変動のみとする)の特別図柄の変動表示が実行されるか、或いは、時短回数以内に大当たりに当選(V入賞による大当たりも含む)してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1は1種2種混合機なので確変状態は存在しないが、第2特別図柄の抽選は第1特別図柄の抽選に比べて小当たりの確率が高く設定されており、且つ時短遊技状態中の小当たりの当選はその後に遊技者が操作を間違わなければ実質的に100%大当たりとなる。即ち、本実施形態では時短遊技状態が、遊技者が大当たりを獲得することが通常遊技状態より容易な状態であるラッシュ状態に相当する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、電サポ制御は行わないとともに非時短状態である。
【0057】
[第2始動口センサの配設構造]
第2始動口センサ22aは、近接センサであり、図5及び図6に示すように、普通可変入賞装置20の第2始動口22の右横に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを検出する。
普通可変入賞装置20は、上述したように、第2始動口22への橋渡しの役目を果たす可動部材21を備えている。可動部材21は、通常時において、図5に示すように、奥側に収容されている。また、普通可変入賞装置20は、第2始動口22を遮蔽する遮蔽部材23も備えており、遮蔽部材23は、通常時において、第2始動口22を遮蔽している。そして、普通図柄に当選すると、図6に示すように、可動部材21が前面側に突出して、第2始動口22に向けて橋が架かった状態となる。また、可動部材21が前面側の突出する際に、遮蔽部材23が上昇し、第2始動口22が開放される。これにより、遊技球が可動部材21を介して第2始動口22に入賞可能な状態になる。この際、第2始動口22に入賞した遊技球が第2始動口センサ22aにより検出される。
【0058】
第2始動口センサ22aは、図7に示すように、概して矩形の部材であり、最も短い短辺200と、最も長い長辺202と、短辺200と長辺202との間の長さの中辺204とにより構成されている。なお、短辺200の延びる方向の寸法が第2始動口センサ22aの厚さ寸法であり、長辺202の延びる方向の寸法が第2始動口センサ22aの長さ寸法であり、中辺204の延びる方向の寸法が第2始動口センサ22aの幅寸法である。また、第2始動口センサ22aの長辺202と中辺204とにより区画される面が上面206aと下面206bであり、第2始動口センサ22aの短辺200と中辺204とにより区画される面が端面207a,bであり、第2始動口センサ22aの短辺200と長辺202とにより区画される面が側面208a,bである。そして、上面206aと下面206bとを貫通する貫通穴210が、第2始動口センサ22aの長手方向、つまり、長辺202の延びる方向の一方の側に形成されている。貫通穴210の内径は、遊技球の直径より大きくされており、貫通穴210を遊技球が通過することで、第2始動口センサ22aは検出信号を出力する。
【0059】
その第2始動口センサ22aは、図8乃至図16に示すように、遊技盤2に形成されたセンサ収納器220に収納される。センサ収納器220は、樹脂製の素材により成形されており、第2始動口センサ22aを収納する収納部222と、収納部222に収納された第2始動口センサ22aをロックするフック226とにより構成されている。なお、図8及び図9は、遊技盤2の前方からの視点におけるセンサ収納器220の斜視図であり、図10及び図11は、遊技盤2の後方からの視点におけるセンサ収納器220の斜視図である。図12及び図13は、遊技盤2の側方からの視点におけるセンサ収納器220の側面図であり、図14及び図15は、遊技盤2の後方からの視点におけるセンサ収納器220
の平面図である。図16は、図15のAA線での断面図である。また、図8図10図12図14は、収納部222に第2始動口センサ22aが収納された状態のセンサ収納器220の図であり、図9図11図13図15図16は、収納部222に第2始動口センサ22aが収納されていない状態のセンサ収納器220の図である。
【0060】
収納部222は、概して箱形状とされており、1面に開口228が形成されている。収納部222の開口228は概して矩形であり、開口228の内寸は、第2始動口センサ22aの端面207a,bの外寸より僅かに大きくされている。また、開口228から収納部222の内部に向う収納部222の奥行寸法は、第2始動口センサ22aの長さ寸法より僅かに大きくされている。このような構造により、第2始動口センサ22aは、第2始動口センサ22aの端面207aを開口228に向けた状態で開口228に直交する方向から開口228を介して収納部222に挿入されることで、収納部222に収納される。なお、以下の説明において、開口228に直交する方向を挿入方向と記載する場合がある。
【0061】
また、フック226は、収納部222を区画する内壁面と機能する部材として、概してL字型の形状でフック226の先端が挿入方向に延び出す姿勢で配設されている。詳しくは、フック226は、スナップフィット方式のフックであり、概してL字型の軸部226aと、軸部226aの先端に配設されている爪部226bとにより構成されている。軸部226aは、第2始動口センサ22aが収納部222に収納された際に、第2始動口センサ22aの上面206aと対向し、その上面206aと対向する軸部226aの壁面226cが収納部222を区画する内壁面として機能する。L字型の軸部226aは、収納部222の開口228に近い箇所から上方に向って延び出す第1軸部226a1と、その第1軸部226a1の先端から収納部222の開口228を介して収納部222の外部に向って延び出す第2軸部226a2とにより構成されている。なお、第2軸部226a2の延び出す方向は挿入方向であり、第1軸部226a1の延び出す方向は挿入方向と交差する方向である。さらに厳密に言えば、第1軸部226a1は収納部222の開口に近い箇所から挿入方向に直交する方向に延び出しており、第2軸部226a2は第1軸部226a1の先端から直交する方向に延び出している。これにより、第1軸部226a1と第2軸部226a2とは直交しており、第1軸部226a1と第2軸部226a2とにより構成される軸部226aはL字型とされている。また、第1軸部226a1の長さ寸法は第2軸部226a2の長さ寸法より長い。なお、第2軸部226a2の先端は、収納部222の開口228から僅かに延び出している。その第2軸部226a2の先端に爪部226bが配設されており、爪部226bは収納部222の開口228に向って延び出している。また、爪部226bの先端には、収納部222の開口228に向って延び出すテーパ面232が形成されている。このような構造により、爪部226bの先端が、収納部222に収納された第2始動口センサ22aの端面207bに引っ掛かることで、第2始動口センサ22aが収納部222においてロックされる。なお、第1軸部226a1と第2軸部226a2と爪部226bとは樹脂製の素材により一体的に成形されており、 第1軸部226a1と第2軸部226a2と爪部226bとにより構成されるフック226と、収納部222とも樹脂製の素材により一体的に成形されている。
【0062】
このような構造により、第2始動口センサ22aが収納部222に収納される際に、第2始動口センサ22aを適切に収納部222に収納することが可能とされている。詳しくは、第2始動口センサ22aは、第2始動口センサ22aの端面207aを収納部222の開口228に向けた状態で開口228に直交する方向、つまり、挿入方向から開口228に向けて挿入される。この際、第2始動口センサ22aの端面207aと上面206aとの角がフック226の爪部226bのテーパ面232に接触する。そして、第2始動口センサ22aが爪部226bのテーパ面232に接触した状態で収納部222に向けて押し込まれて、フック226の第1軸部226a1と第2軸部226a2とが弾性力に抗し
て撓むことで、第2始動口センサ22aの端面207a側の端部が収納部222に収納される。この際、フック250の爪部226bは第2始動口センサ22aの端面207aと上面206aとの角に押されて、第2始動口センサ22aの開口228から離れる方向に移動する。そして、フック226の第1軸部226a1と第2軸部226a2とが撓むことで生じる弾性力によって、フック226の爪部226bが第2始動口センサ22aの上面206aに向って付勢され、爪部226bの先端が第2始動口センサ22aの上面206aに摺接する。そして、第2始動口センサ22aが収納部222に向けて更に押し込まれることで、第2始動口センサ22aが収納部222に収納される。この際、つまり、第2始動口センサ22aが収納部222に収納された際に、フック226の第1軸部226a1及び第2軸部226a2の撓みが解除されることで、第2始動口センサ22aが収納部222に収納された状態でフック226の爪部226bによりロックされる。
【0063】
このように、センサ収納器220では、フック226の第1軸部226a1及び第2軸部226a2が撓むことで、収納部222の開口228から第2始動口センサ22aを容易に収納することが可能となる。つまり、図17に示すように、従来のフック250は、挿入方向に直線状に延びる軸部250aと、軸部250aの先端に配設される爪部250bとにより構成されている。また、収納部222には、第2始動口センサ22aの貫通穴210に応じた形状の凹部238が形成されている。このため、収納部222の長手方向における半分程度が凹部238に占められており、フック250の配設位置が限定されている。収納部222の長手方向は挿入方向であり、その挿入方向に延びるように配設されるフック250の軸部250aは短くなる。つまり、限定された位置にフック250が配設された場合に、挿入方向に延びる形状の軸部250aは短くなる。このように短い軸部250aは撓み難く、第2始動口センサ22aを収納部222の開口228に挿入するために、爪部250bを第2始動口センサ22aの開口228から離れる方向に移動させる際に非常に大きな力が必要となる。一方で、図18に示すように、フック226では、L字型の軸部226aが採用されており、その軸部226aは、挿入方向と直交する方向に延び出す第1軸部226a1と挿入方向に延び出す第2軸部226a2とにより構成されている。このため、フック226の軸部226aの長さ寸法は、第1軸部226a1の長さ寸法と第2軸部226a2の長さ寸法とを合計した長さ寸法となり、従来のフック250の軸部250aの長さ寸法の2倍程度となる。このように、フック226では、軸部226aの長さ寸法が、従来のフック250の軸部250aの長さ寸法より長くされることで、軸部226aを撓ませ易くなり、小さな力で爪部250bを第2始動口センサ22aの開口228から離れる方向に移動させることが可能となる。これにより、フック226の配設位置が限定されている場合であっても、第2始動口センサ22aを収納部222に容易に収納することが可能となる。
【0064】
また、収納部222に一旦収納された第2始動口センサ22aを収納部222から引き出す場合に、作業者は、フック226の爪部226bを開口228から離間させる方向に移動させて、軸部226aを撓ませる。このように、爪部226bを開口228から離間させることで、爪部226bによる第2始動口センサ22aのロックが解除される。そして、作業者が、爪部226bによる第2始動口センサ22aのロックを解除した状態で、第2始動口センサ22aを収納部222から引き出す。この際にも、第1軸部226a1と第2軸部226a2とにより構成される軸部226aを撓ませ易いため、第2始動口センサ22aを収納部222から容易に取り出すことが可能となる。このように、センサ収納器220では、第2始動口センサ22aが収納部222に収納される際、及び第2始動口センサ22aが収納部222から取り出される際に、第2始動口センサ22aを容易に収納部222に脱着することが可能となっている。
なお、第2始動口センサ22aが、本発明のセンサの一例である。収納部222が、本発明の収納部の一例である。フック226が、本発明のフックの一例である。第1軸部226a1が、本発明の第1軸部の一例である。第2軸部226a2が、本発明の第2軸部
の一例である。爪部226bが、本発明の爪の一例である。挿入方向が、本発明の所定の方向の一例である。
【0065】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、収納部222に収納された第2始動口センサ22aがフック226の爪部226bによりロックされる。その爪部226bを支持する軸部226aは、挿入方向と交差する方向に延び出す第1軸部226a1と、挿入方向に延び出す第2軸部226a2とにより構成されている。これにより、第2始動口センサ22aを収納部222に収納する際に、第1軸部226a1と第2軸部226a2とにより構成される軸部226aを撓ませ易くなり、第2始動口センサ22aを適切に収納部222に脱着することが可能となっている。
(2)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、第1軸部226a1が収納部222から挿入方向と直交する方向に延び出している。これにより、フック226の配設スペースが小さい場合であっても、軸部226aの長さ寸法を効率的に長くすることが可能となる。
(3)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、第1軸部226a1と第2軸部226a2とが直行している。これにより、フック226の配設スペースが小さい場合であっても、軸部226aの長さ寸法を効率的に長くすることが可能となる。
(4)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、第1軸部226a1の長さ寸法が第2軸部226a2の長さ寸法より長い。これにより、フック226の配設スペースが挿入方向において狭い場合であっても、軸部226aの長さ寸法を効率的に長くすることが可能となる。
(5)また、上述した実施形態のパチンコ遊技機1では、第1軸部226a1と第2軸部226a2と爪部226bとが樹脂製の素材により一体的に成形されている。そして、第1軸部226a1と第2軸部226a2とが弾性力に抗して撓むことで、第2始動口センサ22aが収納部222に収納されて爪部226bによりロックされる。このような構造のセンサ収納器220において、第2始動口センサ22aを適切に収納部222に収納することが可能となる。
【0066】
〈他の実施形態〉
(1)前述した実施形態では、フック226の第1軸部226a1が収納部222から挿入方向と直交する方向に延び出しており、第1軸部226a1と第2軸部226a2とが直行している。一方で、図19に示すように、フック260の第1軸部260a1が収納部222から挿入方向と斜めに交差する方向に延び出しており、第1軸部260a1の先端から第2軸部260a2が挿入方向に延び出してもよい。また、図20に示すように、フック270の軸部270aが湾曲しており、その軸部270aが、収納部222から挿入方向と交差するように湾曲して延び出す第1軸部270a1と、その第1軸部270a1の先端から挿入方向に湾曲して延び出す第2軸部270a2とにより構成されてもよい。
(2)また、前述した実施形態では、第2始動口センサ22aを収納するためのセンサ収納器220が採用されているが、電波を感知する電波センサ、磁気を検知する磁気センサ、可動役物の原点を検知するフォトセンサ、ハンドルに触れると球を射出するタッチセンサ、振動を検知する振動センサ等の種々のセンサのセンサ収納器が採用されてもよい。
(3)また、本発明は、パチンコ遊技機以外の遊技機、たとえば、回胴式遊技機(スロットマシンまたはパチスロともいう)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 パチンコ遊技機
22a 第2始動口センサ
222 収納部
226 フック
226a1 第1軸部
226a2 第2軸部
226b 爪部
図1
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図3
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