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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058194
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】セラミックス多孔体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/00 20060101AFI20240418BHJP
   C04B 35/626 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
C04B38/00 303Z
C04B35/626 550
C04B38/00 304Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165405
(22)【出願日】2022-10-14
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】391009419
【氏名又は名称】美濃窯業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100098707
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 利英子
(74)【代理人】
【識別番号】100135987
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 重慶
(74)【代理人】
【識別番号】100168033
【弁理士】
【氏名又は名称】竹山 圭太
(74)【代理人】
【識別番号】100161377
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 薫
(72)【発明者】
【氏名】松岡 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 万由子
(72)【発明者】
【氏名】吉見 靖隆
(72)【発明者】
【氏名】福島 学
【テーマコード(参考)】
4G019
【Fターム(参考)】
4G019FA04
4G019FA13
4G019GA01
4G019GA02
4G019GA04
(57)【要約】
【課題】高気孔率かつ高通気率であるとともに、耐熱衝撃性に優れたセラミックス多孔体を提供する。
【解決手段】セラミックスにより形成されており、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する気孔どうしを連通する貫通孔が気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有し、気孔径の第2四分位数(μm)が130μm以下であるとともに、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下であり、その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm)当たりの数が20個以下であり、気孔率が50~99%であり、通気率が1×10-13~1×10-10であるセラミックス多孔体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスにより形成されており、
多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有し、
気孔径の第2四分位数(μm)が130μm以下であるとともに、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下であり、
その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm)当たりの数が20個以下であり、
気孔率が50~99%であり、
通気率が1×10-13~1×10-10であるセラミックス多孔体。
【請求項2】
耐熱衝撃温度が、480℃以上であるとともに、緻密体の臨界温度差ΔT(℃)以上である請求項1に記載のセラミックス多孔体。
【請求項3】
前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載のセラミックス多孔体。
【請求項4】
セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを泡立てて得た、泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、
前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、
前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項5】
セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するスラリーと、界面活性剤を用いて調製した泡と、を混合して得た、前記泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、
前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、
前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項6】
その径が300μm以上の粗大気泡の少なくとも一部を前記原料スラリーから除去した後にゲル化して前記ゲル体を得る請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項7】
前記原料スラリー中の泡の量が、前記原料スラリーの全体を基準として30~90体積%である請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【請求項8】
前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である請求項4又は5に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス多孔体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高温条件下で使用可能なセラミックス多孔体及びその製造方法が種々提案されている。例えば、セラミックス原料粉末を水に分散させて調製したスラリーを凍結させて一方向に氷を成長させた後、凍結乾燥して氷を昇華させてセラミックス多孔体を製造する方法が提案されている(特許文献1)。さらに、ゲル化剤を添加したセラミックス原料粉体のスラリーをゲル化した後、凍結、乾燥及び焼成することで、連通孔が形成された、ハンドリング強度の高いセラミックス多孔体を製造する方法が提案されている(特許文献2)。
【0003】
また、ゲル化剤及び水溶性高分子を添加したセラミックス原料粉体のスラリーを原料として用いて、その内部に隔壁構造が形成されて部分的に遮断された連通孔を有する、高い断熱特性を持ったセラミックス多孔体を製造する方法が開示されている(特許文献3)。
【0004】
しかし、特許文献1及び2で提案された方法で製造されたセラミックス多孔体は、マクロポーラスな連通孔が形成されていることを構造上の特徴とするものであるため、熱やガスが容易に通過してしまい、高温条件下で使用可能なセラミックス多孔体のひとつである断熱材として利用することが困難であった。一方、特許文献3で提案された方法で製造されたセラミックス多孔体は、その内部に隔壁構造が形成されて部分的に遮断された連通孔を有するため、断熱材としての利用が期待される。しかし、前述の通り、特許文献1~3で提案されるセラミックス多孔体は、方向によって機械的特性等が大きく異なる事や、凍結時に粗大欠陥の元となる粗大氷結晶が生成しやすく、大型化が困難といった、構造材料として課題を有するものであった。
【0005】
これに対し、界面活性剤等を用いて調製した泡を添加したスラリーを用いて製造した、向き(方向)による物理的特性の差が小さく、泡の共存によって凍結時に粗大氷結晶の生成を抑制でき、構造材料として利用可能な強度を有するセラミックス多孔体が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-192280号公報
【特許文献2】特開2008-201636号公報
【特許文献3】特開2011-195437号公報
【特許文献4】特開2018-140905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献4で提案されたセラミックス多孔体は、高温条件に曝された場合には破損等しやすくなることがあった。すなわち、特許文献4で提案された従来のセラミックス多孔体は、高気孔率かつ高通気率である一方で、耐熱衝撃性についてはさほど良好であるとはいえず、さらなる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高気孔率かつ高通気率であるとともに、耐熱衝撃性に優れたセラミックス多孔体を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、このセラミックス多孔体を簡便に製造することが可能な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下に示すセラミックス多孔体が提供される。
[1]セラミックスにより形成されており、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有し、気孔径の第2四分位数(μm)が130μm以下であるとともに、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下であり、その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm)当たりの数が20個以下であり、気孔率が50~99%であり、通気率が1×10-13~1×10-10であるセラミックス多孔体。
[2]耐熱衝撃温度が、480℃以上であるとともに、緻密体の臨界温度差ΔT(℃)以上である前記[1]に記載のセラミックス多孔体。
[3]前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載のセラミックス多孔体。
【0010】
また、本発明によれば、以下に示すセラミックス多孔体の製造方法が提供される。
[4]セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを泡立てて得た、泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、
前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法(以下、「第1の製造方法」とも記す)。
[5]セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するスラリーと、界面活性剤を用いて調製した泡と、を混合して得た、前記泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程と、前記ゲル体を凍結して凍結体を得る工程と、前記凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する前記気孔どうしを連通する貫通孔が前記気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程と、を有し、前記泡の気泡径が10~150μmであるとともに、前記気泡径の標準偏差が20μm以下であるセラミックス多孔体の製造方法(以下、「第2の製造方法」とも記す)。
[6]その径が300μm以上の粗大気泡の少なくとも一部を前記原料スラリーから除去した後にゲル化して前記ゲル体を得る前記[4]又は[5]に記載のセラミックス多孔体の製造方法。
[7]前記原料スラリー中の泡の量が、前記原料スラリーの全体を基準として30~90体積%である前記[4]~[6]のいずれかに記載のセラミックス多孔体の製造方法。
[8]前記セラミックスが、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素からなる群より選択される少なくとも一種である前記[4]~[7]のいずれかに記載のセラミックス多孔体の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高気孔率かつ高通気率であるとともに、耐熱衝撃性に優れたセラミックス多孔体を提供することができる。また、本発明によれば、このセラミックス多孔体を簡便に製造することが可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1で得たセラミックス多孔体の断面のSEM写真である。
図2】実施例3で得たセラミックス多孔体の断面のSEM写真である。
図3】比較例1で得たセラミックス多孔体の断面のSEM写真である。
図4】実施例1で製造したセラミックス多孔体の気孔径の分布(ばらつき)を表すグラフである。
図5】実施例3で製造したセラミックス多孔体の気孔径の分布(ばらつき)を表すグラフである。
図6】比較例1で製造したセラミックス多孔体の気孔径の分布(ばらつき)を表すグラフである。
図7】セラミックス多孔体の通気率の測定及び算出に用いる試験装置の構成を示す模式図である。
図8】セラミックス多孔体の耐熱衝撃温度の測定に用いる試験装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<セラミックス多孔体>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明のセラミックス多孔体の一実施形態は、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する気孔どうしを連通する貫通孔が気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有する、例えば、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素等のセラミックスにより形成された多孔体である。このような特有の連続気孔構造を有する本実施形態のセラミックス多孔体は、方向依存性を実質的に有しない。
【0014】
さらに、本実施形態のセラミックス多孔体は、気孔径の第2四分位数(50パーセンタイル値)、すなわち中央値(μm)が130μm以下、好ましくは70~90μmである。そして、気孔径の四分位範囲(μm)が50μm以下、好ましくは25~35μmである。
【0015】
また、本実施形態のセラミックス多孔体は、その気孔径が300μm以上の粗大気孔の単位面積(1cm)当たりの数が20個以下、好ましくは10個以下、さらに好ましくは7個以下、特に好ましくは5個以下である。すなわち、本実施形態のセラミックス多孔体は、気孔径が比較的小さく、かつ、気孔径の分布幅が比較的シャープであるとともに、耐熱衝撃温度が低下する要因となりうる粗大気孔の単位面積当たりの数が少ないため、従来のセラミックス多孔体に比して耐熱衝撃温度が高く、耐熱衝撃性に優れている。
【0016】
セラミックス多孔体の気孔径は、セラミックス多孔体の切断面を走査型電子顕微鏡で観察するとともに、画像解析により球状の気孔の輪郭を抽出してヒストグラム化して測定することができる。そして、気孔径の第2四分位数(50パーセンタイル値)、すなわち中央値は、このようにして測定した気孔径の最小値から順位を付けた時の全体の2分の1に当たる値である。気孔径の四分位範囲は、第1四分位数(25パーセンタイル値)から第3四分位数(75パーセンタイル値)までの範囲に当たる値で、四分位範囲が小さいほど分布幅がシャープであるというように、ばらつき具合の目安となる。また、単位面積当たりの粗大気孔の数(個/cm)は、セラミックス多孔体の切断面を走査型電子顕微鏡で観察することによって測定及び算出することができる。
【0017】
本実施形態のセラミックス多孔体の気孔率は50~99%、好ましくは70~99%である。また、通気率は1×10-13~1×10-10、好ましくは5×10-12~5×10-11である。セラミックス多孔体の気孔率は、セラミックス多孔体の寸法と質量から密度を算出し、セラミックス粉体の密度で除することで算出した相対密度を100から差し引いた値として算出することができる。
【0018】
セラミックス多孔体の通気率は、JIS R 2115:2008「耐火物の通気率の試験方法」に準拠して測定及び算出することができる。図7は、セラミックス多孔体の通気率の測定及び算出に用いる試験装置の構成を示す模式図である。図7に示す試験装置10の円筒状の本体内には、o-リング2を介して試験片4が固定されている。試験片4の形状は、直径25mm×厚さ2mmの円板状とする。試験装置の上流側から圧縮空気(ガス)6を試験片4に導入し、下流側へと通過させる。そして、通過したガスの流量(ガス量)をフローメーター8で測定するとともに、試験片4の上流側の圧力と下流側の圧力を圧力計12,13でそれぞれ測定する。そして、以下に示す式(1)及び(2)より、試験片の通気率(m)を算出することができる。
【0019】
V/t=μ・(1/η)・(A/δ)・(p-p)・{(p+p)/2P}
・・・(1)
μ=(V/t)・η・(δ/A)・{1/(p-p)}・{2P/(p+p)}
・・・(2)
V:試験片を通過した圧力(p)におけるガス量(m
t:ガス量(V)が試験片を通過するのに要した時間(s)
μ:通気率(m
η:試験温度におけるガスの粘度(Pa・s)
A:試験片の断面積(m
δ:試験片の厚み(m)
P:ガス容量測定時のガスの絶対圧(Pa)
:試験片へのガス侵入絶対圧(Pa)
:試験片からのガス離脱絶対圧(Pa)
【0020】
本実施形態のセラミックス多孔体は、上述のような特定の連続気孔構造を有するため、高気孔率(軽量)で通気率が高く、耐熱衝撃性に優れており、高温条件下で使用可能なものである。さらに、多数の球状の気孔を内包するため、向き(方向)による物理的特性の差が小さい。したがって、本実施形態のセラミックス多孔体は、各種フィルターの構成材料や断熱材の他、優れた耐熱衝撃性が要求される自動車用のフィルターや、電子部品等の焼成用窯詰め道具(セッター、サヤ等)の構造材料等として好適である。
【0021】
本実施形態のセラミックス多孔体の耐熱衝撃温度は、好ましくは480℃以上、さらに好ましくは520℃以上であるとともに、緻密体の臨界温度差ΔT(℃)以上であることが好ましい。一般的なファインセラミックスの緻密体の臨界温度差ΔT(℃)は、下記式(3)で表される。なお、主なセラミックスの緻密体の臨界温度差ΔT(℃)を表1に示す。
【0022】
ΔT=S・K・(1-μ)/(E・α) ・・・(3)
S:強度
K:熱伝導率
μ:ポアソン比
E:弾性率
α:熱膨張係数
【0023】
【0024】
多孔体の耐熱衝撃温度についても、緻密体の臨界温度差ΔTと同様の傾向を示す。本実施形態のセラミックス多孔体の耐熱衝撃温度は、前述の通り、好ましくは緻密体の臨界温度差ΔT(℃)以上、さらに好ましくは緻密体の臨界温度差ΔT(℃)よりも320℃以上高いため、優れた耐熱衝撃性が要求される部材を構成する材料として有用である。
【0025】
図8は、セラミックス多孔体の耐熱衝撃温度の測定に用いる試験装置の構成を示す模式図である。セラミックス多孔体の耐熱衝撃温度を測定するには、まず、100mm×100mm×2mmの板状に加工したセラミックス多孔体の試験片14の四隅を支柱22で拘束し、試験片14の中央に負荷圧力0.1kPaとなるようにおもり26を載置する。次いで、所定の温度に設定した試験装置20の電気炉24内で試験片14を加熱した後、素早く取り出して室温(25℃)条件下で冷却する加熱-冷却のサイクルを3サイクル繰り返す。試験片14に割れが生じなければ加熱温度を50℃刻みで上昇させて、各加熱温度で3サイクルを繰り返す。そして、試験片14に割れが生じない加熱温度の最大値を耐熱衝撃温度(℃)とする。
【0026】
<セラミックス多孔体の製造方法>
次に、本発明のセラミックス多孔体の製造方法について説明する。本発明のセラミックス多孔体の第1の製造方法の一実施形態は、セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを泡立てて得た、泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程(第1のゲル化工程)と、ゲル体を凍結して凍結体を得る工程(凍結工程)と、凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する気孔どうしを連通する貫通孔が気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程(焼成工程)と、を有する。そして、原料スラリー中の泡の気泡径が10~150μmであるとともに、気泡径の標準偏差が20μm以下である。
【0027】
また、本発明のセラミックス多孔体の第2の製造方法の一実施形態は、セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するスラリーと、界面活性剤を用いて調製した泡と、を混合して得た、泡を含有する原料スラリーをゲル化させてゲル体を得る工程(第2のゲル化工程)と、ゲル体を凍結して凍結体を得る工程(凍結工程)と、凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成して、多数の球状の気孔を内包するとともに、隣接する気孔どうしを連通する貫通孔が気孔を構成する隔壁に形成された連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得る工程(焼成工程)と、を有する。そして、原料スラリー中の泡の気泡径が10~150μmであるとともに、気泡径の標準偏差が20μm以下である。なお、各技術事項については、基本的には、特開2008-201636号公報(特許文献2)及び特開2018-140905号公報(特許文献4)に記載の技術事項を利用することができる。
【0028】
第1のゲル化工程では、まず、セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを調製する。また、第2のゲル化工程では、まず、セラミックスからなる原料粉体、ゲル化剤、及び水を含有するスラリーを調製する。スラリー中の原料粉体の量は、通常、1~30体積%とすればよい。原料粉体は、セラミックスからなる、水に分散する粉体(炭素粉体も含む)であればよい。本発明の製造方法は、原料の種類に依存しないことを特徴の一つとしている。このため、コストや最終製品の強度などを考慮して、原料粉体を構成するセラミックスの種類を適宜選択することができる。原料粉体を構成するセラミックスの具体例としては、ムライト、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、コーディエライト、及び炭素を挙げることができる。これらのセラミックスは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、スラリーには、微量の焼結助剤を添加することができる。
【0029】
本発明の製造方法は、特有の連続気孔構造を有する高気孔率なセラミックス多孔体を、出発原料の種類に依存することなく製造可能であることを特徴の一つとする。このため、原料粉体の形状やサイズは特に限定されない。但し、原料粉体の粒径(直径)は、0.01~100μmであることが好ましく、0.01~5μmであることがさらに好ましい。このような範囲の粒径の原料粉体を用いることで、原料粉体を容易に解砕することができるとともに、調製するセラミックススラリーや原料スラリー中でより均一に分散させることができる。なお、原料粉体の粒径が大きすぎると沈降しやすくなるため、均質なゲル体を調製することが困難になる場合がある。
【0030】
スラリーには、原料粉体であるセラミックスを分散させるための分散剤を含有させてもよい。分散剤としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリカルボン酸アンモニウム、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び多価アルコールエステル等を挙げることができる。スラリー中の分散剤の含有量は、通常、0.1~2質量%程度とすればよい。
【0031】
ゲル化剤としては、ゲル体を調製可能な水溶性高分子化合物を用いることができる。ゲル化剤としては、例えば、N-アルキルアクリルアミド系高分子、N-イソプロピルアクリルアミド系高分子、スルホメチル化アクリルアミド系高分子、N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド系高分子、ポリアルキルアクリルアミド系高分子、アルギン酸、ポリエチレンイミン、でんぷん、カルボシキメチルセルロース、ゼラチン、ヒドロシキメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、寒天、及びポリエチレンオキシドを挙げることができる。
【0032】
第1のゲル化工程では、原料粉体、ゲル化剤、界面活性剤、及び水を含有するスラリーを泡立てて、泡を含有する原料スラリーを調製する。スラリーを泡立てるには、例えば、ウルトラファインバブル発生装置等を使用することができる。このようなウルトラファインバブル発生装置等を使用することで、気泡径が10~150μm、好ましくは15~125μmであるとともに、気泡径の標準偏差が20μm以下である泡を含有する原料スラリーを調製することができる。
【0033】
第2のゲル化工程では、界面活性剤を用いて泡(ムース状の発泡体)を調製する。泡を調製する方法は特に限定されない。例えば、ウルトラファインバブル発生装置等を使用して、界面活性剤を含有する、好ましくは多価アルコールをさらに含有する水溶液(泡原料)を泡立てればよい。泡を調製する際には、界面活性剤5~10質量%及び多価アルコール5~20質量%を含有する泡原料(水溶液)を用いることが好ましい。
【0034】
界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アルカリ塩、アミン化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホ脂肪酸エステル、オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アミン塩、アルキルアミノ脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、及び脂肪酸アルカノールアミドを挙げることができる。これらの界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、及びソルビトールを挙げることができる。これらの多価アルコールは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
第2のゲル化工程では、調製したスラリーと泡を混合して、原料スラリーを得る。なお、泡は、前述の通り、ウルトラファインバブル発生装置等を使用して調製した泡である。このため、スラリーと泡を混合することで、気泡径が10~150μm、好ましくは20~100μmであるとともに、気泡径の標準偏差が20μm以下である泡を含有する原料スラリーを調製することができる。
【0037】
泡の気泡径は、以下の方法によって測定することができる。まず、泡を含有する原料スラリーの一部、又は調製した泡の一部を採取し、マイクロスコープを用いて拡大像を得る。次いで、セラミックス多孔体の気孔径を測定する場合と同様に、得られた拡大像を画像解析し、気泡の輪郭を抽出してヒストグラム化して測定することができる。
【0038】
最終的に得られるセラミックス多孔体の気孔率を、好適な50~99%の範囲とするには、原料スラリー中の各成分の含有量をそれぞれ以下の範囲とすることが好ましい。すなわち、原料スラリー中の原料粉体の含有量は、50体積%以下とすることが好ましい。また、原料スラリー中の水の含有量は、48.9体積%以下とすることが好ましい。さらに、原料スラリー中のゲル化剤の含有量は、1~5体積%とすることが好ましい。原料スラリー中のゲル化剤の含有量が少なすぎると、ゲル化が進行しにくくなることがある。一方、原料スラリー中のゲル化剤の量が多すぎると、得られるゲル体のゲル強度が過度に高まりやすく、凍結時の水分離性が低下する傾向にある。
【0039】
原料スラリー中の泡の含有量は、原料スラリーの全体を基準として30~90体積%とすることが好ましい。原料スラリー中の泡の含有量を上記の範囲とすることで、機械的特性が維持され、構造材料としてより有用なセラミックス多孔体を製造することができる。原料スラリー中の泡の含有量が多すぎると、ハンドリングが困難になる場合があるとともに、界面活性剤の影響により、得られるセラミックス多孔体の高温特性がやや低下する場合がある。
【0040】
原料スラリーを所望とする形状の成形型に流し込むとともに、必要に応じて冷却すれば、原料スラリーをゲル化させてゲル体を得ることができる。得られるゲル体は、水が保持された状態で固化されたものである。さらに、ゲル体にはセラミックスからなる原料粉体が固定されている。
【0041】
なお、その径が300μm以上の粗大気泡の少なくとも一部を原料スラリーから除去した後にゲル化してゲル体を得ることが好ましい。原料スラリーから粗大気泡の少なくとも一部を除去しておくことで、得られるセラミックス多孔体中の気孔径300μm以上の粗大気孔の数(単位面積(1cm)当たりの個数)を減ずることができ、耐熱衝撃性により優れたセラミックス多孔体を製造することができる。
【0042】
原料スラリーから粗大気泡の少なくとも一部を除去する方法としては、例えば、水道配管等に用いられる、遠心分離の原理を利用した気水分離器等の機器を使用する方法等を挙げることができる。粗大気泡は、径がより小さい気泡に比して浮力が大きいため、このような気水分離器を使用することで、浮力の大きい粗大気泡を原料スラリーから優先的に除去することができる。
【0043】
凍結工程では、上記の第1及び第2のゲル化工程で得たゲル体を凍結して凍結体を得る。具体的には、成形型の一部又は全表面から冷却することで、ゲル体内に氷結晶が形成された凍結体を得ることができる。凍結方法としては、通常の冷凍庫や凍結槽など、公知の冷却方法を用いればよい。凍結体を製造する際の凍結温度は、ゲル化剤に保水される水分が凍結する温度であればよい。但し、-10℃付近の温度では、氷結晶の成長が促進され、粗大化しやすく、ゲル化工程で固定化した多数の気孔を内包する構造を保てなくなる傾向にある(食品を瞬間凍結しないと氷が粗大化し、組織を破壊してしまうのと同じ現象)。このため、凍結温度は-20℃以下とすることが好ましく、-30~-50℃とすることが好ましい。
【0044】
焼成工程では、凍結体から氷を除去して得た乾燥体を焼成する。乾燥体を焼成することで、特定の連続気孔構造を有するセラミックス多孔体を得ることができる。凍結体から氷を除去する際には、凍結体の構成成分である原料粉体や氷結晶の構造を崩さないように、氷のみを除去することが好ましい。すなわち、寸法変化が少なく、試料の破壊の恐れが少ない氷の除去方法(乾燥方法)を採用することが好ましい。寸法変化や試料破壊の恐れが少ない乾燥方法として、フリーズドライ法を採用することが好ましい。フリーズドライ法は、減圧下で凍結体中の氷を直接昇華させ、氷のみを除去する方法である。この方法は、凍結体の表面から氷が昇華するため、寸法変化を少なくすることができるために好ましい。
【0045】
乾燥体の焼成温度は、用いた原料粉体を構成するセラミックスの種類等に応じて設定することができる。さらには、得られるセラミックス多孔体の強度を確保する観点で焼成温度を設定することができる。例えば、ムライトの場合は1,500~1,700℃、アルミナの場合は1,100~1,600℃、ジルコニアの場合は1,200~1,600℃、シリカの場合は1,000~1,300℃、炭化珪素や窒化珪素の場合は1,500~2,300℃、窒化硼素の場合は1,400~2,500℃、コーディエライトの場合は1,300~1,500℃、炭素の場合は1,000~2,500℃で、それぞれ焼成することが好ましい。
【実施例0046】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
【0047】
<セラミックス多孔体の製造>
(実施例1)
アルミナ(商品名「AES-12」、住友化学社製)10.0体積部、蒸留水86.5体積部、分散剤(商品名「A-30SL」、東亞合成製)0.1体積部、ゲル化剤(ゼラチン、和光純薬社製)3.0体積部、及び界面活性剤(主成分:商品名「アミライトGCK-11」、味の素ヘルシーサプライ社製)0.4体積部を混合してセラミックススラリーを得た。ウルトラファインバブル発生装置(製品名「ファビー」、YBM社製)を使用して、得られたセラミックススラリーに気泡を導入した。その後、気水分離器(製品名「KHKシルマー」、コンチネンタルシルマー社製)を使用し、その径が300μm以上の粗大気泡を除去して、泡の含有量が50体積%である原料スラリーを調製した。原料スラリー中の泡の気泡径は20~120μmであり、気泡径の標準偏差は19μmであった。調製した原料スラリーを成形型にキャストし、冷蔵庫に入れてゲル化した。成形型を凍結槽内の棚(冷却板)に載置し、-40℃で1時間冷却して凍結体を得た。得られた凍結体を成形型から外し、フリーズドライ装置を使用して12時間乾燥して乾燥体を得た。得られた乾燥体を焼成炉に入れ、1,600℃で2時間焼成してセラミックス多孔体を得た。得られたセラミックス多孔体の断面のSEM写真を図1に示す。図1に示すように、ほぼ球状の気孔が多数存在しているとともに、それぞれの気孔を形成する隔壁に、隣接する気孔どうしを連通する貫通孔が形成された構造を有していることがわかる。
【0048】
(実施例2)
SiC(炭化珪素、商品名「OY-15」、屋久島電工社製)9.9体積部、焼結助剤(グラファイト0.1体積部、炭化硼素0.2体積部)、蒸留水86.7体積部、分散剤(商品名「ノプコスパース092」、サンノプコ社製)0.1体積部、及びゲル化剤(ゼラチン、和光純薬社製)3.0体積部を混合してセラミックススラリーを得た。そして、得られたセラミックススラリーを使用するとともに、泡の気泡径(μm)、気泡径の標準偏差(μm)、及び原料スラリー中の泡の量(体積%)を表2に示すように制御し、かつ、アルゴン雰囲気下、2,250℃で3時間常圧焼成したこと以外は、前述の実施例1と同様にしてセラミックス多孔体を得た。
【0049】
(実施例3)
泡の気泡径(μm)、気泡径の標準偏差(μm)、及び原料スラリー中の泡の量(体積%)を表2に示すように制御したこと以外は、前述の実施例1と同様にしてセラミックス多孔体を得た。なお、実施例3では、原料スラリー中の粗大気泡を除去しなかった。実施例3で得たセラミックス多孔体の断面のSEM写真を図2に示す。
【0050】
(比較例1)
アルミナ(商品名「AES-12」、住友化学社製)10.0体積部、蒸留水86.9体積部、分散剤(商品名「A-30SL」、東亞合成製)0.1体積部、及びゲル化剤(ゼラチン、和光純薬社製)3.0体積部を混合してセラミックススラリーを得た。一方、界面活性剤(主成分:商品名「アミライトGCK-11」、味の素ヘルシーサプライ社製)9体積部及び多価アルコール(グリセリン、和光純薬社製)10体積部を混合して調製した泡原料にガスを吹き込んで泡を調製した。セラミックススラリーに泡を添加して混合し、泡の含有量が50体積%である原料スラリーを調製した。原料スラリー中の泡の気泡径は30~370μmであり、気泡径の標準偏差は47μmであった。調製した原料スラリーを成形型にキャストし、冷蔵庫に入れてゲル化した。成形型を凍結槽内の棚(冷却板)に載置し、-40℃で1時間冷却して凍結体を得た。得られた凍結体を成形型から外し、フリーズドライ装置を使用して12時間乾燥して乾燥体を得た。得られた乾燥体を焼成炉に入れ、1,600℃で2時間焼成してセラミックス多孔体を得た。得られたセラミックス多孔体の断面のSEM写真を図3に示す。
【0051】
【0052】
<評価>
(1)気孔率
セラミックス多孔体の寸法と質量から密度を算出し、セラミックス粉体の密度で除することで相対密度(%)を算出し、100から相対密度(%)を差し引いた値として気孔率(%)を算出した。結果を表3に示す。
【0053】
(2)通気率
JIS R 2115:2008「耐火物の通気率の試験方法」に準拠し、図7に示す試験装置10を使用して、セラミックス多孔体の通気率を測定及び算出した。結果を表3に示す。
【0054】
(3)耐熱衝撃温度
図8に示す試験装置20を使用し、前述の方法によってセラミックス多孔体の耐熱衝撃温度を測定した。結果を表3に示す。
【0055】
(4)気孔径の中央値及び四分位範囲
セラミックス多孔体の切断面を走査型電子顕微鏡で観察するとともに、画像解析により球状の気孔の輪郭を抽出し、ヒストグラム化して気孔径を測定するとともに、気孔径の中央値(μm)及び気孔径の四分位範囲(μm)を算出した。結果を表3に示す。また、実施例1、3、及び比較例1で製造したセラミックス多孔体の気孔径の分布(ばらつき)を表すグラフを図4~6に示す。なお、図5中の2つの矢印の位置には、気孔径260μmより大きく、280μm以下、及び340より大きく、360μm以下の範囲の気孔が僅かな頻度でそれぞれ存在している。
【0056】
(5)粗大気孔の割合
セラミックス多孔体の切断面を走査型電子顕微鏡で観察して、単位面積当たりの300μm以上の粗大気孔の数(粗大気孔の割合(個/cm))を測定及び算出した。結果を表3に示す。
【0057】
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の本発明のセラミックス多孔体は、各種フィルターの構成材料や断熱材の他、優れた耐熱衝撃性が要求される自動車用のフィルターや、電子部品等の焼成用窯詰め道具(セッター、サヤ等)の構造材料等として有用である。
【符号の説明】
【0059】
2:o-リング
4,14:試験片
6:圧縮空気(ガス)
8:フローメーター
10,20:試験装置
12,13:圧力計
22:支柱
24:電気炉
26:おもり
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8