(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058229
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】遊技システム、管理装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165456
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 創
(72)【発明者】
【氏名】高野 皓輝
(72)【発明者】
【氏名】物見 裕基
(72)【発明者】
【氏名】大里 英夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 知己
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
2C088CA27
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】遊技機が遊技店に来店する遊技客のニーズにマッチするか否かの判定及び遊技客への新たな側面からの情報提供を効率的に行うことを課題とする。
【解決手段】台間カード処理機10は、遊技機20から受信した遊技情報とともに、カメラによって撮影した映像情報を管理装置50に通知する(S1)。計測端末90及び計測シート100は、バイタル情報を取得して管理装置50に通知する(S2)。管理装置50は、受信した各情報と会員情報及び基準情報を用いて遊技客の遊技スコアを算出し(S3)、台ランプ40に送信する(S4)。台ランプ40は、遊技スコアを表示する(S5)。管理装置50は、遊技スコアを機種毎に蓄積して機種スコア情報を生成する(S6)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に併設された各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられた管理装置とを有する遊技システムであって、
前記管理装置は、
前記遊技機で遊技する遊技客に係る遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、
前記遊技客のバイタル情報を取得するバイタル情報取得手段と、
少なくとも前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する遊技スコア算定手段と、
前記遊技スコア算定手段により算定された遊技スコアに係る情報を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記バイタル情報取得手段は、
前記遊技客の脈拍、血圧、呼吸及び/又は体温を前記バイタル情報として取得することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記バイタル情報取得手段は、
前記遊技客が装着したウエアラブルデバイスにより検知された前記遊技客の脈拍、血圧、呼吸及び/又は体温を前記バイタル情報として取得することを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記各台装置に設けられた撮像装置により撮像された前記遊技客の顔画像を取得する顔画像取得手段をさらに備え、
前記遊技スコア算定手段は、
前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報と、前記遊技客の顔画像とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記遊技機で遊技する前記遊技客が着席する椅子に設けられたセンサにより検知された前記遊技客の身体の動き情報を取得する動き情報取得手段をさらに備え、
前記遊技スコア算定手段は、
前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報と、前記遊技客の動き情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記報知手段は、
所定の表示部に前記遊技スコアに係る情報を表示制御させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項7】
前記報知手段は、
所定の表示部に前記遊技スコアに含まれるバイタル情報の感情区分毎の点数をグラフ化したレーダーチャートを含む情報を表示制御させることを特徴とする請求項6に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記報知手段は、
前記遊技機の近傍に設けられた台ランプに対して前記遊技スコアに係る情報を出力し、
前記台ランプは、
前記遊技スコアに係る情報を前記台ランプの表示部に表示制御する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項9】
前記管理装置は、
前記遊技客のバイタル情報と平均的なバイタル情報とに基づいて、遊技に依存する依存症の可能性があるか否かを判定する依存症判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項10】
遊技機に併設されたと通信可能に設けられた管理装置であって、
前記遊技機で遊技する遊技客に係る遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、
前記遊技客のバイタル情報を取得するバイタル情報取得手段と、
少なくとも前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する遊技スコア算定手段と、
前記遊技スコア算定手段により算定された遊技スコアに係る情報を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項11】
遊技機に併設された各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられた管理装置とを有する遊技システムにおける情報提供方法であって、
前記管理装置が、前記遊技機で遊技する遊技客に係る遊技情報を取得する遊技情報取得工程と、
前記管理装置が、前記遊技客のバイタル情報を取得するバイタル情報取得工程と、
前記管理装置が、少なくとも前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する遊技スコア算定工程と、
前記管理装置が、前記遊技スコア算定手段により算定された遊技スコアに係る情報を報知する報知工程と
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機が遊技店に来店する遊技客のニーズにマッチするか否かの判定及び遊技客への新たな側面からの情報提供を効率的に行うことができる遊技システム、管理装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店には、定期的に新機種の遊技機が導入されている。遊技店が、新機種の遊技機を導入した場合に、該新機種の遊技機が遊技客の関心を引くことができない場合がある。また、新機種の遊技機の稼働率が高かったとしても、遊技客は空きの遊技機が無く、新機種ゆえに出玉が期待できるのではないかとの理由で、新機種の遊技機を遊技しているケースもある。このため、かかる新機種の遊技機の導入が失敗に終わると、遊技店からの客離れに繋がってしまう。
【0003】
このため、新機種の遊技機の稼働率だけを参照したとしても、かかる新機種の遊技機が遊技客のニーズにマッチしているか否かが分からない。このため、例えば遊技客のバイタル情報を取得する技術が知られている。例えば、特許文献1には、遊技機の演出情報及びその結果を収集するとともに、遊技客の装着する各種センサから取得した心拍、脈拍、発汗に係るバイタル情報を組み合わせて管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、遊技機の演出が適切か否かを判定するための技術であり、遊技機が遊技客の関心を引いているか否かを判定するものではないため、この特許文献1を用いたとしても、新機種の遊技機が遊技客のニーズにマッチしているか否かを判定することはできない。遊技客は、遊技機の演出だけに惹かれる訳ではないからである。このため、遊技機が遊技店に来店する遊技客のニーズにマッチするか否かをいかに判定するかが重要な課題となっている。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題(問題点)を解決するためになされたものであって、遊技機が遊技店に来店する遊技客のニーズにマッチするか否かの判定及び遊技客への新たな側面からの情報提供を効率的に行うことができる遊技システム、管理装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技機に併設された各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられた管理装置とを有する遊技システムであって、前記管理装置は、前記遊技機で遊技する遊技客に係る遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技客のバイタル情報を取得するバイタル情報取得手段と、少なくとも前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する遊技スコア算定手段と、前記遊技スコア算定手段により算定された遊技スコアに係る情報を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記バイタル情報取得手段は、前記遊技客の脈拍、血圧、呼吸及び/又は体温を前記バイタル情報として取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記バイタル情報取得手段は、前記遊技客が装着したウエアラブルデバイスにより検知された前記遊技客の脈拍、血圧、呼吸及び/又は体温を前記バイタル情報として取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記管理装置は、前記各台装置に設けられた撮像装置により撮像された前記遊技客の顔画像を取得する顔画像取得手段をさらに備え、前記遊技スコア算定手段は、前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報と、前記遊技客の顔画像とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記管理装置は、前記遊技機で遊技する前記遊技客が着席する椅子に設けられたセンサにより検知された前記遊技客の身体の動き情報を取得する動き情報取得手段をさらに備え、前記遊技スコア算定手段は、前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報と、前記遊技客の動き情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記報知手段は、所定の表示部に前記遊技スコアに係る情報を表示制御させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記報知手段は、所定の表示部に前記遊技スコアに含まれるバイタル情報の感情区分毎の点数をグラフ化したレーダーチャートを含む情報を表示制御させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記報知手段は、前記遊技機の近傍に設けられた台ランプに対して前記遊技スコアに係る情報を出力し、前記台ランプは、前記遊技スコアに係る情報を前記台ランプの表示部に表示制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記管理装置は、前記遊技客のバイタル情報と平均的なバイタル情報とに基づいて、遊技に依存する依存症の可能性があるか否かを判定する依存症判定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技機に併設されたと通信可能に設けられた管理装置であって、前記遊技機で遊技する遊技客に係る遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技客のバイタル情報を取得するバイタル情報取得手段と、少なくとも前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する遊技スコア算定手段と、前記遊技スコア算定手段により算定された遊技スコアに係る情報を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、遊技機に併設された各台装置と、前記各台装置と通信可能に設けられた管理装置とを有する遊技システムにおける情報提供方法であって、前記管理装置が、前記遊技機で遊技する遊技客に係る遊技情報を取得する遊技情報取得工程と、前記管理装置が、前記遊技客のバイタル情報を取得するバイタル情報取得工程と、前記管理装置が、少なくとも前記遊技客に係る遊技情報と、前記遊技客のバイタル情報とに基づいて、前記遊技機で遊技する遊技客の遊技スコアを算定する遊技スコア算定工程と、前記管理装置が、前記遊技スコア算定手段により算定された遊技スコアに係る情報を報知する報知工程とを含むことを特徴とする情報提供方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、遊技機が遊技店に来店する遊技客のニーズにマッチするか否かの判定及び遊技客への新たな側面からの情報提供を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した台間カード処理機及び遊技機の外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した台間カード処理機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した自装置状態データ及びカードデータの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示した遊技機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、
図2に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示した稼働データ、遊技関連カード処理履歴データ及び遊技外カード処理履歴データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図7に示した計数精算処理履歴データ、遊技履歴データ及び遊動データの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図7に示した環境データ、環境基準データ、映像基準データ及びバイタル基準データの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図7に示した会員基準データ及び遊技実績基準データの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、
図7に示したスコアデータ、会員スコアデータ及び機種スコアデータの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態1に係る管理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態2に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【
図16】
図16は、実施形態2に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態3に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【
図21】
図21は、
図20に示した標準スコアデータ及び判定基準データの一例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態4に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る遊技システム、管理装置及び情報提供方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技球数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数をいう。
【0022】
<実施形態1に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態1に係る遊技システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態1に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0023】
図1に示すように、台間カード処理機10は、遊技機20から受信したアウトデータ、セーフデータ、特賞データなどの遊技情報と、台間カード処理機10に設置されたカメラによって撮影した映像情報とを管理装置50に通知する(S1)。
【0024】
また、遊技客に装着された計測端末90は、遊技客の脈拍、血圧、呼吸、体温などのバイタル情報を取得して管理装置50に通知する(S2)。この計測端末90としては、ここでは腕時計型のウエアラブルウオッチを想定している。ただし、他のウエアラブルデバイスを用いることもできる。なお、遊技機20で遊技するための椅子に装着された計測シート100は、遊技客の身体の動きに関する情報を取得して管理装置50に通知する。この計測シート100には、椅子の座面に配置したモーションセンサを用いることができる。なお、かかるモーションセンサは椅子の肘掛け部分などに設けることもできる。
【0025】
管理装置50は、台間カード処理機10、計測端末90及び計測シート100からそれぞれ受信した各情報と、管理装置50に記憶された会員情報及び基準情報を用いて遊技客の遊技スコアを算出し(S3)、台ランプ40に送信する(S4)。台ランプ40は、管理装置50から受信した遊技スコアを表示する(S5)。管理装置50は、遊技スコアを機種毎に蓄積して機種スコア情報を生成する(S6)。
【0026】
遊技客は、台ランプ40に表示された遊技スコアを確認することにより、遊技客自身の遊技に関する状態を認識することができる。また、管理装置50の表示部に遊技スコアを表示し、これを遊技店の管理者が確認することにより、該管理者は、各機種に対する遊技客の関心度を認識することができる。このため、この関心度を用いて遊技機が遊技客のニーズにマッチしているか否かを判定することができる。
【0027】
このように、本実施形態1に係る遊技システムでは、遊技を行う遊技客の遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技客の遊技スコアを算出して提供することができる。なお、遊技スコアだけを台ランプ40に表示するのではなく、遊技スコアに関連する情報(例えば、「Aさんのここからの勝率は『50%』、テンションアップで『75%』です」等)を台ランプ40に表示することもできる。
【0028】
<システム構成>
次に、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。
【0029】
台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、台ランプ40、管理装置50、賞品管理装置60、精算機70及び無線ルータ80が接続される。
【0030】
計測端末90、計測シート100及び環境センサ110は、無線通信により無線ルータ80と接続され、該無線ルータ80を介して管理装置50と通信可能に接続される。なお、ここでは説明の便宜上、計測端末90及び計測シート100は、無線ルータ80を介して直接管理装置50と通信する場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、計測端末90及び計測シート100を台間カード処理機10と無線通信可能とし、台間カード処理機10を介して管理装置50に情報を通知するよう構成することもできる。
【0031】
また、管理装置50は、店外のネットワークであるインターネットと接続される。インターネットには、利用者端末120が接続される。
【0032】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0033】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技球数を示す遊技可能数メモリを有している。また、遊技機20の制御部は、遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。
【0034】
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置50に送信する。
【0035】
遊技機20は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域を通過して(いわゆる入賞)所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機10に送信する。
【0036】
アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各データは、台間カード処理機10を介して管理装置50に送信され、管理装置50は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
【0037】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置50に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置50が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0038】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置50からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置50に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置50が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
【0039】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、管理装置50に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0040】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置50に送信し、管理装置50に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。
【0041】
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、管理装置50から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0042】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を管理装置50に対して中継する装置である。
【0043】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードの識別情報(以下、「カードID」と言う)と台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0044】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
【0045】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0046】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機70からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機70に対して通知する。
【0047】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0048】
また、管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0049】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0050】
また、管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
【0051】
また、管理装置50は、遊技機20のアウトデータ、セーフデータ及び特賞データを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻及び遊技機IDと関連付けて稼働データとして記憶し、該稼働データを用いて遊技機20の動作の履歴を時系列に生成し、遊技履歴データとして記憶する。
【0052】
また、管理装置50は、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を遊技関連カード処理履歴データに記憶する。
【0053】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データに記憶する。
【0054】
また、管理装置50は、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データに記憶する。
【0055】
また、管理装置50は、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ及び遊技関連カード処理履歴データを用い、遊技履歴データを生成して記憶する。
【0056】
また、管理装置50は、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ、計数精算処理履歴データ及び遊技履歴データを用いて、一つの継続した遊技を示す遊動データを生成して記憶する。
【0057】
また、管理装置50は、環境センサ110から環境情報を受け取ったならば、受け取った時点での時刻と対応付けて環境情報を環境データに記憶する。管理装置50は、環境基準データ、映像基準データ、バイタル基準データ、会員基準データ及び遊技実績基準データを受け付けたならば、それぞれのデータを記憶する。
【0058】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から映像情報を受け取ったならば、映像基準データを基準として受け取った映像情報を判定して数値化する。また、計測端末90及び計測シート100からバイタル情報を受け取ったならば、バイタル基準データを基準として受け取ったバイタル情報を判定して数値化する。また、遊技客の直近の入金額及び勝ち負け額に対して、遊技実績基準データを基準として判定して数値化し、会員情報に対して、会員基準データを基準として判定して数値化し、環境データに対して環境基準データを基準として判定して数値化する。そして、それぞれの数値を合計して遊技スコアを算出してスコアデータに記憶する。
【0059】
また、管理装置50は、遊技履歴データ及びスコアデータを用いて、カードID毎に、入金時、大当り時及び大当り終了時の遊技スコアを抽出するとともに、その平均値を算出し、会員スコアデータに記憶する。なお、会員スコアデータを時系列で管理することにより、遊技スコアとその後の勝率との関連性(以下、「遊技スコアに関連する情報」と言う)として分析することもできる。
【0060】
また、管理装置50は、遊技履歴データ及びスコアデータを用いて、機種毎に、入金時、大当り時及び大当り終了時の遊技スコアを抽出するとともに、その平均値を算出し、機種スコアデータに記憶する。
【0061】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受け取った時点から、カード排出通知を受け取るまでの間、所定の時間間隔で、カード挿入通知に含まれるカードIDに該当する遊技スコアを台ランプ40に送信する。なお、会員スコアデータを時系列で管理する場合には、遊技スコアに関連する情報を台ランプ40に通知することもできる。
【0062】
また、管理装置50は、利用者端末120からアクセス可能な遊技情報サイトを提供する。管理装置50は、会員スコアデータが更新されたならば、この会員スコアデータを用いて、会員ID毎の遊技スコアを提供するための会員スコア情報を生成する。なお、会員スコアデータを時系列で管理する場合には、遊技スコアに関連する情報を会員スコア情報に含めることもできる。
【0063】
また、管理装置50は、利用者端末120から配信依頼を受け付けたならば、該利用者端末120からの遊技情報サイトへのアクセスを許可し、該当する会員IDの会員スコア情報を配信する。
【0064】
台ランプ40は、遊技機20に併設され、遊技に関する情報を表示することが可能な装置である。台ランプ40は、管理装置50から遊技スコアを受信したならば、この遊技スコアを表示する。なお、その詳細な説明については省略するが、台ランプ40には、店員の呼出ボタンなどが設けられている。
【0065】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードIDを読み出した場合には、カードIDを管理装置50に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を賞品交換する場合は、管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
【0066】
精算機70は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置50に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0067】
無線ルータ80は、計測端末90、計測シート100及び環境センサ110と無線通信を行う接続機器である。計測端末90は、例えば遊技客の手首などの身体に装着される装置である。この計測端末90は、遊技客の脈拍、血圧、体温等のバイタル情報を取得し、取得したバイタル情報を無線ルータ80経由で管理装置50に通知する。
【0068】
計測シート100は、遊技客が遊技を行う際に使用する椅子の座面に装着され、遊技客の体動、発声、呼吸等のバイタル情報を取得するデバイスである。計測シート100は、取得したバイタル情報を無線ルータ80経由で管理装置50に通知する。
【0069】
環境センサ110は、遊技店内の室温、湿度、気圧、照度等の環境情報を取得するデバイスである。環境センサ110は、取得した環境情報を無線ルータ80経由で管理装置50に通知する。
【0070】
利用者端末120は、遊技客が所持して遊技情報サイトにアクセスする端末である。利用者端末120は、遊技情報サイトにアクセスして、配信された会員スコア情報を表示する。
【0071】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0072】
管理装置50は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が1円である場合の500円分を示す500度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
【0073】
加算信号を受信した遊技機20は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
【0074】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0075】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0076】
台間カード処理機10は、管理装置50から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置50に送信する。管理装置50は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0077】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技球数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置50に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
【0078】
管理装置50は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、管理装置50にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0079】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0080】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0081】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
【0082】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0083】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0084】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0085】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
【0086】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置50は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置50は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
【0087】
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
【0088】
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13、遊技を行う遊技客の映像を撮影するカメラ19、カードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14a及び固有IDを関連付けるために遊技客の持つ携帯端末を受け付けるかざし部14bが設けられている。また、かざし部14bは、固有IDを関連付けられた携帯端末を受け付けて、固有IDを読み取る。
【0089】
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。
【0090】
計数ボタン22は、遊技機20の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
【0091】
<台間カード処理機10の構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。
図4は、
図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
【0092】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。カメラ19は、遊技を行う遊技客の映像を撮影する入力デバイスである。
【0093】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを、かざし部14bにかざされた携帯端末から固有IDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、島コントローラ30を介して管理装置50との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0094】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
【0095】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0096】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
【0097】
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0098】
認証処理部18aは、管理装置50から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
【0099】
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、管理装置50を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
【0100】
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0101】
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20から遊技球数を取得したならば、該遊技球数を制御部17に受け渡す。
【0102】
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
【0103】
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a及び映像処理部17bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、データ管理部17a及び映像処理部17bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0104】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知を管理装置50に送信する。また、データ管理部17aは、管理装置50から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16bを更新する。
【0105】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知を管理装置50に送信する。
【0106】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求を管理装置50に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0107】
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0108】
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求を管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
【0109】
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
【0110】
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求を管理装置50に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出する。
【0111】
映像処理部17bは、カメラ19で撮影した映像を処理する処理部である。映像処理部17bは、カメラ19で撮影した映像情報を用いて遊技客が遊技台の前の椅子に腰かけたと判定したならば、カメラ19で撮影した映像情報を管理装置50に通知する。映像処理部17bは、遊技客が遊技台の前の椅子から離れたと判定したならば、カメラ19で撮影した映像情報の通知を停止する。
【0112】
次に、
図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの一例について説明する。
図5は、
図4に示した自装置状態データ16a及びカードデータ16bの一例を示す図である。
【0113】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
【0114】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2001」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「1234」であり、プリペイド価値が「3000」度数である状態を示している。
【0115】
また、カードデータ16bは、持玉として、玉1の持玉の残高が「1500」玉、玉2の持玉の残高が「2500」玉、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、貯玉として、玉1の貯玉の残高が「500」玉、玉2の貯玉の残高が「0」玉、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
【0116】
<遊技機20の構成>
次に、
図2に示した遊技機20の構成について説明する。
図6は、
図2に示した遊技機20の構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0117】
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
【0118】
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
【0119】
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0~65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
【0120】
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
【0121】
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
【0122】
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
【0123】
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0124】
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
【0125】
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
【0126】
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
【0127】
遊技玉制御部26は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。遊技可能数管理部26aは、遊技可能数すなわち遊技球数を管理する管理部である。
【0128】
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
【0129】
また、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。
【0130】
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
【0131】
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
【0132】
<管理装置50の構成>
次に、
図2に示した管理装置50の構成について説明する。
図7は、
図2に示した管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0133】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して利用者端末120及び図示しない認証鍵管理センタと通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、台ランプ40、賞品管理装置60、精算機70及び無線ルータ80と通信するためのインタフェース部である。
【0134】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i、環境データ55j、環境基準データ55k、映像基準データ55l、バイタル基準データ55m、会員基準データ55n、遊技実績基準データ55o、スコアデータ55p、会員スコアデータ55q及び機種スコアデータ55rを記憶する。
【0135】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ55bは、台間カード処理機ID、設置場所、遊技台番号、遊技機ID、遊技機20の機種データ等を含む。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、性別、年齢、住所、貯玉の情報等を関連付けたデータである。
【0136】
稼働データ55dは、遊技機20の動作の履歴を示すデータである。遊技関連カード処理履歴データ55eは、台間カード処理機10、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を示すデータである。遊技外カード処理履歴データ55fは、ワゴン賞品交換などの遊技以外の履歴を示すデータである。
【0137】
計数精算処理履歴データ55gは、計数処理や精算処理などの履歴を示すデータである。遊技履歴データ55hは、遊技の履歴をデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示される。
【0138】
遊動データ55iは、一つの継続した遊技を示すデータであり、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額を対応付けている。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
【0139】
環境データ55jは、遊技店内の時刻、室温、湿度、気圧及び照度を示すデータである。環境基準データ55kは、遊技店内の室温、湿度、気圧及び照度の基準を示すデータである。映像基準データ55lは、遊技を行う際の平均的な動作を遊技客毎に映像化したデータである。バイタル基準データ55mは、遊技を行う際の平均的なバイタル情報を遊技客毎に数値化したデータである。バイタル基準データ55mには、脈拍、血圧、体温、呼吸が含まれる。
【0140】
会員基準データ55nは、会員の平均的な属性を示すデータである。遊技実績基準データ55oは、カードID毎の過去の遊技実績の平均値を示すデータである。
【0141】
スコアデータ55pは、遊技客が遊技を行っている際の遊技スコアを時系列に示すデータである。会員スコアデータ55qは、カードIDに対して、投資額、勝ち負け額及び遊技スコアを対応付けたデータである。機種スコアデータ55rは、機種に対して、平均投資額、平均勝ち負け額及び遊技スコアを対応付けたデータである。
【0142】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、環境データ管理部56h、基準データ管理部56i、スコア判定部56j、スコア管理部56k、通知部56l及び配信部56mを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、環境データ管理部56h、基準データ管理部56i、スコア判定部56j、スコア管理部56k、通知部56l及び配信部56mにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0143】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。また、カード管理部56aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
【0144】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ55bを生成及び更新する。
【0145】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。
【0146】
ここで、会員管理部56cによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56cは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0147】
稼働データ蓄積集計部56dは、遊技機20のアウトデータ、セーフデータ及び特賞データを台間カード処理機10から受信した場合に、時刻、遊技機ID及びデータ種別を対応付けて稼働データ55dに登録する。
【0148】
また、稼働データ蓄積集計部56dは、稼働データ55dに基づいてデータの集計を行うことで、遊技機20の動作の履歴を取得する処理部でもある。遊技機20の動作の履歴には、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生が含まれる。
【0149】
カード処理履歴管理部56eは、入金、カード挿入、カード排出などの台間カード処理機10の動作の履歴と、賞品管理装置60、精算機70などによる動作の履歴を蓄積する処理部である。
【0150】
具体的には、カード処理履歴管理部56eは、台間カード処理機10からカード挿入通知データ、カード排出通知データ、入金通知データ、各台計数通知データ及び一般カード使切データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技関連カード処理履歴データ55eに追加する。
【0151】
また、カード処理履歴管理部56eは、台間カード処理機10からワゴン賞品交換データ及び持玉分割通知データを受信した場合に、時刻、遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて遊技外カード処理履歴データ55fに追加する。
【0152】
また、カード処理履歴管理部56eは、賞品管理装置60、精算機70などから動作の通知を受けた場合に、時刻、装置ID、最後に使用した遊技機20の遊技機ID、カードIDなどと処理の内容とを対応付けて計数精算処理履歴データ55gに追加する。
【0153】
遊技履歴データ生成部56fは、閉店後などの所定のタイミングで、稼働データ55d及び遊技関連カード処理履歴データ55eを用い、遊技履歴データ55hを生成し、記憶部55に格納する。
【0154】
遊動データ生成部56gは、閉店後などの所定のタイミングで、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g及び遊技履歴データ55hを用い、一つの継続した遊技を示す遊動データ55iを生成し、記憶部55に格納する。
【0155】
環境データ管理部56hは、環境データ55jを管理する処理部である。環境データ管理部56hは、環境センサ110から環境情報を受け取ったならば、受け取った時点での時刻と対応付けて、受け取った環境情報を環境データ55jに記憶する。
【0156】
基準データ管理部56iは、環境基準データ55k、映像基準データ55l、バイタル基準データ55m、会員基準データ55n及び遊技実績基準データ55oを管理する処理部である。基準データ管理部56iは、入力部52から環境基準データ、映像基準データ、バイタル基準データ、会員基準データ及び遊技実績基準データを受け付けたならば、それぞれのデータを環境基準データ55k、映像基準データ55l、バイタル基準データ55m、会員基準データ55n及び遊技実績基準データ55oに記憶する。
【0157】
スコア判定部56jは、遊技客の遊技スコアを算出する処理部である。スコア判定部56jは、台間カード処理機10から映像情報を受け取ったならば、映像基準データ55lを基準として受け取った映像情報を判定して数値化する。また、計測端末90及び計測シート100からバイタル情報を受け取ったならば、バイタル基準データ55mを基準として受け取ったバイタル情報を判定して数値化する。また、遊動データ55i内の対象とするカードIDの直近の入金額及び勝ち負け額に対して、遊技実績基準データ55oを基準として判定して数値化し、会員管理データ55c内の対象とするカードIDの性別、年齢、住所に対して、会員基準データ55nを基準として判定して数値化し、環境データ55j内の直近の時刻のデータに対して環境基準データ55kを基準として判定して数値化する。そして、それぞれの数値を合計して遊技スコアを算出する。
【0158】
スコア管理部56kは、スコアデータ55p、会員スコアデータ55q及び機種スコアデータ55rを管理する処理部である。スコア管理部56kは、スコア判定部56jが遊技スコアを算出したならば、算出した時点の時刻と対応付けて、この遊技スコアをスコアデータ55pに記憶する。
【0159】
また、スコア管理部56kは、遊技履歴データ55h及びスコアデータ55pを用いて、カードID毎に、入金時、大当り時及び大当り終了時の遊技スコアを抽出するとともに、その平均値を算出する。そして、このカードIDに対応する入金額(投資額)及び勝ち負け額を遊動データ55iから抽出し、遊技スコアとともに会員スコアデータ55qに記憶する。
【0160】
なお、会員スコアデータ55qを時系列で管理することにより、遊技スコアとその後の勝率との関連性を示す遊技スコアに関連する情報として分析することもできる。例えば、遊技スコアが110であった場合には、その後の勝率が50%であり、遊技スコアが所定時間内に110から120に上昇した場合には、その後の勝率が75%であったと分析することもできる。
【0161】
また、スコア管理部56kは、入力部52より受け付けた対象期間(例えば、年別、月別、週別など)内の遊技履歴データ55h及びスコアデータ55pを用いて、機種毎に、入金時、大当り時及び大当り終了時の遊技スコアを抽出するとともに、その平均値を算出する。そして、この機種に対応する入金額(投資額)及び勝ち負け額を遊動データ55iから抽出して、それぞれの平均値を算出し、遊技スコアとともに機種スコアデータ55rに記憶する。この際、遊技スコアの平均値の大きい方から順位付けをし、この順位を機種スコアデータ55rに記憶する。
【0162】
通知部56lは、遊技スコアを台ランプ40に送信する処理部である。通知部56lは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受け取ってから、カード排出通知を受け取るまでの間、所定の時間間隔で、カード挿入通知に含まれるカードIDに該当する会員スコアデータ55q内の遊技スコアを台ランプ40に送信する。なお、会員スコアデータ55qを時系列で管理する場合には、遊技スコアに関連する情報を台ランプ40に通知することもできる。
【0163】
配信部56mは、会員スコア情報を配信する処理部である。配信部56mは、利用者端末120からアクセス可能な遊技情報サイトを提供する。配信部56mは、会員スコアデータ55qが更新されたならば、この会員スコアデータ55qを用いて、会員ID毎の遊技スコアを提供するための会員スコア情報を生成する。なお、会員スコアデータ55qを時系列で管理する場合には、遊技スコアに関連する情報を会員スコア情報に含めることもできる。
【0164】
また、配信部56mは、利用者端末120から配信依頼を受け付けたならば、該利用者端末120からの遊技情報サイトへのアクセスを許可し、該当する会員IDの会員スコア情報を配信する。
【0165】
次に、
図7に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの一例について説明する。
図8~
図13は、
図7に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i、環境データ55j、環境基準データ55k、映像基準データ55l、バイタル基準データ55m、会員基準データ55n、遊技実績基準データ55o、スコアデータ55p、会員スコアデータ55q及び機種スコアデータ55rの一例を示す図である。
【0166】
図8(a)に示すカード管理データ55aは、カードID「1001」にプリペイド価値「0」度数、各レートの持玉の残高「0」玉、使用先ID「A101」が対応付けられた状況を示している。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロである。
【0167】
また、カード管理データ55aは、カードID「2001」にプリペイド価値「3000」度数、持玉として、玉1の持玉の残高「1500」玉、玉2の持玉の残高「2500」玉、玉3の持玉の残高「0」玉とが対応付けられた状況を示している。ただし、使用先IDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置50により行われている。
【0168】
図8(b)に示す装置管理データ55bは、ID「A101」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島1-1」、遊技台番号が「11」、接続された遊技機20のIDが「B201」、遊技種が「玉1」、遊技機20の機種が「EV01」、製造番号が「a」が対応付けられた状況を示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0169】
また、装置管理データ55bは、ID「A201」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島2-1」、遊技台番号「21」、接続された遊技機20のIDが「B506」、遊技種が「玉3」、遊技機20の機種が「DX03」、製造番号が「g」が対応付けられた状況を示している。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0170】
図8(c)に示す会員管理データ55cは、カードID「2005」に対して、氏名「特許太郎」、性別「男」、年齢「35」歳、住所「東京都新宿区・・・」、「玉1」の貯玉の残高「1500」玉、「玉2」の貯玉の残高「200」玉、「玉3」の貯玉の残高「0」玉が対応付けられた状況を示している。
【0171】
図9(a)に示す稼働データ55dは、時刻「11:10:14」に対して、遊技機ID「P001」、データ種別「アウト」を、時刻「11:10:16」に対して、遊技機ID「P001」、データ種別「アウト」を、時刻「11:11:30」に対して、遊技機ID「P001」、データ種別「セーフ」を、時刻「13:30:00」に対して、遊技機ID「P015」、データ種別「特賞(大当り)」が対応付けられた状況を示している。
【0172】
図9(b)に示す遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「11:10:00」に遊技機ID「P001」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「カード挿入」の処理が行われた状況を示している。
【0173】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「12:35:30」に遊技機ID「P023」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「2005」のカードを用いて、「カード排出」の処理が行われた状況を示している。
【0174】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「13:20:20」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードを用いて、「入金」の処理が行われた状況を示している。
【0175】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「13:52:40」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1021」のカードを用いて、「各台計数」の処理が行われた状況を示している。
【0176】
また、遊技関連カード処理履歴データ55eは、時刻「14:04:00」に遊技機ID「P015」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1055」のカードの「一般カード使い切り」の処理が発生した状況を示している。
【0177】
図9(c)に示す遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。具体的には、遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻「13:40:01」に遊技機ID「P011」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1003」のカードを用いて、「ワゴン賞品交換」の処理が行われた状況を示している。
【0178】
また、遊技外カード処理履歴データ55fは、時刻「15:00:50」に遊技機ID「P007」の遊技機20に併設された台間カード処理機10において、カードID「1002」のカードを用いて、「持玉分割」の処理が行われた状況を示している。
【0179】
図10(a)に示す計数精算処理履歴データ55gは、時刻、装置ID、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータである。装置IDは、賞品管理装置60、精算機70などを一意に特定する識別情報である。遊技機IDは、遊技客が最後に使用した遊技機20を示す識別情報であり、賞品交換、精算、計数などを行う場合に遊技客に入力させることで特定する。若しくは、管理装置50が保持するカードの使用履歴を参照して特定してもよい。
【0180】
具体的には、計数精算処理履歴データ55gは、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」、処理「賞品交換」を対応付けた状況を示している。また、時刻「14:22:33」、賞品管理装置60の装置ID「6001」、遊技機ID「P001」、カードID「2013」、処理「賞品交換」を対応付けた状況を示している。すなわち、カードID「1002」の一般カードとカードID「2013」の会員カードは同時に賞品交換に用いられている。
【0181】
また、計数精算処理履歴データ55gは、時刻「16:08:08」、精算機70の装置ID「7011」、遊技機ID「P019」、カードID「1033」、処理「精算」が対応付けられた状況を示している。
【0182】
図10(b)に示す遊技履歴データ55hは、時刻、遊技機ID、カードID及び処理を対応付けたデータであり、入金、カード挿入、カード排出、打込玉数、賞出玉数、特賞の発生など、遊技に係る状態が時系列に示されている。
【0183】
具体的には、遊技履歴データ55hは、時刻「11:10:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「カード挿入」が対応付けられ、時刻「11:11:20」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「打込玉数 100」が対応付けられ、時刻「11:12:00」、遊技機ID「P001」、カードID「1002」及び処理「賞出玉数 30」が対応付けられた状況を示している。
【0184】
また、遊技履歴データ55hは、時刻「12:35:30」、遊技機ID「P023」、カードID「2005」及び処理「カード排出」が対応付けられ、時刻「13:20:20」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「入金」が対応付けられ、時刻「13:30:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1055」及び処理「特賞(大当り)」が対応付けられた状況を示している。
【0185】
図10(c)に示す遊動データ55iは、一つの継続した遊技を示し、同一の遊技機における遊技の開始時間、終了時間、遊技機ID、カードID、顧客種別、入金額、打込玉数(アウト)、賞出玉数(セーフ)、大当り回数、ワゴン賞品交換回数、持玉分割回数及び勝ち負け額が対応付けられた状況を示している。ここで、顧客種別は、一般遊技客であるか、会員遊技客であるかを示している。
【0186】
具体的には、遊動データ55iは、開始時間「11:10:00」、終了時間「14:15:33」、遊技機ID「P001」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「3000」円、打込玉数(アウト)「0」玉、賞出玉数(セーフ)「6500」玉、大当り回数「10」、ワゴン賞品交換回数「0」、持玉分割回数「1」及び勝ち負け額「100000」円が対応付けられた状況を示している。
【0187】
また、遊動データ55iは、開始時間「13:20:20」、終了時間「18:00:00」、遊技機ID「P015」、カードID「1002」、顧客種別「一般」、入金額「12000」円、打込玉数(アウト)「13000」玉、賞出玉数(セーフ)「10150」玉、大当り回数「13」、ワゴン賞品交換回数「2」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「30000」円が対応付けられた状況を示している。
【0188】
また、遊動データ55iは、開始時間「14:30:00」、終了時間「17:00:00」、遊技機ID「P020」、カードID「2005」、顧客種別「会員」、入金額「15000」円、打込玉数(アウト)「10000」玉、賞出玉数(セーフ)「8000」玉、大当り回数「5」、ワゴン賞品交換回数「1」、持玉分割回数「0」及び勝ち負け額「-10000」円が対応付けられた状況を示している。
【0189】
図11(a)に示す環境データ55jは、時刻「11:00:00」に対して、室温「25.5」度、湿度「56」%、気圧「1010」hPa、照度「700」ルクスを対応付け、時刻「11:05:00」に対して、室温「25.7」度、湿度「58」%、気圧「1012」hPa、照度「705」ルクスが対応付けられた状況を示している。
【0190】
図11(b)に示す環境基準データ55kは、室温「26.0」度、湿度「60」%、気圧「1012」hPa、照度「700」ルクスが対応付けられた状況を示している。
【0191】
図11(c)に示す映像基準データ55lは、カードID「2001」に対して、基準映像「2001001.mp4」を対応付け、カードID「2002」に対して、基準映像「2002001.mp4」が対応付けられた状況を示している。
【0192】
図11(d)に示すバイタル基準データ55mは、カードID「2001」に対して、脈拍「70」、血圧「100」、体温「36.2」度、呼吸「15」を対応付け、カードID「2002」に対して、脈拍「80」、血圧「120」、体温「36.5」度、呼吸「20」が対応付けられた状況を示している。
【0193】
図12(a)に示す会員基準データ55nは、性別「男」、年齢「40」歳、住所「東京都渋谷区・・・」が対応付けられた状況を示している。
【0194】
図12(b)に示す遊技実績基準データ55oは、カードID「2001」に対して、投資額「13000」円、勝ち負け額「2000」円を対応付け、カードID「2002」に対して、投資額「20000」円、勝ち負け額「-4000」円が対応付けられた状況を示している。
【0195】
図13(a)に示すスコアデータ55pは、時刻「11:00:00」、カードID「2001」に対して、遊技スコア「107」を対応付け、時刻「11:00:00」、カードID「2002」に対して、遊技スコア「92」が対応付けられた状況を示している。
【0196】
図13(b)に示す会員スコアデータ55qは、カードID「2001」に対して、投資額「15000」円、勝ち負け額「8000」円、遊技スコアにおける平均「110」、入金時「100」、大当り時「120」、終了時「95」を対応付け、カードID「2002」に対して、投資額「28000」円、勝ち負け額「-13000」円、遊技スコアにおける平均「85」、入金時「90」、大当り時「130」、終了時「70」が対応付けられた状況を示している。
【0197】
図13(c)に示す機種スコアデータ55rは、機種「EV01」に対して、平均投資額「25000」円、平均勝ち負け額「-5000」円、遊技スコアにおける平均「95」、入金時「90」、大当り時「102」、終了時「98」、順位「4」を対応付け、機種「DX03」に対して、平均投資額「28000」円、平均勝ち負け額「7000」円、遊技スコアにおける平均「107」、入金時「95」、大当り時「115」、終了時「103」、順位「1」が対応付けられた状況を示している。
【0198】
<実施形態1に係る管理装置50における処理手順>
次に、本実施形態1に係る管理装置50における処理手順について説明する。
図14は、本実施形態1に係る管理装置50における処理手順を示すフローチャートである。
【0199】
図14に示すように、管理装置50は、環境センサ110から環境情報を受信したならば(ステップS101;Yes)、この環境情報を環境データ55jに記憶する(ステップS102)。
【0200】
台間カード処理機10から遊技情報を受信したならば(ステップS103;Yes)、この遊技情報を用いて遊動データを生成し、遊動データ55iに記憶する(ステップS104)。
【0201】
台間カード処理機10から映像情報を受信し、計測端末90及び計測シート100からバイタル情報を受信したならば(ステップS105;Yes)、受信したそれぞれのデータと映像基準データ55l及びバイタル基準データ55m、並びに、遊動データ55i、遊技実績基準データ55o、会員管理データ55c、会員基準データ55n、環境データ55j及び環境基準データ55kを用いて遊技スコアを算出し、スコアデータ55pに記憶するとともに(ステップS106)、この遊技スコアを台ランプ40に送信する(ステップS107)。
【0202】
遊動データ55i及びスコアデータ55pを用いて、会員スコアデータ55q及び機種スコアデータ55rを更新するとともに(ステップS108)、この会員スコアデータ55qを用いて会員スコア情報を生成する(ステップS109)。
【0203】
利用者端末120から配信依頼を受信したならば(ステップS110;Yes)、該利用者端末120からの遊技情報サイトへのアクセスを許可し、該当する会員IDの会員スコア情報を配信する。
【0204】
上述してきたように、本実施形態1に係る遊技システムでは、台間カード処理機から遊技情報及び映像情報を取得し、計測端末及び計測シートからバイタル情報を取得し、環境センサから環境情報を取得し、これらの各情報及び会員情報を用いて遊技スコアを算出して台ランプに表示するとともに、この遊技スコアを蓄積して生成した会員スコアデータ及び機種スコアデータを管理装置又は利用者端末で表示できるよう構成したので、遊技を行う遊技客の遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技客の遊技スコアを算出して提供することができる。
【0205】
なお、上記の実施形態1では、遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、環境情報及びバイタル情報を用いて店内環境を適切に調整できるよう構成することもできる。
【0206】
また、上記の実施形態1では、遊技店の遊技客に対する遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全国や商圏別の平均遊技スコアを算出して比較できるよう構成することもできる。
【0207】
また、上記の実施形態1では、遊技スコアを算出して表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、機種毎の導入経費と売上に対して、機種毎の遊技スコアとの対比による分析を行うよう構成することもできる。
【0208】
また、上記の実施形態1では、基準データを基準として遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、機械学習や深層学習のAI技術を利用して遊技スコアを算出するよう構成することもできる。
【0209】
また、上記の実施形態1では、遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコの釘状態やスロットの設定値を用いて遊技スコアを算出するよう構成することもできる。
【0210】
また、上記の実施形態1では、遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、環境情報及びバイタル情報内の各項目は、遊技店において選択できるよう構成することもできる。
【0211】
また、上記の実施形態1では、遊技スコアの判定を管理装置において行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理装置以外の他の装置(例えば、遊技店外のサーバー)において遊技スコアの判定を行うよう構成することもできる。
【0212】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客の感情区分をスコア化して提供するよう構成することもできる。本実施形態2では、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客の感情区分をスコア化して提供する遊技システムについて説明する。
【0213】
<実施形態2に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態2に係る遊技システムの概要について説明する。
図15は、本実施形態2に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0214】
図15(a)に示すように、本実施形態2に係る遊技システムでは、台間カード処理機300、表示操作端末310及び計測シート100から、映像情報及びバイタル情報を取得し(S11)、この映像情報及びバイタル情報から遊技客の感情区分をスコア化する(S12)。感情区分のスコアは利用者端末120に表示する(S13)。なお、利用者端末120の他、図示しない台ランプに表示することもできる。
【0215】
また、表示される感情区分のスコアは、
図15(b)に示すように、5つの感情区分(喜び、嫌気、悲しみ、恐れ、怒り)別に5段階で表示され、全国データも合わせて表示される。また、それぞれのスコアは、
図15(c)に示すように、レーダーチャートとしても表示される。
【0216】
このように、本実施形態2に係る遊技システムでは、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客の感情区分をスコア化して提供することができる。
【0217】
<実施形態2に係るシステム構成>
次に、本実施形態2に係る遊技システムのシステム構成について説明する。
図16は、本実施形態2に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図16に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機300とが設置される。
【0218】
台間カード処理機300は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、台ランプ40、管理装置200、賞品管理装置60、精算機70及び無線ルータ80が接続される。また、台間カード処理機300は、無線通信により表示操作端末310と接続される。
【0219】
計測シート100は、無線通信により無線ルータ80と接続され、該無線ルータ80を介して管理装置200と通信可能に接続される。
【0220】
また、管理装置200は、店外のネットワークであるインターネットと接続される。インターネットには、情報管理装置400及び利用者端末120が接続される。
【0221】
管理装置200は、台間カード処理機300から受け取った映像情報及び計測シート100から受け取ったバイタル情報を用いて感情スコアを算出し、感情スコアデータに記憶する。管理装置200は、情報管理装置400から全国スコアデータを受信したならば、この全国スコアデータを感情スコアデータに記憶する。
【0222】
また、管理装置200は、感情スコアデータが更新されたならば、この感情スコアデータを台ランプ40に送信する。管理装置200は、所定の時期(例えば、閉店処理開始時)に、感情スコアデータを情報管理装置400に送信する。
【0223】
台間カード処理機300は、装置の表面に設置されたカメラで撮影した映像情報又は表示操作端末310から受け取った映像情報を管理装置200に通知する。
【0224】
表示操作端末310は、遊技に関する各種情報を表示するとともに、内蔵されたカメラで映像情報を取得する装置である。表示操作端末310は、装置に内蔵されたカメラで撮影した映像情報を用いて、遊技客が遊技台の前の椅子に腰かけたと判定したならば、この映像情報を台間カード処理機300に通知する。
【0225】
情報管理装置400は、各遊技店及び全国平均の感情スコアを管理するとともに、遊技情報サイトを提供する装置である。情報管理装置400は、管理装置200から感情スコアデータを受信したならば、店舗及びカードID毎に、受信した感情スコアデータを記憶して管理するとともに、全てのデータの平均値を算出して全国スコアデータとして記憶する。情報管理装置400は、所定の時期(例えば、毎日10:00)に全国スコアデータを管理装置200に送信する。
【0226】
また、情報管理装置400は、利用者端末120から配信依頼を受け付けたならば、該利用者端末120からの遊技情報サイトへのアクセスを許可し、該当する会員IDの感情スコアデータを配信する。
【0227】
<管理装置200の構成>
次に、
図16に示した管理装置200の構成について説明する。
図17は、
図16に示した管理装置200の構成を示す機能ブロック図である。
図17に示すように、管理装置200は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部230、店舗ネットワーク通信部54、記憶部210及び制御部220を有する。なお、
図7に示した管理装置50と同様の機能部についての説明は省略する。
【0228】
外部ネットワーク通信部230は、外部ネットワークを介して情報管理装置400、利用者端末120及び図示しない認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。
【0229】
記憶部210は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i、映像基準データ55l、バイタル基準データ55m及び感情スコアデータ211を記憶する。
【0230】
感情スコアデータ211は、感情スコアを示すデータである。感情スコアデータ211は、時刻、カードIDに対応付けた感情スコアを示す。なお、感情スコアデータ211には、全国平均の感情スコアを含む。
【0231】
制御部220は、管理装置200の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、基準データ管理部221、スコア判定部222、スコア管理部223及び通知部224を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、基準データ管理部221、スコア判定部222、スコア管理部223及び通知部224にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0232】
基準データ管理部221は、映像基準データ55l及びバイタル基準データ55mを管理する処理部である。基準データ管理部221は、入力部52から映像基準データ及びバイタル基準データを受け付けたならば、それぞれのデータを映像基準データ55l及びバイタル基準データ55mに記憶する。
【0233】
スコア判定部222は、遊技客の感情スコアを算出する処理部である。スコア判定部222は、台間カード処理機300から映像情報を受け取ったならば、映像基準データ55lを基準として受け取った映像情報を判定し、計測シート100からバイタル情報を受け取ったならば、バイタル基準データ55mを基準として受け取ったバイタル情報を判定し、それぞれの判定結果を合計して感情スコアを算出する。
【0234】
スコア管理部223は、感情スコアデータ211を管理する処理部である。スコア管理部223は、スコア判定部222が感情スコアを算出したならば、算出した時点の時刻及びカードIDと対応付けて、この感情スコアを感情スコアデータ211に記憶する。
【0235】
また、スコア管理部223は、情報管理装置400から全国スコアデータを受信したならば、受信時刻と対応付け、カードIDを「全国」として、この全国スコアデータを感情スコアデータ211に記憶する。
【0236】
通知部224は、感情スコアを台ランプ40及び情報管理装置400に送信する処理部である。通知部224は、感情スコアデータ211が更新されたならば、更新されたデータのカードIDに対応する台間カード処理機300に併設された台ランプ40に対して、更新されたデータの感情スコアを送信する。
【0237】
また、通知部224は、所定の時期(例えば、閉店処理開始時)に、感情スコアデータ211を情報管理装置400に送信する。
【0238】
次に、
図17に示した管理装置200の記憶部210が記憶するデータの一例について説明する。
図18は、
図17に示した感情スコアデータ211の一例を示す図である。
【0239】
図18に示す感情スコアデータ211は、時刻「10:00:00」、カードID「全国」に対して、喜び「3」、嫌気「3」、悲しみ「3」、恐れ「4」、怒り「2」を対応付け、時刻「11:00:00」、カードID「2001」に対して、喜び「5」、嫌気「2」、悲しみ「2」、恐れ「1」、怒り「3」を対応付けている。
【0240】
上述してきたように、本実施形態2に係る遊技システムでは、台間カード処理機から映像情報を取得し、計測シートからバイタル情報を取得し、これら各情報を用いて感情スコアを算出して台ランプに表示するとともに、この感情スコアを情報管理装置において記憶し、利用者端末からアクセスできるよう構成したので、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客の感情区分をスコア化して提供することができる。
【0241】
なお、上記の実施形態2では、計測シートを用いてバイタル情報を取得する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客が装着するバイタルセンサ機器(例えば、時計型のセンサ機器)を用いてバイタル情報を取得し、バイタルセンサ機器のアプリ経由で情報管理装置に通知するよう構成することもできる。
【0242】
また、上記の実施形態2では、感情スコアをレーダーチャートにして表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーダーチャートの表示項目に投資金額等の遊技情報を加えて表示するよう構成することもできる。
【0243】
また、上記の実施形態2では、感情スコアをレーダーチャートにして表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーダーチャートの表示項目は、店舗や台間カード処理機において追加又は削除等の変更ができるよう構成することもできる。
【0244】
また、上記の実施形態2では、台ランプで感情スコアを表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、台ランプを含む各種の店内機器又は利用者端末において、リアルタイムでの表示又は遊技終了後での表示を行えるよう構成することもできる。
【0245】
また、上記の実施形態2では、感情スコアを全国データと比較して表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、今回と前回の感情スコアの比較の表示、感情スコアの比較に対する分析結果の表示を行うよう構成することもできる。
【0246】
また、上記の実施形態2では、カードIDに対応する感情スコアを利用者端末に対して配信する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、機種毎の感情スコアを生成し、遊技機メーカーに対して配信するよう構成することもできる。
【0247】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客のバイタルスコアを算出し、遊技における差玉と合わせてバイタルスコアを提供するよう構成することもできる。このことにより、平均的なバイタルスコアと比較することにより、特異なバイタルスコアを示している遊技客には、依存症の可能性があるとして管理を行うことができる。
【0248】
本実施形態3では、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客のバイタルスコアを算出し、遊技における差玉と合わせてバイタルスコアを提供する遊技システムについて説明する。
【0249】
<実施形態3に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態3に係る遊技システムの概要について説明する。
図19は、本実施形態3に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0250】
図19(a)に示すように、本実施形態3に係る遊技システムでは、台間カード処理機600、表示操作端末610及び計測シート100から、映像情報及びバイタル情報を取得し(S21)、この映像情報及びバイタル情報から遊技客のバイタルスコアを算出する(S22)。その後、バイタルスコアと差玉の変化をグラフ化する(S23)。なお、グラフ化した結果については、図示しない管理装置において表示することができる。
【0251】
表示されるグラフは、
図19(b)に示すように、時系列にバイタルスコアと差玉が折れ線グラフとして表示される。例えば、大当り抽選を行っている時期ではバイタルスコアは上昇を続け、大当りの後には若干低下しつつ安定し、終了時後には急降下している。なお、
図19(b)は一般的な遊技客のバイタルスコアの変化を示している。
【0252】
一方、
図19(c)に示すグラフは、遊技開始当初からバイタルスコアがマイナスを示しており、遊技が進むにつれてバイタルスコアのマイナス傾向が強くなっている。このグラフは、
図19(b)のグラフと比べて特異性があると判断されるため、この遊技客は依存症の可能性があるとして管理を行うことができる。
【0253】
このように、本実施形態3に係る遊技システムでは、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客のバイタルスコアを算出し、遊技における差玉と合わせてバイタルスコアを提供することができる。
【0254】
<管理装置500の構成>
次に、
図19に示した管理装置500の構成について説明する。
図20は、本実施形態3に係る管理装置500の構成を示す機能ブロック図である。
図20に示すように、管理装置500は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部510及び制御部520を有する。なお、
図7に示した管理装置50と同様の機能部についての説明は省略する。
【0255】
記憶部510は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、稼働データ55d、遊技関連カード処理履歴データ55e、遊技外カード処理履歴データ55f、計数精算処理履歴データ55g、遊技履歴データ55h、遊動データ55i、映像基準データ55l、バイタル基準データ55m、標準スコアデータ511、判定基準データ512及びスコアデータ55pを記憶する。
【0256】
標準スコアデータ511は、バイタルスコアの標準値を示すデータである。判定基準データ512は、バイタルスコアの判定を行う際の判定基準を示すデータである。
【0257】
制御部520は、管理装置500の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、基準データ管理部521、スコア判定部522、スコア管理部523及び特異性判定部524を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、稼働データ蓄積集計部56d、カード処理履歴管理部56e、遊技履歴データ生成部56f、遊動データ生成部56g、基準データ管理部521、スコア判定部522、スコア管理部523及び特異性判定部524にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0258】
基準データ管理部521は、標準スコアデータ511及び判定基準データ512を管理する処理部である。基準データ管理部521は、入力部52から標準スコアデータ及び判定基準データを受け付けたならば、それぞれのデータを標準スコアデータ511及び判定基準データ512に記憶する。
【0259】
スコア判定部522は、遊技客のバイタルスコアを算出する処理部である。スコア判定部522は、台間カード処理機600から映像情報を受け取ったならば、映像基準データ55lを基準として受け取った映像情報を判定して数値化し、計測シート100からバイタル情報を受け取ったならば、バイタル基準データ55mを基準として受け取ったバイタル情報を判定して数値化し、それぞれの判定結果を合計してバイタルスコアを算出する。
【0260】
スコア管理部523は、スコアデータ55pを管理する処理部である。スコア管理部523は、スコア判定部522がバイタルスコアを算出したならば、算出した時点の時刻と対応付けて、この遊技スコアをスコアデータ55pに記憶する。
【0261】
特異性判定部524は、遊技客のバイタルスコアの特異性を判定する処理部である。特異性判定部524は、スコアデータ55pが更新されたならば、スコアデータ55p内のスコアと標準スコアデータ511内の標準値とを比較し、その差が判定基準データ512の範囲内であれば特異性なしと判定し、その差が判定基準データ512の範囲外であれば特異性ありと判定する。特異性判定部524は、判定結果が出たならば、この判定結果を表示部51に表示する。
【0262】
次に、
図20に示した管理装置500の記憶部510が記憶するデータの一例について説明する。
図21は、
図20に示した標準スコアデータ511及び判定基準データ512の一例を示す図である。
【0263】
図21(a)に示す標準スコアデータ511は、リーチ時「110」、大当り中「120」、大当り終了時「60」であることを示している。
【0264】
図21(b)に示す判定基準データ512は、リーチ時「-50~100」、大当り中「-50~10」、大当り終了時「-100~50」であることを示している。
【0265】
上述してきたように、本実施形態3に係る遊技システムでは、台間カード処理機から映像情報を取得し、計測シートからバイタル情報を取得し、これら各情報を用いてバイタルスコアを算出するとともに、このバイタルスコアと遊技における差玉とを合わせて時系列にグラフ表示するよう構成したので、映像情報及びバイタル情報を用いて遊技客のバイタルスコアを算出し、遊技における差玉と合わせてバイタルスコアを提供することができる。
【0266】
なお、上記の実施形態3では、バイタルスコアと遊技における差玉とを合わせて時系列にグラフ表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイタルスコアの結果に応じて、現在の機種の増減に関する提案(例えば、バイタルスコアの高い機種の台数を増加する提案)を表示するよう構成することもできる。
【0267】
[実施形態4]
ところで、上記の実施形態1では、遊技情報、会員情報、映像情報、バイタル情報及び環境情報を用いて遊技スコアを算出する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、映像情報及びバイタル情報を用いて算出したバイタルスコアに応じて、遊技客へのサービスを提示するよう構成することもできる。
【0268】
本実施形態4では、映像情報及びバイタル情報を用いて算出したバイタルスコアに応じて、遊技客へのサービスを提示する遊技システムについて説明する。
【0269】
<実施形態4に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態4に係る遊技システムの概要について説明する。
図22は、本実施形態4に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0270】
図22(a)に示すように、本実施形態4に係る遊技システムでは、台間カード処理機800、表示操作端末810及び計測シート100から、映像情報及びバイタル情報を取得し(S31)、この映像情報及びバイタル情報から遊技客のバイタルスコアを算出する(S32)。その後、バイタルスコアに応じた遊技客へのサービスを表示操作端末810に提示する(S33)。
【0271】
また、
図22(b)に示すように、排出したカードにバイタルスコアを関連付けし(S34)、賞品管理装置900においてカードを読み取った際に、このバイタルスコアに応じた遊技客へのサービスを賞品管理装置900に提示する(S35)。
【0272】
このように、本実施形態4に係る遊技システムでは、映像情報及びバイタル情報を用いて算出したバイタルスコアに応じて、遊技客へのサービスを提示することができる。
【0273】
なお、上記の実施形態4では、遊技店において、バイタルスコアに応じてサービスを提示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、飲食店等の他の業種において、バイタルスコアに応じたサービスを提示するよう構成することもできる。
【0274】
また、上記の実施形態4では、バイタルスコアに応じてサービスを提示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、過去に提示したサービスとその時のバイタルスコア及び遊技客の反応を履歴として記憶し、この内容を基に提示するサービス内容を変化させるよう構成することもできる。
【0275】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0276】
本発明に係る遊技システム、管理装置及び情報提供方法は、遊技機が遊技店に来店する遊技客のニーズにマッチするか否かの判定及び遊技客への新たな側面からの情報提供を効率的に行う場合に適している。
【符号の説明】
【0277】
10 台間カード処理機
11 状態表示部
12 紙幣搬送部
12a 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 リーダライタ
14a カード挿入口
14b かざし部
15 通信部
16 記憶部
16a 自装置状態データ
16b カードデータ
17 制御部
17a データ管理部
17b 映像処理部
18 遊技管理部
18a 認証処理部
18b 認証鍵管理部
18c 遊技機状態管理部
19 カメラ
20 遊技機
21 ハンドル
22 計数ボタン
23 通信制御部
24 演出制御部
24a 演出図柄抽選部
24b 演出抽選部
25 遊技制御部
26 遊技玉制御部
26a 遊技可能数管理部
30 島コントローラ
40 台ランプ
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
55d 稼働データ
55e 遊技関連カード処理履歴データ
55f 遊技外カード処理履歴データ
55g 計数精算処理履歴データ
55h 遊技履歴データ
55i 遊動データ
55j 環境データ
55k 環境基準データ
55l 映像基準データ
55m バイタル基準データ
55n 会員基準データ
55o 遊技実績基準データ
55p スコアデータ
55q 会員スコアデータ
55r 機種スコアデータ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d 稼働データ蓄積集計部
56e カード処理履歴管理部
56f 遊技履歴データ生成部
56g 遊動データ生成部
56h 環境データ管理部
56i 基準データ管理部
56j スコア判定部
56k スコア管理部
56l 通知部
56m 配信部
60 賞品管理装置
70 精算機
80 無線ルータ
90 計測端末
100 計測シート
110 環境センサ
120 利用者端末
200 管理装置
210 記憶部
211 感情スコアデータ
220 制御部
221 基準データ管理部
222 スコア判定部
223 スコア管理部
224 通知部
230 外部ネットワーク通信部
300 台間カード処理機
310 表示操作端末
400 情報管理装置
500 管理装置
510 記憶部
511 標準スコアデータ
512 判定基準データ
520 制御部
521 基準データ管理部
522 スコア判定部
523 スコア管理部
524 特異性判定部
600 台間カード処理機
610 表示操作端末
800 台間カード処理機
810 表示操作端末
900 賞品管理装置