(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058240
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】駐車場混雑監視装置および駐車場混雑監視方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20240418BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240418BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20240418BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240418BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240418BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240418BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240418BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/34
G08G1/04 D
G06Q50/10
G16Y10/40
G16Y40/10
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165475
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大林 龍
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB40
2F129CC05
2F129CC29
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2F129FF02
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2F129FF20
2F129FF41
2F129GG17
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
2F129HH22
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK07
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】駐車場の詳細な混雑状況、予測される混雑状況を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る駐車場混雑監視装置であって、駐車場の出入口に設置されたITSスポットを通じて駐車場を利用している車両の情報を取得し、駐車場が設置された道路を含む所定の区間の現在および過去の交通量を含む交通量情報を取得する取得部と、車両の情報に基づいて駐車場の混雑状況を算出する混雑状況算出部と、混雑状況および交通量情報に基づいて所定の時間後の駐車場の混雑状況を予測する混雑状況予測部と、混雑状況および所定の時間後の混雑状況を含む駐車場混雑情報を送信する通信制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の出入口に設置されたITSスポットを通じて前記駐車場を利用している車両の情報を取得し、前記駐車場が設置された道路を含む所定の区間の現在および過去の交通量を含む交通量情報を取得する取得部と、
前記車両の情報に基づいて前記駐車場の混雑状況を算出する混雑状況算出部と、
前記混雑状況および前記交通量情報に基づいて所定の時間後の駐車場の混雑状況を予測する混雑状況予測部と、
前記混雑状況および前記所定の時間後の混雑状況を含む駐車場混雑情報を送信する通信制御部と、
を備える、駐車場混雑監視装置。
【請求項2】
前記混雑状況は、前記駐車場の普通車の空き台数および大型車の空き台数を含む、請求項1に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項3】
前記駐車場は、有料道路上に設置されたサービスエリアまたはパーキングエリアの駐車場であり、
前記駐車場混雑情報の計算が必要な駐車場があるかどうか判定する判定部をさらに備える、請求項1に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ITSスポットを含む道路上に設置されたITSスポットから車両の現在の走行位置を取得し、前記走行位置と2つ先のサービスエリアまたはパーキングエリアまでの距離が所定の距離以上離れているかどうか判定する判定部をさらに備え、
前記距離が前記所定の距離以上離れていると判定した場合、前記通信制御部は、前記ITSスポットを通じて、最寄りのサービスエリアまたはパーキングエリアで休憩をとることを促す通知情報を送信する、請求項3に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項5】
前記通知情報は、前記最寄りのサービスエリアまたはパーキングエリア駐車場混雑情報を含む、請求項4に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記駐車場の出入口に設置されたカメラからの撮影情報を取得し、
前記混雑状況算出部は、前記撮影情報にさらに基づいて前記混雑状況を算出する、請求項1に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項7】
前記通信制御部は、前記ITSスポットを含む道路上に設置されたITSスポットと通信可能な車載器に前記駐車場混雑情報を送信する、請求項1に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項8】
前記車両を運転するユーザが所持する携帯端末から前記駐車場混雑情報を要求する要求信号を受信した際、前記携帯端末が登録済みであるかどうか確認する確認部をさらに備え、
前記携帯端末が登録済みである場合、前記通信制御部は、前記携帯端末に前記駐車場混雑情報を送信する、請求項1に記載の駐車場混雑監視装置。
【請求項9】
駐車場の出入口に設置されたITSスポットを通じて前記駐車場を利用している車両の情報を取得し、前記駐車場が設置された道路を含む所定の区間の現在および過去の交通量を含む交通量情報を取得することと、
前記車両の情報に基づいて前記駐車場の混雑状況を算出することと、
前記混雑状況および前記交通量情報に基づいて所定の時間後の駐車場の混雑状況を予測することと、
前記混雑状況および前記所定の時間後の混雑状況を含む駐車場混雑情報を送信することと、
を備える、駐車場混雑監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駐車場混雑監視装置および駐車場混雑監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の休憩施設として、サービスエリアおよびパーキングエリア(以下では単にSA・PAと記載する)がある。有料道路を含む道路を運転しているユーザは、道路上に設置された案内板または車両10に設置されたカーナビゲーション装置を参照することにより、SA・PA等の場所を知ることができる。
【0003】
SA・PA等を含む駐車場の混雑状況を知るためには、各事業者のホームページにアクセスして確認する、または道路上に設置された電光掲示板の表示を確認する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-120876号公報
【特許文献2】特開2011-516881号公報
【特許文献3】特開2002-269681号公報
【特許文献4】特開2012-065196号公報
【特許文献5】特開2018-173925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運転中のユーザは、電光掲示板の表示を確認する以外の方法で駐車場の混雑状況を確認できない。電光掲示板の表示は、「空有」、「混雑」、「満車」の3種類のみが表示されるだけであるため、駐車場が混雑しているにも拘わらず利用してしまうという問題がある。また、混雑している駐車場の近くに空いている駐車場があるにも拘わらず、当該空いている駐車場が有効活用されていないという問題もある。
【0006】
また、車両10が有料道路を通行している際、案内板またはカーナビゲーション装置は、案内板が設置された場所または車両の現在の位置からSA・PAまでの距離が表示されているだけであり、SA・PA間の距離が長距離であるかどうかについての情報は表示されない。そのため、ユーザは、長距離にわたりSA・PAのない区間に差し掛かる前に休憩したほうが良いにも拘らず休憩せずに当該区間を運転し続けた結果、集中力が下がり事故に繋がるという問題がある。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、駐車場の詳細な混雑状況、予測される混雑状況を提供することにより、混雑した駐車場の利用を避け、空いている駐車場の利用を促すことができる技術を提供することにある。
【0008】
さらにこの発明の目的とするところは、運転中のユーザに対して長距離にわたってSA・PAのない区間を運転する前にSA・PAに入って休憩することを促す技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る、駐車場混雑監視装置は、駐車場の出入口に設置されたITS(Intelligent Transport Systems)スポットを通じて前記駐車場を利用している車両の情報を取得し、前記駐車場が設置された道路を含む所定の区間の現在および過去の交通量を含む交通量情報を取得する取得部と、前記車両の情報に基づいて前記駐車場の混雑状況を算出する混雑状況算出部と、前記混雑状況および前記交通量情報に基づいて所定の時間後の駐車場の混雑状況を予測する混雑状況予測部と、前記混雑状況および前記所定の時間後の混雑状況を含む駐車場混雑情報を送信する通信制御部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る有料道路における駐車場混雑状況監視システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、駐車場混雑監視装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、カーナビゲーション装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される駐車場混雑監視装置におけるSA・PAの駐車場の混雑状況算出手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、カーナビゲーション装置の出力装置のディスプレイに表示される駐車場混雑情報の一例を示した図である。
【
図6】
図6は、カーナビゲーション装置におけるユーザに休憩を促す通知情報の通知手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、出力装置のスピーカによって通知情報をユーザに通知する場合の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、出力装置のディスプレイに表示される通知情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る有料道路における駐車場混雑状況監視システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、駐車場混雑監視装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、携帯端末の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図11は、携帯端末におけるアプリケーション登録手順の一例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら駐車場混雑監視装置および駐車場混雑監視方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0012】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る有料道路における駐車場混雑状況監視システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る駐車場混雑状況監視システムは、料金中央サーバ1と、交通管制システム2a、施設管制システム2bと、駐車場混雑監視装置3と、入口ITSスポット4aと、出口ITSスポット4bと、入口カメラ5aと、出口カメラ5bと、車載器6と、カーナビゲーション装置7と、を備える。
【0013】
駐車場混雑監視装置3は、料金中央サーバ1と、交通管制システム2aと、施設管制システム2bと、入口ITSスポット4aと、出口ITSスポット4bと、入口カメラ5aと、出口カメラ5bと、ネットワークを通じて、互いに通信可能である。さらに、入口ITSスポット4aおよび出口ITSスポット4bは、車載器6と互いに通信することが可能である。
【0014】
以下の説明において、入口ITSスポット4aおよび出口ITSスポット4bは、区別する必要がない場合、単にITSスポット4と記載する。同様に入口カメラ5aおよび出口カメラ5bは、区別する必要がない場合、単にカメラ5と記載する。
【0015】
なお、駐車場混雑状況監視システムは、
図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を備える、または特定の構成が除外されることが可能であって良い。
【0016】
料金中央サーバ1は、
図1では示していない各料金所の料金所サーバ等と接続されるサーバであって良い。なお、料金中央サーバ1は、後述する駐車場混雑監視装置3がSA・PAで利用されず、単なる施設の駐車場として利用される場合、設置されていなくとも良い。
【0017】
交通管制システム2aは、各有料道路を管理する事業者の道路管制センター等の所定の場所に設置されるシステムである。交通管制システム2aは、有料道路の現在の交通状況や過去の交通状況についての情報等を収集する。そして、交通管制システム2aは、収集した情報を駐車場混雑監視装置3に提供することが可能である。また、交通管制システム2aは、各県の警察の交通管制センター等の所定の場所に設置された交通管制システムであっても良い。
【0018】
施設管制システム2bは、各有料道路を管理する事業者の道路管制センター等の所定の場所に設置されるシステムである。施設管制システムは、道路付帯施設の動作状況や、気象情報他の情報等を収集する。そして、施設管制システム2bも、収集した情報を駐車場混雑監視装置3に提供することが可能である。また、施設管制システム2bは、国土交通省や自治体等の所定の場所に設置されたシステムであっても良い。
【0019】
駐車場混雑監視装置3は、道路を管理する事業者の事務所等の任意の場所に配置される。駐車場混雑監視装置3は、後述するITSスポット4およびカメラ5から得られた情報に基づいてSA・PAの駐車場の詳細な空き状況等を運転中のユーザに提供することが可能である。さらに、駐車場混雑監視装置3は、交通管制システム2aから受信した有料道路についての情報に基づいて、SA・PAの駐車場の空き状況の予測を運転中のユーザに提供することが可能である。
【0020】
ITSスポット4は、例えば、SA・PAの駐車場の入口側に入口ITSスポット4aが設置され、出口側に出口ITSスポット4bが設置される。これらのITSスポット4は、付近を通行する車両10に搭載された車載器6と通信可能であり、車載器6と各種情報を送受信する。また、ITSスポット4は、車載器6から受信した各種情報を駐車場混雑監視装置3に送信する。さらに、ITSスポット4は、駐車場混雑監視装置3から提供される各種情報を受信する。
【0021】
カメラ5は、例えば、SA・PAの駐車場の入口側に入口カメラ5aが設置され、出口側に出口カメラ5bが設置される。これらのカメラ5は、ITSスポット4と通信することができない車両10も含めて駐車場に出入りする車両10についての情報を取得し、取得した情報を駐車場混雑監視装置3に出力して良い。
【0022】
車載器6は、車両10に配置され、車載器6に挿入されたETCカードのカードID、カード番号、および有効期限等の各種情報を送信する。更に、車載器6は、ETC2.0対応車載器の場合には、ITSスポット4と通信可能である。車載器6は、ITSスポット4から従来よりも広域の有料道路の交通状況についての情報を取得することが可能である。また、車載器6は、ITSスポット4から受信した情報を音声でユーザに伝える発話型車載器であっても良い。車載器6は、後述するカーナビゲーション装置7と接続され、ITSスポット4から受信した情報をカーナビゲーション装置7に出力しても良い。
【0023】
カーナビゲーション装置7は、車両10に配置される。カーナビゲーション装置7は、一般的なカーナビゲーション装置7が備える機能に加えて、車載器6から受信した情報をディスプレイに表示して良い。さらに、カーナビゲーション装置7は、車載器6から受信した情報を音声でユーザに伝えて良い。
【0024】
図2は、駐車場混雑監視装置3の概略構成の一例を示すブロック図である。
駐車場混雑監視装置3は、1台または複数台のコンピュータであり、駐車場混雑監視制御部31、プログラム記憶部32、データ記憶部33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、入力装置36、および出力装置37を備える。
【0025】
駐車場混雑監視制御部31は、駐車場混雑監視装置3を制御する。駐車場混雑監視制御部31は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、駐車場混雑監視制御部31は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0026】
プログラム記憶部32は、駐車場混雑監視制御部31が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。例えば、駐車場混雑監視制御部31は、プログラム記憶部32に格納されたプログラムを読み出して実行することにより各種制御および動作を実現し得る。
【0027】
データ記憶部33は、駐車場混雑監視制御部31がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部33は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0028】
通信インタフェース34は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース34は、料金中央サーバ1、交通管制システム2a、ITSスポット4、カメラ5等と有線または無線接続する通信モジュールを含む。すなわち、通信インタフェース34は、駐車場混雑監視制御部31の制御の下、料金中央サーバ1、交通管制システム2a、ITSスポット4、カメラ5との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0029】
入出力インタフェース35は、入力装置36および出力装置37等と接続される。入出力インタフェース35は、入力装置36および出力装置37との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース35は、通信インタフェース34と一体であってもよい。例えば、入力装置36または出力装置37の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0030】
入力装置36は、例えば、駐車場混雑監視装置3を管理する管理者が駐車場混雑監視装置3に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置36は、プログラム記憶部32またはデータ記憶部33に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0031】
出力装置37は、駐車場混雑監視装置3から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0032】
続いて、駐車場混雑監視制御部31のソフトウェア構成をさらに詳細に説明する。
駐車場混雑監視制御部31は、データ取得部311と、混雑状況算出部312と、混雑状況予測部313と、更新判定部314と、通信制御部315と、を備える。また、データ記憶部33は、取得情報記憶部331と、駐車場混雑情報記憶部332とを備える。
【0033】
データ取得部311は、特定のSA・PAのデータを取得する。例えば、データ取得部311は、特定のSA・PAの駐車場に設置されたITSスポット4から所定の時間の間に出入りした車両10の車両情報を取得する。すなわち、特定のSA・PAのデータは、車両10の車両情報を含む。ここで、車両情報は、車両10のナンバー、車種、車両10に設置された車載器6の車載器ID等を含んで良い。
【0034】
データ取得部311は、カメラ5から撮影画像を取得し、取得した撮影画像から所定の時間に出入りした車両情報を取得し、特定のSA・PAのデータに加えても良い。
【0035】
さらに、データ取得部311は、交通管制システム2aから、特定のSA・PAが設置されている区間を含む有料道路の現在の交通量および過去の交通量を取得する。データ取得部311は、取得した各種情報を後述する取得情報記憶部331に記憶させて良い。
【0036】
混雑状況算出部312は、取得情報記憶部331に記憶された特定のSA・PAのデータに基づいて、特定のSA・PAの駐車場の空き台数を示す混雑状況を算出する。例えば、混雑状況算出部312は、普通車の空き台数と大型車の空き台数とを分けて算出して良い。
【0037】
混雑状況予測部313は、取得情報記憶部331から特定のSA・PAを含む有料道路の現在の交通量および過去の交通量を読み出す。混雑状況予測部313は、読み出した交通量および混雑状況算出部312から受信した混雑状況に基づいて、所定の時間後の特定のSA・PAの駐車場の空き台数を示す混雑状況を予測する。
【0038】
更新判定部314は、駐車場混雑情報記憶部332の情報に基づき、駐車場混雑情報の計算が必要なSA・PAがあるかどうかを判定する。例えば、更新判定部314は、所定の時間、駐車場混雑情報を更新していないSA・PAがあるかどうか判定する。
【0039】
通信制御部315は、駐車場混雑情報を送信する。例えば、通信制御部315は、ITSスポット4と通信可能な車載器6に駐車場混雑情報を送信して良い。
【0040】
取得情報記憶部331は、データ取得部311が取得した各種情報を記憶するために用いられる。
【0041】
また、駐車場混雑情報記憶部332は、混雑状況算出部312が算出した混雑状況および混雑状況予測部313が予測した混雑状況を含む駐車場混雑情報を記憶するために用いられる。
【0042】
図3は、カーナビゲーション装置7の概略構成の一例を示すブロック図である。
カーナビゲーション装置7は、1台または複数台のコンピュータであり、カーナビゲーション制御部71、プログラム記憶部72、データ記憶部73、通信インタフェース74、入出力インタフェース75、入力装置76、出力装置77、位置検出装置78を備える。
【0043】
カーナビゲーション制御部71は、カーナビゲーション装置7を制御する。カーナビゲーション制御部71は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、カーナビゲーション制御部71は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0044】
プログラム記憶部72は、カーナビゲーション制御部71が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。
【0045】
データ記憶部73は、カーナビゲーション制御部71がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部73は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0046】
通信インタフェース74は、車載器6等と有線または無線接続する通信モジュールである。すなわち、通信インタフェース74は、カーナビゲーション制御部71の制御の下、車載器6との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0047】
入出力インタフェース75は、入力装置76および出力装置77との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース75は、通信インタフェース74と一体であってもよい。例えば、入力装置76または出力装置77の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0048】
入力装置76は、例えば、カーナビゲーション装置7を管理するユーザがカーナビゲーション装置7に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置76は、プログラム記憶部72またはデータ記憶部73に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0049】
出力装置77は、カーナビゲーション装置7からユーザに提示するべき出力データを表示するディスプレイ、ユーザに音声で情報を通知するためのスピーカ等を含んで良い。
【0050】
位置検出装置78は、例えば、GPS(Global Positioning System)のようなGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて車両10の位置を検出して良い。また、位置検出装置78は、各種センサ 、例えばジャイロセンサ等を用いて車両10の向き、車両10の速度等を検出しても良い。位置検出装置78は、検出した車両10の位置をカーナビゲーション制御部71に出力する。
【0051】
続いて、カーナビゲーション制御部71のソフトウェア構成をさらに詳細に説明する。
カーナビゲーション制御部71は、走行位置取得部711と、距離判定部712と、SA・PA要求生成部713と、通知情報生成部714と、出力制御部715と、を備える。また、データ記憶部73は、取得情報記憶部731と、地図情報記憶部732とを備える。
【0052】
走行位置取得部711は、入出力インタフェース75を通じて、位置検出装置78が検出した車両10の現在の走行位置を取得する。走行位置取得部711は、後述する地図情報記憶部732に記憶されている走行位置周辺のSA・PAの位置情報を取得する。さらに、走行位置取得部711は、ITSスポット4を通じて、駐車場混雑監視装置3から駐車場混雑情報を取得する。
【0053】
距離判定部712は、走行位置と2つ先のSA・PA(すなわち、最寄りのSA・PAの次のSA・PA)との距離を算出する。そして距離判定部712は、算出した距離が所定の距離だけ離れているかどうかを判定する。ここで、所定の距離は、ユーザが事前に設定した距離であって良い。また、距離判定部712は、走行位置、2つ先のSA・PAとの距離の代わりに、走行位置、平均速度等から2つ先のSA・PAまでの到着時間を算出して良い。そして、距離判定部712は、到着時間が所定の時間を超えているかどうか判定して良い。
【0054】
SA・PA要求生成部713は、通信インタフェース74、車載器6、およびITSスポット4を通じて、最寄りのSA・PA、2つ先の駐車場混雑情報を要求するSA・PA要求を駐車場混雑監視装置3に送信する。
【0055】
通知情報生成部714は、取得情報記憶部731に記憶された駐車場混雑情報に基づいて、最寄りのSA・PAの駐車場混雑情報を含む通知情報を生成する。
【0056】
出力制御部715は、出力装置77のディスプレイに通知情報を表示させるように制御する。
【0057】
取得情報記憶部731は、走行位置取得部711が取得した各種情報を記憶するために用いられる。また、地図情報記憶部732は、カーナビゲーション装置7が通常使用する地図情報を記憶する。そのため、地図情報記憶部732は、各有料道路上に配置されたSA・PAの場所等を記憶していて良い。
【0058】
(動作)
以下の説明において、有料道路上に設置された休憩施設であるSA・PAの駐車場の混雑状況を算出する駐車場混雑監視装置3の動作の一例を説明する。しかしながら、この動作は、出入口にITSスポット4が設置された一般の駐車場であっても適用可能であるのは勿論である。
【0059】
図4は、
図1に示される駐車場混雑監視装置3におけるSA・PAの駐車場の混雑状況算出手順の一例を示すフローチャートである。
駐車場混雑監視装置3の駐車場混雑監視制御部31がプログラム記憶部32に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。このフローチャートは、周期的に、または駐車場混雑監視装置3の管理者によってSA・PAの駐車場の空き状況を更新するための指示を受信することで開始する。ここで、周期は、任意の期間であって良く、事前に管理者が決定した所定の長さの周期であって良い。
【0060】
ステップST101で、データ取得部311は、特定のSA・PAの入口データを取得する。
まず、データ取得部311は、通信インタフェース34を通じて、特定のSA・PAの駐車場に設置された入口ITSスポット4aから所定の時間の間に特定のSA・PAに入った車両10の車両情報を取得する。
【0061】
また、データ取得部311は、入口カメラ5aから撮影画像を取得し、取得した撮影画像から所定の時間の間に特定のSA・PAに入った車両10の車両情報を取得する。そして、データ取得部311は、特定のSA・PAのデータに加える。
【0062】
また、取得部311データ取得部311は、ステップST101で取得した特定のSA・PAのデータを取得情報記憶部331に記憶させる。
【0063】
次に、ステップ102で、データ取得部311は、特定のSA・PAの出口データを取得する。データ取得部311は、通信インタフェース34を通じて、特定のSA・PAの駐車場に設置された出口ITSスポット4bから、所定の時間の間に特定のSA・PAから出た車両10の車両情報を取得する。
【0064】
また、データ取得部311は、カメラ5から撮影画像を取得し、取得した撮影画像から所定の時間の間に特定のSA・PAから出た車両10の車両情報を取得する。
【0065】
また、データ取得部311は、ステップST102で取得した特定のSA・PAのデータを取得情報記憶部331に記憶させる。
【0066】
ステップST103で、データ取得部311は、通信インタフェース34を通じて、交通管制システム2aから、特定のSA・PAが設置されている区間を含む有料道路の現在の交通量および過去の交通量を取得する。交通量を取得する有料道路の区間は、特定のSA・PAが設置されている区間を含む最寄りIC間の交通量であっても良い。或いは、交通量を取得する有料道路の区間は、事前指定された区間の交通量であっても良い。そして、データ取得部311は、取得した交通量情報を取得情報記憶部331に記憶させる。
【0067】
ここで、一般道路に面した道の駅等の駐車場の場合、データ取得部311は、当該一般の駐車場を含む任意の区間の交通量を交通管制システム2aから取得しても良い。なお、取得できない場合、処理は、当該ステップST103をスキップしても良い。
【0068】
ステップST104で、混雑状況算出部312は、取得情報記憶部331に記憶された特定のSA・PAのデータに基づいて、特定のSA・PAの駐車場の空き台数を示す混雑状況を算出する。
【0069】
まず、ITSスポット4と通信可能な車両10については、混雑状況算出部312は、特定のSA・PAの駐車場の収容可能台数、および入口に設置された入口ITSスポット4aと出口に設置された出口ITSスポット4bとからの車両情報に基づいて、特定のSA・PAの駐車場に出入りした車両10の台数を算出する。
【0070】
例えば、入口ITSスポット4aと入口カメラ5aのデータをそのまま合算するとITSスポット4と通信可能な車両10は、重複が生ずるため、混雑状況算出部312は、撮影画像から車両情報が確認されたと思われる車両を重複と判断する。このようにして、特定のSA・PAの入口の通過台数を算出する。同様に、混雑状況算出部312は、出口ITSスポット4bおよび出口カメラ5bのデータから重複する車両を除いて、特定のSA・PAの出口の通過台数を算出する。
【0071】
更に、重複した車両10の撮影画像を除いた撮影画像がITSスポット4と通信可能ではない車両10となる。そこで、混雑状況算出部312は、カメラ5から取得した車両情報に基づいて、ITSスポット4と通信可能できない車両に対して、特定のSA・PAの入口の通過台数および出口の通過台数を算出する。
【0072】
そして、混雑状況算出部312は、ITSスポット4からの情報とカメラ5からの情報に基づいて、特定のSA・PAの駐車場の混雑状況を算出する。具体的は、データ取得部311は、入口側の通過台数と出口側の通過台数の差から、SA・PA内に留まっている台数を算出する。
【0073】
ここで、ITSスポット4からのは、車両10の車種についての情報も含むため、混雑状況算出部312は、普通車の空き台数と大型車の空き台数とを分けて算出して良い。また、混雑状況算出部312は、カメラ5からの撮影画像から車両10の車種を判別しても良い。
【0074】
混雑状況算出部312は、算出した特定のSA・PAの混雑状況を混雑状況予測部313に出力する。さらに混雑状況算出部312は、算出した特定のSA・PAの混雑状況を駐車場混雑情報記憶部332に記憶させる。
【0075】
ステップST105で、混雑状況予測部313は、取得情報記憶部331から特定のSA・PAを含む有料道路の現在の交通量および過去の交通量を読み出す。そして、混雑状況予測部313は、受信した混雑状況に基づいて、所定の時間後の特定のSA・PAの駐車場の空き台数を示す混雑状況を予測する。なお、混雑状況の予測方法は、一般的な方法でよいため、ここでの詳細な説明は省略する。ここで、所定の時間は、事前に定義された時間であって良く、例えば、混雑状況予測部313は、現在から1時間後までの10分ごとの空き台数(混雑状況)を予測して良い。混雑状況予測部313は、予測した混雑状況を駐車場混雑情報記憶部332に記憶させる。
【0076】
ステップST104およびステップST105により、駐車場混雑情報記憶部332は、駐車場の現在の混雑状況および所定の時間後の駐車場の混雑状況を含む駐車場混雑情報が記憶されることになる。
【0077】
ステップST106で、更新判定部314は、駐車場混雑情報の計算が必要なSA・PAがあるかどうかを判定する。例えば、更新判定部314は、所定の時間、駐車場混雑情報を更新していないSA・PAがあるかどうか判定する。或いは、更新判定部314は、管理者からの指示に基づいて、駐車場混雑情報の計算が必要なSA・PAがあるかどうか判定しても良い。
【0078】
駐車場混雑情報の計算が必要であると判定した場合、処理は、ステップST101に戻る。一方、駐車場混雑情報の計算が必要ないと判定した場合、処理は、終了する。
【0079】
このようにして、駐車場混雑監視装置3は、各SA・PAの駐車場混雑情報を更新し、最新の駐車場混雑情報がデータ記憶部33に記憶されることになる。
【0080】
例えば、車両10がITSスポット4を通過する際、車載器6は、ITSスポット4と通信可能となる。この際、駐車場混雑監視装置3の通信制御部315は、通信可能となったITSスポット4のID等から最寄りのSA・PAを特定し、通信インタフェース34、ITSスポット4および車載器6を通じて、カーナビゲーション装置7に最寄りのSA・PAの駐車場混雑情報を送信して良い。カーナビゲーション装置7のカーナビゲーション制御部71は、受信した駐車場混雑情報を出力装置77のディスプレイに表示させるように制御して良い。
【0081】
図5は、カーナビゲーション装置7の出力装置77のディスプレイに表示される駐車場混雑情報の一例を示した図である。
【0082】
図5に示すように、出力装置77のディスプレイに、〇〇SAの現在の混雑状況(普通車の空きが10台、大型車の空きが3台)と、車両10の到着予想時間である〇分後の混雑状況(普通車の空きが8台、大型車が満車)が表示されている。例えば、カーナビゲーション制御部71は、現在の車両10の走行位置と最寄りのSA・PAまでの到着予想時間に基づいて、駐車場混雑情報に含まれる予測された混雑状況から適切な時間の混雑状況を表示するように制御して良い。
【0083】
また、一般の駐車場の場合、カーナビゲーション装置7のカーナビゲーション制御部71は、出力装置77のディスプレイに表示された地図上に駐車場混雑情報を受信した駐車場の位置を示しつつ、駐車場混雑情報を表示させて良い。
【0084】
図6は、カーナビゲーション装置7におけるユーザに休憩を促す通知情報の通知手順の一例を示すフローチャートである。
以下の例では、カーナビゲーション装置7が実行する例を説明するが、駐車場混雑監視装置3が以下の動作を実行しても良いのは勿論である。
【0085】
カーナビゲーション装置7のカーナビゲーション制御部71がプログラム記憶部72に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。このフローチャートは、車両10が有料道路に入ったことにより、或いは、有料道路を通行している車両10のユーザによる指示により開始する。
【0086】
ステップST201で、走行位置取得部711は、車両10の現在の走行位置を取得する。走行位置取得部711は、入出力インタフェース75を通じて、位置検出装置78が検出した車両10の現在の走行位置を取得する。走行位置取得部711は、現在の走行位置を距離判定部712に出力する。
【0087】
駐車場混雑監視装置3で実行する場合、データ取得部311は、ITSスポット4を通じて、車両10の現在の走行位置を取得して良い。
【0088】
ステップST202で、走行位置取得部711は、走行位置周辺のSA・PAの位置情報を取得する。走行位置取得部711は、地図情報記憶部732に記憶されている走行位置周辺のSA・PAの位置情報を取得する。走行位置取得部711は、SA・PAの位置情報を距離判定部712に出力する。
【0089】
ステップST203で、距離判定部712は、走行位置と2つ先のSA・PAの距離が所定の距離より長いかどうかを判定する。距離判定部712は、走行位置と2つ先のSA・PA(すなわち、最寄りのSA・PAの次のSA・PA)との距離を算出する。そして距離判定部712は、算出した距離が所定の距離だけ離れているかどうかを判定する。ここで、所定の距離は、ユーザが事前に設定した距離であって良い。
【0090】
算出した距離が所定の距離以上離れていると判定した場合(ステップST203、Yes)、距離判定部712は、SA・PA要求生成部713に判定結果を出力して良い。そして、処理は、ステップST204に進む。
【0091】
一方、算出した距離が所定の距離以上離れていない場合、処理はステップST201に戻る。この際、カーナビゲーション装置7は、走行位置が最寄りのSA・PAを通過するまでステップST201の処理を実行しなくとも良い。
【0092】
また、距離判定部712は、走行位置、2つ先のSA・PAとの距離の代わりに、走行位置、平均速度等から2つ先のSA・PAまでの到着時間を算出して良い。そして、距離判定部712は、到着時間が所定の時間を超えているかどうか判定して良い。ここで、所定の時間は、運転し始めてから2時間経過しているかどうか等、ユーザが事前に設定した時間であって良い。
【0093】
ステップST204で、SA・PA要求生成部713は、SA・PA要求を駐車場混雑監視装置3に送信する。SA・PA要求生成部713は、通信インタフェース74、車載器6、およびITSスポット4を通じて、SA・PA要求を駐車場混雑監視装置3に送信する。SA・PA要求生成部713は、距離判定部712から受信した判定結果に基づいて、最寄りのSA・PA、2つ先の駐車場混雑情報を要求するSA・PA要求を生成する。ここで、SA・PA要求は、最寄りのSA・PAおよび2つ先の駐車場混雑情報に限られず、複数のSA・PAの駐車場混雑情報を要求することを含んで良い。
【0094】
例えば、車両10がITSスポット4と通信可能となった際、SA・PA要求生成部713は、通信インタフェース74および車載器6を通じて、SA・PA要求をITSスポット4に送信する。ここで、ITSスポット4は、SA・PAの駐車場の出入口に設置されたITSスポット4に限られず、有料道路上に設置された任意のITSスポット4で良い。ITSスポット4は、当該要求を駐車場混雑監視装置3に送信して良い。
【0095】
ステップST205で、走行位置取得部711は、駐車場混雑情報を取得する。駐車場混雑監視装置3の駐車場混雑監視制御部31は、SA・PA要求により指定された駐車場混雑情報を駐車場混雑情報記憶部332から取得し、取得した駐車場混雑情報をITSスポット4に送信する。ITSスポット4は、車載器6を通じて、受信した駐車場混雑情報をカーナビゲーション装置7に送信する。走行位置取得部711は、受信した駐車場混雑情報を取得情報記憶部731に記憶させて良い。
【0096】
ステップST206で、通知情報生成部714は、通知情報を生成する。通知情報生成部714は、取得情報記憶部731に記憶された駐車場混雑情報に基づいて、最寄りのSA・PAの駐車場混雑情報を含む通知情報を生成する。また、通知情報は、2つ先のSA・PAの駐車場混雑情報を含んでも良い。そして、通知情報生成部714は、生成した通知情報を出力制御部715に出力する。
【0097】
ステップST207で、出力制御部715は、出力装置77に通知情報を出力する。出力制御部715は、出力装置77のディスプレイに通知情報を表示させるように制御して良い。また、出力制御部715は、出力装置77のスピーカを通じて音声で、通知情報をユーザに通知させるように制御して良い。
【0098】
図7は、出力装置77のスピーカによって通知情報をユーザに通知する場合の一例を示す図である。
図7に示すように、出力装置77のスピーカは、「次の〇〇SAを過ぎると〇〇キロ休憩施設がありません。次の〇〇SAで休憩してはいかがですか?」と音声で通知し、さらに「次の〇〇SAの駐車場の空き状況は、普通車が〇台空きがあります。次の〇〇SAに到着予定である時間における〇〇SAの空き状況の予測は普通車が〇台の空きとなります。・・・」と音声で通知する。このように音声で通知することでユーザに休憩を促すことが可能となる。
【0099】
図8は、出力装置77のディスプレイに表示される通知情報の一例を示す図である。
図8に示すように、出力装置77のディスプレイに最寄りの休憩施設である〇〇PAまでの距離と到着予想時間(7km、10分)、次の休憩施設である〇〇SAまでの距離と到着予想時間(70km、50分)等を表示している。また、出力制御部715は、
図5で示したSA・PAの駐車場の混雑状況と、
図8に示す情報とを交互に表示させるように制御して良い。
【0100】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態によれば、駐車場混雑監視装置3が駐車場の混雑状況および予測される混雑状況を含む駐車場混雑情報をカーナビゲーション装置7に提供することにより、ユーザは、空いている駐車場を利用することができる。
【0101】
さらに、現在の走行している位置と、2つ先のSA・PAとの距離が所定の距離以上である場合、ユーザに休憩を促す通知情報を通知することにより、ユーザが適切に休憩をとることが可能となる。
【0102】
[第2の実施形態]
(構成)
図9は、第2の実施形態に係る有料道路における駐車場混雑状況監視システムの概略構成の一例を示す図である。
駐車場混雑状況監視システムは、カーナビゲーション装置7の代わりに車両10を運転するユーザが所持する携帯端末8がある点で第1の実施形態と異なる。
【0103】
携帯端末8は、インターネット9ネットワーク等を通じて駐車場混雑監視装置3と通信を可能となっている。ここで、携帯端末8は、車両10を運転するユーザが所持する携帯端末8であって良い。携帯端末8は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ等のウェアラブル端末等を含むユーザが携帯可能な端末であって良い。携帯端末8は、駐車場情報提供アプリケーションがインストールされることにより、駐車場混雑監視装置3と各種情報を送受信することが可能である。
【0104】
図10は、駐車場混雑監視装置3の概略構成の一例を示すブロック図である。
図10に示される駐車場混雑監視装置3は、
図3で説明した駐車場混雑監視装置3の概略構成と比較して、登録確認部316および登録情報記憶部333を備える点で異なる。
【0105】
登録確認部316は、登録情報が登録要件を満たしているかどうかを確認する。登録要件を満たしている場合、登録確認部316は、登録情報を登録情報記憶部333に記憶させる。ここで、登録情報は、後述する。
【0106】
図11は、携帯端末8の概略構成の一例を示すブロック図である。
携帯端末8は、1台または複数台のコンピュータであり、携帯端末制御部81、プログラム記憶部82、データ記憶部83、通信インタフェース84、入出力インタフェース85、入力装置86、出力装置87、位置検出装置88を備える。
【0107】
携帯端末制御部81は、携帯端末8を制御する。携帯端末制御部81は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。例えば、携帯端末制御部81は、様々なプログラムを実行することが可能な集積回路であっても良い。
【0108】
プログラム記憶部82は、携帯端末制御部81が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納する記憶媒体である。記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。
【0109】
データ記憶部83は、携帯端末制御部81がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得および生成されたデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部83は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したストレージである。
【0110】
通信インタフェース84は、駐車場混雑監視装置3等と無線接続する通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース84は、変調部841および無線部842を備える。また、通信インタフェース84は、アンテナ89に接続される。
【0111】
変調部841は、送信すべき情報を符号化および変調を施して、無線部842で送信可能なデータに変換する。ここで、符号化および変調方式は、一般的な方式で良い。
【0112】
無線部842は、アンテナ89およびインターネット9を通じて、駐車場混雑監視装置3等に変調された送信すべき情報を送信する。また、無線部842は、インターネット9およびアンテナ89を通じて、駐車場混雑監視装置3から各種情報を受信する。
【0113】
変調部841は、受信した情報を復調および復号して、携帯端末制御部81で読み取り可能な情報に変換する。ここで、復調および復号方式は、駐車場混雑監視装置3等が行った符号化および変調に対応した一般的な方式であって良い。
【0114】
すなわち、通信インタフェース84は、携帯端末制御部81の制御の下、駐車場混雑監視装置3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0115】
入出力インタフェース85は、入力装置86および出力装置87との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース85は、通信インタフェース84と一体であってもよい。例えば、入力装置86または出力装置87の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて各種情報の送受信を実行しても良い。
【0116】
入力装置86は、例えば、携帯端末8を管理するユーザが携帯端末8に対して各種指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力装置86は、プログラム記憶部82またはデータ記憶部83に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0117】
出力装置87は、携帯端末8からユーザに提示するべき出力データを表示するディスプレイ等を含む。さらに出力装置87は、ユーザに音声で情報を通知するためのスピーカ等を含んで良い。
【0118】
位置検出装置88は、例えば、GPS(Global Positioning System)のようなGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて携帯端末8の位置を検出して良い。また、位置検出装置88は、各種センサ 、例えばジャイロセンサ等を用いてユーザの向き、ユーザの移動速度等を検出しても良い。位置検出装置88は、検出した情報を携帯端末制御部81に出力する。
【0119】
続いて、携帯端末制御部81で実行される専用アプリケーションの構成をさらに詳細に説明する。
専用アプリケーション(駐車場状況提供アプリケーション810)は、端末情報取得部811と、端末距離判定部812と、端末SA・PA要求生成部813と、端末通知情報生成部814と、を備える。また、携帯端末制御部81は、駐車場状況提供アプリケーション810に加えて、通信制御部815を備える。さらに、データ記憶部83は、取得情報記憶部831と、地図情報記憶部832とを備える。
【0120】
端末情報取得部811は、入力装置86に入力された登録情報を取得する。なお、登録情報は、車載器6の車載器番号を含んで良い。また、端末情報取得部811は、
図3を参照して説明した走行位置取得部711と同様の機能を有していて良い。
【0121】
端末距離判定部812と、端末SA・PA要求生成部813と、端末通知情報生成部814と、取得情報記憶部831と、地図情報記憶部832とは、
図3を参照して説明した距離判定部712と、SA・PA要求生成部713と、通知情報生成部714と、取得情報記憶部731と、地図情報記憶部732と同様の機能を備えている。そのため、これらの機能については、重複した説明を省略する。
【0122】
通信制御部815は、登録情報を駐車場混雑監視装置3に送信する。さらに、通信制御部815は、登録情報の送信に応答して、駐車場混雑監視装置3から登録応答を受信する。さらに、通信制御部815は、出力制御部として動作する。例えば、登録応答を受信した通信制御部815は、登録が完了したことを示す登録完了情報を出力装置87のディスプレイ上に表示するように制御する。
【0123】
(動作)
駐車場混雑監視装置3におけるSA・PAの駐車場の混雑状況算出手順は、第1の実施形態で説明した手順と同一であって良い。そのため、ここでの重複した説明を省略する。
【0124】
携帯端末8は、駐車場状況提供アプリケーション810を起動していると、駐車場混雑監視装置3と通信が可能である。ITSスポット4を通過する際に駐車場混雑情報を受信するのではなく、携帯端末8は、必要な際にいつでも駐車場混雑監視装置3から駐車場混雑情報を受信することが可能である。そのため、携帯端末8は、リアルタイムで駐車場混雑情報を携帯端末8の出力装置87のディスプレイに表示することが可能である。
【0125】
図12は、携帯端末8における駐車場状況提供アプリケーション登録手順の一例を示したシーケンス図である。
携帯端末8の携帯端末制御部81および駐車場混雑監視装置3の駐車場混雑監視制御部31がそれぞれプログラム記憶部82およびプログラム記憶部32に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。このフローチャートは、携帯端末8に駐車場混雑監視装置3と通信するための駐車場状況提供アプリケーション810をインストールし、当該駐車場状況提供アプリケーション810を起動することにより開始する。
【0126】
例えば、駐車場状況提供アプリケーション810が起動されると、携帯端末8の携帯端末制御部81は、通信インタフェース84およびインターネット9を通じて、駐車場状況提供アプリケーション810により指定された登録専用サイトにアクセスし、出力装置87に専用サイトのページを表示するように制御して良い。
【0127】
ステップST301で、端末情報取得部811は、登録情報を取得する。ユーザは、入力装置86にユーザの個人情報(氏名、メールアドレス、電話番号等)を含む登録情報を入力する。例えば、ユーザは、出力装置87に表示された専用サイトの登録ページの要求に従って、登録情報を入力する。そして、端末情報取得部811は、入力装置86に入力された登録情報を取得する。なお、登録情報は、車載器6の車載器番号を含んで良い。
【0128】
ステップST302で、通信制御部815は、登録情報を駐車場混雑監視装置3に送信する。
【0129】
端末情報取得部811は、取得した登録情報を取得情報記憶部831に記憶させるとともに、通信制御部815に出力する。通信制御部815は、通信インタフェース84を通じて、駐車場混雑監視装置3に登録情報を送信する。
【0130】
ステップST303で、登録確認部316は、登録情報が登録要件を満たしているかどうかを確認する。この際、登録確認部316は、ユーザの個人情報(メールアドレス、電話番号等)と車載器6の車載器番号を紐付けして良い。登録要件を満たしている場合、登録確認部316は、登録情報を登録情報記憶部333に記憶させ、登録されたことを示す登録応答を通信制御部315に出力する。
【0131】
ステップST304で、通信制御部315は、登録応答を携帯端末8に送信する。
【0132】
ステップST305で、出力制御部として動作する通信制御部815は、登録完了情報を出力装置87のディスプレイに表示するように制御する。通信制御部815は、登録応答を受信する。登録応答を受信した通信制御部815は、登録が完了したことを示す登録完了情報を出力装置87のディスプレイ上に表示するように制御する。
【0133】
このようにユーザ登録することにより、登録された携帯端末8のみが駐車場混雑監視装置3からの駐車場混雑情報を受信することが可能となる。なお、本実施形態では、ユーザ登録を実施する例を説明しているが、ユーザ登録せずとも使用することを可能にしても良いのは勿論である。
【0134】
次に、携帯端末8におけるユーザに休憩を促す通知情報の通知手順は、
図6を参照して説明したカーナビゲーション装置7の通知手順と同様であって良いため、ここでの重複した説明を省略する。
【0135】
但し、ステップST201で、端末情報取得部811は、携帯端末8の位置検出装置88が検出した位置を車両10の現在の走行位置として良い。或いは、端末情報取得部811は、ITSスポット4と車載器6との通信履歴を駐車場混雑監視装置3から取得し、当該履歴に基づいて車両10の現在の走行位置を取得しても良い。
【0136】
さらに、ステップST204で、端末SA・PA要求生成部813は、SA・PA要求を車載器6およびITSスポット4を通じて送信するのではなく、通信インタフェース84を通じて、駐車場混雑監視装置3に送信して良い。そのため、携帯端末8は、リアルタイムで駐車場混雑情報を携帯端末8の出力装置87のディスプレイに表示することが可能である。
【0137】
この際、駐車場混雑監視装置3の登録確認部316は、携帯端末8のSA・PA要求が所定の条件を満たしているかどうか確認して良い。所定の条件は携帯端末8が登録済みであることであって良い。すなわち、駐車場混雑監視装置3の通信制御部315は、携帯端末8が登録済みである場合に、携帯端末8に駐車場混雑情報を送信して良い。
【0138】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態によれば、以上説明した第1の実施形態によれば、駐車場混雑監視装置3が駐車場の混雑状況および予測される混雑状況を含む駐車場混雑情報を携帯端末8に提供することにより、ユーザは、リアルタイムで駐車場の状態を確認することができる。そのため、混雑しているSA・PAの駐車場を避け、空いているSA・PAの駐車場を利用することができる。
【0139】
さらに、現在の走行している位置と、2つ先のSA・PAとの距離が所定の距離以上である場合、ユーザに休憩を促す通知情報を通知することにより、ユーザが適切に休憩をとることが可能となる。
【0140】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、駐車場混雑監視装置3は、予測した混雑状況と実際の混雑状況を解析し、より精度の高い混雑状況の予測をしても良い。
【0141】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0142】
1…料金中央サーバ
2a…交通管制システム
2b…施設管制システム
3…駐車場混雑監視装置
31…駐車場混雑監視制御部
311…データ取得部
312…混雑状況算出部
313…混雑状況予測部
314…更新判定部
315…通信制御部
316…登録確認部
32…プログラム記憶部
33…データ記憶部
331…取得情報記憶部
332…駐車場混雑情報記憶部
333…登録情報記憶部
34…通信インタフェース
35…入出力インタフェース
36…入力装置
37…出力装置
4a…入口ITSスポット
4b…出口ITSスポット
5a…入口カメラ
5b…出口カメラ
6…車載器
7…カーナビゲーション装置
71…カーナビゲーション制御部
711…走行位置取得部
712…距離判定部
713…SA・PA要求生成部
714…通知情報生成部
715…出力制御部
72…プログラム記憶部
73…データ記憶部
731…取得情報記憶部
732…地図情報記憶部
74…通信インタフェース
75…入出力インタフェース
76…入力装置
77…出力装置
78…位置検出装置
8…携帯端末
81…携帯端末制御部
810…駐車場状況提供アプリケーション
811…端末情報取得部
812…端末距離判定部
813…端末SA・PA要求生成部
814…端末通知情報生成部
815…通信制御部
82…プログラム記憶部
83…データ記憶部
831…取得情報記憶部
832…地図情報記憶部
84…通信インタフェース
85…入出力インタフェース
86…入力装置
87…出力装置
88…位置検出装置
9…インターネット
10…車両