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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058297
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A63F5/04 601C
A63F5/04 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165570
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 賢一
(72)【発明者】
【氏名】堀江 瞬
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182DA25
2C182DA41
2C182DA42
(57)【要約】
【課題】 バックアップ電源を保持したまま主基板を着脱する。
【解決手段】 遊技情報を保持可能なRAM103を備える主基板100と、主基板100に電源を供給する電源手段と、を備えるスロットマシン1において、主基板100と電源手段を電気的に接続するための接続手段を備え、電源手段には、通常状態において主基板100に電源を供給可能な電源装置31と、電源装置31による電源供給が断たれた電源断状態において主基板100に電源を供給可能なバックアップ電源32と、を備え、接続手段は、スロットマシン1の外部に設けた外部バックアップ電源OPを主基板100に接続可能に構成されるとともに、電源装置31とバックアップ電源32とを主基板100に接続する第1接続状態と、電源装置31を主基板100に接続する第2接続状態と、外部バックアップ電源OPを主基板100に接続する第3接続状態と、を有する構成としてある。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関する情報を保持可能な保持手段を備える遊技制御手段と、前記遊技制御手段に電源を供給する電源手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段と前記電源手段を電気的に接続するための接続手段を備え、
前記電源手段には、
通常状態において前記遊技制御手段に電源を供給可能な第1電源手段と、
前記第1電源手段による電源供給が断たれた電源断状態において前記遊技制御手段に電源を供給可能な第2電源手段と、
を備え、
前記接続手段は、
遊技機の外部に設けた外部電源手段を前記遊技制御手段に接続可能に構成されるとともに、
前記第1電源手段と前記第2電源手段とを前記遊技制御手段に接続し、前記外部電源手段を前記遊技制御手段に接続しない第1接続状態と、
前記第1電源手段を前記遊技制御手段に接続し、前記第2電源手段と前記外部電源手段とを前記遊技制御手段に接続しない第2接続状態と、
前記外部電源手段を前記遊技制御手段に接続し、前記第1電源手段及び前記第2電源手段を前記遊技制御手段に接続しない第3接続状態と、
を有する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記接続手段は、
前記第1電源手段と前記外部電源手段とを前記遊技制御手段に接続し、前記第2電源手段を前記遊技制御手段に接続しない第4接続状態を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
オン状態において前記電源手段の状態を電源供給状態とし、オフ状態において前記電源手段の状態を電源断状態とすることが可能な電源スイッチを備え、
前記接続手段が前記第4接続状態であるときに、前記電源スイッチをオフ状態からオン状態に切り替え、かつ、前記接続手段を前記第4接続状態から前記第1接続状態に変更することで、前記保持手段において前記情報を保持したまま遊技機を出荷する状態とすることが可能に構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記接続手段が前記第4接続状態であるときに、前記電源スイッチをオン状態からオフ状態に切り替え、かつ、前記接続手段を前記第4接続状態から前記第3接続状態に変更することで、前記保持手段において前記情報を保持したまま遊技機から前記遊技制御手段を取り出すことが可能に構成される
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源のバックアップ処理が可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バックアップ電源を備えることで、電源がONからOFFに切り替えられても、遊技制御手段(主基板)のメモリの内容を保持可能な遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-187752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、遊技に関する情報を保持可能な保持手段を備える遊技制御手段と、前記遊技制御手段に電源を供給する電源手段と、を備える遊技機において、前記遊技制御手段と前記電源手段を電気的に接続するための接続手段を備え、前記電源手段には、通常状態において前記遊技制御手段に電源を供給可能な第1電源手段と、前記第1電源手段による電源供給が断たれた電源断状態において前記遊技制御手段に電源を供給可能な第2電源手段と、を備え、前記接続手段は、遊技機の外部に設けた外部電源手段を前記遊技制御手段に接続可能に構成されるとともに、前記第1電源手段と前記第2電源手段とを前記遊技制御手段に接続し、前記外部電源手段を前記遊技制御手段に接続しない第1接続状態と、前記第1電源手段を前記遊技制御手段に接続し、前記第2電源手段と前記外部電源手段とを前記遊技制御手段に接続しない第2接続状態と、前記外部電源手段を前記遊技制御手段に接続し、前記第1電源手段及び前記第2電源手段を前記遊技制御手段に接続しない第3接続状態と、を有する構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す概略斜視図である。
図2】本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
図3】本実施形態に係るスロットマシンの制御構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るスロットマシンにおけるバックアップ電源の供給を示す説明図である。
図5】主基板の取り外し手順を示す第1フローチャートである。
図6】主基板の取り付け手順を示す第2フローチャートである。
図7】第1フローチャートのS11実行後の接続状態を示す図である。
図8】第1フローチャートのS12実行後の接続状態を示す図である。
図9】第1フローチャートのS13実行後の接続状態を示す図である。
図10】第1フローチャートのS14実行時の接続状態を示す図である。
図11】第1フローチャートのS15実行時の接続状態を示す図である。
図12】第2フローチャートのS21実行時の接続状態を示す図である。
図13】第2フローチャートのS22(前工程)実行時の接続状態を示す図である。
図14】第2フローチャートのS22(後工程)実行後の接続状態を示す図である。
図15】第2フローチャートのS23実行後の接続状態を示す図である。
図16】第2フローチャートのS24実行後の接続状態を示す図である。
図17】第2フローチャートのS25実行後の接続状態を示す図である。
図18】従来の遊技機におけるバックアップ電源の供給を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技機には、スロットマシン、パチンコ機など様々な種類があるが、本実施形態では、スロットマシンに適用した場合について説明する。
【0008】
図1~3に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、回動可能に軸支された複数のリール41a、41b、41cが内蔵され、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aと、で構成され、内部には、マイクロコンピュータなどで構成された主制御部10、主制御部10からの指令により、表示器9a、スピーカ9b、ランプ9cなどの報知手段を制御する副制御部20、及び必要な機械、装置などが収納されている。
主制御部10は、CPU101、ROM102、RAM103などが一体化された制御用チップの搭載された主基板100、これを収容する基板ケースなどから構成されている。
【0009】
前扉1aには、遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口2と、機内にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a、41b、41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a、41b、41cを停止させる3つの停止ボタン5a、5b、5cなどが設けられている。
また、前扉1aには、各リール41a、41b、41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓2bが、各操作部の上側に設けられている。
【0010】
筐体1bの中央には、リール41a、41b、41cと、各リール41a、41b、41cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサなどを備えるドラムユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置6が設けられる。
メダル払出装置6には、メダルを貯留する貯留部として機能するホッパー6aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ7により検出されるとともに、ホッパー6aに誘導されるようになっている。
筐体1bの下部には、電源装置31が設けられており、ホッパー6aや主基板100などの各種機械、装置に駆動電力を供給している。
なお、ホッパー6aに対しは、ホッパー本体、周辺など筐体1b内の所定の場所に設置されたホッパー駆動基板61(非図示)を介して電源装置31から供給された電源が供給される。
主基板100に対しても、電源装置31から供給された電源がホッパー駆動基板61を介して供給される。
【0011】
主制御部10は、上記の各操作部からの信号やメダルセレクタ7からの信号に基づき、ドラムユニット4、メダル払出装置6などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン1の遊技を進行させる。
【0012】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ7により検出され、検出信号が主制御部10に入力される。
また、ベットボタン2aが操作された場合は、その操作信号が主制御部10に入力される。主制御部10は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム開始可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、主制御部10は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a、41b、41cを回転させる制御を行う。
【0013】
さらに、主制御部10は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス遊技に移行する開始役であるボーナス役、小役、再遊技役などの複数の当選役(ハズレも含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選を行い、各停止ボタン5a、5b、5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a、41b、41cの停止制御を行う。
【0014】
また、主制御部10は、各リール41a、41b、41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置6に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口6bから払い出す。
【0015】
図4は、本実施形態のスロットマシン1におけるバックアップ機能を示す説明図である。
本実施形態のスロットマシン1は、電源装置31からの電源がオン状態からオフ状態になったときに、主基板100のRAM103(保持手段)に直前の遊技内容や制御状況などを特定可能な遊技情報を記憶(保持)する機能を備えている。
具体的には、図4に示すように、電源装置31には、オン状態において電源手段の状態を電源供給状態にし、オフ状態において電源手段の状態を電源断状態にする電源スイッチSWを設けている。
通常は、電源スイッチSWがオンにされているため、電源装置31(以下、通常電源ともいう)がホッパー駆動基板61を経由して主基板100に供給される。
他方、停電等や電源スイッチSWのオフにより電源断状態となると、ホッパー駆動基板61に備えられているバックアップ電源32(コンデンサ等)から主基板100に対しバックアップ電源が供給される。
つまり、主基板100に電源を供給する電源手段として、電源装置31(通常電源)とバックアップ電源32とを備えている。
そして、電源断状態のとき、主基板100では、その直前における遊技に関する情報を、バックアップ電源32を利用してRAM103に記憶(バックアップ)する処理を実行する(バックアップ処理)。
遊技に関する情報には、例えば、通常遊技状態、ボーナス遊技状態、AT、RT等の遊技内容や制御状況を特定可能な遊技情報が例示される。
なお、RAM103に記憶される遊技に関する情報には、後述するメンテナンス情報も含まれる。
【0016】
本実施形態のスロットマシン1は、図4に示すように、電源装置31(通常電源)の供給ルートとバックアップ電源32の供給ルートを異ならせている。
具体的には、主基板100と電源手段(電源装置31及びバックアップ電源32)とを電気的に接続するための接続手段としてハーネスHを設けているが、ハーネスHの端部には、一方のホッパー駆動基板61側に2つのコネクタJ1,JAを設け、他方の主基板100側に1つのコネクタJ2を設けた構成としている。
具体的には、電源装置(第1電源手段)31と主基板100との接続手段として第1ハーネスH1を設け、バックアップ電源(第2電源手段)32と主基板100との接続手段として第2ハーネスH2を設けている。
そして、第1ハーネスH1には、ホッパー駆動基板側コネクタとして第1コネクタJ1を設け、主基板側コネクタとして第2コネクタJ2を設けている。
つまり、通常電源とバックアップ電源とでコネクタが分かれている。
また、第2ハーネスH2には、ホッパー駆動基板61コネクタとして第3コネクタJAを設け、主基板100側コネクタとして第2コネクタJ2を設けている。
なお、図4は、第1ハーネスH1の途中から第2ハーネスH2が分岐した構成にみえるが、これに限らず、第1ハーネスH1の端部と、第2ハーネスH2の端部とが共に第2コネクタJ2に接続される構成(第2コネクタJ2から2つのハーネスが分岐する構成)でもよい。
このような接続手段(ハーネス及びコネクタ)を備えることで、「電源断状態」のときには、バックアップ電源32から供給されたバックアップ電源が第2ハーネスH2を介してRAM103に供給されてバックアップ処理が実施される。
【0017】
このように本実施形態のスロットマシン1は、遊技に関する情報(遊技情報)を記憶(保持)可能なRAM103(保持手段)を備える主基板100(遊技制御手段)と、主基板100(遊技制御手段)に電源を供給する電源手段(電源装置31,バックアップ電源32)と、を備えるスロットマシン1(遊技機)であって、主基板100(遊技制御手段)と電源手段を電気的に接続するための接続手段(ハーネスH(第1ハーネスH1,第2ハーネスH2)、及び、第1~第3コネクタJ1,J2,JA)を備え、電源手段には、通常状態において主基板100(遊技制御手段)に電源を供給可能な電源装置31(第1電源手段)と、電源装置31(第1電源手段)による電源供給が断たれた電源断状態において主基板100(遊技制御手段)に電源を供給可能なバックアップ電源32(第2電源手段)と、を備えている。
【0018】
ここで、本実施形態のスロットマシン1は、電源装置31やバックアップ電源32に加え、遊技機の外部に設けた外部バックアップ電源OPを主基板100に接続可能に構成している。
これにより、本実施形態のスロットマシン1は、以下に示す第1~第4接続状態を接続手段として備えている。
第1接続状態は、電源装置31(第1電源手段)とバックアップ電源32(第2電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続し、外部バックアップ電源OP(外部電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態である。
第2接続状態は、電源装置31(第1電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続し、バックアップ電源32(第2電源手段)と外部バックアップ電源OP(外部電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態である。
第3接続手段は、外部バックアップ電源OP(外部電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続し、電源装置31(第1電源手段)及びバックアップ電源32(第2電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態である。
第4接続手段は、電源装置31(第1電源手段)と外部バックアップ電源OP(外部電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続し、バックアップ電源32(第2電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態である。
【0019】
本実施形態のスロットマシン1は、これらの接続手段をメンテナンスに活用することができる。
例えば、主基板100をスロットマシン1から取り外してメンテナンスを行う場合など、RAM103の内容を保持したまま主基板100を取り外すことが可能となり、直前の遊技状態や制御状況を確認することが可能になる(第1のメンテナンス)。
また、出荷前に主基板100の検査を行い、当該検査の内容が正常であったことを示す情報を主基板100のRAM103に記憶させた状態でスロットマシン1(筐体1b)に取り付けることができる。
このため、スロットマシン1を出荷した後、何らかのタイミングでRAM103に記憶されたメンテナンス情報を確認することで、そのスロットマシン1(主基板100)は、少なくとも出荷時には問題がなかったことを確認できる(第2のメンテナンス)。
【0020】
上記メンテナンスを有効に実施するための主基板100の取り外し手順と取り付け手順について説明する。
【0021】
(主基板100の取り外し手順)
第1のメンテナンスに係る主基板100の取り外し手順について図5を参照して説明する。
図5は、主基板100の取り外し手順を示すフローチャートである。
前提として、図4に示すように、主基板100はスロットマシン1に搭載されており、かつ、接続手段は、第1コネクタJ1はホッパー駆動基板61に接続され、第2コネクタJ2は主基板100に接続され、第3コネクタJAはホッパー駆動基板61に接続された状態(第1接続状態)にあるものとする。
つまり、電源装置31(第1電源手段)とバックアップ電源32(第2電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続し、外部バックアップ電源OP(外部電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態とする。
また、電源装置31の電源スイッチSWはオン(電源オン状態)になっているものとする。
また、外部バックアップ電源OPは、常に電源オン状態とする。
【0022】
まず、電源オン状態で、第3コネクタJAを取り外す(S11)。
図7は、S11の実行後の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S11では、電源スイッチSWがオンの状態で、電源装置31(第1電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続し、バックアップ電源32(第2電源手段)及び外部バックアップ電源OPを主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第2接続状態)にする。
つまり、電源装置31がオンの状態で、電源装置31のみが主基板100に接続された状態にする。
【0023】
次に、第3コネクタJAを外部バックアップ電源OPに接続する(S12)。
図8は、S12の実行後の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S12では、電源スイッチがオンの状態で、電源装置31(第1電源手段)と外部バックアップ電源OP(外部電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続し、バックアップ電源32(第2電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第4接続状態)にする。
つまり、電源装置31がオンの状態で、電源装置31及び外部バックアップ電源OPが主基板100に接続された状態にする。
【0024】
続いて、電源をオフ状態に切り替える(S13)。
図9は、S13の実行後の接続状態を示す図である。
同図に示すように、電源装置31及び外部バックアップ電源OPが主基板100に接続された状態で、電源スイッチSWをオンからオフに切り替える。
これにより、外部バックアップ電源OPによるバックアップ処理が実行される。
具体的には、外部バックアップ電源OPから主基板100に電力が供給され、その直前の遊技情報がRAM103に記憶される。
【0025】
次に、第1コネクタJ1を取り外す(S14)。
図10は、S14の実行後の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S14では、外部バックアップ電源OP(外部電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続し、電源装置31(第1電源手段)及びバックアップ電源32(第2電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第3接続状態)にする。
ここで、第1コネクタJ1を取り外しても、第2ハーネスH2は接続されたままである。
このため、RAM103に対し外部バックアップ電源OPから電源が供給された状態が維持される。
これにより、S13においてRAM103に記憶された遊技情報は維持される。
【0026】
主基板100を取り外す(S15)。
図11は、S15の実行時の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S15では、第3接続状態のまま、つまり、RAM103に対し外部バックアップ電源OPから電源が供給された状態のまま主基板100を取り外す。
このため、S13においてRAM103に記憶された遊技情報を維持したまま主基板100を取り外すことが可能になる。
これにより、主基板100をスロットマシン1から取り外してメンテナンスなどを行う際に、RAM103の内容を保持したまま、主基板100を筐体1bから取り外すことが可能となり、直前の遊技内容や制御状況を確認することができる(第1のメンテナンス)。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、接続手段が第4接続状態であるとき(S12)に、電源スイッチSWをオン状態からオフ状態に切り替え(S13)、かつ、接続手段を第4接続状態から第3接続状態に変更する(S14)ことで、RAM103(保持手段)において遊技情報を保持したままスロットマシン1から主基板100(遊技制御手段)を取り出すことが可能に構成される。
【0027】
(主基板100の取り付け手順)
第2のメンテナンスに係る主基板100の取り付け手順について図6を参照して説明する。
図6は、主基板100の取り付け手順を示すフローチャートである。
【0028】
まず、第3コネクタJAが外部バックアップ電源OPに接続され、第2コネクタJ2が主基板100に接続された状態を前提とする(S21)。
図12は、S21の実行時の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S21では、主基板100は、スロットマシン1(筐体1b)に搭載されていない状態で、接続手段を、外部バックアップ電源OP(外部電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続し、電源装置31(第1電源手段)及びバックアップ電源32(第2電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第3接続状態)にする。
【0029】
第2のメンテナンスにおける出荷前の検査はこの状態で行う。
例えば、スロットマシン1に内蔵されている検査手段や図示しない外部の検査機器により主基板100の検査を行い、正常であることを示すメンテナンス情報をRAM103に記憶する。
なお、RAM103に記憶されるメンテナンス情報や遊技情報は、それぞれ別領域に記憶することが好ましい。
そうすることで、一方が他方により上書きされる(消去される)ことを防ぐことができる。
【0030】
次に、第1コネクタJ1をホッパー駆動基板61に接続する(S22)。
具体的には、図13に示すように、主基板100をスロットマシン1(筐体1b)に搭載し(S22の前工程)、図14に示すように、その後、第1コネクタJ1をホッパー駆動基板61に接続する(S22の後工程)。
つまり、S22の前工程では第3接続状態であった接続状態(図13)を、S22の後工程では、電源装置31(第1電源手段)と外部バックアップ電源OP(外部電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続し、バックアップ電源32(第2電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第4接続状態)にする(図14)。
なお、S22において、電源装置31の電源スイッチはオフ状態だが、外部バックアップ電源OPと主基板100とが接続されたままであるため、RAM103に対しては外部バックアップ電源OPからの電力が供給され続けている。
このため、S21においてRAM103に記憶されたメンテナンス情報は維持されている。
【0031】
続いて、電源をオン状態に切り替える(S23)。
図15に示すように、S23では、電源装置31及び外部バックアップ電源OPが主基板100に接続された状態(第4接続状態)で、電源スイッチSWをオフからオンに切り替える。
【0032】
次に、第3コネクタJAを外部バックアップ電源OPから取り外す(S24)。
図16は、S24の実行後の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S24では、接続状態を、電源装置31(第1電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続し、バックアップ電源32(第2電源手段)と外部バックアップ電源OP(外部電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第2接続状態)にする。
【0033】
続いて、第3コネクタJAをホッパー駆動基板61に接続する(S25)。
図17は、S25の実行後の接続状態を示す図である。
同図に示すように、S25では、電源装置31(第1電源手段)とバックアップ電源32(第2電源手段)とを主基板100(遊技制御手段)に接続し、外部バックアップ電源OP(外部電源手段)を主基板100(遊技制御手段)に接続しない状態(第1接続状態)にする。
つまり、S22の後工程において、接続手段が第4接続状態であったものを、S25において、第1接続状態に変更する。
S24→S25は、第1ハーネスH1が接続されたまま第2ハーネスH2の接続替えが行われるため、主基板100のRAM103には、電源装置31から電力が供給され続けている。
このため、S22においてRAM103(保持手段)に記憶された情報(正常であることを示すメンテナンス情報)は保持されている。
これにより、RAM103においてメンテナンス情報を保持したままスロットマシン1を出荷させることができる。
なお、スロットマシン1の出荷は、電源オフの状態で行われるが、この場合、バックアップ電源32におけるコンデンサの蓄電機能により所定期間(例えば30日程度)はバックアップ電源が供給され続けることでメンテナンス情報は保持される。
【0034】
そうすることで、その後、RAM103に記憶されたメンテナンス情報を確認することで、そのスロットマシン1(主基板100)は、少なくとも出荷時には問題がなかったことを確認できる。
例えば、遊技場に導入した後にスロットマシン1の異常が発生した場合、RAM103に記憶されているメンテナンス情報を確認することで、少なくとも出荷段階(導入前)に異常はなく、輸送中や導入後の何らかの原因で異常が発生したものと切り分けることができる。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、接続手段が第4接続状態であるとき(S22の後工程)に、電源スイッチSWをオフ状態からオン状態に切り替え(S23)、かつ、接続手段を第4接続状態から第1接続状態に変更する(S25)ことで、RAM103(保持手段)においてメンテナンス情報を保持したままスロットマシン1を出荷する状態とすることが可能に構成される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1においては、通常の電源を供給する配線(ハーネス)及びコネクタからなる第1接続手段と、バックアップ電源を供給する配線(ハーネス)及びコネクタからなる第2接続手段とを別個に設け、第1接続手段による主基板100への電源供給を維持したまま、第2接続手段による主基板100への電源供給元を筐体内電源から外部電源に切り替えた状態とし、その状態で電源オフにした後に第1接続手段による主基板100への電源供給を停止する(第1接続手段と主基板100の接続を取り外す)ことで、主基板100を筐体内の電源に接続しなくてもRAM103の内容を保持できるようにしている。
これにより、主基板100のメンテナンス時に直前の遊技内容や制御状況を確認可能になる。
また、主基板単体で検査することが可能になる。
【0036】
一方、特許文献(特開2016-187752)に記載の遊技機を含め従来の遊技機には、バックアップ電源を備えることで、電源がオンからオフに切り替えられても、遊技制御手段(主基板)のメモリ(RAM)の内容を保持可能であるが以下の問題があった。
例えば、図16は、従来の遊技機におけるバックアップ電源の供給を示す説明図である。
同図に示すように、従来の遊技機では、通常電源の供給ルートとバックアップ電源の供給ルートが同一であり、単一のハーネスHやコネクタを介してRAM103に対して電力を供給するようになっている。
このため、仮にバックアップ電源32の他に外部バックアップ電源を用いたとしても、その切り替え時に、電源断状態を生じ得ず、RAM103に対して電力を供給し続けることができなかった。
それが原因で、主基板100のメンテナンスを行う際に、RAM103の内容を保持したまま主基板100をスロットマシン1から取り外すことができなかった。
また、出荷前に主基板100の検査を行い、当該検査の内容が正常であったことを主基板100のRAM103に記憶させたまま遊技機に取り付けることができなかった。
【0037】
これに対し、本実施形態の遊技機は、通常電源の供給ルート(コネクタ)とバックアップ電源の供給ルート(コネクタ)を異ならせている。
このため、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0038】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、バックアップ電源32を電源装置31の筐体(ボックス)内の電源基板に設けても良い。
また、外部バックアップ電源OPを電源装置31の筐体内の電源基板に設けても良い。
主基板100単体で検査を行う場合、正常であったことを示す情報に加え、又は、代えて、日付情報等をRAM103に記憶させることもできる。
【0039】
また、本実施形態では、スロットマシンを例に挙げて説明したが、パチンコ機やその他の遊技機にも本発明を適用することもできる。
例えば、実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能なメダルレス遊技機(スマスロ機)やスマパチ機にも本発明を適用することができる。
例えば、メダルレス遊技機の場合、主基板(主制御CPU)だけでなくメダル数制御基板(メダル数制御CPU)を用いる場合があるが、この場合、メダル数制御基板に備えられているRAMに対する電源の接続・供給などの構成も本実施形態のスロットマシン1と同様の構成としてもよい。
また、ホッパー駆動基板61ではなく、他の何らかの中継基板を介して主基板100に対しバックアップ処理を行う場合であっても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 スロットマシン
6a ホッパー
61 ホッパー駆動基板
31 電源装置
SW 電源スイッチ
32 バックアップ電源
OP 外部バックアップ電源
10 主制御部
100 主基板
103 RAM
H ハーネス
H1 第1ハーネス
H2 第2ハーネス
J1 第1コネクタ
J2 第2コネクタ
JA 第3コネクタ
図1
図2
図3
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