(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058305
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】什器ユニット
(51)【国際特許分類】
A47C 17/02 20060101AFI20240418BHJP
A47B 83/02 20060101ALI20240418BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20240418BHJP
A47B 83/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A47C17/02 Z
A47B83/02
A47B81/00 A
A47B83/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165583
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍介
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260AB01
3B260AB02
3B260AB06
3B260AB07
3B260AC01
(57)【要約】
【課題】執務空間の利用価値を高める什器を提供する。
【解決手段】什器は、床面上に配置された着座什器50と、複数種の中から選択された少なくとも二種のオプション部材100と、を含む。着座什器50は、上方を向いて荷重を支持可能な平滑面56fを有し、オプション部材100は、平滑面56f上に載置され、かつ平滑面56f上における載置位置が、第二方向で変更可能とされている構成とした。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に配置された着座什器と、
複数種の中から選択された少なくとも二種のオプション部材と、を含む什器ユニットであって、
前記着座什器は、
上方から見た際に前記床面に沿った幅方向に延び、かつ、上方を向いて荷重を支持可能な平滑面を有し、
前記オプション部材は、前記平滑面上に載置され、かつ前記平滑面上における載置位置が、前記幅方向で変更可能とされている
什器ユニット。
【請求項2】
前記着座什器は、
前記床面上に配置されたベース部と、
前記平滑面を有し、前記ベース部上に配置された上面部材と、を含む
請求項1に記載の什器ユニット。
【請求項3】
複数種の前記オプション部材は、高さが異なる
請求項1又は2に記載の什器ユニット。
【請求項4】
複数種の前記オプション部材は、上方から見た際の平面形状が異なる
請求項1又は2に記載の什器ユニット。
【請求項5】
前記オプション部材は、前記平滑面上に載置した状態で、着座可能である
請求項1又は2に記載の什器ユニット。
【請求項6】
前記オプション部材は、上下方向の一方側を向くとともに、上下方向の一方側を前記平滑面に向けた状態で前記オプション部材を前記平滑面上に載置した際に、前記平滑面に支持される第一平面部を有する
請求項1又は2に記載の什器ユニット。
【請求項7】
前記オプション部材は、上下方向の他方側を向くとともに、前記第一平面部よりも硬い材料で形成された第二平面部を有する
請求項6に記載の什器ユニット。
【請求項8】
前記オプション部材は、上面に作業面を形成するテーブル天板と前記平滑面との間に配置されて、前記テーブル天板を下方から支持する
請求項1又は2に記載の什器ユニット。
【請求項9】
上方から見た際に、前記床面上において前記幅方向に交差する交差方向で前記着座什器から離間した位置には、上方に延びる支持部材が設けられ、
前記テーブル天板は、前記交差方向において前記平滑面から張り出すように延びるとともに、前記オプション部材と前記支持部材との間に架け渡されている
請求項8に記載の什器ユニット。
【請求項10】
前記着座什器に対し、上方から見た際に、前記幅方向に交差する交差方向の第一側に配置され、前記床面上の空間を前記交差方向の第一側と第二側とに仕切る仕切機能、物品を収容する物品収容機能、物品を載置する物品載置機能のうちの少なくとも一つの機能を有する機能部を備えた機能部材、を更に備える
請求項1又は2に記載の什器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等における執務空間においては、ソファやベンチ等の着座可能な着座什器が用いられることがある。
例えば、特許文献1には、複数のモジュール家具を組み合わせた段状のユニットを備え、各モジュール家具の天面に、複数のクッション体が載置された構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したような構成においては、利用者は、段状のユニットのクッション体上に着座可能であるものの、いずれの段においても、クッション体上の着座面と、足を置く面との段差は同一である。このため、着座姿勢は、いずれの段に着座しても同様なものとなり、使用形態の自由度が高いとは言えない。
本発明は、使用形態の自由度を高めることができる什器ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る什器ユニットは、床面上に配置された着座什器と、複数種の中から選択された少なくとも二種のオプション部材と、を含む什器ユニットであって、前記着座什器は、上方から見た際に前記床面に沿った幅方向に延び、かつ、上方を向いて荷重を支持可能な平滑面を有し、前記オプション部材は、前記平滑面上に載置され、かつ前記平滑面上における載置位置が、前記幅方向で変更可能とされている。
本態様によれば、着座什器の平滑面上に、少なくとも二種のオプション部材を載置することで、利用者は、オプション部材を用いて様々な形態で着座什器に着座することができる。例えばオプション部材がクッションである場合、利用者は、着座什器の平滑面上にオプション部材を介して着座することで、座り心地の向上や座面高さの変更を実現できる。また、利用者は、利用者が平滑面上に着座した状態でオプション部材上に物品を載置することで、物品を使用する際の作業性の向上や物品の転倒抑制等を図ることができる。しかも、オプション部材は、平滑面上における載置位置が幅方向で変更可能であるため、平滑面上の任意の位置に着座することができる。これにより、例えば複数人で什器ユニットを利用した場合、各人が幅方向の好きな位置で好きなオプション部材を利用することができる。したがって、使用形態の自由度を高めることが可能となる。
【0006】
(2)上記(1)の態様に係る什器ユニットにおいて、前記着座什器は、前記床面上に配置されたベース部と、前記平滑面を有し、前記ベース部上に配置された上面部材と、を含むことが好ましい。
本態様によれば、ベース部上に上面部材を設けることで、オプション部材が載置可能な平滑面を有した着座什器を容易に形成することができる。
【0007】
(3)上記(1)又は(2)の態様に係る什器ユニットにおいて、複数種の前記オプション部材は、高さが異なることが好ましい。
本態様によれば、高さが異なる少なくとも二種のオプション部材を、着座什器の平滑面上に載置することで、利用者は、好みの高さに応じたオプション部材を利用することができる。
【0008】
(4)上記(1)から(3)の何れかの態様に係る什器ユニットにおいて、複数種の前記オプション部材は、上方から見た際の平面形状が異なることが好ましい。
本態様によれば、平面形状が異なる少なくとも二種のオプション部材を、着座什器の平滑面上に載置することで、利用者は、用途等に応じて、好みの平面形状を有したオプション部材を利用することができる。
【0009】
(5)上記(1)から(4)の何れかの態様に係る什器ユニットにおいて、前記オプション部材は、前記平滑面上に載置した状態で、着座可能であることが好ましい。
本態様によれば、少なくとも二種のオプション部材を、着座什器の平滑面上に載置することで、利用者は、好みの種類のオプション部材上に着座することができる。
【0010】
(6)上記(1)から(5)の何れかの態様に係る什器ユニットにおいて、前記オプション部材は、上下方向の一方側を向くとともに、上下方向の一方側を前記平滑面に向けた状態で前記オプション部材を前記平滑面上に載置した際に、前記平滑面に支持される第一平面部を有することが好ましい。
本態様によれば、オプション部材の第一平面部を平滑面に向けた状態で、オプション部材を平滑面上に載置することで、オプション部材を安定的に平滑面上に支持させることができる。
【0011】
(7)上記(6)の態様に係る什器ユニットにおいて、前記オプション部材は、上下方向の他方側を向くとともに、前記第一平面部よりも硬い材料で形成された第二平面部を有することが好ましい。
本態様によれば、オプション部材の第一平面部を平滑面に向けた状態で、オプション部材を平滑面上に載置することで、第一平面部よりも硬い材料で形成された第二平面部が、上方を向く。これにより、第二平面部上に、物品を安定的に載置することができる。
【0012】
(8)上記(1)から(7)の何れかの態様に係る什器ユニットにおいて、前記オプション部材は、上面に作業面を形成するテーブル天板と前記平滑面との間に配置されて、前記テーブル天板を下方から支持することが好ましい。
本態様によれば、着座什器の平滑面上に、オプション部材を介してテーブル天板を設けることができる。これにより、利用者は、着座什器を、より高い自由度で利用することができる。
【0013】
(9)上記(8)の態様に係る什器ユニットにおいて、上方から見た際に、前記床面上において前記幅方向に交差する交差方向で前記着座什器から離間した位置には、上方に延びる支持部材が設けられ、前記テーブル天板は、前記交差方向において前記平滑面から張り出すように延びるとともに、前記オプション部材と前記支持部材との間に架け渡されていることが好ましい。
本態様によれば、テーブル天板を、平滑面上に載置されたオプション部材と、床面上に配置した支持部材とで、支持することができる。
【0014】
(10)上記(1)から(9)の何れかの態様に係る什器ユニットにおいて、前記着座什器に対し、上方から見た際に、前記幅方向に交差する交差方向の第一側に配置され、前記床面上の空間を前記交差方向の第一側と第二側とに仕切る仕切機能、物品を収容する物品収容機能、物品を載置する物品載置機能のうちの少なくとも一つの機能を有する機能部を備えた機能部材、を更に備えることが好ましい。
本態様によれば、機能部を備えた機能部材をさらに備えることで、什器ユニットの使用形態の自由度を、さらに高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、執務空間の利用価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る什器システムにおける複数の什器のレイアウト例を示す平面図である。
【
図2】什器システムを構成する一つの什器を示す斜視図である。
【
図3】什器システムを構成する一つの什器を
図2とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図4】什器システムを構成する一つの什器を第二方向から見た側面図である。
【
図5】什器システムを構成する他の一つの什器を示す斜視図である。
【
図6】什器システムを構成する他の一つの什器を
図5とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図7】什器システムを構成する他の一つの什器を第二方向から見た側面図である。
【
図8】什器システムを構成するさらに他の一つの什器を示す斜視図である。
【
図9】什器システムを構成するさらに一つの什器を
図8とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図11】第一着座部を、第一方向から見た断面図である。
【
図12】ベース部同士の連結構造を示す断面図である。
【
図13】着座什器の平滑面上に載置されたオプション部材の例を示す平面図である。
【
図14】着座什器の平滑面上に載置されたオプション部材の例を示す正面図である。
【
図15】着座什器の平滑面上に載置された他のオプション部材の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0018】
<什器システム1>
図1は、本実施形態に係る什器システム1における複数の什器(什器ユニット)10のレイアウト例を示す平面図である。
図1に示すように、什器システム1は、複数の什器10を備えている。複数の什器10は、オフィス、公共施設等における執務空間Rに配置されている。複数の什器10は、それぞれ執務空間Rの床面F上に配置されている。複数の什器10は、床面Fに沿った方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態において、什器システム1は、例えば、複数の什器10として、3台の什器10A、10B、10Cを備えている。
本実施形態において、3台の什器10A、10B、10Cは、後に詳述するように、種類が異なっている。
【0019】
以下の説明では、執務空間R(什器システム1全体)における上下方向に直交する座標系をそれぞれX方向、Y方向とする。また、各什器10A~10Cそれぞれにおいて、上下方向に直交する座標系を第一方向(交差方向)Da、第二方向(幅方向)Dbとする。この場合、什器10Bは、什器10Aに対して第一方向Da及び第二方向Dbの向きを90°異ならせて配置されている。什器10Cは、什器10Aに対して第一方向Da及び第二方向Dbの向きを180°異ならせて配置されている。
【0020】
<什器10>
図2は、什器システム1を構成する一つの什器10Aを示す斜視図である。
図3は、什器システム1を構成する一つの什器10Aを
図2とは異なる方向から見た斜視図である。
図4は、什器システム1を構成する一つの什器10Aを第二方向Dbから見た側面図である。
図5は、什器システム1を構成する他の一つの什器10Bを示す斜視図である。
図6は、什器システム1を構成する他の一つの什器10Bを
図5とは異なる方向から見た斜視図である。
図7は、什器システム1を構成する他の一つの什器10Bを第二方向Dbから見た側面図である。
図8は、什器システム1を構成するさらに他の一つの什器10Cを示す斜視図である。
図9は、什器システム1を構成するさらに一つの什器10Cを
図8とは異なる方向から見た斜視図である。
【0021】
図2~
図9に示すように、各什器10(什器10A、10B、10C)は、それぞれ、什器本体20と、着座什器50と、を備えている。
【0022】
<什器本体20>
什器本体20は、什器部材21と、機能部材30と、を備えている。各什器10(什器10A、10B、10C)において、什器部材21は、例えば、ソファである。什器部材21は、例えば、上方から見た際の平面形状が長方形状とされている。什器部材21は、第一方向Daを短辺とし、上方から見た際に第一方向Daに交差する第二方向Dbを長辺とする、長方形状とされている。
【0023】
図10は、什器10A~10Cを第二方向Dbから見た断面図である。
図10に示すように、什器10A~10Cにおいて、什器部材21は、什器ベース部25と、座部26と、を備えている。
什器ベース部25は、床面F上に設けられている。什器ベース部25は、座部26を下方から支持している。什器ベース部25は、例えば金属製の箱型で、一対の側板25aと、後板25bと、前板25cと、を有している。なお、什器ベース部25は、金属製に限らず、木製、樹脂製等であってもよい。
【0024】
一対の側板25aは、第二方向Db(
図10において紙面に直交する方向)に間隔をあけて設けられている。各側板25aは、第二方向Dbに直交する面に沿っている。
後板25bは、什器ベース部25において、第一方向Daの第二側Da2に配置されている。後板25bは、一対の側板25aの第一方向Daの第二側Da2の端部同士を接続している。後板25bは、第一方向Daに直交する面に沿っている。
【0025】
前板25cは、什器ベース部25において、第一方向Daの第一側Da1に配置されている。前板25cは、一対の側板25aの第一方向Daの第一側Da1の端部同士を接続している。前板25cは、第一方向Daに交差する面に沿っている。本実施形態において、前板25cにおける第一方向Daの第一側Da1を向く面は、第二方向Dbから見た際に、上方から下方に向かって、第一方向Daの第二側Da2に傾斜している。什器ベース部25の下端部には、下方に向けて突出し、床面F上に立脚する脚部25fが設けられている。
【0026】
座部26は、什器ベース部25上に設けられている。座部26は、上下方向に所定の厚さを有し、その上面に、上方を向く什器着座面26fを有している。座部26は、弾力性を有したクッション(不図示)と、クッションの表面を覆うように設けられたクッションカバー26cと、を備えている。このような座部26は、什器ベース部25の上端部に、適宜のブラケット、ビス(不図示)等により固定されている。これにより、什器ベース部25の上端開口部が閉塞されている。
【0027】
なお、本実施形態において、什器10A、10B、10Cは、それぞれ什器部材21としてソファを備えているが、これに限られない。什器10A、10B、10Cにおいて、什器部材21として、ソファ以外の、例えば、デスク、テーブル、椅子等の作業用什器を備えていてもよい。さらに、什器10A、10B、10Cにおいては、什器部材21として、互いに異なる種類のものを備えていてもよい。
【0028】
<機能部材30>
什器10A、10B、10Cにおいて、機能部材30は、その構成の少なくとも一部が異なっている。なお、以下の説明において、什器10A、10B、10C間で共通する構成については、同符号を付して、その説明を省略することがある。
図1~
図4に示すように、什器10Aの機能部材30Aは、第一仕切パネル32と、第二仕切パネル33Aと、を備えている。
【0029】
第一仕切パネル32は、什器部材21に対して、第一方向Daの第二側Da2に設けられている。第一仕切パネル32は、上方から見た際に、第二方向Dbにおける什器部材21の全体にわたって、第二方向Dbに延びている。第一仕切パネル32は、床面F上の執務空間Rを、第一方向Daの第一側Da1の作業空間R1と、第二側Da2の着座空間R2と、に仕切る仕切機能を有している。
【0030】
第二仕切パネル33Aは、什器部材21に対して、第二方向Dbの一方側Db1に設けられている。第二仕切パネル33Aは、第一仕切パネル32の第二方向Dbの一方側Db1の端部から、什器部材21の第二方向Dbの一方側Db1の端縁に沿って第一方向Daに延びている。第二仕切パネル33Aは、床面F上の執務空間Rを、第二方向Dbの一方側Db1の着座空間R2と、他方側Db2の作業空間R1と、に仕切る仕切機能を有している。
【0031】
図2~
図4に示すように、第一仕切パネル32、第二仕切パネル33Aは、それぞれ、支持部35と、パネル部36と、を備えている。
支持部35は、床面F上に設けられている。支持部35は、床面Fから上方に延びている。支持部35は、什器着座面26f、及び後述する平滑面56fよりも上方に突出するように延びている。支持部35の下部において、什器ベース部25と第一方向Da又は第二方向Dbで向かい合う部分は、什器ベース部25に、不図示のボルト等によって固定されている。支持部35は、仕切機能を有した機能部31として、パネル部36を下方から支持している。パネル部36は、支持部35上に設けられている。パネル部36は、支持部35の上端から上方に延びている。
【0032】
支持部35とパネル部36とは、実質的に一体であってもよい。本実施形態において、支持部35とパネル部36とは、同一のフレーム材(不図示)と、フレーム材の両面を覆うように設けられた一対の表面パネル32p(
図10参照)と、を有している。支持部35とパネル部36とは、表面パネル32pを覆う表皮材の材質が異なっている。例えば、支持部35は、表面パネル32pの表面が木製、樹脂製等からなる平滑な表皮材35sで覆われている。これに対し、パネル部36は、表面パネル32pの表面が布製の表皮材36sで覆われている。
【0033】
第一仕切パネル32の支持部35は、後述する第一着座面51s(平滑面56f)よりも上方に露出した部分に、第一方向Daの第二側Da2を向く平面部35fを備えている。平面部35fは、第一方向Daの第二側Da2からの荷重を支持可能である。平面部35fは、パネル部36において第一方向Daの第二側Da2を向く面と面一である。
第二仕切パネル33Aの支持部35は、後述する第二着座面52s(平滑面56f)よりも上方に露出した部分に、第二方向Dbの一方側Db1を向く平面部35gを備えている。平面部35gは、第二方向Dbの一方側Db1からの荷重を支持可能である。平面部35gは、パネル部36において第二方向Dbの一方側Db1を向く面と面一である。
【0034】
図5~
図7に示すように、什器10Bの機能部材30Bは、第一仕切パネル32と、第二仕切パネル33Aと、第二仕切パネル33Bと、を備えている。
【0035】
第二仕切パネル33Bは、什器部材21に対して、第二方向Dbの他方側Db2に設けられている。第二仕切パネル33Bは、第一仕切パネル32の第二方向Dbの他方側Db2の端部から、什器部材21の第二方向Dbの他方側Db2の端縁に沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。第二仕切パネル33Bは、床面F上の執務空間Rを、第二方向Dbの一方側Db1の作業空間R1と、他方側Db2の着座空間R2と、に仕切る仕切機能を有している。
【0036】
第二仕切パネル33Bは、第一仕切パネル32、第二仕切パネル33Aと同様、支持部35と、パネル部36と、を備えている。第二仕切パネル33Bの支持部35は、第二方向Dbの他方側Db2を向く平面部35hを備えている。平面部35hは、第二方向Dbの他方側Db2からの荷重を支持可能である。平面部35hは、パネル部36において第二方向Dbの他方側Db2を向く面と面一である。
【0037】
図8、
図9に示すように、什器10Cの機能部材30Cは、第一仕切パネル32と、第二仕切パネル33Aと、機能部31としてのシェルフ34と、を備えている。
【0038】
シェルフ34は、什器10Cの什器部材21に対して、第二方向Dbの他方側Db2に設けられている。シェルフ34は、第一仕切パネル32の第二方向Dbの他方側Db2の端部から、什器部材21の第二方向Dbの他方側Db2の端縁に沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。
【0039】
シェルフ34は、シェルフ基部38と、シェルフ基部38上に支持されたシェルフ本体39と、を備えている。シェルフ基部38は、床面F上に設置されている。シェルフ基部38は、例えば中空箱状に形成されている。シェルフ本体39は、棚支持板39aと、棚板39bと、を有している。棚支持板39aは、第一方向Daに間隔をあけて複数枚(例えば3枚)設けられている。棚支持板39aは、第一方向Daに交差する面に沿って形成されている。棚板39bは、上下方向に間隔をあけて、例えば3枚設けられている。各棚板39bは、上下方向に交差する面に沿って形成されている。各棚板39bは、複数の棚支持板39a間に架け渡すように設けられている。棚支持板39aと棚板39bとで囲まれた空間は、第二方向Dbの両側に開放されている。
このようなシェルフ34は、機能部31として、棚支持板39aと棚板39bとで囲まれた空間に物品を収容する物品収容機能、最上段の棚板39b上に物品を載置する物品載置機能を有している。また、シェルフ34は、床面F上の執務空間Rを、第二方向Dbの一方側Db1の作業空間R1と、他方側Db2の着座空間R2と、に仕切る仕切機能を有している。
【0040】
このような機能部材30A~30Cは、それぞれ、床面F上の執務空間Rを、什器部材21が設けられて、利用者が什器部材21で各種の作業、業務等を行う作業空間R1と、着座什器50が設けられた着座空間R2とに仕切る。機能部材30A~30Cによって作業空間R1と着座空間R2とが仕切られることにより、什器部材21は、平面視で二方向もしくは三方向から囲まれた作業空間R1に設置され、主に、一人もしくは少人数での作業に好適に用いることができる。一方、後述する着座什器50は、平面視で二方向もしくは三方向に開放された空間に設置されている。
【0041】
<着座什器50>
図1~
図9に示すように、各什器10(什器10A、10B、10C)において、着座什器50は、第一着座部51と、第二着座部52A、52Bと、を備えている。第一着座部51、及び第二着座部52A、52Bは、什器本体20の上端20t(機能部材30の上端)よりも低く形成されている。
【0042】
各什器10(什器10A、10B、10C)において、第一着座部51は、什器本体20に対して第一方向Daの第二側Da2に配置されている。第一着座部51は、什器部材21に対し、機能部材30を挟んで反対側に配置されている。第一着座部51は、第二方向Dbにおける什器本体20の全体よりも、第二方向Dbの一方側Db1と他方側Db2とに突出するように延びている。
【0043】
図1~
図3に示すように、什器10Aの第二着座部52Aは、第一着座部51の第二方向Dbの一方側Db1の端部から、第二仕切パネル33Aに沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。什器10Aにおいて、第二着座部52Bは、第一着座部51の第二方向Dbの他方側Db2の端部から、第一方向Daの第一側Da1に延びている。第二着座部52Bは、什器部材21よりも、第一方向Daの第一側Da1に突出するように延びている。第二着座部52Bは、什器部材21よりも第一方向Daの第一側Da1に突出する部分では、第一方向Daから見た際に、什器部材21の一部と重なるよう、第二方向Dbの一方側Db1に延びている。
【0044】
図5~
図7に示すように、什器10Bの第二着座部52Aは、第一着座部51の第二方向Dbの一方側Db1の端部から、第二仕切パネル33Aに沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。什器10Bの第二着座部52Bは、第一着座部51の第二方向Dbの他方側Db2の端部から、第二仕切パネル33Bに沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。
【0045】
図8、
図9に示すように、什器10Cの第二着座部52Aは、第一着座部51の第二方向Dbの一方側Db1の端部から、第二仕切パネル33Aに沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。什器10Cの第二着座部52Bは、第一着座部51の第二方向Dbの他方側Db2の端部から、シェルフ34に沿って第一方向Daの第一側Da1に延びている。第二着座部52Bは、シェルフ34よりも、第一方向Daの第一側Da1に突出するように延びている。第二着座部52Bは、シェルフ34よりも第一方向Daの第一側Da1に突出する部分では、第一方向Daから見た際に、シェルフ34の一部と重なるよう、第二方向Dbの一方側Db1に延びている。
【0046】
第一着座部51、第二着座部52A、52Bは、それぞれ、ベース部55と、カバー部材(上面部材)56と、を備えている。
【0047】
図11は、第一着座部51を、第一方向Daから見た断面図である。
図10、
図11に示すように、第一着座部51のベース部55は、床面F上に設けられている。ベース部55は、機能部材30(支持部35)の下部から第一方向Daの第二側Da2に突出している。ベース部55は、カバー部材56を下方から支持している。ベース部55は、例えば、上方から見た際の平面形状が、第一方向Daを短辺とし、第二方向Dbを長辺とする、長方形状とされている。ベース部55は、什器ベース部25と同じ高さを有している。第一着座部51のベース部55は、例えば金属製の箱型で、一対の側板55aと、後板55bと、前板55cと、を有している。なお、ベース部55は、金属製に限らず、木製、樹脂製等であってもよい。
【0048】
一対の側板55aは、第二方向Dbに間隔をあけて設けられている。各側板55aは、第二方向Dbに直交する面に沿っている。
後板55bは、ベース部55において、第一方向Daの第一側Da1に配置されている。後板55bは、一対の側板55aの第一方向Daの第一側Da1の端部同士を接続している。後板55bは、第一方向Daに直交する面に沿っている。
【0049】
前板55cは、ベース部55において、第一方向Daの第二側Da2に配置されている。前板55cは、一対の側板55aの第一方向Daの第二側Da2の端部同士を接続している。前板55cは、第一方向Daに交差する面に沿っている。本実施形態において、前板55cにおける第一方向Daの第二側Da2を向く面は、第二方向Dbから見た際に、上方から下方に向かって、第一方向Daの第一側Da1に傾斜した傾斜面55sを形成している。ベース部55の下端部には、下方に向けて突出し、床面F上に立脚する脚部55fが設けられている。
【0050】
第二着座部52A、52Bのベース部55は、上方から見た際に、上記第一着座部51のベース部55に対して90°向きを異ならせて配置されている。第二着座部52Aのベース部55は、前板55cを第二方向Dbの一方側Db1に向けて配置されている。第二着座部52Bのベース部55は、前板55cを第二方向Dbの他方側Db2に向けて配置されている。
【0051】
上記のようなベース部55において、支持部35の下部に沿う部分は、支持部35に、不図示のボルト等によって固定されている。これにより、支持部35が着座什器50のベース部55と什器部材21の什器ベース部25との間に挟み込まれた状態で固定されるので、機能部材30が強固に支持される。その結果、平面部35f、35g、35hにおいて、利用者による着座荷重を、安定して支持できる。
【0052】
また、ベース部55は、必要に応じて、複数個が並べて配置されている。例えば、
図3、
図6、
図9に示すように、什器10A、10B、10Cの第一着座部51においては、ベース部55が第二方向Dbに2つ並べて配置されている。
図12は、ベース部55同士の連結構造を示す断面図である。
図12に示すように、第二方向Dbで隣り合うベース部55同士は、側板55a同士を、ボルト・ナット59で連結されている。このとき、第二方向Dbの一方側Db1のベース部55の側板55aと、第二方向Dbの他方側Db2のベース部55の側板55aとの間には、必要に応じて、筒状のカラー58を挟み込んだ状態で、ボルト・ナット59により連結する。
【0053】
図10、
図11に示すように、ベース部55は、一対の側板55aと、後板55bと、前板55cとに囲まれて、上下に開口する開口部55kを有している。
【0054】
カバー部材56は、各ベース部55の開口部55kを上方から覆うように設けられている。カバー部材56は、上下方向に所定の厚さを有した、木製、樹脂製、金属製等の、例えば座部26よりも硬質な板材によって形成されている。
【0055】
カバー部材56は、ベース部55上に載置されている。カバー部材56の下面には、下方に突出するビーム材56tが設けられている。第一着座部51のカバー部材56において、ビーム材56tは、第二方向Dbの両端部に設けられている。第一着座部51のカバー部材56において、ビーム材56tは、第一方向Daに延びている。第二着座部52A、52Bのカバー部材56において、ビーム材56tは、第一方向Daの両端部に設けられている。第二着座部52A、52Bのカバー部材56において、ビーム材56tは、第二方向Dbに延びている。
カバー部材56をベース部55上に載置した状態で、ビーム材56tは、開口部55kの内側に挿入される。ビーム材56tが、ベース部55を構成する一対の側板55a、後板55b、前板55cに接触することによって、カバー部材56の第一方向Da、第二方向Dbにおける一定寸法以上の位置ずれが抑えられている。
【0056】
カバー部材56は、その上面に、上方を向く平滑面56fを有している。第一着座部51において、平滑面56fは、第一着座面51sを形成している。第二着座部52A、52Bにおいて、平滑面56fは、第二着座面52sを形成している。すなわち、第一着座面51s、及び第二着座面52sの全体は、同じ高さで連続する平滑面56fにより形成されている。第一着座面51s、第二着座面52sは、什器着座面26fよりも下方に位置するよう形成されている。本実施形態において、着座什器50の第一着座面51s、第二着座面52sは、床面Fから、例えば200mm以上450mm以下の高さに形成されている。
【0057】
利用者は、第一着座面51s、第二着座面52s上に着座可能とされている。利用者は、第一着座面51s、第二着座面52sに着座した状態で、機能部材30の支持部35を背凭れとして利用することができる。
第一着座部51に着座した利用者は、第一方向Daの第二側Da2を向き、第一方向Daの第一側Da1の支持部35に背を向ける。支持部35の平面部35fは、利用者が支持部35に寄りかかった際に、例えば第一方向Daの第二側Da2からの利用者の着座荷重を支持可能である。
第二着座部52Aに着座した利用者は、第二方向Dbの一方側Db1を向き、第二方向Dbの他方側Db2の支持部35に背を向ける。第二着座部52Aの支持部35の平面部35gは、利用者が支持部35に寄りかかった際に、例えば第二方向Dbの一方側Db1からの利用者の着座荷重を支持可能である。
第二着座部52Bに着座した利用者は、第二方向Dbの他方側Db2を向き、第二方向Dbの一方側Db1の支持部35に背を向ける。第二着座部52Bの支持部35の平面部35gは、利用者が支持部35に寄りかかった際に、例えば第二方向Dbの他方側Db2からの利用者の着座荷重を支持可能である。
【0058】
<オプション部材100>
図13は、着座什器50の平滑面56f上に載置されたオプション部材100の例を示す平面図である。
図14は、着座什器50の平滑面56f上に載置されたオプション部材100の例を示す正面図である。
図15は、着座什器50の平滑面56f上に載置された他のオプション部材100の例を示す正面図である。
図13~
図15に示すように、着座什器50の平滑面56f(第一着座面51s、第二着座面52s)上には、各種のオプション部材100が載置可能とされている。着座什器50の平滑面56f上には、複数種の中から選択された少なくとも二種のオプション部材100が載置される。各オプション部材100は、平滑面56f上における載置位置が変更可能とされている。各オプション部材100は、第一着座面51s上において、載置位置が第二方向Dbにおいて変更可能とされている。各オプション部材100は、第二着座面52s上において、載置位置が第一方向Daにおいて変更可能とされている。本実施形態では、各オプション部材100は、平滑面56f上をスライド移動、又は持ち運び等によって、平滑面56f上における載置位置が無段階に変更可能とされている。
【0059】
オプション部材100としては、例えば、第一クッション部材110(
図13、
図14参照)、第二クッション部材120(
図13、
図14参照)、第三クッション部材130(
図15参照)が例示できる。
【0060】
図13、
図14に示すように、第一クッション部材110は、上面から見た際に、例えば、正方形状に形成されている。第一クッション部材110は、互いに平行に形成された上面110t、及び下面110bを有している。第一クッション部材110は、上面110tの平面積に対し、下面110bの平面積が大きく設定され、上面110tから下面110bに向かって、その平面積が漸次増大する、角錐台形状に形成されている。第一クッション部材110は、平滑面56fよりも軟質で、弾力性を有する適宜のクッション材料によって形成されている。このような第一クッション部材110は、下面110bを平滑面56fに向けた状態で、平滑面56f上に載置される。これにより、第一クッション部材110は、平滑面56fに下方から支持される。利用者は、第一クッション部材110の上面110tに着座することができる。また、利用者は、第一クッション部材110の上面110tを、物品を載置する台、各種の作業を行うテーブル代わりに利用することもできる。
【0061】
第二クッション部材120は、上面から見た際に、例えば、長方形に形成されている。第二クッション部材120は、第一クッション部材110に対して、上方から見た際の形状、大きさが異なっている。また、第二クッション部材120は、第一クッション部材110に対して、高さが低く形成されている。第二クッション部材120は、互いに平行に形成された上面120t、及び下面120bを有している。第二クッション部材120は、上面120tと下面120bの平面積が同一とされた、直方体状に形成されている。第二クッション部材120は、下面120bを平滑面56fに向けた状態で、平滑面56f上に載置される。これにより、第二クッション部材120は、平滑面56fに下方から支持される。利用者は、第二クッション部材120の上面120tに着座することができる。第二クッション部材120は、平滑面56fよりも軟質で、弾力性を有する適宜のクッション材料によって形成されている。
【0062】
図15に示すように、第三クッション部材130は、上下方向に所定の厚さを有した、例えば円柱状に形成されている。第三クッション部材130は、上下方向の一方側を向く第一平面部130aと、上下方向の他方側を向く第二平面部130bと、を有している。第三クッション部材130は、クッション本体131と、板部132と、を備えている。
クッション本体131は、平滑面56fよりも軟質で、弾力性を有する適宜のクッション材料によって形成されている。板部132は、クッション本体131に対して、上下方向の他方側に設けられている。板部132は、例えば、木製、樹脂製、金属製等、クッション本体131よりも硬い材料で形成されている。このようにして、第一平面部130aは、軟質なクッション本体131によって形成されている。第二平面部130bは、硬質な板部132によって形成されている。
【0063】
第三クッション部材130は、第一平面部130a、及び第二平面部130bのいずれか一方を平滑面56fに向け、第一平面部130a、及び第二平面部130bの他方を上方に向けた状態で利用可能である。例えば、第二平面部130bを平滑面56fに向け、第一平面部130aを上方に向けた状態では、利用者は、第一平面部130a上に着座することができる。また、第一平面部130aを平滑面56fに向け、第二平面部130bを上方に向けた状態では、利用者は、第一平面部130aよりも硬質な板部132によって形成された第二平面部130b上に、各種の物品を安定的に載置することができる。
【0064】
このような第一クッション部材110、第二クッション部材120、第三クッション部材130の各々は、高さが異なるものを、複数種用意してもよい。このような第一クッション部材110、第二クッション部材120、第三クッション部材130は、上方から見た際の形状が、上記に例示した形状とは異なる、例えば、楕円形状、多角形状等、適宜他の形状であってもよい。
【0065】
図16は、他のオプション部材100の例を示す図である。
図16に示すように、オプション部材100として、テーブル天板145を下方から支持するテーブル支持部材140を備えるようにしてもよい。テーブル支持部材140は、テーブル天板145を下方から支持している。テーブル天板145は、上面に作業面145fを形成する。テーブル支持部材140は、テーブル天板145と、平滑面56fとの間に配置されている。テーブル支持部材140を、第一着座面51s上に載置した場合、テーブル天板145は、第一着座面51sから、第一方向Daにおいて、第二側Da2に張り出すように延びている。上方から見た際に、床面F上において、什器部材21から第一方向Daの第二側Da2に離間した位置には、支持部材148が設けられている。支持部材148は、床面Fから上方に延びている。テーブル天板145は、テーブル支持部材140と、支持部材148との間に架け渡されている。
【0066】
また、オプション部材100として、上記した以外にも、例えば、板状のトレー(不図示)等を備えるようにしてもよい。
【0067】
<配線収容部200>
図10、
図11に示すように、什器10は、それぞれ、配線収容部200を有している。配線収容部200は、配線収容空間201を有したベース部55と、カバー部材56と、を備えている。配線収容部200(配線収容空間201)は、着座什器50に複数のベース部55が配置されている場合、少なくとも一つのベース部55に形成されている。
【0068】
配線収容空間201は、着座什器50のベース部55の内部に形成されている。配線収容空間201は、一対の側板55aと、後板55bと、前板55cとに囲まれて形成されている。配線収容空間201は、開口部55kを通して、上方に開口している。配線収容空間201は、ベース部55内で、床面Fに沿う方向に連続している。
この配線収容空間201内には、電源タップ250等の配線部材が収容可能とされている。電源タップ250は、配線収容空間201内で、開口部55kの下端開口を通じて、床面F上に配置されている。
【0069】
配線収容空間201は、カバー部材56により、上方から覆われている。カバー部材56は、開口部55kに対して着脱可能とされているので、開口部55k(上端開口)を開閉可能に閉塞している。このような配線収容空間201は、着座空間R2においてカバー部材56を開くことで、開口部55kを通じてアクセス可能とされている。したがって、配線収容空間201は、機能部材30に対して第一方向Daの第二側Da2からアクセス可能である。
【0070】
機能部材30の第一仕切パネル32は、連通開口220を有している。連通開口220は、第一仕切パネル32の支持部35において、カバー部材56よりも下方に位置する部分に形成されている。連通開口220は、支持部35の下端縁が下方に開口するように切り欠かれることで形成されている。連通開口220は、第一仕切パネル32の支持部35を、第一方向Daの第一側Da1と第二側Da2とに連通するように形成されている。連通開口220は、着座什器50のカバー部材56よりも下方位置において、配線収容空間201と、作業空間R1とを連通している。本実施形態において、連通開口220は、第一方向Daの第一側Da1の作業空間R1に設けられた什器ベース部25内に連通している。
【0071】
連通開口220は、配線収容空間201内に収容された電源タップ250に一端が接続された配線212を、配線収容空間201から什器ベース部25内に引き回すことができる。配線212の他端は、什器ベース部25内で、例えば、側板25aや前板25c等に設けられたコネクタ接続部260に接続されている。コネクタ接続部260は、電源コンセント、USBコネクタ、LANコネクタ等の配線コネクタが着脱可能に接続される。
【0072】
図10に示すように、機能部材30の第一仕切パネル32内には、壁内配線挿通部230が形成されている。第一仕切パネル32は、例えば、金属製のフレーム材と、フレーム材に対して第一方向Daの両側に設けられた一対の表面パネル32pと、を有している。これにより、第一仕切パネル32(フレーム材)は、中空構造とされて、一対の表面パネル32p同士の間に、壁内配線挿通部230が形成されている。壁内配線挿通部230の下端は、連通開口220に連通している。これにより、壁内配線挿通部230は、カバー部材56よりも下方位置において、連通開口220を介して配線収容空間201と連通している。
【0073】
壁内配線挿通部230は、配線収容空間201から連通開口220を介して導入された配線213を、その内部に挿通可能とされている。配線213の一端は、配線収容空間201内に収容された電源タップ250に接続されている。
第一仕切パネル32において、第一方向Daの第一側Da1及び第二側Da2の少なくとも一方を向く壁側面を形成する表面パネル32pには、コンセント等のコネクタ接続部270が設けられている。配線213の他端は、壁内配線挿通部230内で、コネクタ接続部270に接続されている。コネクタ接続部270は、第一仕切パネル32の外部から、各種電気製品の電源配線等の配線コネクタが着脱可能に接続される。
【0074】
<什器システムにおける什器の配置例>
図1に示すように、什器システム1においては、上記したような複数の什器10(什器10A~10C)が、床面Fに沿った方向で間隔をあけて配置されている。
什器10Aは、第一方向Daを床面Fに沿うように設定したX方向に沿わせ、第二方向Dbを、床面Fに沿い、X方向に直交するよう設定したY方向に沿わせて配置されている。
什器10Cは、第一方向DaをX方向に沿わせ、第二方向DbをY方向に沿わせて配置されている。ただし、什器10Aにおける第一方向Daの第一側Da1及び第二側Da2と、什器10Cにおける第一方向Daの第一側Da1及び第二側Da2とは、X方向において互いに反対向きとなっている。
また、什器10Bは、第二方向DbをX方向に沿わせ、第一方向DaをY方向に沿わせて配置されている。
【0075】
什器10A(第一什器)と什器10C(第二什器)とは、着座什器50の第一着座部51同士を、向かい合わせて配置されている。これにより、什器10Aにおける第一方向Daを基準とすると、什器10Aに対し、什器10Cは、什器10Aにおける第一方向Daの第二側Da2に離間して配置されている。
第一什器としての什器10Aは、什器本体20A(第一什器本体)と、Y方向に延びる第一着座面51Asを有する第一着座部51Aと、を備えている。
第二什器としての什器10Cは、什器本体20C(第二什器本体)と、Y方向に延びる第一着座面51Cs(第三着座面)を有する第一着座部51C(第三着座部)と、を備えている。
つまり、什器10Aの第一着座部51Aと、什器10Bの第一着座部51Cとが、X方向に間隔をあけて、互いに平行に配置されている。これにより、什器10Aの第一着座部51Aと、什器10Cの第一着座部51Cとの間に、床面F上でY方向に連続する通路状の通路空間部T1が形成されている。
【0076】
また、什器10Aと、什器10Bとは、什器10Aの第二着座部52Bと、什器10Bの第一着座部51Bとを、Y方向に間隔をあけて、向かい合わせて配置されている。什器10Cと什器10Bとは、什器10Cの第二着座部52Aと、什器10Bの第一着座部51Bとを、Y方向に間隔をあけて、向かい合わせて配置されている。
什器10Aの第二着座部52B、及び什器10Cの第二着座部52Aと、什器10Bの第一着座部51Bとが、Y方向に間隔をあけて、互いに平行に配置されている。これにより、什器10Aの第二着座部52B、及び什器10Cの第二着座部52Aと、什器10Bの第一着座部51Bとの間に、上方から見た際に、通路空間部T1に直交し、床面F上でX方向に連続する通路状の直交通路空間部T2が形成されている。
【0077】
このように、本実施形態において、什器10は、床面F上に配置された着座什器50と、複数種の中から選択された少なくとも二種のオプション部材100と、を含む。着座什器50は、上方を向いて荷重を支持可能な平滑面56fを有し、オプション部材100は、平滑面56f上に載置され、かつ平滑面56f上における載置位置が、第二方向Dbで変更可能とされている構成とした。
この構成によれば、着座什器50の平滑面56f上に、少なくとも二種のオプション部材100を載置することで、利用者は、オプション部材100を用いて様々な形態で着座什器50に着座することができる。例えばオプション部材100が、第一クッション部材110、第二クッション部材120、第三クッション部材130である場合、利用者は、着座什器50の平滑面56f上にオプション部材100を介して着座することで、座り心地の向上や座面高さの変更を実現できる。また、オプション部材100が、載置台として利用可能な第三クッション部材130である場合、利用者は、利用者が平滑面56f上に着座した状態で、第二平面部130b上に物品を載置することで、物品を使用する際の作業性の向上や物品の転倒抑制等を図ることができる。しかも、オプション部材100は、平滑面56f上における載置位置が第二方向Dbで変更可能であるため、平滑面56f上の任意の位置に着座することができる。これにより、例えば複数人で什器10を利用した場合、各人が幅方向の好きな位置で好きなオプション部材100を利用することができる。したがって、使用形態の自由度を高めることが可能となる。
【0078】
本実施形態において、着座什器50は、ベース部55と、平滑面56fを有し、ベース部55上に配置されたカバー部材56と、を含む構成とした。
この構成によれば、ベース部55上にカバー部材56を設けることで、オプション部材100が載置可能な平滑面56fを有した着座什器50を容易に形成することができる。
【0079】
本実施形態において、複数種のオプション部材100は、高さが異なる構成とした。
この構成によれば、高さが異なる少なくとも二種のオプション部材100を、着座什器50の平滑面56f上に載置することで、利用者は、好みの高さに応じたオプション部材100を利用することができる。
【0080】
本実施形態において、複数種のオプション部材100は、上方から見た際の平面形状が異なる構成とした。
この構成によれば、平面形状が異なる少なくとも二種のオプション部材100を、着座什器50の平滑面56f上に載置することで、利用者は、用途等に応じて、好みの平面形状を有したオプション部材100を利用することができる。
【0081】
本実施形態において、オプション部材100は、平滑面56f上に載置した状態で、着座可能である構成とした。
この構成によれば、少なくとも二種のオプション部材100を、着座什器50の平滑面56f上に載置することで、利用者は、好みの種類のオプション部材100上に着座することができる。
【0082】
本実施形態において、オプション部材100としての第三クッション部材130は、上下方向の一方側を向くとともに、上下方向の一方側を平滑面56fに向けた状態でオプション部材100を平滑面56f上に載置した際に、平滑面56fに支持される第一平面部130aを有する構成とした。
この構成によれば、第三クッション部材130の第一平面部130aを平滑面56fに向けた状態で、オプション部材100を平滑面56f上に載置することで、第三クッション部材130を安定的に平滑面56f上に支持させることができる。
【0083】
本実施形態において、第三クッション部材130は、上下方向の他方側を向くとともに、第一平面部130aよりも硬い材料で形成された第二平面部130bを有する構成とした。
この構成によれば、第三クッション部材130の第一平面部130aを平滑面56fに向けた状態で、オプション部材100を平滑面56f上に載置することで、第一平面部130aよりも硬い材料で形成された第二平面部130bが、上方を向く。これにより、第二平面部130b上に、物品を安定的に載置することができる。
【0084】
本実施形態において、オプション部材100としてのテーブル支持部材140は、上面に作業面145fを形成するテーブル天板145と平滑面56fとの間に配置されて、テーブル天板145を下方から支持する構成とした。
この構成によれば、着座什器50の平滑面56f上に、テーブル支持部材140を介してテーブル天板145を設けることができる。これにより、利用者は、着座什器50を、より高い自由度で利用することができる。
【0085】
本実施形態において、上方から見た際に、床面F上において第二方向Dbに交差する第一方向Daで着座什器50から離間した位置には、上方に延びる支持部材148が設けられ、テーブル天板145は、第二方向Dbにおいて平滑面56fから張り出すように延びるとともに、テーブル支持部材140と支持部材148との間に架け渡されている構成とした。
この構成によれば、テーブル天板145を、平滑面56f上に載置されたテーブル支持部材140と、床面F上に配置した支持部材148とで、支持することができる。
【0086】
本実施形態において、着座什器50に対し、上方から見た際に、第二方向Dbに交差する第一方向Daの第一側Da1に配置され、床面F上の空間を第一方向Daの第一側Da1と第二側Da2とに仕切る仕切機能、物品を収容する物品収容機能、物品を載置する物品載置機能のうちの少なくとも一つの機能を有する機能部31を備えた機能部材30、を更に備える構成とした。
この構成によれば、機能部31を備えた機能部材30をさらに備えることで、什器システム1の使用形態の自由度を、さらに高めることが可能となる。
【0087】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、什器10が、什器本体20を備える構成としたが、什器本体20を備えない構成としてもよい。
【0088】
上述した実施形態では、着座什器50を、ベース部55とカバー部材56とを備えるようにしたが、これに限られず、着座什器50は、オプション部材100を載置可能な平滑面56fを有しているのであれば、適宜他の構成としてもよい。
【0089】
また、オプション部材100として、第一クッション部材110、第二クッション部材120、第三クッション部材130、テーブル支持部材140を例示したが、オプション部材100は、上記に例示した以外の種類のものであってもよい。
【0090】
上述した実施形態では、利用者は、平滑面56f上に載置したオプション部材100に着座するようにしたが、平滑面56f上に直接着座することも可能である。
【0091】
上述した実施形態では、複数の什器10により什器システム1を構成するようにしたが、これに限られず、什器10を単体で用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0092】
10、10A~10C 什器(什器ユニット)
30、30A~30C 機能部材
31 機能部
35f 平面部
50 着座什器
55 ベース部
56 カバー部材(上面部材)
56f 平滑面
100 オプション部材
110 第一クッション部材(オプション部材)
120 第二クッション部材(オプション部材)
130 第三クッション部材(オプション部材)
130a 第一平面部
130b 第二平面部
140 テーブル支持部材(オプション部材)
145 テーブル天板
145f 作業面
148 支持部材
Da 第一方向(交差方向)
Da1 第一側
Da2 第二側
Db 第二方向(幅方向)
Db1 一方側
Db2 他方側
F 床面