IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

<>
  • 特開-空間形成装置 図1
  • 特開-空間形成装置 図2
  • 特開-空間形成装置 図3
  • 特開-空間形成装置 図4
  • 特開-空間形成装置 図5
  • 特開-空間形成装置 図6
  • 特開-空間形成装置 図7
  • 特開-空間形成装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058306
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】空間形成装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/62 20060101AFI20240418BHJP
   E04H 1/06 20060101ALI20240418BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20240418BHJP
   A47C 9/02 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A47C7/62 Z
E04H1/06
A47G5/00 A
A47C9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165584
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍介
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
【Fターム(参考)】
3B084JA00
3B084JA04
3B084JC00
3B095AC10
3B095CA01
(57)【要約】
【課題】外部からのぞき見を抑制することができるとともに、内部空間の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる空間形成装置を提供する。
【解決手段】空間形成装置100は、平面視して前後左右のうち少なくとも三方を囲み内部空間S2を形成するパネル体1Aを有するパネルユニット1と、パネル体1Aに対して内部空間S2と反対側に設けられ、パネル体1Aへの近接を規制するスペーサ部6と、を備え、スペーサ部6は、パネル体1Aから内部空間S2と反対側に向かって突出しているる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視して前後左右のうち少なくとも三方を囲み内部空間を形成するパネル体を有するパネルユニットと、
前記パネル体に対して前記内部空間と反対側に設けられ、前記パネル体への近接を規制するスペーサ部と、を備える空間形成装置。
【請求項2】
前記スペーサ部は、前記パネル体から前記内部空間と反対側に向かって突出している請求項1に記載の空間形成装置。
【請求項3】
前記スペーサ部は、前記パネル体の下部に設けられている請求項1または2に記載の空間形成装置。
【請求項4】
前記パネル体は、
左右方向に沿って配置される第1パネル部と、
前記第1パネル部から前方に延び、互いに左右方向に対向する一対の第2パネル部と、を有する請求項1または2に記載の空間形成装置。
【請求項5】
前記スペーサ部は、前記第1パネル部から一対の前記第2パネル部にわたって連続して形成されている請求項4に記載の空間形成装置。
【請求項6】
前記スペーサ部は、
床面上に設置される支持部と、
前記支持部に支持され、板面を上下方向に向けて配置された平板部と、を有する請求項1または2に記載の空間形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや公共施設等における執務空間においては、外部空間に対して区画され内部空間を形成する空間形成装置が知られている。例えば、パネル部材によって内部空間を形成するパネルユニットと、パネルユニット内に設置された什器(例えば、椅子や机等)と、を備えた空間形成装置が提案されている(下記の特許文献1,2参照)。パネルユニットによって内部空間が外部空間と区画されているため、外部空間からの影響を受けることが無く、什器を利用した打合せや執務を集中して行うことができる。
【0003】
また、外部空間からパネルユニット越しに内部空間をのぞき見されないように、パネルユニットの高さ寸法を高く設定した空間形成装置も提案されている(下記の特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-111147号公報
【特許文献2】特開2022-119934号公報
【特許文献3】特許第6868076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3にあっては、外部空間からのぞき見されないためには、パネルユニットを構成するパネル部材の高さ寸法を全体的に高くする必要があるため、設置位置によっては天井照明がパネル部材によって遮られてしまい、パネルユニットの内部空間が暗くなってしまうという問題点がある。また、内部空間が高い壁のようなパネル部材で囲われた空間になるため、利用者が閉塞感を感じてしまうという問題点もある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外部からのぞき見を抑制することができるとともに、内部空間の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる空間形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る空間形成装置は平面視して前後左右のうち少なくとも三方を囲み内部空間を形成するパネル体を有するパネルユニットと、前記パネル体に対して前記内部空間と反対側に設けられ、前記パネル体への近接を規制するスペーサ部と、を備える。
【0008】
このように構成された空間形成装置では、パネル体によって前後左右のうち少なくとも三方が囲まれた内部空間が形成されている。パネル体に対して内部空間と反対側には、パネル体への近接を規制するスペーサ部が設けられている。よって、パネルユニットを挟んで内部空間と反対側の外部空間からパネルユニットに近づこうとしても、スペーサ部によってパネル体に近接することが規制されるため、内部空間ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネルユニットの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0009】
また、本発明に係る空間形成装置では、前記スペーサ部は、前記パネル体から前記内部空間と反対側に向かって突出していてもよい。
【0010】
このように構成された空間形成装置では、パネル体には、内部空間と反対側に向かって突出するスペーサ部が設けられている。よって、パネルユニットを挟んで内部空間と反対側の外部空間からパネルユニットに近づこうとしても、スペーサ部のパネルユニットの外面からの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネルユニットの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0011】
また、本発明に係る空間形成装置では、前記スペーサ部は、前記パネル体の下部に設けられていてもよい。
【0012】
このように構成された空間形成装置では、スペーサ部は、パネル体の下部に設けられている。よって、外部空間にいる人がパネルユニットに近づくことを確実に抑制することができる。
【0013】
また、本発明に係る空間形成装置では、前記パネル体は、左右方向に沿って配置される第1パネル部と、前記第1パネル部から前方に延び、互いに左右方向に対向する一対の第2パネル部と、を有していてもよい。
【0014】
このように構成された空間形成装置では、第1パネル部によって後方及び第2パネルによって左右方向の両側が囲まれた内部空間が形成されている。よって、内部空間にいる利用者は、後方及び左右両側からの他人の視線を気にすることなく、集中して執務をすることができる。
【0015】
また、本発明に係る空間形成装置では、前記スペーサ部は、前記第1パネル部から一対の前記第2パネル部にわたって連続して形成されていてもよい。
【0016】
このように構成された空間形成装置では、スペーサ部が第1パネル部から一対の第2パネル部にわたって連続して形成されているため、パネルユニットの外部空間の全域にわたって、人がのぞき見することを抑制することができる。
【0017】
また、本発明に係る空間形成装置では、前記スペーサ部は、床面上に設置される支持部と、前記支持部に支持され、板面が上下方向を向く平板部と、を有していてもよい。
【0018】
このように構成された空間形成装置では、スペーサ部の平板部は床面上に設置される支持部に支持されているため、スペーサ部はパネルユニットを支持する支持脚としても機能するとともに、平板部に物品等を載置することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る空間形成装置によれば、外部からのぞき見を抑制することができるとともに、内部空間の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一実施形態に係る空間形成装置の斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る空間形成装置の平面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る空間形成装置の側面図である。
図4】本発明の第二実施形態に係る空間形成装置の斜視図である。
図5】本発明の第三実施形態に係る空間形成装置の斜視図である。
図6】本発明の変形例1に係る空間形成装置の模式的な平面図である。
図7】本発明の変形例2に係る空間形成装置の模式的な平面図である。
図8】本発明の変形例3に係る空間形成装置の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第一実施形態)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0022】
<空間形成装置>
図1は、本発明の第一実施形態に係る空間形成装置を示す斜視図である。
図1に示す空間形成装置100は、各種施設(オフィスや公共施設等)において、床面F上に設置されるブース装置である。
【0023】
空間形成装置100は、外部空間S1と区画された内部空間S2を形成し、例えば内部空間S2で作業を行う場合に用いられる。空間形成装置100は、パネルユニット1と、ベース部3と、着座部材4と、プレート部材5と、を備えている。
【0024】
以下の説明において、前後左右などの向きは着座部材4に着座した利用者から見た方向に基づき、左右方向を幅方向Dw、水平方向に沿い幅方向Dwと直交する方向を前後方向Df、幅方向Dw及び前後方向Dfに直交する方向を上下方向Dvとする。幅方向Dwのうち中心に向かう方向を幅方向Dwの内側とし、反対側を幅方向Dwの外側とする。
【0025】
<パネルユニット>
パネルユニット1は、パネル体1Aを有している。パネル体1Aは、第1パネル部材(第1パネル部)11と、コーナーパネル部材(第2パネル部)12と、第2パネル部材(第2パネル部)13と、を有している。第1パネル部材11と、コーナーパネル部材12及び第2パネル部材13を総称して、パネル部材10と称することがある。
【0026】
パネル部材10は、床面F上に設置されるパネル本体21と、パネル本体21を覆う下部表装部22及び上部表装部23と、を有している。パネル本体21は、例えば金属や木材等の部材により構成された板状の基材である。パネル本体21の表面は、下側の部分が下部表装部22で覆われ、下側よりも上方の部分が上部表装部23で覆われている。例えば、下部表装部22は金属等の部材であり、上部表装部23は布等の部材である。なお、パネル本体21は上下方向Dvにわたって同一の表装部材で覆われていてもよい。
【0027】
図2は、空間形成装置100の平面図である。
図2に示すように、第1パネル部材11は、幅方向Dwに沿って配置されている。第1パネル部材11の板面は、前後方向Dfを向いている。
【0028】
第2パネル部材13は、前後方向Dfに沿って配置されている。第2パネル部材13の板面は、幅方向Dwを向いている。一対の第2パネル部材13が、幅方向Dwに対向して配置されている。
【0029】
コーナーパネル部材12は、第1パネル部材11の幅方向Dwの端部と第2パネル部材13の後端部とを接続している。コーナーパネル部材12は、上下方向Dvから見て円弧状に形成されている。第1パネル部材11とコーナーパネル部材12とは、不図示の連結手段で連結されている。コーナーパネル部材12と第2パネル部材13とは、不図示の連結手段で連結されている。
【0030】
第1パネル部材11、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13によって囲まれた空間が、内部空間S2である。内部空間S2は、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13によって、平面視して三方が囲まれている。内部空間S2は、幅方向Dwの両側及び後方が囲まれている。内部空間S2の上方は、開放されている。第1パネル部材11、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13において、内部空間S2側を向く面を内面1aと称し、外部空間S1側を向く面を外面1bと称する。
【0031】
パネル体1の前後方向Dfの長さ寸法をaとする。パネル体1の幅方向Dwの長さ寸法をbとする。平面視して三方が囲まれた内部空間S2では、b/2≦aであることが好ましい。
【0032】
<ベース部>
図1に示すように、ベース部3は、床面F上に設置されている。ベース部3は、例えば金属等の部材により構成された箱状の部材である。ベース部3は、パネル体1Aの内面1a及び外面1bに沿って配置されている。ベース部3は、後述する着座部材4及びプレート部材5が設置される下側に配置されている。ベース部3における床面Fに沿う方向の側面31は、下方に向かうにしたがって次第に内方に向かうように傾斜している。
【0033】
<着座部材>
着座部材4は、ベース部3におけるパネル体1Aの内面1aに沿った部分に配置されている。着座部材4は、例えば座板及びクッション材が外皮によって覆われた構成である。着座部材4は、ベース部3及びパネル体1Aの少なくとも一方に固定されている。なお、着座部材4は、ベース部3及びパネル体1Aに固定されずに、ベース部3上に載置される構成であってもよい。着座部材4は、上下方向Dvから見て略矩形をしている。着座部材4の前端部4fは、第2パネル部材13の前端部13fよりも前方に位置している。
【0034】
<プレート部材>
図2に示すように、プレート部材5は、ベース部3におけるパネル体1Aの外面1bに沿って部分に配置されている。プレート部材5は、例えば金属等の部材により構成された板状の部材である。プレート部材5の板面は、上下方向Dvを向いている。プレート部材5は、ベース部3に固定されている。なお、プレート部材5は、ベース部3に固定されずに、ベース部3上に載置される構成であってもよい。プレート部材5の上面には、例えば物品を載置することができる。
【0035】
<スペーサ部>
ベース部3及びプレート部材5におけるパネル体1Aの外面1bに沿う領域の部分が、請求項のスペーサ部6に対応する。スペーサ部6に配置されるベース部3(図1参照)は、請求項の支持部に対応する。スペーサ部6に配置されるプレート部材5は、請求項の平板部に対応する。
【0036】
スペーサ部6は、内部空間S2を利用しない人のパネル体1Aへの近接を規制するものである。スペーサ部6は、パネル体1Aの下部に設けられている。スペーサ部6は、パネル体1Aの外面1bから内部空間S2と反対側の外部空間S1に向かって突出している。
【0037】
スペーサ部6は、後方スペーサ領域61と、一対の側方スペーサ領域62と、一対のコーナースペーサ領域63と、が連続した形状をしている。説明の便宜上、各領域の境界部を二点鎖線で示す。
【0038】
後方スペーサ領域61は、第1パネル部材11の外面11bから後方に向かって突出している。上下方向Dvから見て、後方スペーサ領域61は、幅方向Dwに長い略矩形をしている。
【0039】
側方スペーサ領域62は、第2パネル部材13の外面13bから幅方向Dwの外側に突出している。上下方向Dvから見て、側方スペーサ領域62は、略矩形をしている。左側の側方スペーサ領域62には、ベース部3及びプレート部材5で構成され前方に延出する前方延出部66が設けられている。
【0040】
コーナースペーサ領域63は、コーナーパネル部材12の外面12bから幅方向Dwの外側且つ後方に向かって突出している。上下方向Dvから見て、コーナーパネル部材12は、略矩形をしている。コーナースペーサ領域63は、後方スペーサ領域61及び側方スペーサ領域62に接続されている。
【0041】
後方スペーサ領域61、コーナースペーサ領域63及び側方スペーサ領域62によって、スペーサ部6は、第1パネル部材11の外面11bからコーナーパネル部材12の外面12b、第2パネル部材13の外面13bにわたって連続して形成されている。
【0042】
図3は、空間形成装置100の側面図である。
図3に示すように、パネル体1の床面Fからの高さ寸法Hは、900mm~1200mmであることが好ましい。スペーサ部6のパネル体1Aの外面1bからの突出長さ寸法Aは、500mm~600mmであることが好ましい。
【0043】
外部空間S1にいる人P1がパネル体1Aで囲われた内部空間S2を見ようとした場合について説明する。人P1は、第1パネル部材11の後方に立つ場合には後方スペーサ領域61の後方に(図3参照)、コーナーパネル部材12であればコーナースペーサ領域63よりも幅方向Dwの外側または後方に、第2パネル部材13であれば側方スペーサ領域62よりも幅方向Dwの外側に立つことになる。このため、パネル部材10で遮られて、内部空間S2の内部を覗きすることが抑制される(視界Q1参照)。一方、スペーサ部6が無い場合には、人P2のように、パネル体1Aの外面1bに近づくことができるため、内部空間S2を覗き見しやすい(視界Q2参照)。
【0044】
このように構成された空間形成装置100では、第1パネル部材11、コーナーパネル部材12及び第2パネル部材13によって幅方向Dwの両側及び後方が囲まれた内部空間S2が形成されている。パネル体1Aにおける内部空間S2と反対側の外部空間S1を向く外面1bには、外面1bから外部空間S1に向かって突出するスペーサ部6が設けられている。よって、パネル体1Aを挟んで内部空間S2と反対側の外部空間S1からパネル体1Aに近づこうとしても、スペーサ部6のパネル体1Aの外面1bからの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間S2ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネル体1Aの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間S2の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0045】
また、スペーサ部6は、第1パネル部材11、コーナーパネル部材12及び第2パネル部材13の下部に設けられている。よって、外部空間S1にいる人P1がパネル体1Aに近づくことを確実に抑制することができる。
【0046】
また、スペーサ部6は、第1パネル部材11の外面11bからコーナーパネル部材12の外面12b、第2パネル部材13の外面13bにわたって連続して形成されている。よって、パネル体1Aの外部空間S1の全域にわたって、人P1がのぞき見することを抑制することができる。
【0047】
また、スペーサ部6のプレート部材5は床面F上に設置されるベース部3に支持されている。よって、スペーサ部6はパネル体1Aを支持する支持脚としても機能するとともに、プレート部材5に物品等を載置することもできる。
【0048】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る空間形成装置について、主に図4を用いて説明する。以下で説明する実施形態及び変形例において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図4は、本発明の第二実施形態に係る空間形成装置の斜視図である。
図4に示すように、本実施形態に係る空間形成装置100Aでは、スペーサ部6Aは、複数の側方延出部64と、連結部65と、を有している。
【0049】
側方延出部64は、パネル体1Aの外面1bから外部空間S1に向かって突出している。第1パネル部材11の外面11bに設けられた側方延出部64aは、後方に延びている。コーナーパネル部材12の外面12bに設けられた側方延出部64bは、幅方向Dwの外側且つ後方に延びている。第2パネル部材13の外面13bに設けられた側方延出部64cは、幅方向Dwの外側に向かって延びている。なお、側方延出部64a,64b,64cは、パネル体1Aの外面1bから外部空間S1に向かって延びていれば、延びる方向は適宜設定可能である。
【0050】
連結部65は、複数の側方延出部64を連結している。連結部65は、後方連結部65aと、一対の側方連結部65bと、を有している。後方連結部65a及び側方連結部65bは、一体に形成されている。
【0051】
後方連結部65aは、複数の側方延出部64aの後端部及び側方延出部64bの後端部を連結している。側方連結部65bは、複数の側方延出部64cの幅方向Dwの外側の端部及び側方延出部64bの後端部を連結している。後方連結部65aの幅方向Dwの外側の端部と側方連結部65bの後端部とは、連結されている。
【0052】
このように構成された空間形成装置100Aでは、第1パネル部材11、コーナーパネル部材12及び第2パネル部材13によって幅方向Dwの両側及び後方が囲まれた内部空間S2が形成されている。パネル体1Aにおける内部空間S2と反対側の外部空間S1を向く外面1bには、外面1bから外部空間S1に向かって突出するスペーサ部6Aが設けられている。よって、パネル体1Aを挟んで内部空間S2と反対側の外部空間S1からパネル体1Aに近づこうとしても、スペーサ部6Aのパネル体1Aの外面1bからの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間S2ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネル体1Aの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間S2の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0053】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態に係る空間形成装置について、主に図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第三実施形態に係る空間形成装置の斜視図である。
図5に示すように、本実施形態に係る空間形成装置100Bでは、スペーサ部6Bは、複数の支持部67と、平板部68と、を有している。
【0054】
複数の支持部67は、外部空間S1に配置されている。複数の支持部67は、第1パネル部材11の後方及び第2パネル部材13の幅方向Dwの外側に配置されている。
【0055】
平板部68は、板面を上下方向Dvに向けた板状をしている。平板部68は、複数の支持部67に支持されている。平板部68は、第1パネル部材11の外面11bから後方に突出するとともに第2パネル部材13の外面13bから幅方向Dwの外側に突出する形状をしている。平板部68の後部に位置する後辺68aは、第1パネル部材11の後方で幅方向Dwに沿うように延びている。平板部68の幅方向Dwの外側に位置する側辺68bは、第2パネル部材13の幅方向Dwの外側で前後方向Dfに沿うように延びている。
【0056】
このように構成された空間形成装置100Bでは、第1パネル部材11、コーナーパネル部材12及び第2パネル部材13によって幅方向Dwの両側及び後方が囲まれた内部空間S2が形成されている。パネル体1Aにおける内部空間S2と反対側の外部空間S1を向く外面1bには、外面1bから外部空間S1に向かって突出するスペーサ部6Bが設けられている。よって、パネル体1Aを挟んで内部空間S2と反対側の外部空間S1からパネル体1Aに近づこうとしても、スペーサ部6Bのパネル体1Aの外面1bからの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間S2ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネル体1Aの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間S2の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0057】
(変形例1)
次に、本発明の変形例1に係る空間形成装置について、主に図6を用いて説明する。
図6は、本発明の変形例1に係る空間形成装置の模式的な平面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る空間形成装置100Cでは、パネル体1Cは、平面視して正方形の三辺14(外面1b)に沿うように配置されている。パネル体1Cは、平面視してコの字状に配置されている。パネル体1Cは、幅方向Dwの両側及び後方を囲むように内部空間S2を形成している。スペーサ部6Cは、パネル体1Cの三辺14(外面1b)に沿って、外部空間S1側に配置されている。
【0058】
このように構成された空間形成装置100Cでは、パネル体1Cによって幅方向Dwの両側及び後方が囲まれた内部空間S2が形成されている。パネル体1Cにおける内部空間S2と反対側の外部空間S1を向く外面1bには、外面1bから外部空間S1に向かって突出するスペーサ部6Cが設けられている。よって、パネル体1Cを挟んで内部空間S2と反対側の外部空間S1からパネル体1Cに近づこうとしても、スペーサ部6Cのパネル体1Cの外面1bからの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間S2ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネル体1Cの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間S2の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0059】
(変形例2)
次に、本発明の変形例2に係る空間形成装置について、主に図7を用いて説明する。
図7は、本発明の変形例2に係る空間形成装置の模式的な平面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る空間形成装置100Dでは、パネル体1Dは、平面視して半円形15(外面1b)に沿うように配置されている。パネル体1Dは、幅方向Dwの両側及び後方を囲むように内部空間S2を形成している。スペーサ部6Dは、パネル体1Dの半円形15(外面1b)に沿って、外部空間S1側に配置されている。
【0060】
このように構成された空間形成装置100Dでは、パネル体1Dによって幅方向Dwの両側及び後方が囲まれた内部空間S2が形成されている。パネル体1Dにおける内部空間S2と反対側の外部空間S1を向く外面1bには、外面1bから外部空間S1に向かって突出するスペーサ部6Dが設けられている。よって、パネル体1Dを挟んで内部空間S2と反対側の外部空間S1からパネル体1Dに近づこうとしても、スペーサ部6Dのパネル体1Dの外面1bからの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間S2ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネル体1Dの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間S2の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0061】
(変形例3)
次に、本発明の変形例3に係る空間形成装置について、主に図8を用いて説明する。
図8は、本発明の変形例3に係る空間形成装置の模式的な平面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る空間形成装置100Eでは、パネル体1Eは、平面視して正三角形の二辺16(外面1b)に沿うように配置されている。パネル体1Eは、平面視してV字状に配置されている。パネル体1Eは、幅方向Dwの両側及び後方を囲むように内部空間S2を形成している。スペーサ部6Eは、パネル体1Eの二辺16(外面1b)に沿って、外部空間S1側に配置されている。
【0062】
このように構成された空間形成装置100Eでは、パネル体1Eによって幅方向Dwの両側及び後方が囲まれた内部空間S2が形成されている。パネル体1Eにおける内部空間S2と反対側の外部空間S1を向く外面1bには、外面1bから外部空間S1に向かって突出するスペーサ部6Eが設けられている。よって、パネル体1Eを挟んで内部空間S2と反対側の外部空間S1からパネル体1Eに近づこうとしても、スペーサ部6Eのパネル体1Eの外面1bからの突出長さ分、外側に立つことになるため、内部空間S2ののぞき見を抑制することができる。また、のぞき見防止のためにパネル体1Eの高さ自体を高くする必要はないため、内部空間S2の照度を確保して、利用者の閉塞感を軽減することができる。
【0063】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0064】
上述した実施形態では、スペーサ部6は、後方スペーサ領域61、コーナースペーサ領域63及び側方スペーサ領域62に連続して形成されているが、これに限られない。スペーサ部6は、第1パネル部及び一対の第2パネル部の一部にのみ設けられていてもよい。例えば、スペーサ部6は、第1パネル部材11にのみ設けられていてもよく、一対の側方スペーサ領域62の一方の側方スペーサ領域62にのみ設けらえていてもよく、コーナースペーサ領域63にのみ設けられていてもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、パネル体1Aは、着座部材4に着座する利用者の後方及び幅方向Dwの両側方に配置されているが、これに限られない。パネルユニットは、前後左右のうち少なくとも三方に配置されていればよい。例えば、利用者が前方を向いて使用する形態で、幅方向の一方側に第1パネル部が配置され、前後方向の両側に第2パネルが配置されていてもよい。
【0066】
また、上述した実施形態では、パネル体1Aの第2パネル部材13は、前後方向に沿って配置されているが、これに限られない。パネルユニットは、前後左右のうち少なくとも三方に配置されていればよい。例えば、第2パネル部材13は、前方に向かうにしたがって次第に幅方向Dwの内側に向かうように前後方向Dfに対して傾斜していてもよく、または前方に向かうにしたがって次第に幅方向Dwの外側に向かうように前後方向Dfに対して傾斜していてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、着座部材4は、パネル体1Aに面して設けられているが、これに限られない。着座部材4の一部がパネル体1Aに面して配置されていてもよく、着座部材4がパネル体1Aと隙間を空けて配置されていてもよい。
【0068】
また。上述した実施形態では、着座部材4が設けられているが、これに限られない。着座部材4が設けられておらず、利用者が内部空間S2内で床面Fに着座したり床面F上に立ったりして利用してもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、パネル体1Aはコーナーパネル部材12を備えているが、これに限られない。第1パネル部材11の幅方向Dwの両端部に直接第2パネル部材13が連結されて、第1パネル部材11と第2パネル部材13とで形成されるコーナー部が直角であってもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、スペーサ部6は、パネル体1Aの下部に設けられているが、これに限られない。スペーサ部6は設けられる上下方向Dvの位置は適宜設定可能であり、パネル体1Aの上部、上下方向Dvの中間部、上下方向Dvの略全長にわたって設けられていてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、パネル体1Aは3枚のパネル材を有しているが、これに限られない。パネル体が、1枚のパネル部材で一体的に形成されていてもよく、あるいは2枚や4枚以上のパネル材で構成されていてもよい。
【0072】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 パネルユニット
1A パネルユニット
3 ベース部(支持部)
5 プレート部材(平板部)
6,6A,6B スペーサ部
67 支持部
68 平板部
100,100A,100B 空間形成装置
F 床面
Df 前後方向
Dv 上下方向
Dw 幅方向
S1 外部空間
S2 内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8