(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058308
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/02 20060101AFI20240418BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240418BHJP
A47C 7/40 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A47C7/02 Z
A47C7/62 Z
A47C7/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165586
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 龍介
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084BA00
3B084JB01
(57)【要約】
【課題】着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができるとともに、自立安定性を向上させることができる椅子を提供する。
【解決手段】椅子100は、床面F上に設置されるベース体3Aと、ベース体3Aの前部に支持された着座部4と、を備え、着座部4を支持するベース体3Aの前側には、着座部4の前端部4fよりも後方に第1下肢収容空間S11が配置され、ベース体3Aの少なくとも後部の上部には、物品を載置可能な支持面5uが形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に設置されるベース体と、
前記ベース体の前部に支持された着座部と、を備え、
前記着座部を支持する前記ベース体の前側には、前記着座部の前端部よりも後方に第1下肢収容空間が配置され、
前記ベース体の少なくとも後部の上部には、物品を載置可能な支持面が形成されている椅子。
【請求項2】
前記第1下肢収容空間は、前記着座部を支持する前記ベース体の前部に、前方から後方に向かって凹むように形成されている請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記ベース体は、
前記床面上に設置され前記着座部を支持するベース部と、
前記ベース部の少なくとも後部に支持され、上部に前記支持面が形成された支持部と、を有する請求項1に記載の椅子。
【請求項4】
前記着座部を支持する前記ベース体の前部には、前記床面上に設置される前壁部が設けられ、
前記前壁部の前面は、下方に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜し、
前記前壁部の下方には、前記第1下肢収容空間が形成されている請求項1または2に記載の椅子。
【請求項5】
前記床面から前記支持面までの高さは、前記床面から前記着座部の上面までの高さよりも低い請求項1または2に記載の椅子。
【請求項6】
前記ベース体の重量は、前記着座部の重量よりも大きい請求項1または2に記載の椅子。
【請求項7】
前記着座部と前記支持面との間に配置され、板面を前後方向に向けたパネル体を備える請求項2または3に記載の椅子。
【請求項8】
前記支持面には、着座可能であり、
前記支持面が形成された前記ベース体の後部には、後方から前方に向かって凹む第2下肢収容空間が形成されている請求項2または3に記載の椅子。
【請求項9】
前記支持面が形成された前記ベース体の後部には、前記床面上に設置される後壁部が設けられ、
前記後壁部の後面は、下方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜し、
前記後壁部の下方には、前記第2下肢収容空間が形成されている請求項8に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや公共施設等における執務空間においては、執務や打合せ、休憩時に、利用者が着座して使用することができる椅子が設置されていることが多い。
【0003】
特に、打合せや休憩時においては、リラックスした姿勢で着座することができるソファを利用することが望まれている。ソファとしては、床面上に設置されるベース部と、ベース部上に配置されたクッション性を有する着座部と、を備えた構成が多く見られる(下記の特許文献1参照)。
【0004】
また、このようなソファを含む椅子においては、ベース部に、前方から後方に向かって凹む蹴込み空間を形成することによって、着座者の下肢を収容することができ、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させたものも多く見られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、ベース部が箱状に形成されている場合に、前方から後方に凹む蹴込み空間を広く形成すると、椅子としての自立安定性が低下してしまうという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができるとともに、自立安定性を向上させることができる椅子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る椅子は、床面上に設置されるベース体と、前記ベース体の前部に支持された着座部と、を備え、前記着座部を支持する前記ベース体の前側には、前記着座部の前端部よりも後方に第1下肢収容空間が配置され、前記ベース体の少なくとも後部の上部には、物品を載置可能な支持面が形成されている。
【0009】
このように構成された椅子では、ベース体の前部には着座部が支持され、利用者は椅子の前部である着座部に着座することができる。ベース体の後部には、支持面が形成されている。支持面には物品を載置することができるため、後部に支持面が形成されたベース体は所望の重量を有している。よって、利用者が着座部に着座した場合に、椅子が前方に転倒することが抑制され、自立安定性を向上させることができる。
また、着座部を支持するベース体の前側には、着座部の前端部よりも後方に第1下肢収容空間が配置されている。よって、着座部に着座した利用者は、第1下肢収容空間に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明に係る椅子では、前記第1下肢収容空間は、前記着座部を支持する前記ベース体の前部に、前方から後方に向かって凹むように形成されていてもよい。
【0011】
このように構成された椅子では、着座部を支持するベース体の前部に、前方から後方に向かって凹むように第1下肢収容空間が形成されている。よって、ベース体の前部の形状によって、第1下肢収容空間の自由度を高めることができる。
【0012】
また、本発明に係る椅子では、前記ベース体は、前記床面上に設置され前記着座部を支持するベース部と、前記ベース部の少なくとも後部に支持され、上部に前記支持面が形成された支持部と、を有していてもよい。
【0013】
このように構成された椅子では、上部に支持面が形成された支持部は、ベース部の少なくとも後部に支持されている。よって、所望の形状の支持部を適宜設置することができる。
【0014】
また、本発明に係る椅子では、前記着座部を支持する前記ベース体の前部には、前記床面上に設置される前壁部が設けられ、前記前壁部の前面は、下方に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜し、前記前壁部の下方には、前記第1下肢収容空間が形成されていてもよい。
【0015】
このように構成された椅子では、ベース体の前壁部の前面は、下方に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜している。前壁部の下方には、第1下肢収容空間が形成されている。よって、第1下肢収容空間を広く確保することができるとともに、下肢が前壁部の前面に接触した際の違和感を抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る椅子では、前記床面から前記支持面までの高さは、前記床面から前記着座部の上面までの高さよりも低くてもよい。
【0017】
このように構成された椅子では、床面から支持面までの高さは、床面から着座部の上面までの高さよりも低い。よって、利用者は着座部に着座した姿勢で、低い位置にある支持面上に物品を置いたり、支持面上から物品を取ったりすることができる。
【0018】
また、本発明に係る椅子では、前記ベース体の重量は、前記着座部の重量よりも大きくてもよい。
【0019】
このように構成された椅子では、ベース体の重量は、着座部の重量よりも大きい。よって、椅子の自立安定性をより一層向上させることができる。
【0020】
また、本発明に係る椅子は、前記着座部と前記支持面との間に配置され、板面を前後方向に向けたパネル体を備えていてもよい。
【0021】
このように構成された椅子では、着座部と支持面との間には、板面を前後方向に向けたパネル体が配置されている。よって、着座部と支持面との間をパネル体で区画して、着座部側と支持面側とを別の空間として別々に利用することができる。
【0022】
また、本発明に係る椅子は、前記支持面には、着座可能であり、前記支持面が形成された前記ベース体の後部には、後方から前方に向かって凹む第2下肢収容空間が形成されていてもよい。
【0023】
このように構成された椅子では、支持面が形成されたベース体の後部には、後方から前方に向かって凹む第2下肢収容空間が形成されている。よって、支持面に着座した利用者は、第2下肢収容空間に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
また、利用者は、第2下肢収容空間に足先を入れて、支持面上に物品を置いたり、支持面上から物品を取ったりする際の支持面へのアクセス性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明に係る椅子では、前記支持面が形成された前記ベース体の後部には、前記床面上に設置される後壁部が設けられ、前記後壁部の後面は、下方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜し、前記後壁部の下方には、前記第2下肢収容空間が形成されていてもよい。
【0025】
このように構成された椅子では、ベース体の後壁部の後面は、下方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜している。後壁部の下方には、第2下肢収容空間が形成されている。よって、第2下肢収容空間を広く確保することができるとともに、下肢が後壁部の後面に接触した際の違和感を抑制することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る椅子によれば、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができるとともに、自立安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る椅子の斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る椅子の平面図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る椅子の一部を破断した側面図である。
【
図4】本発明の第二実施形態に係る椅子の一部を破断した側面図である。
【
図5】本発明の第三実施形態に係る椅子の一部を破断した側面図である。
【
図6】本発明の第四実施形態に係る椅子の側面図である。
【
図7】本発明の第五実施形態に係る椅子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一実施形態)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0029】
<椅子>
図1は、本発明の第一実施形態に係る椅子を示す斜視図である。
図1に示す椅子100は、各種施設(オフィスや公共施設等)において、床面F上に設置されるソファである。
【0030】
椅子100は、パネルユニット1と、ベース体3Aと、着座部材(着座部)4と、を備えている。
【0031】
以下の説明において、前後左右などの向きは着座部材4に着座した利用者から見た方向に基づき、左右方向を幅方向Dw、水平方向に沿い幅方向Dwと直交する方向を前後方向Df、幅方向Dw及び前後方向Dfに直交する方向を上下方向Dvとする。幅方向Dwのうち中心に向かう方向を幅方向Dwの内側とし、反対側を幅方向Dwの外側とする。
【0032】
<パネルユニット>
パネルユニット1は、パネル体1Aを有している。パネル体1Aは、第1パネル部材11と、コーナーパネル部材12と、第2パネル部材13と、を有している。第1パネル部材11と、コーナーパネル部材12及び第2パネル部材13を総称して、パネル部材10と称することがある。
【0033】
パネル部材10は、床面F上に設置されるパネル本体21と、パネル本体21を覆う下部表装部22及び上部表装部23と、を有している。パネル本体21は、例えば金属や木材等の部材により構成された板状の基材である。パネル本体21の表面は、下側の部分が下部表装部22で覆われ、下側よりも上方の部分が上部表装部23で覆われている。例えば、下部表装部22は金属等の部材であり、上部表装部23は布等の部材である。なお、パネル本体21は上下方向Dvにわたって同一の表装部材で覆われていてもよい。
【0034】
図2は、椅子100の平面図である。
図2に示すように、第1パネル部材11は、幅方向Dwに沿って配置されている。第1パネル部材11の板面は、前後方向Dfを向いている。第1パネル部材11は、着座部材4とプレート部材5との間に配置されている。第1パネル部材11は、請求項のパネル体に対応する。
【0035】
第2パネル部材13は、前後方向Dfに沿って配置されている。第2パネル部材13の板面は、幅方向Dwを向いている。一対の第2パネル部材13が、幅方向Dwに対向して配置されている。
【0036】
コーナーパネル部材12は、第1パネル部材11の幅方向Dwの端部と第2パネル部材13の後端部とを接続している。コーナーパネル部材12は、上下方向Dvから見て円弧状に形成されている。第1パネル部材11とコーナーパネル部材12とは、不図示の連結手段で連結されている。コーナーパネル部材12と第2パネル部材13とは、不図示の連結手段で連結されている。
【0037】
第1パネル部材11、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13によって囲まれた内部空間S2が形成されている。内部空間S2は、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13によって、上下方向Dvから見て三方が囲まれている。内部空間S2は、幅方向Dwの両側及び後方が囲まれている。内部空間S2の上方は、開放されている。第1パネル部材11、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13において、内部空間S2側を向く面を内面1aと称する。第1パネル部材11、一対のコーナーパネル部材12及び一対の第2パネル部材13において、内部空間S2と反対側の外部空間S1側を向く面を外面1bと称する。
【0038】
<ベース体>
ベース体3Aは、床面F上に設置されている。ベース体3Aは、ベース部3と、プレート部材(支持部)5と、を有している。
【0039】
<ベース部>
図1に示すように、ベース部3は、床面F上に設置されている。ベース部3は、例えば金属等の部材により構成された箱状の部材である。ベース部3は、パネル体1Aの内面1a及び外面1bに沿って配置されている。ベース部3は、後述する着座部材4及びプレート部材5が設置される下側に配置されている。ベース部3は、着座部材4及びプレート部材5を支持している。
【0040】
上下方向Dvから見て、ベース部3は、幅方向Dwに長い矩形をするとともに、幅方向Dwの中央が前方に突出して形状をしている。なお、ベース部3の上下方向Dvから見た形状は適宜設定可能である。ベース部3は、周壁部31と、内壁部32(
図3参照)と、上壁部33(
図3参照)と、を有している。
【0041】
周壁部31は、ベース部3の外縁に沿って配置されている。周壁部31は、床面F上に設置され、床面Fから上方に延びている。周壁部31は、下部がベース部3の内方に向かって凹むように形成されている。周壁部31におけるベース部3の外方を向く面は、下方に向かうにしたがって次第にベース部3の内方に向かうように傾斜している。これによって、周壁部31の下方には、ベース部3の外周全域にわたって下肢収容空間S10が形成されている。
【0042】
周壁部31のうちベース部3の前部に位置し、着座部材4の前端部4fに沿って配置されるものを、前部周壁部(前壁部)311とする。前部周壁部311は、着座部材4の下方に配置され、ベース部3の前端部に位置している。なお、前部周壁部311は、ベース部3の前部に位置していればよく、ベース部3の形状によっては前端部に位置していなくてもよい。
【0043】
図3は、椅子100の一部を破断した側面図である。
図3に示すように、前部周壁部311の前面311fは、下方に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜している。これによって、ベース体3Aの前側には、着座部材4の前端部4fよりも後方且つ下方に第1下肢収容空間S11が配置されている。第1下肢収容空間S11は、前部周壁部311の下方に、前方から後方に向かって凹むように形成されている。第1下肢収容空間S11は、下方に向かうにしたがって次第に後方領域が広くなるように形成されている。
【0044】
周壁部31のうちベース部3の後部に位置し、プレート部材5の後端部5bに沿って配置されるものを、後部周壁部(後壁部)312とする。後部周壁部312は、プレート部材5の下方に配置され、ベース部3の後端部に位置している。なお、後部周壁部312は、ベース部3の後部に位置していればよく、ベース部3の形状によっては後端部に位置していなくてもよい。
【0045】
後部周壁部312の後面312bは、下方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜している。これによって、後部周壁部312の下方には、後方から前方に向かって凹む第2下肢収容空間S12が形成されている。第2下肢収容空間S12は、下方に向かうにしたがって次第に前方領域が広くなるように形成されている。
【0046】
内壁部32は、パネル部材10に沿って配置され、床面から上方に延びている。内壁部32は、不図示の固定手段によってパネル部材10に固定されていてもよい。上壁部33は、周壁部31の上端部及び内壁部32の上端部に接続されている。上壁部33は水平面に沿って配置されている。上壁部33は、周壁部31の上端部及び内壁部32の上端部から折り曲げられて構成されていてもよく、または不図示の連結手段によって周壁部31及び内壁部32に連結されていてもよい。上壁部33には、上下方向Dvに貫通する孔(不図示)が形成されている。これによって、ベース部3の内部には、電気機器の配線を配置することができる。
【0047】
<着座部材>
着座部材4は、ベース部3の上側に配置されている。着座部材4は、ベース部3の前部に支持されている。着座部材4は、パネル体1Aの内面1aに沿って配置されている。着座部材4の前端部4fは、前部周壁部311の上端部311uの直上に配置されている。
【0048】
着座部材4は、例えば座板及びクッション材が外皮によって覆われた構成である。着座部材4の重量は、ベース体3Aの重量よりも小さい。着座部材4は、ベース部3及びパネル体1Aの少なくとも一方に固定されている。なお、着座部材4は、ベース部3及びパネル体1Aに固定されずに、ベース部3上に載置される構成であってもよい。着座部材4は、上下方向Dvから見て略矩形をしている。なお、着座部材4の上下方向Dvから見た形状は、適宜設定可能である。
【0049】
第1パネル部材11の前面に沿ってクッション16を立てかけて、利用者P1はクッション16に背を当てて着座部材4に着座することができる。
【0050】
<プレート部材>
プレート部材5は、ベース部3の上側に配置されている。プレート部材5は、パネル体1Aの外面1bに沿って配置されている。プレート部材5はベース部3の上側において着座部材4が配置されてない領域の全部に配置されているが、プレート部材5はベース部3の上側において少なくとも後部に配置されていればよい。
【0051】
プレート部材5は、例えば金属等の部材により構成された板状の部材である。プレート部材5の板面は、上下方向Dvを向いている。プレート部材5は、不図示の固定手段によってベース部3に固定されている。なお、プレート部材5は、ベース部3に固定されずに、ベース部3上に載置される構成であってもよい。プレート部材5の上面である支持面5uは、水平面に沿う平滑面である。床面Fからプレート部材5の支持面5uまでの高さH2は、床面Fから着座部材4の上面4uまでの高さH1よりも低い。
【0052】
プレート部材5の支持面5uには、物品を載置可能である。また、利用者P2は、プレート部材5の支持面5uに着座可能である。高さH2は高さH1よりも低いため、利用者P2は床面Fに近い高さで着座することができる。
【0053】
このように構成された椅子100では、ベース部3の前部には着座部材4が支持され、利用者は椅子100の前部である着座部材4に着座することができる。ベース部3の後部を含む領域には、プレート部材5が支持されている。プレート部材5には物品を載置することができるため、ベース部3の後部及びプレート部材5は所望の重量を有している。よって、利用者が着座部材4に着座した場合に、椅子100が前方に転倒することが抑制され、自立安定性を向上させることができる。
【0054】
また、着座部材4を支持するベース部3の前部には、前方から後方に向かって凹む第1下肢収容空間S11が形成されている。よって、着座部材4に着座した利用者は、第1下肢収容空間S11に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。また、ベース部3の前部の形状によって、第1下肢収容空間S11の自由度を高めることができる。
【0055】
また、プレート部材5の支持面5uは、水平面に沿う平滑面である。よって、物品をプレート部材5の支持面5uに安定して載置することができ、椅子100としての利便性を向上させることができる。
【0056】
また、ベース部3の前部周壁部311の前面311fは、下方に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜している。前部周壁部311の下方には、第1下肢収容空間S11が形成されている。よって、第1下肢収容空間S11を広く確保することができるとともに、下肢が前部周壁部311の前面311fに接触した際の違和感を抑制することができる。
【0057】
また、床面Fからプレート部材5の支持面5uまでの高さH2は、床面Fから着座部材4の上面4uまでの高さH1よりも低い。よって、利用者は着座部材4に着座した姿勢で、低い位置にあるプレート部材5上に物品を置いたり、プレート部材5上から物品を取ったりすることができる。
【0058】
また、ベース体3Aの重量は、着座部材4の重量よりも大きい。よって、椅子100の自立安定性をより一層向上させることができる。
【0059】
また、着座部材4とプレート部材5との間には、板面を前後方向Dfに向けた第1パネル部材11が配置されている。よって、着座部材4とプレート部材5との間を第1パネル部材11を備えてパネルユニット1で区画して、着座部材4側とプレート部材5側とを別の空間S1,S2として別々に利用することができる。
【0060】
また、プレート部材5を支持するベース部3の後部には、後方から前方に向かって凹む第2下肢収容空間S12が形成されている。よって、プレート部材5に着座した利用者は、第2下肢収容空間S12に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
【0061】
また、利用者は、第2下肢収容空間S12に足先を入れて、プレート部材5上に物品を置いたり、プレート部材5上から物品を取ったりする際のプレート部材5へのアクセス性を向上させることができる。
【0062】
また、ベース部3の後部周壁部312の後面312bは、下方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜している。後部周壁部312の下方には、第2下肢収容空間S12が形成されている。よって、第2下肢収容空間S12を広く確保することができるとともに、下肢が後部周壁部312の後面312bに接触した際の違和感を抑制することができる。
【0063】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る椅子について、主に
図4を用いて説明する。以下で説明する実施形態において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図4は、本発明の第二実施形態に係る椅子の一部を破断した側面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る椅子100Aでは、パネル部材10Aの高さが第一実施形態に係る椅子100のパネル部材10(
図3参照)よりも低い。第一実施形態に係る椅子100のパネル部材10では、利用者P1が着座部材4に着座して、利用者P1の頭がパネル部材10の上端部10uよりも低く位置にある。本実施形態に係る椅子100Aのパネル部材10Aでは、利用者P1が着座部材4に着座して、利用者P1の頭がパネル部材10Aの上端部10uよりも高い位置にある。
【0064】
このように構成された椅子100Aでは、ベース部3の前部には着座部材4が支持され、利用者は椅子100Aの前部である着座部材4に着座することができる。ベース部3の後部を含む領域には、プレート部材5が支持されている。プレート部材5には物品を載置することができるため、ベース部3の後部及びプレート部材5は所望の重量を有している。よって、利用者が着座部材4に着座した場合に、椅子100Aが前方に転倒することが抑制され、自立安定性を向上させることができる。
【0065】
また、着座部材4を支持するベース部3の前部には、前方から後方に向かって凹む第1下肢収容空間S11が形成されている。よって、着座部材4に着座した利用者は、第1下肢収容空間S11に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
【0066】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態に係る椅子について、主に
図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第三実施形態に係る椅子の一部を破断した側面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る椅子100Bでは、着座部材4の上面4uの後部には、背凭れ部材42が配置されている。背凭れ部材42は、例えばクッション材が外皮によって覆われた構成である。背凭れ部材42は、着座部材4に不図示の固定手段で固定されている。背凭れ部材42は、パネル部材10にも固定されていてもよい。利用者P1は、背凭れ部材42に背を当てて着座部材4に着座することができる。
【0067】
このように構成された椅子100Bでは、ベース部3の前部には着座部材4が支持され、利用者は椅子100Bの前部である着座部材4に着座することができる。ベース部3の後部を含む領域には、プレート部材5が支持されている。プレート部材5には物品を載置することができるため、ベース部3の後部及びプレート部材5は所望の重量を有している。よって、利用者が着座部材4に着座した場合に、椅子100Bが前方に転倒することが抑制され、自立安定性を向上させることができる。
【0068】
また、着座部材4を支持するベース部3の前部には、前方から後方に向かって凹む第1下肢収容空間S11が形成されている。よって、着座部材4に着座した利用者は、第1下肢収容空間S11に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
【0069】
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態に係る椅子について、主に
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第四実施形態に係る椅子の側面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る椅子100Cでは、パネルユニット1が設けられていない。利用者P1は、背凭れ部材42に背を当てて着座部材4に着座することができる。
【0070】
このように構成された椅子100Cでは、ベース部3の前部には着座部材4が支持され、利用者は椅子100Cの前部である着座部材4に着座することができる。ベース部3の後部を含む領域には、プレート部材5が支持されている。プレート部材5には物品を載置することができるため、ベース部3の後部及びプレート部材5は所望の重量を有している。よって、利用者が着座部材4に着座した場合に、椅子100Cが前方に転倒することが抑制され、自立安定性を向上させることができる。
【0071】
また、着座部材4を支持するベース部3の前部には、前方から後方に向かって凹む第1下肢収容空間S11が形成されている。よって、着座部材4に着座した利用者は、第1下肢収容空間S11に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
【0072】
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態に係る椅子について、主に
図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第五実施形態に係る椅子の側面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る椅子100Dでは、着座部材4Dは、ベース体3Dよりも前方に張り出している。着座部材4Dの前端部4fは、ベース体3Dの前端部3fよりも前方に位置している。ベース体3Dの前側には、着座部材4Dの前端部4fよりも後方且つ下方に第1下肢収容空間S11が配置されている。第1下肢収容空間S11は、着座部材4Dの前部の下方且つベース体3Dの前方に配置されている。ベース体3Dの後部の上面は、支持面3uとされている。支持面3uには、利用者P2が着座可能であるとともに、物品を載置可能である。
【0073】
このように構成された椅子100Dでは、ベース体3Dの前部には着座部材4Dが支持され、利用者は椅子100Dの前部である着座部材4Dに着座することができる。ベース体3Dの後部の支持面3uには物品を載置することができるため、ベース体3Dの後部は所望の重量を有している。よって、利用者が着座部材4Dに着座した場合に、椅子100Dが前方に転倒することが抑制され、自立安定性を向上させることができる。
【0074】
また、着座部材4Dを支持するベース体3Dの前側には、着座部材4Dの前端部4fよりも後方且つ下方に第1下肢収容空間S11が配置されている。よって、着座部材4Dに着座した利用者は、第1下肢収容空間S11に下肢を配置できるため、着座姿勢の自由度及び着座時の快適性を向上させることができる。
【0075】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0076】
上述した実施形態では、椅子100としてソファを例に挙げて説明したが、これに限られない。デスクやテーブルとともに利用される椅子であってもよい。
【0077】
上述した実施形態では、プレート部材5はベース部3とは別体とされているが、これに限られない。ベース体3Aの少なくとも後部の上部が、物品を載置可能な支持面とされている構成であってもよい。
【0078】
上述した実施形態では、プレート部材5の支持面5uは、水平面に沿う平滑面であるが、これに限られない。支持部がクッション性を有する部材で構成されていて、支持部の上面が波打っていたりしてもよい。
【0079】
上述した実施形態では、ベース部3の前部周壁部311の前面311fは、下方に向かうにしたがって次第に後方に向かうように傾斜しているが、これに限られない。着座部を支持するベース体の前側に、着座部の前端部よりも後方に第1下肢収容空間が配置されていればよく、前部周壁部の前面の下部のみが後方に凹むように形成されていてもよい。
【0080】
上述した実施形態では、床面Fからプレート部材5の支持面5uまでの高さH2は、床面Fから着座部材4の上面4uまでの高さH1よりも低いが、これに限られない。床面Fからプレート部材5の支持面5uまでの高さH2が、床面Fから着座部材4の上面4uまでの高さH1と同じであったり、高さH1よりも高かったりしてもよい。
【0081】
上述した実施形態では、ベース体3Aの重量は、着座部材4の重量よりも大きいが、これに限られない。ベース体3Aの重量は、着座部材4の重量よりも小さくてもよい。
【0082】
上述した実施形態では、プレート部材5を支持するベース体3Aの後部には、後方から前方に向かって凹む第2下肢収容空間S12が形成されているが、これに限られない。着座部を支持するベース体の前側に、着座部の前端部よりも後方に第1下肢収容空間が配置されていれば、他の下肢収容空間は形成されていなくてもよい。
【0083】
上述した実施形態では、ベース部3の後部周壁部312の後面312bは、下方に向かうにしたがって次第に前方に向かうように傾斜しているが、これに限られない。後部周壁部312の後面312bの形状は適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0084】
1A パネル体
3A,3D ベース体
3 ベース部
4,4D 着座部材(着座部)
4u 上面
5 プレート部材(支持部)
3u,5u 支持面
11 第1パネル部材(パネル体)
100,100A,100B,100C,100D 椅子
311 前部周壁部(前壁部)
312 後部周壁部(後壁部)
F 床面
Df 前後方向
Dv 上下方向
Dw 幅方向
S10 下肢収容空間
S11 第1下肢収容空間
S12 第2下肢収容空間