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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058328
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20240418BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240418BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20240418BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240418BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 F
H04N9/31 440
H04N5/74 Z
G03B21/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165615
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】門谷 典和
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 靖晃
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C060
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA06
2K203FA07
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA34
2K203FA42
2K203FA44
2K203FA45
2K203HA25
2K203HA30
2K203KA07
2K203LA02
2K203LA03
2K203LA04
2K203LA13
2K203LA22
2K203LA37
2K203MA32
5C058EA27
5C058EA52
5C060EA00
5C060HC17
5C060JA27
5C060JB06
(57)【要約】
【課題】小型化を維持しつつ、熱源の冷却効率を高められるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、励起光を出射する固体発光素子と、励起光を受光し、励起光を波長変換光に変換する波長変換ホイールと、固体発光素子からの光と波長変換光とで照明光を出力する照明光学系と、照明光学系から入射する光を画像信号に基づいて変調してカラー画像光を出射する反射型光変調素子と、冷却媒体を撹拌する撹拌装置と、固体発光素子、波長変換ホイール、照明光学系、反射型光変調素子及び撹拌装置を収容する筐体とを備え、筐体は、撹拌装置と、固体発光素子及び反射型光変調素子うち少なくとも一方の素子とを収容し、密閉された収容室と、収容室の内部に設けられた受熱面とを有し、冷却媒体は、収容室に充填され、撹拌装置によって撹拌されて、上記少なくとも一方の素子に流通し、上記少なくとも一方の熱を吸熱して、吸熱した熱を受熱面に伝達する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する固体発光素子と、
前記励起光を受光し、前記励起光を波長変換光に変換する波長変換ホイールと、
前記固体発光素子からの光と前記波長変換光とで照明光を出力する照明光学系と、
前記照明光学系から入射する光を画像信号に基づいて変調してカラー画像光を出射する反射型光変調素子と、
冷却媒体を撹拌する撹拌装置と、
前記固体発光素子、前記波長変換ホイール、前記照明光学系、前記反射型光変調素子及び前記撹拌装置を収容する筐体と、を備え、
前記筐体は、
前記撹拌装置と、前記固体発光素子及び前記反射型光変調素子うち少なくとも一方の素子とを収容し、密閉された収容室と、
前記収容室の内部に設けられた受熱面と、を有し、
前記冷却媒体は、前記収容室に充填され、前記撹拌装置によって撹拌されて、前記少なくとも一方の素子に流通し、前記少なくとも一方の熱を吸熱して、吸熱した熱を前記受熱面に伝達する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記固体発光素子は、前記収容室に収容され、
前記撹拌装置は、前記冷却媒体を前記固体発光素子に流通させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記波長変換ホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記固体発光素子は、前記収容室の内面に沿って配置され、
前記波長変換ホイールは、前記冷却媒体を前記受熱面に接触させ、
前記冷却媒体は、前記受熱面に放熱して、前記固体発光素子に流通する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記カラーホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記反射型光変調素子は、前記収容室に収容され、
前記撹拌装置は、前記冷却媒体を前記反射型光変調素子に流通させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクターにおいて、
前記波長変換ホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記カラーホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項8に記載のプロジェクターにおいて、
前記反射型光変調素子に流通した前記冷却媒体は、前記反射型光変調素子から吸熱した熱を前記受熱面に放熱して、前記カラーホイールに流通する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記筐体は、
前記固体発光素子を収容する第1収容室と、
前記反射型光変調素子を収容する第2収容室と、を有し、
前記収容室は、前記第1収容室及び前記第2収容室のうち少なくとも一方である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項10に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記第1収容室は、前記波長変換ホイールを収容し、
前記第2収容室は、前記カラーホイールを収容し、
前記第1収容室及び前記第2収容室のそれぞれは、前記収容室であり、
前記波長変換ホイール及び前記カラーホイールのそれぞれは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項12】
請求項10に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記第1収容室は、前記カラーホイールを収容し、
前記第1収容室は、前記収容室であり、
前記カラーホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項13】
請求項12に記載のプロジェクターにおいて、
前記筐体は、前記波長変換ホイールを収容する第3収容室を更に有する、ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射された光を変調して画像情報に応じた画像光を形成し、形成した画像光を投射するプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、光源装置、マイクロミラー型光変調装置、全反射プリズム及び投射光学装置を備えたプロジェクターが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、いわゆる単板方式のDLP(Digital Lighting Processing)プロジェクターであり、1つのマイクロミラー型光変調装置を備える。マイクロミラー型光変調装置は、例えばDMD(Digital Micromirror Device)によって構成される。DMDは、複数のマイクロミラーがマトリクス状に配列されたものであり、複数のマイクロミラーの傾き方向を切換えることにより、入射光の反射方向を、反射面を透過する方向と反射面で反射される方向とに切り替える。
このようなマイクロミラー型光変調装置は、順次入射される赤色光、緑色光及び青色光を変調して、緑色画像光、赤色画像光及び青色画像光を生成する。投射光学装置は、赤色画像光、緑色画像光及び青色画像光を投射し、これにより、観察者は、赤色画像光、緑色画像光、及び青色画像光が合成されたカラー画像を視認できる。
【0003】
なお、DLPプロジェクターの他の構成として、赤色光を変調する赤用DMD、緑色光を変調する緑用DMD、及び、青色光を変調する青用DMDを有する三板方式のDLPプロジェクターが知られている。また、プロジェクターの他の構成として、赤色光を変調する赤用液晶パネル、緑色光を変調する緑用液晶パネル、及び、青色光を変調する青用液晶パネルを有する三板方式のLCD(Liquid Crystal Display)プロジェクターが知られている。
一般的に、単板方式のDLPプロジェクターは、三板方式のDLPプロジェクター及び三板方式のLCDプロジェクターよりも小型に構成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-156998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したDLPプロジェクターに用いられるマイクロミラー型光変調装置及び光源装置は、熱源であるとともに、熱により劣化しやすい装置である。このため、プロジェクターを安定して使用するためには、マイクロミラー型光変調装置及び光源装置を冷却する必要がある。
しかしながら、熱源の冷却効率を高めるために大型の冷却装置をプロジェクターに採用すると、プロジェクターの小型化が阻害される。
このため、小型化を維持しつつ、熱源の冷却効率を高められる構成が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプロジェクターは、励起光を出射する固体発光素子と、前記励起光を受光し、前記励起光を波長変換光に変換する波長変換ホイールと、前記固体発光素子からの光と前記波長変換光とで照明光を出力する照明光学系と、前記照明光学系から入射する光を画像信号に基づいて変調してカラー画像光を出射する反射型光変調素子と、冷却媒体を撹拌する撹拌装置と、前記固体発光素子、前記波長変換ホイール、前記照明光学系、前記反射型光変調素子及び前記撹拌装置を収容する筐体と、を備え、前記筐体は、前記撹拌装置と、前記固体発光素子及び前記反射型光変調素子うち少なくとも一方の素子とを収容し、密閉された収容室と、前記収容室の内部に設けられた受熱面と、を有し、前記冷却媒体は、前記収容室に充填され、前記撹拌装置によって撹拌されて、前記少なくとも一方の素子に流通し、前記少なくとも一方の熱を吸熱して、吸熱した熱を前記受熱面に伝達する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
図2】第2実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
図3】第3実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
図4】第4実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1Aの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Aは、画像情報に応じた画像光を投射する。プロジェクター1Aは、図1に示すように、筐体2A及び画像投射ユニット3Aを備える。
筐体2Aは、画像投射ユニット3Aを収容する。筐体2Aの内部には、冷却媒体が充填されている。筐体2Aの構成については、後に詳述する。
【0009】
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット3Aは、画像情報に応じた画像光を投射する。画像投射ユニット3Aは、光源31、波長選択性反射素子32、波長変換装置33A、照明光学系34、反射型光変調素子45及び投射レンズ7を備える。
以下の説明では、光源31による光の出射方向を+Y方向とし、+Y方向に直交する方向のうち、1つの方向を+X方向とする。図1の図面視では、+Y方向は上方向であり、+X方向は右方向である。図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とする。また、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とする。
【0010】
[光源の構成]
光源31は、波長選択性反射素子32に向けて青色光を出射する。光源31が出射する青色光のうち、一部の青色光は、波長変換装置33Aが有する蛍光体を励起する励起光として利用される。光源31は、青色光を出射する固体発光素子311を少なくとも1つ有する。すなわち、固体発光素子311は、励起光を出射する。固体発光素子311は、筐体2Aの後述する収容室2A5の内面に沿って配置される。
【0011】
[波長選択性反射素子の構成]
波長選択性反射素子32は、光の波長に応じて、入射する光を反射又は透過する。詳述すると、波長選択性反射素子32は、青色光を反射し、青色光よりも波長の長い色光を透過する。例えば、波長選択性反射素子32は、青色光を反射し、緑色光及び赤色光を透過する。
波長選択性反射素子32は、光源31による青色光の出射方向に対して傾斜して配置され、光源31から出射された青色光を+X方向に反射する。
【0012】
[波長変換装置の構成]
波長変換装置33Aは、入射する光の波長を変換して出射する。具体的に、波長変換装置33Aは、波長選択性反射素子32から入射する励起光である青色光の一部を、青色光の波長よりも長い波長を有する波長変換光に変換し、変換した波長変換光と、波長変換光に変換されなかった残りの青色光とを出射する。本実施形態では、波長変換光は、緑色光及び赤色光を含む蛍光である。
波長変換装置33Aは、駆動部331と、駆動部331によって回転される波長変換ホイール33A2と、を備える。駆動部331は、例えばモーターによって構成される。
【0013】
波長変換ホイール33A2は、励起光を受光して、励起光を波長変換光に変換する。波長変換ホイール33A2は、駆動部331によってX軸と平行な回転軸Rx1を中心として回転される。
波長変換ホイール33A2は、基板333、波長変換層334、反射層335及びフィン336を有する。
【0014】
基板333は、光透過性を有する基板であり、例えば円盤状に形成されている。
波長変換層334及び反射層335は、基板333に設けられている。
波長変換層334は、入射する励起光によって励起されて波長変換光を出射する蛍光体を含有する。詳しい図示を省略するが、波長変換層334は、励起光の入射側から見て回転軸Rx1を中心とするリング状に形成されている。波長変換層334に入射する励起光のうち、一部の励起光は波長変換光に変換され、残りの励起光は、波長変換層334を+X方向に通過する。
【0015】
反射層335は、波長選択性反射層であり、光の波長に応じて、入射する光を反射又は透過する。具体的に、反射層335は、青色光を透過し、青色光の波長よりも長い波長を有する光を反射する。反射層335は、波長変換層334に対して波長変換層334に対する光入射側とは反対側に設けられている。このため、反射層335は、波長変換層334から+X方向に入射する波長変換光を-X方向に反射し、波長変換層334から+X方向に入射する励起光を+X方向に透過する。
【0016】
本実施形態では、波長変換層334及び反射層335は、基板333に対する励起光の入射側に設けられている。すなわち、反射層335は、基板333において光入射側の面に設けられ、波長変換層334は、反射層335に対する光入射側に設けられている。しかしながら、これに限らず、波長変換層334及び反射層335は、基板333に対する励起光の入射側とは反対側に設けられていてもよい。この場合、波長変換層334は、基板333において励起光の入射側とは反対側の面に設けられ、反射層335は、波長変換層334に対する光入射側とは反対側に設けられる。
このような波長変換ホイール33A2は、波長変換層334にて生成された波長変換光を-X方向に出射し、波長変換層334及び反射層335を透過した励起光である青色光を+X方向に出射する。
【0017】
フィン336は、基板333において光入射側とは反対側の面に設けられている。フィン336には、波長変換層334にて発生した熱が、基板333を介して伝達される。フィン336は、基板333から伝達された波長変換層334の熱を放熱する。
なお、フィン336は、基板333において光入射側の面に設けられていてもよい。
【0018】
このような波長変換ホイール33A2が駆動部331によって回転されると、波長変換ホイール33A2は、波長変換ホイール33A2の周囲の冷却媒体が撹拌される。具体的に、波長変換ホイール33A2が回転されると、光入射側から波長変換ホイール33A2を見て、回転軸Rx1側の領域から波長変換ホイール33A2の外側に向かって流通する冷却媒体の流れが発生する。これにより、波長変換層334及びフィン336に冷却媒体が流通して、波長変換層334及びフィン336が冷却される他、波長変換ホイール33A2の回転によって生じる流れによって、光源31に冷却媒体が流通する。すなわち、波長変換ホイール33A2は、本開示の撹拌装置の1つである。
なお、波長変換ホイール33A2は、必ずしもフィン336を備えなくてもよい。一方、波長変換ホイール33A2がフィン336を備えることにより、波長変換層334の冷却効率を高めることができる他、冷却媒体を撹拌しやすくすることができる。
【0019】
[照明光学系の構成]
照明光学系34は、固体発光素子311からの青色光と、波長変換ホイール33A2から出射された波長変換光とで照明光を反射型光変調素子45に出力する。照明光学系34は、第1反射ミラー35、第2反射ミラー36、第3反射ミラー37、第4反射ミラー38、集光レンズ39、色分離装置40、均一化素子41、集光素子42、平行化素子43及びプリズム44を備える。
【0020】
[第1反射ミラー、第2反射ミラー及び第3反射ミラーの構成]
第1反射ミラー35、第2反射ミラー36及び第3反射ミラー37は、波長変換装置33Aを透過した青色光を、波長変換装置33Aを介さずに波長選択性反射素子32に導く。詳述すると、第1反射ミラー35、第2反射ミラー36及び第3反射ミラー37は、光源31から波長選択性反射素子32に対する励起光の入射方向とは反対方向に入射するように、波長変換装置33Aを透過した青色光を波長選択性反射素子32に導く。
【0021】
第1反射ミラー35は、波長変換装置33Aに対して+X方向に配置され、波長変換装置33Aを透過した青色光を+Y方向に反射する。
第2反射ミラー36は、第1反射ミラー35に対して+Y方向に配置され、第1反射ミラー35にて反射された青色光を-X方向に反射する。
第3反射ミラー37は、第2反射ミラー36に対して-X方向で、かつ、波長選択性反射素子32に対して+Y方向に配置されている。第3反射ミラー37は、第2反射ミラー36にて反射された青色光を-Y方向に反射する。これにより、第3反射ミラー37によって-Y方向に反射された青色光は、光源31から波長選択性反射素子32に入射する励起光の入射方向とは反対方向に沿って、波長選択性反射素子32に入射する。
【0022】
第3反射ミラー37から-Y方向に波長選択性反射素子32に入射した青色光は、波長選択性反射素子32によって-X方向に反射される。
また、波長変換ホイール33A2から-X方向に出射された波長変換光は、波長選択性反射素子32を-X方向に透過する。
このため、波長選択性反射素子32は、-Y方向に沿って入射する青色光と、-X方向に沿って入射する波長変換光とを合成した白色光を-X方向に出射する。
【0023】
[第4反射ミラー及び集光レンズの構成]
第4反射ミラー38は、波長選択性反射素子32に対して-X方向に配置されている。第4反射ミラー38は、波長選択性反射素子32から-X方向に入射する白色光を+Y方向に反射する。
集光レンズ39は、第4反射ミラー38から入射する白色光を色分離装置40に集光する。詳述すると、集光レンズ39は、入射する白色光を、色分離装置40が有するカラーホイール402の色分離領域に集光する。
【0024】
[色分離装置の構成]
色分離装置40は、集光レンズ39から入射する白色光から、赤色光、緑色光及び青色光を分離する。具体的に、色分離装置40は、赤色光、緑色光及び青色光のそれぞれを個別に順次出射する。色分離装置40は、駆動部401と、駆動部401によって回転されるカラーホイール402とを備える。駆動部401は、例えばモーターによって構成される。
【0025】
カラーホイール402は、駆動部401によってY軸に沿う回転軸Rx2を中心に回転される。カラーホイール402は、詳しい図示を省略するが、透光性基板と、透光性基板に設けられたカラーフィルターと、を有する。
カラーフィルターは、回転軸Rx2を中心とする周方向に等間隔に配置された3つの色分離領域を有する。3つの色分離領域のうち、1つの色分離領域は、赤色光を透過し、他の色光を遮蔽する赤分離領域であり、他の1つの色分離領域は、緑色光を透過し、他の色光を遮蔽する緑分離領域であり、残りの1つの色分離領域は、青色光を透過し、他の色光を遮蔽する青分離領域である。
カラーフィルターは、3つの色分離領域のうち、白色光が入射する色分離領域に応じた色光を出射する。カラーホイール402が駆動部401によって回転されることによって、白色光が入射する色分離領域が順次切り替わる。このため、カラーホイール402は、赤色光、緑色光及び青色光のそれぞれを時分割で順次出力する。
【0026】
カラーホイール402は、駆動部401によって回転することにより、カラーホイール402周囲の冷却媒体を撹拌する。これにより、光入射側からカラーホイール402を見て、回転軸Rx2側の領域からカラーホイール402の外側に向かって流通する冷却媒体の流れが発生し、反射型光変調素子45に冷却媒体が流通する。すなわち、カラーホイール402は、本開示の撹拌装置の1つである。
なお、波長変換ホイール33A2のフィン336と同様のフィンをカラーホイール402に設け、冷却媒体の流れを発生しやすくしてもよい。
【0027】
[均一化素子、集光素子及び平行化素子の構成]
均一化素子41は、カラーホイール402から入射する色光における輝度分布を均一化する。本実施形態では、均一化素子41は、ロッドインテグレーターによって構成されている。しかしながら、これに限らず、均一化素子41は、例えば一対のマルチレンズアレイによって構成されていてもよく、また例えば、入射する光を透過させつつ拡散させる透過拡散素子によって構成されていてもよい。
集光素子42は、均一化素子41から入射する色光を集光して、平行化素子43に出射する。
平行化素子43は、集光素子42から入射する色光を平行化する。平行化素子43は、+Y方向に互いに離間して配置される一対のレンズによって構成されている。
【0028】
[プリズムの構成]
プリズム44は、平行化素子43から+Y方向に入射する各色光を反射型光変調素子45に導き、反射型光変調素子45から入射する画像光を投射レンズ7に向けて出射する。詳述すると、プリズム44は、平行化素子43から+Y方向に入射する各色光を反射型光変調素子45に向かって-X方向に反射する。プリズム44は、反射型光変調素子45から+X方向に入射する画像光を投射レンズ7に向かって+X方向に出射する。本実施形態では、プリズム44は、TIR(Total Internal Reflection)プリズムである。
【0029】
[反射型光変調素子の構成]
反射型光変調素子45は、照明光学系34から入射する光を画像信号に基づいて変調してカラー画像光を出射する。詳述すると、反射型光変調素子45は、入射する光を変調して形成した画像光を、反射型光変調素子45に対する光の入射方向とは反対方向に出射する。本実施形態では、反射型光変調素子45は、DMD(Digital Micromirror Device)によって構成されている。
なお、反射型光変調素子45には、赤色光、緑色光及び青色光が順次入射する。反射型光変調素子45は、1フレームを構成する赤画像、緑画像及び青画像のうち、赤画像を赤色光の入射期間に形成し、緑画像を緑色光の入射期間に形成し、青画像を青色光の入射期間に形成する。
【0030】
[投射レンズの構成]
投射レンズ7は、反射型光変調素子45によって変調され、プリズム44を介して+X方向に入射する画像光を投射する。投射レンズ7としては、複数のレンズと、複数のレンズを収容する鏡筒とを備えた組レンズとすることができる。
反射型光変調素子45によって形成され、投射レンズ7によって投射された赤画像、緑画像及び青画像が被投射面にて合成されて、カラー画像が表示される。
【0031】
[筐体の構成]
筐体2Aは、プロジェクター1Aの外装を構成する筐体であり、画像投射ユニット3Aを収容する。すなわち、筐体2Aは、固体発光素子311、波長変換ホイール33A2、照明光学系34、反射型光変調素子45を収容する。上記のように、波長変換ホイール33A2、及び、照明光学系34を構成するカラーホイール402は、撹拌装置に相当する。
筐体2Aは、画像投射ユニット3Aのレイアウトに応じた略L字状に形成されている。筐体2Aは、正面2A1、背面2A2、左側面2A3及び右側面2A4を有する他、図示しない天面及び底面を有する。
【0032】
正面2A1は、筐体2Aにおいて投射レンズ7による画像光の出射方向に位置する側面である。すなわち、正面2A1は、+X方向を向く面である。正面2A1は、第1正面2A11及び第2正面2A12によって構成されている。
第2正面2A12は、第1正面2A11に対して+Y方向で、かつ、第1正面2A11に対して-X方向に配置されている。第2正面2A12には、投射レンズ7が露出する。
【0033】
背面2A2は、筐体2Aにおいて投射レンズ7による画像光の出射方向とは反対方向に位置する側面である。すなわち、背面2A2は、筐体2Aにおいて-X方向を向く側面である。
左側面2A3は、筐体2Aにおいて-Y方向を向く側面である。左側面2A3は、第1正面2A11と背面2A2とを接続する。
【0034】
右側面2A4は、筐体2Aにおいて+Y方向を向く側面である。右側面2A4は、第1右側面2A41及び第2右側面2A42によって構成されている。
第1右側面2A41は、第1正面2A11と第2正面2A12とを接続する。
第2右側面2A42は、第1右側面2A41に対して-X方向に配置されている。第2右側面2A42は、第2正面2A12と背面2A2とを接続する。
【0035】
筐体2Aは、収容室2A5、受熱面2A6、放熱面2A7及び放熱フィン2A8を更に有する。
収容室2A5は、筐体2Aの内部に設けられ、画像投射ユニット3Aを密閉された状態にて収容する。すなわち、筐体2Aは、固体発光素子311、波長変換ホイール33A2、照明光学系34及び反射型光変調素子45を収容する収容室2A5を内部に有し、収容室2A5内は密閉されている。
【0036】
受熱面2A6は、収容室2A5の内部に設けられて、熱を受熱する。すなわち、受熱面2A6は、筐体2Aの内面の少なくとも一部を構成して、収容室2A5内に露出する。本実施形態では、受熱面2A6は、筐体2Aの内面の略全てを構成している。すなわち、受熱面2A6は、受熱面2A61~2A66を含む。
受熱面2A61は、第1右側面2A41の内面を構成する。
受熱面2A62は、第1正面2A11の内面を構成する。
受熱面2A63は、左側面2A3の内面を構成する。
受熱面2A64は、背面2A2の内面を構成する。
受熱面2A65は、第2右側面2A42の内面を構成する。
受熱面2A66は、第2正面2A12の内面を構成する。
この他、図示を省略するが、受熱面2A6は、筐体2Aの天面の内面を構成する受熱面、及び、筐体2Aの底面の内面を構成する受熱面を含む。
【0037】
放熱面2A7は、筐体2Aの外部に露出し、受熱面2A6にて受熱された熱を筐体2Aの外部に放熱する。放熱面2A7は、筐体2Aの外面の少なくとも一部を構成する。本実施形態では、放熱面2A7は、筐体2Aの外面の略全てを構成している。
放熱フィン2A8は、放熱面2A7に設けられ、放熱面2A7に伝達された熱を放熱する。放熱フィン2A8は、放熱面2A7から突出する複数のフィン2A81によって構成され、受熱面2A6から放熱面2A7に伝達された熱の放熱面積を拡大することによって、伝達された熱の放熱効率を高めている。なお、放熱フィン2A8は、放熱面2A7に複数設けられ、複数の放熱フィン2A8のうち、1つの放熱フィン2A8は、光源31に対向する受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられ、他の1つの放熱フィン2A8は、反射型光変調素子45に対向する受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられている。
筐体2Aは、収容室2A5に充填された冷却媒体を更に有する。冷却媒体としては、例えばヘリウムガス及び水素ガス等の気体冷媒が挙げられる他、ハイドロフルオロエーテル系の液体等の液体冷媒が挙げられる。
【0038】
[冷却媒体の流れ]
以下、収容室2A5に充填された冷却媒体の流れについて説明する。
収容室2A5の冷却媒体は、熱源である光源31、波長変換層334及び反射型光変調素子45から吸熱する。吸熱して温度が上昇した冷却媒体は、吸熱していない冷却媒体との温度差によって、収容室2A5内を対流する。
【0039】
更に、撹拌装置の1つである波長変換ホイール33A2周囲の冷却媒体の一部は、波長変換ホイール33A2の回転によって撹拌されて光源31に流通し、光源31の熱を吸熱する。光源31から吸熱した冷却媒体は、収容室2A5内に露出する受熱面2A6に熱を伝達する。
具体的に、波長変換ホイール33A2が回転すると、矢印A01,A02に示すように、波長変換ホイール33A2を光入射側から見て、回転軸Rx1側の領域から波長変換ホイール33A2の外側に向かって、冷却媒体の一部が流通する。矢印A01に流通した冷却媒体と矢印A02に流通した冷却媒体とは、波長変換層334から吸熱した冷却媒体である。
矢印A01に流通した冷却媒体は、受熱面2A61に到達した後、矢印A03,A04に示すように、受熱面2A61,2A62に沿って-Y方向に流通する。このとき、受熱面2A61,2A62が冷却媒体から受熱することによって、冷却媒体は冷却される。そして、矢印A05に示すように、冷却媒体は、受熱面2A63に沿って-X方向に流通して更に冷却された後、矢印A02に流通した冷却媒体と合流する。
【0040】
合流した冷却媒体は、受熱面2A63に沿って更に-X方向に流通し、矢印A06に示すように、光源31に流通する。これにより、光源31が冷却される。すなわち、波長変換ホイール33A2は、冷却媒体を収容室2A5の内面に設けられた受熱面2A6に接触させ、冷却媒体は、受熱面2A6に放熱し、固体発光素子311に流通して、固体発光素子311を冷却する。
光源31を冷却した冷却媒体は、矢印A07に示すように、受熱面2A63に沿って更に-X方向に流通し、受熱面2A63によって冷却されて、受熱面2A64に到達する。
受熱面2A64に到達した冷却媒体は、矢印A08に示すように、受熱面2A64に沿って+Y方向に流通して、受熱面2A64によって冷却される。受熱面2A64に流通した冷却媒体の一部は、カラーホイール402の周囲に到達する。
【0041】
一方、撹拌装置の1つであるカラーホイール402周囲の冷却媒体は、カラーホイール402の回転によって撹拌されて反射型光変調素子45に流通し、反射型光変調素子45の熱を吸熱する。反射型光変調素子45から吸熱した冷却媒体は、収容室2A5内に露出する受熱面2A6に熱を伝導する。
具体的に、カラーホイール402が回転すると、カラーホイール402を光入射側から見て、回転軸Rx2側の領域からカラーホイール402の外側に向かって、冷却媒体が流通する。カラーホイール402の外側に向かって流通する冷却媒体のうち、一部の冷却媒体は、矢印A09に示すように、受熱面2A64に向かって流通する。
受熱面2A64に向かって流通した冷却媒体は、受熱面2A64に沿って+Y方向に流通する冷却媒体と合流し、矢印A10に示すように、更に受熱面2A64に沿って+Y方向に流通する。このように+Y方向に流通した冷却媒体は、矢印A11に示すように、反射型光変調素子45とプリズム44との間を流通して、反射型光変調素子45を冷却する。すなわち、反射型光変調素子45の熱が、受熱面2A64に沿って+Y方向に流通する冷却媒体に伝達される。
【0042】
反射型光変調素子45を冷却した冷却媒体は、矢印A12に示すように、受熱面2A65に沿って+X方向に流通し、受熱面2A65にて受熱される。
受熱面2A65によって冷却された冷却媒体は、矢印A13に示すように、受熱面2A66に沿って-Y方向に流通して、受熱面2A66によって更に冷却される。なお、受熱面2A66によって冷却された冷却媒体のうち、一部の冷却媒体は、第3反射ミラー37の傾斜面に沿って流通し、カラーホイール402によって吸引され、他の一部の冷却媒体は、収容室2A5内を流通して、波長変換ホイール33A2に吸引される。
このように、収容室2A5内の冷却媒体によって、光源31、波長変換層334及び反射型光変調素子45が冷却され、光源31、波長変換層334及び反射型光変調素子45のそれぞれの熱は、受熱面2A6を介して放熱面2A7及び放熱フィン2A8から、筐体2Aの外部に放熱される。
【0043】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Aは、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Aは、固体発光素子311、波長変換ホイール33A2、照明光学系34、反射型光変調素子45及び筐体2Aを備える。
固体発光素子311は、励起光を出射する。波長変換ホイール33A2は、励起光を受光し、励起光を波長変換光に変換する。照明光学系34は、固体発光素子311からの光と波長変換光とで照明光を出力する。照明光学系34は、カラーホイール402を有する。反射型光変調素子45は、照明光学系34から入射する光を画像信号に基づいて変調してカラー画像光を出射する。波長変換ホイール33A2及びカラーホイール402のそれぞれは、冷却媒体を撹拌する撹拌装置である。
【0044】
筐体2Aは、固体発光素子311、波長変換ホイール33A2、照明光学系34及び反射型光変調素子45を収容する筐体である。筐体2Aは、収容室2A5及び受熱面2A6を有する。
収容室2A5は、固体発光素子311、波長変換ホイール33A2、カラーホイール402及び反射型光変調素子45を収容する。収容室2A5内は、密閉されている。
受熱面2A6は、収容室2A5の内部に設けられている。
冷却媒体は、収容室2A5に充填されている。冷却媒体は、波長変換ホイール33A2及びカラーホイール402によって撹拌されて、固体発光素子311及び反射型光変調素子45に流通し、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれの熱を吸熱して、吸熱した熱を受熱面2A6に伝達する。
【0045】
このような構成によれば、熱源である固体発光素子311及び反射型光変調素子45は、密閉された収容室2A5に収容される。収容室2A5には冷却媒体が充填され、冷却媒体は、撹拌装置である波長変換ホイール33A2及びカラーホイール402によって撹拌されて、固体発光素子311及び反射型光変調素子45に流通し、固体発光素子311及び反射型光変調素子45から吸熱する。冷却媒体は、吸熱した熱を収容室2A5の内面に設けられた受熱面2A6に放熱する。これにより、固体発光素子311及び反射型光変調素子45を冷却できる。
従って、プロジェクター1Aに大型な冷却装置を採用することなく、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれの冷却効率を高めることができる。すなわち、小型化を維持しつつ、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれの冷却効率を高められるプロジェクターを構成できる。
【0046】
プロジェクター1Aでは、固体発光素子311は、収容室2A5に収容されている。撹拌装置の1つである波長変換ホイール33A2は、冷却媒体を固体発光素子311に流通させる。
このような構成によれば、発光時に温度が高くなる熱源である固体発光素子311を、冷却媒体を用いて効率よく冷却できる。従って、固体発光素子311の冷却効率を高めることができる。
【0047】
プロジェクター1Aでは、上記のように、波長変換ホイール33A2は、撹拌装置の1つである。
このような構成によれば、波長変換ホイール33A2を撹拌装置として利用することによって、プロジェクター1Aの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を固体発光素子311に流通させることができる。
【0048】
プロジェクター1Aでは、固体発光素子311は、収容室2A5の内面に沿って配置されている。詳述すると、固体発光素子311は、受熱面2A63に沿って配置されている。波長変換ホイール33A2は、冷却媒体を受熱面2A6に接触させ、冷却媒体は、受熱面2A6に放熱して、固体発光素子311に流通する。
このような構成によれば、冷却媒体は、波長変換ホイール33A2によって収容室2A5の内部に設けられた受熱面2A6に放熱して冷却された後、収容室2A5の内面に沿って設けられた固体発光素子311に流通する。従って、固体発光素子311を効率よく冷却できる。
【0049】
プロジェクター1Aでは、照明光学系34は、固体発光素子311及び波長変換ホイール33A2から出射された光が入射し、赤色光、緑色光及び青色光を順次出力するカラーホイール402を有する。すなわち、カラーホイール402は、固体発光素子311から出射された青色光と、波長変換ホイール33A2から出射された波長変換光とが合成された白色光が入射し、赤色光、緑色光及び青色光を順次出力する。カラーホイール402は、撹拌装置の1つである。赤色光、緑色光及び青色光は、第1色光、第2色光及び第3色光に相当する。
このような構成によれば、反射型光変調素子45に赤色光、緑色光及び青色光を個別に入射させることができる。このため、反射型光変調素子45が、赤色光の入射タイミングにて赤画像を生成し、緑色光の入射タイミングにて緑画像を生成し、青色光の入射タイミングにて青画像を生成することによって、カラー画像を生成できる。
また、カラーホイール402を撹拌装置として利用することによって、プロジェクター1Aの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を反射型光変調素子45に流通させることができる。
【0050】
プロジェクター1Aでは、反射型光変調素子45は、収容室2A5に収容されている。撹拌装置としてのカラーホイール402は、冷却媒体を反射型光変調素子45に流通させる。
このような構成によれば、画像形成時に温度が高くなる熱源である反射型光変調素子45を、冷却媒体を用いて効率よく冷却できる。従って、反射型光変調素子45の冷却効率を高めることができる。
【0051】
プロジェクター1Aでは、照明光学系34は、固体発光素子311及び波長変換ホイール33A2から出射された光が入射し、赤色光、緑色光及び青色光を順次出力するカラーホイール402を有する。赤色光、緑色光及び青色光は、第1色光、第2色光及び第3色光に相当する。
カラーホイール402は、撹拌装置の1つである。
このような構成によれば、反射型光変調素子45に赤色光、緑色光及び青色光を入射させることができる。これにより、反射型光変調素子45によってカラー画像を生成できる。また、カラーホイール402を撹拌装置として利用することによって、プロジェクター1Aの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を反射型光変調素子45に流通させることができる。
【0052】
プロジェクター1Aでは、反射型光変調素子45に流通した冷却媒体は、反射型光変調素子45から吸熱した熱を受熱面2A6に放熱して、カラーホイール402に流通する。このような受熱面2A6として、例えば受熱面2A65,2A66が挙げられる。
このような構成によれば、反射型光変調素子45を冷却した冷却媒体は、収容室2A5の内面に設けられた受熱面2A6に放熱して冷却された後、カラーホイール402に流通する。従って、カラーホイール402が、冷却された冷却媒体を反射型光変調素子45に流通させることによって、反射型光変調素子45を効率よく冷却できる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備えるが、反射型光変調素子を複数備える点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
[プロジェクターの概略構成]
図2は、本実施形態に係るプロジェクター1Bの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様に、画像情報に応じた画像光を投射する。プロジェクター1Bは、図2に示すように、筐体2A及び画像投射ユニット3Bを備える。
【0055】
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット3Bは、第1実施形態に係る画像投射ユニット3Aと同様に、画像情報に応じた画像光を投射する。画像投射ユニット3Bは、反射型光変調素子45の数が異なるとともに、色分離装置40に代えてダイクロイックプリズム46を備える他は、画像投射ユニット3Aと同様の構成及び機能を備える。具体的に、画像投射ユニット3Aが色分離装置40と1つの反射型光変調素子45とを備えるのに対し、画像投射ユニット3Bは、1つのダイクロイックプリズム46と3つの反射型光変調素子45とを備える。
なお、画像投射ユニット3Bは、色分離装置40を備えないので、集光レンズ39によって集光された白色光は、均一化素子41に入射する。
【0056】
[3つの反射型光変調素子の配置]
3つの反射型光変調素子45は、背面2A2の内面に設けられ、背面2A2の内面を構成する受熱面2A64に沿って流通する冷却媒体の流路上に直列に並んでいる。3つの反射型光変調素子45は、青色光を変調する青用の反射型光変調素子45B、緑色光を変調する緑用の反射型光変調素子45G、及び、赤色光を変調する赤用の反射型光変調素子45Rを含む。反射型光変調素子45B,45G,45Rは、冷却媒体の流通順に配置されている。すなわち、反射型光変調素子45B,45G,45Rのうち、反射型光変調素子45Bは、冷却媒体の流路における最も上流側に配置され、反射型光変調素子45Rは、冷却媒体の流路における最も下流側に配置されている。
【0057】
[ダイクロイックプリズムの構成]
ダイクロイックプリズム46は、プリズム44から入射する白色光に含まれる3つの色光である赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBに分離して、3つの反射型光変調素子45R,45G,45Bのそれぞれに導く機能を有する。ダイクロイックプリズム46は、3つの反射型光変調素子45R,45G,45Bによって変調された各色光LR,LG,LBを合成し、合成した3つの色光LR,LG,LBにより構成される画像光を出射する。すなわち、ダイクロイックプリズム46は、白色光から赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBを分離するとともに、変調された3つの色光LR,LG,LBを合成する色分離合成装置ということができる。
【0058】
ダイクロイックプリズム46は、いわゆるギャップレスプリズムである。ダイクロイックプリズム46は、第1プリズム461、第2プリズム462及び第3プリズム463を有し、第2プリズム462に第1プリズム461及び第3プリズム463が組み合わされた構成を有する。第1プリズム461には、プリズム44から白色光が入射し、画像光は、第1プリズム461からプリズム44に向けて出射される。
【0059】
図示を省略するが、第1プリズム461と第2プリズム462との間には、第1色分離層が設けられている。第1色分離層は、赤色光LR及び緑色光LGを透過させ、青色光LBを反射する。第1色分離層にて反射された青色光LBは、第1プリズム461内を進行して、反射型光変調素子45Bに向けて出射される。
図示を省略するが、第2プリズム462と第3プリズム463との間には、第2色分離層が配置されている。第2色分離層は、赤色光LRを反射し、緑色光LGを透過させる。第2色分離層にて反射された赤色光LRは、第2プリズム462内を進行して、反射型光変調素子45Rに向けて出射される。第2色分離層を透過した緑色光LGは、第3プリズム463内を進行して、反射型光変調素子45Gに向けて出射される。
【0060】
反射型光変調素子45Bにて変調された青色光LBは、第1プリズム461に入射し、第1プリズム461における内面反射及び第1色分離層での反射を繰り返した後、投射レンズ7に向けて第1プリズム461から出射される。
反射型光変調素子45Rにて変調された赤色光LRは、第2プリズム462に入射し、第1色分離層での全反射及び第2色分離層での反射を繰り返した後、第1色分離層に臨界角未満の角度で入射して第1色分離層を通過し、投射レンズ7に向けて第1プリズム461から出射される。
反射型光変調素子45Gにて変調された緑色光LGは、第3プリズム463に入射し、第2色分離層及び第1色分離層のそれぞれを通過し、投射レンズ7に向けて第1プリズム461から出射される。
このようにして、各反射型光変調素子45R,45G,45Bによって変調された各色光LR,LG,LBがダイクロイックプリズム46にて合成され、プリズム44を介して投射レンズ7に入射する。そして、投射レンズ7は、入射した画像光を被投射面に投射する。
【0061】
[冷却媒体の流れ]
プロジェクター1Bにおいても、収容室2A5の冷却媒体は、光源31、波長変換層334及び反射型光変調素子45から吸熱する。光源31、波長変換層334及び反射型光変調素子45は、熱源である。吸熱して温度が上昇した冷却媒体は、吸熱していない冷却媒体との温度差によって、収容室2A5内を対流する。
また、第1実施形態に係る収容室2A5における冷却媒体と同様に、撹拌装置の1つである波長変換ホイール33A2周囲の冷却媒体の一部は、波長変換層334を冷却した後、矢印A01~A06に示すように受熱面2A61,2A62,2A63に沿って流通して光源31に流通する。これにより、光源31が冷却される。
光源31を冷却した冷却媒体は、矢印A07~A10に示すように受熱面2A64に沿って流通した後、矢印B01~B03に示すように反射型光変調素子45B,45G,45Rとダイクロイックプリズム46との間を順に流通して、反射型光変調素子45B,45G,45Rを冷却する。
反射型光変調素子45Rを冷却した冷却媒体は、矢印A12,A13に示すように、受熱面2A65,2A66に沿って流通した後、第3反射ミラー37の傾斜面によって、矢印A09に示すように、受熱面2A64に向かって流通する。そして、受熱面2A64に到達した冷却媒体は、矢印A10に示すように、受熱面2A64に沿って+Y方向に流通する冷却媒体と合流した後、反射型光変調素子45B,45G,45Rに再び流通する。
【0062】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏する。
プロジェクター1Bでは、波長変換ホイール33A2は、撹拌装置の1つである。
このような構成によれば、波長変換ホイール33A2を撹拌装置として利用することによって、プロジェクター1Bの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を固体発光素子311及び反射型光変調素子45R,45G,45Bに流通させることができる。
【0063】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備えるが、筐体が、筐体内の収容室を第1収容室と第2収容室とに区画する区画部を有する点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
[プロジェクターの概略構成]
図3は、本実施形態に係るプロジェクター1Cの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Cは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様に、画像情報に応じた画像光を投射する。プロジェクター1Cは、図3に示すように、筐体2C及び画像投射ユニット3Cを備える。
筐体2Cは、画像投射ユニット3Cを収容する収容室2C5を有する。収容室2C5は、区画部2C9によって第1収容室2C51及び第2収容室2C52に区画され、第1収容室2C51及び第2収容室2C52のそれぞれには、冷却媒体が充填されている。筐体2Cの構成については、後に詳述する。
【0065】
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット3Cは、第1実施形態に係る画像投射ユニット3Aと同様に、画像情報に応じた画像光を投射する。画像投射ユニット3Cは、光源31、導光光学系47、波長変換装置33C、照明光学系56、反射型光変調素子45及び投射レンズ7を備える。
なお、本実施形態では、光源31は、励起光を出射する固体発光素子311を少なくとも1つ有する。光源31は、励起光としてs偏光の青色光を出射するが、p偏光の青色光を出射してもよい。
以下の説明では、光源31による励起光の出射方向を+Y方向とし、+Y方向に直交する方向のうち、1つの方向を+X方向とする。図3の図面視では、+Y方向は左方向であり、+X方向は上方向である。図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とする。また、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とする。
【0066】
[導光光学系の構成]
導光光学系47は、光源31から出射された励起光を波長変換装置33Cに導く。導光光学系47は、第1集光レンズ48、第1反射ミラー49、アフォーカルレンズ50、偏光分離素子51、第2反射ミラー52、位相差素子53、平行化レンズ54及びピックアップレンズ55を有する。
【0067】
第1集光レンズ48は、光源31の固体発光素子311から出射された励起光を第1反射ミラー49に集光する。
第1反射ミラー49は、第1集光レンズ48から入射する励起光を+X方向かつ+Y方向に反射する。
アフォーカルレンズ50は、励起光の光路において第1反射ミラー49と偏光分離素子51との間に配置されている。アフォーカルレンズ50は、第1反射ミラー49から入射する励起光を縮径する。アフォーカルレンズ50は、入射する励起光の集光するレンズ501と、レンズ501から入射する励起光を平行化するレンズ502とによって構成されている。
【0068】
偏光分離素子51は、波長選択性偏光分離素子である。偏光分離素子51は、s偏光の青色光を反射し、p偏光の青色光を透過する。また、偏光分離素子51は、偏光方向に関わらず、青色光の波長よりも長い波長を有する色光を透過する。具体的に、偏光分離素子51は、波長変換装置33Cから出射される波長変換光を透過する。上記のように、波長変換光は、緑色光及び赤色光を含む光である。
偏光分離素子51の反射面は、第1反射ミラー49の反射面と略平行であり、偏光分離素子51は、アフォーカルレンズ50から入射するs偏光の励起光を+Y方向に反射する。また、偏光分離素子51は、第2反射ミラー52から-Y方向に入射する青色光及び波長変換光を透過する。
【0069】
第2反射ミラー52は、偏光分離素子51から+Y方向に入射する励起光を-X方向に反射する。また、第2反射ミラー52は、+X方向に入射する白色光を-Y方向に反射する。
位相差素子53は、第2反射ミラー52と平行化レンズ54との間に配置され、第2反射ミラー52から入射するs偏光の励起光を円偏光の青色光に変換する。また、位相差素子53は、平行化レンズ54から入射する白色光のうち、円偏光の青色光をp偏光の青色光に変換する。なお、平行化レンズ54から入射する円偏光の青色光における偏光の回転方向は、第2反射ミラー52から入射して位相差素子53から出射される円偏光の青色光における偏光の回転方向とは反対方向である。
【0070】
平行化レンズ54は、位相差素子53から-X方向に入射する光を平行化する。また、平行化レンズ54は、ピックアップレンズ55から+X方向に入射する光を平行化する。
ピックアップレンズ55は、平行化レンズ54から入射する光を波長変換装置33Cの波長変換ホイール33C2に集光する。また、ピックアップレンズ55は、波長変換ホイール33C2から出射された波長変換光を集光して、平行化レンズ54に出射する。本実施形態では、ピックアップレンズ55は、2つのレンズ551,552によって構成されている。しかしながら、これに限らず、ピックアップレンズ55を構成するレンズの数は、適宜変更可能である。
【0071】
[波長変換装置の構成]
波長変換装置33Cは、第1実施形態に係る波長変換装置33Aと同様の構成及び機能を備える。すなわち、波長変換装置33Cは、入射する励起光のうち、一部の励起光を出射するとともに、他の一部の励起光の波長を変換した波長変換光を出射する。第1実施形態に係る波長変換装置33Aが、波長変換光を反射し、励起光を透過するのに対し、本実施形態に係る波長変換装置33Cは、励起光及び波長変換光を、励起光の入射方向とは反対方向に出射する。波長変換装置33Cは、いわゆる反射型の波長変換装置である。
波長変換装置33Cは、駆動部331と、駆動部331によってX軸に沿う回転軸Rx3を中心として回転される波長変換ホイール33C2と、を備える。
【0072】
波長変換ホイール33C2は、撹拌装置の1つである。波長変換ホイール33C2は、基板333、波長変換層334及び反射層33C5を備える。この他、波長変換ホイール33C2は、第1実施形態に係る波長変換ホイール33A2のフィン336と同様のフィンを備える。
【0073】
基板333は、波長変換層334及び反射層33C5を支持する基板であり、本実施形態では、必ずしも光透過性を備えていなくてもよい。
波長変換層334は、上記した蛍光体を含有し、励起光の入射側から見て回転軸Rx3を中心とするリング状に形成されている。
反射層33C5は、基板333と波長変換層334との間に設けられた全反射層である。反射層33C5は、波長変換層334から入射する励起光及び波長変換光を反射する。
このため、回転する波長変換ホイール33C2の波長変換層334に励起光が入射すると、波長変換層334及び反射層33C5によって、励起光である青色光と、緑色光及び赤色光を含む波長変換光とが、波長変換ホイール33C2に対する励起光の入射方向とは反対方向である+X方向に出射される。すなわち、波長変換装置33Cから白色光が出射される。なお、波長変換ホイール33C2から出射される青色光の偏光の回転方向は、波長変換ホイール33C2に入射する青色光の偏光の回転方向とは反対方向となる。また、波長変換ホイール33C2から出射される波長変換光は、無偏光の色光である。
【0074】
波長変換装置33Cから出射された白色光は、ピックアップレンズ55及び平行化レンズ54を介して位相差素子53に入射する。上記のように位相差素子53は、平行化レンズ54から入射する円偏光の青色光をp偏光の青色光に変換し、波長変換光とともに、第2反射ミラー52に向かって出射する。
第2反射ミラー52に出射されたp偏光の青色光と波長変換光とは、第2反射ミラー52にて-Y方向に反射された後、偏光分離素子51を通過して、照明光学系56に入射する。
【0075】
[照明光学系の構成]
照明光学系56は、反射型光変調素子45を照明する照明光を出射する。照明光は、波長変換装置33Cから出射された青色光及び波長変換光を含む。すなわち、照明光は、光源31の固体発光素子311から出射された青色光の一部と、固体発光素子311から出射された青色光の他の一部を波長変換した波長変換光とを含む。
照明光学系56は、第2集光レンズ57、色分離装置40C、平行化レンズ58、均一化素子59、第3反射ミラー60、重畳レンズ61及びプリズム44を備える。
【0076】
第2集光レンズ57は、偏光分離素子51を通過した白色光を色分離装置40に集光する。詳述すると、第2集光レンズ57は、入射する白色光を、色分離装置40Cが有するカラーホイール40C2に集光する。
【0077】
色分離装置40Cは、上記のように、第2集光レンズ57から入射する白色光から、波長が異なる複数の色光を個別に順次出射する。本実施形態では、色分離装置40Cは、駆動部401と、駆動部401によってY軸に沿う回転軸Rx4を中心に回転されるカラーホイール40C2と、を備える。
カラーホイール40C2は、透光性基板403と、透光性基板403に設けられたカラーフィルター404と、を有する。
【0078】
カラーフィルター404は、色分離領域405R,405G,405B及び透過領域405Tを有する。詳しい図示を省略するが、色分離領域405R,405G,405Bと透過領域405Tとは、回転軸Rx4を中心とする周方向に略等間隔に配置されている。
色分離領域405Rは、赤色光LRを透過し、他の色光を遮蔽して、入射する白色光から赤色光LRを分離する。
色分離領域405Gは、緑色光LGを透過し、他の色光を遮蔽して、入射する白色光から緑色光LGを分離する。
色分離領域405Bは、青色光LBを透過し、他の色光を遮蔽して、入射する白色光から青色光LBを分離する。
透過領域405Tは、入射する光を透過する。すなわち、透過領域405Tは、入射する白色光LWを透過する。
【0079】
このようなカラーホイール40C2が駆動部401によって回転されることによって、カラーフィルター404において第2集光レンズ57から白色光が入射する領域が順次切り替わる。すなわち、カラーホイール40C2が回転されると、白色光の入射位置が、色分離領域405R,405G,405B及び透過領域405Tにおいて移動する。これにより、カラーホイール40C2から、赤色光、緑色光、青色光及び白色光が順次出力される。赤色光、緑色光、青色光及び白色光のそれぞれは、反射型光変調素子45を照明する照明光である。
【0080】
このようなカラーホイール40C2が回転すると、第1実施形態に係るカラーホイール402と同様に、カラーホイール40C2の周囲の冷却媒体を撹拌する。これにより、カラーホイール40C2において回転軸Rx4側の領域からカラーホイール40C2の外側に向かって流通する冷却媒体の流れが発生し、反射型光変調素子45に冷却媒体が流通する。すなわち、カラーホイール40C2は、本開示の撹拌装置の1つである。
なお、第1実施形態に係る波長変換ホイール33A2のフィン336と同様のフィンをカラーホイール40C2に設け、冷却媒体の流れを発生しやすくしてもよい。
【0081】
平行化レンズ58は、色分離装置40Cから出射された照明光を平行化する。
均一化素子59は、平行化レンズ58によって平行化された照明光の照度分布を均一化する。均一化素子59は、一対のマルチレンズアレイ591,592により構成されている。しかしながら、これに限らず、均一化素子59は、一対のマルチレンズアレイ591,592に代えて、入射する照明光を透過させる過程にて拡散させる拡散透過素子を備えていてもよい。
【0082】
第3反射ミラー60は、均一化素子59から-Y方向に入射する照明光を+X方向に反射する。
重畳レンズ61は、第3反射ミラー60から入射する照明光を反射型光変調素子45に重畳する。
プリズム44は、第1実施形態にて示したように、入射する照明光を反射型光変調素子45に導き、反射型光変調素子45から入射する画像光を投射レンズ7に出射する。本実施形態では、プリズム44は、重畳レンズ61から+X方向に入射する照明光を反射型光変調素子45に向けて-Y方向に反射する。プリズム44は、反射型光変調素子45から+Y方向に入射する画像光を投射レンズ7に向けて+Y方向に出射する。
投射レンズ7は、プリズム44を介して反射型光変調素子45から入射する画像光を被投射面に投射する。
【0083】
[筐体の構成]
筐体2Cは、プロジェクター1Cの外装を構成する筐体である。筐体2Cは、上記のように、画像投射ユニット3Cを収容する収容室2C5を有する他、受熱面2A6、放熱面2A7、放熱フィン2A8及び区画部2C9を有する。
収容室2C5は、区画部2C9によって区画される第1収容室2C51及び第2収容室2C52を含む。すなわち、筐体2Cは、第1収容室2C51及び第2収容室2C52を有する。
区画部2C9は、筐体2C内に設けられた隔壁である。本実施形態では、区画部2C9は、照明光学系56の第2集光レンズ57を保持する。
第1収容室2C51は、固体発光素子311を有する光源31と、導光光学系47と、波長変換装置33Cと、を収容する。第1収容室2C51内には、上記した冷却媒体が充填されている。
第2収容室2C52は、照明光学系56と、反射型光変調素子45と、投射レンズ7における光入射側の一部と、を収容する。第2収容室2C52は、第1収容室2C51に充填された冷却媒体と同様の冷却媒体が充填されている。
【0084】
筐体2Cにおいて、受熱面2A6は、各収容室2C51,2C52の内部に設けられて、各収容室2C51,2C52内の冷却媒体から受熱する。受熱面2A6は、筐体2Cの内面の少なくとも一部を構成する。本実施形態に係る受熱面2A6は、第1実施形態に係る受熱面2A6と同様に、筐体2Cの内面の略全てを構成する。
放熱面2A7は、収容室2C5の外部に設けられて、受熱面2A6によって受熱された熱を筐体2Cの外部に放熱する。放熱面2A7は、筐体2Cの外面の少なくとも一部を構成する。本実施形態に係る放熱面2A7は、第1実施形態に係る放熱面2A7と同様に、筐体2Cの外面の略全てを構成する。
放熱フィン2A8は、放熱面2A7に配置される複数のフィン2A81によって構成され、放熱面2A7に複数設けられている。複数の放熱フィン2A8のうち、1つの放熱フィン2A8は、光源31が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられ、他の1つの放熱フィン2A8は、反射型光変調素子45が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられている。
【0085】
[第1収容室における冷却媒体の流れ]
上記のように、冷却媒体が充填された第1収容室2C51には、光源31、導光光学系47及び波長変換装置33Cが配置されている。
波長変換装置33Cの波長変換ホイール33C2が回転されると、上記のように、光入射側から波長変換ホイール33C2を見て回転軸Rx3から波長変換ホイール33C2の外側に向かって冷却媒体が流通する。これにより、波長変換ホイール33C2の波長変換層334が冷却される。
また、波長変換ホイール33C2の回転により、冷却媒体の一部は、波長変換ホイール33C2から-Y方向に流通して光源31に流通する。このような冷却媒体によって、光源31が冷却される。
【0086】
光源31を冷却した冷却媒体は、第1収容室2C51内を対流する過程にて、第1収容室2C51内に露出する受熱面2A6に熱を伝達することによって冷却される。冷却されつつ対流する冷却媒体は、波長変換ホイール33C2の周囲に到達し、波長変換ホイール33C2の回転に伴って、再び光源31に流通する。
一方、受熱面2A6にて受熱された熱は、放熱面2A7及び放熱フィン2A8によって筐体2Cの外部に放熱される。また、光源31が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられた放熱フィン2A8によって、受熱面2A6にて受熱された光源31の熱が、筐体2Cの外部に放熱される。
【0087】
[第2収容室における冷却媒体の流れ]
上記のように、冷却媒体が充填された第2収容室2C52には、照明光学系56と、反射型光変調素子45と、投射レンズ7における光入射側の一部と、が配置されている。
照明光学系56のカラーホイール40C2が回転されると、上記のように、光入射側からカラーホイール40C2を見て回転軸Rx4側の領域からカラーホイール40C2の外側に向かって冷却媒体が流通する。これにより、冷却媒体の一部は、カラーホイール40C2から反射型光変調素子45に流通し、反射型光変調素子45を冷却する。
【0088】
反射型光変調素子45を冷却した冷却媒体は、第2収容室2C52内を対流する過程にて、第2収容室2C52内に露出する受熱面2A6に熱を伝達することによって冷却される。冷却されつつ対流する冷却媒体は、カラーホイール40C2の周囲に到達し、カラーホイール40C2の回転に伴って、再び反射型光変調素子45に流通する。
一方、第1収容室2C51の場合と同様に、受熱面2A6にて受熱された熱は、放熱面2A7及び放熱フィン2A8によって筐体2Cの外部に放熱される。また、反射型光変調素子45が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられた放熱フィン2A8によって、受熱面2A6にて受熱された反射型光変調素子45の熱が、筐体2Cの外部に放熱される。
【0089】
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Cは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Cでは、筐体である筐体2Cは、固体発光素子311を収容する第1収容室2C51と、反射型光変調素子45を収容する第2収容室2C52と、を有する。すなわち、第1収容室2C51は、固体発光素子311と、撹拌装置の1つである波長変換ホイール33C2と、を収容する収容室であり、第2収容室2C52は、反射型光変調素子45と、撹拌装置の1つであるカラーホイール40C2と、を収容する収容室である。
このような構成によれば、第1収容室2C51及び第2収容室2C52のそれぞれに、受熱面2A6が設けられ、かつ、冷却媒体が充填されているので、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれの冷却効率を高めることができる。
【0090】
プロジェクター1Cでは、照明光学系56は、固体発光素子311及び波長変換ホイール33C2から出射された光が入射し、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBを順次出力するカラーホイール40C2を有する。赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBは、第1色光、第2色光及び第3色光に相当する。
第1収容室2C51は、波長変換ホイール33C2を収容する収容室である。
第2収容室2C52は、カラーホイール40C2を収容する収容室である。
波長変換ホイール33C2及びカラーホイール40C2のそれぞれは、撹拌装置である。
このような構成によれば、第1収容室2C51に収容された固体発光素子311は、波長変換ホイール33C2によって流通する冷却媒体によって冷却される。第2収容室2C52に収容された反射型光変調素子45は、カラーホイール40C2によって流通する冷却媒体によって冷却される。これによれば、固体発光素子311と反射型光変調素子45とは、異なる収容室内にて個別に冷却される。このため、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のうち一方の素子の熱が他方の素子に影響を与えることなく、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれを冷却できる。従って、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれの冷却効率を高めることができる。
【0091】
[第4実施形態]
以下、本開示の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成を備えるが、筐体内に設けられる収容室の区画が異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
[プロジェクターの概略構成]
図4は、本実施形態に係るプロジェクター1Dの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Dは、筐体2Cに代えて、図4に示す筐体2Dを備える他は、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成及び機能を備える。すなわち、プロジェクター1Dは、筐体2D及び画像投射ユニット3Cを備える。
【0093】
[筐体の構成]
筐体2Dは、プロジェクター1Dの外装を構成する筐体である。筐体2Dは、画像投射ユニット3Cを収容する収容室2D5を備える他、受熱面2A6、放熱面2A7、放熱フィン2A8及び区画部2D9を備える。
区画部2D9は、第1区画部2D91及び第2区画部2D92を有する。
第1区画部2D91は、筐体2D内に設けられて、収容室2D5を第1収容室2D51と第2収容室2D52とに区画する隔壁である。第1区画部2D91は、重畳レンズ61を保持する。
第2区画部2D92は、筐体2D内に設けられて、収容室2D5を第1収容室2D51と第3収容室2D53とに区画する隔壁である。第2区画部2D92は、ピックアップレンズ55のレンズ552を保持する。
このような区画部2D9によって収容室2D5は、第1収容室2D51と、第2収容室2D52と、第3収容室2D53とのそれぞれに、密閉されて区画されている。
【0094】
第1収容室2D51は、光源31と、導光光学系47と、照明光学系56のうちプリズム44以外の構成と、を収容する。すなわち、第1収容室2D51は、光源31、導光光学系47、照明光学系56の第2集光レンズ57、色分離装置40C、平行化レンズ58、均一化素子59、第3反射ミラー60及び重畳レンズ61を収容する。
第2収容室2D52は、プリズム44と、反射型光変調素子45と、投射レンズ7における光入射型の端部とを収容する。
第3収容室2D53は、波長変換装置33Cを収容する。
【0095】
本実施形態では、第1収容室2D51、第2収容室2D52及び第3収容室2D53のそれぞれには、上記した冷却媒体が充填されている。第1収容室2D51、第2収容室2D52及び第3収容室2D53のそれぞれに充填される冷却媒体は、同じ冷却媒体であってもよく、異なる冷却媒体であってもよい。また、第1収容室2D51、第2収容室2D52及び第3収容室2D53のうち、1つの収容室は、冷却媒体が充填されていなくてもよい。
【0096】
筐体2Dの受熱面2A6は、各収容室2D51,2D52,2D53の内部に設けられて、各収容室2D51,2D52,2D53内の冷却媒体から受熱する。受熱面2A6は、筐体2Dの内面の少なくとも一部を構成する。本実施形態に係る受熱面2A6は、第1、第2及び第3実施形態に係る受熱面2A6と同様に、筐体2Dの内面の略全てを構成する。
筐体2Dの放熱面2A7は、収容室2D5の外部に設けられて、受熱面2A6によって受熱された熱を筐体2Dの外部に放熱する。放熱面2A7は、筐体2Dの外面の少なくとも一部を構成する。本実施形態に係る放熱面2A7は、第1、第2及び第3実施形態に係る放熱面2A7と同様に、筐体2Dの外面の略全てを構成する。
筐体2Dの放熱フィン2A8は、放熱面2A7に配置される複数のフィン2A81によって構成され、放熱面2A7に複数設けられている。複数の放熱フィン2A8のうち、1つの放熱フィン2A8は、光源31が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられ、他の1つの放熱フィン2A8は、反射型光変調素子45が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられている。
【0097】
[第1収容室における冷却媒体の流れ]
上記のように、冷却媒体が充填された第1収容室2C51には、光源31と、導光光学系47と、照明光学系56のうちプリズム44以外の構成と、が配置されている。
撹拌装置であるカラーホイール40C2が回転されると、上記のように、光入射側からカラーホイール40C2を見て回転軸Rx4からカラーホイール40C2の外側に向かって冷却媒体が流通する。このように、カラーホイール40C2の回転によって第1収容室2D51内の冷却媒体が撹拌され、冷却媒体の一部が光源31に流通し、光源31を冷却する。
【0098】
光源31を冷却した冷却媒体は、第1収容室2D51内を対流する過程にて、第1収容室2D51内に露出する受熱面2A6に熱を伝達することによって冷却される。冷却されつつ対流する冷却媒体は、カラーホイール40C2の周囲に到達し、カラーホイール40C2の回転に伴って、再び光源31に流通する。
一方、受熱面2A6にて受熱された熱は、放熱面2A7及び放熱フィン2A8によって筐体2Dの外部に放熱される。また、光源31が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられた放熱フィン2A8によって、受熱面2A6にて受熱された光源31の熱が、筐体2Dの外部に放熱される。
【0099】
[第2収容室における冷却媒体の流れ]
上記のように、冷却媒体が充填された第2収容室2D52には、プリズム44と、反射型光変調素子45と、投射レンズ7における光入射側の一部と、が配置されている。
反射型光変調素子45に接触した冷却媒体は、反射型光変調素子45から吸熱する。第2収容室2D52では、反射型光変調素子45から吸熱した冷却媒体と、吸熱していない冷却媒体との温度差によって、冷却媒体が対流する。対流した冷却媒体は、受熱面2A6に接触して、受熱面2A6に熱を伝達する。これにより、冷却媒体は冷却される。
受熱面2A6にて受熱した反射型光変調素子45の熱は、放熱面2A7及び放熱フィン2A8によって筐体2Dの外部に放熱される。また、反射型光変調素子45が設けられた受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に設けられた放熱フィン2A8によって、受熱面2A6にて受熱された反射型光変調素子45の熱が、筐体2Dの外部に放熱される。
【0100】
[第3収容室における冷却媒体の流れ]
上記のように、冷却媒体が充填された第3収容室2D53には、波長変換装置33Cが配置されている。
波長変換装置33Cの波長変換ホイール33C2が回転されると、光入射側から波長変換ホイール33C2を見て回転軸Rx3から波長変換ホイール33C2の外側に向かって冷却媒体が流通する。これにより、波長変換ホイール33C2の波長変換層334が冷却される。
【0101】
波長変換層334を冷却した冷却媒体は、第3収容室2D53内を対流する過程にて、第2収容室2D52内に露出する受熱面2A6に熱を伝達することによって冷却される。冷却されつつ対流する冷却媒体は、波長変換ホイール33C2の周囲に到達し、波長変換ホイール33C2の回転に伴って波長変換層334を冷却する。
一方、受熱面2A6にて受熱された熱は、放熱面2A7及び放熱フィン2A8によって筐体2Dの外部に放熱される。なお、波長変換装置33Cが受熱面2A6に設けられ、受熱面2A6とは反対側の放熱面2A7に放熱フィン2A8が設けられている場合には、当該放熱フィン2A8によって、受熱面2A6にて受熱された波長変換装置33Cの熱が、筐体2Dの外部に放熱される。
【0102】
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Dは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Dでは、照明光学系56は、固体発光素子311及び波長変換ホイール33C2から出射された光が入射し、赤色光、緑色光及び青色光を順次出力するカラーホイール40C2を有する。赤色光、緑色光及び青色光は、第1色光、第2色光及び第3色光に相当する。第1収容室2D51は、カラーホイール40C2を収容する収容室であり、カラーホイール40C2は、撹拌装置である。
このような構成によれば、第1収容室2D51に収容された固体発光素子311を、カラーホイール40C2によって第1収容室2D51内を流通する冷却媒体によって効果的に冷却できる。また、カラーホイール40C2を撹拌装置として利用することによって、プロジェクター1Dの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を固体発光素子311に流通させることができる。
【0103】
プロジェクター1Dでは、筐体2Dは、波長変換ホイール33C2を収容する第3収容室2D53を更に有する。
ここで、入射した励起光を波長変換する波長変換ホイール33C2の波長変換層334は発熱する。このため、波長変換層334による発熱量が大きい場合には、波長変換ホイール33C2の周囲の構成に、熱の影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、上記構成によれば、波長変換ホイール33C2は、固体発光素子311が収容される第1収容室2D51と、反射型光変調素子45が収容される第2収容室2D52とは異なる第3収容室2D53に配置される。このため、固体発光素子311と反射型光変調素子45とに波長変換ホイール33C2から熱的な影響を与えることなく、固体発光素子311及び反射型光変調素子45のそれぞれを冷却できる。
【0104】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、波長変換ホイール33A2,33C2は、少なくとも1つの固体発光素子311を有する光源31から出射された励起光のうち、一部の励起光を出射するとともに、残りの励起光を波長変換した波長変換光を出射するとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクターは、例えば、光源31から出射された励起光を第1励起光と第2励起光とに分離する分離素子を有し、第1励起光を波長変換ホイール33A2,33C2によって波長変換光に変換し、変換された波長変換光と第2励起光とを合成して白色光を生成してもよい。また例えば、プロジェクターは、青色光を出射する第1光源と、波長変換ホイール33A2,33C2に入射する励起光を出射する第2光源と、を備えていてもよい。すなわち、波長変換ホイール33A2,33C2は、入射する励起光の略全てを波長変換光に変換してもよい。
【0105】
上記各実施形態では、波長変換ホイール33A2,33C2は、撹拌装置の1つであり、カラーホイール402,40C2は、撹拌装置の他の1つであるとした。しかしながら、これに限らず、波長変換ホイール33A2,33C2及びカラーホイール402,40C2のうち、少なくとも一方に代えて、或いは、少なくとも一方に加えて、撹拌装置としてファンを採用してもよい。例えば、波長変換ホイール33A2,33C2に代えて、回転しない波長変換素子を採用し、更に、撹拌装置として冷却媒体を撹拌するファンを採用してもよい。
また、波長変換ホイール33A2,33C2が反射型光変調素子45に冷却媒体を流通させてもよく、カラーホイール402,40C2が固体発光素子311に冷却媒体を流通させてもよい。
【0106】
上記第3実施形態では、第1収容室2C51及び第2収容室2C52のそれぞれに、冷却媒体が充填されているとした。上記第4実施形態では、第1収容室2D51、第2収容室2D52及び第3収容室2D53のそれぞれに、冷却媒体が充填されているとした。しかしながら、これに限らず、第1収容室2C51及び第2収容室2C52のうち、一方の収容室に冷却媒体が充填され、他方の収容室に冷却媒体が充填されていなくてもよい。同様に、第1収容室2D51、第2収容室2D52及び第3収容室2D53のうち、少なくとも1つの収容室に冷却媒体が充填され、残りの収容室に冷却媒体が充填されていなくてもよい。
【0107】
上記第3及び第4実施形態では、カラーホイール40C2は、色分離領域405R,405G,405B及び透過領域405Tを有するとした。しかしながら、これに限らず、透過領域405Tは無くてもよい。また、カラーホイール40C2は、透過領域405Tに代えて、黄色光を透過し、他の色光を遮蔽する色分離領域を備えていてもよい。
【0108】
上記各実施形態では、画像投射ユニット3A,3B,3Cは、図1~4に示す光学部品を備えて構成されていた。しかしながら、これに限らず、画像投射ユニット3A,3B,3Cの構成は、上記に限定されない。すなわち、画像投射ユニット3A,3B,3Cを構成する光学部品のうち一部の光学部品は無くてもよく、画像投射ユニット3A,3B,3Cは、他の光学部品を備えていてもよい。
【0109】
上記各実施形態では、筐体2A,2C,2Dは、プロジェクター1A,1B,1C,1Dの外装を構成するとした。しかしながら、これに限らず、本開示の筐体は、プロジェクターの外装を構成する筐体ではなく、外装筐体の内部に配置される筐体であってもよい。
【0110】
上記第3及び第4実施形態では、画像投射ユニット3Cは、1つの反射型光変調素子45を備えるとした。しかしながら、これに限らず、第2実施形態に係る画像投射ユニット3Bのように、画像投射ユニット3Cは、3つの反射型光変調素子45と、ダイクロイックプリズム46と、を備える構成としてもよい。
【0111】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
励起光を出射する固体発光素子と、
前記励起光を受光し、前記励起光を波長変換光に変換する波長変換ホイールと、
前記固体発光素子からの光と前記波長変換光とで照明光を出力する照明光学系と、
前記照明光学系から入射する光を画像信号に基づいて変調してカラー画像光を出射する反射型光変調素子と、
冷却媒体を撹拌する撹拌装置と、
前記固体発光素子、前記波長変換ホイール、前記照明光学系、前記反射型光変調素子及び前記撹拌装置を収容する筐体と、を備え、
前記筐体は、
前記撹拌装置と、前記固体発光素子及び前記反射型光変調素子うち少なくとも一方の素子とを収容し、密閉された収容室と、
前記収容室の内部に設けられた受熱面と、を有し、
前記冷却媒体は、前記収容室に充填され、前記撹拌装置によって撹拌されて、前記少なくとも一方の素子に流通し、前記少なくとも一方の熱を吸熱して、吸熱した熱を前記受熱面に伝達する、ことを特徴とするプロジェクター。
【0112】
このような構成によれば、熱源である反射型光変調素子及び固体発光素子のうち、少なくとも一方の素子は、密閉された収容室に収容される。収容室には冷却媒体が充填され、冷却媒体は、撹拌装置によって撹拌されて上記少なくとも一方の素子に流通し、上記少なくとも一方の素子から吸熱する。冷却媒体は、吸熱した熱を収容室の内面に設けられた受熱面に放熱する。これにより、上記少なくとも一方の素子を冷却できる。
従って、プロジェクターに大型な冷却装置を採用することなく、上記少なくとも一方の素子の冷却効率を高めることができる。すなわち、小型化を維持しつつ、上記少なくとも一方の素子の冷却効率を高められるプロジェクターを構成できる。
【0113】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記固体発光素子は、前記収容室に収容され、
前記撹拌装置は、前記冷却媒体を前記固体発光素子に流通させる、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、発光時に温度が高くなる熱源である固体発光素子を、冷却媒体を用いて効率よく冷却できる。従って、固体発光素子の冷却効率を高めることができる。
【0114】
[付記3]
付記2に記載のプロジェクターにおいて、
前記波長変換ホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、波長変換ホイールを撹拌装置として利用することによって、プロジェクターの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を固体発光素子に流通させることができる。
【0115】
[付記4]
付記3に記載のプロジェクターにおいて、
前記固体発光素子は、前記収容室の内面に沿って配置され、
前記波長変換ホイールは、前記冷却媒体を前記受熱面に接触させ、
前記冷却媒体は、前記受熱面に放熱して、前記固体発光素子に流通する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、冷却媒体は、波長変換ホイールによって収容室の内部に設けられた受熱面に放熱して冷却された後、収容室の内面に沿って設けられた固体発光素子に流通する。従って、固体発光素子を効率よく冷却できる。
【0116】
[付記5]
付記2から付記4のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記カラーホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、反射型光変調素子に第1色光、第2色光及び第3色光を入射させることができる。これにより、反射型光変調素子によってカラー画像を生成できる。
また、カラーホイールを撹拌装置として利用することによって、プロジェクターの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を反射型光変調素子に流通させることができる。
【0117】
[付記6]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記反射型光変調素子は、前記収容室に収容され、
前記撹拌装置は、前記冷却媒体を前記反射型光変調素子に流通させる、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、画像形成時に温度が高くなる熱源である反射型光変調素子を、冷却媒体を用いて効率よく冷却できる。従って、反射型光変調素子の冷却効率を高めることができる。
【0118】
[付記7]
付記6に記載のプロジェクターにおいて、
前記波長変換ホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、波長変換ホイールを撹拌装置として利用することによって、プロジェクターの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を反射型光変調素子に流通させることができる。
【0119】
[付記8]
付記6又は付記7に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記カラーホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、反射型光変調素子に第1色光、第2色光及び第3色光を入射させることができる。これにより、反射型光変調素子によってカラー画像を生成できる。
また、カラーホイールを撹拌装置として利用することによって、プロジェクターの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を反射型光変調素子に流通させることができる。
【0120】
[付記9]
付記8に記載のプロジェクターにおいて、
前記反射型光変調素子に流通した前記冷却媒体は、前記反射型光変調素子から吸熱した熱を前記受熱面に放熱して、前記カラーホイールに流通する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、反射型光変調素子を冷却した冷却媒体は、収容室の内面に設けられた受熱面に放熱して冷却された後、カラーホイールに流通する。従って、カラーホイールが、冷却された冷却媒体を反射型光変調素子に流通させることによって、反射型光変調素子を効率よく冷却できる。
【0121】
[付記10]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記筐体は、
前記固体発光素子を収容する第1収容室と、
前記反射型光変調素子を収容する第2収容室と、を有し、
前記収容室は、前記第1収容室及び前記第2収容室のうち少なくとも一方である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1収容室及び第2収容室のそれぞれに、受熱面が設けられ、かつ、冷却媒体が充填されている場合には、固体発光素子及び反射型光変調素子のそれぞれの冷却効率を高めることができる。また、第1収容室及び第2収容室のうち一方の収容室に、受熱面が設けられ、かつ、冷却媒体が充填されている場合には、固体発光素子及び反射型光変調素子のうち一方の収容室に収容された素子の冷却効率を高めることができる。
【0122】
[付記11]
付記10に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記第1収容室は、前記波長変換ホイールを収容し、
前記第2収容室は、前記カラーホイールを収容し、
前記第1収容室及び前記第2収容室のそれぞれは、前記収容室であり、
前記波長変換ホイール及び前記カラーホイールのそれぞれは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1収容室に収容された固体発光素子は、波長変換ホイールによって流通する冷却媒体によって冷却され、第2収容室に収容された反射型光変調素子は、カラーホイールによって流通する冷却媒体によって冷却される。これによれば、固体発光素子と反射型光変調素子とは、異なる収容室内にて個別に冷却される。このため、固体発光素子及び反射型光変調素子のうち一方の素子の熱が他方の素子に影響を与えることなく、固体発光素子及び反射型光変調素子のそれぞれを冷却できる。従って、固体発光素子及び反射型光変調素子のそれぞれの冷却効率を高めることができる。
【0123】
[付記12]
付記10に記載のプロジェクターにおいて、
前記照明光学系は、前記固体発光素子及び前記波長変換ホイールから出射された光が入射し、第1色光、第2色光及び第3色光を順次出力するカラーホイールを有し、
前記第1収容室は、前記カラーホイールを収容し、
前記第1収容室は、前記収容室であり、
前記カラーホイールは、前記撹拌装置である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1収容室に収容された固体発光素子を、カラーホイールによって第1収容室内を流通する冷却媒体によって効果的に冷却できる。
また、カラーホイールを撹拌装置として利用することによって、プロジェクターの部品点数を増加させることなく、冷却媒体を固体発光素子に流通させることができる。
【0124】
[付記13]
付記12に記載のプロジェクターにおいて、
前記筐体は、前記波長変換ホイールを収容する第3収容室を更に有する、ことを特徴とするプロジェクター。
ここで、入射した励起光を波長変換する波長変換ホイールは発熱する。このため、波長変換ホイールによる発熱量が大きい場合には、波長変換ホイールの周囲の構成に、熱の影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、上記構成によれば、波長変換ホイールは、固体発光素子が収容される第1収容室と、反射型光変調素子が収容される第2収容室とは異なる第3収容室に配置される。このため、固体発光光源と反射型光変調素子とに波長変換ホイールから熱的な影響を与えることなく、固体発光光源及び反射型光変調素子のそれぞれを冷却できる。
【符号の説明】
【0125】
1A,1B,1C,1D…プロジェクター、2A,2C,2D…筐体、2A5,2C5,2D5…収容室、2C51,2D51…第1収容室、2C52,2D52…第2収容室、2D53…第3収容室、2A6…受熱面、2A7…放熱面、2A8…放熱フィン、2A81…フィン、2C9,2D9…区画部、2D91…第1区画部、2D92…第2区画部、3A,3B,3C…画像投射ユニット、31…光源、311…固体発光素子、32…波長選択性反射素子、33A,33C…波長変換装置、331…駆動部、33A2,33C2…波長変換ホイール、333…基板、334…波長変換層、335,33C5…反射層、336…フィン、34…照明光学系、35…第1反射ミラー、36…第2反射ミラー、37…第3反射ミラー、38…第4反射ミラー、39…集光レンズ、40,40C…色分離装置、401…駆動部、402,40C2…カラーホイール、403…透光性基板、404…カラーフィルター、405B,405G,405R…色分離領域、405T…透過領域、41…均一化素子、42…集光素子、43…平行化素子、44…プリズム、45,45B,45G,45R…反射型光変調素子、46…ダイクロイックプリズム、47…導光光学系、48…第1集光レンズ、49…第1反射ミラー、50…アフォーカルレンズ、51…偏光分離素子、52…第2反射ミラー、53…位相差素子、54…平行化レンズ、55…ピックアップレンズ、56…照明光学系、57…第2集光レンズ、58…平行化レンズ、59…均一化素子、60…第3反射ミラー、61…重畳レンズ、7…投射レンズ。
図1
図2
図3
図4