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特開2024-5834ズームレンズおよびそれを有する撮像装置

書誌要約請求の範囲詳細な説明課題実施例実施するための形態図面の説明

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024005834

(43)【公開日】2024-01-17

(54)【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置

(51)【国際特許分類】

G02B 15/20 20060101AFI20240110BHJP

G02B 13/18 20060101ALI20240110BHJP

【ＦＩ】

G02B15/20

G02B13/18

【審査請求】未請求

【請求項の数】23

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022106240

(22)【出願日】2022-06-30

(71)【出願人】

【識別番号】000001007

【氏名又は名称】キヤノン株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100126240

【弁理士】

【氏名又は名称】阿部琢磨

(74)【代理人】

【識別番号】100223941

【弁理士】

【氏名又は名称】高橋佳子

(74)【代理人】

【識別番号】100159695

【弁理士】

【氏名又は名称】中辻七朗

(74)【代理人】

【識別番号】100172476

【弁理士】

【氏名又は名称】冨田一史

(74)【代理人】

【識別番号】100126974

【弁理士】

【氏名又は名称】大朋靖尚

(72)【発明者】

【氏名】大出隆史

【テーマコード（参考）】

2H087

【Ｆターム（参考）】

2H087KA02

2H087KA03

2H087MA16

2H087PA13

2H087PA15

2H087PA16

2H087PB19

2H087PB20

2H087QA02

2H087QA06

2H087QA17

2H087QA21

2H087QA25

2H087QA37

2H087QA39

2H087QA41

2H087QA42

2H087QA45

2H087QA46

2H087RA04

2H087RA05

2H087RA12

2H087RA13

2H087RA32

2H087RA44

2H087SA43

2H087SA47

2H087SA49

2H087SA52

2H087SA56

2H087SA57

2H087SA61

2H087SA62

2H087SA63

2H087SA64

2H087SA65

2H087SA66

2H087SB04

2H087SB15

2H087SB16

2H087SB26

2H087SB27

2H087SB34

2H087SB43

2H087SB45

(57)【要約】

【課題】全系が小型でありながら、高変倍比で高性能なズームレンズを得ること。
【解決手段】物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、正の屈折力の第３レンズ群、正の屈折力の第４レンズ群、負の屈折力の第５レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、前記第１レンズ群は正レンズＡを有し、前記正レンズＡのアッベ数をνｄＡ、前記第１レンズ群の焦点距離をｆ１、前記第２レンズ群の焦点距離をｆ２、広角端における前記第４レンズ群の横倍率をβ４ｗ、前記第３レンズ群の焦点距離をｆ３、広角端における全系の焦点距離をｆｗとし、それぞれを適切に設定する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、正の屈折力の第３レンズ群、正の屈折力の第４レンズ群、負の屈折力の第５レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第１レンズ群は正レンズＡを有し、
前記正レンズＡのアッベ数をνｄＡ、前記第１レンズ群の焦点距離をｆ１、前記第２レンズ群の焦点距離をｆ２、広角端における前記第４レンズ群の横倍率をβ４ｗ、前記第３レンズ群の焦点距離をｆ３、広角端における全系の焦点距離をｆｗとするとき、
７０．０＜νｄＡ
－１００．０＜ｆ１／ｆ２＜－５．０
－０．４９＜β４ｗ＜０．３６
２．０＜ｆ３／ｆｗ＜７．０
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。

【請求項2】

前記第２レンズ群は正レンズＢを有し、前記正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢとするとき、
νｄＢ＜４５．０
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項3】

前記第２レンズ群は負レンズＣを有し、前記負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣとするとき、
νｄＣ＞４５．０
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項4】

望遠端における全系の焦点距離をｆｔとするとき、
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項5】

広角端におけるバックフォーカスをｓｋｗとするとき、
１．３０＜ｆｗ／ｓｋｗ＜２．００
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項6】

前記第１レンズ群は、３枚以上のレンズを有することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項7】

前記第２レンズ群は、４枚以上のレンズを有することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項8】

前記第４レンズ群の焦点距離をｆ４、前記第５レンズ群の焦点距離をｆ５とするとき、
－１．００＜ｆ４／ｆ５＜－０．４０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項9】

前記第４レンズ群は非球面形状のレンズを有することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項10】

前記第４レンズ群は負レンズＤを有し、前記負レンズＤのアッベ数をνｄＤ、部分分散比をθｇＦＤとするとき、
νｄＤ＜４５．０
－０．００１６×νｄＤ＋０．６３５＜θｇＦＤ＜－０．００１３×νｄＤ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項11】

前記第５レンズ群の最も物体側の面は物体側に凸面を向けた形状であり、最も像側の面は像側に凹面を向けた形状であることを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項12】

前記第５レンズ群は正レンズＥを有し、前記負レンズＥのアッベ数をνｄＥ、部分分散比をθｇＦＥとするとき、
νｄＥ＜６０．０
－０．００１６×νｄＥ＋０．６３５＜θｇＦＥ＜－０．００１３×νｄＥ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項13】

前記ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、前記第１レンズ群、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、負の屈折力の第６レンズ群からなることを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項14】

前記ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、前記第１レンズ群、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、正の屈折力の第６レンズ群からなることを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項15】

前記ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、前記第１レンズ群、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群からなることを特徴とする請求項１に記載のズームレンズ。

【請求項16】

前記第２レンズ群は正レンズＢを有し、前記正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢとするとき、
νｄＢ＜４５．０
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項３乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項17】

前記第２レンズ群は負レンズＣを有し、前記負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣとするとき、
νｄＣ＞４５．０
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項４乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項18】

望遠端における全系の焦点距離をｆｔとするとき、
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００
なる条件式を満足することを特徴とする請求項５乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項19】

前記第２レンズ群は正レンズＢ及び負レンズＣを有し、前記正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢ、前記負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣとするとき、
νｄＢ＜４５．０
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０
νｄＣ＞４５．０
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする請求項４乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項20】

前記第２レンズ群は正レンズＢを有し、前記正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢ、望遠端における全系の焦点距離をｆｔとするとき、
νｄＢ＜４５．０
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００
なる条件式を満足することを特徴とする請求項５乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項21】

前記第２レンズ群は負レンズＣを有し、前記負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣ、望遠端における全系の焦点距離をｆｔとするとき、
νｄＣ＞４５．０
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００
なる条件式を満足することを特徴とする請求項５乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項22】

前記第２レンズ群は正レンズＢ及び負レンズＣを有し、前記正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢ、前記負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣ、望遠端における全系の焦点距離をｆｔとするとき、
νｄＢ＜４５．０
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０
νｄＣ＞４５．０
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００
なる条件式を満足することを特徴とする請求項５乃至１５のいずれか一項に記載のズームレンズ。

【請求項23】

請求項１乃至１５のいずれか１項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ズームレンズおよびそれを有する撮像装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラ、放送用カメラ、監視カメラ等のように撮像素子を用いた撮像装置に好適なものである。

【背景技術】

【0002】

近年、撮像装置に用いる撮像光学系としては、高変倍比（高ズーム比）で全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有し、レンズ全長の短い小型のズームレンズであることが求められている。

【0003】

特許文献１は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、正、および負の屈折力の第１乃至第５レンズ群で構成されたズームレンズを開示している。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１９－１６４３７７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１のズームレンズは、第１レンズ群が有する正レンズのアッベ数が小さく、高変倍比化すると、特に望遠端での軸上色収差が大きくなる。

【0006】

そこで本発明は、全系が小型でありながら、高変倍比で高い光学性能を有するズームレンズを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

【発明の効果】

【0008】

本発明によれば、全系が小型でありながら、高変倍比で高い光学性能を有するズームレンズを得られる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】実施例１のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図

【図2】実施例１のズームレンズの（Ａ）広角端、（Ｂ）中間のズーム位置、（Ｃ）望遠端における収差図

【図3】実施例２のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図

【図4】実施例２のズームレンズの（Ａ）広角端、（Ｂ）中間のズーム位置、（Ｃ）望遠端における収差図

【図5】実施例３のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図

【図6】実施例３のズームレンズの（Ａ）広角端、（Ｂ）中間のズーム位置、（Ｃ）望遠端における収差図

【図7】実施例４のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図

【図8】実施例４のズームレンズの（Ａ）広角端、（Ｂ）中間のズーム位置、（Ｃ）望遠端における収差図

【図9】本発明の撮像装置の要部概略図

【発明を実施するための形態】

【0010】

以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。本実施形態におけるズームレンズは、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、正の屈折力の第３レンズ群、正の屈折力の第４レンズ群、負の屈折力の第５レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。

【0011】

図１は、実施例１の広角端（短焦点距離端）におけるレンズ断面図である。図２（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ、実施例１のズームレンズの無限遠物体にフォーカスを合わせたとき（合焦したとき）の広角端、中間のズーム位置、望遠端（長焦点距離端）における縦収差図である。実施例１は、ズーム比１１．７７、Ｆナンバー４．１２～５．７７程度のズームレンズである。

【0012】

図３は、実施例２の広角端におけるレンズ断面図である。図４（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ、実施例２のズームレンズの無限遠物体にフォーカスを合わせたときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。実施例２は、ズーム比１５．７８、Ｆナンバー４．１２～５．７７程度のズームレンズである。

【0013】

図５は、実施例３の広角端におけるレンズ断面図である。図６（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ、実施例３の無限遠物体にフォーカスを合わせたときのズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。実施例３は、ズーム比１１．６５、Ｆナンバー４．１２～６．３０程度のズームレンズである。

【0014】

図７は、実施例４の広角端におけるレンズ断面図である。図８（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）はそれぞれ、実施例４の無限遠物体にフォーカスを合わせたときのズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。実施例４は、ズーム比１１．７７、Ｆナンバー４．１２～５．７７程度のズームレンズである。

【0015】

各実施例のズームレンズはデジタルカメラやビデオカメラ、放送用カメラ、監視用カメラ、銀塩写真用カメラなどの撮像装置に用いられるズームレンズである。レンズ断面図において、左方が物体側（前方）で、右方が像側（後方）である。尚、各実施例のズームレンズは、投射装置（プロジェクタ）用の投射光学系として用いても良く、このときは左方がスクリーン側、右方が光源側となる。レンズ断面図において、Ｌ０はズームレンズ全系である。

【0016】

ＳＰは開口絞り（開放Ｆナンバー絞り）である。ＩＰは像面である。デジタルカメラやビデオカメラでは、ズームレンズの像面ＩＰは、ＣＣＤセンサやＣＭＯＳセンサなどの固体撮像素子（光電変換素子）の撮像面に相当する。銀塩フィルムカメラでは、ズームレンズの像面ＩＰは、フィルム面に相当する。矢印は無限遠に合焦しているときの広角端から望遠端へのズーミングに際してのレンズ群の移動軌跡を示している。ＦＯＣＵＳと記載した矢印は、無限遠物体から近距離物体へフォーカシングする際のレンズ群の移動方向を示している。

【0017】

球面収差図において、ＦｎｏはＦナンバーである。また実線のｄはｄ線（波長５８７．６ｎｍ）における球面収差を示し、二点鎖線のｇはｇ線（波長４３５．８ｎｍ）における球面収差を示している。非点収差図で破線ｄ線におけるメリディオナル像面、実線はｄ線におけるサジタル像面である。歪曲収差図はｄ線について示している。倍率色収差図はｇ線について示している。ωは半画角（度）である。

【0018】

ここで、光学系における色収差の補正に関連するパラメータとして、アッベ数νｄ、部分分散比θｇＦが知られている。ｇ線（波長４３５．８ｎｍ）、Ｆ線（４８６．１ｎｍ）、Ｃ線（６５６．３ｎｍ）、ｄ線（５８７．６ｎｍ）に対する材料の屈折率をそれぞれＮｇ、ＮＦ、ＮＣ、Ｎｄとするとき、アッベ数νｄ、部分分散比θｇＦはそれぞれ、以下の式で表される。
νｄ＝（Ｎｄ－１）／（ＮＦ－ＮＣ）
θｇＦ＝（Ｎｇ－ＮＦ）／（ＮＦ－ＮＣ）

【0019】

一般に、全体として正の屈折力を有するレンズ群の中に配置された負レンズの材料として高分散の材料を用いることで、Ｃ線に対するＦ線の色収差である１次の色収差を良好に補正することができる。また、全体として正の屈折力を有するレンズ群の中に配置された正レンズの材料として異常分散性の高い材料を用いることで、Ｆ線に対するｇ線の色収差である２次の色収差を良好に補正することができる。

【0020】

ここで、レンズに用いられる材料の異常分散性について説明する。本願明細書では、異常分散性の強さの指標ΔθｇＦを以下の式で定義する。
ΔθｇＦ＝θｇＦ－（－１．６６５×１０^－７ ×νｄ^３＋５．２１３×１０^－５×νｄ^２－５．６５６×１０^－３×νｄ＋０．７２６８）

【0021】

多くの光学材料では、ΔθｇＦの値はゼロ近傍の値となる。ΔθｇＦの値がゼロから離れるほど、異常分散性の高い材料となる。

【0022】

各実施例のズームレンズは、正の屈折力の第１レンズ群Ｌ１、負の屈折力の第２レンズ群Ｌ２、正の屈折力の第３レンズ群Ｌ３、正の屈折力の第４レンズ群Ｌ４、負の屈折力の第５レンズ群Ｌ５を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。

【0023】

第１レンズ群Ｌ１を正の屈折力とし、第５レンズ群Ｌ５を負の屈折力としている。その結果、主点が物体側に配置されるテレフォトタイプの構成となり、ズームレンズ全系Ｌ０を小型化している。また、第２レンズ群Ｌ２を負の屈折力とすることで、特に第１レンズ群Ｌ１で発生する広角端での倍率色収差を良好に補正している。また、第３レンズ群Ｌ３と第４レンズ群Ｌ４を正の屈折力とすることで、ズーミング時に発生する球面収差やコマ収差の変動を補正している。

【0024】

第１レンズ群Ｌ１は正レンズＡを有し、正レンズＡのアッベ数をνｄＡ、第１レンズ群Ｌ１の焦点距離をｆ１、第２レンズ群Ｌ２の焦点距離をｆ２とする。さらに、広角端における第４レンズ群Ｌ４の横倍率をβ４ｗ、第３レンズ群Ｌ３の焦点距離をｆ３、広角端における全系Ｌ０の焦点距離をｆｗとするとき、
７０．０＜νｄＡ・・・（１）
－１００．０＜ｆ１／ｆ２＜－５．０・・・（２）
－０．４９＜β４ｗ＜０．３６・・・（３）
２．０＜ｆ３／ｆｗ＜７．０・・・（４）
なる条件式を満足する。

【0025】

次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式（１）は、第１レンズ群Ｌ１が有する正レンズＡのアッベ数に関するものである。条件式（１）を満足することで、特に望遠端で軸上色収差を良好に補正することができる。条件式（１）の下限を下回ると、Ｆ線とＣ線の屈折率差が大きくなりすぎてしまい特に望遠端で１次の軸上色収差が悪化してしまう。

【0026】

条件式（２）は、第１レンズ群Ｌ１と第２レンズ群Ｌ２の焦点距離の比に関するものであり、条件式（２）を満足することでズームレンズ全系Ｌ０の小型化、高変倍化、光学性能の高性能化を両立することができる。条件式（２）の下限を下回ると、第２レンズ群Ｌ２の屈折力が強くなりすぎて、ズーミング時の諸収差の変動を補正することが困難である。条件式（２）の上限を上回ると、高変倍比化のためには、ズーミング時の第２レンズ群Ｌ２の移動量が大きくなり、ズームレンズ全系Ｌ０が大型化する。

【0027】

条件式（３）は、広角端における第４レンズ群Ｌ４の横倍率であり、第３レンズ群Ｌ３から第４レンズ群Ｌ４に入射する軸上のマージナル光線の角度に関するものである。条件式（３）の下限を下回ると、第３レンズ群Ｌ３から第４レンズ群Ｌ４に入射する軸上のマージナル光線の角度が光軸に対して大きくなりすぎて、特に第４レンズ群Ｌ４で発生する球面収差が大きくなる。条件式（３）の上限を上回っても、第３レンズ群Ｌ３から第４レンズ群Ｌ４に出射する軸上のマージナル光線の角度が光軸に対して大きくなりすぎて、特に第４レンズ群Ｌ４で発生する球面収差が大きくなる。

【0028】

条件式（４）は、第３レンズ群Ｌ３の焦点距離に関するものである。条件式（４）の下限を下回ると、第３レンズ群Ｌ３の屈折力が強くなりすぎて、特に球面収差の補正が困難である。条件式（４）の上限を上回ると、第３レンズ群Ｌ３の屈折力が弱くなりすぎて、ズーミング時の第３レンズ群Ｌ３の移動量が大きくなり、ズームレンズ全系Ｌ０が大型化する。

【0029】

好ましくは条件式（１）乃至（４）を次の如く設定するのが良い。
７５．０＜νｄＡ・・・（１ａ）
－５０．０＜ｆ１／ｆ２＜－５．５・・・（２ａ）
－０．１０＜β４ｗ＜０．１０・・・（３ａ）
２．３＜ｆ３／ｆｗ＜６．０・・・（４ａ）

【0030】

より好ましくは条件式（１ａ）乃至（４ａ）を次の如く設定するのが良い。
８０．０＜νｄＡ・・・（１ｂ）
－１０．０＜ｆ１／ｆ２＜－６．０・・・（２ｂ）
－０．０６０＜β４ｗ＜０．０２５・・・（３ｂ）
２．５＜ｆ３／ｆｗ＜４．０・・・（４ｂ）

【0031】

さらに、各実施例のズームレンズにおいて、次の条件式のうち１つ以上満足するのが好ましい。
νｄＢ＜４５．０・・・（５）
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０・・・（６）
νｄＣ＞４５．０・・・（７）
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０・・・（８）
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００・・・（９）
１．３０＜ｆｗ／ｓｋｗ＜２．００・・・（１０）
－１．００＜ｆ４／ｆ５＜－０．４０・・・（１１）
νｄＤ＜４５．０・・・（１２）
－０．００１６×νｄＤ＋０．６３５＜θｇＦＤ＜－０．００１３×νｄＤ＋０．６５０・・・（１３）
νｄＥ＜６０．０・・・（１４）
－０．００１６×νｄＥ＋０．６３５＜θｇＦＥ＜－０．００１３×νｄＥ＋０．６５０・・・（１５）

【0032】

ここで、第２レンズ群Ｌ２は正レンズＢを有し、正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢとする。第２レンズ群Ｌ２は負レンズＣを有し、負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣとする。望遠端におけるズームレンズ全系Ｌ０の焦点距離をｆｔとする。

【0033】

広角端におけるバックフォーカスをｓｋｗとする。第４レンズ群Ｌ４の焦点距離をｆ４、第５レンズ群Ｌ５の焦点距離をｆ５とする。第４レンズ群Ｌ４は負レンズＤを有し、負レンズＤのアッベ数をνｄＤ、部分分散比をθｇＦＤとする。第５レンズ群Ｌ５は正レンズＥを有し、負レンズＥのアッベ数をνｄＥ、部分分散比をθｇＦＥとする。

【0034】

次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。

【0035】

条件式（５）は、第２レンズ群Ｌ２が有する正レンズＢのアッベ数に関するものである。条件式（５）の上限を上回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する１次の倍率色収差が補正不足となる。

【0036】

条件式（６）は、第２レンズ群Ｌ２が有する正レンズＢの部分分散比に関するものである。条件式（６）の下限を下回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する２次の倍率色収差が補正不足となる。条件式（６）の上限を上回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する２次の倍率色収差が過補正となる。

【0037】

条件式（７）は、第２レンズ群Ｌ２が有する負レンズＣのアッベ数に関するものである。条件式（７）の下限を下回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する１次の倍率色収差が補正不足となる。

【0038】

条件式（８）は、第２レンズ群Ｌ２が有する負レンズＣの部分分散比に関するものである。条件式（８）の下限を下回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する２次の倍率色収差が過補正となる。条件式（８）の上限を上回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する２次の倍率色収差が補正不足となる。

【0039】

条件式（９）は、第１レンズ群Ｌ１の焦点距離に関するものである。条件式（９）の下限を下回ると、第１レンズ群Ｌ１の屈折力が強くなりすぎて、特に望遠端における軸上色収差の補正が困難である。条件式（９）の上限を上回ると、第１レンズ群Ｌ１の屈折力が弱くなりすぎて、ズームレンズ全系Ｌ０の主点が像側に配置されズームレンズ全系Ｌ０が大型化する。

【0040】

条件式（１０）は、広角端におけるズームレンズ全系Ｌ０の焦点距離と広角端におけるズームレンズ全系Ｌ０のバックフォーカスに関するものである。条件式（１０）の下限を下回ると、広角端におけるズームレンズ全系Ｌ０のバックフォーカスが長くなりすぎて、ズームレンズ全系Ｌ０が大型化する。条件式（１０）の上限を上回ると、広角端におけるズームレンズ全系Ｌ０の焦点距離が長くなりすぎて、所望の変倍比を得ることが困難である。

【0041】

条件式（１１）は、第４レンズ群Ｌ４の焦点距離と第５レンズ群Ｌ５の焦点距離に関するものである。条件式（１１）の下限を下回ると、第４レンズ群Ｌ４の屈折力が弱くなりすぎて、第５レンズ群Ｌ５に入射する軸外光線の高さが高くなり、第５レンズ群Ｌ５の各レンズの径が大型化する。条件式（１１）の上限を上回ると、第５レンズ群Ｌ５の屈折力が弱くなりすぎて、ズームレンズ全系Ｌ０の主点が像側に配置され、ズームレンズ全系Ｌ０が大型化する。

【0042】

条件式（１２）は、第４レンズ群Ｌ４が有する負レンズＤのアッベ数に関するものである。条件式（１２）の上限を上回ると、特に第４レンズ群Ｌ４内で発生する１次の軸上色収差が補正不足となる。

【0043】

条件式（１３）は、第４レンズ群Ｌ４が有する負レンズＤの部分分散比に関するものである。条件式（１３）の下限を下回ると、特に第４レンズ群Ｌ４内で発生する２次の軸上色収差が過補正となる。条件式（１３）の上限を上回ると、特に第４レンズ群Ｌ４内で発生する２次の軸上色収差が補正不足となる。

【0044】

条件式（１４）は、第５レンズ群Ｌ５が有する正レンズＥのアッベ数に関するものである。条件式（１４）の上限を上回ると、特に第５レンズ群Ｌ５内で発生する１次の軸上色収差が補正不足となる。

【0045】

条件式（１５）は、第５レンズ群Ｌ５が有する正レンズＥの部分分散比に関するものである。条件式（１５）の下限を下回ると、特に第５レンズ群Ｌ５内で発生する２次の軸上色収差が過補正となる。条件式（１５）の上限を上回ると、特に第５レンズ群内で発生する２次の軸上色収差が補正不足となる。

【0046】

好ましくは条件式（５）乃至（１５）を次の如く設定するのが良い。
νｄＢ＜３５．０・・・（５ａ）
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３７＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６４７・・・（６ａ）
νｄＣ＞５０．０・・・（７ａ）
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３７＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６４７・・・（８ａ）
０．３５＜ｆ１／ｆｔ＜０．９５・・・（９ａ）
１．３５＜ｆｗ／ｓｋｗ＜１．９０・・・（１０ａ）
－０．９５＜ｆ４／ｆ５＜－０．４５・・・（１１ａ）
νｄＤ＜３５．０・・・（１２ａ）
－０．００１６×νｄＤ＋０．６３７＜θｇＦＤ＜－０．００１３×νｄＤ＋０．６４７・・・（１３ａ）
νｄＥ＜５７．０・・・（１４ａ）
－０．００１６×νｄＥ＋０．６３７＜θｇＦＥ＜－０．００１３×νｄＥ＋０．６４７・・・（１５ａ）

【0047】

さらに好ましくは条件式（５ａ）乃至（１５ａ）を次の如く設定するのが良い。
２０．０＜νｄＢ＜３０．０・・・（５ｂ）
－０．００１６×νｄＢ＋０．６４０＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６４５・・・（６ｂ）
νｄＣ＞５５．０・・・（７ｂ）
－０．００１６×νｄＣ＋０．６４０＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６４５・・・（８ｂ）
０．３７＜ｆ１／ｆｔ＜０．８０・・・（９ｂ）
１．４０＜ｆｗ／ｓｋｗ＜１．８０・・・（１０ｂ）
－０．９０＜ｆ４／ｆ５＜－０．５０・・・（１１ｂ）
２０．０＜νｄＤ＜３０．０・・・（１２ｂ）
－０．００１６×νｄＤ＋０．６４０＜θｇＦＤ＜－０．００１３×νｄＤ＋０．６４５・・・（１３ｂ）
３０．０＜νｄＥ＜５３．０・・・（１４ｂ）
－０．００１６×νｄＥ＋０．６４０＜θｇＦＥ＜－０．００１３×νｄＥ＋０．６４５・・・（１５ｂ）

【0048】

条件式（５ｂ）の下限を下回ると、特に第２レンズ群Ｌ２内で発生する１次の倍率色収差が過補正となる。

【0049】

条件式（１２ｂ）の下限を下回ると、特に第４レンズ群Ｌ４内で発生する１次の軸上色収差が過補正となる。

【0050】

条件式（１４ｂ）の下限を下回ると、特に第５レンズ群Ｌ５内で発生する１次の軸上色収差が過補正となる。

【0051】

また、第１レンズ群Ｌ１が３枚以上のレンズを有することが好ましい。３枚以上のレンズを有することで、特に望遠端における球面収差を補正することができる。

【0052】

また、第２レンズ群Ｌ２が４枚以上のレンズを有することが好ましい。４枚以上のレンズを有することで、特にズーミング時の諸収差の変動を補正することができる。

【0053】

また、第４レンズ群Ｌ４は非球面形状のレンズを有することが好ましい。非球面形状のレンズを有することで、特に広角端の球面収差を補正することができる。

【0054】

また、第５レンズ群Ｌ５の最も物体側の面は物体側に凸面を向けた形状とし、最も像側の面は像側に凹面を向けた形状とすることが好ましい。最も物体側の面は物体側に凸面を向け、最も像側の面は像側に凹面を向けることで、特に望遠端における軸上のマージナル光線を緩やかに曲げて、特に球面収差を補正することができる。

【0055】

各実施例では、以上のように各光学要素を配置することにより、全系が小型でありながら、高性能なズームレンズを得ている。

【0056】

次に各実施例のレンズ構成について詳細に説明する。実施例１のズームレンズは、正の屈折力の第１レンズ群Ｌ１、負の屈折力の第２レンズ群Ｌ２、正の屈折力の第３レンズ群Ｌ３を有する。さらに第３レンズ群Ｌ３の像側に、正の屈折力の第４レンズ群Ｌ４、負の屈折力の第５レンズ群Ｌ５、負の屈折力の第６レンズ群Ｌ６を有する。６群構成とすることで、全ズーム域の光学性能を良好に補正している。

【0057】

広角端から望遠端へのズーミングに際して、第１レンズ群Ｌ１、第３レンズ群Ｌ３、第４レンズ群Ｌ４、第５レンズ群Ｌ５、第６レンズ群Ｌ６は物体側に移動し、第２レンズ群Ｌ２は像側に移動する。第２レンズ群Ｌ２が像側に移動することで、第１レンズ群Ｌ１と第２レンズ群Ｌ２の望遠端での軸上の間隔を大きくすることができ、高変倍比化に有利な構成となっている。また、フォーカシング時に径が比較的小型な第５レンズ群Ｌ５を光軸方向に移動させることで、高速にフォーカシングすることができる。また、第５レンズ群Ｌ５は正レンズ１枚と負レンズ１枚からなる。その結果、フォーカシング時に発生する倍率色収差の変動を補正している。また、第６レンズ群Ｌ６が正レンズ１枚と負レンズ１枚からなることで、ズーミング時に発生する倍率色収差の変動を補正している。

【0058】

実施例２のズームレンズのレンズ群の構成は実施例１のズームレンズと同じである。実施例２では、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第２レンズ群Ｌ２が物体側に移動する。第２レンズ群Ｌ２が物体側に移動することで、第３レンズ群Ｌ３の移動量を大きくすることができ、特に望遠端で発生する球面収差を補正している。また、第２レンズ群Ｌ２が正レンズを２枚有することで、特に広角端における倍率色収差を補正している。

【0059】

実施例３のズームレンズは、正の屈折力の第１レンズ群Ｌ１、負の屈折力の第２レンズ群Ｌ２、正の屈折力の第３レンズ群Ｌ３を有する。さらに第３レンズ群Ｌ３の像側に、正の屈折力の第４レンズ群Ｌ４、負の屈折力の第５レンズ群Ｌ５、正の屈折力の第６レンズ群Ｌ６を有する。６群構成とすることで、全ズーム域の光学性能を良好に補正している。また、第６レンズ群Ｌ６が正の屈折力を有することで、像面に入射する軸外光線の角度を緩やかにし、色シェーディングを抑制している。広角端から望遠端へのズーミングに際して、各群の移動する方向は実施例２と同様である。

【0060】

実施例４のズームレンズは、正の屈折力の第１レンズ群Ｌ１、負の屈折力の第２レンズ群Ｌ２、正の屈折力の第３レンズ群Ｌ３を有する。さらに第３レンズ群Ｌ３の像側に、正の屈折力の第４レンズ群Ｌ４、負の屈折力の第５レンズ群Ｌを有する。５群構成とすることで、全ズーム域の光学性能を良好に補正している。

【0061】

また、フォーカシング時に正レンズ２枚、負レンズ２枚からなる第５レンズ群Ｌ５を光軸方向に移動させている。その結果、フォーカシング時に発生する倍率色収差の変動を補正している。また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第１レンズ群Ｌ１、第２レンズ群Ｌ２、第３レンズ群Ｌ３、第４レンズ群Ｌ４、第５レンズ群Ｌ５は物体側に移動する。その結果、各群の移動量を確保することができ、ズーミング時に発生する諸収差の変動を補正している。

【0062】

次に、本実施形態における光学系（ズームレンズ）を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ（撮像装置）の実施例について、図９を用いて説明する。図９において、１０はカメラ本体、１１は実施例１乃至４で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。１２はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系１１によって形成された光学像を受光して光電変換するＣＣＤセンサやＣＭＯＳセンサ等の固体撮像素子（光電変換素子）である。カメラ本体１０はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。

【0063】

このように本実施形態における光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、全系が小型でありながら、高変倍比で高性能な撮像装置を得ることができる。

【0064】

以下、実施例１乃至４に対応する具体的な数値実施例１乃至４を示す。

【0065】

各数値実施例の面データにおいて、ｒは各光学面の曲率半径、ｄ（ｍｍ）は第ｍ面と第（ｍ＋１）面との間の軸上間隔（光軸上の距離）を表わしている。ただし、ｍは光入射側から数えた面の番号である。また、ｎｄは各光学部材のｄ線に対する屈折率、νｄは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、レンズの材料のアッベ数νｄは、フラウンホーファ線のｄ線（５８７．６ｎｍ）、Ｆ線（４８６．１ｎｍ）、Ｃ線（６５６．３ｎｍ）における屈折率をＮｄ、ＮＦ、ＮＣとするとき、
νｄ＝（Ｎｄ－１）／（ＮＦ－ＮＣ）で表される。

【0066】

また、各数値実施例において、ｄ、焦点距離（ｍｍ）、Ｆナンバー、半画角（°）は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。「バックフォーカスＢＦ」は、レンズ最終面（最も像側のレンズ面）から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面（最も物体側のレンズ面）から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、１枚のレンズから構成される場合も含むものとする。

【0067】

また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、＊の符号を付している。非球面形状は、Ｘを光軸方向の面頂点からの変位量、ｈを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Ｒを近軸曲率半径、ｋを円錐定数、Ａ４、Ａ６、Ａ８、Ａ１０、Ａ１２を各次数の非球面係数とするとき、
ｘ＝（ｈ^２／Ｒ）／［１＋｛１－（１＋ｋ）（ｈ／Ｒ）^２｝^１／２＋Ａ４×ｈ^４＋Ａ６×ｈ^６＋Ａ８×ｈ^８＋Ａ１０×ｈ^１０＋Ａ１２×ｈ^１２
で表している。なお、各非球面係数における「ｅ±ＸＸ」は「×１０±ＸＸ」を意味している。

【0068】

また、前述の各条件式と各数値実施例との関係を表１に示す。

【0069】

［数値実施例１］
面番号 r d nd νd θgF
1 167.525 1.850 1.904 31.3 0.5947
2 98.082 8.422 1.497 81.5 0.5375
3 -437.952 0.150 62.900
4 82.689 6.332 1.497 81.5 0.5375
5 355.515 (可変) 59.970
6 910.365 1.400 1.773 49.6 0.5520
7* 24.554 7.687 31.160
8 -65.173 1.080 1.618 63.3 0.5441
9 54.889 0.150 29.230
10 42.242 4.946 1.855 24.8 0.6122
11 -180.878 2.095 28.290
12 -42.078 1.020 1.620 60.3 0.5427
13 -325.247 (可変) 27.200
14(絞り) ∞ 0.350 21.880
15 37.867 4.639 1.596 39.2 0.5803
16 -87.148 6.445 22.700
17 -42.996 0.999 1.852 40.8 0.5695
18 -107.299 0.930 22.050
19 137.874 0.860 1.834 37.2
20 35.506 4.400 1.497 81.5 0.5375
21 -92.087 0.500 22.490
22 55.376 3.070 1.713 53.9 0.5459
23 -186.956 1.584 22.470
24 -61.987 0.850 1.954 32.3 0.5899
25 358.348 (可変) 22.230
26 42.373 5.540 1.497 81.5 0.5375
27 -84.372 1.250 1.855 24.8 0.6122
28 -598.863 0.150 28.340
29* 73.145 6.214 1.583 59.4 0.5423
30* -37.541 (可変) 29.150
31 131.794 1.747 1.847 23.8 0.6205
32 24493.62 1.182 1.678 50.7 0.5557
33 29.643 (可変) 26.000
34 -352.927 6.002 1.847 23.8 0.6205
35 -28.885 1.400 1.905 35.0 0.5848
36 269.788 (可変) 31.110
像面 ∞

広角端中間望遠端
焦点距離 24.72 83.1 291
Fナンバー 4.12 5.1 5.77
画角 37.35 14.59 4.25
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 175 216.95 258.9
BF 13.81 51.78 68.61

広角端中間望遠端
d5 1.317 37.996 83.458
d13 38.664 17.910 1.139
d25 16.509 4.572 0.996
d30 6.156 1.925 1.265
d33 15.295 19.526 20.186
d36 13.813 51.777 68.613

群始面焦点距離
1 1 142.99
2 6 -23.6
3 14 69.51
4 26 32.95
5 31 -61.69
6 34 -127.62

第7面 K -3.797510E+00 A4 3.096570E-05 A6 -4.184230E-08
第7面 A8 8.747050E-11 A10 -5.181340E-14
第29面 K 0.000000E+00 A4 -9.718550E-06
第30面 K -3.804920E+00 A4 -2.817590E-06

【0070】

［数値実施例２］
面番号 r d nd νd θgF
1 141.795 1.850 1.904 31.3 0.5947
2 93.379 10.455 1.497 81.5 0.5375
3 -1380.076 0.150 72.900
4 94.778 6.969 1.439 94.7 0.5340
5 734.707 (可変) 64.720
6 157.728 1.400 1.816 46.6 0.5568
7* 29.129 8.192 34.120
8 -112.824 1.080 1.618 63.3 0.5441
9 29.879 5.456 1.855 24.8 0.6122
10 380.622 2.444 27.100
11 -46.835 3.953 1.855 24.8 0.6122
12 -24.338 1.020 1.892 37.1 0.5780
13 -498.683 (可変) 25.070
14(絞り) ∞ 0.350 25.860
15* 28.900 5.490 1.532 48.8 0.5631
16 360.233 (可変) 27.680
17 159.999 0.860 1.834 37.2 0.5776
18 36.619 4.415 1.497 81.5 0.5375
19 -1600.061 0.500 26.980
20 55.163 3.847 1.713 53.9 0.5459
21 -115.211 (可変) 26.850
22 -33.727 0.850 1.954 32.3 0.5899
23 -145.278 (可変) 26.680
24 43.133 6.077 1.497 81.5 0.5375
25 -54.996 1.250 1.855 24.8 0.6122
26 -89.657 0.150 27.590
27* 121.543 5.008 1.583 59.4 0.5423
28* -41.881 (可変) 28.270
29 234.231 2.068 1.847 23.8 0.6205
30 -179.935 1.182 1.678 50.7 0.5557
31 32.766 (可変) 25.750
32 -438.596 5.714 1.855 24.8 0.6122
33 -30.695 1.400 1.905 35 0.5848
34 222.247 (可変) 30.990
像面 ∞

広角端中間望遠端
焦点距離 24.72 100.11 390
Fナンバー 4.12 5.1 5.77
画角 37.35 12.19 3.18
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 180 240.04 300.09
BF 14 58.23 86.92

広角端中間望遠端
d5 1.317 47.780 95.373
d13 36.259 14.694 1.802
d23 13.428 4.346 0.991
d28 6.866 4.179 1.483
d31 15.295 17.983 20.679
d34 14.000 58.228 86.925

群始面焦点距離
1 1 157.090
2 6 -21.700
3 14 66.840
4 24 31.970
5 29 -62.540
6 32 -129.68

第7面 K 3.367490E-01 A4 -1.241670E-06 A6 -2.241790E-09
第7面 A8 1.842620E-12 A10 -5.836570E-15
第15面 K 0.000000E+00 A4 -2.130620E-06 A6 4.996970E-10
第15面 A8 3.185660E-12
第27面 K 0.000000E+00 A4 -9.128860E-06 A6 -1.814900E-09
第28面 K -3.809010E+00 A4 -1.488020E-06 A6 -8.306290E-10

【0071】

［数値実施例３］
面番号 r d nd νd θgF
1 115.887 1.850 1.84666 23.8 0.6205
2 86.462 9.046 1.497 81.5 0.5375
3 1087.111 0.150 69.49
4 103.956 5.415 1.48749 70.2 0.5300
5 302.306 (可変) 66.67
6 204.269 1.400 1.816 46.6 0.5568
7* 22.746 7.896 32.08
8 -133.234 1.080 1.618 63.3 0.5441
9 25.823 5.360 1.85478 24.8 0.6122
10 186.571 2.538 27.09
11 -50.613 1.671 1.85478 24.8 0.6122
12 -41.396 1.000 1.69098 54.8 0.5449
13 436.145 (可変) 25.34
14(絞り) ∞ 0.350 19.97
15 27.189 5.458 1.54814 45.8 0.5686
16 -65.767 0.998 21.38
17* -75.771 1.200 1.8515 40.8 0.5695
18* -1000.01 1.355 21.53
19 -1031.94 0.860 1.883 40.8 0.5667
20 36.796 4.195 1.43875 94.7 0.5340
21 -95.08 0.500 22.14
22 50.594 4.061 1.6968 55.5 0.5434
23 -64.416 2.154 22.63
24 -30.748 0.850 1.816 46.6 0.5568
25 -161.837 (可変) 22.68
26 33.13 5.471 1.497 81.5 0.5375
27 -61.332 1.250 1.85478 24.8 0.6122
28 -984.466 0.150 24.12
29* 82.659 4.982 1.58313 59.4 0.5423
30* -35.134 (可変) 24.81
31 278.839 2.619 1.8081 22.8 0.6307
32 -72.172 1.182 1.816 46.6 0.5568
33 30.591 (可変) 23.64
34 78.463 6.346 1.883 40.8 0.5667
35 -54.954 0.823 32.03
36 -81.317 1.400 1.8515 40.8 0.5695
37 59.02 2.646 31.33
38 235.05 1.383 1.84666 23.8 0.6205
39 199.68 (可変) 32.1
像面 ∞

広角端中間望遠端
焦点距離 20.6 72.53 240
Fナンバー 4.12 5.2 6.3
画角 42.48 16.61 5.15
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 174.99 229.99 284.99
BF 14 63.22 81.63

広角端中間望遠端
d5 1.317 39.412 93.114
d13 37.185 14.137 1.854
d25 15.093 5.831 0.997
d30 4.465 2.727 7.833
d33 15.295 17.034 11.927
d39 14.000 63.216 81.631

群始面焦点距離
1 1 170.01
2 6 -18.96
3 14 63.04
4 26 31.66
5 31 -42.15
6 34 341.86

第7面 K -1.090380E+00 A4 1.021060E-05 A6 1.160000E-08
第7面 A8 -2.672570E-11 A10 1.095960E-13
第17面 K 0.000000E+00 A4 -5.672220E-05 A6 3.574350E-07
第17面 A8 -1.195000E-09 A10 1.247170E-12
第18面 K 0.000000E+00 A4 -5.826700E-05 A6 3.579650E-07
第18面 A8 -1.274200E-09 A10 1.558780E-12
第29面 K 0.000000E+00 A4 -1.761240E-05
第30面 K -3.793680E+00 A4 -4.253210E-06 A6 -2.858290E-10

【0072】

［数値実施例４］
面番号 r d nd νd θgF
1 158.723 1.850 1.904 31.3 0.5947
2 95.584 8.501 1.497 81.5 0.5375
3 -717.934 0.150
4 89.003 6.685 1.497 81.5 0.5375
5 535.377 (可変)
6 1373.242 1.400 1.773 49.6 0.5520
7* 25.212 7.626
8 -72.351 1.080 1.618 63.3 0.5441
9 51.896 0.150
10 41.117 5.006 1.855 24.8 0.6122
11 -213.788 2.008
12 -46.568 1.020 1.620 60.3 0.5427
13 -1009.94 (可変)
14(絞り) ∞ 0.350
15 37.828 4.414 1.596 39.2 0.5803
16 -106.909 5.518
17 -47.916 1.000 1.852 0.8 0.5695
18 -129.415 0.938
19 96.419 0.860 1.834 37.2
20 35.634 4.402 1.497 81.5 0.5375
21 -85.579 0.500
22 59.896 2.700 1.713 53.9 0.5459
23 -351.993 1.681
24 -65.462 0.850 1.954 32.3 0.5899
25 339.435 (可変)
26 44.497 5.207 1.497 81.5 0.5375
27 -84.314 1.250 1.855 24.8 0.6122
28 1050.566 0.150
29* 49.266 6.847 1.583 59.4 0.5423
30* -39.182 (可変)
31 103.793 2.171 1.847 23.8 0.6205
32 -641.857 1.182 1.678 50.7 0.5557
33 26.363 15.295
34 -284.07 5.121 1.847 23.8 0.6205
35 -33.067 1.400 1.905 35 0.5848
36 269.449 (可変)
像面 ∞

広角端中間望遠端
焦点距離 24.72 82.17 291
Fナンバー 4.12 5.1 5.77
画角 37.35 14.75 4.25
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 175 217.2 259.39
BF 14.59 55.22 71.81

広角端中間望遠端
d5 1.317493 39.08175 86.75201
d13 39.6531 18.49391 1.214306
d25 17.04864 5.350552 0.997447
d30 5.073726 1.741493 1.310542
d36 14.59446 55.21644 71.80657

群始面焦点距離
1 1 147.79
2 6 -24.08
3 14 69.78
4 26 32.57
5 31 -36.59

第7面 K -3.688823E+00 A4 2.784813E-05 A6 -3.496355E-08
第7面 A8 8.221151E-11 A10 -6.441475E-14
第29面 K 0.000000E+00 A4 -8.108755E-06
第30面 K -4.730552E+00 A4 -1.175665E-06

【0073】

【表1】

【0074】

各実施例の開示は、以下の構成を含む。

【0075】

（構成１）
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第１レンズ群、負の屈折力の第２レンズ群、正の屈折力の第３レンズ群、正の屈折力の第４レンズ群、負の屈折力の第５レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、
前記第１レンズ群は正レンズＡを有し、
前記正レンズＡのアッベ数をνｄＡ、前記第１レンズ群の焦点距離をｆ１、前記第２レンズ群の焦点距離をｆ２、広角端における前記第４レンズ群の横倍率をβ４ｗ、前記第３レンズ群の焦点距離をｆ３、広角端における全系の焦点距離をｆｗとするとき、
７０．０＜νｄＡ
－１００．０＜ｆ１／ｆ２＜－５．０
－０．４９＜β４ｗ＜０．３６
２．０＜ｆ３／ｆｗ＜７．０
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。

【0076】

（構成２）
前記第２レンズ群は正レンズＢを有し、前記正レンズＢのアッベ数をνｄＢ、部分分散比をθｇＦＢとするとき、
νｄＢ＜４５．０
－０．００１６×νｄＢ＋０．６３５＜θｇＦＢ＜－０．００１３×νｄＢ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする構成１に記載のズームレンズ。

【0077】

（構成３）
前記第２レンズ群は負レンズＣを有し、前記負レンズＣのアッベ数をνｄＣ、部分分散比をθｇＦＣとするとき、
νｄＣ＞４５．０
－０．００１６×νｄＣ＋０．６３５＜θｇＦＣ＜－０．００１３×νｄＣ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする構成１または２に記載のズームレンズ。

【0078】

（構成４）
望遠端における全系の焦点距離をｆｔとするとき、
０．３０＜ｆ１／ｆｔ＜１．００
なる条件式を満足することを特徴とする構成１乃至３のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0079】

（構成５）
広角端におけるバックフォーカスをｓｋｗとするとき、
１．３０＜ｆｗ／ｓｋｗ＜２．００
なる条件式を満足することを特徴とする構成１乃至４のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0080】

（構成６）
前記第１レンズ群は、３枚以上のレンズを有することを特徴とする構成１乃至５いずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0081】

（構成７）
前記第２レンズ群は、４枚以上のレンズを有することを特徴とする構成１乃至６のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0082】

（構成８）
前記第４レンズ群の焦点距離をｆ４、前記第５レンズ群の焦点距離をｆ５とするとき、
－１．００＜ｆ４／ｆ５＜－０．４０
なる条件式を満足することを特徴とする構成１乃至７のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0083】

（構成９）
前記第４レンズ群は非球面形状のレンズを有することを特徴とする構成１乃至８のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0084】

（構成１０）
前記第４レンズ群は負レンズＤを有し、前記負レンズＤのアッベ数をνｄＤ、部分分散比をθｇＦＤとするとき、
νｄＤ＜４５．０
－０．００１６×νｄＤ＋０．６３５＜θｇＦＤ＜－０．００１３×νｄＤ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする構成１乃至９のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0085】

（構成１１）
前記第５レンズ群の最も物体側の面は物体側に凸面を向け、最も像側の面は像側に凹面を向けることを特徴とする構成１乃至１０のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0086】

（構成１２）
前記第５レンズ群は正レンズＥを有し、前記負レンズＥのアッベ数をνｄＥ、部分分散比をθｇＦＥとするとき、
νｄＥ＜６０．０
－０．００１６×νｄＥ＋０．６３５＜θｇＦＥ＜－０．００１３×νｄＥ＋０．６５０
なる条件式を満足することを特徴とする構成１乃至１１のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0087】

（構成１３）
前記ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、前記第１レンズ群、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、負の屈折力の第６レンズ群からなることを特徴とする構成１乃至１２のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0088】

（構成１４）
前記ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、前記第１レンズ群、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、正の屈折力の第６レンズ群からなることを特徴とする構成１乃至１２のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0089】

（構成１５）
前記ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、前記第１レンズ群、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群からなることを特徴とする構成１乃至１２のいずれか１構成に記載のズームレンズ。

【0090】

（構成１６）
構成１乃至１５のいずれか１構成に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。

【0091】

以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

【符号の説明】

【0092】