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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058342
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】根掛り防止性能に優れたソフトルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20240418BHJP
   A01K 85/16 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A01K85/00 C
A01K85/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165636
(22)【出願日】2022-10-14
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】598015095
【氏名又は名称】株式会社 デュオ
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
(74)【代理人】
【識別番号】100217168
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】安達 政弘
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA41
2B307BA44
2B307BA69
(57)【要約】
【課題】 根掛り防止性能に優れるとともに、フッキングが円滑に行われ、更にセッティングを容易に行うことができるとともに、繰り返し使用することのできる、新規な根掛り防止性能に優れたソフトルアーの開発を技術課題とした。
【解決手段】 柔軟素材によって、小魚を模して形成されたボディ10と、ラインアイ211が具えられたフック部材とが組み合わされることにより、前記ラインアイ211に接続されたラインLを引くことにより、前記ボディ10が水中で小魚の動作を擬似的に再現するように構成されたソフトルアーMにおいて、前記ボディ10の背部には、腹側から背側に貫通したフック22における針先223を、針先223がボディ10に刺さっていない状態で、且つ平面視で針先223が露出していない状態で収容することのできる、針先収容部18が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟素材によって、小魚を模して形成されたボディと、
ラインアイが具えられたフック部材とが組み合わされることにより、
前記ラインアイに接続されたラインを引くことにより、前記ボディが水中で小魚の動作を擬似的に再現するように構成されたソフトルアーにおいて、
前記ボディの背部には、腹側から背側に貫通したフックにおける針先を、
針先がボディに刺さっていない状態で、且つ平面視で針先が露出していない状態で収容することのできる、針先収容部が形成されていることを特徴とする根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【請求項2】
前記ボディにおける針先収容部の下方には、ボディの変形を誘発する変形誘発中空部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【請求項3】
前記ボディとフック部材との組み付けは、
ボディにおける頭部先端に形成されたラインアイ孔及び
始端がこのラインアイと連通状態とされるとともに、その終端が腹部に開口状態に形成されたシャンク通し孔並びに
腹側から背側にかけてボディを貫通するように形成された先曲げ通し孔に対して、
フックを挿通状態とすることにより、ボディを傷付けることなく成されていることを特徴とする請求項1または2記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【請求項4】
前記フック部材は、錘に対してフックが可動状態で具えられたジグヘッドであることを特徴とする請求項1または2記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【請求項5】
前記ボディとフック部材との組み付けは、
ボディにおける頭部先端に形成されたラインアイ孔、
このラインアイ孔と連通状態とされた錘収容部及び
始端がこの錘収容部と連通状態とされるとともに、その終端が腹部に開口状態に形成されたシャンク通し孔並びに
腹側から背側にかけてボディを貫通するように形成された先曲げ通し孔に対して、
フックを挿通状態とするとともに、前記錘が錘収容部に嵌め込み状態で組み付けられることにより、ボディを傷付けることなく成されていることを特徴とする請求項4記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【請求項6】
前記ボディを形成する柔軟素材は、エラストマーであることを特徴とする請求項3記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【請求項7】
前記ボディを形成する柔軟素材は、エラストマーであることを特徴とする請求項5記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はルアーに関するものであって、特に根掛り防止性能に優れたソフトルアーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
バス、シーバスをはじめ、カサゴ、メバル、クエ等のロックフィッシュいわゆる根魚、更には太刀魚まで、幅広い魚種を対象とするルアーの一種に、ジグヘッドやフックに対し、ポリ塩化ビニール、エラストマー等の柔軟素材でできたソフトルアー(ワーム)をセットしたものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
このようなルアーを用いて例えば根魚を狙う場合には、根魚はバイト後、直ちに根(岩陰等)に潜ろうとする習性があるため、フッキングと同時に根から引き離して魚に主導権を握らせないようにする必要がある。このため、高強度のラインが用いられるものであり、特に大物を狙う場合には、より高強度のラインが用いられる。
【0004】
ところで、釣り全般に言えることだが、フックが海藻や岩場等に根掛りしてしまい、どうしても外れない場合には、ラインブレーカーと呼ばれる小片にラインを巻き付け、これを両手で一気に手前に引くことにより、なるべくフックに近い個所でラインを切断することが図られている。
【0005】
しかしながら上述のように高強度のラインを用いている場合、このようなラインブレーカーを用いてもラインの切断が上手くできないことが多々あり、この場合には、ハサミ等を用いて、ロッドに近い個所で切断せざるを得なく、ルアーとそれに繋がった長寸のラインをその場に放置することとなってしまうため、環境への負担も大きなものとなってしまう。
もちろん、近時、高性能、高品質化が進み、価格が高騰しているルアーを失くすことは、アングラーにとって少なくない経済的損失を与えてしまうため、上述のように特に高強度のラインを用いる場合には根掛り防止性能を向上することが望まれている。
【0006】
ところで前記ワームには、虫、エビ、小魚等、種々の形態のものがあるが、このうち、小魚の形を模したシャッドテールと呼ばれるタイプのボディ10′に対してフック22′を組み付ける際に、根掛りを回避するようにセッティングするために、一例として図7に示すような態様が採られる。
【0007】
まず、頭部(ヘッド)11′に針先223′を突き刺すとともに刺し進め、先曲げ225′からシャンク221′にかけての部位を、一旦、腹側から突出させる(図7(a)~(b)参照)。
次いでフック22′のアイ222′を、頭部(ヘッド)11′における最終的に位置する部位に到達させる(図7(b)参照)。
次いで針先223′を、臀鰭に相当する個所付近に刺すとともに背側に向けて刺し進め、背側の表層部(いわゆる皮一枚分)に、前方を指向した状態で埋没状態とする(図7(b)~(c)参照)。
【0008】
この状態でフック22′は、シャンク221′から腰曲げ224′にかけての部位がボディ10′の腹側から突出した状態となる。
このようなリグを用いてロックフィッシュ等を狙う場合には、針先223′が露出していないため、海藻Wや岩場等への根掛りが発生し難くなる。
【0009】
しかしながらこのようなリグのセッティングに係る一連の作業、特に針先223′を背側の表層部(いわゆる皮一枚分)に、前方を指向した状態で埋没状態とする作業は、ある程度の慣れとコツが必要であり、初心者には難しいものであり、失敗により廃棄品が発生してしまうことは避けられなかった。
【0010】
更にボディ10′の背側に埋没状態とされている針先223′は、対象魚Pがバイトした際に、背側の表層部(いわゆる皮一枚分)を突き破って露出するため、フッキングは円滑に行われるものの、ボディ10′に物理的損傷を与えるものであり、再度同様のセッティングを行うことはできなくなってしまうため、ボディ10′の交換を余儀なくされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2012-44972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような現状を考慮してなされたものであって、根掛り防止性能に優れるとともに、フッキングが円滑に行われ、更にセッティングを容易に行うことができるとともに、繰り返し使用することのできる、新規な根掛り防止性能に優れたソフトルアーの開発を技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち請求項1記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、柔軟素材によって、小魚を模して形成されたボディと、ラインアイが具えられたフック部材とが組み合わされることにより、前記ラインアイに接続されたラインを引くことにより、前記ボディが水中で小魚の動作を擬似的に再現するように構成されたソフトルアーにおいて、前記ボディの背鰭部には、腹側から背側に貫通したフックにおける針先を、針先がボディに刺さっていない状態で、且つ平面視で針先が露出していない状態で収容することのできる、針先収容部が形成されていることを特徴として成るものである。
【0014】
また請求項2記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、前記要件に加え、前記ボディにおける針先収容部の下方には、ボディの変形を誘発する変形誘発中空部が形成されていることを特徴として成るものである。
【0015】
更にまた請求項3記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、前記要件に加え、前記ボディとフック部材との組み付けは、ボディにおける頭部先端に形成されたラインアイ孔及び始端がこのラインアイと連通状態とされるとともに、その終端が腹部に開口状態に形成されたシャンク通し孔並びに腹側から背側にかけてボディを貫通するように形成された先曲げ通し孔に対して、フックを挿通状態とすることにより、ボディを傷付けることなくなされていることを特徴として成るものである。
【0016】
更にまた請求項4記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記フック部材は、錘に対してフックが可動状態で具えられたジグヘッドであることを特徴として成るものである。
【0017】
更にまた請求項5記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、前記請求項4記載の要件に加え、前記ボディとフック部材との組み付けは、ボディにおける頭部先端に形成されたラインアイ孔、このラインアイ孔と連通状態とされた錘収容部及び始端がこの錘収容部と連通状態とされるとともに、その終端が胸鰭下方の腹部に開口状態に形成されたシャンク通し孔並びに臀鰭前方の腹側から背側にかけてボディを貫通するように形成された先曲げ通し孔に対して、フックを挿通状態とするとともに、前記錘が錘収容部に嵌め込み状態で組み付けられことにより、ボディを傷付けることなくなされていることを特徴として成るものである。
【0018】
更にまた請求項6記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、前記請求項3記載の要件に加え、前記ボディを形成する柔軟素材は、エラストマーであることを特徴として成るものである。
【0019】
更にまた請求項7記載の根掛り防止性能に優れたソフトルアーは、前記請求項5記載の要件に加え、前記ボディを形成する柔軟素材は、エラストマーであることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0020】
まず請求項1記載の発明によれば、フックにおける針先を、ボディを傷つけない状態で針先収容部へ収容することができ、根掛りを確実に防止することができる。
【0021】
また請求項2記載の発明によれば、対象魚のバイトにより、変形誘発中空部が上下から潰れることによりボディが変形し、針先収容部の開口部が拡開されるため、針先収容部への針先の収容が解除されて針先が露出するため、フッキングが円滑に行われる。
【0022】
更にまた請求項3記載の発明によれば、ボディを傷付けることなく、ボディとフック部材との組み付けが行えるため、ボディの繰り返し使用が可能となる。
【0023】
更にまた請求項4記載の発明によれば、水底等とフックとの接触時にフックが上方に移動するため、変形誘発中空部が潰れることによりボディが変形し、針先収容部への針先の収容が不用意に解除されてしまうのを防ぐ。
【0024】
更にまた請求項5記載の発明によれば、ボディを傷付けることなく、ボディとフック部材との組み付けが行えるため、ボディの繰り返し使用が可能となる。
また錘が錘収容部に嵌め込まれた状態で組み付けられるため、フック部材のズレ、抜けを防ぐことができる。
【0025】
更にまた請求項6及び7記載の発明によれば、針先収容部と柔軟素材であるエラストマーとの相乗効果により、針先収容部の損傷を防ぎ、繰り返し使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の根掛り防止性能に優れたソフトルアーの使用状態を示す斜視図である。
図2】ボディを示す側面図(a)、正面図(b)並びにフック部材の一例であるジグヘッドを示す側面図である。
図3】ボディを示す縦断側面図(a)並びにジグヘッドが組み付けられたボディを示す縦断側面及び針先収容部を拡大して示す平面図(b)である。
図4】対象魚のバイトによって生じるソフトルアーの変化を示す側面図(a)及び平面図(b)、(c)である。
図5】ソフトルアーが岩と接触した際に、フックが回動するとともに、変形誘発中空部が変形する様子を示す側面図である。
図6】フック部材として錘無しフックが採用された場合のボディを示す縦断側面図(a)並びに錘無しフックが組み付けられたボディを示す縦断側面図(b)である。
図7】既存のソフトルアーにおいて、ボディに対してフック部材を組み付ける様子を段階的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下本発明の根掛り防止性能に優れたソフトルアーについて、図示の実施例に基づいて具体的に説明する。なおこの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内における技術的改変を加えることも可能である。
【実施例0028】
図中、符号Mで示すものが本発明の根掛り防止性能に優れたソフトルアー(以下、単にソフトルアーMと称する。)であって、このものは、柔軟素材によって、小魚等を模して形成されたボディ10と、フック22を具えたフック部材とが組み合わされて構成されるものである。このソフトルアーMは、前記フック部材に具えられたラインアイ211に接続されたラインLを引くことにより、前記ボディ10が水中で小魚の動作を擬似的に再現するように構成されたものである。
【0029】
まず前記ボディ10について説明すると、この実施例では一例として図2に示すように、ヘッド11、テール12に加え、背鰭F1、胸鰭F2、臀鰭F3をも比較的忠実に再現された、シャッドテールと呼ばれるものを採用した。
【0030】
ここで前記ボディ10の詳細について説明する前に、ボディ10に組み付けられるフック部材の詳細について説明する。
前記フック部材としては、この実施例では図2(c)に示すように、錘としてのヘッド21に対して、フック22が可動状態で具えられたジグヘッド2が採用される。
前記ヘッド21は、ボディ10におけるヘッド11の骨格部材として機能するものであるため、魚の頭部のように流線形に形成され、前部にラインアイ211が具えられるとともに、後部にフックアイ212が具えられている。
そしてこのフックアイ212に対して、フック22におけるアイ222が係合されることにより、錘としてのヘッド21に対してフック22が可動状態で具えられるものである。因みにヘッド21には、重量やバランスを調整するために、適宜切り欠きや溝等が形成される。
【0031】
なお前記フック22は、一本の金属線材を加工して形成されたものであり、その一端をループ状に曲げ加工してアイ222が形成され、そこから他端側に向かって直線状のシャンク221が延び、続いて、鈍角状の腰曲げ224及び鋭角状の先曲げ225が曲げ加工によって形成されている。そして他端側の先端部分は、鋭利な先細りの針先223とされており、その少し手前の個所にバーブ226が形成されている。
【0032】
次いで前記ボディ10の詳細について説明すると、図2(b)、図3(a)に示すように、まずボディ10における頭部すなわちヘッド11の先端にラインアイ孔14が形成される。
次いでこのラインアイ孔14と連通状態で、錘収容部13が形成される。
更に始端がこの錘収容部13と連通状態とされるとともに、その終端が胸鰭F2下方の腹部に開口状態に形成されたシャンク通し孔16が形成される。
更に錘収容部13の後方には、背鰭F1の下方に至る変形誘発中空部15が、錘収容部13及びシャンク通し孔16と連通状態で形成される。
なお変形誘発中空部15を、シャンク通し孔16、ラインアイ孔14と非連通状態となるようにしてもよい。
【0033】
また臀鰭F3前方の腹側から、背鰭F1の後方の背側にかけて、ボディ10を貫通するように先曲げ通し孔17が形成される。
【0034】
更に、前記ボディ10の背部、この実施例では背鰭F1には、背鰭F1を後方からトンネル状に掘り進むようにして、背鰭F1内に空間が形成されるものであり、この空間を針先収容部18とする。
【0035】
更にまた前記ボディ10を形成する柔軟素材は、エラストマーが最も好ましいが、PCV等を採用してもよい。
【0036】
そして前記ボディ10に対してフック部材の一例であるジグヘッド2を組み付けることにより、本発明のソフトルアーMが構成されるものであり、以下その手順について説明する。
まず、前記先曲げ通し孔17に対して、フック22を挿通状態とするものであり、この時点では、針先223を針先収容部18内に収容することなく、その外に位置させておく。
次いで前記ヘッド21におけるラインアイ211を、シャンク通し孔16に挿入するとともに、シャンク通し孔16を両手で開きながらがヘッド21を押し進める。
次いでラインアイ211をラインアイ孔14から突出させてこれを引っ張ると、ヘッド21が錘収容部13に嵌め込み状態で組み付けられることとなる。
次いで針先223を針先収容部18内に収容すると、図3(b)に示すように、針先223がボディ10に刺さっていない状態で、且つ平面視で針先223が露出していない状態で、針先収容部18内に収容することができる。
【0037】
本発明のソフトルアーMは一例として上述したように構成されるものであり、特にこの実施例では、フック部材として、フック22に錘たるヘッド21が組み合わされたジグヘッド2を採用して、水底Bに潜む魚を対象魚Pとするものである。
【0038】
なお水底Bは、海藻Wや岩場等、根掛りが発生し易い環境であるが、本発明のソフトルアーMは、針先223がボディ10に刺さっていない状態で、且つ平面視で針先223が露出していない状態で、針先収容部18内に収容されているため、高確率で根掛りは発生しない。
【0039】
そして図4に示すように、対象魚Pによるバイトがあった場合には、針先223は針先収容部18から突出するため、フッキングが円滑に行われる。
具体的には対象魚Pのバイトにより、変形誘発中空部15が上下から潰れることによりボディ10が変形し、針先収容部18の開口部が図4(b)に示す状態から図4(c)に示す状態に拡開され、同時にフック22が対象魚Pの下顎に押し上げられるため、針先収容部18への針先223の収容が解除されて、針先223が突出し露出するため、フッキングが円滑に行われるものである。
【0040】
更に水底Bには岩R等の障害物があるため、図7に示したような既存のソフトルアーM´の場合には、岩Rと接触したフック22´の衝撃によって、背側の表層部(いわゆる皮一枚分)に、前方を指向した状態で埋没状態とされていた針先223´が押し出されるように表層部を突き破って突出してしまい、海藻W等と根掛りを引き起こしてしまう。
しかしながら本発明のソフトルアーMにおいては、岩Rとフック22との接触時に、フック22が上方に移動するため、針先223が内側から背鰭F1を押し上げるためこの部分にストレスがかかるが、同時に変形誘発中空部15が潰れることによりボディ10が変形してこのストレスを逃がすため、針先収容部18への針先223の収容が不用意に解除されてしまうのを防ぐことができる。結果として高確率で根掛りの発生を回避することができるものである。
なお図1、4、5では、ラインアイ211に対して、スイベルを介在させてラインLを接続した様子を示しているが、スイベルを用いることなく、ラインアイ211に対して、直接ラインLを接続してもよい。
【0041】
〔他の実施例〕
次いで本発明のソフトルアーMの改変例について説明する。図6に示すボディ10は、フック部材として錘無しのフック22(いわゆるノーシンカー)が採用された場合に供されるものである。
この場合、ボディ10とフック22との組み付けは、ボディ10における頭部先端に形成されたラインアイ孔14及び始端がこのラインアイ孔14と連通状態とされるとともに、その終端が腹部に開口状態に形成されたシャンク通し孔16並びに腹側から背側にかけてボディ10を貫通するように形成された先曲げ通し孔17に対して、フック22を貫通状態に挿通させて行われる。
なおこの実施例では、針先収容部18の下方に形成される変形誘発中空部15を、シャンク通し孔16とは連通状態とならないように形成したが、連通状態となるように形成してもよい。
また図3、6中仮想線で示すように、変形誘発中空部15の形状を、全体的に丸みを帯びたものとすることにより、ストレスを分散して全体的に無理のないボディ10の変形を促すことができる。
【符号の説明】
【0042】
M ソフトルアー(シャッドテールルアー)
10 ボディ
11 ヘッド
12 テール
13 錘収容部
14 ラインアイ孔
15 変形誘発中空部
16 シャンク通し孔
17 先曲げ通し孔
18 針先収容部
2 ジグヘッド
21 ヘッド
211 ラインアイ
212 フックアイ
22 フック
221 シャンク
222 アイ
223 針先
224 腰曲げ
225 先曲げ
226 バーブ
B 水底
L ライン
P 対象魚
R 岩
W 海藻
F1 背鰭
F2 胸鰭
F3 臀鰭
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7