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特開2024-58364水種菓子加工品包装体及びこの包装体から仕切り部材を取り出す仕切り部材の取り出し方法
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  • 特開-水種菓子加工品包装体及びこの包装体から仕切り部材を取り出す仕切り部材の取り出し方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058364
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】水種菓子加工品包装体及びこの包装体から仕切り部材を取り出す仕切り部材の取り出し方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/72 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B65D85/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165673
(22)【出願日】2022-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月24日ウエブサイト掲載 http://taneya.jp/ https://taneya.jp/upload/news/attach/220524.pdf 令和4年6月1日販売 販売場所 株式会社たねや ラ コリーナ近江八幡店(滋賀県近江八幡市北之庄町615-1) 令和4年6月14日新聞掲載 読売新聞 令和4年6月14日付朝刊、第26面(地域 滋賀)
(71)【出願人】
【識別番号】591107229
【氏名又は名称】株式会社たねや
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 昌仁
【テーマコード(参考)】
3E035
【Fターム(参考)】
3E035AA15
3E035BA05
3E035BB01
3E035BC01
3E035BC02
3E035BC03
3E035CA04
3E035DA10
(57)【要約】
【課題】立体状の寒天や、立体状の葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子を、生の風味、食感を味わいながら食することができる水種菓子加工品包装体及びこの包装体から仕切り部材を簡単に取り出すことができる仕切り部材の取り出し方法を提供する。
【解決手段】 本発明の水種菓子加工品包装体Aは、容器10内に収容される水種菓子加工品a,a…を立体状に分離する仕切り部材20を備え、該仕切り部材20は、各仕切り壁21,22により水種菓子加工品が立体状に多数区画される各区画部23、23を有し、剥離可能なフィルム状の蓋材30を前記容器10のフランジ部11上面と仕切り部材20の中央部の上面に接着又は溶着することにより容器10の開口部13を密封してなることを特徴とする。この包装体Aから仕切り部材20を取り出す方法が前記フィルム状の蓋材30を剥離して引き離す際にフィルム状の蓋材30と接着又は溶着により一体となった仕切り部材20も同時に包装体Aから取り出されることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水種菓子加工品が充填される外周にフランジ部を有する上面開口の容器と、該容器内に収容される水種菓子加工品を立体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、幅方向及び長手方向にそれぞれ所定間隔毎の複数の仕切り壁を有し、該各仕切り壁により水種菓子加工品が立体状に多数区画される各区画部を有すると共に、仕切り部材の中央部上面には、仕切り取手部を一体に有し、剥離可能なフィルム状の蓋材を前記容器のフランジ部上面と前記仕切り部材の中央部の上面に接着又は溶着することにより容器の開口部を密封してなることを特徴とする水種菓子加工品包装体。
【請求項2】
水種菓子加工品が充填される外周にフランジ部を有する上面開口の容器と、該容器内に収容される水種菓子加工品を立体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、幅方向及び長手方向にそれぞれ所定間隔毎の複数の仕切り壁を有し、該各仕切り壁により水種菓子加工品が立体状に多数区画される各区画部を有すると共に、仕切り部材の中央部上面には、仕切り取手部を一体に有し、剥離可能なフィルム状の蓋材を前記容器のフランジ部上面と前記仕切り部材の中央部の上面に接着又は溶着することにより容器の開口部を密封してなる水種菓子加工品包装体であって、該包装体から仕切り部材を取り出す方法が前記フィルム状の蓋材を剥離して引き離す際にフィルム状の蓋材と接着又は溶着により一体となった仕切り部材も同時に包装体から取り出されることを特徴とする水種菓子加工品包装体からの仕切り部材を取り出す仕切り部材の取り出し方法。
【請求項3】
前記フィルム状の蓋材を剥離して引き離す際にフィルム状の蓋材と接着又は溶着により一体となった仕切り部材が前記フィルム状の蓋材から剥離した場合には、前記仕切り部材の中央部上面に設けた仕切り取手部を指で持って仕切り部材を包装体から取り出すことを特徴とする請求項2記載の水種菓子加工品包装体からの仕切り部材を取り出す仕切り部材の取り出し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、みつ豆、あんみつ等の水種菓子に用いられるサイコロ状、直方体状等の立体状の寒天や、立体状の葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体及びこの包装体から仕切り部材を取り出す仕切り部材の取り出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、みつ豆やあんみつを手軽に家庭で食することができる包装体として、サイコロ状などに可食加工された寒天を樹脂製の袋体に封入し、食するときにサイコロ状の寒天等を、袋体や缶詰などから取り出し、食器などに移して、蜜等をかけて食するようにしたものが知られている。
【0003】
しかしながら、これらのサイコロ状の寒天等は、ゲル化した寒天をサイコロ状にしてから、水や水溶性の保存液に収容された状態となる袋体、缶詰等で貯蔵、運搬されるものであり、開封の際に生のサイコロ状の寒天を食することができないものであり、風味、食感等が満足のいくものでない点に改善の余地があるものである。
【0004】
一方、容器の開口に、該開口を複数の取り出し口に分ける仕切り部材が設けられていることを特徴とする一口ゼリー用容器(例えば、特許文献1参照)や、可撓性の材料で成形されたカップ状の容器と、該容器の内部に収容される充填食品を分離して収容するための分離部材と、密封用蓋部材とを備えた分割取り出し容器(例えば、特許文献2参照)などが知られており、食するときに保形性を有する形状となるものである。
しかしながら、これらは、一口で食べる容器であり、多数のサイコロ状等の立体状の寒天等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができない点に課題があるものである。しかも、皿などの器に取り出す際にも皿に容易に移すことができないなどの課題があるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-86991号公報 (特許請求の範囲、図1等)
【特許文献2】実用新案登録第3037578号公報 (実用新案登録請求の範囲、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、みつ豆、あんみつ等に用いるサイコロ状等の立体状の寒天等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができる水種菓子加工品包装体を提供することを目的とし、更に、保形性を有しながら、取り出す楽しみと、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができる水種菓子加工品包装体の提供、並びに、水種菓子加工品包装体から仕切り部材を簡単に取り出すできる仕切り部材の取り出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、水種菓子加工品が充填される外周にフランジ部を有する上面開口の容器と、該容器内に収容される水種菓子加工品を立体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材を特定構造とすると共に、剥離可能なフィルム状の蓋材と仕切り部材とを特定の構造などとすることにより、上記目的の水種菓子加工品包装体及び水種菓子加工品包装体から仕切り部材を簡単に取り出すできる仕切り部材の取り出し方法を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明の水種菓子加工品包装体は、水種菓子加工品が充填される外周にフランジ部を有する上面開口の容器と、該容器内に収容される水種菓子加工品を立体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、幅方向及び長手方向にそれぞれ所定間隔毎の複数の仕切り壁を有し、該各仕切り壁により水種菓子加工品が立体状に多数区画される各区画部を有すると共に、仕切り部材の中央部上面には、仕切り取手部を一体に有し、剥離可能なフィルム状の蓋材を上記容器のフランジ部上面と前記仕切り部材の中央部の上面に接着又は溶着することにより容器の開口部を密封してなることを特徴とする。
また、本発明の水種菓子加工品包装体から仕切り部材を簡単に取り出すことができる仕切り部材の取り出し方法は、上記構成の水種菓子加工品包装体からフィルム状の蓋材を剥離して引き離す際にフィルム状の蓋材と接着又は溶着により一体となった仕切り部材も同時に包装体から取り出されることを特徴とする。
上記フィルム状の蓋材を剥離して引き離す際にフィルム状の蓋材と接着又は溶着により一体となった仕切り部材が上記フィルム状の蓋材から剥離した場合には、上記仕切り部材の中央部上面に設けた取手部を指で持って仕切り部材を包装体から取り出すことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水種菓子加工品を立体状に分離する仕切り部材を有する水種菓子加工品包装体において、フィルム状の蓋材を皺等なく容器に密着包装できると共に、フィルム状の蓋材を容器から剥離するだけで、仕切り部材も一緒に簡単に取り出すことができ、一般家庭などにおいて、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状など立体状の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時に、簡単にできる水種菓子加工品包装体、この水種菓子加工品包装体から仕切り部材を簡単に取り出すできる仕切り部材の取り出し方法が提供される。
また、水種菓子加工品包装体から仕切り部材をフィルム状の蓋材を剥離して引き離す際に、フィルム状の蓋材と接着又は溶着により一体となった仕切り部材がフィルム状の蓋材から剥離した場合(仕切り部材とフィルム状の蓋材との一体が剥がれた場合)には、上記仕切り部材の中央部上面に設けた取手部を指で持って仕切り部材を包装体から取り出すことが好ましい。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の一例を示す水種菓子加工品包装体の分解斜視図である。
図2】(a)及び(b)は、図1の水種菓子加工品包装体に用いる仕切り部材の平面図と正面図である。
図3】(a)及び(b)は図1の水種菓子加工品包装体から仕切り部材を取り出す取り出し方法を説明する説明図であり、(a)は水種菓子加工品包装体からフィルム状の蓋材を剥離する状態の一例を示す斜視図であり、(b)は水種菓子加工品包装体からフィルム状の蓋材を剥離して引き離す際にフィルム状の蓋材と接着又は溶着により一体となった仕切り部材も同時に包装体から取り出される状態の一例を示す斜視図である。
図4図1の水種菓子加工品包装体に用いる仕切り部材の仕切り取手部の使用状態の一例を示す斜視図である。
図5図1及び図3の水種菓子加工品包装体から仕切り部材を取り出す実施形態の他の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述する実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。また、本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識(設計事項、自明事項を含む)に基づいて実施することができる。
【0012】
図1図5は、本発明の実施形態の一例を示す水種菓子加工品包装体、用いる仕切り部材、水種菓子加工品包装体から仕切り部材を取り出す実施形態の一例及び他例を示す各図面である。
本発明の実施形態となる水種菓子加工品包装体Aは、図1図5に示されるように、水種菓子加工品が充填される上面開口の容器10と、該容器10内に収容される水種菓子加工品を六面体状などの立体状に分離する仕切り部材20と、フィルム状の蓋材30とを備えている。
【0013】
上面開口の容器10は、耐熱性、保形性、歪んだり、反ったりすることのない強度を有する部材から構成されるものであり、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)などの熱可塑性樹脂や紙製(強度を増した紙も含む、以下同様)、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック、アルミニウム製の金属(箔)製等により構成することができ、本実施形態ではアルミニウム製で構成されている。この容器10は、図1等に示すように、上面開口の四角形状の容器であり、その外周周縁にフランジ11が形成されている。また、フランジ部11の下部周面にはフランジ部11を補強する補強段部12が形成されている。
【0014】
仕切り部材20は、水種菓子加工品を六面体状等の立体状に分離するものであり、本実施形態では、格子状(井桁状)の仕切り部材の形態となるものであり、幅方向(縦方向)に所定間隔毎に立設された複数(2つ)の仕切り壁21、21と、長手方向(横方向)にそれぞれ所定間隔毎に立設された複数(2つ)の仕切り壁22、22とを有し、該各仕切り壁21、21と22、22とにより格子状の仕切り部材となり、容器10に収容した場合には、水種菓子加工品が六面体状に多数区画される9つの各区画部23、23、…を有すると共に、仕切り部材20の中央部上面(中央の区画部23aの上面)には、折曲自在となる連結片部24を介して四角形状のリング型の仕切り取手部25が一体に形成されている。この仕切り取手部25は、本実施形態では、図1図2(a)に示すように、中央部となる一つの区画部23aの上面に配置される構成となっている。
この仕切り部材20は、上記容器10と同様に、耐熱性、保形性、歪んだり、反ったりすることのない強度を有する部材から構成されるものであり、例えば、PE、PPやPETなどの熱可塑性樹脂や紙製、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック、アルミニウム製の金属(箔)製等により構成することができ、本実施形態ではPP製で構成されている。
【0015】
この容器10の外周に有するフランジ11、並びに、仕切り部材20の中央部の区画部23aを構成する仕切り壁21、21と22、22の交差する上面の一部に、フィルム状の蓋材30が接着や溶着等により密封着され塞がれる構成となる。このフィルム状の蓋材30は、PE、PP、PETなどの熱可塑性合成樹脂(バイオマスプラスチック、生分解性プラスチックを含む)等からなる薄肉フィルム状のものであって、フランジ11の上面及び区画部23aの一部を接着剤による接着や熱融着又は高周波溶着等の接着手段により剥離可能に密封着している。
図2(a)において、仕切り部材20の上面(平面)を示す、仕切り壁21,22の交点付近に十字状の黒色の各箇所26,26がフィルム状の蓋材30との接着、溶着等の箇所を示す部分である。この箇所の接着、溶着等によりフィルム状の蓋材30は後述するように高温の加熱処理後にあっても皺等を生じることなく、見栄えもよい水種菓子加工品包装体となるものであり、容器10の開口部13の開口面積を大きくした場合にも、皺の発生が生じることがないという特有の作用効果を奏することとなる。
【0016】
次に、本実施形態の水種菓子加工品包装体Aの製造手順、仕切り部材20を包装体から取り出す方法などを、図3図5などを参照して以下に説明する。
本実施形態の水種菓子は、例えば、みつ豆、あんみつ等の水種菓子に用いられる六面体状の寒天が製造されるものであり、その原料配合組成は、海藻(天草)抽出物、砂糖などの原料及びその量を好適に組み合わせて調製することができる。
まず、上面開口の容器10内に、ノズル等により、液状の生の水種菓子原料を適量注入した後、仕切り部材20を挿入する。次いで、容器10の外周に有するフランジ11の外周上面、並びに、図2(a)において表示した十字状の黒色の各箇所26、26にフィルム状の蓋材30を接着や溶着等により密封した後、容器10をボイル処理、レトルト処理などの適宜方法による高温の加熱処理し、液状の生の水種菓子原料をゲル化させて可食加工すると共に併せて殺菌処理を施す。そして、容器10内の水種菓子原料は、半固形状の水種菓子加工品に加工され、ゲル化させる。しかる後、常温に戻した容器は、水種菓子加工品包装体として水種菓子加工品包装体とし、小豆やきなこなどの加工品、オレンジなどのフルーツ加工品、トマトなどの加工品などのその他の具材を封入した封入袋、スプーン等と共に、袋体や箱体などに入れて流通、販売に供することとなる。
【0017】
本発明の水種菓子加工品包装体Aを食する場合、例えば、図3に示す態様で仕切り部材20を取り出した後、寒天等a、a…を取り出すことができる。例えば、図3(a)に示すように、容器10のフランジ11などに密封着されている蓋材30の密封着されていない最外周の4禺部のうちの、例えば、2禺部箇所(左右)の一方(右側)31を指で摘まんで溶着(又は接着)箇所の一部を剥がし、次いで、他方(左側)32を指で摘まんで溶着(又は接着)箇所の一部を剥がした後、蓋材30の左右の禺部31,32を指で摘まんで容器10のフランジ11からフィルム状の蓋材30を剥離すると(剥がすと)、フィルム状の蓋材30と接着又は溶着により一体となった仕切り部材20、本実施形態では、図2(a)において表示した十字状の黒色の各箇所26、26にフィルム状の蓋材30が接着や溶着等により一体なっているので、図3(b)に示すように、容器10からの蓋材30の剥離と同時に、仕切り部材20も容器10から簡単に取り出すことができるものとなる。
これにより、一般家庭などにおいて、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状など立体状の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時に、簡単にできる水種菓子加工品包装体、この水種菓子加工品包装体から仕切り部材20を簡単に取り出すできる仕切り部材の取り出し方法が得られる。
【0018】
また、水種菓子加工品包装体Aの容器10からフィルム状の蓋材30を剥離して引き離す際に、フィルム状の蓋材30と接着又は溶着により一体となった仕切り部材20がフィルム状の蓋材30から接着強度(接着力)以上の外力などにより剥離した場合、すなわち、仕切り部材20とフィルム状の蓋材30との一体が万一剥がれた場合には、上記仕切り部材20の中央部上面に設けた仕切り取手部25を上方に上げて、図5(a)及び(b)に示すように、取手部25を指で持って上方に上げれば、仕切り部材20を容器10から簡単に取り出すことができる2段階による仕切り部材20の取り出しができる構成となっている。
【0019】
以上のように、本実施形態の水種菓子加工品包装体では、容器10からフィルム状の蓋材30を剥離して引き離すと仕切り部材20も取り出すことができるため、みつ豆、あんみつ等の六面体状の寒天や六面体状の葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子を、容器10から簡単に取り出すことができ、一般家庭などにおいて、取り出す楽しみと、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状などの水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体、水種菓子加工品包装体から仕切り部材を簡単に取り出すことができる仕切り部材の取り出し方法か得られるものとなる。
【0020】
上記実施形態では、図2(a)に示すように、仕切り部材20の上面(平面)を示す、十字状の黒色の各箇所26、26がフィルム状の蓋材30との接着、溶着等の接着を示す部分としたが、本発明は、包装体(容器10)から仕切り部材20を取り出す際にフィルム状の蓋材30と接着や溶着等により一体となった仕切り部材20も同時に包装体(容器10)から取り出すことができる構成にできればよいので、仕切り部材20とフィルム状の蓋材30との接着や溶着の場所、その合計面積(例えば、上記図2(a)の黒色部分26,26の合計面積)、これらの接着や溶着の強度(接着力・溶着力)は好適に設定でき、また、容器10のフランジ部11への接着や溶着の合計面積、これらの接着や溶着の強度(接着力・溶着力)も本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できるものである。
例えば、上記図2(a)において、接着等箇所を対角線上の黒色部分26,26の2箇所としたが、各仕切り壁21,22の上面の交点となる四箇所に設定してもよく、また、これらの箇所をフランジ11の接着力・溶着力よりその接着力等を一段と高めて蓋材30と仕切り部材20との剥離が極力なくすものとしてもよい。
【0021】
また、更に、上記実施形態では、みつ豆、あんみつ等の水種菓子に用いられる六面体状等となる寒天としたが、原料種を葛、水羊羹、フルーツ等のゼリー、ナタデココ等の液状の水種菓子原料を充填し、ゲル化させた六面体状等となる葛、水羊羹、フルーツ等のゼリー、ナタデココ等であってもよいものである。
【0022】
更にまた、上記実施形態では、容器10、仕切り部材20の外形を四角形状としたが、例えば、これらの外形を円形状又は楕円形状、四角形状以外の方形状としてもよく、この場合は、六面体状が変形した形状、例えば、外形面が三角形状等となる水種菓子加工品などとしてもよいものである。また、仕切り壁21,22により、2×2の9つの区画部23としたが、1×2、1×3、2×3、3×3等の区画部として、寒天などの水種菓子加工品の各個数、各立体積などを増減してもよいものである。
【符号の説明】
【0023】
A 水種菓子加工品包装体
a 水種菓子加工品(寒天)
10 容器
20 仕切り部材
21 (幅方向)仕切り壁
22 (長手方向)仕切り壁
23 区画部
25 仕切り取手部
30 フィルム状の蓋材
図1
図2
図3
図4
図5