(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058365
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】電力供給システム、電力供給方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240418BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165675
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 奈美
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】節電以外の方法で消費電力の総量を少なくする。
【解決手段】電力供給システム80は、基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両50の利用予定を取得する取得部(浴室利用予定取得部11A、電動車両利用予定取得部11B)と、浴室の利用予定及び電動車両50の利用予定に応じて、基準日の夜間から基準日の翌日にかけて、電気温水器34からの熱逃げを少なくするように、電気温水器34の湯沸かしと電動車両50への充電と、の順序を計画する計画部と、順序に基づいて、電気温水器34の湯沸かし及び電動車両50への充電を制御する制御部11Eと、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する取得部と、
前記浴室の利用予定及び前記電動車両の利用予定に応じて、前記基準日の夜間から前記基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、前記電気温水器の湯沸かしと前記電動車両への充電と、の順序を計画する計画部と、
前記順序に基づいて、前記電気温水器の湯沸かし及び前記電動車両への充電を制御する制御部と、
を有する電力供給システム。
【請求項2】
前記電気温水器は、湯沸かし時にヒートポンプを利用可能であり、
前記計画部は、前記基準日の翌日の気温に応じて、前記基準日の夜間と前記基準日の翌日における前記電気温水器の湯沸かし量を計画する、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する工程と、
前記浴室の利用予定及び前記電動車両の利用予定に応じて、前記基準日の夜間から前記基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、前記電気温水器の湯沸かしと前記電動車両への充電と、の順序を計画する工程と、
前記順序に基づいて、前記電気温水器の湯沸かし及び前記電動車両への充電を制御する工程と、
を有する電力供給方法。
【請求項4】
基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する工程と、
前記浴室の利用予定及び前記電動車両の利用予定に応じて、前記基準日の夜間から前記基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、前記電気温水器の湯沸かしと前記電動車両への充電と、の順序を計画する工程と、
前記順序に基づいて、前記電気温水器の湯沸かし及び前記電動車両への充電を制御する工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム、電力供給方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ユーザの好みや生活パターンに合わせて、EVシステムや給湯システムの優先レベルを遷移させ、消費電力をピークカットすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術によれば、消費電力が契約電力を上回ることを抑制できる。しかし、電力消費に伴う環境負荷を抑制する観点から、消費電力をピークカットするだけでなく、消費電力の総量を少なくすることも求められている。
【0005】
消費電力の総量を少なくするためには、ユーザの自主的な節電により電力使用量を少なくすることも考えられる。節電では、ユーザが本来使用を希望する電力使用量を節約するが、生活の利便性を考慮すると、節電に依らない方法で消費電力の総量を少なくすることが好ましい。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、節電以外の方法で消費電力の総量を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様の電力供給システムは、基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する取得部と、前記浴室の利用予定及び前記電動車両の利用予定に応じて、前記基準日の夜間から前記基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、前記電気温水器の湯沸かしと前記電動車両への充電と、の順序を計画する計画部と、前記順序に基づいて、前記電気温水器の湯沸かし及び前記電動車両への充電を制御する制御部と、を有する。
【0008】
第一態様の電力供給システムでは、取得部が、基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する。また、計画部が、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定に応じて、基準日の夜間から基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、電気温水器の湯沸かしと電動車両への充電と、の順序を計画する。
【0009】
例えば計画部は、基準日の翌日に電動車両の利用予定がある場合は、基準日の夜間に電動車両への充電を実施する。
【0010】
また、計画部は、さらに基準日の翌日の朝に浴室の利用予定がある場合は、基準日の夜間に湯沸かしを計画する。このとき、制御部は、電動車両の充電の後に湯沸かしを実施する。一方、基準日の翌日の夜間に浴室の利用予定がある場合は、基準日の日中に湯沸かしを計画する。この場合も、制御部によって、電動車両の充電の後に湯沸かしが実施される。
【0011】
このように、湯沸かしから浴室利用までの時間が短くなるように、電気温水器の湯沸かしと電動車両への充電との順序を計画することで、湯沸かしから浴室利用までの時間が空く場合と比較して、電気温水器からの熱逃げを少なくできる。すなわち、ユーザの生活パターンに合わせて、電気温水器の湯沸かしと電動車両への充電との順序を計画し、エネルギー損失を少なくできる。
【0012】
これにより、節電に依らずに、消費電力の総量を少なくすることができる。
【0013】
第二態様の電力供給システムは、第一態様の電力供給システムにおいて、前記電気温水器は、湯沸かし時にヒートポンプを利用可能であり、前記計画部は、前記基準日の翌日の気温に応じて、前記基準日の夜間と前記基準日の翌日における前記電気温水器の湯沸かし量を計画する。
【0014】
第二態様の電力供給システムでは、電気温水器が、湯沸かし時にヒートポンプを利用可能である。すなわち、電気温水器は、大気と冷媒とを熱交換させて湯沸かしできる。このため、湯沸かしに必要な電力を低減できる。
【0015】
また、計画部は、基準日の翌日の気温に応じて、基準日の夜間と基準日の翌日における電気温水器の湯沸かし量を計画する。
【0016】
例えば、基準日の翌日の気温が低ければ、大気と熱交換できる熱量が少ない。このため、基準日の夜間に、必要沸き上げ量の全量を沸き上げする。一方、基準日の翌日の気温が高ければ、大気と熱交換できる熱量が多くなる。このため、基準日の夜間に、必要沸き上げ量の一部のみを湯沸かしし、基準日の昼間に、残りを沸き上げする。
【0017】
このように、ヒートポンプを用い、さらに気温に応じて湯沸かし量を計画することで、大気の熱エネルギーを有効に利用できる。このため、消費電力の総量を少なくすることができる。
【0018】
第三態様の電力供給方法は、基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する工程と、前記浴室の利用予定及び前記電動車両の利用予定に応じて、前記基準日の夜間から前記基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、前記電気温水器の湯沸かしと前記電動車両への充電と、の順序を計画する工程と、前記順序に基づいて、前記電気温水器の湯沸かし及び前記電動車両への充電を制御する工程と、を有する。
【0019】
第四態様のプログラムは、基準日の翌日における、浴室の利用予定及び電動車両の利用予定を取得する工程と、前記浴室の利用予定及び前記電動車両の利用予定に応じて、前記基準日の夜間から前記基準日の翌日にかけて、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、前記電気温水器の湯沸かしと前記電動車両への充電と、の順序を計画する工程と、前記順序に基づいて、前記電気温水器の湯沸かし及び前記電動車両への充電を制御する工程と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、節電以外の方法で消費電力の総量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態に係る電力供給システムの構成及び電力供給装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る電力供給装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】(A)は本実施形態に係る浴室利用予定データベースを示す表であり、(B)は電動車両データベースを示す表である。
【
図4】本実施形態に係る電力供給処理における電力供給計画を示す表である。
【
図5】本実施形態に係る電力供給処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施形態に係る電力供給システム、電力供給方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0023】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0024】
<電力供給システム>
(概要)
図1には、本発明の実施形態に係る電力供給システム80の全体構成が示されている。電力供給システム80は、ヒートポンプを備えた電気温水器34と、電動車両50と、が備えられた建物30に適用されるシステムである。
【0025】
電力供給システム80は、電力系統Eからの買電量が、契約電力を上回ることを抑制するためのシステムである。また、電力供給システム80は、電気温水器34において湯沸かしされた後の温水からの熱逃げを少なくして、エネルギー損失を少なくするためのシステムである。
【0026】
電力供給システム80は、電力供給装置10、建物30及び電動車両50を含んで構成されている。
【0027】
(建物)
建物30は、電力供給システム80を利用するユーザが居住する住宅である。建物30には、分電盤32、電気温水器34及び負荷36が設けられている。
【0028】
分電盤32は、電力系統Eからの交流電力を、建物30内の負荷36及び電気温水器34に分配する。負荷36は、交流電力により動作する。負荷36は、照明器具、空調装置、冷蔵庫、IHクッキングヒータ、電子レンジ等、建物30内に設置される各種の電気機器である。
【0029】
電気温水器34は、湯沸かしの熱源として大気熱を用いる給湯器であり、「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」とも称される。電気温水器34は、図示しないヒートポンプユニットと、貯湯ユニットと、を備えており、ヒートポンプユニットを稼働させるために電力を使用する一方、水を直接加熱するヒータ等の熱源を有していない。
【0030】
ヒートポンプユニットは、空気熱交換器、圧縮機、水熱交換器及び膨張弁を含んで構成される循環経路の内部を、冷媒としての二酸化炭素が循環可能に構成されている。空気熱交換器は、大気と冷媒とを熱交換させる熱交換器であり、大気から冷媒へ熱を吸収する。また、水交換機は、建物30で使用する水と冷媒とを熱交換させる熱交換器であり、冷媒から水へ熱を放出する。貯湯ユニットは、水熱交換器によって加熱された温水を貯蔵するタンクである。
【0031】
貯湯ユニットに貯蔵された温水は、建物30内の図示しない浴室、洗面器及びキッチン等の水栓機器へ供給される。また、電気温水器34は、図示しない制御装置を備えており、貯湯ユニットに貯水された温水の使用湯量、残量及び必要沸き上げ量を把握できる。「必要沸き上げ量」とは、貯湯ユニットに貯水する量として設定されている設定貯湯量と、貯湯ユニット内の温水の残量と、の差である。設定貯湯量は、ユーザが任意に設定できる。
【0032】
制御装置が把握する電気温水器34の必要沸き上げ量は、後述する電力供給装置10の通信インタフェース(I/F)部18又は外部I/F部19を介して電力供給装置10によって取得され、浴室利用予定データベース13B(
図3(A)参照)に記憶される。
【0033】
(電動車両)
電動車両50は、蓄電池52を内蔵しており、蓄電池52に充電された電気エネルギーを用いて走行する車両である。電動車両50としては、電動機の出力によって走行する電気自動車のほか、エンジンの出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車を適用することができる。
【0034】
電動車両50は、図示しない制御装置を備えており、当該制御装置は、蓄電池52に満充電した際の電力量(以下、「最大電力量」と称す)、充電されている電力量(以下、「残電力量」と称す)及び蓄電池52の満充電までに必要な電力量(以下、「必要充電量」と称す)を把握することができる。
【0035】
電動車両50の必要充電量は、後述する電力供給装置10の通信インタフェース(I/F)部18又は外部I/F部19を介して電力供給装置10によって取得され、電動車両データベース13C(
図3(B)参照)に記憶される。
【0036】
<電力供給装置>
電力供給装置10は、建物30における電力管理及び制御を実施する装置であり、例えばHEMS(Home Energy Management System)等とも称される。
【0037】
電力供給装置10は、分電盤32を制御して、電力系統Eから供給された電力を、分電盤32に接続された負荷36や電気温水器34に供給することができる。このとき、電力供給装置10は、負荷36や電気温水器34における消費電力量を把握することができる。また、電力供給装置10は、上述したように、電気温水器34における必要沸き上げ量を把握して、電気温水器34の湯沸かしを制御することができる。
【0038】
さらに、電力供給装置10は、電力系統Eから供給された電力を、電動車両50の蓄電池52に充電することができる。また、電力供給装置10は、上述したように、蓄電池52の必要充電量を把握して、蓄電池52に充電する充電量を制御することができる。
【0039】
またさらに、電力供給装置10は、蓄電池52に充電された電力を、分電盤32に接続された負荷や電力系統Eに供給することもできる。
【0040】
(電力供給装置の電気的な構成)
図1に示すように、電力供給装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16、通信インタフェース(I/F)部18及び外部I/F部19を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16、通信I/F部18及び外部I/F部19はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0041】
(記憶部)
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、電力供給プログラム13Aが記憶されている。電力供給プログラム13Aは、電力供給プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの電力供給プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、電力供給プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、電力供給プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0042】
記憶部13には、後述する浴室利用予定データベース13B及び電動車両データベース13Cが記憶される。
【0043】
(入力部)
入力部14では、電力供給システム80を利用するユーザによって、電力供給プログラム13Aを開始及び終了するための操作が実行される。また、入力部14では、ユーザによって、浴室利用予定及び電動車両利用予定が入力される。ユーザによって入力された浴室利用予定及び電動車両利用予定は、後述する浴室利用予定データベース13B及び電動車両データベース13Cに記憶される。
【0044】
(表示部)
表示部15には、電力供給プログラム13Aを開始及び終了するための情報や、上述した浴室利用予定及び電動車両利用予定を入力するための情報が表示される。
【0045】
(浴室利用予定データベース)
図3(A)に示すように、浴室利用予定データベース13Bには、日付、当該日付における浴室の利用予定時間及び必要沸き上げ量が記憶される。利用予定時間は、ユーザが、入力部14を介して入力することによって記憶される。一方、必要沸き上げ量は、電気温水器34の制御部から、電力供給装置10が取得することによって記憶される。必要沸き上げ量は、電気温水器34の貯湯ユニットに貯水された温水の残量に応じて一日毎に取得され、記憶される。
【0046】
なお、浴室の利用予定時間は、ユーザの入力に依らずに浴室利用予定データベース13Bに記憶させてもよい。
【0047】
この場合、記憶部13には、実際にユーザが浴室を利用した時間の履歴を、記憶部13に記憶する。そして、電力供給装置10は、記憶部13に記憶された履歴データから、浴室の利用予定時間を予測して、その予測された時間が、浴室利用予定データベース13Bに記憶される。
【0048】
但し、電力供給装置10が予測した利用予定時間を浴室利用予定データベース13Bに記憶する場合でも、ユーザの入力部14を介した入力によって、利用予定時間を更新してもよい。
【0049】
なお、
図3(A)に示した例では、利用予定時間が3時間の時間帯で記憶されているが、この時間帯は4時間、6時間、8時間等の時間帯であってもよいし、午前(AM)、午後(PM)などの時間帯であってもよい。
【0050】
(電動車両データベース)
図3(B)に示すように、電動車両データベース13Cには、日付、当該日付における電動車両50の利用予定の有無及び必要充電量が記憶される。利用予定の有無は、ユーザが、入力部14を介して入力することによって記憶される。一方、必要充電量は、電動車両50の制御部から、電力供給装置10が取得することによって記憶される。
【0051】
なお、電動車両50の利用予定の有無は、ユーザの入力に依らずに電動車両データベース13Cに記憶させてもよい。
【0052】
この場合、記憶部13には、実際にユーザが電動車両50を利用した日の履歴を記憶する。そして、電力供給装置10は、記憶部13に記憶された履歴データから、電動車両50の利用予定の有無を予測して、その予測された内容が、電動車両データベース13Cに記憶される。
【0053】
なお、電動車両データベース13Cには、電動車両50の利用予定がある日付における、走行予定距離を記憶させてもよい。走行予定距離は、ユーザが、入力部14を介して入力することによって記憶させてもよいし、電力供給装置10が記憶部13に記憶された走行距離の履歴データから予測して記憶させてもよい。
【0054】
電動車両データベース13Cに走行予定距離が記憶される場合、必要充電量は、蓄電池52の満充電までに必要な電力量より少ない電力量、例えば、当該走行予定距離を走行するために必要十分な電力量とすることもできる。
【0055】
(電力供給装置の機能的な構成)
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る電力供給装置10の機能的な構成について説明する。
図2に示すように、電力供給装置10は、浴室利用予定取得部11A、電動車両利用予定取得部11B、気温取得部11C、計画部11D及び制御部11Eを含む。電力供給装置10のCPU11は、電力供給プログラム13Aを実行することで、浴室利用予定取得部11A、電動車両利用予定取得部11B、気温取得部11C、計画部11D及び制御部11Eとして機能する。
【0056】
(浴室利用予定取得部)
本発明における取得部の一例としての浴室利用予定取得部11Aは、建物30における浴室の利用予定を取得する。具体的には、浴室利用予定取得部11Aは、浴室利用予定データベース13Bから、浴室利用予定データベース13Bに記憶された日付、当該日付における浴室の利用予定時間及び必要沸き上げ量を取得する。
【0057】
なお、浴室利用予定取得部11Aは、基準日の翌日における浴室の利用予定時間及び必要沸き上げ量を取得する。「基準日」とは、後述する計画部11Dが、電気温水器34の湯沸かしと電動車両50への充電との順序を計画する対象日の1日目である。また、後述する「基準日の翌日」とは、後述する計画部11Dが、電気温水器34の湯沸かしと電動車両50への充電との順序を計画する対象日の2日目である。
【0058】
(電動車両利用予定取得部)
本発明における取得部の一例としての電動車両利用予定取得部11Bは、電動車両50の利用予定を取得する。具体的には、電動車両利用予定取得部11Bは、電動車両データベース13Cから、電動車両データベース13Cに記憶された日付、当該日付における電動車両50の利用予定の有無及び必要充電量を取得する。
【0059】
なお、電動車両利用予定取得部11Bは、基準日の翌日における電動車両50の利用予定の有無及び必要充電量を取得する。
【0060】
(気温取得部)
気温取得部11Cは、建物30が立地する地域の気温を、通信I/F部18を介して図示しないネットワークから取得する。気温取得部11Cは、基準日の夜間及び基準日の翌日における気温を取得する。
【0061】
(計画部)
計画部11Dは、浴室の利用予定及び電動車両50の利用予定に応じて、基準日の夜間から基準日の翌日にかけて、電気温水器34からの熱逃げを少なくするように、電気温水器の湯沸かし及び電動車両50への充電の順序を計画する。なお、計画部11Dによるこの計画を、以下の説明では「電力供給計画」と称す。電力供給計画の詳細については後述する。
【0062】
(制御部)
制御部11Eは、電力供給計画における電気温水器34の湯沸かし及び電動車両50への充電の順序に基づいて、電気温水器34の湯沸かし及び電動車両50への充電を制御する。
【0063】
<電力供給計画>
図4には、計画部11Dによる電力供給計画の一例が示されている。この図に示された「気温」は、上述したように、気温取得部11Cによって取得される。この例においては、「基準日夜間の気温より基準日翌日における日中の気温が高い場合」と、「基準日夜間の気温が基準日翌日における日中の気温以上の場合」と、で場合分けされている。
【0064】
この図に示された「基準日翌日の電動車両走行予定」は、上述したように、電動車両利用予定取得部11Bによって取得される。「基準日翌日の電動車両走行予定」は、「有」と「無」とで場合分けされている。
【0065】
この図に示された「基準日翌日の浴室利用予定時間」は、上述したように、浴室利用予定取得部11Aによって取得される。この例においては、「基準日翌日の浴室利用予定時間」は、「午前」と「午後」とで場合分けされている。
【0066】
すなわち、計画部11Dによる電力供給計画は、「気温」、「基準日翌日の電動車両走行予定」、「基準日翌日の浴室利用予定時間」に応じて、8つのケースに場合分けされて策定される。8つのケースにおける、計画部11Dによる計画内容は次の通りである。
【0067】
(ケース1)
気温:基準日夜間<基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:有
基準日翌日の浴室利用予定時間:午前
【0068】
ケース1においては、基準日の夜間に電動車両50の充電(必要充電量の充電。以下同じ。)を実施した後、電気温水器34の湯沸かしを実施する。この際、浴室利用予定データベース13Bに記憶された必要沸き上げ量の8割を沸き上げする。次に、基準日翌日の日中に、必要沸き上げ量の2割を沸き上げする。
【0069】
電動車両50の充電及び電気温水器34の湯沸かしを、時間を分けて実施することで、同時に使用する電力量をピークカットして、消費電力量が契約電力量を超過することを抑制できる。係る効果は、ケース1~8の全てにおいて得られる。
【0070】
基準日の夜間に電動車両50の充電を実施することで、ユーザは、基準日翌日に電動車両50を使用することができる。また、基準日の夜間に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午前に、夜間に湯沸かしされた温水を使用できる。
【0071】
さらに、電動車両50の充電を実施した後、電気温水器34の湯沸かしを実施することで、湯沸かしから浴室を利用するまでの間における電気温水器34からの熱逃げを、この順序が逆の場合と比較して、少なくできる。
【0072】
またさらに、必要沸き上げ量の8割を基準日の夜間に沸き上げし、残りの2割を基準日翌日に沸き上げすることで、電気温水器34の冷媒は、基準日夜間より高温の大気から熱を吸収できる。
【0073】
なお、基準日の夜間に沸き上げする湯量は必要沸き上げ量の8割に限定されるものではない。必要沸き上げ量は、浴室の他、洗面器及びキッチン等の水栓機器で使用される湯量によって変化する。このうち、浴室で使用された湯量を電力供給装置10が把握することで、必要沸き上げ量のうち、基準日の夜間に沸き上げする湯量の割合を導出できる。基準日の夜間に沸き上げする湯量は、このような方法によって決めてもよい。
【0074】
(ケース2)
気温:基準日夜間<基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:有
基準日翌日の浴室利用予定時間:午後
【0075】
ケース2においては、基準日の夜間に電動車両50の充電を実施する。次に、基準日翌日の日中に、電気温水器34の湯沸かしを実施する。「日中」において電気温水器34の湯沸かしを実施する時間は、気温が下がり始める夕方までの時間のうち、浴室を利用する予定の具体的な時間に最も近い時間とする。
【0076】
「気温が下がり始める夕方までの時間」は気温取得部11Cが取得し、「浴室を利用する予定の具体的な時間」は浴室利用予定取得部11Aが取得する。
【0077】
基準日の夜間に電動車両50の充電を実施することで、ユーザは、基準日翌日に電動車両50を使用することができる。また、基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午後に、事前に湯沸かしされた温水を使用できる。
【0078】
さらに、基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、湯沸かしから浴室を利用するまでの間における電気温水器34からの熱逃げを、基準日の夜間に湯沸かしする場合と比較して、少なくできる。
【0079】
(ケース3)
気温:基準日夜間<基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:無
基準日翌日の浴室利用予定時間:午前
【0080】
ケース3においては、基準日の夜間に電気温水器34の湯沸かしを実施する。この際、浴室利用予定データベース13Bに記憶された必要沸き上げ量の8割を沸き上げする。次に、基準日翌日の日中に、電動車両50の充電を実施した後、必要沸き上げ量の2割を沸き上げする。
【0081】
基準日の夜間に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午前に、夜間に湯沸かしされた温水を使用できる。また、基準日の翌日に電動車両50の充電を実施することで、ユーザは、基準日の翌々日に電動車両50を使用することができる。
【0082】
さらに、必要沸き上げ量の8割を基準日の夜間に沸き上げし、残りの2割を基準日翌日に沸き上げすることで、電気温水器34の冷媒は、基準日夜間より高温の大気から熱を吸収できる。
【0083】
(ケース4)
気温:基準日夜間<基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:無
基準日翌日の浴室利用予定時間:午後
【0084】
ケース4においては、基準日の翌日の日中に電動車両50の充電を実施した後、電気温水器34の湯沸かしを実施する。例えば、基準日の翌日の午前に電動車両50の充電を実施し、午後に電気温水器34の湯沸かしを実施する。
【0085】
午後において電気温水器34の湯沸かしを実施する時間は、気温が下がり始める夕方までの時間のうち、浴室を利用する予定の具体的な時間に最も近い時間とする。
【0086】
なお、浴室を利用する予定の具体的な時間が正午や正午に近い時間である場合は、基準日の翌日の午前に電気温水器34の湯沸かしを実施し、午後に電動車両50の充電を実施する。このように、計画部11Dは、各ケースをさらに細分化した場合分けにより、電力供給計画を策定できる。
【0087】
基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午後に、事前に湯沸かしされた温水を使用できる。また、基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、湯沸かしから浴室を利用するまでの間における電気温水器34からの熱逃げを、基準日の夜間に湯沸かしする場合と比較して、少なくできる。
【0088】
(ケース5)
気温:基準日夜間≧基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:有
基準日翌日の浴室利用予定時間:午前
【0089】
ケース5においては、基準日の夜間に電動車両50の充電を実施した後、電気温水器34の湯沸かしを実施する。
【0090】
基準日の夜間に電動車両50の充電を実施することで、ユーザは、基準日翌日に電動車両50を使用することができる。また、基準日の夜間に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午前に、夜間に湯沸かしされた温水を使用できる。
【0091】
さらに、電動車両50の充電を実施した後、電気温水器34の湯沸かしを実施することで、湯沸かしから浴室を利用するまでの間における電気温水器34からの熱逃げを、この順序が逆の場合と比較して、少なくできる。
【0092】
(ケース6)
気温:基準日夜間≧基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:有
基準日翌日の浴室利用予定時間:午後
【0093】
ケース6においては、基準日の夜間に電動車両50の充電を実施する。次に、基準日翌日の日中に、電気温水器34の湯沸かしを実施する。「日中」において電気温水器34の湯沸かしを実施する時間は、気温が下がり始める夕方までの時間のうち、浴室を利用する予定の具体的な時間に最も近い時間とする。
【0094】
基準日の夜間に電動車両50の充電を実施することで、ユーザは、基準日翌日に電動車両50を使用することができる。また、基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午後に、事前に湯沸かしされた温水を使用できる。
【0095】
さらに、基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、湯沸かしから浴室を利用するまでの間における電気温水器34からの熱逃げを、基準日の夜間に湯沸かしする場合と比較して、少なくできる。
【0096】
(ケース7)
気温:基準日夜間≧基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:無
基準日翌日の浴室利用予定時間:午前
【0097】
ケース7においては、基準日の夜間に電気温水器34の湯沸かしを実施する。次に、基準日翌日の日中に、電動車両50の充電を実施する。
【0098】
基準日の夜間に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午前に、夜間に湯沸かしされた温水を使用できる。また、基準日の翌日に電動車両50の充電を実施することで、ユーザは、基準日の翌々日に電動車両50を使用することができる。
【0099】
(ケース8)
気温:基準日夜間≧基準日翌日の日中
基準日翌日の電動車両走行予定:無
基準日翌日の浴室利用予定時間:午後
【0100】
ケース8においては、基準日の翌日の日中に電動車両50の充電を実施した後、電気温水器34の湯沸かしを実施する。例えば、基準日の翌日の午前に電動車両50の充電を実施し、午後に電気温水器34の湯沸かしを実施する。
【0101】
午後において電気温水器34の湯沸かしを実施する時間は、気温が下がり始める夕方までの時間のうち、浴室を利用する予定の具体的な時間に最も近い時間とする。
【0102】
なお、浴室を利用する予定の具体的な時間が正午である場合は、基準日の翌日の午前に電気温水器34の湯沸かしを実施し、午後に電動車両50の充電を実施する。
【0103】
基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、ユーザは、基準日翌日の午後に、事前に湯沸かしされた温水を使用できる。また、基準日翌日の日中に電気温水器34の湯沸かしを実施することで、湯沸かしから浴室を利用するまでの間における電気温水器34からの熱逃げを、基準日の夜間に湯沸かしする場合と比較して、少なくできる。
【0104】
<作用>
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る電力供給システム80の作用を説明する。ユーザからの入力部14を介した実行指示等に応じて、電力供給装置10のCPU11が電力供給プログラム13Aを実行することにより、
図5に示す電力供給処理が実行される。
【0105】
錯綜を避けるため、ここでは、浴室利用予定データベース13B及び電動車両データベース13Cが構築されている場合について説明する。
【0106】
(充電場所提案処理)
電力供給プログラム13Aの実行が開始されると、ステップ104で、CPU11は、基準日における所定時刻の到来待ちを実行する。「所定時刻」とは、電力系統Eからの買電単価が、昼間の買電単価より安くなる時刻である。すなわち、買電単価として夜間の割引単価が適用される時間帯が始まる時刻である。この所定時刻は、建物30の電力契約内容に応じて決定される。CPU11は、所定時刻が到来するまで、ステップ104を繰り返し実行する。所定時刻が到来すると、ステップ106へ移行する。
【0107】
ステップ106で、CPU11は、翌日の浴室利用予定(利用予定時間及び必要沸き上げ量)、翌日の電動車両利用予定(利用予定有無、必要充電量)及び気温を取得する。ステップ106の後は、ステップ108へ移行する。
【0108】
ステップ108で、CPU11は、ステップ106で取得した各情報に基づいて、電力供給計画を策定する。ステップ108の後は、ステップ110へ移行する。
【0109】
ステップ110で、CPU11は、基準日の夜間(所定時刻以降)から基準日の翌日にかけて、電気温水器34の湯沸かし及び電動車両50の充電制御を実施する。
【0110】
ステップ112で、CPU11は、電力供給処理の終了タイミングが到来したか否かを判定し、肯定判定となった場合は電力供給処理を終了する。この終了タイミングは、一例として、ユーザの入力部14を介した入力によって到来する。ステップ112で否定判定となった場合はステップ104へ戻る。
【0111】
<効果>
本発明の実施形態に係る電力供給システム80では、浴室利用予定取得部11Aが、基準日の翌日における、浴室の利用予定を取得する。また、電動車両利用予定取得部11Bが、基準日の翌日における、電動車両50の利用予定を取得する。また、計画部11Dが、浴室の利用予定及び電動車両50の利用予定に応じて、基準日の夜間から基準日の翌日にかけて、電気温水器34からの熱逃げを少なくするように、電気温水器34の湯沸かしと電動車両50への充電と、の順序を計画する。
【0112】
例えば計画部11Dは、
図4のケース1、2、5及び6に示したように、基準日の翌日に電動車両50の利用予定がある場合は、基準日の夜間に電動車両50への充電を実施する。
【0113】
また、計画部11Dは、ケース1及び5に示したように、さらに基準日の翌日の朝を含む午前に浴室の利用予定がある場合は、基準日の夜間に湯沸かしを計画する。このとき、制御部11Eは、電動車両50の充電の後に湯沸かしを実施する。
【0114】
一方、ケース2及び6に示したように、基準日の翌日の夜間を含む午後に浴室の利用予定がある場合は、基準日の日中に湯沸かしを計画する。この場合も、制御部11Eによって、電動車両50の充電の後に湯沸かしが実施される。
【0115】
このように、湯沸かしから浴室利用までの時間が短くなるように、電気温水器34の湯沸かしと電動車両50への充電との順序を計画することで、湯沸かしから浴室利用までの時間が空く場合と比較して、電気温水器34からの熱逃げを少なくできる。すなわち、ユーザの生活パターンに合わせて、電気温水器34の湯沸かしと電動車両50への充電との順序を計画し、エネルギー損失を最小化できる。
【0116】
これにより、ユーザが本来使用を希望する電力使用量を節約する節電に依らずに、消費電力の総量を少なくすることができる。
【0117】
また、本発明の実施形態に係る電力供給システム80では、電気温水器34が、湯沸かし時にヒートポンプを利用可能である。すなわち、電気温水器34は、大気と冷媒とを熱交換させて湯沸かしできる。このため、湯沸かしに必要な電力を低減できる。
【0118】
また、計画部11Dは、基準日の翌日の気温に応じて、基準日の夜間と基準日の翌日における電気温水器34の湯沸かし量を計画する。
【0119】
例えば、基準日の翌日の気温が低ければ、大気と熱交換できる熱量が少ない。このため、例えばケース5及び7に示すように、基準日の夜間に、必要沸き上げ量の全量を沸き上げする。一方、基準日の翌日の気温が高ければ、大気と熱交換できる熱量が多くなる。このため、例えばケース1及び3に示すように、基準日の夜間に、必要沸き上げ量の一部のみを湯沸かしし、基準日の昼間に、残りを沸き上げする。
【0120】
このように、ヒートポンプを用い、さらに気温に応じて湯沸かし量を計画することで、大気の熱エネルギーを有効に利用できる。このため、消費電力の総量を少なくすることができる。
【0121】
<その他の実施形態>
上記実施形態における電気温水器34は、湯沸かし時にヒートポンプを利用可能な自然冷媒ヒートポンプ給湯機とされている。しかし、本発明の実施形態はこれに限らない。本発明の電気温水器は、電力で駆動するヒータによって湯沸かしを行う貯湯式の電気温水器としてもよい。
【0122】
この場合においても、計画部11Dは、電気温水器からの熱逃げを少なくするように、電気温水器の湯沸かしと電動車両50への充電と、の順序を計画することができる。
【0123】
また、上記実施形態において、例えば、浴室利用予定取得部11A、電動車両利用予定取得部11B、気温取得部11C、計画部11D及び制御部11Eの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0124】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0125】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0126】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0127】
11A 浴室利用予定取得部(取得部)
11B 電動車両利用予定取得部(取得部)
11D 計画部
11E 制御部
13A 電力供給プログラム(プログラム)
34 電気温水器
50 電動車両
80 電力供給システム