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  • 特開-水門開閉装置のロープ長さ調整装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058373
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】水門開閉装置のロープ長さ調整装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/20 20060101AFI20240418BHJP
   E02B 7/28 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
E02B7/20 109
E02B7/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165686
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000241290
【氏名又は名称】豊国工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 裕明
(72)【発明者】
【氏名】有村 圭二
(72)【発明者】
【氏名】大上 幸海
【テーマコード(参考)】
2D019
【Fターム(参考)】
2D019AA59
2D019BA03
(57)【要約】
【課題】水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備、又は、水門開閉機器が入り組んで配置された水門設備でもワイヤーロープの長さ調整作業を容易に行えるロープ長さ調整装置を提供する。
【解決手段】 水門開閉装置のロープ長さ調整装置11は、ハンドル31と、シャフト33と、ギヤ機構35と、連結治具37と、を備えおり、連結治具37を介して、過負荷・弛み検出装置13と一体的なユニットとして構成することができる。この構成により、ロープ長さ調整装置11の設置スペースを新たに確保する必要がないので、水門開閉装置の配置空間が狭い水門設備や、水門開閉装置が入り組んで配置された既存の水門設備にロープ長さ調整装置11を設置しても、ワイヤーロープ7の長さを調整する作業を容易に行うことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水門開閉装置のワイヤーロープの長さを調整するロープ長さ調整装置であって、
ハンドルと、
前記ワイヤーロープに連結されるテンションロッドと、
前記ハンドルの回転による回転力を前記テンションロッドに伝達して、前記テンションロッドを鉛直方向に移動させるギヤ機構と、
前記ワイヤーロープの過負荷及び弛みを検出する過負荷・弛み検出装置と、を備え、
前記ギヤ機構と前記過負荷・弛み検出装置とは、前記テンションロッドに沿って一直線上に配置されていることを特徴とする水門開閉装置のロープ長さ調整装置。
【請求項2】
前記ハンドルに連結されたシャフトを備え、該シャフトは、前記テンションロッドに対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の水門開閉装置のロープ長さ調整装置。
【請求項3】
前記ギヤ機構は、前記シャフトの、前記ハンドルに連結された側の反対側の端部に連結されたベベルピニオンと、該ベベルピニオンと噛み合うベベルギヤと、該ベベルギヤの内周部に一体的に回転するように嵌合されたスリーブと、該スリーブの内周部に一体的に回転するように嵌合されたステムナットと、前記ベベルピニオン、前記ベベルギヤ、前記スリーブ及び前記ステムナットとを収容するギヤケースと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の水門開閉装置のロープ長さ調整装置。
【請求項4】
前記ロープ長さ調整装置は、前記ギヤ機構と前記過負荷・弛み検出装置とを連結する連結治具を備え、
該連結治具は、前記テンションロッドを挿通する円形状の開口と、該開口を囲むように、45°間隔に形成された複数の孔とを有する天板と、該天板の前記開口と同一軸線に形成された、前記テンションロッドを挿通する欠円形状の開口を有する横長の矩形状の底板と、該底板の短辺側の端部に立設され、前記天板と結合された一対の側板と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の水門開閉装置のロープ長さ調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーロープの長さを調整する水門開閉装置のロープ長さ調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、河川、運河、ダムに設けられる水門設備の扉体を開閉するために、水門開閉装置が設置されている。水門開閉装置として、例えば、扉体を懸下するワイヤーロープと、ワイヤーロープを巻回するワイヤーロープ巻取ドラムとを備え、駆動機構によりワイヤーロープ巻取ドラムを回転させ、ワイヤーロープを巻回して扉体を昇降させるワイヤーロープ式の水門開閉装置が知られている。水門開閉装置には、扉体の昇降動作を繰り返すことで若干の伸びが発生することがあるため、ワイヤーロープの長さを調整するロープ長さ調整装置が備えられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-031950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロープ長さ調整装置を備えたワイヤーロープ式の水門開閉装置では、水門設備内に複数の水門開閉機器のそれぞれが配置されている。このため、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備や、水門開閉機器が入り組んで配置された水門設備では、ワイヤーロープの長さを調整するための作業が困難になることがある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備、又は、水門開閉機器が入り組んで配置された水門設備でもワイヤーロープの長さ調整作業を容易に行えるロープ長さ調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下に示す発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0007】
(1)水門開閉装置のワイヤーロープの長さを調整するロープ長さ調整装置であって、ハンドルと、前記ワイヤーロープに連結されるテンションロッドと、前記ハンドルの回転による回転力を前記テンションロッドに伝達して、前記テンションロッドを鉛直方向に移動させるギヤ機構と、前記ワイヤーロープの過負荷及び弛みを検出する過負荷・弛み検出装置と、を備え、前記ギヤ機構と前記過負荷・弛み検出装置とは、前記テンションロッドに沿って一直線上に配置されているロープ長さ調整装置(請求項1)。
本項に係る水門開閉装置のロープ長さ調整装置では、ギヤ機構と過負荷・弛み検出装置とをテンションロッドに沿って一直線上に配置していることで、小型化とすることができる。また、ロープ長さ調整装置の設置スペースを確保する必要がないため、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備や、水門開閉機器が入り組んで配置された既存の水門設備でも、ワイヤーロープの長さを調整する作業を容易に行うことができる。
【0008】
(2)上記(1)項において、前記ハンドルに連結されたシャフトを備え、該シャフトは、前記テンションロッドに対して垂直に配置されているロープ長さ調整装置(請求項2)。
本項に係る水門開閉装置のロープ長さ調整装置では、ハンドルに連結されたシャフトをテンションロッドに対して垂直に配置することで、作業員の正面にハンドルを位置することができるので、作業し易くすることができる。
【0009】
(3)上記(2)項において、前記ギヤ機構は、前記シャフトの、前記ハンドルに連結された側の反対側の端部に連結されたベベルピニオンと、該ベベルピニオンと噛み合うベベルギヤと、該ベベルギヤの内周部に一体的に回転するように嵌合されたスリーブと、該スリーブの内周部に一体的に回転するように嵌合されたステムナットと、前記ベベルピニオン、前記ベベルギヤ、前記スリーブ及び前記ステムナットとを収容するギヤケースと、を備えるロープ長さ調整装置(請求項3)。
本項に係る水門開閉装置のロープ長さ調整装置において、ギヤ機構は、ベベルピニオン及びベベルギヤ(減速ギヤ)によって減速させ、大きな動力を発生させられるので、ハンドルを手動で操作することができる。
【0010】
(4)上記(1)項において、前記ロープ長さ調整装置は、前記ギヤ機構と前記過負荷・弛み検出装置とを連結する連結治具を備え、該連結治具は、前記テンションロッドを挿通する円形状の開口と、該開口を囲むように、45°間隔に形成された複数の孔とを有する天板と、該天板の前記開口と同一軸線に形成された、前記テンションロッドを挿通する欠円形状の開口を有する横長の矩形状の底板と、該底板の短辺側の端部に立設され、前記天板と結合された一対の側板と、を備えるロープ長さ調整装置(請求項4)。
本項に係る水門開閉装置のロープ長さ調整装置において、連結治具の天板には、45°角度毎に形成された複数の孔が形成されているため、ギヤ機構を固定する際にハンドルの位置を45°間隔に調整することができので、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備や、水門開閉装置が入り組んで配置された既存の水門設備でも、ハンドルを作業し易い角度に配置することができる。また、連結治具の底板には、テンションロッドを挿通するために、欠円形状の開口を形成されているので、水門開閉装置の開閉操作時のテンションロッドの回転(ハンドル作業等による共廻り)を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るロープ長さ調整装置によれば、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備、又は、水門開閉機器が入り組んで配置された水門設備でもワイヤーロープの長さ調整作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係るロープ長さ調整装置を適用した水門開閉装置の概略正面図である。
図2図1に示す水門開閉装置の概略平面図である。
図3図1に示す水門開閉装置の概略側面図である。
図4図1に示すロープ長さ調整装置、過負荷・弛み検出装置及びテンションロッドの概略組立図である。
図5図4に示すロープ長さ調整装置、過負荷・弛み検出装置及びテンションロッドの概略斜視図である。
図6図4に示すロープ長さ調整装置のギヤ機構の概略部分断面図である。
図7図4に示すロープ長さ調整装置の連結治具の図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るロープ長さ調整装置を適用した水門開閉装置の構成を図1図6を参照して詳細に説明する。
図1図3に示すように、水門開閉装置1は、河川、運河、ダム等に設置されるワイヤーロープ式水門の扉体3を開閉させるものであり、左右一対の門柱5,5上の水門設備内にそれぞれ設置されている。水門開閉装置1は、ロープ長さ調整装置11と、過負荷・弛み検出装置13と、電動機15と、ブレーキ手段17と、減速機19と、ドラムギヤ・ピニオン21と、ドラム23と、シーブ25と、を少なくとも備えている。
【0014】
図4図6に示すように、ロープ長さ調整装置11は、一端がテンションロッド57(後述)に連結されたワイヤーロープ7に伸びが生じた際に手動でワイヤーロープ7の長さを調整するものであり、過負荷・弛み検出装置13及びテンションロッド57と一体的に連結されたユニットとして構成される。ロープ長さ調整装置11は、ハンドル31と、シャフト33と、ギヤ機構35と、連結治具37と、を有する。ギヤ機構35は、ハンドル31の回転に伴う回転力をテンションロッド57に伝達するためのものであり、ベベルピニオン39と、ベベルギヤ41と、スリーブ43と、ステムナット45と、ギヤケース47と、を少なくとも有している。ギヤ機構35は、過負荷・弛み検出装置13と共に、テンションロッド57に沿って一直線上に配置されている。ハンドル31は、シャフト33の一端と連結されている。シャフト33は、テンションロッド57に対して垂直に配置され、ハンドル31が連結された側の反対側の端部(他端)にベベルピニオン39が一体的に連結されている。ベベルギヤ41は、ベベルピニオン39と噛合っており、その内周部にスリーブ43が一体的に回転するように嵌合されている。スリーブ43の内周部には、ステムナット45が一体的に回転するように嵌合されている。ステムナット45は、その内周面にテンションロッド57のねじ部57aと噛合うねじ形成部49が形成されている。ギヤケース47は、シャフト33、ベベルピニオン39、ベベルギヤ41、スリーブ43及びステムナット45を収容するものである。このようなギヤ機構35の構成とすることで、減速ギヤ、すなわち、ベベルピニオン39及びベベルギヤ41によって減速させ、大きな動力を発生させられるので、ハンドル31を手動で苦も無く操作することが可能となる。
【0015】
図7に示すように、連結治具37は、ロープ長さ調整装置11を過負荷・弛み検出装置13に連結するものであり、天板51と、底板53と、一対の側板55,55と、を備える。天板51は、八角形状を呈しており、ギヤ機構35を支持し、テンションロッド57を挿通するための円形状の開口51aと、開口51aを囲むように、45°間隔に形成された複数の孔51bとが形成されている。底板53は、横長の矩形状を呈しており、天板51の開口51aと同軸線上になるように、テンションロッド57を挿通するための欠円形状(底面視D形状)の開口53aと、開口53aを囲むように、90°間隔に形成された複数の孔53bとが形成されている。一対の側板55,55は、底板53の短辺側の端部に立設され、天板51と結合されている。なお、天板51が八角形を呈し、底板53が横長の矩形状を呈しているが、円形、五角形、六角形等の多角形等の他の形状としてもよい。
【0016】
ここで、ロープ長さ調整装置11によって、ワイヤーロープ7の長さを調整するには、過負荷・弛み検出装置13(後述)のロックナット63(図4及び図5参照)を緩めて、ロープ長さ調整装置11のハンドル31を回すことで、シャフト33も回転して、その回転力がシャフト33に連結されたベベルピニオン39からベベルギヤ41に伝達されて、ベベルギヤ41が回転する。そして、ベベルギヤ41の回転により、スリーブ43及びステムナット45も回転する。その結果、ステムナット45のねじ形成部49とテンションロッド57のねじ部57aとの噛み合いによって、テンションロッド57が鉛直方向に移動する。これにより、ワイヤーロープ7の伸びが生じた際にワイヤーロープ7の長さを調整することが可能となる。
【0017】
過負荷・弛み検出装置13は、テンションロッド57を介してワイヤーロープ7に掛かる過大な負荷を第1スプリング59(ばね力が大きい皿ばね)のたわみ量で検出することで、ワイヤーロープ7の過負荷を検知し、また、ワイヤーロープ7の張力を第2スプリング61(ばね力が小さいコイルバネ)のたわみ量で検出することで、ワイヤーロープ7の弛みを検知する既知のバネ式検出装置である。すなわち、過負荷・弛み検出装置13は、ワイヤーロープ7の張力が小さくなり、通常、圧縮状態の第2スプリング61が伸張すれば、ワイヤーロープ7の弛みとして検出し、一方、ワイヤーロープ7の張力が大きくなり、第1スプリング59のたわみ量(圧縮量)が大きくなれば、ワイヤーロープ7への過負荷として検出する。また、過負荷・弛み検出装置13は、テンションロッド57に作用するワイヤッロープ7の張力を第1スプリング59及び第2スプリング61に伝達するロックナット63を有し、ロックナット63の変位によって作動する電気制御(リミットスイッチ)によりワイヤーロープ7の張力の異常を検知して、水門開閉装置1の動作を停止することができる機能を有している。過負荷・弛み検出装置13は、水門設備の基台に設置された球面受62(図3参照)と球面接触する球面座60を有する。この構成により、ワイヤーロープ7の張力に応じて、球面座60が滑り、ロープ長さ調整装置11及び過負荷・弛み検出装置13が傾くようになっている。
【0018】
テンションロッド57は、ロープ長さ調整装置11のギヤ機構35及び過負荷・弛み検出装置13を貫通するように設けられており、その一端側にステムナット45のねじ形成部49と噛み合うねじ部57aが形成され、他端がワイヤーロープ7と接続されている。
【0019】
図1図3に示すように、電動機15は、ドラム23を回転駆動させるためのものであり、軸部67を介して、減速機19に連結されている、ブレーキ手段17は、軸部67の回転運動を拘束及び解放するためのものであり、電動機15と減速機19との間に配置されている。減速機19は、電動機15の回転を減速させ、トルクを増加させるものであり、出力軸69を有する。この出力軸69は、ドラムギヤ・ピニオン21のピニオンギヤに連結されている。
【0020】
ドラム23,23は、一端がテンションロッド57に連結されたワイヤーロープ7の他端側を巻き取るためのものであり、回転軸(図示せず)を有し、回転軸にドラムギヤ・ピニオン21のドラムギヤが一体的に連結されている。ドラムギヤ・ピニオン21のピニオンギヤとドラムギヤとは、互いに噛み合っており、ドラム23,23の回転軸と減速機19の出力軸69とが相互に回転トルクを伝達するように構成されている。シーブ25は、複数有し(図示では1つ)、ワイヤーロープ7が巻回されており、門柱5,5側に固定される定滑車25aと、扉体3側に固定される動滑車25bとを備える。このような構成により、電動機15によって、ドラム23,23を開方向に回転駆動させることで、ワイヤーロープ7が巻き取られて、扉体3がシーブ25(動滑車25b)と共に上昇し、一方、ドラム23,23を閉方向に回転駆動させることで、ワイヤーロープ7が引き出されて、扉体3が降下するようになっている。
【0021】
上記構成を有するロープ長さ調整装置11によれば、次のような作用効果を得ることができる。
ロープ長さ調整装置11は、連結治具37を介して、過負荷・弛み検出装置13と一体的なユニット、具体的には、ロープ長さ調整装置11のギヤ機構35及び過負荷・弛み検出装置13がテンションロッド57に沿って一直線上に配置された一体的なユニットとして構成することができるため、小型化とすることができる。また、連結治具37によって、既存の水門開閉装置1にも容易に設置することができる。
【0022】
また、ロープ長さ調整装置11の設置スペースを新たに確保する必要がないので、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備や、水門開閉装置1が入り組んで配置された既存の水門設備にロープ長さ調整装置11を設置しても、ワイヤーロープ7の長さを調整する作業を適切に行うことができる。
【0023】
ロープ長さ調整装置11の連結治具37の天板51には、45°間隔に形成された複数の孔51bが形成されているため、ギヤケース47を固定する際にハンドル31の位置を45°角度毎に調整することができる。これにより、水門開閉機器の配置空間が狭い水門設備や、水門開閉装置1が入り組んで配置された既存の水門設備でも、ハンドル31を作業し易い角度に配置することができる。
【0024】
ロープ長さ調整装置11の連結治具37の底板53には、テンションロッド57を挿通するために、欠円形状の開口53aを形成することで、水門開閉装置1の開閉操作時のテンションロッド57の回転(共廻り)を防止することができる。底板53の短辺側の端部に一対の側板55,55が立設されているので、ロックナット63の緩める及び締める作業を適切に行うことができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係るロープ長さ調整装置11は、2つの電動機15,15と2つのドラム23,23との形式の水門開閉装置1に適用されているが、1つの電動機と2つドラムとの形式、1つの電動機と1つのドラムとの形式等の他の形式の水門開閉装置にも同様に適用することができる。
【0026】
ロープ長さ調整装置11において、ギヤ機構35のベベルギヤ41及びベベルピニオン39が減速ギヤとして構成されているが、ウォームギヤ、遊星歯車、平歯車等の他の歯車を用いて減速ギヤを構成するようにしてもよい。
【0027】
ロープ長さ調整装置11において、ハンドル31に連結されたシャフト33がテンションロッド57に対して垂直に配置されているが、シャフト33をテンションロッド57に対して同一軸線上に配置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1…水門開閉装置、7…ワイヤーロープ、11…ロープ長さ調整装置、13…過負荷・弛み検出装置、31…ハンドル、35…ギヤ機構、37…連結治具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7