(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058449
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】光導波路ハウジングおよび光接続部品
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20240418BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165810
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】寺田 信介
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036QA03
2H036QA11
2H036QA18
2H036QA43
2H036QA49
2H036QA57
2H036QA59
2H137AB09
2H137BA15
2H137BA46
2H137BA52
2H137BA53
2H137BA55
2H137BA56
2H137CA15A
2H137CA15B
2H137CA49
2H137CA73
2H137CA74
2H137CA75
2H137CC28
2H137CD13
2H137CD20
2H137CD33
(57)【要約】
【課題】部品点数が増えても高コスト化を避けることができ、かつ、光導波路の収容作業を容易に行うことができる光導波路ハウジング、および、かかる光導波路ハウジングを備え、安価で組み立て容易性に優れた光接続部品を提供すること。
【解決手段】本発明の光導波路ハウジングは、第1係合部を有する第1光配線部品と、第2係合部を有する第2光配線部品と、を接続する光導波路を収容するものであって、第1光導波路収容体は、光導波路を収容する第1凹部と、第1係合部と係合する第1-1被係合部と、第2係合部と係合する第1-2被係合部と、第1位置決め部と、を有し、第2光導波路収容体は、光導波路を収容する第2凹部と、第1係合部と係合する第2-1被係合部と、第2係合部と係合する第2-2被係合部と、第2位置決め部と、を有し、第1光導波路収容体および第2光導波路収容体は、互いに同一の形状をなしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光ファイバーおよび第1係合部を有する第1光配線部品と、第2光ファイバーおよび第2係合部を有する第2光配線部品と、を接続する光導波路を収容する光導波路ハウジングであって、
第1光導波路収容体および第2光導波路収容体を備え、
前記第1光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の一部を構成する第1凹部と、
前記第1凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第1-1被係合部と、
前記第1凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第1-2被係合部と、
第1位置決め部と、
を有し、
前記第2光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の他部を構成する第2凹部と、
前記第2凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第2-1被係合部と、
前記第2凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第2-2被係合部と、
前記第1凹部および前記第2凹部が互いに向き合うように前記第1位置決め部に対して位置決めをする第2位置決め部と、
を有し、
前記第1光導波路収容体および前記第2光導波路収容体は、互いに同一の形状をなしていることを特徴とする光導波路ハウジング。
【請求項2】
前記第1位置決め部は、第1挿入部と、第1被挿入部と、を有し、
前記第2位置決め部は、第2挿入部と、第2被挿入部と、を有し、
前記第1挿入部が前記第2被挿入部に挿入され、
前記第2挿入部が前記第1被挿入部に挿入される請求項1に記載の光導波路ハウジング。
【請求項3】
前記第1挿入部、前記第1被挿入部、前記第2挿入部および前記第2被挿入部は、それぞれ複数設けられている請求項2に記載の光導波路ハウジング。
【請求項4】
複数の前記第1挿入部および複数の前記第1被挿入部は、それぞれ、前記第1光導波路収容体の中心点を対称の中心とする点対称の関係を満たす請求項2または3に記載の光導波路ハウジング。
【請求項5】
前記第1光導波路収容体および前記第2光導波路収容体は、それぞれ一体成型物である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路ハウジング。
【請求項6】
前記第1光導波路収容体は、
前記光導波路の一端部に取り付けられている第1導波路フェルールの一部を収容する第1-1フェルール収容部と、
前記光導波路の他端部に取り付けられている第2導波路フェルールの一部を収容する第1-2フェルール収容部と、
を有し、
前記第2光導波路収容体は、
前記第1導波路フェルールの別の一部を収容する第2-1フェルール収容部と、
前記第2導波路フェルールの別の一部を収容する第2-2フェルール収容部と、
を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路ハウジング。
【請求項7】
前記第1光配線部品は、前記第1光ファイバーの端部に取り付けられている第1ファイバーフェルールを有し、
前記第2光配線部品は、前記第2光ファイバーの端部に取り付けられている第2ファイバーフェルールを有し、
前記第1光導波路収容体は、前記第1ファイバーフェルールの一部、および、前記第2ファイバーフェルールの一部、を収容する2つのファイバーフェルール挿入部を有する請求項6に記載の光導波路ハウジング。
【請求項8】
第1光ファイバーおよび前記第1光ファイバーの端部に取り付けられている第1ファイバーフェルールを有する第1光配線部品と、第2光ファイバーおよび前記第2光ファイバーの端部に取り付けられている第2ファイバーフェルールを有する第2光配線部品と、を接続する光導波路を収容する光導波路ハウジングであって、
第1ファイバー保持体、第2ファイバー保持体、第1光導波路収容体および第2光導波路収容体、を備え、
前記第1ファイバー保持体は、
前記第1ファイバーフェルールを保持する第1保持部と、
第1係合部と、
を有し、
前記第2ファイバー保持体は、
前記第2ファイバーフェルールを保持する第2保持部と、
第2係合部と、
を有し、
前記第1光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の一部を構成する第1凹部と、
前記第1凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第1-1被係合部と、
前記第1凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第1-2被係合部と、
第1位置決め部と、
を有し、
前記第2光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の他部を構成する第2凹部と、
前記第2凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第2-1被係合部と、
前記第2凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第2-2被係合部と、
前記第1凹部および前記第2凹部が互いに向き合うように前記第1位置決め部に対して位置決めをする第2位置決め部と、
を有し、
前記第1光導波路収容体および前記第2光導波路収容体は、互いに同一の形状をなしていることを特徴とする光導波路ハウジング。
【請求項9】
前記第1ファイバー保持体は、互いに同一の形状をなす2つの第1部品の組み立て体であり、
前記第2ファイバー保持体は、互いに同一の形状をなす2つの第2部品の組み立て体である請求項8に記載の光導波路ハウジング。
【請求項10】
前記第1部品および前記第2部品は、互いに同一の形状をなしている請求項9に記載の光導波路ハウジング。
【請求項11】
前記第1部品は、前記第1ファイバーフェルールを前記光導波路に向かって押す第1付勢部を有し、
前記第2部品は、前記第2ファイバーフェルールを前記光導波路に向かって押す第2付勢部を有する請求項9または10に記載の光導波路ハウジング。
【請求項12】
請求項1または8に記載の光導波路ハウジングと、
前記光導波路ハウジングに収容されている前記光導波路と、
を備えることを特徴とする光接続部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路ハウジングおよび光接続部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバー同士を光学的に接続するため、光接続部品が用いられる。光接続部品は、光信号を中継する機能の他、光信号を加工する機能を有していてもよい。
【0003】
特許文献1には、コア部同士がX字状に合流、分岐してなる光導波路を含む光カプラと、光カプラの周囲を覆う筒状の部材と、を備える光コネクタが開示されている。筒状の部材は、光カプラを外力や外部環境から保護し、光コネクタの耐久性を高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/192674号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の筒状の部材は、内部が見えないため、光カプラを内部に設置する作業において、作業性を高めることが困難である。
【0006】
一方、筒状の部材を複数の部品に分けることで、光カプラの設置作業を容易にすることも考えられる。しかしながら、部品点数が多くなり、製造コストが上昇するとともに、部品を管理する手間が増えるという課題がある。特に、各部品を樹脂成型によって作製する場合、部品点数に応じて増える金型のコストが大きな負担になる。
【0007】
本発明の目的は、部品点数が増えても高コスト化を避けることができ、かつ、光導波路の収容作業を容易に行うことができる光導波路ハウジング、および、かかる光導波路ハウジングを備え、安価で組み立て容易性に優れた光接続部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)~(12)の本発明により達成される。
(1) 第1光ファイバーおよび第1係合部を有する第1光配線部品と、第2光ファイバーおよび第2係合部を有する第2光配線部品と、を接続する光導波路を収容する光導波路ハウジングであって、
第1光導波路収容体および第2光導波路収容体を備え、
前記第1光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の一部を構成する第1凹部と、
前記第1凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第1-1被係合部と、
前記第1凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第1-2被係合部と、
第1位置決め部と、
を有し、
前記第2光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の他部を構成する第2凹部と、
前記第2凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第2-1被係合部と、
前記第2凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第2-2被係合部と、
前記第1凹部および前記第2凹部が互いに向き合うように前記第1位置決め部に対して位置決めをする第2位置決め部と、
を有し、
前記第1光導波路収容体および前記第2光導波路収容体は、互いに同一の形状をなしていることを特徴とする光導波路ハウジング。
【0009】
(2) 前記第1位置決め部は、第1挿入部と、第1被挿入部と、を有し、
前記第2位置決め部は、第2挿入部と、第2被挿入部と、を有し、
前記第1挿入部が前記第2被挿入部に挿入され、
前記第2挿入部が前記第1被挿入部に挿入される上記(1)に記載の光導波路ハウジング。
【0010】
(3) 前記第1挿入部、前記第1被挿入部、前記第2挿入部および前記第2被挿入部は、それぞれ複数設けられている上記(2)に記載の光導波路ハウジング。
【0011】
(4) 複数の前記第1挿入部および複数の前記第1被挿入部は、それぞれ、前記第1光導波路収容体の中心点を対称の中心とする点対称の関係を満たす上記(2)または(3)に記載の光導波路ハウジング。
【0012】
(5) 前記第1光導波路収容体および前記第2光導波路収容体は、それぞれ一体成型物である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光導波路ハウジング。
【0013】
(6) 前記第1光導波路収容体は、
前記光導波路の一端部に取り付けられている第1導波路フェルールの一部を収容する第1-1フェルール収容部と、
前記光導波路の他端部に取り付けられている第2導波路フェルールの一部を収容する第1-2フェルール収容部と、
を有し、
前記第2光導波路収容体は、
前記第1導波路フェルールの別の一部を収容する第2-1フェルール収容部と、
前記第2導波路フェルールの別の一部を収容する第2-2フェルール収容部と、
を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路ハウジング。
【0014】
(7) 前記第1光配線部品は、前記第1光ファイバーの端部に取り付けられている第1ファイバーフェルールを有し、
前記第2光配線部品は、前記第2光ファイバーの端部に取り付けられている第2ファイバーフェルールを有し、
前記第1光導波路収容体は、前記第1ファイバーフェルールの一部、および、前記第2ファイバーフェルールの一部、を収容する2つのファイバーフェルール挿入部を有する上記(6)に記載の光導波路ハウジング。
【0015】
(8) 第1光ファイバーおよび前記第1光ファイバーの端部に取り付けられている第1ファイバーフェルールを有する第1光配線部品と、第2光ファイバーおよび前記第2光ファイバーの端部に取り付けられている第2ファイバーフェルールを有する第2光配線部品と、を接続する光導波路を収容する光導波路ハウジングであって、
第1ファイバー保持体、第2ファイバー保持体、第1光導波路収容体および第2光導波路収容体、を備え、
前記第1ファイバー保持体は、
前記第1ファイバーフェルールを保持する第1保持部と、
第1係合部と、
を有し、
前記第2ファイバー保持体は、
前記第2ファイバーフェルールを保持する第2保持部と、
第2係合部と、
を有し、
前記第1光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の一部を構成する第1凹部と、
前記第1凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第1-1被係合部と、
前記第1凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第1-2被係合部と、
第1位置決め部と、
を有し、
前記第2光導波路収容体は、
前記光導波路を収容する空間の他部を構成する第2凹部と、
前記第2凹部の一方の端部に設けられ、前記第1係合部と係合する第2-1被係合部と、
前記第2凹部の他方の端部に設けられ、前記第2係合部と係合する第2-2被係合部と、
前記第1凹部および前記第2凹部が互いに向き合うように前記第1位置決め部に対して位置決めをする第2位置決め部と、
を有し、
前記第1光導波路収容体および前記第2光導波路収容体は、互いに同一の形状をなしていることを特徴とする光導波路ハウジング。
【0016】
(9) 前記第1ファイバー保持体は、互いに同一の形状をなす2つの第1部品の組み立て体であり、
前記第2ファイバー保持体は、互いに同一の形状をなす2つの第2部品の組み立て体である上記(8)に記載の光導波路ハウジング。
【0017】
(10) 前記第1部品および前記第2部品は、互いに同一の形状をなしている上記(9)に記載の光導波路ハウジング。
【0018】
(11) 前記第1部品は、前記第1ファイバーフェルールを前記光導波路に向かって押す第1付勢部を有し、
前記第2部品は、前記第2ファイバーフェルールを前記光導波路に向かって押す第2付勢部を有する上記(9)または(10)に記載の光導波路ハウジング。
【0019】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の光導波路ハウジングと、
前記光導波路ハウジングに収容されている前記光導波路と、
を備えることを特徴とする光接続部品。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、部品点数が多くても高コスト化を避けることができ、かつ、光導波路の収容作業を容易に行うことができる光導波路ハウジングが得られる。
【0021】
また、本発明によれば、安価で組み立て容易性に優れた光接続部品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る光接続部品、ならびに、光接続部品を用いて接続される第1光配線部品および第2光配線部品が、それぞれ分解されている状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の光導波路の一部を拡大して示す斜視図である。
【
図4】
図1のフェルール付き光導波路と、分解された光導波路ハウジングと、を拡大して示す斜視図である。
【
図5】
図1に示す第1光導波路収容体の平面図である。
【
図6】光接続部品と第1光配線部品および第2光配線部品との接続前の状態を示す斜視図である。
【
図7】光接続部品と第1光配線部品および第2光配線部品との接続後の状態を示す斜視図である。
【
図8】変形例に係る光接続部品、ならびに、光接続部品を用いて接続される第1光配線部品および第2光配線部品が、それぞれ分解されている状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示す第1付勢部の作用を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の光導波路ハウジングおよび光接続部品について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
1.光接続部品
まず、実施形態に係る光導波路ハウジングおよび光接続部品について説明する。
【0025】
図1は、実施形態に係る光接続部品1、ならびに、光接続部品1を用いて接続される第1光配線部品8および第2光配線部品9が、それぞれ分解されている状態を示す斜視図である。
【0026】
なお、本願の各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定し、矢印で示している。また、矢印の先端側を「プラス側」といい、基端側を「マイナス側」という。また、Z軸プラス側を特に「上」ともいい、Z軸マイナス側を特に「下」ともいう。
【0027】
図1に示す光接続部品1は、フェルール付き光導波路2と、光導波路ハウジング3と、を備える。
図1に示す光接続部品1は、第1光配線部品8と第2光配線部品9とを接続する目的で用いられる。光接続部品1は、フェルール付き光導波路2を介して第1光配線部品8と第2光配線部品9とを光学的に接続することにより、光信号を中継する。また、必要に応じて、フェルール付き光導波路2に各種機能を持たせることにより、中継する光信号を例えば分配、合流、減衰等させることができる。
【0028】
第1光配線部品8は、第1光ファイバー81と、第1ファイバーフェルール82と、第1ファイバー保持体83と、を有する。第1光ファイバー81は、複数のファイバー素線を束ねたファイバーリボンである。第1ファイバーフェルール82は、第1光ファイバー81の端部に装着されており、2本の突出するガイドピン822を有する。第1ファイバー保持体83は、第1ファイバーフェルール82を収容し、第1係合部832を有する。
図1に示す第1ファイバー保持体83は、2つの第1部品830の組み立て体であり、第1係合部832は、光導波路ハウジング3の一端部と係合する。
【0029】
第2光配線部品9は、第2光ファイバー91と、第2ファイバーフェルール92と、第2ファイバー保持体93と、を有する。第2光ファイバー91は、複数のファイバー素線を束ねたファイバーリボンである。第2ファイバーフェルール92は、第2光ファイバー91の端部に装着されており、2本の突出するガイドピン922を有する。第2ファイバー保持体93は、第2ファイバーフェルール92を収容し、第2係合部932を有する。
図1に示す第2ファイバー保持体93は、2つの第2部品930の組み立て体であり、第2係合部932は、光導波路ハウジング3の他端部と係合する。
【0030】
1.1.フェルール付き光導波路
フェルール付き光導波路2は、光導波路22と、第1導波路フェルール24と、第2導波路フェルール26と、を備える。
【0031】
1.1.1.光導波路
光導波路22は、X-Y面に広がるとともに、Y軸方向に細長いシート状をなしている。本実施形態では、一例として、光導波路22が光信号の合流および分配の機能を有している。
【0032】
図2は、
図1の光導波路22のみを示す平面図である。
図2に示す光導波路22は、内部に設けられた分岐パターン220を有する。
図2は、分岐パターン220を上方から透視した図である。分岐パターン220は、光信号を伝搬する経路である。
図2に示す分岐パターン220は、4か所の入出射部220a、220b、220c、220dと、これらをつなぐコア部224と、を有する。このような分岐パターン220では、2か所の入出射部220a、220bから入射した光信号を合流させ、合流した光信号を2つに分配し、2か所の入出射部220c、220dで射出する機能を有する。
【0033】
図3は、
図1の光導波路22の一部を拡大して示す斜視図である。
図3に示す光導波路22は、下方から、第1支持層228、第1クラッド層221、コア層223、第2クラッド層222および第2支持層229がこの順で積層されてなる積層体226を備える。
【0034】
コア層223に形成されているコア部224は、
図3に示すように、その側面が、側面クラッド部225、第1クラッド層221および第2クラッド層222で囲まれている。そして、コア部224の屈折率は、これらのクラッド領域の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部224に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
【0035】
コア層223において、コア部224の光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化した、いわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化した、いわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
【0036】
X-Z面によるコア部224の断面形状、つまりコア部224の横断面形状は、特に限定されないが、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状が挙げられる。
【0037】
コア層223の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア層223に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
【0038】
コア層223の構成材料は、特に限定されないが、例えば樹脂材料、ガラス材料、シリコン材料、またはこれらと他の材料との複合材料等が挙げられる。このうち、耐衝撃性、取り扱いの容易性等の観点から、樹脂材料が好ましく用いられる。
【0039】
第1クラッド層221および第2クラッド層222の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、第1クラッド層221および第2クラッド層222に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
【0040】
また、第1クラッド層221および第2クラッド層222の構成材料は、例えば、前述したコア層223の構成材料として挙げた材料から適宜選択して用いられる。
【0041】
なお、第1クラッド層221および第2クラッド層222の少なくとも一方は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
【0042】
第1支持層228は、第1クラッド層221の下面に設けられている。第2支持層229は、第2クラッド層222の上面に設けられている。このような第1支持層228および第2支持層229を設けることにより、コア層223、第1クラッド層221および第2クラッド層222が熱や外力等から保護される。
【0043】
第1支持層228および第2支持層229の構成材料は、特に限定されないが、例えば樹脂材料、ガラス材料、シリコン材料、またはこれらと他の材料との複合材料等が挙げられる。このうち、耐衝撃性、取り扱いの容易性等の観点から、樹脂材料が好ましく用いられる。
【0044】
第1支持層228および第2支持層229は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
【0045】
1.1.2.導波路フェルール
第1導波路フェルール24は、光導波路22の一端に装着され、第2導波路フェルール26は、光導波路22の他端に装着されている。これらは、光導波路22の端部を支持し、光導波路22と第1光ファイバー81および第2光ファイバー91との光学的接続を担う。
【0046】
図4は、
図1のフェルール付き光導波路2と、分解された光導波路ハウジング3と、を拡大して示す斜視図である。
【0047】
図4に示す第1導波路フェルール24および第2導波路フェルール26は、それぞれ略直方体形状をなしている。なお、これらの形状や準拠する規格は、特に限定されない。第1導波路フェルール24および第2導波路フェルール26に適用できる規格としては、例えば、社団法人 日本電子回路工業会が作成しているPMTフェルールの規格(JPCA-PE03-01-07S-2006)が挙げられる。
【0048】
第1導波路フェルール24および第2導波路フェルール26の各構成材料は、特に限定されないが、例えば樹脂材料、ガラス材料、シリコン材料、またはこれらと他の材料との複合材料等が挙げられる。このうち、耐衝撃性、取り扱いの容易性等の観点から、樹脂材料が好ましく用いられる。
【0049】
第1導波路フェルール24は、Y軸プラス側に位置する端面241を有する。
図4に示す光導波路22の一方の端面は、端面241と略同一面内に位置するように調整されている。
【0050】
第1導波路フェルール24は、端面241に開口するガイドピン孔243を有する。このガイドピン孔243には、
図1に示す第1ファイバーフェルール82が有するガイドピン822が挿入される。これにより、X-Z面内における第1導波路フェルール24と第1ファイバーフェルール82の位置合わせを行うことができる。
【0051】
また、第1導波路フェルール24は、X軸方向の幅およびZ軸方向の厚さがそれぞれ部分的に大きくなっている拡径部245を有する。
【0052】
第2導波路フェルール26も、第1導波路フェルール24と同様の構成を有する。第2導波路フェルール26は、図示しないガイドピン孔を有し、そこに第2ファイバーフェルール92が有するガイドピン922が挿入される。
【0053】
また、第2導波路フェルール26は、X軸方向の幅およびZ軸方向の厚さがそれぞれ部分的に大きくなっている拡径部265を有する。
【0054】
1.2.光導波路ハウジング
次に、実施形態に係る光導波路ハウジング3について説明する。
【0055】
光導波路ハウジング3は、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32を備える。これらは、組み合わされることにより、内部にフェルール付き光導波路2を収容する空間を形成する。つまり、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32により、少なくとも光導波路22を収容する光導波路ハウジング3が構成される。
【0056】
第1光導波路収容体31は、
図4に示すように、第1凹部311と、第1-1被係合部312と、第1-2被係合部313と、ファイバーフェルール挿入部314、315と、第1位置決め部316と、を有する。第2光導波路収容体32は、
図4に示すように、第2凹部321と、第2-1被係合部322と、第2-2被係合部323と、ファイバーフェルール挿入部324、325と、第2位置決め部326と、を有する。なお、
図4では、図示の便宜上、組み合わされるときの姿勢とは異なる姿勢、具体的にはY軸まわりに180°回転させた姿勢で第2光導波路収容体32を図示している。
【0057】
1.2.1.第1光導波路収容体の概要
まず、第1光導波路収容体31の各部について説明する。
【0058】
第1光導波路収容体31は、Y軸方向に細長い板状をなしている。第1光導波路収容体31の構成材料としては、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料等が挙げられる。このうち、耐衝撃性、取り扱いの容易性等の観点から樹脂材料が好ましく用いられる。
【0059】
第1光導波路収容体31のY軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば20mm以上100mm以下とされる。また、X軸方向の幅は、特に限定されないが、例えば8mm以上30mm以下とされ、Z軸方向の厚さは、特に限定されないが、例えば1mm以上10mm以下とされる。
【0060】
第1凹部311は、上方に開口する凹部であり、光導波路22を収容する空間の一部を構成する。光導波路22を収容する空間とは、光導波路ハウジング3が内部に有するY軸方向に細長い空間であり、本実施形態では、フェルール付き光導波路2の全体が収容されるようになっている。
【0061】
第1凹部311は、Y軸方向の両端部に溝部317、318を有する。溝部317、318は、第1凹部311のX軸方向の幅が部分的に広がっていて、かつ、Z軸方向の深さが部分的に深くなっている部位である。溝部317には、第1導波路フェルール24の拡径部245が嵌り、溝部318には、第2導波路フェルール26の拡径部265が嵌るようになっている。つまり、溝部317は、第1導波路フェルール24の一部を収容する第1-1フェルール収容部となり、溝部318は、第2導波路フェルール26の一部を収容する第1-2フェルール収容部となる。これにより、溝部317に第1導波路フェルール24の一部が収容され、溝部318に第2導波路フェルール26の一部が収容されることで、光導波路ハウジング3に対するフェルール付き光導波路2のY軸方向の位置が規制される。これにより、接続作業時の位置ずれを抑制することができる。
【0062】
第1-1被係合部312は、第1凹部311のY軸プラス側の端部(一方の端部)に設けられ、前述した第1光配線部品8が有する第1係合部832と係合する。これにより、第1光導波路収容体31と第1光配線部品8とを互いに固定することができる。
図4に示す第1-1被係合部312は、ノッチである。一方、
図1に示す第1係合部832は、爪である。この爪がノッチに係合することにより、Y軸方向およびX軸方向において固定される。
【0063】
第1-2被係合部313は、第1凹部311のY軸マイナス側の端部(他方の端部)に設けられ、前述した第2光配線部品9が有する第2係合部932と係合する。これにより、第1光導波路収容体31と第2光配線部品9とを互いに固定することができる。
図4に示す第1-2被係合部313は、ノッチである。一方、
図1に示す第2係合部932は、爪である。この爪がノッチに係合することにより、Y軸方向およびX軸方向において固定される。
【0064】
なお、上述したノッチと爪の関係は逆であってもよい。また、互いに係合可能な構造であれば、ノッチや爪以外のものであってもよい。
【0065】
ファイバーフェルール挿入部314は、第1凹部311からY軸プラス側に連続する凹部で構成され、第1ファイバーフェルール82の一部を収容する。ファイバーフェルール挿入部315は、第1凹部311からY軸マイナス側に連続する凹部で構成され、第2ファイバーフェルール92の一部を収容する。これにより、光導波路ハウジング3は、フェルール付き光導波路2を収容するとともに、その接続相手である第1ファイバーフェルール82の一部および第2ファイバーフェルール92の一部も収容することができる。その結果、接続作業を容易に行うことができ、かつ、接続状態を良好に維持することができる。
【0066】
第1位置決め部316は、2つの第1挿入部316a、316aと、2つの第1被挿入部316b、316bと、を有する。第1挿入部316aは、上方に突出する突起であり、第2位置決め部326が有する第2被挿入部326bに挿入される。第1被挿入部316bは、上方に開口する有底の穴であり、第2位置決め部326が有する第2挿入部326aが挿入される。このため、第1光導波路収容体31と第2光導波路収容体32とを互いに近づけるだけで、第1位置決め部316と第2位置決め部326との位置合わせを容易に行うことができる。また、位置合わせの完了と同時に組み立ても完了できる。このため、位置合わせの作業、および、組み立ての作業を、より効率化できる。
【0067】
なお、第1位置決め部316と第2位置決め部326との位置合わせは、上述した挿入部を被挿入部に挿入する機構以外の機構、例えば、凸部を凹部に挿入する機構等で実現されるようになっていてもよい。
【0068】
また、第1位置決め部316が有する第1挿入部316aの数および第1被挿入部316bの数は、それぞれ1つであってもよいが、複数であるのが好ましい。これにより、位置合わせの精度を高めることができる。
【0069】
第1光導波路収容体31は、難燃性を有しているのが好ましい。難燃性とは、UL94規格の20mm垂直燃焼試験によって評価される。UL94規格の20mm垂直燃焼試験は、幅13.0mm、長さ125mmの試験片の一端をクランプに垂直に取り付け、試験片の他端に対し、20mm炎による10秒間の接炎を2回行って、試験片の燃焼挙動を評価する試験である。試験結果は、V-0、V-1、V-2およびNot(難燃性なし)という4つの燃焼性分類のいずれに当てはまるかを判定した結果である。第1光導波路収容体31は、その構成材料で作製した試験片がV-0に当てはまっていれば、難燃性を有するとみなされる。
【0070】
このような難燃性は、第1光導波路収容体31の構成材料に対し、難燃剤を添加することによって高めることができる。難燃剤としては、例えば、臭素化合物、リン化合物、塩素化合物のような有機系難燃剤、アンチモン化合物、金属水酸化物、窒素化合物、ホウ素化合物のような無機系難燃剤等が挙げられる。
【0071】
1.2.2.第2光導波路収容体の概要
次に、第2光導波路収容体32の各部について説明する。
【0072】
第2光導波路収容体32は、Y軸方向に細長い板状をなしている。第2光導波路収容体32の構成材料としては、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料等が挙げられる。このうち、耐衝撃性、取り扱いの容易性等の観点から樹脂材料が好ましく用いられる。
【0073】
第2光導波路収容体32のY軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば20mm以上100mm以下とされる。また、X軸方向の幅は、特に限定されないが、例えば8mm以上30mm以下とされ、Z軸方向の厚さは、特に限定されないが、例えば1mm以上10mm以下とされる。
【0074】
第2凹部321は、上方に開口する凹部であり、光導波路22を収容する空間の他部を構成する。第2凹部321は、Y軸方向の両端部に溝部327、328を有する。溝部327、328は、第2凹部321のX軸方向の幅が部分的に広がっていて、かつ、Z軸方向の深さが部分的に深くなっている部位である。溝部327には、第1導波路フェルール24の拡径部245が嵌り、溝部328には、第2導波路フェルール26の拡径部265が嵌るようになっている。つまり、溝部327は、第1導波路フェルール24の一部を収容する第2-1フェルール収容部となり、溝部328は、第2導波路フェルール26の一部を収容する第2-2フェルール収容部となる。これにより、溝部327に第1導波路フェルール24の一部が収容され、溝部328に第2導波路フェルール26の一部が収容されることで、光導波路ハウジング3に対するフェルール付き光導波路2のY軸方向の位置が規制される。これにより、接続作業時の位置ずれを抑制することができる。なお、溝部327、328が収容する部位は、前述した溝部317、318が収容する部位とは別の部位である。
【0075】
第2-1被係合部322は、第2凹部321のY軸プラス側の端部(一方の端部)に設けられ、前述した第1光配線部品8が有する第1係合部832と係合する。これにより、第2光導波路収容体32と第1光配線部品8とを互いに固定することができる。
図4に示す第2-1被係合部322は、ノッチである。一方、
図1に示す第1係合部832は、爪である。この爪がノッチに係合することにより、Y軸方向およびX軸方向において固定される。
【0076】
第2-2被係合部323は、第2凹部321のY軸マイナス側の端部(他方の端部)に設けられ、前述した第2光配線部品9が有する第2係合部932と係合する。これにより、第2光導波路収容体32と第2光配線部品9とを互いに固定することができる。
図4に示す第2-2被係合部323は、ノッチである。一方、
図1に示す第2係合部932は、爪である。この爪がノッチに係合することにより、Y軸方向およびX軸方向において固定される。
【0077】
なお、上述したノッチと爪の関係は逆であってもよい。また、互いに係合可能な構造であれば、ノッチや爪以外のものであってもよい。
【0078】
ファイバーフェルール挿入部324は、第2凹部321からY軸プラス側に連続する凹部で構成され、第1ファイバーフェルール82の一部を収容する。ファイバーフェルール挿入部325は、第2凹部321からY軸マイナス側に連続する凹部で構成され、第2ファイバーフェルール92の一部を収容する。これにより、光導波路ハウジング3は、フェルール付き光導波路2を収容するとともに、その接続相手である第1ファイバーフェルール82の一部および第2ファイバーフェルール92の一部も収容することができる。その結果、接続作業を容易に行うことができ、かつ、接続状態を良好に維持することができる。
【0079】
第2位置決め部326は、2つの第2挿入部326a、326aと、2つの第2被挿入部326b、326bと、を有する。第2挿入部326aは、
図1に示す姿勢に置いたとき、下方に突出する突起であり、第1位置決め部316が有する第1被挿入部316bに挿入される。第2被挿入部326bは、
図1に示す姿勢に置いたとき、下方に開口する有底の穴であり、第1位置決め部316が有する第1挿入部316aが挿入される。このようにして、第2位置決め部326と第1位置決め部316との位置合わせを行うことができる。そして、この位置合わせにより、第1凹部311および第2凹部321が互いに向き合うように、光導波路ハウジング3が組み合わされる。
【0080】
また、第2位置決め部326が有する第2挿入部326aの数および第2被挿入部326bの数は、それぞれ1つであってもよいが、複数(2つ以上)であるのが好ましい。これにより、位置合わせの精度を高めることができる。
【0081】
また、例えば、第1挿入部316aの外面と第2被挿入部326bの内面との間で摺動抵抗を大きくすることにより、位置合わせだけでなく、これらの間に結合力を発生させることができる。同様に、第2挿入部326aの外面と第1被挿入部316bの内面との間で摺動抵抗を大きくすることにより、位置合わせだけでなく、これらの間に結合力を発生させることができる。これにより、組み立てた状態を良好に維持することができる。摺動抵抗を大きくする方法としては、例えば、外面や内面の表面粗さを大きくすること、微小な爪やノッチを設けること等が挙げられる。
【0082】
第2光導波路収容体32は、難燃性を有しているのが好ましい。難燃性とは、UL94規格の20mm垂直燃焼試験によって評価される。UL94規格の20mm垂直燃焼試験は、幅13.0mm、長さ125mmの試験片の一端をクランプに垂直に取り付け、試験片の他端に対し、20mm炎による10秒間の接炎を2回行って、試験片の燃焼挙動を評価する試験である。試験結果は、V-0、V-1、V-2およびNot(難燃性なし)という4つの燃焼性分類のいずれに当てはまるかを判定した結果である。第2光導波路収容体32は、その構成材料がV-0に当てはまる試験片と同じ構成材料であり、かつ、V-0に当てはまる試験片以上の厚さを有していれば、難燃性を有するとみなされる。
【0083】
このような難燃性は、第2光導波路収容体32の構成材料に対し、難燃剤を添加することによって高めることができる。難燃剤には、前述したものが用いられる。
【0084】
1.2.3.光導波路ハウジングの詳細
以上のような第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32は、互いに同一の形状をなしている。互いに同一の形状とは、形状だけでなく、大きさも同一であることをいう。このため、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32は、製造、流通、保管、組み立て等の過程において、互いに区別することなく、1種類の部品として扱うことができる。これにより、製造から組み立てまでに要するコストを削減することができる。特に金型を用いた成形法によって部品を製造する場合、金型を2種類作製する必要がないため、製造コストを大きく抑制することができる。なお、本実施形態では、2つの部品で光導波路ハウジング3が構成されているため、1つの部品で構成する場合に比べて部品点数は多くなっている。ただし、上記のように、2つの部品は互いに同一の形状をなしているため、全体としては高コスト化を避けることが可能である。また、光導波路ハウジング3を用いることにより、光接続部品1を組み立てる過程で、フェルール付き光導波路2の収容状態を直接視認することができる。このため、光導波路ハウジング3を用いることで、フェルール付き光導波路2の収容作業を容易に行うことができ、かつ、光接続部品1の製造不良を発見しやすいという利点がある。
【0085】
図5は、
図1に示す第1光導波路収容体31の平面図である。
前述した2つの第1挿入部316aの配置は、特に限定されないが、
図5では、第1光導波路収容体31の中心点Oを対称の中心とする点対称の関係を満たしている。また、2つの第1被挿入部316bの配置も、特に限定されないが、
図5では、中心点Oを対称の中心とする点対称の関係を満たしている。
【0086】
このような配置にすることで、第1位置決め部316と第2位置決め部326との位置合わせを行うとき、第1光導波路収容体31が
図5に示す姿勢にある場合と、この姿勢からZ軸まわりに180°回転させた姿勢にした場合とで、位置合わせの操作における区別が不要になる。このため、位置合わせの作業工数を減らすことができる。これにより、光導波路ハウジング3の組み立て作業の効率を高めることができる。
【0087】
また、第2光導波路収容体32における2つの第2挿入部326aの配置、および、2つの第2被挿入部326bの配置も、第1光導波路収容体31と同様である。
【0088】
さらに、
図5では、第1光導波路収容体31の平面視形状も、中心点Oを対称の中心とする点対称の関係を満たしている。これにより、第1光導波路収容体31は、
図5に示す姿勢にある場合と、この姿勢からZ軸まわりに180°回転させた姿勢にした場合とで、位置合わせの操作における区別だけでなく、光接続部品1の組み立て作業や第1光配線部品8および第2光配線部品9の接続作業における区別も不要になる。このため、前述した収容作業や接続作業の作業工数を減らすことができ、作業の効率を高めることができる。
【0089】
第1光導波路収容体31を平面視し、中心点Oの位置におけるX軸方向の幅をWAとし、ファイバーフェルール挿入部324、325の位置におけるX軸方向の幅をWBとするとき、WB<WAを満たすことが好ましい。これにより、光導波路ハウジング3に第1光配線部品8および第2光配線部品9を係合させて接続を完了させても、完了後の接続体の幅が広がりすぎるのを抑制することができる。つまり、幅WBが幅WAよりも狭くなっているため、光導波路ハウジング3に第1ファイバー保持体83および第2ファイバー保持体93が被さっても、幅の増加を抑えることができる。これにより、比較的スリムな接続体を得ることができる。
【0090】
また、第2光導波路収容体32における平面視形状も、第1光導波路収容体31と同様である。なお、平面視形状とは、Z軸上から平面視したときの形状を指す。
【0091】
第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32は、いかなる方法で製造されたものであってもよい。例えば、複数の部品の集合体であってもよいし、3Dプリンター(三次元積層造形装置)で製造されたものであってもよいが、それぞれ一体成型物であるのが好ましい。一体成型物とは、金型を用いた射出成形等の方法で、その部品全体が一度に作製された成型物を指す。このような方法で製造することにより、特に低コストでの製造が可能になる。
【0092】
1.3.光接続部品の組み立ておよび接続
図1に示すように、フェルール付き光導波路2を介して、第1光導波路収容体31と第2光導波路収容体32とを組み合わせる。これにより、光導波路ハウジング3が得られるとともに、光接続部品1が得られる。このような方法で光接続部品1を製造するため、光導波路ハウジング3を組み立てる過程で、フェルール付き光導波路2の収容状態を直接視認することができる。したがって、光導波路ハウジング3を用いることで、フェルール付き光導波路2の収容作業を容易に行うことができ、かつ、光接続部品1の製造不良を発見しやすくなる。
【0093】
図6は、光接続部品1と第1光配線部品8および第2光配線部品9との接続前の状態を示す斜視図である。
図7は、光接続部品1と第1光配線部品8および第2光配線部品9との接続後の状態を示す斜視図である。
【0094】
接続前の状態では、
図6に示すように、フェルール付き光導波路2が光導波路ハウジング3で覆われている。このため、フェルール付き光導波路2に負荷が加わったり、汚染されたりすることが抑制できるため、光接続部品1の取り扱いが容易になる。
【0095】
接続後の状態では、
図7に示すように、光接続部品1に対して第1光配線部品8および第2光配線部品9がそれぞれ係合している。係合作業は、光接続部品1に対して、第1光配線部品8および第2光配線部品9をそれぞれ近づけるだけで完了する。このため、係合により、位置合わせと固定が完了する。また、係合状態は容易に解除できることから、接続解除作業も容易である。
【0096】
したがって、本実施形態に係る光導波路ハウジング3は、フェルール付き光導波路2を準備し、収容するだけで、第1光ファイバー81と第2光ファイバー91との間を良好に光接続し得る光接続部品1を作製することを可能にする。また、フェルール付き光導波路2に各種機能を持たせることにより、中継する光信号に対し、例えば分配、合流、減衰等の変化を与えることができる。
【0097】
2.変形例
次に、変形例に係る光導波路ハウジングおよび光接続部品について説明する。
【0098】
図8は、変形例に係る光接続部品1A、ならびに、光接続部品1Aを用いて接続される第1光配線部品8Aおよび第2光配線部品9Aが、それぞれ分解されている状態を示す斜視図である。
【0099】
以下、変形例について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図8において前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0100】
図8に示す光導波路ハウジング3Aは、
図1に示す光導波路ハウジング3の構成に加え、
図1に示す第1ファイバー保持体83および第2ファイバー保持体93を備えること以外、
図1に示す光導波路ハウジング3と同様である。つまり、
図1では、第1ファイバー保持体83は第1光配線部品8の一部であり、第2ファイバー保持体93は第2光配線部品9の一部であったのに対し、
図8では、光導波路ハウジング3Aの一部になっている。
【0101】
一方、
図8では、第1光配線部品8Aが、第1光ファイバー81と第1ファイバーフェルール82とで構成されている。また、
図8では、第2光配線部品9Aが、第2光ファイバー91と第2ファイバーフェルール92とで構成されている。
【0102】
2.1.第1ファイバー保持体
第1ファイバー保持体83は、1つの部品で構成されていてもよいが、本変形例では、2つの第1部品830の組み立て体になっている。2つの第1部品830は、互いに異なる形状をなしていてもよいが、好ましくは互いに同一の形状をなしている。互いに同一の形状とは、形状だけでなく、大きさも同一であることをいう。このため、2つの第1部品830は、製造、流通、保管、組み立て等の過程において、互いに区別することなく、それぞれ1種類の部品として扱うことができる。これにより、製造から組み立てまでに要するコストを削減することができる。特に金型を用いた成形法によって部品を製造する場合、金型をそれぞれ2種類作製する必要がないため、製造コストを大きく抑制することができる。
【0103】
図8に示す第1部品830は、第1係合部832と、第1ピン部833a、第1ピン孔部833bと、第1保持部834と、第1挟持部835と、第1付勢部836と、を有する。
【0104】
第1係合部832は、前述したように、光導波路ハウジング3Aが有する第1-1被係合部312および第1-2被係合部313と係合する。
【0105】
第1ピン部833aは、他方の第1部品830が有する第1ピン孔部833bに挿入される。第1ピン孔部833bには、他方の第1部品830が有する第1ピン部833aが挿入される。これにより、一方の第1部品830と他方の第1部品830とで位置合わせを行うことができる。
【0106】
第1保持部834は、第1ファイバーフェルール82を収容し、保持する凹部である。
第1挟持部835は、第1保持部834からY軸マイナス側に向かって突出する舌状の部位である。第1挟持部835は、第1ファイバー保持体83を光導波路ハウジング3Aに係合させるとき、光導波路ハウジング3AのZ軸マイナス側の面やZ軸プラス側の面に摺接する。これにより、第1ファイバー保持体83は、2つの第1挟持部835でZ軸方向において光導波路ハウジング3Aを挟持する。これにより、接続後の状態においてZ軸方向の位置合わせを良好に行うことができる。
【0107】
第1付勢部836は、Y軸プラス側からY軸マイナス側に向かって第1ファイバーフェルール82を押すように構成されている。
【0108】
図9は、
図8に示す第1付勢部836の作用を説明するための平面図である。なお、
図9では、
図8に示すガイドピン822の図示を省略している。
【0109】
図9は、接続後の状態にある、第1光導波路収容体31、フェルール付き光導波路2、第1部品830および第1光配線部品8Aを図示している。第1係合部832が第1-1被係合部312と係合すると、フェルール付き光導波路2に対して第1光配線部品8AがY軸マイナス側に向かって押し付けられる。これにより、光導波路22と第1光ファイバー81とが物理的に接触または近接し、光学的に接続される。なお、この状態を良好に維持するためには、
図9に示す押圧力Fのような、第1光配線部品8Aをフェルール付き光導波路2に向かって押し続ける力の印加が継続することが望ましい。そこで、本変形例では、第1付勢部836がこの押圧力Fを発生するように構成されている。具体的には、
図9に示す接続状態になったとき、第1付勢部836は、自然状態よりもわずかにY軸プラス側に押し広げられるようになっている。このようにY軸プラス側に押し広げられると、第1付勢部836には、元に戻ろうとする復元力が発生する。この復元力は、塑性変形に至らない範囲で継続して発生する。このため、第1付勢部836は、押圧力Fを発生し続けることができる。
【0110】
2.2.第2ファイバー保持体
第2ファイバー保持体93も、1つの部品で構成されていてもよいが、本変形例では、2つの第2部品930の組み立て体になっている。2つの第2部品930は、互いに異なる形状をなしていてもよいが、好ましくは互いに同一の形状をなしている。これにより、上記と同様の効果が得られる。
【0111】
図8に示す第2部品930は、第2係合部932、第2ピン部933a、第2ピン孔部933bと、第2保持部934と、第2挟持部935と、第2付勢部936と、を有する。
【0112】
第2係合部932は、前述したように、光導波路ハウジング3Aが有する第2-1被係合部322および第2-2被係合部323と係合する。
【0113】
第2ピン部933aは、他方の第2部品930が有する第2ピン孔部933bに挿入される。第2ピン孔部933bには、他方の第2部品930が有する第2ピン部933aが挿入される。これにより、一方の第2部品930と他方の第2部品930とで位置合わせを行うことができる。
【0114】
第2保持部934は、第2ファイバーフェルール92を収容し、保持する凹部である。
第2挟持部935は、第2保持部934からY軸プラス側に向かって突出する舌状の部位である。第2挟持部935は、第2ファイバー保持体93を光導波路ハウジング3Aに係合させるとき、光導波路ハウジング3AのZ軸マイナス側の面やZ軸プラス側の面に摺接する。これにより、第2ファイバー保持体93は、2つの第2挟持部935でZ軸方向において光導波路ハウジング3Aを挟持する。これにより、接続後の状態においてZ軸方向の位置合わせを良好に行うことができる。
【0115】
第2付勢部936は、Y軸マイナス側からY軸プラス側に向かって第2ファイバーフェルール92を押すように構成されている。これにより、第2光配線部品9Aをフェルール付き光導波路2に向かって押し続ける力の印加が継続する。
【0116】
以上のように、変形例に係る光導波路ハウジング3Aでは、フェルール付き光導波路2に対して、第1光配線部品8Aを良好に押圧し得る第1ファイバー保持体83、および、第2光配線部品9Aを良好に押圧し得る第2ファイバー保持体93を備える。
【0117】
したがって、本変形例に係る光導波路ハウジング3Aは、フェルール付き光導波路2、第1光配線部品8Aおよび第2光配線部品9Aをそれぞれ準備し、収容するだけで、第1光ファイバー81と第2光ファイバー91との間を良好に光接続し得る光接続部品1Aを作製することを可能にする。
【0118】
また、第1部品830および第2部品930は、互いに異なる形状であってもよいが、好ましくは互いに同一の形状をなしている。これにより、第1ファイバー保持体83および第2ファイバー保持体93を、1種類の部品4つで構成することができる。これにより、製造から使用までに要するコストをさらに削減することができる。
【0119】
第1部品830および第2部品930の各構成材料としては、例えば、樹脂材料、金属材料、セラミック材料等が挙げられる。このうち、耐衝撃性、取り扱いの容易性等の観点から樹脂材料が好ましく用いられる。
なお、本変形例においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0120】
3.前記実施形態および変形例が奏する効果
以上のように、光導波路ハウジング3は、第1光ファイバー81および第1係合部832を有する第1光配線部品8と、第2光ファイバー91および第2係合部932を有する第2光配線部品9と、を接続する光導波路22を収容する光導波路ハウジングであって、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32を備える。
【0121】
第1光導波路収容体31は、第1凹部311と、第1-1被係合部312と、第1-2被係合部313と、第1位置決め部316と、を有する。第1凹部311は、光導波路22を収容する空間の一部を構成する。第1-1被係合部312は、第1凹部311の一方の端部に設けられ、第1係合部832と係合する。第1-2被係合部313は、第1凹部311の他方の端部に設けられ、第2係合部932と係合する。
【0122】
第2光導波路収容体32は、第2凹部321と、第2-1被係合部322と、第2-2被係合部323と、第2位置決め部326と、を有する。第2凹部321は、光導波路22を収容する空間の他部を構成する。第2-1被係合部322は、第2凹部321の一方の端部に設けられ、第1係合部832と係合する。第2-2被係合部323は、第2凹部321の他方の端部に設けられ、第2係合部932と係合する。第2位置決め部326は、第1凹部311および第2凹部321が互いに向き合うように第1位置決め部316に対して位置決めをする。そして、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32は、互いに同一の形状をなしている。
【0123】
このような構成によれば、製造、流通、保管、組み立て等の過程において、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32を互いに区別することなく、1種類の部品として扱うことができる。これにより、光導波路ハウジング3の製造から組み立てまでに要するコストを削減することができる。特に金型を用いた成形法によって部品を製造する場合、金型を2種類作製する必要がないため、製造コストを大きく抑制することができる。また、光導波路ハウジング3を用いることにより、光接続部品1を組み立てる過程で、フェルール付き光導波路2の収容状態を直接視認することができる。このため、光導波路ハウジング3を用いることで、フェルール付き光導波路2の収容作業を容易に行うことができ、かつ、光接続部品1の製造不良を発見しやすいという効果が得られる。
【0124】
また、第1位置決め部316は、第1挿入部316aと、第1被挿入部316bと、を有するのが好ましい。第2位置決め部326は、第2挿入部326aと、第2被挿入部326bと、を有するのが好ましい。光導波路ハウジング3が組み立てられるときには、第1挿入部316aが第2被挿入部326bに挿入され、第2挿入部326aが第1被挿入部316bに挿入される。
【0125】
このような構成によれば、第1光導波路収容体31と第2光導波路収容体32とを互いに近づけるだけで、第1位置決め部316と第2位置決め部326との位置合わせを容易に行うことができる。また、位置合わせの完了と同時に組み立ても完了できる。このため、位置合わせの作業、および、組み立ての作業を、より効率化できる。
【0126】
また、第1挿入部316a、第1被挿入部316b、第2挿入部326aおよび第2被挿入部326bは、それぞれ複数設けられていることが好ましい。これにより、位置合わせの精度を高めることができる。
【0127】
また、複数の第1挿入部316aおよび複数の第1被挿入部316bは、それぞれ、第1光導波路収容体31の中心点Oを対称の中心とする点対称の関係を満たすことが好ましい。これにより、第1位置決め部316と第2位置決め部326との位置合わせを行うとき、第1光導波路収容体31がとり得る2つの姿勢について、位置合わせの操作における区別が不要になる。このため、位置合わせの作業工数を減らすことができる。これにより、光導波路ハウジング3の組み立て作業の効率を高めることができる。
【0128】
また、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32は、それぞれ一体成型物であることが好ましい。これにより、光導波路ハウジング3のさらなる低コスト化を図ることができる。
【0129】
また、第1光導波路収容体31は、溝部317(第1-1フェルール収容部)と、溝部318(第1-2フェルール収容部)と、を有していてもよい。溝部317は、光導波路22の一端部に取り付けられている第1導波路フェルール24の一部を収容する。溝部318は、光導波路22の他端部に取り付けられている第2導波路フェルール26の一部を収容する。第2光導波路収容体32は、溝部327(第2-1フェルール収容部)と、溝部328(第2-2フェルール収容部)と、を有していてもよい。溝部327は、第1導波路フェルール24の別の一部を収容する。溝部328は、第2導波路フェルール26の別の一部を収容する。
【0130】
このような構成によれば、溝部317、327に第1導波路フェルール24の一部が収容され、溝部318、328に第2導波路フェルール26の一部が収容されることで、光導波路ハウジング3に対するフェルール付き光導波路2のY軸方向の位置を規制することができる。これにより、接続作業時の位置ずれを抑制することができる。
【0131】
また、第1光配線部品8は、第1光ファイバー81の端部に取り付けられている第1ファイバーフェルール82を有していてもよい。第2光配線部品9は、第2光ファイバー91の端部に取り付けられている第2ファイバーフェルール92を有していてもよい。このとき、第1光導波路収容体31は、第1ファイバーフェルール82の一部、および、第2ファイバーフェルール92の一部、を収容する2つのファイバーフェルール挿入部314、315を有しているのが好ましい。
【0132】
これにより、光導波路ハウジング3は、フェルール付き光導波路2を収容するとともに、その接続相手である第1ファイバーフェルール82の一部および第2ファイバーフェルール92の一部も収容することができる。その結果、接続作業を容易に行うことができ、かつ、接続状態を良好に維持することができる。
【0133】
また、光導波路ハウジング3Aは、第1光ファイバー81および第1光ファイバー81の端部に取り付けられている第1ファイバーフェルール82を有する第1光配線部品8Aと、第2光ファイバー91および第2光ファイバー91の端部に取り付けられている第2ファイバーフェルール92を有する第2光配線部品9Aと、を接続する光導波路22を収容する光導波路ハウジングであって、第1ファイバー保持体83、第2ファイバー保持体93、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32、を備える。
【0134】
第1ファイバー保持体83は、第1ファイバーフェルール82を保持する第1保持部834と、第1係合部832と、を有する。第2ファイバー保持体93は、第2ファイバーフェルール92を保持する第2保持部934と、第2係合部932と、を有する。
【0135】
第1光導波路収容体31は、第1凹部311と、第1-1被係合部312と、第1-2被係合部313と、第1位置決め部316と、を有する。第1凹部311は、光導波路22を収容する空間の一部を構成する。第1-1被係合部312は、第1凹部311の一方の端部に設けられ、第1係合部832と係合する。第1-2被係合部313は、第1凹部311の他方の端部に設けられ、第2係合部932と係合する。
【0136】
第2光導波路収容体32は、第2凹部321と、第2-1被係合部322と、第2-2被係合部323と、第2位置決め部326と、を有する。第2凹部321は、光導波路22を収容する空間の他部を構成する。第2-1被係合部322は、第2凹部321の一方の端部に設けられ、第1係合部832と係合する。第2-2被係合部323は、第2凹部321の他方の端部に設けられ、第2係合部932と係合する。
【0137】
第2位置決め部326は、第1凹部311および第2凹部321が互いに向き合うように第1位置決め部316に対して位置決めをする。
【0138】
そして、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32は、互いに同一の形状をなしている。
【0139】
このような構成によれば、製造、流通、保管、組み立て等の過程において、第1光導波路収容体31および第2光導波路収容体32を互いに区別することなく、1種類の部品として扱うことができる。これにより、光導波路ハウジング3Aの製造から組み立てまでに要するコストを削減することができる。特に金型を用いた成形法によって部品を製造する場合、金型を2種類作製する必要がないため、製造コストを大きく抑制することができる。また、光導波路ハウジング3Aを用いることにより、光接続部品1Aを組み立てる過程で、フェルール付き光導波路2の収容状態を直接視認することができる。このため、光導波路ハウジング3Aを用いることで、フェルール付き光導波路2の収容作業を容易に行うことができ、かつ、光接続部品1Aの製造不良を発見しやすいという効果が得られる。また、第1ファイバー保持体83および第2ファイバー保持体93を備えることで、フェルール付き光導波路2と、第1光配線部品8Aおよび第2光配線部品9Aと、の接続作業を容易に行うことができる。
【0140】
また、第1ファイバー保持体83は、互いに同一の形状をなす2つの第1部品830の組み立て体であり、第2ファイバー保持体93は、互いに同一の形状をなす2つの第2部品930の組み立て体であることが好ましい。これにより、製造、流通、保管、組み立て等の過程において、互いに区別することなく、それぞれ1種類の部品として扱うことができる。
【0141】
これにより、製造から組み立てまでに要するコストを削減することができる。特に金型を用いた成形法によって部品を製造する場合、金型をそれぞれ2種類作製する必要がないため、製造コストを大きく抑制することができる。
【0142】
また、第1部品830および第2部品930は、互いに同一の形状をなしていることが好ましい。これにより、第1ファイバー保持体83および第2ファイバー保持体93を、1種類の部品4つで構成することができる。その結果、製造から使用までに要するコストをさらに削減することができる。
【0143】
また、第1部品830は、第1ファイバーフェルール82を光導波路22に向かって押す第1付勢部836を有していてもよい。第2部品930は、第2ファイバーフェルール92を光導波路22に向かって押す第2付勢部936を有していてもよい。これにより、光導波路22と第1光ファイバー81および第2光ファイバー91とを物理的に接触または近接させ、光学的に接続させた状態を良好に維持することができる。
【0144】
また、光接続部品1、1Aは、光導波路ハウジング3、3Aと、光導波路ハウジング3、3Aに収容されている光導波路22と、を備える。
このような光接続部品1、1Aは、安価で組み立て容易性に優れたものとなる。
【0145】
以上、本発明の光導波路ハウジングおよび光接続部品を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明の光導波路ハウジングおよび光接続部品は、前記実施形態や変形例の各部が同様の機能を有する任意の構成のものに置換されたものであってもよく、前記実施形態や変形例に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0146】
1 光接続部品
1A 光接続部品
2 フェルール付き光導波路
3 光導波路ハウジング
3A 光導波路ハウジング
8 第1光配線部品
8A 第1光配線部品
9 第2光配線部品
9A 第2光配線部品
22 光導波路
24 第1導波路フェルール
26 第2導波路フェルール
31 第1光導波路収容体
32 第2光導波路収容体
81 第1光ファイバー
82 第1ファイバーフェルール
83 第1ファイバー保持体
91 第2光ファイバー
92 第2ファイバーフェルール
93 第2ファイバー保持体
220 分岐パターン
220a 入出射部
220b 入出射部
220c 入出射部
220d 入出射部
221 第1クラッド層
222 第2クラッド層
223 コア層
224 コア部
225 側面クラッド部
226 積層体
228 第1支持層
229 第2支持層
241 端面
243 ガイドピン孔
245 拡径部
265 拡径部
311 第1凹部
312 第1-1被係合部
313 第1-2被係合部
314 ファイバーフェルール挿入部
315 ファイバーフェルール挿入部
316 第1位置決め部
316a 第1挿入部
316b 第1被挿入部
317 溝部
318 溝部
321 第2凹部
322 第2-1被係合部
323 第2-2被係合部
324 ファイバーフェルール挿入部
325 ファイバーフェルール挿入部
326 第2位置決め部
326a 第2挿入部
326b 第2被挿入部
327 溝部
328 溝部
822 ガイドピン
830 第1部品
832 第1係合部
833a 第1ピン部
833b 第1ピン孔部
834 第1保持部
835 第1挟持部
836 第1付勢部
922 ガイドピン
930 第2部品
932 第2係合部
933a 第2ピン部
933b 第2ピン孔部
934 第2保持部
935 第2挟持部
936 第2付勢部
F 押圧力
O 中心点