(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058452
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】端子ユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6592 20110101AFI20240418BHJP
【FI】
H01R13/6592
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165819
(22)【出願日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】陸 一也
(72)【発明者】
【氏名】桐生 幸一
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC19
5E021FC23
5E021LA09
5E021LA15
(57)【要約】
【課題】高速伝送性能に優れた端子ユニットを提供する。
【解決手段】端子ユニット10は、内部端子20と、誘電体部材30と、外部端子40と、を備える。外部端子40は、取付対象ケーブル90のシールド部93と電気的に接続される。更に、端子ユニット10は、外部端子40とシールド部93との接続を中継する中継部材50,60を備える。中継部材50,60は、外部端子40に接触する第一接触部53と、シールド部93に接触する第二接触部60aと、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電線とシールド部と外側被覆とを有する取付対象ケーブルに取り付けられる端子ユニットであって、
前記少なくとも1つの電線と電気的に接続される少なくとも1つの内部端子と、
前記少なくとも1つの内部端子を保持する誘電体部材と、
前記少なくとも1つの内部端子を収容し、前記シールド部と電気的に接続される外部端子と、
前記外部端子に接触する第一接触部と前記シールド部に接触する第二接触部とを有し、前記外部端子と前記シールド部との前記接続を中継する中継部材と、
を備える端子ユニット。
【請求項2】
前記シールド部は、前記外側被覆から露出し、前記電線の絶縁被覆の外面に位置する非折返部を有し、
前記第二接触部は、前記非折返部に接触する、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項3】
前記外部端子は、
前記少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材を収容する本体部と、
前記取付対象ケーブルの前記外側被覆の外側に固定される被固定部と、を有し、
前記少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材は、前記本体部に対して後方側から収容される、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項4】
前記中継部材は、前記少なくとも1つの電線における前記シールド部から露出した部分である露出部に取り付けられる、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電線は、複数の電線を備え、
前記少なくとも1つの内部端子は、複数の内部端子を備え、
前記中継部材は、前記複数の電線における前記シールド部から露出した部分である露出部に取り付けられ、
前記中継部材は、前記複数の電線同士が近接した状態が維持されるように前記露出部を保持する保持部を有する、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項6】
前記保持部は、前記露出部の外周を包囲する、
請求項5に記載の端子ユニット。
【請求項7】
前記保持部は、導電性の部材で構成され、前記露出部のうち前記誘電体部材に収容されていない部分の全体又は略全体を覆う、
請求項6に記載の端子ユニット。
【請求項8】
前記シールド部は、第一シールド部と、前記第一シールド部の外側に位置する第二シールド部と、を有し、
前記第一シールド部は、前記外側被覆から露出し、前記電線の絶縁被覆の外面に位置する非折返部を有し、
前記第二シールド部は、前記外側被覆から露出し、前記外側被覆の外側に折り返された折返部を有し、
前記第二接触部は、前記非折返部に接触し、
前記外部端子は、前記折返部の外側に固定される被固定部を有する、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項9】
前記中継部材は、前記第一接触部を有する第一中継部材と、前記第二接触部を有する第二中継部材と、を備える、
請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電線は、複数の電線を備え、
前記少なくとも1つの内部端子は、複数の内部端子を備え、
前記中継部材は、前記複数の電線における前記シールド部から露出した部分である露出部に取り付けられ、
前記第一中継部材は、前記第二中継部材に弾性接触する弾性接触部を有し、
前記第二中継部材は、前記露出部の外周を包囲する導電性テープであり、前記複数の電線同士が近接した状態が維持されるように前記露出部を保持する保持部として機能する、
請求項9に記載の端子ユニット。
【請求項11】
前記外部端子は、前記第一中継部材を固定する固定部を有し、
前記第一中継部材は、前記第一接触部と異なる位置に形成され、前記固定部に固定される被固定部を有する、
請求項9に記載の端子ユニット。
【請求項12】
前記固定部及び前記被固定部は、前記第一中継部材を前記外部端子に対して前方に移動させることで前記固定部に前記被固定部を固定させることができるように構成される、
請求項11に記載の端子ユニット。
【請求項13】
前記第一中継部材は、前記第二中継部材に保持されると共に、前記第二中継部材に保持された状態のまま前記第二中継部材に対して前方向に摺動可能に構成される、
請求項12に記載の端子ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも1つの電線とシールド部とを有する取付対象ケーブルに取り付けられる端子ユニットが開示されている。この端子ユニットは、電線と接続される内部端子と、内部端子を保持する誘電体部材と、内部端子を収容しシールド部と接続される外部端子と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の1つの目的は、高速伝送性能に優れた端子ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様に係る端子ユニットは、少なくとも1つの電線とシールド部と外側被覆とを有する取付対象ケーブルに取り付けられる端子ユニットであって、前記少なくとも1つの電線と電気的に接続される少なくとも1つの内部端子と、前記少なくとも1つの内部端子を保持する誘電体部材と、前記少なくとも1つの内部端子を収容し、前記シールド部と電気的に接続される外部端子と、前記外部端子に接触する第一接触部と前記シールド部に接触する第二接触部とを有し、前記外部端子と前記シールド部との前記接続を中継する中継部材と、を備える。
【0006】
本態様では、端子ユニットは、少なくとも1つの内部端子と、誘電体部材と、外部端子と、を備える。
少なくとも1つの内部端子は、少なくとも1つの電線と電気的に接続される。誘電体部材は、少なくとも1つの内部端子を保持する。外部端子は、少なくとも1つの内部端子を収容し、シールド部と電気的に接続される。
【0007】
ところで、外部端子とシールド部との電気的接続を外部端子とシールド部との接触のみにより実現しようとすると、帰還電流の伝送路が複雑になりやすい。また、伝送経路が複雑にならないとしても、そのような伝送路を実現するための外部端子の構造は端子ユニットの組立性を低下させることがある。
そこで、本態様に係る端子ユニットは、外部端子とシールド部との接続を中継する中継部材を備える。中継部材は、外部端子に接触する第一接触部と、シールド部に接触する第二接触部と、を有する。
このため、帰還電流の伝送路が複雑になりにくい。帰還電流の伝送路が複雑になりにくいことは、高速伝送性能の向上に資する。
【0008】
なお、特許文献1の端子ユニットが備えるワイヤシールド部材は、接続対象ケーブルのシールド部に接触していない。そのため、特許文献1の端子ユニットは、端子ユニットの外部端子と取付対象ケーブルのシールド部との接続を中継する中継部材を備えていない。
【0009】
なお、後述する実施形態では、接続対象ケーブルが、撚り合わされた2本の電線を有する例を説明するが、本態様の接続対象ケーブルはこれに限定されない。接続対象ケーブルが備える2本の電線は、撚り合わされていなくてもよい。また、接続対象ケーブルが有する電線は、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
また、後述する実施形態では、シールド部が、第一シールド部(アルミ箔)と第二シールド部(金属編組)とから構成される例を説明するが、本態様のシールド部はこれに限定されない。本態様のシールド部は、第一シールド部(アルミ箔)又は第二シールド部(金属編組)のどちらか一方のみで構成されていてもよい。
また、後述する実施形態では、中継部材が、第一中継部材と第二中継部材(導電性テープ(銅箔テープ))とで構成される例を説明するが、本態様の中継部材はこれに限定されない。本態様の中継部材は、単一の部材で構成されてもよいし、3つ以上の部材で構成されてもよい。
【0010】
第2の態様に係る端子ユニットは、第1の態様において、前記シールド部は、前記外側被覆から露出し、前記電線の絶縁被覆の外面に位置する非折返部を有し、前記第二接触部は、前記非折返部に接触する。
【0011】
本態様では、シールド部は、外側被覆から露出し、電線の絶縁被覆の外面に位置する非折返部を有する。そして、第二接触部は、非折返部に接触する。
このため、シールド部が外側被覆の外側に折り返された折返部を有し、当該折返部に第二接触部が接触する態様と比較して、帰還電流の経路が複雑になりにくい。
【0012】
第3の態様に係る端子ユニットは、第1又は第2の態様において、前記外部端子は、前記少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材を収容する本体部と、前記取付対象ケーブルの前記外側被覆の外側に固定される被固定部と、を有し、前記少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材は、前記本体部に対して後方側から収容される。
【0013】
本態様では、外部端子は、少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材を収容する本体部と、取付対象ケーブルの外側被覆の外側に固定される被固定部と、を有する。そして、少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材は、本体部に対して後方側から収容される。
このため、少なくとも1つの内部端子及び誘電体部材が、本体部に対して前方側から収容される態様と比較して、端子ユニットの組立性が良い。
なお、取付対象ケーブルの外側被覆の外側に固定される被固定部とは、外側被覆の外側に直接的に固定される被固定部のほか、外側被覆の外側に折返部を介して固定される被固定部をも含む。
【0014】
第4の態様に係る端子ユニットは、第1~第3の何れかの態様において、前記中継部材は、前記少なくとも1つの電線における前記シールド部から露出した部分である露出部に取り付けられる。
【0015】
ところで、少なくとも1つの電線におけるシールド部から露出した部分(露出部)は、インピーダンスが上昇しやすい部分である。
ここで、本態様では、中継部材は、露出部に取り付けられる。
このため、露出部の近傍に中継部材が配置されることになり、その結果、露出部でのインピーダンスの上昇が抑制される。
【0016】
第5の態様に係る端子ユニットは、第1~第4の何れかの態様において、前記少なくとも1つの電線は、複数の電線を備え、前記少なくとも1つの内部端子は、複数の内部端子を備え、前記中継部材は、前記複数の電線における前記シールド部から露出した部分である露出部に取り付けられ、前記中継部材は、前記複数の電線同士が近接した状態が維持されるように前記露出部を保持する保持部を有する。
【0017】
ところで、取付対象ケーブルが電線を複数備える場合、複数の電線における前記シールド部から露出した部分(露出部)では、複数の電線同士が近接した状態が維持されにくい。
ここで、本態様では、中継部材は、露出部に取り付けられる。そして、中継部材は、複数の電線同士が近接した状態が維持されるように露出部を保持する保持部を有する。
このため、複数の電線同士が近接した状態が維持され、その結果、露出部でのインピーダンスの上昇が抑制される。
【0018】
第6の態様に係る端子ユニットは、第5の態様において、前記保持部は、前記露出部の外周を包囲する。
【0019】
本態様では、保持部は、露出部の外周を包囲する。このため、複数の電線同士が近接した状態がより確実に維持される。
なお、保持部は導電性の部材であってもよい。保持部が導電性の部材である場合は、保持部によって露出部をシールドすることができる。
【0020】
第7の態様に係る端子ユニットは、第6の態様において、前記保持部は、導電性の部材で構成され、前記露出部のうち前記誘電体部材に収容されていない部分の全体又は略全体を覆う。
【0021】
本態様では、保持部は、導電性の部材で構成され、露出部のうち誘電体部材に収容されていない部分の全体又は略全体を覆う。このため、保持部によって露出部を効果的にシールドできる。
なお、ここでいう「略全体を覆う」とは、露出部のうち誘電体部材に収容されていない部分の前後寸法を100%としたとき、そのうちの95%以上を覆うことを意味する。
【0022】
第8の態様に係る端子ユニットは、第1~第7の何れかの態様において、前記シールド部は、第一シールド部と、前記第一シールド部の外側に位置する第二シールド部と、を有し、前記第一シールド部は、前記外側被覆から露出し、前記電線の絶縁被覆の外面に位置する非折返部を有し、前記第二シールド部は、前記外側被覆から露出し、前記外側被覆の外側に折り返された折返部を有し、前記第二接触部は、前記非折返部に接触し、前記外部端子は、前記折返部の外側に固定される被固定部を有する。
【0023】
本態様では、シールド部は、第一シールド部と、第一シールド部の外側に位置する第二シールド部と、を有する。第一シールド部は、外側被覆から露出し、電線の絶縁被覆の外面に位置する非折返部を有する。第二シールド部は、外側被覆から露出し、外側被覆の外側に折り返された折返部を有する。
ここで、第二接触部は、非折返部に接触し、外部端子は、折返部の外側に固定される被固定部を有する。
このため、外部端子と第二シールド部とを電気的に接続するだけでなく、接続対象ケーブルが引っ張られた際に、接続対象ケーブルの外側被覆及び第二シールド部だけが後退してしまうことが抑制される。
【0024】
第9の態様に係る端子ユニットは、第1~第8の何れかの態様において、前記中継部材は、前記第一接触部を有する第一中継部材と、前記第二接触部を有する第二中継部材と、を備える。
【0025】
本態様では、中継部材は、第一接触部を有する第一中継部材と、第二接触部を有する第二中継部材と、を備える。
このため、中継部材が一体に形成される態様と比較して、中継部材が発揮すべき機能に応じた設計の自由度が高くなる。なお、ここでいう機能は、特に限定されないが、例えば、中継部材の本来的な機能(外部端子とシールド部との接続を中継する機能)のほか、露出部を保持する機能などである。
【0026】
第10の態様に係る端子ユニットは、第9の態様において、前記少なくとも1つの電線は、複数の電線を備え、前記少なくとも1つの内部端子は、複数の内部端子を備え、前記中継部材は、前記複数の電線における前記シールド部から露出した部分である露出部に取り付けられ、前記第一中継部材は、前記第二中継部材に弾性接触する弾性接触部を有し、前記第二中継部材は、前記露出部の外周を包囲する導電性テープであり、前記複数の電線同士が近接した状態が維持されるように前記露出部を保持する保持部として機能する。
【0027】
本態様では、第一中継部材は、第二中継部材に弾性接触する弾性接触部を有する。このため、導電性テープである第二中継部材に対して第二中継部材が安定的に接続する。
また、第二中継部材は、露出部の外周を包囲する導電性テープであり、複数の電線同士が近接した状態が維持されるように露出部を保持する保持部として機能する。このため、第二中継部材によって、複数の電線同士が近接した状態がより確実に維持されると共に露出部がシールドされる。
【0028】
なお、後述する実施形態では、第一中継部材は、第二中継部材に弾性接触する弾性接触部と、外部端子に弾性接触する弾性接触部との両方を有する。しかし、本態様の第一中継部材はこれに限定されない。
【0029】
第11の態様に係る端子ユニットは、第9又は第10の態様において、前記外部端子は、前記第一中継部材を固定する固定部を有し、前記第一中継部材は、前記第一接触部と異なる位置に形成され、前記固定部に固定される被固定部を有する。
【0030】
本態様では、外部端子は、前記第一中継部材を固定する固定部を有する。第一中継部材は、第一接触部と異なる位置に形成され、前記固定部に固定される被固定部を有する。
このため、第一中継部材の位置や姿勢が安定する。
なお、後述する実施形態では、固定部に対する被固定部の固定位置において、第一中継部材と外部端子とが電気的に接続される例を説明するが、本態様の固定部及び被固定部はこれに限定されない。
【0031】
第12の態様に係る端子ユニットは、第11の態様において、前記固定部及び前記被固定部は、前記第一中継部材を前記外部端子に対して前方に移動させることで前記固定部に前記被固定部を固定させることができるように構成される。
【0032】
本態様では、固定部及び被固定部は、第一中継部材を外部端子に対して前方に移動させることで固定部に被固定部を固定させることができるように構成される。
このため、第一中継部材を外部端子に対して前方に移動させることで固定部に被固定部を固定させることができる。
【0033】
第13の態様に係る端子ユニットは、第9~第12の何れかの態様において、前記第一中継部材は、前記第二中継部材に保持されると共に、前記第二中継部材に保持された状態のまま前記第二中継部材に対して前方向に摺動可能に構成される。
【0034】
本態様では、第一中継部材は、第二中継部材に保持されると共に、第二中継部材に保持された状態のまま第二中継部材に対して前方向に摺動可能に構成される。
このため、端子ユニットの製造工程において、第一中継部材を第二中継部材に対して前方向に移動させることができると共に、摺動の際の摩擦力により第二中継部材を前方向に移動させることができる。その結果、誘電体部材と第二中継部材との前後方向の隙間を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】取付対象ケーブルに取り付けられた端子ユニットを示す斜視図である。
【
図3】端子ユニットの組立途中の状態を示す図である。
【
図4】端子ユニットの組立途中の状態を示す図である。
【
図5】端子ユニットの組立完了の状態を示す図である。
【
図7】
図7Aは第一中継部材を示す斜視図であ、
図7Bは第一中継部材の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本開示に係る端子ユニットの好適な実施形態について説明する。
【0037】
なお、各図の矢印Xは前方向(軸方向一方側)、矢印Yは上方向、矢印Zを幅方向一方側を示す。
【0038】
図1、
図2に示すように、端子ユニット10は、取付対象ケーブル90に取り付けられるものである。
なお、端子ユニット10は、図示しないコネクタの構成要素となる。具体的には、コネクタは、複数の端子ユニット10のほかにハウジングを備える。複数の端子ユニット10は、ハウジングに収容される。
但し、本開示の端子ユニットは、これに限定されず、ハウジングに収容されるものでなくてもよい。
【0039】
(取付対象ケーブル90)
図8に示すように、取付対象ケーブル90は、シールド付きツイストペアケーブル(2芯)である。
取付対象ケーブル90は、2つの電線91と、押さえテープ92と、シールド部93と、外側被覆94と、を備える。
なお、押さえテープ92は、例えば絶縁性の材料で形成される。外側被覆94は、例えば絶縁性の材料で形成される。また、押さえテープ92は設けられなくてもよい。
【0040】
電線91は、芯線91aと、絶縁被覆91bと、を備える。
図2に示すように、2つの電線91は、外側被覆94から露出すると共にシールド部93からも露出した部分(露出部91R)を有する。2つの電線91の先端では、2つの芯線91aが露出している。この部分に内部端子20が圧着する。
【0041】
シールド部93は、第一シールド部93aと、第二シールド部93bと、を備える。
【0042】
第一シールド部93aは、金属箔であり、具体的にはアルミ箔である。第一シールド部93aは、外側被覆94から露出し、電線91の絶縁被覆91bの外面に位置する部分(非折返部93a1、
図2参照)を有する。
【0043】
第二シールド部93bは、第一シールド部93aの外側に位置する。第二シールド部93bは、金属編組である。第二シールド部93bは、外側被覆94から露出し、外側被覆94の外側に折り返された部分(折返部93b1、
図2参照)を有する。
【0044】
(端子ユニット10)
端子ユニット10は、2つの内部端子20と、誘電体部材30と、外部端子40と、中継部材50,60と、を備える。
【0045】
(内部端子20)
2つの内部端子20は、幅方向に並んで配置される。2つの内部端子20は、互いに同一の構造である。
【0046】
内部端子20は、取付対象ケーブル90の電線91と電気的に接続される。
内部端子20は、金属製の板材が筒状に曲げられること等により製造される。
【0047】
内部端子20は、接触部21と、圧着部22と、を備える。
接触部21は、相手側コネクタ(接続対象物)の信号端子と接触する。接触部21は、当該信号端子を幅方向から挟み込む。
圧着部22は、電線91の芯線91aに圧着する。
【0048】
(誘電体部材30)
誘電体部材30は、2つの内部端子20を保持し、外部端子40の本体部41に収容される。
【0049】
誘電体部材30は、第一部材31と第二部材32とを備える。第一部材31と第二部材32とが上下方向(Y方向)で組み合わされることで誘電体部材30が構成される。これにより、誘電体部材30の内部には、2つの内部端子20が収容される空間が形成される。
【0050】
図3に示すように、誘電体部材30は、前部30Aと後部30Bとを有する。前部30A及び後部30Bは、共に略直方体形状である。前部30Aは、後部30Bよりも小さい断面形状(前後方向に垂直な断面の形状)を有する。
【0051】
誘電体部材30は、第一中継部材50の第一接触部53が配置される配置凹部33を有する。
図4に示す状態から、第一中継部材50が前方へ移動することで、第一中継部材50の第一接触部53が配置凹部33に配置される。
配置凹部33は、誘電体部材30の後部30Bにおける一対の側面30B1にそれぞれ形成される。配置凹部33は、幅方向外側及び後方に開放された凹部である。
【0052】
(外部端子40)
外部端子40は、2つの内部端子20を収容し、取付対象ケーブル90のシールド部93と電気的に接続される。また、外部端子40は、誘電体部材30を収容する。
【0053】
外部端子40は、本体部41を有する。
本体部41は、2つの内部端子20及び誘電体部材30を収容する。
【0054】
本体部41は、第一板部41aと、一対の第二板部41bと、を備える。第一板部41aは、矩形の平板状であり、板厚方向をユニット上下方向(Y方向)に向ける。一対の第二板部41bの各々は、矩形の平板状であり、板厚方向をユニット幅方向(Z方向)に向ける。一対の第二板部41bは、曲部を介して第一板部41aに接続される。
【0055】
また、本体部41は、第三板部41cを備える。第三板部41cは、一対の第二板部41bの上端(+Y方向の端)同士をユニット幅方向に連結する。第三板部41cは、矩形の平板状であり、板厚方向をユニット上下方向(Y方向)に向ける。第三板部41cは、一対の第二板部41bから延出された一対の板部同士が組み合わされることで形成される。
【0056】
これらの第一板部41a、一対の第二板部41b及び第三板部41cによって内部に内部端子20及び誘電体部材30を収容する筒状部41a,41b,41cが形成される。
【0057】
第三板部41cの前端は、第一板部41a及び一対の第二板部41bの後端よりも後側に形成される。
【0058】
図4等に示すように、第二板部41bは、第三板部41cの後端よりも後方に位置する延長板部41b1を有する。
換言すると、第三板部41cの後端は、第二板部41bの延長板部41b1よりも前側に形成されている。これにより、外部端子40の本体部41に対して、本体部41の後方かつ上方の斜め後方から誘電体部材30を挿入しやすくなっている。
延長板部41b1は、第一中継部材50の第一接触部53が接触する部分となる。
【0059】
また、外部端子40は、取付対象ケーブル90の外側被覆94の外側に固定される被固定部42を有する。
具体的には、被固定部42は、取付対象ケーブル90の外側被覆94の外側に折り返された折返部93b1(
図2参照)の外側に圧着する。以下、被固定部42をケーブル圧着部42ということがある。
ケーブル圧着部42は、連結部43を介して本体部41と接続される。連結部43は、ケーブル圧着部42の下部と本体部41の第一板部41aとを連結する。ケーブル圧着部42の下部は、本体部41の第一板部41aよりも上方に位置する。
【0060】
また、外部端子40は、第一中継部材50を固定する固定部44を有する。
固定部44は、一対の係止部45を有する。一対の係止部45は、互いに同一の構造である。一対の係止部45は、第二板部41bの後部41b2(
図6参照)から上方へ延びるように形成される。第二板部41bの後部41b2は、第二板部41bの最後部を構成し、上下寸法が小さい。
【0061】
係止部45は、その全体が、板幅方向を前後方向に垂直な平面に沿う方向に向ける。
【0062】
係止部45は、前後寸法が比較的大きい下部45aと、前後寸法が比較的小さい上部45bと、を有する。係止部45の前後寸法は、係止部45を構成する板の板幅寸法といえる。
下部45aの前側の板端は、上部45bの前側の板端よりも前側に位置する。下部45aの後側の板端は、上部45bの後側の板端と前後方向で同じ位置に位置する。
別の説明をすると、係止部45は、その下部45aにおいて前側に拡大された拡大部45a1を有する。拡大部45a1は、第一中継部材50の被係止部55が下方に移動するのを規制する。
【0063】
係止部45の上部45bには、幅方向に折り曲げられた折曲部45cを有する。折曲部45cは、第一中継部材50の被係止部55が上方向に移動するのを規制する。折曲部45cは、幅方向外側に折り曲げられている。
【0064】
係止部45の上部45bは、第一中継部材50の被係止部55が前後方向に移動するのを規制する。
【0065】
係止部45の下部45aには、幅方向内側に変位する変位部45dが形成される。変位部45dが形成されることで、係止部45の大部分は、第二板部41bよりも幅方向内側に位置する。
【0066】
なお、外部端子40は、取付対象ケーブル90のシールド部93の非折返部93a1に接触する圧着部を有しない。外部端子40と非折返部93a1との電気的接続は、中継部材50,60を介して実現される。
【0067】
(中継部材50,60)
中継部材50,60は、外部端子40とシールド部93との電気的接続を中継する部材である。
【0068】
中継部材50,60は、第一中継部材50と、第二中継部材60と、を備える。
【0069】
図3~
図5に示すように、第二中継部材60は、導電性テープ60であり、露出部91Rの外周を包囲するように露出部91Rに取り付けられる。これにより、第二中継部材60は、複数の電線91同士が近接した状態が維持されるように露出部91Rを保持する保持部60として機能する。
第二中継部材60は、シールド部93に接触する第二接触部60aを有する。
具体的には、第二中継部材60の後部(第二接触部60a)は、取付対象ケーブル90の第一シールド部93aの非折返部93a1に外側から接触する。換言すると、第二中継部材60を構成する導電性テープ60は、その後部が非折返部93a1と重なるように2つの電線91の露出部91Rの周りに巻き付けられる。
【0070】
第一中継部材50は、第二中継部材60に保持される被保持部51を有する。
図7A、
図7Bに示すように、被保持部51は、底板部51a、一対の側板部51b及び一対の天板部51cを有する。一対の天板部51cの間の隙間(
図2参照)を利用して、第二中継部材60を被保持部51の内側に配置し、一対の天板部51cと一対の側板部51bとの間の部分を曲げる。これにより、被保持部51が第二中継部材60に保持される(
図3参照)。より具体的には、第一中継部材50は、第二中継部材60に保持されると共に、第二中継部材60に保持された状態のまま第二中継部材60に対して前方向に摺動可能な状態となる。
【0071】
第一中継部材50は、第二中継部材60に弾性接触する弾性接触部52を有する。
弾性接触部52は、一対形成される。一対の弾性接触部52は、幅方向に並ぶ。
弾性接触部52は、底板部51aに形成された貫通孔内に形成される。つまり、弾性接触部52は、切り起こしにより形成される。弾性接触部52は、前側を固定端、後側を自由端とする片持ちバネである。
【0072】
第一中継部材50は、外部端子40に接触する第一接触部53を有する。
第一接触部53は、外部端子40の一対の第二板部41bに対し、幅方向内側から接触する。第一接触部53は、一対形成される。一対の第一接触部53は、被保持部51の一対の側板部51bから前方へ延出された部分に形成される。第一接触部53は、本体板部53aと、弾性接触部53bと、を有する。本体板部53aに貫通孔が形成され、当該貫通孔内に弾性接触部53bが形成される。つまり、弾性接触部53bは切り起こしにより形成される。弾性接触部53bは、前側を固定端、後側を自由端とする片持ちバネである。
【0073】
第一中継部材50は、外部端子40の固定部44に固定される被固定部54を有する。
被固定部54により、第一中継部材50は、第一接触部53とは別の位置でも外部端子40に固定されることとなる。
被固定部54は、第一中継部材50を外部端子40に対して前方に移動させることで固定部44に被固定部54を固定させることができるように構成される(
図4、
図5参照)。
【0074】
被固定部54は、一対の被係止部55を有する。一対の被係止部55は、被保持部51の一対の側板部51bから後方に延出された部分に形成される。
【0075】
被係止部55は、内側板部55aと外側板部55bとを有する。内側板部55aと外側板部55bとの間には、外部端子40の係止部45の上部45bが配置される。
被係止部55は、内側板部55aの後端と外側板部55bの後端とを連結する連結部55cを有する。
被係止部55は、係止部45の拡大部45a1及び係止部45の上部45bと係わり合う先端曲部55dを有する。先端曲部55dは、外側板部55bから前方へ延出された部分に形成される。先端曲部55dが拡大部45a1に接触することで被係止部55の下方への移動が規制される。先端曲部55dが係止部45の上部45bに接触することで係止部45の後方への移動が規制される。
【0076】
内側板部55aは、被保持部51の側板部51bよりも幅方向外側に位置する。被係止部55は、被保持部51の側板部51bと内側板部55aと連結する連結部55eを有する。
【0077】
(端子ユニット10の組立手順)
端子ユニット10は、概ね以下の組立手順で組み立てられる。
(1)取付対象ケーブル90に被覆剥ぎ処理等を施し、2つの内部端子を圧着する(
図2参照)。
(2)誘電体部材30を組み立てると共に、第二中継部材60としての導電性テープ60を露出部91Rに巻き、第一中継部材50を下方から配置して導電性テープ60に保持させる(
図3参照)。
(3)2つの内部端子20が収容された誘電体部材30を、外部端子40の本体部41に対し、当該本体部41の後方側から挿入する。そして、ケーブル圧着部42を外側被覆94の外側(具体的には折返部93b1)に圧着する(
図4参照)。
(4)第一中継部材50を前方向に移動させる。これにより、第一中継部材50の一対の第一接触部53が外部端子40の本体部41に接触し、第一中継部材50の被固定部54が外部端子40の固定部44に固定される(
図5参照)。このとき、第二中継部材60は、第一中継部材50との摩擦力等により前方へ移動する。これにより、誘電体部材30と第二中継部材60との間に前後方向で隙間が開いていたとしても、当該隙間は小さくなるか無くなる。
【0078】
<作用効果>
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0079】
図1に示すように、本実施形態に係る端子ユニット10は、取付対象ケーブル90(
図8参照)に取り付けられるものである。
図2に示すように、端子ユニット10は、2つの内部端子20と、誘電体部材30と、外部端子40と、を備える。
2つの内部端子20は、2つの電線91と電気的に接続される。誘電体部材30は、2つの内部端子20を保持する。外部端子40は、2つの内部端子20を収容し、シールド部93(
図8参照)と電気的に接続される。
【0080】
ところで、外部端子40とシールド部93との電気的接続を外部端子40とシールド部93との接触のみにより実現しようとすると、帰還電流の伝送路が複雑になりやすい。また、伝送経路が複雑にならないとしても、そのような伝送路を実現するための外部端子40の構造は端子ユニット10の組立性を低下させることがある。
そこで、本実施形態に係る端子ユニット10は、外部端子40とシールド部93との接続を中継する中継部材50,60を備える。中継部材50,60は、外部端子40に接触する第一接触部53(
図2参照)と、シールド部93に接触する第二接触部60a(
図5参照)と、を有する。
このため、帰還電流の伝送路が複雑になりにくい。帰還電流の伝送路が複雑になりにくいことは、高速伝送性能の向上に資する。なぜなら、信号電流の経路長は、帰還電流の経路長よりも短いことが通常であるので、帰還電流の伝送路の複雑化を避けると、信号電流と帰還電流との間の径路長の差を小さくできる。信号電流と帰還電流との間の経路長の差を小さくすることは、高速伝送性能の向上に資する。
【0081】
また、本実施形態では、
図2に示すように、シールド部93は、外側被覆94から露出し、電線91の絶縁被覆91bの外面に位置する非折返部93a1を有する。そして、第二接触部60aは、非折返部93a1に接触する。
このため、シールド部93が外側被覆94の外側に折り返された折返部93b1を有し、当該折返部93b1に中継部材50,60の第二接触部60aが接触する態様と比較して、帰還電流の経路が複雑になりにくい。
【0082】
また、本実施形態では、外部端子40は、2つの内部端子20及び誘電体部材30を収容する本体部41と、取付対象ケーブル90の外側被覆94の外側に固定される被固定部42と、を有する。そして、2つの内部端子20及び誘電体部材30は、本体部41に対して後方側から収容される。
このため、2つの内部端子20及び誘電体部材30が、本体部41に対して前方側から収容される態様と比較して、端子ユニット10の組立性が良い。
なぜなら、誘電体部材30等が本体部41に対して前方側から収容される態様では、誘電体部材30を組み立てる前に、取付対象ケーブル90を本体部41に対して後方から前方へ通過させておく必要があるからである。
【0083】
ところで、2つの電線91におけるシールド部93から露出した部分(露出部91R、
図2参照)は、インピーダンスが上昇しやすい部分である。
ここで、本実施形態では、
図1に示すように、中継部材50,60は、露出部91Rに取り付けられる。
このため、露出部91Rの近傍に中継部材50,60が配置されることになり、その結果、露出部91Rでのインピーダンスの上昇が抑制される。
【0084】
ところで、取付対象ケーブル90が電線91を複数備える場合、複数の電線91におけるシールド部93から露出した部分(露出部91R)では、複数の電線91同士が近接した状態が維持されにくい。
ここで、本実施形態では、中継部材50,60は、複数の電線91同士が近接した状態が維持されるように露出部91Rを保持する保持部60を有する。
このため、複数の電線91同士が近接した状態が維持され、その結果、露出部91Rでのインピーダンスの上昇が抑制される。
【0085】
また、本実施形態では、保持部60は、露出部91Rの外周を包囲する。このため、複数の電線91同士が近接した状態がより確実に維持される。
特に、本実施形態では、保持部60は導電性の部材で構成されるから、保持部60によって露出部91Rをシールドすることができる。
更に、本実施形態では、保持部60は、露出部91Rのうち誘電体部材30に収容されていない部分の全体又は略全体を覆う。このため、保持部60によって露出部91Rを効果的にシールドできる。なお、ここでいう「略全体を覆う」とは、露出部91Rのうち誘電体部材30に収容されていない部分の前後寸法を100%としたとき、そのうちの95%以上を覆うことを意味する。
【0086】
また、本実施形態では、
図8に示すように、シールド部93は、第一シールド部93aと、第一シールド部93aの外側に位置する第二シールド部93bと、を有する。
図2に示すように、第一シールド部93aは、外側被覆94から露出し、電線91の絶縁被覆91bの外面に位置する非折返部93a1を有する。第二シールド部93bは、外側被覆94から露出し、外側被覆94の外側に折り返された折返部93b1を有する。
ここで、中継部材50,60の第二接触部60aは、非折返部93a1に接触し、外部端子40は、折返部93b1の外側に固定される被固定部42を有する。
このため、外部端子40と第二シールド部93bとを電気的に接続するだけでなく、取付対象ケーブル90が引っ張られた際に、取付対象ケーブル90の外側被覆94及び第二シールド部93bだけが後退してしまうことが抑制される。
【0087】
また、本実施形態では、中継部材50,60は、第一接触部53を有する第一中継部材50と、第二接触部60aを有する第二中継部材60と、を備える。
このため、中継部材50,60が一体に形成される態様と比較して、中継部材50,60が発揮すべき機能に応じた設計の自由度が高くなる。なお、ここでいう機能は、特に限定されないが、例えば、中継部材50,60の本来的な機能(外部端子40とシールド部93との接続を中継する機能)のほか、露出部91Rを保持する機能、露出部91Rをシールドする機能など様々である。
【0088】
また、本実施形態では、
図7A、
図7Bに示すように、第一中継部材50は、第二中継部材60に弾性接触する弾性接触部52を有する。このため、第二中継部材60に対して第二中継部材60が安定的に接続する。
また、第二中継部材60は、露出部91Rの外周を包囲する導電性テープ60であり、複数の電線91同士が近接した状態が維持されるように露出部91Rを保持する保持部60として機能する。このため、第二中継部材60によって、複数の電線91同士が近接した状態がより確実に維持されると共に露出部91Rがシールドされる。
【0089】
また、本実施形態では、
図6に示すように、外部端子40は、第一中継部材50を固定する固定部44を有する。
図7Aに示すように、第一中継部材50は、第一接触部53と異なる位置に形成され、固定部44に固定される被固定部54を有する。
このため、第一中継部材50の位置や姿勢が安定する。
【0090】
また、本実施形態では、
図4、
図5に示すように、固定部44及び被固定部54は、第一中継部材50を外部端子40に対して前方に移動させることで固定部44に被固定部54を固定させることができるように構成される。
このため、第一中継部材50を外部端子40に対して前方に移動させることで固定部44に被固定部54を固定させることができる。
【0091】
また、本実施形態では、
図4、
図5に示すように、第一中継部材50は、第二中継部材60に保持されると共に、第二中継部材60に保持された状態のまま第二中継部材60に対して前方向に摺動可能に構成される。
このため、端子ユニット10の製造工程において、第一中継部材50を第二中継部材60に対して前方向に移動させることができると共に、摺動の際の摩擦力により第二中継部材60を前方向に移動させることができる。その結果、誘電体部材30と第二中継部材60との前後方向の隙間を小さくすることができる。
【0092】
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、取付対象ケーブル90が、シールド付きツイストペアケーブル(2芯)である例を説明したが、本開示の取付対象ケーブルはこれに限定されない。
例えば、取付対象ケーブルが有する2つの電線はツイストされていなくてもよい。
また、例えば、取付対象ケーブルが有する電線は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、端子ユニット10が、2つの内部端子20を有する例を説明したが、本開示の端子ユニットはこれに限定されない。本開示の端子ユニットが有する内部端子は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、中継部材50,60が、第一中継部材50と第二中継部材60とを備える例を説明したが、本開示の中継部材はこれに限定されない。本開示の中継部材は、単一の部材で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 端子ユニット
20 内部端子
21 接触部
22 圧着部
30 誘電体部材
40 外部端子
41 本体部
42 ケーブル圧着部(被固定部)
44 固定部
45 係止部
50,60 中継部材
50 第一中継部材
51 被保持部
52 弾性接触部
53 第一接触部
54 被固定部
55 被係止部
60 第二中継部材(保持部、導電性テープ)
60a 第二接触部
90 取付対象ケーブル
91 電線
91R 露出部
91a 芯線
91b 絶縁被覆
93 シールド部
93a 第一シールド部
93a1 非折返部
93b 第二シールド部
93b1 折返部
94 外側被覆