(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058487
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/10 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B65D5/10 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165893
(22)【出願日】2022-10-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA05
3E060BA08
3E060BC02
3E060CG12
3E060CG23
3E060DA13
3E060DA18
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】差込片が差込穴から抜け難く、胴部の開口部の閉状態を好適に維持する包装箱を提供する。
【解決手段】包装箱1であって、胴部10、底壁20及び頂壁30を備えている。底壁20及び頂壁30の少なくとも一方の壁の端部フラップ21に形成された差込片23及び中央片25と、側部フラップ22に形成され、差込片23が差し込まれる差込穴24と、を備えている。差込片23には、側部フラップ22の先端部に向けて突出する係止部27が形成されている。中央片25の左右の両側には、左右の差込片23の最内端よりも外側に突出する突出部26が形成されている。突出部26は、係止部27よりも端部フラップ21の基端部側に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後の端壁及び左右の側壁を有する胴部と、
前記胴部の下側開口部を閉じている底壁と、
前記胴部の上側開口部を閉じている頂壁と、を有し、
前記底壁及び前記頂壁の少なくとも一方は、前記両端壁の縁部にそれぞれ連設された前後の端部フラップと、前記両側壁の縁部にそれぞれ連設された左右の側部フラップと、を備え、
前記両端部フラップは、前記両側部フラップの外面に重ねられており、
前記両側部フラップには、前記側部フラップの基端部側から前記側部フラップの先端部側に延在する差込穴と、前記差込穴における前記側部フラップの先端部側の縁部から前記差込穴内に向けて突出する係止片と、が形成されており、
前記両端部フラップの先端部には、左右2つの差込片と、前記両差込片の間に配置された中央片と、が形成されており、
前記差込片は、前記差込穴に差し込まれるとともに、
前記中央片は、前記両側部フラップの外面に重ねられており、
前記差込片には、前記側部フラップの先端部に向けて突出する係止部が形成されており、
前記中央片の左右の両側には、前記左右の差込片の最内端よりも外側に突出する突出部が形成されており、
前記突出部は、前記係止部よりも前記端部フラップの基端部側に配置されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記差込穴の前記縁部に形成され、前記側部フラップの内面側に前記係止片を折り曲げるための係止片折曲げ誘導線を備え、
前記係止片折曲げ誘導線は、前記差込片の差込方向に対して傾斜しており、前記差込片の差込方向に進むにつれて前記側部フラップの基端部に近づくことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
ブランクシートの状態において、前記差込穴には、差込穴開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項4】
前記差込穴を区画する破断線と、前記差込穴の前記縁部に形成され、前記側部フラップの内面側に前記係止片を折り曲げるための係止片折曲げ誘導線と、を備え、
前記破断線は、前記側部フラップの先端部側に向かって延在する延在部を備えており、
前記延在部の途中部分に、前記係止片折曲げ誘導線または前記係止片折曲げ誘導線の延長線との交点が位置することを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール製の包装箱としては、筒状の胴部と、胴部に折り曲げ自在に連設されたフラップと、を備え、フラップに設けられたロック構造によって胴部の開口部を閉じるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
フラップのロック構造は、フラップ同士が上下に重なる部分に設けられており、上側のフラップに形成された差込片と、下側のフラップに形成され差込穴とを備えている。この包装箱では、差込穴内に突出する押圧部により差込片が押さえられることで、差込穴に差込片が保持されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の包装箱は、差込穴の押圧部の内側に差込片が重なることにより差込片が押さえられる構造であるため、外力が作用するなどして、差込片が外れる方向にスライドした場合に、差込穴から差込片が抜けるおそれがあった。
特に、包装箱の底壁に従来のロック構造を採用した場合には、包装箱を置く、持ち上げる等の際に、差込片のスライドが誘発されるような力が作用し易いため、差込穴から差込片が抜け易かった。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、差込片が差込穴から抜け難く、胴部の開口部の閉状態を好適に維持することができる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明の包装箱は、前後の端壁及び左右の側壁を有する胴部と、前記胴部の下側開口部を閉じている底壁と、前記胴部の上側開口部を閉じている頂壁と、を有し、前記底壁及び前記頂壁の少なくとも一方は、前記両端壁の縁部にそれぞれ連設された前後の端部フラップと、前記両側壁の縁部にそれぞれ連設された左右の側部フラップと、を備えている。前記両端部フラップは、前記両側部フラップの外面に重ねられている。前記両側部フラップには、前記側部フラップの基端部側から前記側部フラップの先端部側に延在する差込穴と、前記差込穴における前記側部フラップの先端部側から前記差込穴内に向けて突出する係止片と、が形成されている。前記両端部フラップの先端部には、左右2つの差込片と、前記両差込片の間に配置された中央片と、が形成されている。前記差込片は、前記差込穴に差し込まれ、前記中央片は、前記両側部フラップの外面に重ねられている。前記差込片には、前記側部フラップの先端部に向けて突出する係止部が形成されている。前記中央片の左右の両側には、前記左右の差込片の最内端よりも外側に突出する突出部が形成されている。前記突出部は、前記係止部よりも前記端部フラップの基端部側に配置されている。
【0007】
本発明の包装箱では、端部フラップの差込片を側部フラップの差込穴に差し込んだ際に、例えば、係止片に対して差込片の係止部を当接させることができる。このような当接によって、差込片の差込方向と反対方向に差込片が移動することを規制することができる。つまり、差し込み後に、外力が作用して差込方向と反対方向に差込片が引っ張られても、当接状態が維持され易く、差込片が抜け難い。したがって、胴部の開口部の閉状態を好適に維持することができる。
また、中央片及び左右の突出部が両側部フラップの外面の押え部として機能するので、両側部フラップが開くことを好適に防止できる。
また、端部フラップの基端部側に対応する両側部フラップの外面を突出部で押さえることができるので、胴部の開口部の閉状態を好適に維持することができる。
【0008】
また、前記差込穴の前記縁部に、前記側部フラップの内面側に前記係止片を折り曲げるための係止片折曲げ誘導線が形成されていることが好ましい。この場合、前記係止片折曲げ誘導線は、前記差込片の差込方向に対して傾斜し、前記差込片の差込方向に進むにつれて前記側部フラップの基端部に近づくことが好ましい。
【0009】
この構成では、係止片折曲げ誘導線により側部フラップの内面側に係止片が折り曲げ易くなる。また、係止片折曲げ誘導線が、差込片の差込方向に対して傾斜しているので、差込穴に対する差込片の差し込みがスムーズになる。また、差込穴に差込片を差し込む過程で、係止片折曲げ誘導線に沿って側部フラップの先端部側と反対側に差込片の押し込みが進行する。したがって、差込片の差し込み作業が行い易い。
【0010】
また、ブランクシートの状態において、前記差込穴に、差込穴開口部が形成されていることで、差込片を差込穴に差し込む際に、差込穴開口部を利用して差込片を差し込むことができる。したがって、差込片の差し込み作業が行い易い。
【0011】
また、前記差込穴を区画する破断線と、前記差込穴の前記縁部に形成され、前記側部フラップの内面側に前記係止片を折り曲げるための係止片折曲げ誘導線と、を備えることが好ましい。この場合、前記破断線が、前記側部フラップの先端部側に向かって延在する延在部を備え、前記延在部の途中部分に、前記係止片折曲げ誘導線または前記係止片折曲げ誘導線の延長線との交点が位置することが好ましい。
【0012】
この構成では、係止片折曲げ誘導線により側部フラップの内面側に係止片が折り曲げ易くなる。また、側部フラップの内面側に係止片を折り曲げる際に、交点よりも一端側に延在する破断線の延在部が切り離されるので、折り曲げ易さが向上するとともに、側部フラップの内面側に係止片が露出し易い。したがって、例えば、差込片の係止部が差込穴の係止片に対して当接し易い。つまり、差し込み後に、外力が作用して差込方向と反対方向に差込片が引っ張られても、当接状態が維持され易く、差込片が抜け難い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の包装箱では、差込片が差込穴から抜け難く、胴部の開口部の閉状態を好適に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱を前方右上から見た斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示した図であり、(a)は端部フラップを示した下面図、(b)は両側部フラップを示した下面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る包装箱に備わる差込穴を示す図であり、閉じられた状態から押し開かれた状態を下面側から見た斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る包装箱の差込穴に対する差込片の係止状態を示した下面図である。
【
図6】(a)(b)は本発明の第1実施形態に係る包装箱の差込穴に対する差込片の係止状態を示した拡大斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る包装箱の両側部フラップを示した下面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る包装箱の両側部フラップを示した下面図である。
【
図11】本発明の第4実施形態に係る包装箱を前方右上から見た斜視図である。
【
図12】本発明の第4実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【本発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向は、実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の包装箱の構成を限定するものではない。なお、実施形態では、底壁と頂壁とにおけるロック構造は同一であるので、以下では底壁におけるロック構造を例にして説明する。また、各実施形態において同一の部分には同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0016】
(第1実施形態)
包装箱1は、
図1に示すように、角筒状の胴部10と、胴部10の縁部となる下縁部に連設された底壁20と、胴部10の縁部となる上縁部に連設された頂壁30と、を備えている。包装箱1は、A式の段ボール箱である。底壁20は、後記するように、側部フラップ22と端部フラップ21(
図2,
図3(a)参照)とからなり、側部フラップ22に形成された差込穴24に、端部フラップ21に形成された差込片23を差し込むことで、側部フラップ22と端部フラップ21とが係止されるように構成されている。差込片23及び差込穴24は、ロック構造を構成している。
【0017】
包装箱1は、
図2に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS1を各罫線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートS1は内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートS1の各罫線(折線)は、ブランクシートS1の表面を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。なお、罫線に切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートS1が折り曲げ易くなる。
【0018】
胴部10は、
図1に示すように、前後一対の端壁11,12と、左右一対の側壁13,14とを有している。前端壁11,後端壁12及び左側壁13,右側壁14は、それぞれ四角形の側板である。
【0019】
前端壁11の左縁部には、罫線を介して左側壁13が連設されている。また、前端壁11の右縁部には、罫線を介して右側壁14が連設されている。また、右側壁14の後縁部には、罫線を介して後端壁12が連設されている。また、左側壁13の後縁部には、罫線を介して帯状の接合片15が連設されている。接合片15は、後端壁12の左端部の内面にホットメルト等の接着手段によって接合されている。
【0020】
そして、ブランクシートS1(
図2参照)を各罫線で折り曲げると、前端壁11,後端壁12、左側壁13,右側壁14によって、四角形の角筒状の胴部10が形成される。
【0021】
底壁20は、
図1に示すように、胴部10の下側開口部を閉じている。底壁20は、前端壁11,後端壁12の下縁部L11,L12に連設された前後の端部フラップ21,21と、左側壁13,右側壁14の下縁部L13,L14に連設された左右の側部フラップ22,22と、を備えている。前後の端部フラップ21,21は、左右の側部フラップ22,22の前部外面及び後部外面に重ねられている。
【0022】
前側の端部フラップ21は、
図3に示すように、前端壁11の下縁部L11から後方に向けて延びている。後側の端部フラップ21は、図示はしないが、後端壁12の下縁部L12から前方に向けて延びている。
【0023】
端部フラップ21,21は、同形状であるので、ここでは、
図3を参照し、前側の端部フラップ21を例にとって説明する。
図3に示すように、端部フラップ21は、基部21aと、基部21aに連続する先端部21bとを備えている。基部21aと先端部21bとは、左右方向に亘って形成された端部フラップ折曲げ誘導線L21(以下、単に折曲げ誘導線L21という)を介して連続している。折曲げ誘導線L21は、ブランクシートS1の表面(内面)を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。折曲げ誘導線L21は、下縁部L11と平行である。端部フラップ21は、折曲げ誘導線L21で山折りされる。これによって、包装箱1の組立時に先端部21bが側部フラップ22,22の差込穴24,24に向けて傾斜可能となっている。なお、折曲げ誘導線L21に切れ込みを形成することで、山折りし易くなる。
【0024】
基部21aは、
図3(a)に示すように、横長四角形状を呈している。先端部21bの先端には、左右の差込片23,23の間に配置された中央片25が形成されている(
図2参照)。各差込片23,23は、
図5に示すように、側部フラップ22,22に設けられた差込穴24,24に対して差し込まれている。差込片23が差込穴24に差し込まれることで、差込片23が係止片24fに係止され、底壁20の閉状態(側部フラップ22,22に端部フラップ21,21が重なった状態)が維持される。一方、中央片25は、差込片23,23を差込穴24,24に差し込んだ状態で、側部フラップ22,22の外面に配置される。
【0025】
左右の差込片23,23は、
図3(a)に示すように、線対称となるように配置されている。差込片23は、先端に向けて凸となる略台形状を呈している。これにより、差込片23は、差込穴24(
図3(b)参照)に対して差し込み易い形状となっている。
図3(a)において、二点鎖線R1で示した領域が差込片23である。
【0026】
差込片23は、先端縁部23bと、先端縁部23bの外側端に連続する外側斜縁部23aと、先端縁部23bの内側端に連続する内側斜縁部23cとを備えている。先端縁部23bは、下縁部L11と平行である。外側斜縁部23aは、先端縁部23bの外側端を始端とし、先端部21bの側部に向けて延びている。外側斜縁部23aの終端は、先端部21bの左右の縁部に設けられた肩部21cに繋がっている。内側斜縁部23cは、先端縁部23bの内側端を始端とし、先端部21bの左右方向の中央部に向けて延びている。
内側斜縁部23cの終端は、中央片25の後記する傾斜縁部25dに接している。差込片23の中央片25側の側部には、内側斜縁部23cと中央片25の傾斜縁部25dとにより区画された山形状の係止部27が形成されている。
【0027】
なお、先端縁部23bは、下縁部L11と平行の場合に限らず、外側斜縁部23aと内側斜縁部23cを結ぶ形状であればよく、直線状のものの他、曲線状であってもよい。また、肩部21cを有さず、外側斜縁部23aの終端が端部フラップ21の縁部(端辺)に繋がっていてもよい。
【0028】
中央片25は、左右の切込25e,25eによって左右の差込片23,23と区画されている。
図3(a)において、二点鎖線R2で示した領域が中央片25である。
中央片25の先端縁部25bは、下縁部L11と平行である。また、下縁部L11から両差込片23,23の先端辺23bまでの長さと、下縁部L11から中央片25の先端縁部25bまでの長さと、が同じ大きさに形成されている。つまり、両差込片23,23の先端縁部23bと左右方向に直線状に揃っている。なお、先端縁部25bは、下縁部L11と平行の場合に限らず、中央片25の先端部を成す形状であればよく、直線状のものの他、曲線状であってもよい。また、両差込片23,23の先端縁部23bと中央片25の先端縁部25bとは、左右方向に直線状に揃っていなくてもよい。
【0029】
中央片25の先端縁部25bの左右端部には、傾斜縁部25d,25dが連続している。傾斜縁部25bは、先端縁部25bの端部を始端とし、差込片23の内側斜縁部23cに向けて延び、内側斜縁部23cの終端に交差している。傾斜縁部25dの終端には、切込25eが連続して形成されている。切込25eは、傾斜縁部25dの終端から弧状に折り返されて折曲げ誘導線L21の左右方向の略中央部に向けて延びている。切込25eの終端は、
図3(a)に示すように、係止部27の突出端(係止部27の最内端)に接する前後方向の仮想線L3を引いたときに、仮想線L3には至らず、仮想線L3よりも差込片23側に位置している。切込25eは、隣接する差込片23との間に形成されており、中央片25と差込片23とを区画している。そして、切込25eの弧状に折り返された部分は、差込片23に入り込むように突出している。これにより、中央片25の左右方向の側部には、切込25eで区画された山形状の突出部26が形成されている。突出部26は、左右の差込片23,23の最内端よりも外側に突出している。ここで、突出部26は、差込片23の係止部27よりも基端部側(基部21a側)に形成されている。
【0030】
中央片25の先端縁部25bの中央部には、半円凹状の指掛け部25aが形成されている。指掛け部25aは、側部フラップ22,22同士の突合せ部分の外面に位置している(
図5参照)。
【0031】
なお、差込片23、中央片25、切込25e、折曲げ誘導線L21の形成位置は、包装箱1の縦横比や包装箱1の用途等によって、適宜変更することができる。
【0032】
左側の側部フラップ22は、
図1に示すように、左側壁13の下縁部L13から右方に向けて延びている。右側の側部フラップ22は、右側壁14の下縁部L14から左方に向けて延びている。左右の側部フラップ22,22は、中央部で突き合わされている。
【0033】
各側部フラップ22,22の前部及び後部には、左右の差込穴24,24が形成されている。各差込穴24,24は、端部フラップ21,21の各差込片23,23に対応して設けられている。各差込穴24,24は、ブランクシートS1の状態において、蓋部24a及び係止片24fで閉じられており、これらを押し込むことで開口する。なお、包装箱1の状態において、各差込穴24,24の開口は、差し込まれた差込片23,23により閉じられている。
以下、差込穴24の説明において、側部フラップ22,22同士の突合せ部に近い側を「一端部」と表記し、これとは反対側を「他端部」と表記する。
【0034】
蓋部24eは、
図3(b)に示すように、折曲げ誘導線241と、第三破断線244と、第五破断線245と、第六破断線246と、第七破断線247とにより囲まれた部分である。また、係止片24fは、第六破断線246の一部と、係止片折曲げ誘導線248と、第七破断線247の一部とにより囲まれた部分である。係止片24fは、差込穴24における側部フラップ22の先端部側(一端部側)の縁部(係止片折曲げ誘導線248)から差込穴24内に向けて突出している。
【0035】
係止片折曲げ誘導線248は、ブランクシートS1の表面(内面)を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。係止片折曲げ誘導線248には、断続的に形成されたミシン目状の切れ込みを形成してもよい。なお、切れ込みの間隔や形状は、限定されるものではない。第五破断線245と、第六破断線246と、第七破断線247は、いずれもブランクシートS1(
図2参照)を貫通する連続的な切れ込みである。なお、各破断線244,245,246,247は、切れ込みを断続的に形成したミシン目状の破断線であってもよく、その間隔や形状は限定されるものではない。この場合、切れ込みの間隔や形状は、差込片23を差し込む際に各破断線が切り離されて蓋部24eが形成される程度のものであればよい。
【0036】
差込穴24は、
図4に示すように、蓋部24eを各破断線244,245,246,247で切り離しつつ、折曲げ誘導線241で山折りし、かつ、係止片24fを、係止片折曲げ誘導線248で山折りすることで開口する。
【0037】
第五破断線245は、
図3(b)に示すように、第三破断線244の終端に連続して形成されており、折曲げ誘導線241と対向配置されている。第五破断線245は、折曲げ誘導線241の傾斜に対して、差込片23の差込方向X1にさらに傾斜して延在している。第六破断線246は、第五破断線245の一端部に連続して側部フラップ22の先端部側(一端部側)に向かって延在する延在部として機能する。第六破断線246は、第五破断線245の一端部から差込方向X1と直交する方向に延在している。第六破断線246は、係止片24fの対向縁部24d(
図4参照)を形成する直線状の破断線である。対向縁部24dは、第六破断線246を切り開くことで形成される縁部であり、
図4に示すように、差込穴24を押し開く前の状態で、差込穴24の開口縁部(第六破断線246)に接している。対向縁部24dは、差込片23における係止部27の縁部27b(
図5参照)に対向するように構成されている。
【0038】
第七破断線247は、
図3(b)に示すように、第六破断線246の延在方向の途中部分を始端とし、折曲げ誘導線241の一端部に向けて延びている。第七破断線247の終端は、差込方向X1と直交する方向において、第六破断線246の終端と略同じ位置で折曲げ誘導線241の一端部に接続されている。これにより、第七破断線247は、左右方向に対向する第三破断線244及び差込方向X1に対して傾斜しており、差込片23の差込方向に進むにつれて側部フラップ22の基端部側(下縁部L13側)に近づいている。なお、第七破断線247は、直線状のものを示したが、これに限られず、全体や一部が曲線状とされていてもよい。
【0039】
係止片折曲げ誘導線248は、第六破断線246の一端部から第七破断線247に向けて延在し、第七破断線247に接続されている。これにより、第七破断線247の一端側の側方には、第六破断線246、第七破断線247及び係止片折曲げ誘導線248で囲まれた略三角形状の係止片24fが形成される。
【0040】
頂壁30を構成している端部フラップ31には、底壁20と同様の差込片23及び中央片25が形成されており、また、側部フラップ22には、底壁20と同様の差込穴24が形成されている。
【0041】
次に、底壁20を例にとって差込片23と差込穴24との係合について説明する。
底壁20を閉じる場合には、まず、底壁20を上側にして、左右の側部フラップ22,22を折り曲げて突き合わせる。その後、端部フラップ21を折曲げ誘導線L21に沿って山折りしつつ、側部フラップ22,22に向けて内側に倒し込む。
【0042】
そして、端部フラップ21の差込片23,23を差込穴24,24にそれぞれ挿入する。そうすると、差込片23に押されて、
図4に示すように、各破断線244,245,246,247が破断されるとともに、折曲げ誘導線241で山折りされて蓋部24eが側部フラップ22の内面側(胴部10内)に折り曲げられる。また、これと同時に、差込片23に押されて、係止片折曲げ誘導線248で山折りされて係止片24fが側部フラップ22の内面側(胴部10内)に折り曲げられる。これによって、差込穴24が開口する。
【0043】
その後、差込片23を差込穴24にさらに挿入すると、
図5に示すように、蓋部24e及び係止片24fの先方に差込片23の係止部27が移動し、差込穴24に差込片23が係合する。この状態で、係止部27の縁部27bは、係止片24fの対向縁部24dに対峙する位置に入り込んでいる。
【0044】
この状態で、端部フラップ21から手指を離すと、
図6(a)に示すように、端部フラップ21に対して元の状態に戻ろうとする復元力(差込方向X1と反対方向の力)が作用し、差込片23における係止部27の縁部27bが差込穴24の係止片24fの対向縁部24dに当接する。これによって、差込穴24から差込片23が抜ける方向に移動することが規制される。この作用は、頂壁30を閉じる場合にも同様に得られる。
【0045】
その後、胴部10内に収容品(不図示)を収容すると、
図6(b)に示すように、蓋部24e及び係止片24fが収容品の重さで差込片23側に押される状態となる。これにより、差込片23における係止部27の縁部27bに対して係止片24fの対向縁部24dが強く当接される。これによって、差込穴24から差込片23が抜ける方向に移動することが好適に規制される。
なお、係止片24fの対向縁部24dを手指で押し込むことによって、係止部27の縁部27bに対向する位置に積極的に入り込ませるようにしてもよい。このようにすることで、係止部27に対する係止片24fの当接が確実となる。
【0046】
以上説明した本実施形態の包装箱1によれば、端部フラップ21の差込片23を側部フラップ22の差込穴24に差し込むと、差込穴24の係止片24fの対向縁部24dに対して差込片23の係止部27の縁部27bが当接する。この当接によって、差込片23の差込方向X1と反対方向に差込片23が移動することが規制される。つまり、差し込み後に、外力が作用して差込方向X1と反対方向に差込片23が引っ張られても、当接状態が維持され易く、差込片23が抜け難い。したがって、胴部10の開口部の閉状態を好適に維持することができる。
【0047】
また、中央片25が側部フラップ22の外面の押え部として機能するので、側部フラップ22が開くことを好適に防止できる。したがって、胴部10の開口部の閉状態の維持に寄与する。
【0048】
また、係止片折曲げ誘導線248は、差込片23の差込方向X1に対して傾斜しているので、差込穴24に対する差込片23の差し込みがスムーズである。また、差込穴24に差込片23を差し込む過程で、係止片折曲げ誘導線248に沿って側部フラップ22の先端部側と反対側に差込片23の押し込みが進行する。したがって、差込片23の差し込み作業が行い易い。
【0049】
また、中央片25の左右の両側には、突出部26,26が形成されているので、中央片25とともに、左右の突出部26,26が両側部フラップ22,22の外面の押え部として機能する。これにより、両側部フラップ22,22が開くことを好適に防止できる。したがって、胴部10の開口部の閉状態の維持に寄与する。
【0050】
また、左右の突出部26,26を利用して両端部フラップ22,22の基端部側(基部21a側)に対応する両側部フラップ22,22の外面を好適に押さえることができる。したがって、両側部フラップ22,22の開口部の閉状態を好適に維持できる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、
図7,
図8を参照して第2実施形態の包装箱について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図であり、
図8は、本発明の第2実施形態に係る包装箱の両側部フラップを示した下面図である。
本実施形態のブランクシートS2は、
図7に示すように、第1実施形態の差込穴24と部分的に形状の異なる差込穴24Aを備えており、その他の構成は第1実施形態のものと同様である。差込穴24Aにおいて、第1実施形態のものと同様の部分には同様の符号を付している。
【0052】
各差込穴24A,24Aは、端部フラップ21,21の各差込片23,23に対応して設けられている。各差込穴24A,24Aは、
図8に示すように、これを塞いでいる蓋部24e及び係止片24f1を押し込むことで開口する。
【0053】
係止片24f1は、第六破断線246の一部と、係止片折曲げ誘導線248と、第七破断線247とにより囲まれた部分である。係止片24f1は、差込穴24Aにおける側部フラップ22の先端部側(一端部側)の縁部(係止片折曲げ誘導線248)から差込穴24A内に向けて突出している。第六破断線246は、側部フラップ22の先端部側(一端部側)に向かって延在する延在部として機能している。
【0054】
係止片折曲げ誘導線248は、第七破断線247の一端側の側方おいて、第七破断線247に沿って形成されている。係止片折曲げ誘導線248は、切れ込みを断続的に形成したミシン目状の破断線により形成されている。なお、切れ込みの間隔や形状は、限定されるものではない。この場合、切れ込みの間隔や形状は、係止片24f1が側部フラップ22の内面側に折り曲げられる程度のものであればよい。また、係止片折曲げ誘導線248は、ミシン目状の破断線によらず、ブランクシートS2の表面(内面)を押し込んで形成された線状の溝(押罫)であってもよく、押罫にミシン目状の破断線を形成したものであってもよい。
【0055】
係止片折曲げ誘導線248の前端及び後端は、第六破断線246及び第七破断線247に接しておらず、これらから離間している。係止片折曲げ誘導線248は、差込方向X1に対して傾斜している。具体的に、係止片折曲げ誘導線248は、差込片24Aの差込方向X1に進むにつれて側部フラップ22の基端部側(下縁部L13側)に近づく(側部フラップ22の先端部側から離れる)。なお、係止片折曲げ誘導線248の前端及び後端が、第六破断線246及び第七破断線247にそれぞれ接するように構成してもよい。
【0056】
係止片折曲げ誘導線248の延長線と第六破断線246との交点P1は、第六破断線(延在部)246の途中部分に位置している。つまり、第六破断線246は、交点P1を越えて側部フラップ22の先端部側(一端部側)に延在する一端延在部246aを有している。なお、係止片折曲げ誘導線248は、全体的に傾斜しているものを示したが、これに限られず、係止片折曲げ誘導線248の一部が下縁部L13(L14)及び側部フラップ22の一端側の縁部に対して傾斜しているものであってもよい。
【0057】
本実施形態では、第1実施形態で説明した係止片24fよりも面積の大きい係止片24f1を有している。これにより、係止片24f1に対して強度をもたせることができる。
また、係止片24f1を折り曲げる際に、第六破断線246とともに、係止片折曲げ誘導線248の交点P1よりも一端側となる第六破断線246の一端延在部246aが切り離されるので、係止片24f1の対向縁部24dが側部フラップ22の内面側に露出し易い。したがって、差込片23の係止部27の縁部27bが、係止片24f1の対向縁部24dに当接し易い。
また、一端延在部246aを備えることで、係止片24f1を折り曲げる際の折り曲げ易さも向上する。
【0058】
(第3実施形態)
次に、
図9,
図10を参照して第3実施形態の包装箱について説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
図10は、第3実施形態に係る包装箱の両側部フラップを示した下面図である。
本実施形態のブランクシートS3は、
図9に示すように、差込穴開口部としてのスリット24nが形成された差込穴24A1を備えており、その他の構成は第2実施形態のものと同様である。差込穴24A1において、第2実施形態のものと同様の部分には同様の符号を付している。
【0059】
ブランクシートS3は、段ボール製のシートを切り抜いたものであり、各罫線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図9に示すブランクシートS3は内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートS3の各罫線(折線)は、ブランクシートS3の表面を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。なお、罫線に切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートS3が折り曲げ易くなる。
【0060】
差込穴24A1は、端部フラップ21の差込片23に対応して設けられている。ブランクシートS3の状態において、差込穴24A1は、蓋部24p及び係止片24f1で塞がれることのないスリット24nを備えている。差込穴24A1は、蓋部24p及び係止片24f1を押し込むことで全体が開口する。なお、包装箱の状態において、各差込穴24A1,24A1の開口は、差し込まれた差込片23,23により閉じられている。
【0061】
蓋部24pは、
図10に示すように、折曲げ誘導線241と、第三破断線244の一部と、先端縁部241aと、第七破断線247の一部と、で囲まれた部分である。蓋部24pは、差込片23の差込方向X1の手前側から差込方向X1の奥側に延在している。
【0062】
スリット24nは、先端縁部241aと、第三破断線244の一部と、第五破断線245と、第六破断線246の一部と、第七破断線247の一部と、で囲まれた横長形状の開口である。なお、スリット24nは、差込穴24A1の少なくとも一部に形成されていればよく、開口の大きさや開口の形状は種々設定することができる。
【0063】
本実施形態では、差込片23を差込穴24A1に差し込む際には、差込穴24A1のスリット24nを利用して差込片23を挿入することができる。スリット24nを通じて差込片23を挿入すると、差込片23に押されて、各破断線244の一部,247の一部が破断されるとともに、折曲げ誘導線241で山折りされて蓋部24pが側部フラップ22の内面側(胴部10内)に折り曲げられる。また、これと同時に、差込片23に押されて、係止片折曲げ誘導線248で山折りされて係止片24f1が側部フラップ22の内面側に折り曲げられる。これによって、差込穴24A1の全体が開口する。
【0064】
本実施形態においても、差込片23を差込穴24A1に差し込むと、差込穴24A1の係止片24f1の対向縁部24dに対して差込片23の係止部27の縁部27b(
図5参照)が当接する。この当接によって、差込片23の差込方向X1と反対方向に差込片23が移動することが規制される。つまり、差し込み後に、外力が作用して差込方向X1と反対方向に差込片23が引っ張られても、当接状態が維持され易く、差込片23が抜け難い。したがって、胴部10の開口部の閉状態を好適に維持することができる。
【0065】
また、差込穴24A1にスリット24nが形成されているので、スリット24nを利用して差込片23を差込穴24A1に差し込むことができるので、差し込み作業が行い易い。
【0066】
(第4実施形態)
次に、
図11,
図12を参照して第4実施形態の包装箱について説明する。
図11は、本発明の第4実施形態に係る包装箱を前方右上から見た斜視図であり、
図12は、本発明の第4実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
第4実施形態の包装箱1Aは、
図11,
図12に示すように、隣り合う端壁11と側壁14との間及び隣り合う端壁12と側壁13との間に傾斜壁17,17をそれぞれ形成したものであり、胴部10を六角形の筒状としたものである。
【0067】
包装箱1Aは、
図12に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS4を各罫線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図12に示すブランクシートS4は内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートS4の各罫線(折線)は、ブランクシートS4の表面を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。なお、罫線に切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートS4が折り曲げ易くなる。
【0068】
この包装箱1Aでは、前記第2実施形態において説明した差込穴24Aを備えている。なお、差込穴24Aに代えて、第1実施形態で説明した差込穴24を採用することもできる。
【0069】
本実施形態の包装箱1Aにおいても、第1,第2実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、第1~第4実施形態において、差込片23と差込穴24,24A,24A1との開口縁部との係合は、前端壁11側や後端壁12側のいずれか一方あるいは左側壁13側や右側壁14側のいずれか一方にだけ設けてもよい。また、側部フラップ22と端部フラップ21とが重なる箇所のうち、少なくとも一箇所に設けたものであってもよい。
【0071】
また、第1~第4実施形態において、差込片23と差込穴24,24A,24A1とによるロック構造は、底壁20及び頂壁30の両方に設けたものを示したが、底壁20及び頂壁30のいずれか一方に設けたものであってもよい。
【0072】
また、差込片23と差込穴24,24A,24A1とによるロック構造は、例えば、通常のフラップを重ね合わせる構造を備えた包装箱や、アメリカンロック方式等のワンタッチで開口部を閉じることができる構造を備えた包装箱等、各種閉鎖構造に組み合わせて設けることも可能である。
【0073】
また、差込片23と差込穴24,24A,24A1とによるロック構造は、底壁20及び頂壁30で異なる組み合わせとすることができるし、前端壁11側と後端壁側とで異なる組み合わせとすることもできる。
【0074】
また、第1~第4実施形態において、差込片23の形状は、適宜の形状とすることができる。
また、第1,第2,第4実施形態において、差込穴24,24Aに差込穴開口部(蓋部24a,24eで閉じられない部分)を形成してもよい。なお、差込穴開口部の開口の大きさ、及び開口の形状は、種々設定することができる。また、第1~第4実施形態において、各蓋部部分を排除した構成としてもよい。
【0075】
また、係止片24f,24f1は、差込穴24,24A,24A1の一端側の縁部から差込穴24,24A,24A1内に突出して(張り出して)いればよく、対向縁部24dを備えるものであれば、種々の形状のものを採用できる。
また、対向縁部24dは、差込穴24,24A,24A1の開口縁部に接しているものに限られることはなく、差込穴24,24A,24A1の開口縁部に一部が接するものや当該開口縁部から離間して配置されるものであってもよい。
【0076】
また、図示はしないが、隣り合う端壁11,12と側壁13,14との間に傾斜壁17をそれぞれ形成して、胴部10を八角形の筒状に形成してもよい。また、傾斜壁17の形成位置を適宜変更することにより、五角形やその他の多角形の胴部10とすることも可能である。
【0077】
また、係止片折曲げ誘導線248は、側部フラップ22の基端部側の縁部に対して傾斜する部分を少なくとも一部有するものであってもよい。
【0078】
また、係止片24f1において、第七破断線247が切り離されることにより形成される側縁部は、少なくとも一部が曲線を有するものであってもよい。
【0079】
本実施形態の包装箱1,1Aは段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱を形成してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1,1A 包装箱
10 胴部
11 前端壁(端壁)
12 後端壁(端壁)
13 左側壁(側壁)
14 右側壁(側壁)
20 底壁
21 端部フラップ
22 側部フラップ
30 頂壁
23 差込片
24,24A 差込穴
24f,24f1 係止片
24n 差込穴開口部
25 中央片
26 突出部
27 係止部
246 第六破断線(延在部)
246a 一端延在部
248 係止片折曲げ誘導線(差込穴における側部フラップの先端部側の縁部)
S1~S4 ブランクシート
P1 交点
X1 差込方向
【手続補正書】
【提出日】2023-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後の端壁及び左右の側壁を有する胴部と、
前記胴部の下側開口部を閉じている底壁と、
前記胴部の上側開口部を閉じている頂壁と、を有し、
前記底壁及び前記頂壁の少なくとも一方は、前記両端壁の縁部にそれぞれ連設された前後の端部フラップと、前記両側壁の縁部にそれぞれ連設された左右の側部フラップと、を備え、
前記両端部フラップは、前記両側部フラップの外面に重ねられており、
前記両側部フラップには、前記側部フラップの基端部側から前記側部フラップの先端部側に延在する差込穴が形成されており、
前記両端部フラップの先端部には、左右2つの差込片と、前記両差込片の間に配置された中央片と、が形成されており、
前記差込片は、前記差込穴に差し込まれるとともに、
前記中央片は、前記両側部フラップの外面に重ねられており、
前記差込片には、前記側部フラップの先端部に向けて突出する係止部が形成されており、
前記中央片の左右の両側には、前記左右の差込片の最内端よりも外側に突出する突出部が形成されており、
前記突出部は、前記係止部よりも前記端部フラップの基端部側に配置されており、
前記差込穴は、前記側部フラップの先端部側において、前記差込片の差し込み方向に沿って延在する縁部を備えており、
前記両側部フラップには、前記縁部から前記差込穴内に向けて突出する係止片が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記差込穴の前記縁部に形成され、前記側部フラップの内面側に前記係止片を折り曲げるための係止片折曲げ誘導線を備え、
前記係止片折曲げ誘導線は、前記差込片の差込方向に対して傾斜しており、前記差込片の差込方向に進むにつれて前記側部フラップの基端部に近づくことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
ブランクシートの状態において、前記差込穴には、差込穴開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項4】
前記差込穴を区画する破断線と、前記差込穴の前記縁部に形成され、前記側部フラップの内面側に前記係止片を折り曲げるための係止片折曲げ誘導線と、を備え、
前記破断線は、前記側部フラップの先端部側に向かって延在する延在部を備えており、
前記延在部の途中部分に、前記係止片折曲げ誘導線または前記係止片折曲げ誘導線の延長線との交点が位置することを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するため本発明の包装箱は、前後の端壁及び左右の側壁を有する胴部と、前記胴部の下側開口部を閉じている底壁と、前記胴部の上側開口部を閉じている頂壁と、を有し、前記底壁及び前記頂壁の少なくとも一方は、前記両端壁の縁部にそれぞれ連設された前後の端部フラップと、前記両側壁の縁部にそれぞれ連設された左右の側部フラップと、を備えている。前記両端部フラップは、前記両側部フラップの外面に重ねられている。前記両側部フラップには、前記側部フラップの基端部側から前記側部フラップの先端部側に延在する差込穴が形成されている。前記両端部フラップの先端部には、左右2つの差込片と、前記両差込片の間に配置された中央片と、が形成されている。前記差込片は、前記差込穴に差し込まれ、前記中央片は、前記両側部フラップの外面に重ねられている。前記差込片には、前記側部フラップの先端部に向けて突出する係止部が形成されている。前記中央片の左右の両側には、前記左右の差込片の最内端よりも外側に突出する突出部が形成されている。前記突出部は、前記係止部よりも前記端部フラップの基端部側に配置されている。前記差込穴は、前記側部フラップの先端部側において、前記差込片の差し込み方向に沿って延在する縁部を備えている。前記両側部フラップには、前記縁部から前記差込穴内に向けて突出する係止片が形成されている。