(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058491
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】骨組み型熱交換器
(51)【国際特許分類】
B60K 11/04 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B60K11/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165900
(22)【出願日】2022-10-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】594126377
【氏名又は名称】土橋 義英
(72)【発明者】
【氏名】土橋 義英
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AA10
3D038AB03
3D038AC02
3D038AC03
(57)【要約】
【課題】本発明は、冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えた熱交換装置を車両の荷物室の骨組みとして利用することを特徴とする骨組み型熱交換器を提供する。
【解決手段】
冷媒を循環させる
垂直方向に設けられたパイプ
と、熱伝導率の高い素材で作られ
、パイプに交差するように水平方向にのびる放熱板とを備えた熱交換器を車両の荷物室の骨組みとして利用
し、且つ前記車両の荷物室の前方に吸気口を備え、前記車両の荷物室の後方に排気口を備えることを特徴とするものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えた熱交換器を車両の荷物室の骨組みとして利用することを特徴とする骨組み型熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えた熱交換器を車両の荷物室の骨組みとして利用することを特徴とする骨組み型熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用熱交換器の技術としては、車両のドアに設置したり車両の天井に設置したりする方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願 平1-63710
【特許文献2】特願 平2-339185
【特許文献3】特願 2002-377994
【特許文献4】特願 2005-20999
【特許文献5】特願 2022-137366
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年車両のEV化が進んだが、モーターやバッテリーなどは発熱により性能が低下してしまう問題がある。それらを冷却するためには熱交換器を大型にすればよいが、重量増加による走行性能が低下してしまう問題が出て来る。本発明は車両搭載の機器類が発する熱を冷却し、且つ熱交換装置自体が車両の荷物室の骨組みを担うことによって熱交換装置を搭載することによる重量増を軽減することが出来る骨組み型熱交換器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、車両用横転防止装置において請求項1に係るものは、冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えた熱交換器を車両の荷物室の骨組みとして利用することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されており、以下に記載されるような効果を有する。 請求項1に係る仕組みを用いた場合、熱交換器に車両の荷物室の骨組みの役割を持たせることで、大型の熱交換器を搭載することによる重量増を軽減させることができる。
【0007】
冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えることで格子状の構造体を作り、前後方向、上下方向、左右方向からの過重を担わせる。この格子状の構造体を車両の荷物室の骨組みとして利用することにより、熱交換器を設置することによる重量の増加を軽減させる。車両の荷物室と限定している理由は人が乗車するキャビン部分には、ドアや窓の占める割合が高く設置に適さないからである。
【0008】
特許文献2は、放熱板を車両の屋根の上に設置する仕組みであり、車両の骨組みを担っていないことが特許文献2の
図1と
図4から見て取れ本発明と異なることが分かる。
【0009】
特許文献3は、車両の外板をヒートパイプで冷やし車両の外板を放熱板として用いる仕組みであり、車両の骨格を担う仕組みではない。本発明の放熱板は骨組みとしてもちいるため、荷物室の外壁は板ではなく幕であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】発明を実施するための形態を示す斜視図である。
【
図2】発明を実施するための形態を示す斜視図である。
【
図3】発明を実施するための形態を示す断面図である。
【
図4】発明を実施するための形態を示す上面図である。
【
図5】発明を実施するための形態を示す断面図である。
【
図6】発明を実施するための形態を示す横面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態を
図1~
図6に基づいて説明する。
図1はトラックの荷物室(1)に骨組み型熱交換器を用いたものである。既存の荷物室と異なり、荷物室(1)前面の上部と左右に吸気口が設けられており、吸気口は網面(2)で覆われている。
【0012】
図2は
図1の荷物室(1)から網面(2)や荷物室の外壁(5)を外したもので、荷物室(1)の内部構造を表した斜視図である。荷台(4)の上に荷物室の内壁(6)で囲われた空間があり、荷物室の内壁(6)の外側には支柱(8)が立てられ、支柱(8)には多数の放熱板(7)や桁(9)が設けられている。
【0013】
図3は荷物室(1)の上部の断面図である。梁(10)の左右と中央に桁(9)の設けられている。梁(10)には多数の上面の放熱板(7c)が設けられている。そして、上は荷物室の外壁(5)で覆われ、下は荷物室の内壁(6)で覆われている。上面の放熱板(7c)が荷物室の外壁(5)に接触していないのは、太陽光にさらされる外壁からの影響を避けるためである。桁(9)は荷物室の外壁(5)や荷物室の内壁(6)を保持する役目がある。桁(9)は断熱性の素材を用いるか、荷物室の外壁(5)との間に断熱素材を挟んだ方がよい。網面(2)から吸入された空気が荷物室の外壁(5)と荷物室の内壁(6)の隙間を流れることにより、上面の放熱板(7c)から熱を奪う。上面の放熱板(7c)に熱を伝えるために梁(10)を、冷媒を流すパイプとして用いる。
【0014】
図4は荷物室(1)から荷物室の外壁(5)を外した上面図である。左右と中央に配置された桁(9)の間に梁(10)が設けられ、梁(10)には多数の上面の放熱板(7c)が設けられている。
【0015】
図5は荷物室(1)の側面の断面図である。荷台(4)の上に支柱(8)が立てられており、支柱(8)には多数の左側面の放熱板(7a)と桁(9)が設けられている。網面(2)から吸入された空気が荷物室の外壁(5)と荷物室の内壁(6)の隙間を流れることにより、左側面の放熱板(7a)から熱を奪う。左側面の放熱板(7a)に熱を伝えるために支柱(8)を、冷媒を流すパイプとして用いる。
【0016】
図6は荷物室(1)から荷物室の外壁(5)を外した側面図である。荷台(4)の上に支柱(8)が立てられており、支柱(8)には多数の左側面の放熱板(7a)と桁(9)が設けられている。
【実施例0017】
実施例1を
図7を基に説明する。
図7は
図2から荷物室の内壁(6)と放熱板(7)を外した図である。荷台(4)の上に6本の支柱(8)が設けられ、左右の支柱(8)は梁(10)により連結されている。また、支柱(8)は梁(10)には桁(9)が設けられている。
【0018】
実施例2を
図8を基に説明する。
図8は支柱や梁を冷媒を流すパイプとして用いるための方法を示した斜視図である。圧縮機および減圧機格納部(11)からフレーム兼冷媒パイプ(12)が直方体を形作るように伸びて、再び圧縮機および減圧機格納部(11)に戻っている。また、圧縮機および減圧機格納部(11)からは冷媒パイプ(13)が伸びており、バッテリーやエンジンなどで発生した熱を回収するのに用いる。
【0019】
実施例3を
図9を基に説明する。
図9において、圧縮機および減圧機格納部(11)から伸びるフレーム兼冷媒パイプ(12)は左右に分岐し、それぞれのフレーム兼冷媒パイプ(12)には左側面の放熱板(7a)と右側面の放熱板(7b)が多数設けられている。また、それぞれのフレーム兼冷媒パイプ(12)は前方から後方へ上下を繰り返して伸ばされている。そして後方に達したフレーム兼冷媒パイプ(12)は圧縮機および減圧機格納部(11)に戻る。上面の部分の記載は省略している。また、上面は直射日光に最も晒される部分なので熱交換器を設けるのは荷物室の左右の側面だけでもよい。
【0020】
実施例4を
図10を基に説明する。
図10は上面図である。荷物室(1)前方両側には吸気口(14)が設けられ、後方両側には排気口(15)が設けられている。またキャビン(3)は吸気口(14)の吸気の妨げにならないような形状が望ましい。吸気口(14)や排気口(15)には虫などが入らないように網を張った方がよい。
【0021】
実施例5を
図11を基に説明する。実施例5は荷物室の上面に太陽光発電パネル(16)を設けたものである。
図11は圧縮機および減圧機格納部(11)の加圧された冷媒の排出口(17)からフレーム兼冷媒パイプ(12)が、多数の右側面の放熱板(7b)を経由して前方から後方へ上下を繰り返して伸ばされた後、多数の左側面の放熱板(7a)を経由して後方から前方へ上下を繰り返して前方に戻り、加圧された冷媒の吸入口(18)に接続される。また、減圧された冷媒の排出口(19)から伸びるフレーム兼冷媒パイプが太陽光発電パネル(16)を経由して減圧された冷媒の吸入口(20)に接続される。太陽光発電パネルは温度が高くなると発電効率が下がるため冷却を行う。
【0022】
実施例6を
図12を基に説明する。梁(10)の左右と中央に桁(9)が設けられている。梁(10)には多数の上面の放熱板(7c)が設けられている。そして、上は太陽光発電パネル(16)で覆われ、下は荷物室の内壁(6)で覆われている。
図3との違いは太陽光発電パネル(16)を冷却するために、太陽光発電パネル(16)と上面の放熱板(7c)を接触させていることである。太陽光発電パネル(16)は冷媒を用いての冷却ではなく、放熱板(7c)のみで冷却してもよい。
本発明は、冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えた熱交換器を車両の荷物室の骨組みとして利用することを特徴とする骨組み型熱交換器に関するものである。
近年車両のEV化が進んだが、モーターやバッテリーなどは発熱により性能が低下してしまう問題がある。それらを冷却するためには熱交換器を大型にすればよいが、重量増加による走行性能が低下してしまう問題が出て来る。本発明は車両搭載の機器類が発する熱を冷却し、且つ熱交換装置自体が車両の荷物室の骨組みを担うことによって熱交換装置を搭載することによる重量増を軽減することが出来る骨組み型熱交換器を提供するものである。
本発明は、以上説明したように構成されており、以下に記載されるような効果を有する。 請求項1に係る仕組みを用いた場合、熱交換器に車両の荷物室の骨組みの役割を持たせることで、大型の熱交換器を搭載することによる重量増を軽減させることができる。
冷媒を循環させるパイプに熱伝導率の高い素材で作られた板を備えることで格子状の構造体を作り、前後方向、上下方向、左右方向からの過重を担わせる。この格子状の構造体を車両の荷物室の骨組みとして利用することにより、熱交換器を設置することによる重量の増加を軽減させる。車両の荷物室と限定している理由は人が乗車するキャビン部分には、ドアや窓の占める割合が高く設置に適さないからである。
特許文献3は、車両の外板をヒートパイプで冷やし車両の外板を放熱板として用いる仕組みであり、車両の骨格を担う仕組みではない。本発明の放熱板は骨組みとしてもちいるため、荷物室の外壁は板ではなく幕であっても構わない。