(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058500
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240418BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240418BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240418BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 H
G08G1/13
G08G1/09 F
G01C21/34
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165912
(22)【出願日】2022-10-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡原 昌之
(72)【発明者】
【氏名】吉井 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】田代 丈晴
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD20
2F129DD53
2F129EE09
2F129EE52
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF57
2F129FF72
2F129HH12
5H181AA27
5H181EE08
5H181EE12
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF32
5H301AA03
5H301AA10
5H301BB14
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD07
5H301DD15
5H301FF11
5H301GG09
5H301HH01
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK09
(57)【要約】
【課題】イベント発生時または発生が予測される場合における自律走行型ロボットの迅速な走行ルートの変更を支援することができる。
【解決手段】管理サーバ30は、外部情報を収集する情報収集部333と、自律走行するロボットを制御する制御サーバから、ロボットの現在位置または走行ルートを受信する取得部と、外部情報を基に、イベントの発生と該イベントが発生するイベント発生エリアを検知するイベント発生検知部334と、ロボットの現在位置または走行ルートを基に、イベント発生エリアに位置する、または位置すると予測されるロボットを特定する対象ロボット特定部335と、収集した外部情報とマップ情報とを基に、イベント発生エリアに位置する、または位置すると予測されるロボットごとに、新規走行ルートを判定する新規走行ルート判定部336と、新規走行ルートを端末装置にレコメンドする新規走行ルートレコメンド部337とを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外及び屋内を自律走行するロボットが走行する各エリアのマップ情報を記憶する記憶部と、
外部情報を収集する収集部と、
前記ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する取得部と、
前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアを検知する検知部と、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する特定部と、
前記外部情報と前記マップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、新規走行ルートに関する情報を判定する判定部と、
前記新規走行ルートに関する情報を端末装置にレコメンドするレコメンド部と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記ロボットが前記走行ルートに関する情報を保持しない場合には、前記現在位置に基づき、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボットを特定し、
前記ロボットが前記走行ルートに関する情報を保持する場合には、前記イベント発生エリアに含まれる前記走行ルートを保持する前記ロボットを特定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記外部情報は、前記各エリアにおける災害に関する情報と、前記ロボットが取得する情報と、人流に関する情報と、気象に関する情報と、交通に関する情報のいずれか1つまたは複数と、に基づくイベント発生予測結果を含み、
前記判定部は、前記イベント発生予測結果が示す前記イベントを回避する前記新規走行ルートに関する情報を判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記イベント発生エリアに位置するロボット間で異なる新規走行ルートに関する情報を判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
管理装置が実行する管理方法であって、
外部情報を収集する工程と、
ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する工程と、
前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアを検知する工程と、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する工程と、
前記外部情報とマップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、新規走行ルートに関する情報を判定する工程と、
前記新規走行ルートに関する情報を端末装置にレコメンドする工程と、
を備えることを特徴とする管理方法。
【請求項6】
管理装置が実行する管理プログラムであって、
外部情報を収集するステップと、
ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信するステップと、
前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアを検知するステップと、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定するステップと、
前記外部情報とマップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、新規走行ルートに関する情報を判定するステップと、
前記新規走行ルートに関する情報を端末装置にレコメンドするステップと、
を備えることを特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人手不足に対応するため、自律走行型のロボットが開発されている。自律走行型のロボットは、屋内や、屋外を走行することで、物品配送、警備、案内、清掃、人の移乗等を実施する。
【0003】
この自律走行型のロボットの走行エリアは、遠隔操作及び複数台同時制御によって、一施設の内部及び該施設周辺のエリアに限らず、複数施設間及びその周辺のエリアや、複数エリア及びそのエリア間の往来まで、拡大が検討されている。
【0004】
各ロボットは、例えば、それぞれのロボットオペレータによって、タスク及び走行ルートが設定され、ロボット事業者の制御サーバに、走行を制御されることで、自律走行を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-078618号公報
【特許文献2】特開2019-079247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、ロボットが走行するエリアで何らかのイベント(例えば、催事等によるエリア規制、交通規制、ゲリラ豪雨等の気象変動等、ロボットの自律走行に干渉もしくは干渉する可能性がある事象全般のことで、以降は単に「イベント」と表記)の発生時または発生が予測される場合において、各ロボットオペレータは、イベントが発生するエリアで走行する各ロボットの走行ルートの変更、走行の取りやめの判断、走行のタイミングの変更(例えば、タイミングを早めたり、遅くしたりする等)を行う必要がある。この場合、例えば、各ロボットオペレータは、外部情報等を用いてイベントに関する情報を収集し、イベント発生エリアに位置するロボットの走行ルートを新規走行ルート(発生イベントを回避するような走行ルートであり、以降は単に「新規走行ルート」と表記)に書き換えて、ロボットにイベントを回避させなくてはならない。他方で、各ロボットオペレータは、ロボットがイベント発生の影響を受けないと判断した場合には、走行ルートを変更せず、通常運行(通常の走行)を行う必要がある。
【0007】
ロボット台数及びエリア拡大に伴い、ロボットオペレータが管理するエリアやロボットの台数が増加する中、ロボットオペレータは、イベントの発生時には迅速に各ロボットの走行ルートを変更させなくてはならない。このため、イベント発生時におけるロボットオペレータの処理負担が非常に高くなり、ロボットの迅速な走行ルートの変更が難しいことも考えられる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、イベント発生および発生予測時に、自律走行型ロボットの走行判断や走行ルートへの影響を把握することができる情報を提供することができる、管理装置、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の管理装置は、屋外及び屋内を自律走行するロボットが走行する各エリアのマップ情報を記憶する記憶部と、外部情報を収集する収集部と、前記ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する取得部と、前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアを検知する検知部と、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する特定部と、前記外部情報と前記マップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、新規走行ルートに関する情報を判定する判定部と、前記新規走行ルートに関する情報を端末装置にレコメンドするレコメンド部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、イベント発生時における自律走行型ロボットの迅速な走行ルートの変更を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態における管理システムの概略を説明する図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す制御サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、エリアのマップ図の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、事故発生による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、事故発生による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、事故発生による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、事故発生による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、気象予報による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、気象予報による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、気象予報による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、気象予報による走行制限時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、気象予報による走行制限解除時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、気象予報による走行制限解除時における
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施の形態に係る管理方法の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図17】
図17は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムが限定されるものではない。
【0013】
[実施の形態]
以下の実施の形態では、実施の形態に係る管理装置及び管理方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0014】
図1は、実施の形態における管理システムの概略を説明する図である。
図2は、実施の形態における管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1,2に示すように、実施の形態における管理システムは、屋外及び屋内を自律走行するロボット10A-1,10A-2,10B-1,10B-2を制御する制御サーバ20A,20B(制御装置)と、ロボット制御に関する情報を提供する管理サーバ30(管理装置)とを有する。
【0016】
実施の形態における管理システムにおいて、複数の制御サーバ20A,20Bが、無線通信等を用いて、自律走行型のロボット10A-1,10A-2,10B-1,10B-2を制御する。
【0017】
なお、
図1,2に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。また、ロボット10A-1,10A-2,10B-1,10B-2を総称する場合、ロボット10と記載する。ロボット10A-1,10A-2を総称する場合、ロボット10Aと記載する。ロボット10B-1,10B-2を総称する場合、ロボット10Bと記載する。また、制御サーバ20A,20Bを総称する場合、制御サーバ20と記載する。
【0018】
制御サーバ20Aは、ロボット事業者Aのロボット制御システムに従って、ロボット10Aの自律走行を制御する。制御サーバ20Bは、ロボット事業者Bのロボット制御システムに従って、ロボット10Bの自律走行を制御する。制御サーバ20は、例えば、ロボットオペレータの操作を介して、制御対象の各ロボット10のタスク及び走行ルートを設定する。なお、前述のロボットオペレータの操作として、ロボットオペレータ(人間)は、端末装置等を操作して制御対象の各ロボット10のタスク及び走行ルートを設定する。
【0019】
ロボット10は、制御サーバ20の制御に従って、複数施設間及びその周辺のエリアを含む複数のエリアE1-1~E1-3や、エリアE1-1~E1-3間の往来を走行し、物品配送、警備、案内、清掃、人の移乗等のタスクを実施する。
【0020】
ロボット10は、例えば、制御サーバ20との間で通信を行う通信部と、自律走行を可能とする走行機能とを有する。また、ロボット10は、周囲の障害物感知を行う各種センサと、ユーザによる操作入力の受け付けや音声或いは画像情報を出力するタッチパネル、マイク、スピーカー等の入出力部とを有する。ロボット10は、例えば、撮像装置を有し、ロボット10の周囲を撮像してもよい。ロボット10は、センサによる検出結果、撮像装置が撮像した画像、ユーザによって入力された各種情報を、通信部を介して制御サーバ20に送信する。
【0021】
ロボット10は、制御サーバ20によって設定された走行ルートに従って走行し、制御サーバ20によって設定されたタスクを実行する。なお、ロボット10の現在位置は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、制御サーバ20が特定可能であってもよい。
【0022】
プラットフォーマの管理サーバ30は、端末装置90に、ロボット制御に関する情報を提供する。管理サーバ30は、各制御サーバ20から、ロボット10の現在位置または走行ルートの提供を受ける。走行ルートには、この走行ルートの走行期間も付与される。また、管理サーバ30は、各制御サーバ20から、ロボット10から制御サーバ20に送信された各種情報の提供を受けてもよい。
【0023】
そして、管理サーバ30は、通信ネットワークを介して接続する、外部の各種サーバから外部情報を収集する。管理サーバ30は、収集した情報を基に、ロボット制御に関する情報を端末装置90に提供する。
【0024】
外部のサーバとして、例えば、災害予測サーバ40、センサ管理サーバ50、人流予測サーバ60、外部サーバ70、立入禁止エリア情報サーバ80、があってもよい。
【0025】
災害予測サーバ40は、気象庁、地方公共団体、或いは、民間企業等に設置されたサーバであり、地震、津波、竜巻、噴火の発生を予測し、特別警報・警報・注意報、防災情報を公表する。また、災害予測サーバ40は、気象庁等が公表する気象情報(降水確率や、記録的短時間大雨情報等)に基づいて、当該エリアにおける降水確率やゲリラ豪雨等の発生情報を予測し、公表する。
【0026】
センサ管理サーバ50は、ロボット走行エリアに設置された各種センサの検出動作を管理し、各種センサによる検出結果を収集する。各種センサとして、各所に設置された防犯カメラ、人感センサ、温度センサ等がある。
【0027】
人流予測サーバ60は、モバイルデータ、防犯カメラによる画像、交通機関利用情報、センサ(例えば、人感センサ)の検出結果等を基に、予測対象エリアの予測対象期間における人流を予測する。
【0028】
外部サーバ70は、ニュース記事、ブログ記事、SNS(Social Networking Service)記事等を公表するサーバである。
【0029】
立入禁止エリア情報サーバ80は、行政や施設管理者、催事運営者等が発表する該当エリア内における催事情報、事故発生情報、工事情報、交通規制情報等に基づき、ロボットが立ち入ることができないエリアの発生を立入禁止エリアとして予測し、公表するサーバである。なお、立入禁止エリア情報サーバ80は、立入禁止エリアを予測するために、前述した情報に限定されずその他の情報を用いてよい。
【0030】
管理サーバ30は、外部の各種サーバから外部情報を収集し、イベント発生を検知した場合、イベント発生エリアに位置するロボット10の新規走行ルートを、端末装置90にレコメンドする。なお、管理サーバ30は、新規走行ルートの代わりに、立入禁止エリア等を端末装置90にレコメンドしてもよい。なお、管理サーバ30から送信された情報を出力し、管理サーバ30に対する操作を受け付ける端末装置90、および制御サーバ20に対してロボット10の走行ルートの変更指示を実施できる端末装置90が設けられる。また、端末装置90は、ロボット事業者ごとに複数に設けられてもよい。
【0031】
制御サーバ20は、ロボットオペレータが操作する端末装置90から入力される情報に基づいて、各ロボットの新規走行ルート等を設定する。例えば、ロボットオペレータは、各ロボット10の走行ルートを、管理サーバ30によってレコメンドされた新規走行ルートにそれぞれ書き換えて、ロボット10の走行ルートを変更する。このように、管理サーバ30は、イベント発生時における自律走行型ロボットの迅速な走行ルートの変更を支援する。なお、ロボットオペレータが操作する端末装置90は、ロボット事業者ごとに独立した端末装置として設けてもよい。
【0032】
[制御サーバ]
制御サーバ20について説明する。
図3は、
図2に示す制御サーバ20の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御サーバ20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を有していてよい。なお、制御サーバ20には、マウス、キーボード等の入力デバイスや、ディスプレイ、スピーカー等の出力デバイスが接続されてよい。
【0033】
通信部21は、各種情報に関する通信を制御してよい。例えば、通信部21は、ロボット10との間で行われる通信、及び、管理サーバ30との間で行われる通信を制御してよい。通信部21は、タスク及び走行ルートの設定指示と、走行制御情報とを、ロボット10に送信して、ロボット10の走行及びタスク実行を制御してよい。また、通信部21は、ロボット10が取得した情報を受信してよい。通信部21は、ロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを管理サーバ30に送信してよい。
【0034】
記憶部22は、制御部23による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納してよい。例えば、記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などであってよい。記憶部22は、ロボット情報221、マップ情報222、タスク記憶部223、走行ルート情報224及びロボット位置情報225を有していてよい。
【0035】
ロボット情報221は、制御サーバ20が制御する各ロボットの識別情報、種別、実行可能タスクを含む情報であってよい。
【0036】
マップ情報222は、記憶部22が記憶する屋外及び屋内を自律走行するロボットが走行する各エリアのマップ情報であってよい。例えば、マップ情報222は、エリアE1-1~E1-3のマップ、及び、エリアE1-1~E1-3間の往来のマップを含むマップ情報である。マップ情報222は、予め取得され、各種センサ情報やロボット10からの送信情報等を基に、適宜更新されてよい。マップ情報222は、各エリアE1-1~E1-3の施設、施設内及び施設周辺のロボット10走行可能領域、エリアE1-1~E1-3間のロボット10走行可能領域が地図上に重畳されてよい。なお、ロボット10は、屋外及び屋内を走行可能であってよい。
【0037】
タスク記憶部223は、各ロボット10により実行されたタスクの履歴情報を記憶してよい。また、タスク記憶部223には、各ロボット10が実行中であるタスクについても、タスク設定部231(後述)によって登録されてよい。タスクとして、物品配送、警備、案内、清掃、人の移乗等があり、タスク記憶部223は、ロボット10の識別情報、タスクの識別情報、タスク実行期間等を記憶してよい。
【0038】
走行ルート情報224は、ロボット10の走行ルートを示す情報であってよい。走行ルートは、例えば、エリア、タスク、及び/または、ロボット10の種別に応じて、代表的な複数のルートが予め設定され、走行状況に応じて適宜修正或いは追加されてよい。走行ルート情報224には、走行ルート設定部232(後述)が設定した各ロボット10に対する各走行ルートも登録されてよい。
【0039】
ロボット位置情報225は、ロボット10の識別情報、ロボット10の位置及び位置検出時刻を対応付けた情報であってよい。
【0040】
制御部23は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行してよい。ここで、制御部23は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路であってよい。
【0041】
制御部23は、タスク設定部231、走行ルート設定部232、ロボット位置取得部233、走行制御部234、ロボット情報送信制御部235を有してよい。
【0042】
タスク設定部231は、例えば、利用者からのサービス提供の要求を受け付けると、実行対象のタスクを設定し、このタスクを実行するロボット10を選定してよい。
【0043】
走行ルート設定部232は、タスク設定部231が選定したロボット10に対し、タスクに応じた走行ルートを設定してよい。走行ルート設定部232は、ロボットオペレータの操作に応じて、予め設定されたルートのいずれかを走行ルートとして選択してよい。或いは、走行ルート設定部232は、ロボットオペレータの操作に応じて、予め設定されたルートを修正したルートを設定してよい。
【0044】
ロボット位置取得部233は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、制御対象の各ロボット10の現在位置を取得してよい。ロボット位置取得部233は、ロボット10の識別情報に、ロボット10の位置及び位置検出時刻を対応付けて、記憶部22に格納してよい。
【0045】
走行制御部234は、制御対象のロボット10の走行を制御することによって、走行ルート設定部232によって設定された走行ルートに従って、制御対象のロボット10を走行させてよい。
【0046】
ロボット情報送信制御部235は、通信部21を介して、制御対象の各ロボット10に関する情報を管理サーバ30に送信してよい。ロボット情報送信制御部235は、制御対象の各ロボット10の識別情報とともに、各ロボット10の現在位置または各ロボット10の走行ルートを管理サーバ30に送信してよい。ロボット情報送信制御部235は、制御対象の各ロボット10の現在位置と、各ロボット10の走行ルートとの双方を管理サーバ30に送信してもよい。ロボット情報送信制御部235は、制御対象のロボット10のタスク、ロボット10から受信した情報を管理サーバ30に送信してもよい。
【0047】
[管理サーバ]
次に、
図2に示す管理サーバ30について説明する。
図4は、
図2に示す管理サーバ30の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、管理サーバ30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を有する。なお、管理サーバ30には、マウス、キーボード等の入力デバイスや、ディスプレイ、スピーカー等の出力デバイスが接続される。
【0048】
通信部31は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信部31は、外部の各サーバとの間で行われる通信、及び、管理サーバ30との間で行われる通信を制御する。通信部31は、制御サーバ20から、制御対象のロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを受信する。また、通信部31は、制御サーバ20から、制御対象のロボット10が取得した情報を受信する。また、通信部31は、外部のサーバから、イベント発生を予測、推定するための情報である外部情報を受信する。
【0049】
記憶部32は、制御部33による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部32は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部32は、ロボット情報321、マップ情報322、タスク記憶部323、走行ルート情報324、ロボット位置情報325、災害情報326、センサ情報群327、人流予測情報328、外部情報群329及び立入禁止エリア情報群330、を有する。
【0050】
ロボット情報321は、制御サーバ20の識別情報と、制御サーバ20が制御する各ロボットの識別情報とを対応付けて登録された情報である。制御サーバ20から、ロボット10の種別、実行可能タスクが提供された場合、ロボット情報321には、各ロボットの識別情報に対応付けて、ロボット10の種別、実行可能タスクが登録される。
【0051】
マップ情報322は、各エリアE1-1~E1-3のマップ、及び、エリアE1-1~E1-3間の往来のマップを含むマップ情報である。マップ情報322は、各エリアE1-1~E1-3の施設、施設内及び施設周辺のロボット10走行可能領域、エリアE1-1~E1-3間のロボット10走行可能領域が地図上に重畳される。マップ情報322は、例えば、制御サーバ20から提供される。
【0052】
タスク記憶部323は、制御サーバ20から、ロボット10のタスクに関する情報が提供された場合、ロボット10の識別情報に、タスク及びタスク実行期間等を対応付けて記憶する。
【0053】
走行ルート情報324は、制御サーバ20から提供を受けた、ロボット10の走行ルートを示す情報である。走行ルート情報324には、ロボット10の識別情報と、該ロボット10の走行ルートとが対応付けられる。走行ルートには、この走行ルートの走行期間も付与される。
【0054】
ロボット位置情報325は、制御サーバ20から提供を受けた、ロボット10の現在位置を示す情報である。ロボット位置情報325には、ロボット10の識別情報、ロボット10の位置及び位置検出時刻が対応付けられる。
【0055】
災害情報326は、例えば、災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報であり、発生が予測される災害の種別、災害の度合い、発生時刻、発生期間を含む。さらに、災害情報326は、該当エリアの降水確率やゲリラ豪雨発生状況等に関する情報を含む。災害情報326は、例えば、災害予測サーバ40から受信した情報に含まれる。
【0056】
センサ情報群327は、センサ管理サーバ50から受信した、ロボット走行エリアに設置された各種センサの検出結果を示す情報群である。センサ情報群327は、例えば、防犯カメラが撮像した画像、人感センサによる感知結果、温度センサによる検出温度等である。
【0057】
人流予測情報328は、人流予測サーバ60によって予測された、予測対象エリアの予測対象期間における人流を示す情報である。人流予測情報328は、イベント(例えば、催事の開催等)に関する情報を管理サーバ30が受信した場合に、管理サーバ30による人流予測サーバ60への予測要求によって、イベント発生エリアのイベント発生期間における人流予測情報を取得する。
【0058】
外部情報群329は、外部サーバ70が公表公開した各種記事およびSmartCityに関する情報である。これらの情報によって、行政や地方公共団体が保有する、イベントの発生状況を逐次認識できる場合がある。
【0059】
立入禁止エリア情報群330は、立入禁止エリア情報サーバ80が予測し、公表する情報で、行政や施設管理者、催事運営者等が発表する該当エリア内における催事情報や、事故発生情報、工事情報、交通規制情報等に含まれる。
【0060】
制御部33は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部33は、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。
【0061】
制御部33は、ロボット位置取得部331(取得部)、走行ルート取得部332(取得部)、情報収集部333(収集部)、イベント発生検知部334(検知部)、対象ロボット特定部335(特定部)、新規走行ルート判定部336(判定部)、及び、新規走行ルートレコメンド部337(レコメンド部)を有する。
【0062】
ロボット位置取得部331は、ロボット10を制御する制御装置である制御サーバ20から、ロボットの識別情報及びロボット10の現在位置を受信してもよい。ロボット位置取得部331は、取得したロボット10の現在位置をロボット位置情報325に登録する。
【0063】
走行ルート取得部332は、ロボット10を制御する制御装置である制御サーバ20から、ロボットの識別情報及びロボット10の走行ルートを受信してもよい。走行ルート取得部332は、取得したロボット10の走行ルートを走行ルート情報324に登録する。
【0064】
情報収集部333は、各種の外部情報を収集する。情報収集部333は、外部情報として、災害予測サーバ40から受信した災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報や気象に関する情報、センサ管理サーバ50から受信したロボット走行エリアに設置された各種センサの検出結果、人流予測サーバ60によって予測されたイベント発生エリアの人流予測情報、外部サーバ70が公表した各種記事、立入禁止エリア情報サーバ80が公表した催事運営者等が発表する該当エリア内における催事情報や、事故発生情報、工事情報、交通規制情報等、を収集する。
【0065】
情報収集部333は、ロボット10の周辺が走行可能か否かを判定するために、ロボット10が撮像した画像やロボット10のセンサが検出した検出結果を収集してもよい。
【0066】
イベント発生検知部334は、外部情報を基に、イベントの発生もしくはイベントの発生が予測されたかを判定する。そして、イベント発生検知部334は、外部情報を基に、イベントの発生と該イベントが発生するイベント発生エリアとイベントの発生が予測されるイベント発生期間とを検知する。イベント発生検知部334は、災害予測サーバ40から受信した災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報や気象に関する情報、センサ管理サーバ50から受信したロボット走行エリアに設置された各種センサの検出結果、人流予測サーバ60によって予測されたイベント発生エリアの人流予測情報、外部サーバ70が公表した各種記事、立入禁止エリア情報サーバ80が公表した催事運営者等が発表する該当エリア内における催事情報や、事故発生情報、工事情報、交通規制情報等に基づき、イベントの発生やイベント発生エリアを識別してもよい。
【0067】
対象ロボット特定部335は、ロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを基に、イベント発生エリアに位置するロボット10を、走行ルート変更対象のロボットとして特定する。対象ロボット特定部335は、制御サーバ20から提供を受けたロボット10の現在位置を基に、イベント発生検知部334が検知したイベント発生エリアに現在位置するロボット10またはイベント発生エリアに位置すると予測されるロボット10を特定する。また、対象ロボット特定部335は、制御サーバ20から提供を受けた、ロボット10の走行ルートを基に、イベント発生検知部334が検知したイベント発生エリアを、現在走行しているロボット10または走行すると予測されるロボット10を特定する。
【0068】
さらに、対象ロボット特定部335は、ロボット10が走行ルートに関する情報を保持しない場合には、ロボットの現在位置に基づき、イベント発生エリアに位置するロボットを特定する。また、対象ロボット特定部335は、ロボット10が走行ルートに関する情報を保持する場合には、イベント発生エリアに含まれる走行ルートを保持するロボット10を特定する。
【0069】
新規走行ルート判定部336は、情報収集部333が収集した外部情報と、マップ情報322とを基に、イベント発生エリアに位置するロボット10、またはイベント発生エリアに位置すると予測されるロボット10ごとに、新規走行ルートに関する情報を判定する。具体的には、該外部情報は、各エリアにおける災害に関する情報と、ロボット10が取得する情報と、人流に関する情報と、気象に関する情報と、交通に関する情報のいずれか1つまたは複数と、に基づくイベント発生予測結果を含み、新規走行ルート判定部336は、該イベント発生予測結果が示すイベントを回避する新規走行ルートに関する情報を判定する。
【0070】
そして、新規走行ルート判定部336は、イベント発生エリアに位置するロボット間、または位置すると予測されるロボット間で異なる新規走行ルートを判定する。新規走行ルート判定部336は、どういった新規走行ルートを走行させるかを、ロボット10のタスクやロボット10の種別に応じて判定してもよい。新規走行ルート判定部336は、例えば、冷蔵または冷凍の物品を配達するタスクが設定されたロボット10には、日陰の走行場所を振り分けて、新規走行ルートを判定してもよい。
【0071】
さらに、新規走行ルート判定部336は、予め設定された判定ルールにしたがって、予め設定された走行ルートのいずれかを選択または修正し、走行方向を設定することで、ロボット10の新規走行ルートを判定する。
【0072】
或いは、新規走行ルート判定部336は、新規走行ルートの判定を行う判定モデル3361を用いて、新規走行ルートを判定してもよい。判定モデル3361は、例えば、各エリアのマップ情報、ロボット10の位置、ロボット10の台数、ロボット10の種別、予測された人流情報または人流の履歴情報、発生するイベントの種類及び規模、イベント発生期間などの各種情報と、各条件に対応する新規走行ルートとを学習データとして、各ロボット10の新規走行ルートを出力するように学習されたモデルである。
【0073】
新規走行ルートレコメンド部337は、新規走行ルート判定部336によって判定された新規走行ルートに関する情報を、端末装置90にレコメンドする。例えば、新規走行ルートレコメンド部337は、ロボットオペレータが操作する端末装置等に表示されるシステム画面に、走行ルートの変更対象のロボット10と、そのロボット10の新規走行ルートが表示されるように送信してもよい。或いは、新規走行ルートレコメンド部337は、イベント発生エリアのマップ上に、イベント発生に伴う走行ルートの変更をレコメンドするテキスト等と、各ロボット10の新規走行ルートとを重畳させた可視化情報を、端末装置90に送信してもよい。さらに、レコメンドされた情報に基づいて、ロボットオペレータは端末装置等を操作して、ロボット10の走行ルートを変更してよい。
【0074】
[設定ルートの一例]
制御サーバ20から送信されたロボット10の走行ルートの一例について説明する。
図5以降では、複数のエリアのうち、例えば、エリアE1-1を例に説明する。
図5は、エリアE1-1のマップ図の一例を示す図である。
【0075】
図5のマップM1sに示すように、エリアE1-1には、複数の施設が設けられている。ロボット10は、これらの施設の内部や、施設周辺の建築物以外の領域を含む屋外を走行可能である。また、エリアE1-1には、マップM1sに示すように、ロボット10の退避場所として、2か所の退避場所T1,T2が設定されてもよい。ロボット10は走行ルートの変更によるイベント回避の他に、退避場所T1,T2への退避も可能である。なお、T1,T2は、いずれも2台のロボット10が退避可能である。
【0076】
例えば、管理サーバ30は、制御サーバ20から、2台のロボット10A-1,10B-2の走行ルート及び/または現在位置の提供を受ける。例えば、ロボット10A-1の走行ルートは、走行ルートR1sであり、ロボット10B-2の走行ルートは、走行ルートR2sである。
【0077】
[画面表示例]
ここから、イベントがエリアE1-1に発生した場合における管理サーバ30の画面表示例について説明する。
図6から
図14は、
図2に示す管理サーバ30の画面の一例を示す図である。以降の項目で、
図6から
図9は「事故発生による走行制限」の場合を、
図10から
図12は「気象予報による走行制限」の場合を、
図13及び
図14は「気象予報による走行制限の解除」をそれぞれ例示する。
【0078】
[事故発生による走行制限]
管理サーバ30は、外部情報を基に、事故発生による走行制限がエリアE1-1に発生したことを検知すると、
図6に示すように、エリアE1-1のマップM1s上に、事故発生による走行制限が発表されたことを表してもよい(例えば、
図6のウインドウW1を参照)。なお、本事例での走行制限発生個所は、
図7に示すエリアE1-1の走行制限エリアA1であるとする。
【0079】
そして、管理サーバ30は、
図8に示す管制指示一覧L1-2に、走行制限が発生している期間中に、エリアE1-1に位置するロボット10を、走行ルート変更対象のロボット10として特定する。例えば、管制指示一覧L1-2の欄C1-1,C1-2に示すように、ロボット10A-1,10B-2がエリアE1-1に位置するロボット10として特定される。
【0080】
管理サーバ30の操作者によって、「ロボットオペレータに通知」するボタンB1-2が選択されると、管理サーバ30は、ロボット10A-1については、新規走行ルートR1を判定する。他方、ロボット10B-2の走行ルートは、走行制限エリアA1に係らないことから、設定済みの走行ルートとして走行ルートR2sを判定する。そして、管理サーバ30は、ロボット10A-1に関しては新規走行ルートR1を、ロボット10B-2に関しては走行制限エリアA1の情報についての注意喚起情報を、端末装置90にレコメンドする(管制指示一覧L1-3,L1-4参照)。そして、レコメンドされた情報に基づいて、ロボットオペレータは端末装置等を操作して、ロボット10の走行ルートを変更してよい。
【0081】
そして、管理サーバ30は、外部情報を基に、事故の処理が完了し、事故発生による走行制限が解除されたことを検知すると、
図9に示すように、エリアE1-1のマップM1s上に、事故発生による走行制限が解除されたことを表してもよい(例えば、
図9のウインドウW2を参照)。
【0082】
[気象予報による走行制限]
次に、管理サーバ30は、外部情報を基に、気象予報による走行制限がエリアE1-1に発生したことを検知すると、
図10に示すように、エリアE1-1のマップM1s上に、気象予報による走行制限が発表されたことを表してもよい(例えば、
図10のウインドウW3を参照)。なお、本事例では、気象現象としてゲリラ豪雨の発生による走行制限発生とし、走行制限発生個所は、
図11に示すエリアE1-1の走行制限エリアA2であるとする。
【0083】
そして、管理サーバ30は、
図12に示す管制指示一覧L2-2に、走行制限が発生している期間中に、エリアE1-1に位置するロボット10を、走行ルート変更対象のロボット10として特定する。例えば、管制指示一覧L2-2の欄C2-1,C2-2に示すように、ロボット10A-1,10B-2がエリアE1-1に位置するロボット10として特定される。
【0084】
管理サーバ30の操作者によって、「ロボットオペレータに通知」するボタンB2-2が選択されると、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2については、ゲリラ豪雨の発生による走行中止という判定をする。そして、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2に関しては、退避場所T1への新規走行ルートR3とR4を、端末装置90にレコメンドする(管制指示一覧L2-3,L2-4参照)。なお、管理サーバ30は、退避場所T1への新規走行ルートの代わりに、退避場所T2への新規走行ルートや走行制限エリア外を走行する新規走行ルートを、端末装置90にレコメンドしてもよい。そして、レコメンドされた情報に基づいて、ロボットオペレータは端末装置等を操作して、ロボット10の走行ルートを変更してよい。
【0085】
そして、管理サーバ30は、外部情報を基に、ゲリラ豪雨が終了し、走行制限が解除されたことを検知すると、
図13に示すように、エリアE1-1のマップM1s上に、気象予報による走行制限が解除されたことを表してもよい(例えば、
図13のウインドウW4を参照)。
【0086】
[気象予報による走行制限の解除]
次に、管理サーバ30は、外部情報を基に、エリアE1-1における降水確率の低下により走行制限が解除されたことを検知すると、
図14に示すように、エリアE1-1のマップM1s上に、気象予報(降水確率低下予報)による走行制限の解除が発表されたことを表してもよい(例えば、
図14のウインドウW5を参照)。なお、本事例における走行制限発生個所は、
図11に示すエリアE1-1の走行制限エリアA2と同様であるとする。
【0087】
そして、管理サーバ30は、
図15に示す管制指示一覧L3-2に、走行制限が解除されたタイミングに、エリアE1-1に位置するロボット10を、走行ルート変更対象のロボット10として特定する。例えば、管制指示一覧L3-2の欄C3-1,C3-2に示すように、ロボット10A-1,10B-2がエリアE1-1に位置するロボット10として特定される。
【0088】
管理サーバ30の操作者によって、「ロボットオペレータに通知」するボタンB3-2が選択されると、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2については、気象予報(降水確率低下予報)による走行制限の解除という判定をする。そして、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2に関しては、走行制限が解除された稼働が可能になった旨を、端末装置90にレコメンドする(管制指示一覧L3-3,L3-4参照)。この時、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2に関しては、新規走行ルートもしくは予めロボット10A-1,10B-2に設定される既存の走行ルート(R1s,R2s)を、端末装置90にレコメンドしてもよい。そして、レコメンドされた情報に基づいて、ロボットオペレータは端末装置等を操作して、ロボット10の走行ルートを変更してよい。
【0089】
[管理処理]
次に、実施の形態に係る管理処理について説明する。
図16は、実施の形態に係る管理処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0090】
図16に示すように、制御サーバ20A,20Bは、ロボット10A,10Bとの間の通信を行うことによって、タスク及び走行ルートをロボット10A,10Bに設定し、ロボット10A,10Bの自律走行を制御する(ステップS1,S3)。
【0091】
管理サーバ30は、各制御サーバ20から、各ロボット10の現在位置または走行ルートを受信することによって(ステップS2,S4)、各ロボット10の現在位置または走行ルートを取得する(ステップS5)。
【0092】
管理サーバ30は、外部情報を、外部のサーバ等から収集する(ステップS6)。そして、管理サーバ30は、外部情報を基に、イベントの発生が予測されたかを判定する(ステップS7)。管理サーバ30は、イベントの発生が予測されていない場合(ステップS7:No)、最初に戻る。
【0093】
イベントの発生が予測された場合(ステップS7:Yes)、管理サーバ30は、イベントが発生するイベント発生エリアとイベントの発生が予測されるイベント発生期間とを検知する(ステップS8)。
【0094】
管理サーバ30は、ロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを基に、イベント発生エリアに位置する、または位置することが予測されるロボット10を特定する(ステップS9)。
【0095】
続いて、管理サーバ30は、情報収集部333が収集した外部情報と、マップ情報322とを基に、イベント発生エリアに位置するロボット10ごとに、新規走行ルートを判定する(ステップS10)。
【0096】
そして、管理サーバ30は、新規走行ルート判定部336によって判定された、イベント発生エリアに位置する、または、イベント発生エリアに位置すると予測されたロボットに関する情報、及び、各ロボットの新規走行ルートを、例えば、端末装置90にレコメンドする(ステップS11,S12)。制御サーバ20A,20Bは、ロボットオペレータが操作する端末装置90を介して、イベント発生エリアに位置するロボット10の新規走行ルートが設定されると(ステップS13,S14,S15,S16)、設定された新規走行ルートに従って、イベント発生エリアに位置するロボット10の走行ルートを変更する(ステップS17,S18)。
【0097】
[実施の形態の効果]
このように、端末装置90には、管理サーバ30から、イベント発生に関する情報と、イベント発生エリアに位置するロボット10とに関する情報が提供される。このため、制御サーバ20のロボットオペレータ自身が、イベント発生に関する情報を収集し、イベントの発生を検知し、イベント発生エリアに位置するロボット10を特定する必要がない。
【0098】
さらに、端末装置90には、管理サーバ30から、イベント発生エリアに位置するロボット10の新規走行ルートがレコメンドされる。このため、制御サーバ20のロボットオペレータは、ロボット10の走行ルートを新規走行ルートに書き換える際も、一から新規走行ルートを作成するのではなく、管理サーバ30からレコメンドされた走行ルートを基に、新規走行ルートを設定するだけで足りる。
【0099】
したがって、実施の形態によれば、ロボットの走行ルートを変更するまでのロボットオペレータの処理負担が軽減され、イベント発生時のロボット10の走行ルートの変更を迅速に実行することができる。
【0100】
また、ロボット事業者ごとに新規走行ルートを設定すると、他の事業者で制御するロボットの位置が把握できないため、新規走行ルートを走行中に衝突する場合も考えられる。これに対し、実施の形態では、管理サーバ30が、一括して情報を収集し、いずれの事業者のロボット10に限らず、イベント発生エリアに位置する各ロボット10を特定して、各ロボット10に適した新規走行ルートを端末装置90にレコメンドする。
【0101】
このため、実施の形態によれば、複数のロボット事業者によって複数エリアにロボットが多数導入される場合であっても、エリア及びロボット事業者を横断した新規走行ルート判定が可能である。したがって、実施の形態によれば、イベント発生時に、イベント発生エリアに位置するロボット10の迅速かつ円滑な走行ルートの変更を支援することができる。
【0102】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0103】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0104】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した管理サーバ30が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における管理サーバ30が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0105】
図17は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図17に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0106】
メモリ1010は、
図17に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図17に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0107】
ここで、
図17に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0108】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0109】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0110】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
10,10A,10B,10A-1,10A-2,10B-1~10B-4 ロボット
20,20A,20B 制御サーバ
30 管理サーバ
40 災害予測サーバ
50 センサ管理サーバ
60 人流予測サーバ
70 外部サーバ
80 立入禁止エリア情報サーバ
90 端末装置
21,31 通信部
22,32 記憶部
23,33 制御部
221,321 ロボット情報
222,322 マップ情報
223,323 タスク記憶部
224,324 走行ルート情報
225,325 ロボット位置情報
231 タスク設定部
232 走行ルート設定部
233 ロボット位置取得部
234 走行制御部
235 ロボット情報送信制御部
326 災害情報
327 センサ情報群
328 人流予測情報
329 外部情報群
330 立入禁止エリア情報群
331 ロボット位置取得部
332 走行ルート取得部
333 情報収集部
334 イベント発生検知部
335 対象ロボット特定部
336 新規走行ルート判定部
337 新規走行ルートレコメンド部
3361 判定モデル
【手続補正書】
【提出日】2023-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外及び屋内を自律走行する事業者ごとのロボットが走行する各エリアのマップ情報を記憶する記憶部と、
防災情報、気象に関する情報、ロボット走行エリアに設置されたセンサの検出結果、人流予測情報、記事、催事情報、事故発生情報、工事情報、交通規制情報のうち少なくともいずれか1つを含む外部情報を一括して収集する収集部と、
事業者ごとの前記ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する取得部と、
前記収集部により収集された前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアとイベントの発生が予測されるイベント発生期間とを検知する検知部と、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する特定部と、
前記外部情報と前記マップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、前記イベントを回避する新規走行ルートに関する情報を判定する判定部と、
前記イベントを回避する新規走行ルートに関する情報を、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットの走行ルートの変更指示を実施する端末装置にレコメンドするレコメンド部と、
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記ロボットが前記走行ルートに関する情報を保持しない場合には、前記現在位置に基づき、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボットを特定し、
前記ロボットが前記走行ルートに関する情報を保持する場合には、前記イベント発生エリアに含まれる前記走行ルートを保持する前記ロボットを特定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記外部情報は、前記各エリアにおける災害に関する情報と、前記ロボットが取得する情報と、人流に関する情報と、気象に関する情報と、交通に関する情報のいずれか1つまたは複数と、に基づくイベント発生予測結果を含み、
前記判定部は、前記イベント発生予測結果が示す前記イベントを回避する前記新規走行ルートに関する情報を判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記イベント発生エリアに位置するロボット間で異なる新規走行ルートに関する情報を判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
管理装置が実行する管理方法であって、
防災情報、気象に関する情報、ロボット走行エリアに設置されたセンサの検出結果、人流予測情報、記事、催事情報、事故発生情報、工事情報、交通規制情報のうち少なくともいずれか1つを含む外部情報を一括して収集する工程と、
事業者ごとのロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する工程と、
前記収集する工程により収集された前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアとイベントの発生が予測されるイベント発生期間とを検知する工程と、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する工程と、
前記外部情報とマップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、前記イベントを回避する新規走行ルートに関する情報を判定する工程と、
前記イベントを回避する新規走行ルートに関する情報を、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットの走行ルートの変更指示を実施する端末装置にレコメンドする工程と、
を備えることを特徴とする管理方法。
【請求項6】
管理装置が実行する管理プログラムであって、
防災情報、気象に関する情報、ロボット走行エリアに設置されたセンサの検出結果、人流予測情報、記事、催事情報、事故発生情報、工事情報、交通規制情報のうち少なくともいずれか1つを含む外部情報を一括して収集するステップと、
事業者ごとのロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信するステップと、
前記収集するステップにより収集された前記外部情報を基に、イベントの発生と該イベントの発生するイベント発生エリアとイベントの発生が予測されるイベント発生期間とを検知するステップと、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定するステップと、
前記外部情報とマップ情報とを基に、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、前記イベントを回避する新規走行ルートに関する情報を判定するステップと、
前記イベントを回避する新規走行ルートに関する情報を、前記イベント発生エリアに位置する前記ロボット、または前記イベント発生エリアに位置すると予測される前記ロボットの走行ルートの変更指示を実施する端末装置にレコメンドするステップと、
を備えることを特徴とする管理プログラム。