(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058502
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】マーケティング領域の仲介サーバ、および、その仲介サービス用のエントリー選定方法。
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240418BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240418BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165914
(22)【出願日】2022-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年10月19日、株式会社イルグルムは、依頼者(広告主)と提供者(広告代理店)との間を仲介する会員向けマーケティング特化型マッチングプラットフォーム「AD HOOP」のネットワークサービスを開始した。また、令和4年7月26日、株式会社イルグルムは、本サービスにおいて、提供者との面談日程(候補)を依頼者が入力する「面談日程の入力機能」を追加実装した。
(71)【出願人】
【識別番号】504307744
【氏名又は名称】株式会社イルグルム
(74)【代理人】
【識別番号】100101982
【弁理士】
【氏名又は名称】久米川 正光
(72)【発明者】
【氏名】満田 篤紀
(72)【発明者】
【氏名】岸田 圭太郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB53
5L049BB53
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、そのソリューションを提供する提供者との仲介成立後に実施される面談の日程調整における当事者の負担を軽減する。
【解決手段】ネットワーク仲介システムの仲介サーバ2において、エントリー管理部2cは、提供者端末より受信した募集案件のエントリーをエントリーリスト2fに登録した上で、依頼者端末に対して、エントリーの採用の可否(選定結果)の入力を促し、依頼者端末によって入力された選定結果を受信した場合、この選定結果をエントリーリスト2fに追記した上で、提供者端末に対して選定結果を通知し、選定結果が採用可である場合の必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力を促すと共に、依頼者端末によって入力された面談日程の候補をエントリーリストに追記した上で、提供者端末に対して、選定結果(採用可である旨)の一部として面談日程の候補を通知する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、マーケティング領域で課題解決ソリューションを提供する提供者との間を仲介する仲介サーバにおいて、
依頼者端末より、マーケティング領域の課題解決を求める募集案件を受信した場合、前記募集案件を募集案件リストに登録する案件登録部と、
前記募集案件リストに登録された前記募集案件の公開先として設定された複数の提供者端末に対して、前記募集案件を公開する案件公開部と、
前記提供者端末より前記募集案件のエントリーを受信した場合、前記エントリーをエントリーリストに登録した上で、前記依頼者端末に対して、前記エントリーの採用の可否を示す選定結果の入力を促すと共に、前記依頼者端末によって入力された前記選定結果を受信した場合、前記選定結果を前記エントリーリストに追記した上で、前記提供者端末に対して前記選定結果を通知するエントリー管理部とを有し、
前記エントリー管理部は、前記選定結果が採用可である場合の必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力を促すと共に、前記依頼者端末によって入力された前記面談日程の候補を前記エントリーリストに追記した上で、前記提供者端末に対して、前記採用可である旨の選定結果の一部として前記面談日程の候補を通知することを特徴とするマーケティング領域の仲介サーバ。
【請求項2】
前記案件公開部は、前記依頼者端末より受信した募集案件において、特定の提供者を除外する旨の指定が含まれている場合、前記特定の提供者を除外して、前記募集案件の公開先を設定することを特徴とする請求項1に記載されたマーケティング領域の仲介サーバ。
【請求項3】
マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、マーケティング領域で課題解決ソリューションを提供する提供者との間を仲介する仲介サービス用のエントリー選定方法において、
依頼者と提供者との間を仲介する仲介サーバに対して、依頼者であるユーザがマーケティング領域の課題解決を求める募集案件を送信して、提供者との仲介を依頼する第1のステップと、
前記仲介サーバより取得したデータに基づいて、前記ユーザに関する募集案件の一覧を示す第1の表示画面を表示する第2のステップと、
前記第1の表示画面に示された一覧のうち、前記ユーザによって特定の募集案件が指定された場合、前記仲介サーバより取得されたデータに基づいて、前記特定の募集案件にエントリーした提供者を示し、かつ、前記エントリーの採用の可否を示す選定結果の入力を前記ユーザに促す第2の表示画面を表示する第3のステップと、
前記第2の表示画面上において採用可である旨の選定結果がユーザによって入力された場合、当該選定結果の一部をなす必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力をユーザに促す第3の表示画面を表示する第4のステップと、
前記ユーザによって入力された前記選定結果を提供者と共有するために、前記選定結果を前記仲介サーバに送信する第5のステップと
を有することを特徴とするマーケティング領域の仲介サービス用のエントリー選定方法。
【請求項4】
前記第1のステップにおいて、前記募集案件の公開先として、特定の提供者を除外する旨の前記ユーザによる指定を許容して、前記特定の提供者を除外した提供者との仲介を前記仲介サーバに依頼することを特徴とする請求項3に記載されたマーケティング領域の仲介サービス用のエントリー選定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、そのソリューションを提供する提供者との間を仲介するマーケティング領域の仲介サーバ、および、その仲介サービス用のエントリー選定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告主と広告代理店との関係に代表されるように、マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、そのソリューションを提供する提供者との間を仲介するサービスが知られている。例えば、特許文献1には、広告依頼者と広告代理者との間を仲介する広告媒体情報仲介サーバを備えた情報処理システムが開示されている。具体的には、この仲介サーバは、広告依頼者の端末によって、広告を行ってもらいたい人数、期間、地域(エリア)、広告予算、日時などの広告代理条件が入力された場合、予め登録された多数の広告代理者の中から条件に合致した広告代理者を選出し、この選出結果を広告依頼者の端末に表示させる。これにより、広告依頼者は、選出された広告代理者との契約交渉を迅速に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような仲介サービスにおいて、依頼者と提供者との間の仲介が成立すると、多くの場合、互いに連絡を取り合って日程を調整した上で、両者の間で面談が実施される。しかしながら、この面談日程の調整は、依頼者および提供者の双方にとって負担が大きいといった不都合がある。その結果、仲介が成立したので提供者が連絡を入れたものの、依頼者が多忙でなかなか連絡がつかず、面談日程の確定までに相当の日数を要するケース、面談日程の調整ツールを提示して希望の日時を指定して貰おうとしたら、依頼者が不快や面倒に思って面談がキャンセルになってしまうケース、依頼者との連絡がなかなかつかず、結局、提供者が面談の辞退を申し出るケースなどが起こり得る。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、そのソリューションを提供する提供者との仲介成立後に実施される面談の日程調整に関して、当事者の負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、マーケティング領域で課題解決ソリューションを提供する提供者との間を仲介する仲介サーバを提供する。この仲介サーバは、案件登録部と、案件公開部と、エントリー管理部とを有する。案件登録部は、依頼者端末より、マーケティング領域の課題解決を求める募集案件を受信した場合、募集案件を募集案件リストに登録する。案件公開部は、募集案件リストに登録された募集案件の公開先として設定された複数の提供者端末に対して、募集案件を公開する。エントリー管理部は、提供者端末より募集案件のエントリーを受信した場合、エントリーをエントリーリストに登録した上で、依頼者端末に対して、エントリーの採用の可否を示す選定結果の入力を促すと共に、依頼者端末によって入力された選定結果を受信した場合、選定結果をエントリーリストに追記した上で、提供者端末に対して選定結果を通知する。また、エントリー管理部は、選定結果が採用可である場合の必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力を促すと共に、依頼者端末によって入力された面談日程の候補をエントリーリストに追記した上で、提供者端末に対して、採用可である旨の選定結果の一部として面談日程の候補を通知する。
【0007】
ここで、第1の発明において、上記案件公開部は、依頼者端末より受信した募集案件において、特定の提供者を除外する旨の指定が含まれている場合、特定の提供者を除外して、募集案件の公開先を設定してもよい。
【0008】
第2の発明は、マーケティング領域で課題解決を求める依頼者と、マーケティング領域で課題解決ソリューションを提供する提供者との間を仲介する仲介サービス用のエントリー選定方法を提供する。このエントリー選定方法は、以下のステップを有する。第1のステップでは、依頼者と提供者との間を仲介する仲介サーバに対して、依頼者であるユーザがマーケティング領域の課題解決を求める募集案件を送信して、提供者との仲介を依頼する。第2のステップでは、仲介サーバより取得したデータに基づいて第1の表示画面を表示する。この第1の表示画面は、ユーザに関する募集中の募集案件の一覧を示す。第3のステップでは、第1の表示画面に示された一覧のうち、ユーザによって特定の募集案件が指定された場合、仲介サーバより取得されたデータに基づいて第2の表示画面を表示する。この第2の表示画面は、特定の募集案件にエントリーした提供者を示し、かつ、エントリーの採用の可否を示す選定結果の入力をユーザに促す。第4のステップでは、第2の表示画面上において採用可である旨の選定結果がユーザによって入力された場合、第3の表示画面を表示する。この第3の表示画面は、採用可である旨の選定結果の一部をなす必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力をユーザに促す。第5のステップでは、ユーザによって入力された選定結果(採用可の場合には面談日程の候補を含む。)を提供者と共有するために、この選定結果を仲介サーバに送信する。
【0009】
ここで、第2の発明の上記第1のステップにおいて、募集案件の公開先として、特定の提供者を除外する旨のユーザによる指定を許容し、この特定の提供者を除外した提供者との仲介を仲介サーバに依頼してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、依頼者(ユーザ)によるエントリーの選定時において、選定結果が採用可である場合には、この選定結果の一部をなす必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力が依頼者に求められる。これにより、面談日程に関する提供者との情報共有がその時点で可能になるため、その後に行われる面談の日程調整に関する当事者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】依頼者端末における案件一覧画面の表示例を示す図
【
図4】依頼者端末における案件追加画面の表示例を示す図
【
図6】依頼者端末におけるエントリー選定画面の表示例を示す図
【
図7】依頼者端末における面談日程(候補)の入力画面の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係るネットワーク仲介システムの構成図である。この仲介システム1は、仲介サーバ2と、複数の依頼者端末3と、複数の提供者端末4とを有し、これらはインターネットに接続されている。複数の依頼者端末3は、仲介サーバ2を運用する運営者による仲介サービスに加入している依頼者(ユーザ)毎に割り当てられており、個々の依頼者によって操作される。依頼者とは、マーケティング領域で課題解決を求める者をいう。また、複数の提供者端末3は、仲介サーバ2によって運営される仲介サービスに加入している提供者(ユーザ)毎に割り当てられており、個々の提供者によって操作される。提供者とは、マーケティング領域で課題解決ソリューションを提供する者をいう。仲介サーバ2は、依頼者と提供者との間を仲介し、依頼者が募集を依頼した案件単位で両者のマッチングを行う。
【0013】
本仲介サービスの概略的な流れとしては、運営者側のコンサルタントによる依頼者とのヒアリング(手順1)依頼者による募集案件の登録(手順2)、複数の提供者(公開先)への募集案件の公開(手順3)、公開先の提供者による募集案件のエントリー(手順4)、依頼者へのエントリーの通知(手順5)、依頼者によるエントリーの選定(手順6)、提供者への選定結果の通知(手順7)といった流れとなる。手順2の募集案件の登録に先立ち手順1のヒアリングを実施することで、依頼者は、依頼に係る募集案件の内容を適切かつ冗長性を排した形で登録できる。
【0014】
ここで、「マーケティング領域」とは、顧客に商品やサービスを選んでもらうまでの過程全般の活動を対象とする領域をいう。また、マーケティング領域の仲介は、その代表的にものとして、後述するような広告主と広告代理店との間の仲介が挙げられるが、これに限らず、SNS運用代行事業者とサイト制作会社との間の仲介、サイト制作依頼者とサイト制作会社との間の仲介、SEO対策依頼者とSEO対策会社との間の仲介、インフルエンサーマーケティング依頼者とインフルエンサーマーケティング事業者との間の仲介、動画制作(または動画マーケティング)依頼者と動画制作(または動画マーケティング)事業者との間の仲介などであってもよい。
【0015】
図2は、仲介サーバ2のブロック図である。この仲介サーバ2は、案件登録部2aと、案件公開部2bと、エントリー管理部2cとを主体に構成されており、仲介サーバ2が備える記憶部には、募集案件リスト2dと、公開先リスト2eと、エントリーリスト2fとが格納されている。以下、
図1に示した手順2~7に沿ってシステム処理の詳細を時系列的に説明する。
【0016】
手順2において、依頼者端末3を操作する依頼者(ユーザ)は、所定の認証手続を経て本仲介サービスにログインした後、仲介サーバ2より送信される画面の指示に従って、募集案件を新規に登録するのに必要な事項を入力する。まず最初に、依頼者端末2には、
図3に示す案件一覧画面が表示される。この案件一覧画面には、このユーザに関する複数の募集案件がリスト化されており、案件内容のダイジェスト、仲介の進捗状況を示すステータスなどが案件毎に示されている。募集案件を新規に登録する場合、ユーザは、案件一覧画面の右上に表示された「登録」ボタンをクリックする。これにより、依頼者端末3の表示画面は、案件一覧画面から
図4に示す案件追加画面に遷移する。ユーザは、この案件追加画面上の指示に従い、新規に登録しようとする案件内容を入力する。ここで入力される項目としては、業界/業種、対象サイト、ターゲット層、媒体(例えばSNS広告、メール広告など)、課題や要望、代理店へ依頼したい施策、月額予算(グロス)、広告配信希望日、選定基準、募集期間、選定期間などが存在する。ここで、本実施形態の特徴的な入力項目として、案件追加画面の下欄に表示された「お声がけ不要な代理店」がある。この入力項目は、ユーザが特定の提供者に対する募集案件の公開を何らかの理由(例えば、過去の取引で問題があった。)で望まない場合に利用され、その提供者名がテキストで入力される。ユーザは、案件追加画面上の項目を入力した上で画面右下の「OK」ボタンをクリックすると、入力された情報と共に募集依頼が仲介サーバ2に送信される。
【0017】
募集依頼を受信した仲介サーバ2において、案件登録部2aは、この依頼に係る募集案件を募集案件リスト2dに新規に登録する。募集案件リスト2dへの登録に際しては、募集案件毎に固有の案件IDが採番され、募集内容が1カラムでテキストにて管理される。また、案件IDは、募集案件の依頼元となる依頼者固有の依頼者IDに対応付けられており、この依頼IDによって、依頼者に関するユーザ情報を格納した依頼者マスタ(図示せず)に紐付けられている。
【0018】
手順3において、案件公開部2bは、募集案件リスト2dに登録された募集案件の公開先を設定した上で、公開先となる複数の提供者端末4に対して募集案件を公開する。この公開先は、本仲介サービスにユーザ登録している多数の提供者の中から所定の規則によって抽出され、募集内容(例えば業界/業種)など)を考慮した上で選択される。公開先として設定された提供者は、公開先リスト2eにおいて、案件IDと、提供者固有の提供者IDとを対応付けることによって案件毎に管理される。なお、公開先リスト2eは、提供者IDによって、提供者に関するユーザ情報を格納した提供者マスタ(図示せず)に紐付けられている。
【0019】
手順4において、提供者端末4を操作する提供者(ユーザ)は、所定の認証手続を経て本仲介サービスにログインした後、仲介サーバ2より送信される画面を参照することによって、自己に公開された募集案件の有無、および、その案件内容を確認する。そして、特定の募集案件にエントリーする場合、提供者は、提供者端末4を操作して、PR文面やPR資料といった必要な情報を入力した上でエントリーする旨を仲介サーバ2に送信する。
【0020】
募集案件のエントリーを受信した仲介サーバ2において、エントリー管理部2cは、このエントリーをエントリーリスト2fに新規に登録する。
図5は、エントリーリスト2fの構成図である。このエントリーリスト2fは、エントリー単位で設けられた複数のレコードによって構成されており、1つのレコードには、「エントリーID」、「案件ID」、「依頼者ID」、「提供者ID」、「PR文面」、「PR資料」、「ステータス」および「面談日程(候補)」が対応付けて記述される。ここで、「エントリーID」は、個々のエントリーを識別するためのIDであり、エントリーの登録時に採番される。
「案件ID」は、エントリーされた募集案件に関する案件IDである。「依頼者ID」は、エントリーされた募集案件の依頼元に関する依頼者IDである。「提供者ID」は、募集案件にエントリーした提供者に関する提供者IDである。「PR文面」は、エントリー時に提供者が自由記入欄に記入した情報である。「PR資料」は、エントリー時に提供者が添付した営業資料などである。「ステータス」は、エントリーに関する処理の進捗を示し、本実施形態では、初期状態である「エントリー済」、依頼者によるエントリーの選定結果が採用可であることを示す「引合わせ決定」、この選定結果が採用不可であることを示す「見送り」、提供者による選定結果の(採用可である旨)の最終確認がなされたことを示す「引合わせ成立」などが存在する。また、「面談日程(候補)」は、後述するように、依頼者によって入力された提供者との面談日程の候補であり、初期状態ではブランクである。
【0021】
手順5において、エントリー管理部2cは、エントリーリスト2fに登録されたエントリーを依頼者端末3に通知する。具体的には、依頼者端末3を操作する依頼者(ユーザ)は、上述したログイン後に表示される案件一覧画面(
図3参照)において、所望の募集案件(レコード)をクリックして選択する。これにより、依頼者端末3の表示画面は、案件一覧画面から
図6に示すエントリー選定画面に遷移する。このエントリー選定画面の上部には、エントリーに係る募集案件の詳細な内容が示されていると共に、その下部には、本募集案件にエントリーした提供者の一覧が示されている。それぞれの提供者の欄には、「確定」ボタンおよび「見送り」ボタンが表示されており、エントリーの採用の可否(選定結果)の入力がユーザに促される。ユーザは、表示された提供者のエントリーを採用可とする場合には「確定」ボタンを、また、これを採用不可とする場合には「見送り」ボタンをそれぞれクリックする。
【0022】
「確定」ボタンがクリックされた場合、すなわち、ユーザによって入力された選定結果が採用可である場合、
図7に示す面談日程(候補)の入力画面がモーダル表示される。本実施形態において、面談日程の候補の入力は、採用可である旨の選定結果の一部をなす必須の入力項目であり、入力サンプルのテンプレート機能が実装されている。ユーザは、提供者との面談日程の候補を入力欄にテキストで入力する。ここで、「必須の入力項目」とは、該当欄をブランクのままにすることをシステム上許容しないこととをいい、最低限何らかのテキスト(例えば「面談日程は後日調整します。」など)が入力されていればOKとされる。もちろん、具体的な日時の入力を求めてもよく、この場合、テンプレートマッチングなどを用いて、ユーザによって入力されたテキスト中に日時が含まれているか否かがシステム上判断される。また、テキスト入力欄への直接入力に代えて、カレンダーリストやプルダウンリストなどを用いて、ユーザが日時を指定できるようにしてもよい。
【0023】
手順6において、依頼者端末3は、ユーザによって入力された選定結果(すなわち、面談日程(候補)を伴う採用可/これを伴わない採用不可)を仲介サーバ2に送信される。選定結果のエントリーを受信した仲介サーバ2において、エントリー管理部2cは、エントリーの選定結果を反映すべくエントリーリスト2fを更新する。これにより、該当エントリーの「ステータス」は、選定結果が採用可である場合には「引合わせ決定」、選定結果が採用不可である場合には「見送り」にそれぞれ変更される。また、採用可である旨の選定結果の一部をなす面談日程の候補は、当該エントリーの「面談日程(候補)」に追記される。
【0024】
手順7において、エントリー管理部2cは、選定結果のエントリー元となる提供者端末4に対して、採用の可否を示す選定結果を通知する。その際、採用可の場合には、選定結果の一部として、依頼者によって指定された面談日程の候補も通知される。これにより、依頼者と提供者と間で面談日程に関する情報共有がなされる。そして、提供者による選定結果(採用可)の最終確認が行われた時点で、エントリーリスト2fにおける該当エントリーの「ステータス」は「引合わせ成立」に変更される。
【0025】
このように、本実施形態によれば、依頼者によって入力される選定結果が採用可である場合、この選定結果の一部をなす必須の入力項目として、提供者との面談日程の候補の入力が依頼者(ユーザ)に求められる。これにより、面談日程に関する依頼者および提供者の情報共有がその時点で可能になるため、仲介成立後に行われる面談の日程調整に関する当事者の負担を軽減できる。
【0026】
また、本実施形態によれば、依頼者による募集案件の登録時に特定の提供者を除外する旨の指定が含まれている場合、仲介サーバ2(案件公開部2b)は、指定された提供者を除外して、募集案件の公開先を設定する。これにより、依頼者の意向を公開先の設定に反映することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ネットワーク仲介システム
2 仲介サーバ
2a 案件登録部
2b 案件公開部
2c エントリー管理部
2d 募集案件リスト
2e 公開先リスト
2f エントリーリスト
3 依頼者端末
4 提供者端末