(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058505
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ボーリング情報共有システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240418BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165920
(22)【出願日】2022-10-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】591237076
【氏名又は名称】日邦電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130199
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 充弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 利典
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】遠隔地であってもボーリング柱状図を作成する際に必要な情報や土質サンプルの画像データなどを速報データとして取得・閲覧可能であるボーリング情報共有システムを提供する。
【解決手段】ボーリング情報共有システム100は、ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、を含むボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において取得可能である携帯情報端末1を含む複数の端末と、複数の端末と通信可能に接続され、ボーリング情報が保存されるとともに、ボーリング情報に基づいてボーリング柱状図を作成するサーバ80と、を備え、任意の端末によりサーバ80に接続することで、ボーリング情報と、ボーリング柱状図とを、任意の端末から閲覧・取得可能とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有する、ボーリング情報共有システムであって、
前記複数の端末は、ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、を含むボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能である携帯情報端末を含み、
前記複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記ボーリング情報が保存されるとともに、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図が保存されるサーバを備え、
任意の前記端末により前記サーバに接続することで、前記現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の前記端末から閲覧および/または取得可能である、
ボーリング情報共有システム。
【請求項2】
前記携帯情報端末は、所定空間をスキャンすることで2点間の距離を計測可能な測距手段を有し、
前記測距手段により前記ボーリング調査の地点と所定の基準点をスキャンして、前記ボーリング調査の地点と前記所定の基準点の2点間の距離を計測し、
前記サーバに予め保存された前記ボーリング調査の地点を含む図面データに、前記所定の基準点と前記2点間の距離に基づいて、前記ボーリング調査の地点がプロットされる、
請求項1に記載のボーリング情報共有システム。
【請求項3】
前記サーバは、土質粒径と土質色調を判別する土質判別部を有し、
前記土質判別部は、
前記土質の画像データに対して、所定の画像解析を実行することで、土質粒径と土質色調を判別して前記ボーリング柱状図に反映させる、
請求項1に記載のボーリング情報共有システム。
【請求項4】
前記サーバは、複数のボーリング調査の地点における前記ボーリング情報を蓄積して、前記図面データよりも広域な図面データにマッピングを行い、
前記蓄積されたボーリング情報のうち、任意の地点の近傍のボーリング情報を用いて、前記任意の地点のボーリング情報を推定する、
請求項2に記載のボーリング情報共有システム。
【請求項5】
前記サーバは、入力された前記ボーリング情報が前記ボーリング調査の周辺エリアのボーリング調査の既知情報と比較して、所定の閾値を超えた場合にはその旨を報知する、
請求項4に記載のボーリング情報共有システム。
【請求項6】
地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有する、ボーリング情報共有システムにおいて、
携帯情報端末を含む前記複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記ボーリング情報が保存されるとともに、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図が保存されるサーバを備え、
前記携帯情報端末のコンピュータを、
ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、を含む前記ボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能に機能させ、
任意の前記端末により前記サーバに接続することで、前記現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の前記端末から閲覧および/または取得可能とする、プログラム。
【請求項7】
地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有する、ボーリング情報共有システムにおいて、
前記複数の端末は、ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、を含む前記ボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能である携帯情報端末を含み、
サーバのコンピュータを、
前記複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記ボーリング情報が保存されるとともに、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図が保存されるように機能させ、
任意の前記端末により前記サーバに接続することで、前記現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の前記端末から閲覧および/または取得可能とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有するボーリング情報共有システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤に構造物を作る際には、地盤を調べるためにボーリング調査(土質ボーリング調査)が行われる。ボーリング調査には複数の手法が知られており、その一手法である標準貫入試験(standard penetration test:SPT)は、JIS A 1219において規定されているように、SPTサンプラーを動的貫入することによって地盤の硬軟,締まり具合の判定、および土層構成を把握するための試料の採取を目的とする。
【0003】
標準貫入試験では、試験装置(ボーリング機械)を用いて、原位置における地盤の硬軟、締まり具合を判定するためのN値を求めるとともに、土質を判定するための試料として土を採取する。このようなボーリング調査に関する情報がまとめられて作成されるのがボーリング柱状図である。
【0004】
ボーリング柱状図の作成に必要な情報として、例えば、物件情報等の基本情報や、標尺、標高、層厚、深度、柱状図、土質区分、色調、記事、標準貫入試験の深度、打撃回数、貫入量、N値等の試験情報が挙げられる。ボーリング柱状図からは、構造物における基礎の設計や土木工事に関する重要な情報を得ることができる。
【0005】
ボーリング柱状図の作成には手数を要するため、従来、ボーリング柱状図の作成を支援するボーリング柱状図作成支援アプリケーションが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このボーリング柱状図作成支援アプリケーションによれば、ユーザーに入力又は選択されたデータに基づいて、ファイル生成部においてボーリング柱状図がファイルとして作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ボーリング柱状図の作成作業には、ボーリング調査による調査結果をそのまま記載するだけでなく、ボーリング調査で得られた情報に基づいて判定する作業が含まれている。このため、ボーリング調査の調査結果が得られた後、ボーリング調査の調査結果を判定する作業に時間を要し、さらに完成したボーリング柱状図に基づいて設計担当部門が次工程の基礎等の設計を行うまでに長時間を要していた。
【0008】
また、採取された土質サンプルは現場から遠隔地の事務所等に運搬する必要がある。このため、土質サンプルが得られた後、土質サンプルに基づいて土質を判定するまでに時間を要することとなり、ボーリング柱状図の作成に時間を要する原因となっていた。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、遠隔地であってもボーリング柱状図を作成する際に必要な情報や土質サンプルの画像データなどを速報データとして取得・閲覧可能であるボーリング情報共有システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明のボーリング情報共有システムは、地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有する、ボーリング情報共有システムであって、
前記複数の端末は、ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、を含むボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能である携帯情報端末を含み、
前記複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記ボーリング情報が保存されるとともに、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図が保存されるサーバを備え、
任意の前記端末により前記サーバに接続することで、前記現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の前記端末から閲覧および/または取得可能である(第1の構成)。
【0011】
また、本発明のボーリング情報共有システムは、上記第1の構成において、
前記携帯情報端末は、所定空間をスキャンすることで2点間の距離を計測可能な測距手段を有し、
前記測距手段により前記ボーリング調査の地点と所定の基準点をスキャンして、前記ボーリング調査の地点と前記所定の基準点の2点間の距離を計測し、
前記サーバに予め保存された前記ボーリング調査の地点を含む図面データに、前記所定の基準点と前記2点間の距離に基づいて、前記ボーリング調査の地点がプロットされるようにしてもよい(第2の構成)。
【0012】
また、本発明のボーリング情報共有システムは、上記第1の構成において、
前記サーバは、土質粒径と土質色調を判別する土質判別部を有し、
前記土質判別部は、
前記土質の画像データに対して、所定の画像解析を実行することで、土質粒径と土質色調を判別して前記ボーリング柱状図に反映させるようにしてもよい(第3の構成)。
【0013】
また、本発明のボーリング情報共有システムは、上記第2の構成において、
前記サーバは、複数のボーリング調査の地点における前記ボーリング情報を蓄積して、前記図面データよりも広域な図面データにマッピングを行い、
前記蓄積されたボーリング情報のうち、任意の地点の近傍のボーリング情報を用いて、前記任意の地点のボーリング情報を推定するようにしてもよい(第4の構成)。
【0014】
また、本発明のボーリング情報共有システムは、上記第4の構成において、
前記サーバは、入力された前記ボーリング情報が前記ボーリング調査の周辺エリアのボーリング調査の既知情報と比較して、所定の閾値を超えた場合にはその旨を報知するようにしてもよい(第5の構成)。
【発明の効果】
【0015】
本発明のボーリング情報共有システムによれば、任意の端末からサーバに接続することで、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含むボーリング情報と、ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の端末から閲覧および/または取得可能である。これにより、現場から離れた場所において、ボーリング・標準貫入試験の途中であっても速報データとして、ボーリング柱状図を作成するための情報や土質サンプルおよび現場の画像データを取得・閲覧することができる。このため、土質サンプルの画像データにより土質の判定および確認をリアルタイムで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係るボーリング情報共有システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2A】本発明の実施形態に係る物件情報を登録する処理を示す図である。
【
図2B】本発明の実施形態に係る物件情報を登録する処理を示す図である。
【
図2C】本発明の実施形態に係る物件情報を登録する処理を示す図である。
【
図3A】本発明の実施形態に係る情報入力画面を示す図である。
【
図3B】本発明の実施形態に係る情報入力画面を示す図である。
【
図3C】本発明の実施形態において作成されたボーリング柱状図を示す図である。
【
図4】携帯情報端末により2点間をスキャンして測距するイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
ボーリング情報共有システム100の構成および動作について、
図1から
図5を参照しながら説明する。
【0019】
ボーリング情報共有システム100(以下、単にシステム100ともいう)は、地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有可能にするものである。本発明におけるボーリング情報は、ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、を含むものである。システム100は、ボーリング柱状図を自動的に作成する機能を含んでいる。
【0020】
システム100は、携帯情報端末1を含む複数の端末を有している。複数の端末には、ボーリング・標準貫入試験を行う現場から離れた事務所等に設置される端末(例えば、閲覧用端末)が含まれる。システム100は、携帯情報端末1により入力されるボーリング情報、および携帯情報端末1において作成されるボーリング柱状図をクラウドサーバ80上で共有可能である。すなわち、ユーザーは、任意の端末によりクラウドサーバ80に接続することで、当該ボーリング情報およびボーリング柱状図を閲覧して情報を共有化することができる。なお、ボーリング柱状図は、携帯情報端末1により入力されるボーリング情報に基づいてクラウドサーバ80上で作成してもよく、端末で作成するようにしてもよい。
【0021】
図1に示すように、ボーリング情報共有システム100は、携帯情報端末1を含む複数の端末と、サーバの一例であるクラウドサーバ80とを備えている。携帯情報端末1を含む複数の端末は、ボーリング情報を複数の端末で共有するためのアプリケーションソフトウェア(以下、「ボーリング情報共有ソフトウェア」と記す)、およびボーリング情報に基づいてボーリング柱状図を自動的に作成するためのアプリケーションソフトウェア(以下、「ボーリング柱状図作成ソフトウェア」と記す)のそれぞれを実行可能に構成されている。
【0022】
ボーリング情報共有ソフトウェアは、プログラム、および多数の画像データ(例えば情報を閲覧・取得するための閲覧画面データ)等から構成されている。ボーリング柱状図作成ソフトウェアは、プログラム、および多数の画像データ(例えば情報を入力するための入力画面データ)等から構成されている。
【0023】
クラウドサーバ80は、携帯情報端末1を含む複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。クラウドサーバ80は、ボーリング情報が保存されるとともに、ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図を保存することが可能である。
【0024】
なお、ボーリング柱状図は、ボーリング情報に基づいてボーリング柱状図作成ソフトウェアにより作成されるが、当該ボーリング柱状図作成ソフトウェアはクラウドサーバ80のサーバ処理部(図示せず)に格納して実行処理されるようにしてもよい。あるいは、当該ボーリング柱状図作成ソフトウェアを携帯情報端末1およびクラウドサーバ80のサーバ処理部(図示せず)の両方に格納して実行処理されるようにしてもよい。この場合、携帯情報端末1およびサーバ80のいずれかにおいてボーリング情報に基づいてボーリング柱状図を作成することが可能となる。
【0025】
次に、ボーリング調査について具体的に説明する。
ボーリング調査には、複数の種類があるが、そのなかの一つに標準貫入試験がある。標準貫入試験は、SPTサンプラー(以下、単にサンプラーともいう)を動的貫入することによって地盤の硬軟,締まり具合の判定、および土層構成を把握するための試料を採取する。
【0026】
標準貫入試験では、例えば、縦横の大きさ4m×5mの地面に高さ5mほどのボーリング機械を組み立て、そのボーリング機械で地面に円筒形状の孔を開ける。この地面に孔を開ける行為がボーリングと呼ばれている。また、このボーリング機械は、地盤調査の際に、サンプラーと呼ばれる調査装置をロッドと呼ばれる鉄の棒に接続し、静かに孔の底へ降ろす。そして、ボーリング機械を用いて、ロッドの上部に取り付けられたハンマーを所定の高さから落下させ、その下にあるノッキングヘッドに打撃を与える。そして、その衝撃でサンプラーを地面に貫入させる。これをサンプラーが地面に30cm貫入するまで続け、必要な打撃回数(N値)を計測する。この一連の流れを、標準貫入試験という。
【0027】
ボーリング柱状図は、上述したボーリング調査で取得されるボーリング情報が一覧で表されるものである(
図3C参照)。
本実施形態ではボーリング情報として、ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データと、に分類している。
上記の基本情報としては、
図3Cに示すように、ボーリング柱状図の上段側に記載される物件情報を指すものである。物件情報としては、例えば、調査名、ボーリング名、発注機関、調査機関、調査業者名、使用機種などがある。
上記の試験情報としては、
図3Cに示すように、ボーリング柱状図の下段側に記載される情報を指すものである。試験情報としては、例えば、標尺、標高、層厚、深度、柱状図、土質区分、色調、記事、および標準貫入試験の深度、打撃回数、貫入量、N値等が挙げられる。
ボーリング柱状図では、標準貫入試験で得られたサンプラーの打撃回数(N値)を示す点が深度ごとにプロットされた折れ線グラフとして表される。
上記の画像データとしては、サンプラーにより取得された土質サンプリング状況を示す写真、標本瓶に入れられて並べられる土質状況、詰め込み状況を示す写真等が挙げられる。
【0028】
携帯情報端末1は、ボーリング情報のうち、主に試験情報、土質サンプルおよび現場状況に関する画像データをボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能である。携帯情報端末1は、カメラ部10、表示部20、通信部30、記憶部40、GPS50、制御部60を備える。携帯情報端末1は、制御部60によってカメラ部10、表示部20、通信部30、記憶部40、GPS50の各部の動作が制御される。携帯情報端末1としては、例えば、タブレット端末やスマートフォンなどが挙げられる。携帯情報端末1は、例えばiPad(登録商標)などのタブレット端末にボーリング情報共有ソフトウェアおよびボーリング柱状図作成ソフトウェアをインストールしたもので、通信ネットワークを介した通信機能を有する。携帯情報端末1は、現場のオペレータ(例えば現場でボーリング情報を入力操作する作業者)によりボーリング柱状図作成ソフトウェアが起動され、所定の入力画面の入力欄等に所定のボーリング情報が入力されることで、ボーリング柱状図作成ソフトウェアによりボーリング柱状図が作成されると共に、作成されたボーリング柱状図をクラウドサーバ80に送信可能である。
【0029】
本実施形態では、基本的に現場のオペレータが携帯情報端末1を用いてボーリング情報を入力することが可能である。ボーリング情報共有システム100の他のユーザは、ボーリング情報共有ソフトウェアが実行されるPC等の端末(例えば、現場から離れた事務所等に設置された閲覧用の端末)からクラウドサーバ80に保存されたボーリング情報やボーリング柱状図の閲覧・取得のみが可能としている。なお、PC等の端末にボーリング情報やボーリング柱状図の閲覧・取得以外の機能を一定制限の元で持たせるようにしてもよい。
【0030】
なお、
図1に示すように、ボーリング情報共有システム100は、所定のソフトウェアの実行処理が可能な制御部60を有する携帯情報端末1を含む複数の端末と、クラウドサーバ80とから構成されるが、これに限定するものではなく、例えば、クラウドサーバ80に所定のソフトウェアの実行処理が可能なサーバ処理部を設ける構成であってもよい。
【0031】
カメラ部10は、現地のオペレータにより撮影された画像データを記憶部40に取り込み可能に構成されている。カメラ部10は、制御部60と電気的に接続されており、必要に応じて取り込んだ画像データが記憶部40に保存された所定の画像解析ソフトを用いて制御部60によって画像解析される。カメラ部10により撮影される画像データとしては、上述したように標準貫入試験において採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データが挙げられる。
【0032】
表示部20は、ボーリング情報の入力画面、画像データ、文字、図形等の種々の情報を表示可能に構成されている。表示部20は、制御部60と電気的に接続されており、制御部60で処理された出力結果を表示する。
なお、表示部20は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等によって実現可能である。
また、表示部20は、タッチパネルなどにより構成されており、ボーリング情報を入力する入力部としても機能するように構成されている。そのため、表示部20は、例えば現場のオペレータからの入力を受け付け可能に構成されている。制御部60は、現場のオペレータから表示部20に入力されたボーリング情報に基づいて、制御部60が所定の処理を行う。
【0033】
通信部30は、インターネット回線等の通信ネットワークを通じてクラウドサーバ80と通信可能に構成されている。
【0034】
記憶部40は、種々のデータを記憶可能に構成されている。記憶部40には、ボーリング柱状図作成ソフトウェアのプログラムが格納されている。記憶部40は、制御部60と電気的に接続されており、記憶部40に格納されたプログラムに基づいて、制御部60が所定の処理(例えばボーリング柱状図作成ソフトウェアのプログラムの実行処理)を行うこととなる。なお、記憶部40は、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体メモリ等によって実現可能である。
【0035】
GPS50は、携帯情報端末1の現在地を測位してその位置情報を取得可能に構成されている。GPS50は、制御部60と電気的に接続されており、制御部60は必要に応じて取り込んだボーリング情報、画像データ等に対して、それぞれが対応する位置情報を関連付けて記憶部40に保存する。
【0036】
制御部60は、記憶部40に格納されたボーリング柱状図作成ソフトウェアのプログラムに基づいて、オペレータの表示部20を介する操作に応じた後述する所定の処理(物件情報登録処理、調査情報入力処理)を実行可能に構成されている。
【0037】
クラウドサーバ80は、インターネット回線等の通信ネットワークを通じて、携帯情報端末1や任意のPC(パーソナルコンピュータ)等の複数の端末と通信可能に構成されている。
【0038】
以上のように構成されたボーリング情報共有システム100において、ボーリング柱状図作成ソフトウェアのプログラムが実行されると、表示部20にボーリング情報共有システム100のグラフィカルユーザインタフェース(以下、「GUI」と記す)が表示される。ボーリング情報共有システム100のGUI上には、入力画面の一例である入力フォーム(入力フォームに連携されたスプレッドシート)、複数のボタンやチェックボックス等が配置されており、当該GUIを現場のオペレータが表示部20を介して操作し、ボーリング柱状図を作成するための情報を入力する。
なお、本発明において、GUIの「操作」とは、例えばタッチパネルへのタッチ、およびマウスによるクリック等を意味する。
【0039】
また、任意のPC等の端末(例えば、現場から離れた事務所等に設置された閲覧用の端末)にボーリング情報共有ソフトウェアを予めインストールしておき、任意の端末によりクラウドサーバ80に接続することで、現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の端末から閲覧および/または取得可能である。
【0040】
(物件情報登録処理)
図2Aは、物件情報を登録する処理するための物件登録画面を示す図である。
図2Aに示すように、オペレータは、ボーリング柱状図作成ソフトウェアを起動することで、例えば入力画面(「物件登録画面」)から事前にボーリング調査が実施される物件の情報を登録することができる。物件情報としては、ボーリング柱状図(
図3C)の上段側に記載される項目であり、例えば、調査名、ボーリング名、発注機関、調査機関、調査業者名、使用機種などが挙げられる。
オペレータは、例えば携帯情報端末1の表示部20やクラウドサーバ80に接続可能なPC画面を操作して物件情報の登録を行う。
図2Aは、物件情報を新規に登録する場合の例を示している。
物件情報を新規に登録する場合は、オペレータは、表示部20もしくはPC画面の「新規登録(図示せず)」を選択することにより、
図2Aに示すように、物件の登録画面が表示される。この表示に従い、「調査名」、「ボーリング名」、「発注機関」、「調査業者名」、「使用機種」などを入力する。
この状態で、例えばオペレータが「完了」を選択することにより、入力した物件情報が表示され、物件情報の登録内容が正しければ、「物件情報登録(図示せず)」を選択することにより、物件情報が登録され、物件情報は、クラウドサーバ80に送られ、クラウドサーバ80によりボーリング柱状図を作成するための情報と関連付けて保存される。
【0041】
図2Bは、登録済みの物件情報の一覧である物件一覧画面を示す図である。
図2Cは、該当物件の調査一覧画面を示す図である。
一方、例えば、すでに登録されている既存の物件情報に新たな情報を追加する場合は、オペレータは、「物件一覧」のタブを選択する。
これにより、
図2Bに示すように、すでに登録されている物件情報のリストが表示される。オペレータは、リストの中の該当する物件を選択することで、
図2Cに示すように、調査一覧画面が表示され、該当箇所に入力もしくは編集することにより、既存の物件情報に新たな情報が関連付けられる。この物件情報は、クラウドサーバ80に送られ、クラウドサーバ80にて保存される。
このように、「物件一覧」、「調査一覧画面」をPC等の端末で編集可能に構成することで、端末で保存管理が可能となり、調査一覧を一括管理しているため新たな情報の追加・更新を容易に実行することができる。
なお、物件情報の登録作業は、現場のオペレータでなくても可能であるため、PC等の端末を利用して現場から離れた事務所等で入力できるようにしてもよい。
【0042】
図3Aは、ボーリング柱状図(報告書)を作成するための情報を登録する処理するための調査情報入力画面(1)を示す図である。
図3Bは、ボーリング柱状図(報告書)を作成するための情報を登録する処理するための調査情報入力画面(2)を示す図である。
調査情報入力画面(1)および(2)は、「調査一覧画面」の所望の行部分を選択(チェック)して、クリックすることで携帯情報端末1の表示部20に表示される。
図3Aに示すように、現場のオペレータは、例えばタブレット画面(「調査情報入力画(1)」)から、ボーリング調査によって取得されるボーリング柱状図を作成するための情報を入力することができる。当該情報としては、ボーリング柱状図(
図3C参照)において物件情報の下側に記載される項目であり、例えば、標尺、標高、層厚、深度、柱状図、土質区分、色調、記事、標準貫入試験の深度、打撃回数、貫入量、N値などがある。
現場のオペレータは、例えば携帯情報端末1の表示部20を操作して当該情報の入力を行う。また、当該情報とは別に、現場のオペレータにより携帯情報端末1のカメラ部10により撮影された、標準貫入試験において採取された土質サンプルおよび現場状況に関する画像データが試験情報と関連づけられてクラウドサーバ80に保存される。
【0043】
図3Aおよび
図3Bは、当該情報を新規に入力するための入力画面の例を示している。
オペレータが入力を終了した状態で、例えばオペレータが「完了」を選択することにより、入力した当該情報が表示され、当該情報の登録内容が正しければ、「当該情報登録(図示せず)」を選択することにより、当該情報が登録され、ボーリング柱状図(報告書)が作成される(
図3C参照)。当該ボーリング柱状図(報告書)は、クラウドサーバ80に送られ、クラウドサーバ80にて保存される。
【0044】
また、上述の基本情報である物件情報、試験情報、ボーリング柱状図(報告書)などを閲覧および/または取得するためには、ユーザにログインを許可するアカウントを設定することが好ましい。すなわち、入力を行うオペレータや情報閲覧者であるユーザには、個別にログインを許可するアカウントを設定して、入力の許可や閲覧の制限ができるように構成してもよい。これにより、数字情報の入力は、ボーリング調査の調査会社のオペレータのみが実施できるように設定することで、不正な入力を未然に防ぐことができる。
【0045】
以上のように構成されるボーリング情報共有システム100によれば、任意の端末からサーバ80に接続することで、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含むボーリング情報と、ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、任意の端末から閲覧および/または取得可能である。これにより、現場から離れた場所において、ボーリング・標準貫入試験の途中であっても速報データとして、ボーリング柱状図を作成するための情報や土質サンプルおよび現場の画像データを取得・閲覧することができる。このため、土質サンプルの画像データにより土質の判定および確認をリアルタイムで行うことができる。
また、ボーリング・標準貫入試験の終了と同時にボーリング柱状図の作成が完了する。このため、ボーリング・標準貫入試験の後工程を行うためのリードタイムを短縮することができる。
また、ボーリング情報に関する速報データを電話等で伝達する方法と比較して、複数のユーザに対して迅速かつ正確に伝達することができる利点もある。
また、土質の画像データにより複数人により土質の確認ができるため、土質のダブルチェックが可能となり、土質判定の精度が向上する。
また、土質の画像データにより現場から離れた事務所等にいる調査管理者が土質を判断することができる。
【0046】
また、携帯情報端末1は、記憶部40にLiDAR(Light Detection And Ranging(光による検知と測距))機能を実行可能なソフトウエア(LiDARアプリ)が格納されている。これにより、携帯情報端末1は、LiDARアプリを起動することで所定空間をスキャンすることで2点間の距離を計測可能な測距手段となるカメラ部10が利用可能となる。
図4に示すように、オペレータは、LiDARアプリがインストールされた携帯情報端末1を用いて、カメラ部10によりボーリング調査の地点と所定の基準点(追い出し地点ともいう)を3Dスキャンして、ボーリング調査の地点と所定の基準点の2点間の距離を計測する。制御部60は、クラウドサーバ80に予め保存されたボーリング調査の地点を含む図面データ(例えばDXFデータ)に、所定の基準点と計測された2点間の距離に基づいて、ボーリング調査の地点がプロットされる。このように、携帯情報端末1による測距手段を使用することで、メジャー等を用いて計測するよりも調査地点の計測精度が向上するとともに、計測するために2点間を移動することなく、一人で2点間の測距が可能となる。ひいては、杭を打ち込む際の位置精度が向上する。
【0047】
また、クラウドサーバ80は、サーバ処理部を有し、当該サーバ処理部内に土質粒径と土質色調を判別する土質判別部を有している。土質判別部には、土質の画像データに対して所定の画像解析をするための画像解析ソフトウェアが格納されている。土質判別部は、画像解析ソフトウェアにより
図5に示す土質粒径区分(
図5参照)と下記土質色調の判定ルールに基づいて土質の画像データの画像解析を実行し、土質粒径と土質色調を判別してボーリング柱状図に反映させる。
このように、クラウドサーバ80により土質粒径と土質色調を自動判別することで、知識と経験が必要な土質の判別を補助することができ、土質判別の精度を向上させることができる。
【0048】
[土質色調の判別ルールについて]
土質色調として表現に用いる色は、「黒、褐色、赤、橙色、黄色、緑、青、紫、灰色、白」を基本色とする。基本色以外は基本色の組合せ(原則として2色)とする。基本色の組合せは、主色の前に従色を冠する(例:緑が主色で、青が従色の場合は、青緑とする)。
また、必要に応じて「濃」および「淡」の形容詞をつけるとともに、黒味を帯びるときは「暗」の形容詞を付ける。
従色が特に微弱なときは「帯」の形容詞を付ける。礫岩など雑多な色を呈するときは、何色と何色の「雑色」、色が入り混じっているときは何色と何色の「斑色」とする。このほか、赤白は桃色、褐色は茶色等慣用的な表現を用いたほうが適切なときには、それらを用いてもよい。
【0049】
また、クラウドサーバ80は、複数のボーリング調査の地点におけるボーリング情報を蓄積して、上述した図面データよりも広域な図面データにマッピングを行い、蓄積されたボーリング情報のうち、任意の地点の近傍のボーリング情報を用いて、任意の地点のボーリング情報を推定する機能を有している。
これにより、未だボーリング調査が実行されていない任意の地点においても、既知のボーリング情報からその任意の地点のボーリング情報を推定可能である。
【0050】
また、クラウドサーバ80は、入力されたボーリング情報がボーリング調査の周辺エリアのボーリング調査の既知情報と比較して、所定の閾値を超えた場合にはその旨を携帯情報端末1の表示部20を介して報知する機能を有している。
これにより、ボーリング・標準貫入試験で得られるボーリング情報のうち、オペレータが入力する数値情報についての入力ミスを防ぐことができる。
【0051】
本実施形態においては、携帯情報端末1から送られるボーリング情報をクラウドサーバ80に保存し、クラウドサーバ80に保存されたボーリング情報を任意の端末により閲覧・取得できるように構成したが、この構成に限定されない。例えば、クラウドサーバ80を用いず、取得したボーリング情報を携帯情報端末1に保存し、携帯情報端末1によりボーリング情報を一括管理するように構成してもよい。
また、クラウドサーバ80の代わりに、通信可能な記憶装置を用いる構成にしてもよい。
【0052】
本実施形態においては、携帯情報端末1として、タブレット端末またはスマートフォンを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クラウドサーバ80との通信が可能な専用の入力端末を用いるようにしてもよい。さらに、サーバはクラウドサーバ80でなくても、例えば、自社管理されたサーバなど、携帯情報端末1が通信可能であるサーバであれば、いずれのサーバを用いるようにしてもよい。これにより、第三者による不正アクセスを抑えることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯情報端末
80 クラウドサーバ(サーバ)
100 ボーリング情報共有システム
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有する、ボーリング情報共有システムであって、
前記複数の端末は、
ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、ボーリング・標準貫入試験においてサンプラーによって採取された、地盤の硬軟、締まり具合の判定、および土層構成を把握するための試料である土質サンプルに関する画像データと、を含むボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能である携帯情報端末を含み、
前記複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記ボーリング情報が保存されるとともに、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図が保存されるサーバを備え、
任意の前記端末により前記サーバに接続することで、前記現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、ボーリング・標準貫入試験の途中において速報データとして、任意の前記端末から閲覧および/または取得可能であり、
前記サーバは、入力された前記ボーリング情報が前記ボーリング調査の周辺エリアのボーリング調査の既知情報と比較して、所定の閾値を超えた場合にはその旨を報知する、
ボーリング情報共有システム。
【請求項2】
前記サーバは、土質粒径と土質色調を判別する土質判別部を有し、
前記土質判別部は、
前記土質の画像データに対して、所定の画像解析を実行することで、土質粒径と土質色調を判別して前記ボーリング柱状図に反映させる、
請求項1に記載のボーリング情報共有システム。
【請求項3】
前記サーバは、複数のボーリング調査の地点における前記ボーリング情報を蓄積して、前記図面データよりも広域な図面データにマッピングを行い、
前記蓄積されたボーリング情報のうち、任意の地点の近傍のボーリング情報を用いて、前記任意の地点のボーリング情報を推定する、
請求項2に記載のボーリング情報共有システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に杭を打ち込むための深度を調査するボーリング・標準貫入試験に基づいて得られたボーリング情報を複数の端末で共有する、ボーリング情報共有システムであって、
前記複数の端末は、
ボーリング柱状図を作成するための基本情報と、ボーリング・標準貫入試験によって得られた試験情報と、ボーリング・標準貫入試験においてサンプラーによって採取された、地盤の硬軟、締まり具合の判定、および土層構成を把握するための試料である土質サンプルに関する画像データと、を含むボーリング情報を、ボーリング・標準貫入試験を行う現場において順次取得可能である携帯情報端末を含み、
前記複数の端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、前記ボーリング情報が保存されるとともに、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図が保存されるサーバを備え、
任意の前記端末により前記サーバに接続することで、前記現場で順次取得される基本情報、試験情報、および画像データを含む前記ボーリング情報と、前記ボーリング情報に基づいて順次作成されるボーリング柱状図とを、ボーリング・標準貫入試験の途中において速報データとして、任意の前記端末から閲覧および/または取得可能であり、
前記サーバは、入力された前記ボーリング情報が前記ボーリング調査の周辺エリアのボーリング調査の既知情報と比較して、所定の閾値を超えた場合にはその旨を報知する、
ボーリング情報共有システム。
【請求項2】
前記サーバは、土質粒径と土質色調を判別する土質判別部を有し、
前記土質判別部は、
前記土質の画像データに対して、所定の画像解析を実行することで、土質粒径と土質色調を判別して前記ボーリング柱状図に反映させる、
請求項1に記載のボーリング情報共有システム。
【請求項3】
前記サーバは、複数のボーリング調査の地点における前記ボーリング情報を蓄積して、前記サーバに予め保存された前記ボーリング調査の地点を含む図面データよりも広域な図面データにマッピングを行い、
前記蓄積されたボーリング情報のうち、任意の地点の近傍のボーリング情報を用いて、前記任意の地点のボーリング情報を推定する、
請求項2に記載のボーリング情報共有システム。