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▶ 青井 功恵の特許一覧

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  • 特開-インク容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058520
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】インク容器
(51)【国際特許分類】
   B43L 25/02 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
B43L25/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022176758
(22)【出願日】2022-10-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月22日ランプワーク展2022&ガラスペンフェア
(71)【出願人】
【識別番号】521463366
【氏名又は名称】青井 功恵
(72)【発明者】
【氏名】青井 功恵
(57)【要約】
【課題】 ガラスペンや、つけペンをより便利に使用するために、インク瓶から使用に必要な量だけのインクを取り出し、移し替えたインクを余らせずに使用できるようにし、またインク瓶にペン先をいれた際にペン先を破損させてしまうリスクを気にせず、さらにペン先がどこまでインク面に到達し吸引したか確認しながら、使用できるインク容器を提供する
【解決手段】上部の開口から下方に向けて細くなる、円錐又は角錐形状のインク溜まり部を有しているインク容器
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部の開口から下方に向けて細くなる、円錐又は角錐形状のインク溜まり部を有するインク容器。
【請求項2】
該インク溜まり部先端断面を内角90°以下とした、請求項1に記載のインク容器。
【請求項3】
該容器外縁部にペン固定部材を設けた、請求項1または2に記載のインク容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少量のインクをガラスペン及びつけペンタイプの万年筆に使用するためのインク容器に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、さまざまなタイプのカラーインクが発売されたことやガラスペンが人気を博すようになったことから、インクにペン先を浸して使う、つけペンタイプのガラスペンや、つけペンを使用して、絵筆のようにペン先を水洗いしながら、1つのペンでインクの色を変えて使用したり、調色などをしたインクを楽しんだりする文化がある。
【0003】
こうしたガラスペンや、つけペンにおいては、ペン先に吸引したインクがなくなる度に、インク瓶にペン先を漬けて、インクを補充する必要がある。
【0004】
従来のインク瓶に、直接ペン先を浸して使用する方法では、インク瓶の蓋が長時間開いた状態になるため、インクの蒸発や、ほこりなどの異物混入によるインクの劣化が否めない。それを防ぐため、別容器にスポイトで少量のインクを移して使う方法がある。この際、ペン先のインク溝にインクを吸引させるためには数ミリ~1センチ程度のインクの水位が必要になり、実際に使用するインクより多くの不必要なインクを別容器に移し変えなければならない問題があった。
【0005】
そのため、少量のインキを吸引可能なまでに集約し、インクの無駄を減らすことができるインクリザーバー付インキ瓶が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、特許文献1によれば、専用のインキ瓶が必要であり、異なる形状のインク瓶や多色のインクを扱えるということにはならない。
【0007】
さらに、インク瓶及び少量の別容器においても、ペン先のインク溝に十分な水位のインクを浸すためには直角にペンを瓶の口に差し込む必要があり、使用する瓶の口径の狭さによっては、ペン先が瓶底に当たり破損したりしないように留意して使う必要があり、不便であった。
【0008】
さらにインク瓶は瓶に深さがあったり、瓶表面にラベルが貼付されていたりすることにより、インク残量によっては液面が見えにくくなることがあり、実際に使用した場合にペン先がどれくらい液面に達しているのか、ペン先に吸引できたのか、を確認しづらいなどの問題が生じる。
【先行技術文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011-37085
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【00010】
以上より、ガラスペンや、つけペンをより便利に使用するために、インク瓶から使用に必要な量だけのインクを取り出し、移し替えたインクを余らせずに使用できるようにすること、またインク瓶にペン先をいれた際にペン先を破損させてしまうリスクを気にせず、さらにペン先がどこまでインク面に到達し吸引したか確認しながら、使用できるインク容器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に記載の手段よりなる。
すなわち、
1)上部の開口から下方に向けて細くなる、円錐又は角錐形状のインク溜まり部を有するインク容器。
2)インク溜まり部先端断面を内角90°以下としたインク容器。
3)容器外縁部にペン固定部材を設けたインク容器。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるインク容器では、上部の開口から下方に向けて細くなる、円錐又は角錐形状のインク溜まり部を有し、さらにインク溜まり部先端断面を内角90°以下としているため、使用に必要な量だけのインクをインク瓶から取り出し、本インク容器へ移し替えた際に、インク溜まり部に溜まったインクが少量であってもペン先を浸すに十分なインク水位を確保することができ、インクを余らせずに使用できるようなる。
【0013】
また本発明にかかるインク容器では、前記1)~2)の構成とすることにより、インク溜まり部から対向する他端の容器外縁部にかけてなだらかなスロープ部が形成され、使用の際にはペン先を水平方向に近い角度に寝かせてインク溜まり部に差し込み回転させてインクを吸引させる。このためペン先をインク瓶の底部に直接直交して接触させる状態に比べ、本インク容器ではインク溜まり部の最深部にペン先を直接接触させずともインクを吸引できるため、ガラスペン先を破損する可能性も低い。
【0014】
また前記3)の構成とし容器外縁部にペン固定部材を設けた構成を有することにより、ペン置きとして使用することも可能となり、使用上便利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に適用されるインク容器の構成を示す斜視図である。
図2図1に示した実施形態の平面図である。
図3図1に示した実施形態の構成を示すA-A断面図である。
図4図5に示した実施形態のインク溜まり部にペン先を浸す角度を示した斜視図である。
図5図5に示した実施形態の壁部を使用してインクを本体に注入している斜視図である。
図6図5に示した実施形態の外縁部に装飾を施しペン置きとして使用する斜視図である。
図7】本発明の実施形態を用いたより少量のインク容器を持ち上げて使うときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るインク容器を得るための好適な実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る実施例1のインク容器1a本体部分を示す斜視図である。インク容器1aは略円形の皿状の形状をとっており、上部が開口しており、開口から下方に向けて細くなる、円錐又は角錐形状のインク溜まり部7が形成されている。インク溜まり部7は図2に示すよう、容器中心部8に対して外縁部9寄りの位置に配置されており、さらに図3に示すようインク溜まり部7先端内角12断面は内角90°以下となっている。これらの構成により図1に示すよう、インク容器1aのインク溜まり部7に近接する外縁部9には、容器底面に対して垂直に近い角度で壁部10が形成され、インク溜まり部7の対角にある外縁部9には、なだらかにインク溜まり部7に向かって下降するスロープ部11が形成される。
【0018】
実施例1のインク容器1aの略円の直径は概ね4~7cm程度、開口から底面までの深さは2cm程度、また外縁部9からインク溜まり部7までの深さは1.5~2cm程度とした。
【0019】
本発明では、インク容器本体はその内部の形状が損なわれない限り、ガラス製でも陶器製でもプラスチック製などいずれの素材としてもよい。実施例1では、本インク容器1aを透明のガラス素材とし、かつ薄い板状のガラスにて形成しており、図3に示すようインク溜まり部7の裏側にはガラスが充填されていない構造としている。これにより水平方向からもインクの色がより鮮明に認識でき、インクの残量などもわかりやすい。また同時に軽くて扱いやすく、洗浄も容易であるというメリットもある。しかしながら、本発明によるインク容器の成型方法としては、実施例1として示した底面のない中空構造であっても、底面を含め素材が充填された容器の塊の上に円錐または角錐形のくぼみを形成する構造であってもどちらでもよい。
【0020】
インク容器の使用方法としては、図4のように、ガラスペン3を差し入れ、皿のスロープ部11に寝かすようにペン先を接触させ、ガラスペン3を回転させると、ガラスペン3の溝のすべてにインク2を吸引させることが、少量のインク2でも可能になる。
【0021】
インク瓶からインクを別の容器に移し替える場合、通常スポイトなどが用いられるが、本発明においては図5のように、壁部10を使用してインク2をインク容器本体に注入することも可能である。インクを十分に吸入したガラスペン3を壁部10に接触させると、ガラスペン3のペン先からインク2が垂れ、下方のインク溜まり部7にインク2を貯めることが可能である。数回インクをつけて書く場合にはこれを数回繰り返す。これにより、実際に使用する程度のインク量を把握して、インク瓶よりインク容器に移し替えることができ経済的である。
【0022】
インクを使い切った状態にあれば直ちに水洗いできることも利点である。
【0023】
実施例1のインク容器1aは高さも低いため、図6のように、本体の外縁部9に突起状のペン用固定部材A4や、凹み状のペン用固定部材B5などの装飾を施し、ペン置きとして使用することも可能である。
【0024】
図7は形状を皿状ではなく、深さを有するビーカー状のインク容器1bの実施例2である。既存のインク瓶のように置いて使うこともできるが、本体が小さく軽量であり、内部のインク2が少量であれば、持ち上げて使うことも可能である。本体を持ち上げて傾けることで、少量のインクでもペンに吸引することが可能である。
【0025】
図7のとおり、実施例2のインク容器1bにおいて、本体がガラスでできている場合には、ガラスペン3のペン先の様子やインク2の残量なども側面から観察ができ便利である。
【符号の説明】
【0026】
1a インク容器(実施例1)
1b インク容器(実施例2)
2 インク
3 ガラスペン(又はつけペンタイプの万年筆)
4 ペン用固定部材A
5 ペン用固定部材B
6 ユーザーの手
7 インク溜まり部
8 容器中心部
9 外縁部
10 壁部
11 スロープ部
12 インク溜まり部先端内角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7