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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058531
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240418BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240418BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
G09F9/30 349B
G09F9/00 361
G09F9/00 313
G02B5/20
G02B5/20 101
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022203874
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】111138908
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】沈 暉堂
(72)【発明者】
【氏名】郭 威宏
(72)【発明者】
【氏名】梁 凱玲
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊億
(72)【発明者】
【氏名】張 郁香
【テーマコード(参考)】
2H148
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H148AA01
2H148AA07
2H148BD01
2H148BG01
2H148BG06
5C094AA60
5C094BA21
5C094CA19
5C094DA12
5C094ED01
5C094ED03
5C094HA08
5C094JA08
5G435AA01
5G435BB01
5G435CC11
5G435FF07
5G435HH02
5G435LL07
5G435LL15
5G435LL17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ディスプレイ装置及びプロジェクタを提供する。
【解決手段】ディスプレイ装置は、画素発光パネルと、複数の色変換パネルとを含む。画素発光パネルは、アレイに分配されたN1個の発光画素ユニットを含み、発光画素ユニットはドライバを通じて光を放射するよう駆動される。第1色変換パネルは、N2個の第1カラー画素と、N3個の第1透明画素とを含む。第1カラー画素と第1透明画素は、発光画素ユニットに相対して設けられる。第2色変換パネルは、N4個の第2カラー画素と、N5個の第2透明画素とを含む。第2カラー画素と第2透明画素は、発光画素ユニットに相対して設けられる。発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するため第1カラー画素と第2透明画素を順に通過する。発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するため第1透明画素と第2カラー画素を順に通過する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイに分配されたN1個の発光画素ユニットを含み、前記発光画素ユニットがドライバを通じて光を放射するよう駆動される、画素発光パネルと、
少なくとも第1色変換パネルと第2色変換パネルとを含む、複数の色変換パネルと
を含み、
前記第1色変換パネルが、N2個の第1カラー画素と、N3個の第1透明画素とを含み、前記第1カラー画素と前記第1透明画素が前記発光画素ユニットに相対して設けられ、
前記第2色変換パネルが、N4個の第2カラー画素と、N5個の第2透明画素とを含み、前記第2カラー画素と前記第2透明画素が前記発光画素ユニットに相対して設けられ、前記発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光が、色変換を達成するため前記第1カラー画素と前記第2透明画素を順に通過し、前記発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光が、色変換を達成するため前記第1透明画素と前記第2カラー画素を順に通過する、
ディスプレイ装置。
【請求項2】
N2=N5且つN3=N4である、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記画素発光パネルが第3色変換パネルを更に含み、
前記第3色変換パネルが、N6個の第3カラー画素と、N7個の第3透明画素とを含み、
前記発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光が、色変換を達成するため前記第1透明画素、前記第2透明画素、そして前記第3カラー画素を順に通過し、
N3=N4+N6、N5=N2+N6、N7=N2+N4である、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1カラー画素の色が、赤色、青色、又は緑色を含む、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1カラー画素と前記第2カラー画素が、量子ドット層、カラー光フィルタフィルム、又は蛍光体層である、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1カラー画素と前記第1透明画素が、行と列において交互に配置される、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記発光画素ユニットのサイズが100ミクロン未満であり、前記発光画素ユニットが発光ダイオードチップである、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記画素発光パネルと前記第1色変換パネルとの間に設けられた集光装置を更に含み、
前記集光装置が複数の集光ユニットを有し、
前記集光ユニットが前記第2カラー画素に対応して設けられる、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記画素発光パネルと前記第1色変換パネルとの間に設けられた集光装置を更に含み、
前記集光装置が複数の集光ユニットを有し、
前記第2カラー画素に対応する前記集光装置の前記集光ユニットと、前記第1カラー画素に対応する前記集光装置の前記集光ユニットが、それぞれ異なるラジアンの値を持つ弧面を有する、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第1色変換パネルと前記第2色変換パネルとの間に設けられた集光装置を更に含み、
前記集光装置が複数の集光ユニットを有し、
前記集光ユニットが前記第1カラー画素に対応して設けられる、
請求項1に記載のディスプレイ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイ装置及びプロジェクタに関するものであり、より具体的には、複数の色変換パネルを有するディスプレイ装置及びプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ技術の成熟に伴い、画像の動的効果が向上し、色性能とコントラスト比も継続的に向上している。このため、人々はよりリアルで豊富な視覚的快楽を追い求めている。画像を如何にしてより立体化させるかが関連技術分野における研究の方向性となっている。該技術の1つは、ディスプレイの表示面の設計において、視聴者からの距離が異なる画像の空間分布を作成する、深度融合ディスプレイの原理を適用している。異なる平面の画素が同一サイズの画像を同時に重ねるとき、画像平面と視聴者との間の距離の違いから影と色に差異が存在する。このとき、異なる平面上の同一画像は画素ピッチが非常に小さいため人間の目にはほぼ重なって見え、これにより、異なる平面による影と色の違いによる被写界深度の立体感を視聴者に与える。
【0003】
従来の技術において、上述した目的を達成するため、複数の独立したディスプレイパネルが重畳される。しかし、ディスプレイパネル間の非常に高い位置合わせ精度を要し、これにより高い製造コスト、低い歩留まりを招き、また全体的な体積を低減させることも困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における高いコスト、低い歩留まり、大きな体積の問題を改善可能なディスプレイ装置及びプロジェクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のディスプレイ装置は、画素発光パネルと、複数の色変換パネルとを含む。画素発光パネルは、アレイに分配されたN1個の発光画素ユニットを含み、発光画素ユニットはドライバを通じて光を放射するよう駆動される。複数の色変換パネルは、第1色変換パネルと、第2色変換パネルとを少なくとも含む。第1色変換パネルは、N2個の第1カラー画素と、N3個の第1透明画素とを含む。第1カラー画素と第1透明画素は、発光画素ユニットに相対して設けられる。第2色変換パネルは、N4個の第2カラー画素と、N5個の第2透明画素とを含む。第2カラー画素と第2透明画素は、発光画素ユニットに相対して設けられる。発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するため第1カラー画素と第2透明画素を順に通過する。発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するため第1透明画素と第2カラー画素を順に通過する。
【0006】
本発明のプロジェクタは、画素発光パネルと、複数の色変換パネルと、投影レンズとを含む。画素発光パネルは、アレイに分配されたN1個の発光画素ユニットを含み、発光画素ユニットはドライバを通じて発光するよう駆動される。複数の色変換パネルは、第1色変換パネルと、第2色変換パネルとを少なくとも含む。第1色変換パネルは、N2個の第1カラー画素と、N3個の第1透明画素とを含む。第1カラー画素と第1透明画素は、発光画素ユニットに相対して設けられる。第2色変換パネルは、N4個の第2カラー画素と、N5個の第2透明画素とを含む。第2カラー画素と第2透明画素は、発光画素ユニットに相対して設けられる。発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するため第1カラー画素と第2透明画素を順に通過する。発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するため第1透明画素と第2カラー画素を順に通過する。発光画素ユニットにより生成された光は、第1色変換パネル、第2色変換パネル、及び投影レンズを通過した後に画像を投影する。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づき、本発明のディスプレイ装置及びプロジェクタにおいて、深度融合ディスプレイを達成するため単一の画素発光パネルが複数の色変換パネルと共に用いられ、これはコスト及び体積を低減して歩留まりを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の1つの実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。
図2図1のディスプレイ装置のA-A線に沿った概略断面図である。
図3図1のディスプレイ装置のC-C線に沿った概略断面図である。
図4図1のディスプレイ装置の2つの色変換パネル間の位置合わせ関係の概略図である。
図5A】本発明のもう1つの実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。
図5B】組立済み状態における図5Aのディスプレイ装置のD-D線に沿った概略断面図である。
図6】本発明の更なる実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。
図7】本発明のまたもう1つの実施形態によるディスプレイ装置の集光装置の概略図である。
図8】本発明の更にもう1つの実施形態によるディスプレイ装置の3つの色変換パネルの位置合わせ関係の概略図である。
図9】本発明の1つの実施形態によるプロジェクタの概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の1つの実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。図1を参照し、本実施形態のディスプレイ装置100は、画素発光パネル110と、複数の色変換パネル130及び140とを含む。画素発光パネル110は、アレイに分配されたN1個の発光画素ユニット112を含み、発光画素ユニット112はドライバ120(図1にのみ図示)を通じで光を放射するよう駆動される。複数の色変換パネル130及び140は、第1色変換パネル130と、第2色変換パネル140とを少なくとも含む。第1色変換パネル130は、N2個の第1カラー画素132と、N3個の第1透明画素134とを含む。第1カラー画素132と第1透明画素134は、発光画素ユニット112に相対して設けられる。第2色変換パネル140は、N4個の第2カラー画素142と、N5個の第2透明画素144とを含む。第2カラー画素142と第2透明画素144は、発光画素ユニット112に相対して設けられる。発光画素ユニット112の少なくとも一部により生成された光は、第1カラー画素132と第2透明画素144を順に通過して色変換を達成し、例えば後画像を形成する。発光画素ユニット112の少なくとも一部により生成された光は、第1透明画素134と第2カラー画素142を順に通過して色変換を達成し、例えば前画像を形成する。
【0010】
本実施形態のディスプレイ装置100において、第1色変換パネル130と第2色変換パネル140は、画素発光パネル110上に順に重畳される。画素発光パネル110の発光画素ユニット112の一部は単色前画像を表示するために用いられ、発光画素ユニット112の他の部分は単色後画像を表示するために用いられる。単色前画像は、第1色変換パネル130を通過した後にカラー前画像に変換される。単色後画像は、第2色変換パネル140を通過した後にカラー後画像に変換される。ユーザからは、第1カラー画素132から成る後画像は第1色変換パネル130の位置で見られ、第2カラー画素142から成る前画像は第2色変換パネル140の位置で見られる。前画像と後画像との間には明暗及び/又は色彩における僅かな差異があることから、ユーザは画像の被写界深度を感じることができ、これにより三次元画像を見る効果を生む。
【0011】
例えば、画像がドライバ120に送られる前に、元々の単一の画像が前画像信号と後画像信号とにプログラムされる。次いで、ドライバ120を通じて、前画像信号と後画像信号はそれぞれ画素発光パネル110の異なるグループの発光画素ユニット112により単色のかたちで提供され、次いで、第1色変換パネル130及び第2色変換パネル140によってカラーで提供される。第1カラー画素132と第2カラー画素142が交互に配置され且つ画素間の距離が極めて短いため、前画像と後画像はユーザにとっては重なった画像と見なされることができる。画像がプログラムされるとき、前画像と後画像との間の明度の差異は、入力画像の被写界深度特性に基づき調整されることができる。第1色変換パネル130及び第2色変換パネル140の厚さのため、前画像と後画像は異なる空間的深度を有する。前画像と後画像の明暗及び/又は色彩における僅かな差異に加え、画像平面とユーザとの間の距離における差異は、ユーザに奥行きが融合された立体感を与える。
【0012】
ディスプレイ装置100には1つの画素発光パネル110のみが存在することから、全体的な体積が大きく削減される。加えて、第1カラー画素132と第2カラー画素142の位置はずらされている。これら2つは同時に表示されることができ、前画像と後画像をタイミング制御により順に表示する必要はなく、これはドライバ回路を簡素化することもできる。更に、ディスプレイ装置100のコストが低減され、歩留まりも向上する。
【0013】
図2は、図1のディスプレイ装置のA-A線に沿った概略断面図である。図3は、図1のディスプレイ装置のC-C線に沿った概略断面図である。図2図3を参照し、本実施形態において、発光画素ユニット112は発光ダイオードチップである。発光画素ユニット112のサイズは、例えば100ミクロン未満である。第1カラー画素132と第2カラー画素142は量子ドット層であるが、カラー光フィルタ膜又は蛍光体層であってもよい。カラー画素はそれ自体では光を放射せず、カラー画素が光により励起されたとき、カラー画素の材料特性に応じて対応する波長の光を放射する。各カラー画素の材料は、単一の色変換材料又は複数の色変換材料の適切な組合せ、例えば、赤量子ドット材料と赤色光フィルタ膜材料との組合せであってよい。各第1カラー画素132の色は、赤色、青色、又は緑色であってよい。各第2カラー画素142の色は、赤色、青色、又は緑色であってよい。例えば、発光画素ユニット112は青色光を放射してよいが、発光画素ユニット112は白色光、紫外線光、又は他の光を放射してもよい。発光画素ユニット112の少なくとも一部により放射された青色光は、第1カラー画素132を通じて赤色光、青色光、及び緑色光に変換されることができる。次いで、赤色光、青色光、及び緑色光は、ユーザの目に到達して後画像を形成するため、第2透明画素144を通過する。第1色変換パネル130及び第2色変換パネル140の基板材料は、例えば、可視光波長帯における透光性を有する。
【0014】
図3を参照し、発光画素ユニット112の少なくとも一部により放射された青色光は、第2カラー画素142に到達するため先ず第1透明画素134を通過し、次いで第2カラー画素142を通じて赤色光、青色光、及び緑色光に変換される。赤色光、青色光、緑色光は、次いでユーザの目に到達して前画像を形成する。
【0015】
図4は、図1のディスプレイ装置の2つの色変換パネル間の位置合わせ関係の概略図である。図4を参照し、本実施形態において、N2=N5で且つN3=N4である。即ち、第1カラー画素132の数は第2透明画素144の数と同一であり、第1透明画素134の数は第2カラー画素142の数と同一である。本実施形態において、第1カラー画素132と第1透明画素134は交互に配置される。
【0016】
本実施形態において、第1カラー画素132と第1透明画素134は行と列において交互に配置される。例えば、奇数列は第1カラー画素132であり、偶数列は第1透明画素134である。第1色変換パネル130と第2色変換パネル140とを重畳させた後、第1カラー画素132の位置は第2透明画素144の位置と対向し、第1透明画素134の位置は第2カラー画素142の位置と対向していることが見て取れる。このため、奇数列は第2透明画素144であり、偶数列は第2カラー画素142である。更に、第1カラー画素132と第2カラー画素142はディスプレイ装置100全体に均等に分配される。
【0017】
図5Aは、本発明のもう1つの実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。図5Bは、組立済み状態における図5Aのディスプレイ装置のD-D線に沿った概略断面図である。図5A図5Bを参照し、本実施形態のディスプレイ装置200Aは図1のディスプレイ装置100に類似しており、これら2つの間の差異のみをここで説明する。本実施形態において、ディスプレイ装置200Aは、画素発光パネル110と第1色変換パネル130との間に設けられた集光装置250Aを更に含む。集光装置250Aは、発光画素ユニット112により放射された光に集束効果を生ませ、第2カラー画素142上に入射する光の量を増加させて励起効率を向上させ、発光画素ユニット112により放射された光が隣接する第1カラー画素132に拡散する可能性を低下させて光クロストーク(optical crosstalk)を低減させる。ここで、発光画素ユニット112により放射された光は集束効果を生む。他の実施形態において、集光装置250Aはコリメート装置に置き換えられてもよい。コリメート装置は、複数のコリメートユニットを含む。各コリメートユニットは第2カラー画素142に対応する。コリメートユニットは、発光画素ユニット112により放射された光の発散角を減少させる。本実施形態の集光装置250Aは、複数の集光ユニット252Aを有する。各集光ユニット252Aは第2カラー画素142に対応する。集光ユニット252Aは、凸レンズのみならず、メタレンズ又は他の光学装置であってもよい。
【0018】
第2カラー画素142と発光画素ユニット112との間の距離が第1カラー画素132と発光画素ユニット112との間の距離よりも長いことから、本実施形態において第2カラー画素142に対応する集光ユニット252Aのみを光集束効果を生むために用いているが、本発明はこれに限定されない。加えて、集光装置250Aは発光画素ユニット112の頂部の一部により形成されてもよい。即ち、発光画素ユニット112の頂部は凸レンズ形状を有するように作製されてよい。
【0019】
図6は、本発明の更なる実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。図6を参照し、本実施形態のディスプレイ装置200Bは図5Aのディスプレイ装置200Aに類似しており、これら2つの間の差異のみをここで説明する。本実施形態において、集光装置250Bが第1色変換パネル130と第2色変換パネル140との間に設けられる。集光装置250Bの各集光ユニット252Bは、第1カラー画素132に対応する。集光装置250Bは第1色変換パネル130により変換されたカラー光に集束効果を生ませ、変換されたカラー光が隣接する第2カラー画素142に拡散する可能性を低下させる。
【0020】
図7は、本発明のまたもう1つの実施形態によるディスプレイ装置の集光装置の概略図である。図5図7を参照し、本実施形態のディスプレイ装置は図5のディスプレイ装置200Aに類似しているが、図5の集光装置250Aが本実施形態の集光装置350に置き換えられている。本実施形態の集光装置350は、複数の集光ユニット352と、複数の集光ユニット354とを有する。集光ユニット352は第2カラー画素142に対応するよう用いられ、集光ユニット354は第1カラー画素132に対応するよう用いられる。集光装置350は、発光画素ユニット112により放射された光に集束効果を生ませ、第1カラー画素132と第2カラー画素142に入射する光の量を増加させて励起効率を向上させる。第1カラー画素132と発光画素ユニット112との間の距離が第2カラー画素142と発光画素ユニット112との間の距離とが異なることから、集光ユニット352及び集光ユニット354の光集束効果は異なる。凸レンズの形態における集光ユニットを例とすると、第2カラー画素142に対応する集光ユニット352の弧面のラジアンは、第1カラー画素132に対応する集光ユニット354の弧面のラジアンとは異なる。他の実施形態において、集光装置350はコリメート装置に置き換えられてもよい。コリメート装置は、複数のコリメートユニットを含む。コリメートユニットは、第1カラー画素132及び第2カラー画素142に対応する。コリメートユニットは、発光画素ユニット112により放射された光の発散角を減少させる。他の実施形態において、集光装置350は第2色変換パネル140の上方に設けられてよい。第2カラー画素142に対応する集光装置350の集光ユニットと、第1カラー画素132に対応する集光装置350の集光ユニットは、それぞれ異なるラジアンの値を持つ弧面を有する。
【0021】
図8は、本発明の更にもう1つの実施形態によるディスプレイ装置の3つの色変換パネルの位置合わせ関係の概略図である。図8を参照し、本実施形態において、ディスプレイ装置400は第3色変換パネル460を更に含む。第1色変換パネル430はN2個の第1カラー画素R、第1カラー画素G、第1カラー画素Bと、N3個の第1透明画素434とを含む。第2色変換パネル440は、N4個の第2カラー画素R’、第2カラー画素G’、第2カラー画素B’と、N5個の第2透明画素444とを含む。第3色変換パネル460は、N6個の第3カラー画素R”、第3カラー画素G”、第3カラー画素B”と、N7個の第3透明画素464とを含む。発光画素ユニット(例えば図1に示した発光画素ユニット112)の少なくとも一部により放射された光は、色変換を達成するため、第1カラー画素R、第1カラー画素G、第1カラー画素B、第2透明画素444、そして第3透明画素464を順に通過する。発光画素ユニットの少なくとも一部により放射された光は、色変換を達成するため、第1透明画素434、第2カラー画素R’、第2カラー画素G’、第2カラー画素B’、そして第3透明画素464を順に通過する。発光画素ユニットの少なくとも一部により放射された光は、色変換を達成するため、第1透明画素434、第2透明画素444、そして第3カラー画素R”、第3カラー画素G”、第3カラー画素B”を順に通過する。N3=N4+N6であり、N5=N2+N6であり、N7=N2+N4である。
【0022】
本実施形態において、3つの色変換パネルは3つの異なる距離感を持つ画像を提供することができ、これは画像の立体感及び順序感を更に高める。実際、他の実施形態において、色変換パネルの数は更に増やされてよい。複数の色変換パネルのそれぞれのカラー画素の位置は異なってよい。ただし、任意の色変換パネル上のカラー画素の位置は、他の色変換パネル上の透明画素の位置と重ならなければならない。複数の色変換パネルが積層された後、全ての画素位置は1つのカラー画像に対応し、異なる色変換パネルのカラー画像は交互に配置される。
【0023】
図9は、本発明の1つの実施形態によるプロジェクタの概略分解図である。図9を参照し、本実施形態のプロジェクタ500は、上記実施形態のディスプレイ装置と比較し、追加的な投影レンズ570を有する。即ち、上記実施形態のディスプレイ装置は全て本実施形態のプロジェクタ500に適用することができ、例として図1のディスプレイ装置の画素発光パネル110、複数の色変換パネル130及び140、ドライバ120のみを適用しているが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
発光画素ユニット112の少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するために第1カラー画素132と第2透明画素144を順に通過して、例えば、後画像を形成する。発光画素ユニット112の少なくとも一部により生成された光は、色変換を達成するために第1透明画素134と第2カラー画像142を順に通過して、例えば、前画像を形成する。発光画素ユニット112により生成された光は、第1色変換パネル130、第2色変換パネル140、及び投影レンズ570を通じて画像を投影する。
【0025】
例えば、本実施形態のプロジェクタ500は、仮想現実ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等といったマイクロディスプレイ領域におけるプロジェクタであってよいが、本発明はこれに限定されさない。本実施形態のプロジェクタ500は被写界深度を有する画像を提供することができ、これにより立体画像視聴効果を生む。
【0026】
まとめると、本発明のディスプレイ装置及びプロジェクタにおいて、深度融合ディスプレイを達成するため単一の画素発光パネルが複数の色変換パネルと共に用いられる。製造工程及び構造を簡略化することができる。コストを削減することができ、歩留まりを向上させることができ、体積を減少させることができる。加えて、複数の画素発光パネルの画像を同時に制御することに比べ、単一の画素発光パネルの画像の制御を要するのみであり、これは画像補正及び位置合わせを単純化させる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のディスプレイ装置及びプロジェクタは、従来技術における高いコスト、低い歩留まり、大きな体積の問題を改善可能であり、ディスプレイ技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
100:ディスプレイ装置
110:画素発光パネル
112:発光画素ユニット
120:ドライバ
130:第1色変換パネル
132:第1カラー画素
134:第1透明画素
140:第2色変換パネル
142:第2カラー画素
144:第2透明画素
250A、250B、350:集光装置
252A、252B、352、354:集光ユニット
400:ディスプレイ装置
430:第3色変換パネル
434:第1透明画素
444:第2透明画素
464:第3透明画素
500:プロジェクタ
570:投影レンズ
R、G、B:第1カラー画素
R’、G’、B’: 第2カラー画素
R”、G”、B”:第3カラー画素
A-A、C-C、D-D:線
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
アレイに分配されたN1個の発光画素ユニットを含み、前記発光画素ユニットがドライ
バを通じて光を放射するよう駆動される、画素発光パネルと、
少なくとも第1色変換パネルと第2色変換パネルとを含む、複数の色変換パネルと
を含み、
前記第1色変換パネルが、N2個の第1カラー画素と、N3個の第1透明画素とを含み、前記第1カラー画素と前記第1透明画素が前記発光画素ユニットに相対して設けられ、
前記第2色変換パネルが、N4個の第2カラー画素と、N5個の第2透明画素とを含み、前記第2カラー画素と前記第2透明画素が前記発光画素ユニットに相対して設けられ、
前記発光画素ユニットの少なくとも一部により生成された光が、前記第1カラー画素と前記第2透明画素を順に通過して色変換を達成し、第1の画像を形成し
前記発光画素ユニットの少なくとも別の一部により生成された光が、前記第1透明画素と前記第2カラー画素を順に通過して色変換を達成し、第1の画像とは異なる第2の画像を形成する、
ディスプレイ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
前記第1カラー画素と前記第1透明画素が、行方向と列方向のいずれかにおいて交互に配置される、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図6は、本発明の更なる実施形態によるディスプレイ装置の概略分解図である。図6
参照し、本実施形態のディスプレイ装置200Bは図5Aのディスプレイ装置200Aに
類似しており、これら2つの間の差異のみをここで説明する。本実施形態において、集光
装置250Bが第1色変換パネル130と第2色変換パネル140との間に設けられる。
光ユニット250Bの各集光ユニット252Bは、第1カラー画素132に対応する。集光ユニット250Bは第1色変換パネル130により変換されたカラー光に集束効果を生ませ、変換されたカラー光が隣接する第2カラー画素142に拡散する可能性を低下させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5B
【外国語明細書】