(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005855
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】グローブ及び行動判定システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240110BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20240110BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20240110BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20240110BHJP
A41D 13/08 20060101ALI20240110BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F3/01 514
A41D19/015 610Z
A41D19/00 A
A41D13/00 102
A41D13/08 104
A63B69/00 513D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106270
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田名網 克周
(72)【発明者】
【氏名】林 美由希
【テーマコード(参考)】
3B011
3B033
3B211
5E555
【Fターム(参考)】
3B011AA07
3B011AB11
3B011AC04
3B033AA15
3B033AA22
3B033AA23
3B033AA24
3B033AB14
3B211AA07
3B211AB11
3B211AC04
5E555AA11
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555CA23
5E555CA41
5E555CA44
5E555CB19
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】圧力変化を検知できる新規な構成のグローブを提供する。
【解決手段】グローブ(10)は、静電容量式のセンサを備えるグローブであって、前記グローブの生地に導電性糸が織り込まれており、前記導電性糸は、互いに隣接する導電性糸間の静電容量の変化から、当該導電性糸が織り込まれた領域に加えられた圧力変化を検知する前記センサとして機能する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量式のセンサを備えるグローブであって、
前記グローブの生地に導電性糸が織り込まれており、
前記導電性糸は、互いに隣接する導電性糸間の静電容量の変化から、当該導電性糸が織り込まれた領域に加えられた圧力変化を検知する前記センサとして機能することを特徴とするグローブ。
【請求項2】
前記導電性糸は、ユーザの手指、手掌、又は手背の少なくとも1つが接触する領域における、ユーザの手に圧力が加わる部分と対応する位置に織り込まれていることを特徴とする請求項1に記載のグローブ。
【請求項3】
前記センサにより検知された圧力変化に関するデータを外部の装置に送信する送信部を更に備え、
前記送信部は、前記グローブに対して取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載のグローブ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のグローブと、
ユーザの上肢に装着され、前記ユーザの上肢の動作を検知する加速度センサと、
コントローラと、を含み、
前記コントローラは、
前記グローブの前記センサにより検知された圧力変化と、前記加速度センサにより検知された前記ユーザの上肢の加速度変化とから、前記ユーザの上肢に関する行動を判定する判定処理を実行することを特徴とする行動判定システム。
【請求項5】
前記ユーザの下肢から受けた外力を測定する外力測定部を更に含み、
前記コントローラは、
前記判定処理において、前記判定された前記ユーザの上肢に関する行動と、前記外力測定部により測定された外力とから、前記ユーザの全身に関する行動をさらに判定することを特徴とする請求項4に記載の行動判定システム。
【請求項6】
前記外力測定部は、前記ユーザから受けた荷重を測定するフォースプレートであることを特徴とする請求項5に記載の行動判定システム。
【請求項7】
前記外力測定部は、前記ユーザから受けた圧力を測定する圧力センサを備えるフットウェアであることを特徴とする請求項5に記載の行動判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローブ及び行動判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に示すように、手袋などの衣類に導電織物を縫うことにより、人の身体と導電織物との間に発生する電気容量の変化を検知する静電容量センサとする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、生地に導電性糸が織り込まれ、互いに隣接する導電性糸が近接することにより生じる静電容量の変化から圧力変化を検知する構成は開示されていない。
【0005】
本発明の一態様は、圧力変化を検知できる新規な構成のグローブ及び行動判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るグローブは、静電容量式のセンサを備えるグローブである。このグローブは、グローブの生地に導電性糸が織り込まれている。導電性糸は、互いに隣接する導電性糸間の静電容量の変化から、当該導電性糸が織り込まれた領域に加えられた圧力変化を検知するセンサとして機能する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る行動判定システムは、グローブと、加速度センサと、コントローラと、を含む。グローブは、静電容量式センサを備える。加速度センサは、ユーザの上肢の動作を検知するセンサであって、ユーザの上肢に装着される。コントローラは、ユーザの上肢に関する行動を判定する判定処理を実行する。判定処理は、グローブのセンサにより検知された圧力変化と、前記加速度センサにより検知されたユーザの上肢の加速度変化と、から行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、圧力変化を検知できる新規な構成のグローブ及び行動判定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係るグローブの構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の実施形態2に係る行動判定システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示す行動判定システムの概要を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態3に係る行動判定システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4に示す行動判定システムの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔本開示の実施形態の概要〕
最初に、本開示の実施形態の概要を説明する。
【0011】
(条項1)
静電容量式のセンサを備えるグローブであって、
前記グローブの生地に導電性糸が織り込まれており、
前記導電性糸は、互いに隣接する導電性糸間の静電容量の変化から、当該導電性糸が織り込まれた領域に加えられた圧力変化を検知する前記センサとして機能することを特徴とするグローブ。
【0012】
(条項2)
前記導電性糸は、ユーザの手指、手掌、又は手背の少なくとも1つが接触する領域における、ユーザの手に圧力が加わる部分と対応する位置に織り込まれていることを特徴とする条項1に記載のグローブ。
【0013】
(条項3)
前記センサにより検知された圧力変化に関するデータを外部の装置に送信する送信部を更に備え、
前記送信部は、前記グローブに対して取り外し可能であることを特徴とする条項1または2に記載のグローブ。
【0014】
(条項4)
条項1から3のいずれか1項に記載のグローブと、
ユーザの上肢に取り付けられ、前記ユーザの上肢の動作を検知する加速度センサと、
コントローラと、を含み、
前記コントローラは、
前記グローブの前記センサにより検知された圧力変化と、前記加速度センサにより検知された前記ユーザの上肢の加速度変化とから、前記ユーザの上肢に関する行動を判定する判定処理を実行することを特徴とする行動判定システム。
【0015】
(条項5)
前記ユーザの下肢から受けた外力を測定する外力測定部を更に含み、
前記コントローラは、
前記判定処理において、前記判定された前記ユーザの上肢に関する行動と、前記外力測定部により測定された外力とから、前記ユーザの全身に関する行動をさらに判定することを特徴とする条項4に記載の行動判定システム。
【0016】
(条項6)
前記外力測定部は、前記ユーザから受けた荷重を測定するフォースプレートである条項5に記載の行動判定システム。
【0017】
(条項7)
前記外力測定部は、前記ユーザから受けた圧力を測定する圧力センサを備えるフットウェアである条項5に記載の行動判定システム。
【0018】
〔本開示の実施形態の例示〕
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。以下の各実施形態においては、ボクシングゲームを例に説明する。
【0019】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るグローブの構成について説明する。
図1は、グローブ10の構成を示す概略図である。
【0020】
グローブ10は、ユーザUsの手UsHの動作を検知するためのグローブである。
図1に示す例において、グローブ10はボクシング用のグローブである。グローブ10は、外部の装置と無線による通信を行う。なお、グローブ10は、有線により外部の装置と通信を行ってもよい。
【0021】
グローブ10は、グローブ本体11と、送信部12とにより構成されている。グローブ本体11の生地には、導電性糸が織り込まれている。当該導電性糸が織り込まれた領域に圧力が加わると、互いに隣接する導電性糸間の静電容量は変化する。すなわち、導電性糸は圧力センサ13として機能する。
【0022】
より詳細に説明すると、圧力センサ13は、静電容量式のセンサである。グローブ本体11に圧力が加わると、グローブ本体11に歪が生じ、互いに隣接する導電性糸が近接する。互いに隣接する導電性糸が近接すると、導電性糸間の静電容量に変化が生じる。圧力センサ13は、静電容量の変化を検知することにより、グローブ本体11に加わる圧力を検知する。圧力センサ13により、ユーザUsの手UsHの動作が検知される。
【0023】
導電性糸は、ユーザUsの手指、手掌、又は手背の少なくとも1つが接触する領域における、ユーザUsの手UsHに圧力が加わる部分と対応する位置に織り込まれている。即ち、ユーザUsの手UsHに圧力が加わる部分と対応する位置に圧力センサ13が配置される。
図1に示す例では、ユーザUsがグローブ10を装着した状態で対象物に打撃を与えたとき、ユーザUsの手UsHの領域R1に圧力が加わると想定される。領域R1は、手UsHの手背側であって、手UsHの手指のそれぞれの付け根部分に当たる領域である。グローブ10には、手UsHの領域R1に対応させて、複数の圧力センサ13が配置されている。
【0024】
上記の構成によれば、グローブ10には、ユーザUsの手UsHに圧力が加わる部分と対応する位置に導電性糸を織り込んでいるため、当該位置に圧力センサ13が配置されることになる。それゆえ、ユーザUsの手UsHの圧力変化をより詳細に検知することができる。これにより、より現実に近い状態でユーザUsの手UsHの動作を検知することができる。
【0025】
送信部12は、圧力センサ13により検知された圧力変化に関する出力信号を外部の装置に送信する。送信部12は、外部の装置と通信するためのインターフェースを有する。送信部12は、グローブ本体11の手首側に取り付けられ、グローブ本体11に対して取り外し可能である。
【0026】
上記の構成によれば、送信部12とグローブ本体11とを分離することができる。そのため、グローブ10が汚れてしまったとき、グローブ本体11のみを洗濯することができる。これにより、グローブを手UsHにはめたときに、ユーザUsに与える不快感を少なくすることができる。
【0027】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、
図2及び
図3を参照して以下に説明する。
図2は、行動判定システム1の構成を示すブロック図である。
図3は、
図2に示す行動判定システム1の概要を示す図である。本実施形態は、ユーザUsの上肢に関する行動を判定する行動判定システムの例示である。
【0028】
なお、以下の説明において、
図3に示すようなX軸、Y軸、Z軸という三方向の座標軸を規定して説明する。ここで、本実施形態において、Z軸はユーザUsが立つ床面Fに対して直交する方向と平行な軸であり、X軸はZ軸と直交する軸であり、Y軸はX軸及びZ軸と直交する軸である。X軸方向は対象物Aに対して左右方向に向かう方向として、Y軸方向は対象物Aに対して前後方向に向かう方向として説明する。
【0029】
[行動判定システム1の概要]
図2及び
図3に示すように、行動判定システム1は、グローブ10と、アームバンド20と、コントローラ30と、を含んでいる。グローブ10及びアームバンド20は、コントローラ30と無線によって通信可能に構成されている。なお、グローブ10及びアームバンド20は、有線によりコントローラ30と通信を行う構成であってもよい。
【0030】
グローブ10は、第1プロセッサ14と、通信IF15と、圧力センサ13と、を備えている。第1プロセッサ14、通信IF15、及び圧力センサ13は、バス17を介して相互に接続されている。
【0031】
第1プロセッサ14は、圧力センサ13により検知された圧力変化に関する出力信号をコントローラ30に送信する。第1プロセッサ14の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)等が挙げられる。後述する第2プロセッサ21の構成についても、第1プロセッサ14の構成と同様である。
【0032】
通信IF15は、コントローラ30と無線による通信を行うインターフェースである。無線による通信は、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信または無線LANなど公知の規格にしたがって実行され得る。なお、通信IF22は、種々の公知のネットワークにより通信を行ってもよい。また、通信IF15は、コントローラ30と有線による通信を行っても良い。後述する通信IF22の構成についても、通信IF15の構成と同様である。
【0033】
<アームバンド>
アームバンド20は、ユーザUsの上肢に装着され、ユーザUsの上肢の動作を検知する。アームバンド20は、第2プロセッサ21と、通信IF22と、加速度センサ23と、を備えている。第2プロセッサ21、通信IF22、及び加速度センサ23は、バス24を介して相互に接続されている。
【0034】
加速度センサ23は、X軸、Y軸及びZ軸から3軸方向の加速度を検知するセンサである。ユーザUsの上肢の動作は、加速度センサ23による加速度に基づいて検知される。第2プロセッサ21は、通信IF22を介して、加速度センサ23により検知された加速度変化に関する出力信号をコントローラ30に送信する。
【0035】
<コントローラ>
コントローラ30は、グローブ10の圧力センサ13、及びアームバンド20の加速度センサ23からの出力信号を受信し、その出力信号からユーザUsの上肢に係る行動を総合的に判定する装置である。
【0036】
コントローラ30は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、またはPLC(programmable logic controller)等により実現される。コントローラ30は、例えば、CPU、GPU等のプロセッサ、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、および各種デバイスと通信を行うインターフェースを含む。
【0037】
[行動判定システム1の動作の流れ]
コントローラ30は、アームバンド20の加速度センサ23により検知された加速度変化とグローブ10の圧力センサ13により検知された圧力変化とから、ユーザUsの上肢の行動を総合的に判定する。より詳細には、コントローラ30は、加速度センサ23により検知された加速度変化から、ユーザUsの上半身の行動の種類(上肢の屈伸等)を判定する。コントローラ30は、圧力センサ13により検知された圧力変化から、ユーザUsの上肢の行動の種類、上肢の行動の正確性及び/又はユーザUsの手UsHの行動の種類を判定する。本実施形態においては、コントローラ30は、アームバンド20により、ユーザUsの上肢の行動であるパンチの種類(ストレート、フック等)を判定する。また、コントローラ30は、グローブ10により、パンチの正確性及びパンチの強度を判定する。なお、本願において、「行動の判定」には、(i)行動の種類、(ii)行動の正確性、(iii)行動の強度が含まれるものとする。
【0038】
上記の構成によれば、アームバンド20の加速度センサ23による上肢の加速度変化と、グローブ10の圧力センサ13による圧力変化と、を組み合わせることにより、ユーザUsの上肢の行動をより詳細に判定することができる。これにより、より現実に近い上肢の行動を判定することができる。
【0039】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、
図4及び
図5を参照して以下に説明する。
図4は、行動判定システム1Aの構成を示すブロック図である。
図5は、
図4に示す行動判定システム1Aの概要を示す図である。実施形態3に係る行動判定システム1Aは、実施形態2の構成に加え、ユーザUsの下肢から受けた外力を測定する外力測定部の一例であるフォースプレートを更に備える。本実施形態は、ユーザの全身に関する行動を判定する行動判定システムの例示である。
【0040】
ここで、本実施形態において、
図5に示すように、Z軸はユーザUsが立つフォースプレート40の面40Aに対して直交する方向と平行な軸であり、X軸はZ軸と直交する軸であり、Y軸はX軸及びZ軸と直交する軸である。X軸方向は対象物Aに対して左右方向に向かう方向として、Y軸方向は対象物Aに対して前後方向に向かう方向として説明する。
【0041】
[行動判定システム1Aの概要]
図4及び
図5に示すように、行動判定システム1Aは、グローブ10と、アームバンド20と、コントローラ30と、フォースプレート40とを含んでいる。フォースプレート40は、コントローラ30と無線によって通信可能に構成されている。なお、フォースプレート40は、有線によりコントローラ30と通信を行う構成であってもよい。
【0042】
<フォースプレート>
フォースプレート40は、フォースプレート40上のユーザUsから受けた外力である荷重を測定する。
図4に示すように、フォースプレート40は、第3プロセッサ41と、通信IF42と、力覚センサ43と、を備えている。第3プロセッサ41、通信IF42、及び力覚センサ43は、バス44を介して相互に接続されている。第3プロセッサ41の構成は、第1プロセッサ14の構成と同様である。通信IF42の構成は、通信IF15の構成と同様である。
【0043】
本実施形態においては、力覚センサ43として、6軸力覚センサを用いている。力覚センサ43は、フォースプレート40に作用するX軸方向の力FX、Y軸方向の力FY、Z軸方向の力FZ、X軸周りのモーメントMX、Y軸周りのモーメントMY、及び、Z軸周りのモーメントMZを検知する。
【0044】
力覚センサ43は、矩形状のフォースプレート40の四角に配置されている。力覚センサ43により、フォースプレート40上のユーザUsから受けた荷重及びモーメントを測定する。第3プロセッサ41は、通信IF42を介して、力覚センサ43により検知された荷重変化及びモーメント変化に関する出力信号をコントローラ30に送信する。
【0045】
[行動判定システム1Aの動作の流れ]
コントローラ30は、フォースプレート40の力覚センサ43により検知された荷重及びモーメントから、ユーザUsの下肢の行動を判定する。コントローラ30は、力覚センサ43により測定された荷重により、ユーザUsの足にかかる圧力の圧力中心を算出する。これにより、ユーザUsの重心位置が検知される。また、コントローラ30は、力覚センサ43により検知されたモーメントから、ユーザの足に作用するモーメントを算出する。より詳細には、ユーザが乗るフォースプレート40の面40Aに対して直交する方向(
図2のZ軸方向)のモーメントを算出する。これにより、ユーザUsの足の動作の方向が検知される。算出された足の圧力中心とモーメントから、ユーザUsの下肢の行動の種類(歩行、走行、ジャンプ等)、及びユーザUsの下肢の行動の強度(踏み込みの程度、ジャンプ力等)が判定される。本実施形態において、フォースプレート40により、ユーザがパンチを行ったときの踏み込みの強度及び下半身のフォームが検知される。
【0046】
コントローラ30は、アームバンド20の加速度センサ23による加速度変化と、グローブ10の圧力センサ13による圧力変化と、フォースプレート40の力覚センサ43により測定された荷重とから、ユーザUsの全身に関する行動を判定する。例えば、本実施形態において、ユーザUsがパンチを行ったときの全身のフォーム及び全身の力のかけ方を検知することができる。
【0047】
上記の構成によれば、アームバンド20の加速度センサ23による加速度変化と、グローブ10の圧力センサ13による圧力変化と、フォースプレート40の力覚センサ43による荷重変化とを組み合わせることにより、ユーザUsの全身の行動を総合的に判定することができる。これにより、より現実に近い全身の行動を判定することができる。
【0048】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。上述の実施形態3ではフォースプレート40によりユーザUsから受けた外力の測定を行っているが、フォースプレート40に変えて圧力センサが配置されたフットウェアを使用してもよい。フットウェアは、外力測定部の一例である。
【0049】
フットウェアは、ユーザUsの下肢に装着される。フットウェアとして、例えば、ルームブーツ、靴下、靴、などが挙げられる。また、フットウェアは、室内用に限られず、室外用のものであってもよい。本実施形態では、室内用のルームブーツを例にして説明する。
【0050】
ルームブーツは、ルームブーツを使用するユーザUsの下肢から受けた外力である圧力を測定する。ルームブーツは、コントローラ30と、無線による通信を行う。なお、ルームブーツは、有線によりコントローラ30と通信を行ってもよい。ルームブーツは、第4プロセッサと、通信IFと、圧力センサとを備えている。
【0051】
第4プロセッサ、通信IF、及び圧力センサは、バスを介して相互に接続されている。圧力センサは、ルームブーツのブーツ裏(ソール部分)に配置されている。圧力センサは、ユーザUsの足指及び足底の圧力が加わる部分に対応して、ルームブーツに配置されている。圧力センサにより、ユーザUsの下肢から受けた圧力が測定される。第4プロセッサは、通信IFを介して、圧力センサからの出力信号をコントローラ30に送信する。
【0052】
コントローラ30は、アームバンド20の加速度センサ23、グローブ10の圧力センサ13、及びルームブーツの圧力センサからの出力信号を受信し、その出力信号からユーザUsの全身に関する行動を総合的に判定する。
【0053】
コントローラ30は、アームバンド20の加速度センサ23による加速度変化と、グローブ10の圧力センサ13による圧力変化と、フットウェアの圧力センサにより測定された圧力とから、ユーザUsの全身に関する行動を判定する。例えば、本実施形態において、ユーザUsがパンチを行ったときの全身のフォーム及び全身の力のかけ方を検知することができる。
【0054】
上記の構成によれば、アームバンド20の加速度センサ23による加速度変化と、グローブ10の圧力センサ13による圧力変化と、フットウェアの圧力センサによる圧力変化とを組み合わせることにより、ユーザUsの全身の行動を総合的に判定することができる。これにより、より現実に近い全身の行動を判定することができる。
【0055】
なお、本実施形態において、ルームブーツに配置される圧力センサの位置が限定されているが、これに限られない。ルームブーツには、ユーザの足背部分、又は踵部分に対応する位置に圧力センサが配置されていてもよい。圧力センサが配置される位置は、フットウェアの使用目的に応じて適宜変更可能である。
【0056】
〔その他の実施形態〕
なお、本願における行動判定システム1,1Aは、上述した実施形態のようにゲームに関するものに限られない。本願における行動判定システム1,1Aは、その他の分野における人又は動物の上半身に関する行動の判定及び/又は上半身の行動と下半身の行動とを組み合わせた全身に関する行動の判定に用いられてもよい。例えば、スポーツ、介護、または医療(特にリハビリテーション)等の分野が挙げられる。
【0057】
なお、本願におけるグローブは、上述した実施形態に記載されたボクシング用のグローブに限られない。本願におけるグローブは、ユーザの手に取り付けられる繊維製及び/又は革製のものであればよい。また、本願におけるグローブは、ユーザUsの手の一部が、外部に露出するような構成であってもよい。
【0058】
なお、上述した実施形態においては、グローブ10に配置される圧力センサ13の位置が限定されているが、これに限られない。グローブ10には、ユーザの手背部分に対応する位置又は、手掌部分に対応する位置に圧力センサ13が配置されてもよい。圧力センサ13が配置される位置は、グローブの使用目的に応じて適宜変更可能である。
【0059】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1、1A 行動判定システム
10 グローブ
20 アームバンド
30 コントローラ
40 フォースプレート