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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058551
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】着脱装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/10 20060101AFI20240418BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B23Q3/10
B23Q7/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065140
(22)【出願日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】P 2022165377
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】柿木 和登
【テーマコード(参考)】
3C016
3C033
【Fターム(参考)】
3C016EA00
3C033HH26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な操作で確実に作動する着脱装置を提供する。
【解決手段】着脱装置(10)は、第2連結部材(60)を第1連結部材(20)に着脱可能に装着する。第2連結部材(60)のプルロッド(64)が、挿入孔(22)に挿入されたとき、第1連結部材(20)は、クランプアームの係合部をプルロッド(64)の溝(65、66)に進入させることにより、係合する。第1連結部材(20)は、第1連結部材(20)の厚さ方向(p)に浮き上がるよう弾発支持されロック部材を具備している。ロック部材は、溝(65、66)に進入した係合部が被さる位置に設けられる。プルロッド(64)は、ロック部材に対向する側に、袋面(71)と、押さえ面(72)とを上から順に具備している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2連結部材を第1連結部材に着脱可能に装着する着脱装置において、
前記第1連結部材は、
前記第2連結部材が当接可能となるように形成される着座面と、前記着座面に開口される挿入孔を介して外部に連通される作動室が形成された基部材と、
前記作動室内にその軸心を中心とし、前記第1連結部材の幅方向に左右対称となるように設けられ、長手方向の途中部が前記作動室の内壁から突設される回転支軸によって回転可能に支持される2つのクランプアームであって、各クランプアームは長手方向の一端に係合部が形成され、他端が前記作動室の外部に突出した操作部が形成されたクランプアームと、
前記操作部を離間させるように、前記クランプアームを付勢する付勢部材とを有し、
一方、前記第2連結部材は、
前記第2連結部材が前記着座面に当接したときに、前記挿入孔に挿入されるプルロッドであって、前記プルロッドは前記係合部が進入して係合可能となるように、前記第2連結部材の幅方向の左右に溝が形成されており、
前記第1連結部材は、さらに、前記第1連結部材の厚さ方向に前記作動室の内壁から浮き上がるよう弾発支持され、前記溝に進入した前記係合部が前記浮き上がりを押さえるように被さる位置に設けられたロック部材を具備し、
前記プルロッドは、さらに、前記挿入孔に挿入されたときに前記ロック部材に対向する側に、前記溝の高さ位置から下降するにつれて前記プルロッドの軸心から離れる袋面と、前記係合部の前記浮き上がりを阻止するのに十分なだけ前記プルロッドの軸心との間隔が離れた押さえ面とを上から順に具備していることを特徴とする着脱装置。
【請求項2】
請求項1の着脱装置において、
前記第1連結部材および前記第2連結部材のうちの一方の部材に形成される基準孔に挿入可能となるように、前記第1連結部材および前記第2連結部材のうちの他方の部材から突設される位置決めピンを備えることを特徴とする着脱装置。
【請求項3】
請求項1の着脱装置において、
前記プルロッドは、さらに、前記押さえ面の下側に、下降するにつれて前記プルロッドの軸心に近付く乗り上げ面を具備しており、前記乗り上げ面の下側は浮き上がった前記ロック部材よりも前記プルロッドの軸心に近付いていることを特徴とする着脱装置。
【請求項4】
請求項2の着脱装置において、
前記基準孔の内周面には、内径r1の第1内周受け面と、内径r2の第2内周受け面が形成され、前記第1内周受け面は前記位置決めピンが挿入される入口側に設けられ、第2内周受け面は奥側に設けられており、内径r1の方が内径r2より大きく、
前記位置決めピンの外周面には、外径d1の第1外周受け面と、外径d2の第2外周受け面と、第1外周受け面s1と第2外周受け面s2に挟まれた外径d3の外周中間面s3が形成され、前記第1外周受け面は位置決めピンの先端側に設けられ、前記第2外周受け面は根元側に設けられ、外径d2の方が外径d1より大きく、外径d3は外径d1よりも小さく、外径d1は内径r2に対して嵌め合いで一致し、外径d2は内径r1に対して嵌め合いで一致することを特徴とする着脱装置。
【請求項5】
請求項1の着脱装置において、
前記2つのクランプアームの操作部の間に圧縮バネの弾発力に対抗して前記作動室の押し込み移動可能な安全装置が設けられ、
前記安全装置は、前記作動室内に押し込まれたときに、前記操作部が近接する事を許可し、
前記圧縮バネの弾発が開放されたときに、前記2つのクランプアームの操作部が近接する事を阻害することを特徴とする着脱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基台、ロボット、スライダにワーク、金型、パレット、ロボットハンド、ツール等を取り付けまたは取り外しする着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の着脱装置には、従来では、特許文献1に記載された着脱装置がある。この着脱装置は、成型品取出し装置の取出しアームに固定されるアタッチメントに、治工具を保持するホルダーを着脱する装置である。ホルダーの下壁から係止爪部が下方に突設される。係止爪部が挿入可能な挿入孔がアタッチメント本体に形成される。その挿入孔に出し入れ可能に摺動されるスライド爪が、アタッチメント本体内に挿入される。そのスライド爪から右方にレバーを介してノブがアタッチメント本体の外方へ突設されている。そのレバーの外周壁の外側であってスライド爪とアタッチメント本体の右壁との間にスプリングが装着され、アタッチメント本体に対してスプリングがスライド爪を挿入孔内に挿入させるように付勢する。ホルダーをアタッチメントに取り付けるときには、作業者がノブを引くように操作して、ホルダーの係止爪部を挿入孔に挿入する。次いで、作業者がノブを離すと、スプリングがスライド爪を係止爪部に係合させる。これにより、ホルダーがアタッチメントに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-87971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は次の問題がある。
従来技術では、取出しアームのアタッチメントからホルダーを着脱するときに、作業者は、一方の手で取出しアームが動かないよう押さえ持つと同時に、治工具が落下しないように持ち、他方の手で着脱装置のノブを引く操作を行う必要がある。このため、ノブを引く力が取出しアームに作用して取出しアームの位置がずれたりしないように複数の作業を同時に、細心の注意を払いながら着脱作業をする必要がある。
【0005】
本特許出願人は、特願2021-93912により、把持操作による押圧力がスライダ等のほかの部材を押動してその停止位置をずらすことを防止した着脱装置を提案している。この着脱装置は、第1連結部材と第2連結部材との間で着脱するものであり、次のように構成される。第1連結部材に形成された着座面に、第2連結部材が当接する。第1連結部材内には、2本のクランプアームが左右対称に設けられる。各クランプアームは一端が係止部、他端が操作部であり、係止部同士が近接し、又は、操作部同士が近接するように、各クランプアームの中心の回転支軸で軸支されている。付勢手段は、2本のクランプアームには、操作部同士を離間させ、係止部同士を近接させるように弾発する。第2連結部材には、プルロッドが突設されており、着座面に開口した挿入孔に挿入可能となっている。挿入孔に挿入されたプルロッドは、互いに近接した係止部により把持される。
この発明によれば、第1連結部材の挿入孔から第2連結部材のプルロッドを抜き出すときに、2本のクランプアームを作業者が把持すると、プルロッドと係止部との係合が外れる。この際、2本のクランプアームを把持することにより加えられる押圧力は相殺されて、その押圧力が第1連結部材や第2連結部材などのほかの部材にほとんど作用しない。
本発明の目的は、上記先願の発明に機能を追加するものであり、簡単な操作で確実に作動する着脱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
2本のクランプアームには、係止部同士を近接させるように付勢手段が弾発している。よって、第1連結部材の挿入孔から第2連結部材のプルロッドを抜き出すまでの間、2本のクランプアームを把持操作していなければならない。単独の作業者による操作において、一方の手で2本のクランプアームを把持し、他方の手で第2連結部材を取り外すことになる。本発明では、両手で第2連結部材を取り外すことを可能にする機能を付加するものである。
【0007】
本発明では、第2連結部材を第1連結部材に着脱可能に装着する着脱装置において、
前記第1連結部材は、
前記第2連結部材が当接可能となるように形成される着座面と、前記着座面に開口される挿入孔を介して外部に連通される作動室が形成された基部材と、
前記作動室内にその軸心を中心とし、前記第1連結部材の幅方向に左右対称となるように設けられ、長手方向の途中部が前記作動室の内壁から突設される回転支軸によって回転可能に支持される2つのクランプアームであって、各クランプアームは長手方向の一端に係合部が形成され、他端が前記作動室の外部に突出した操作部が形成されたクランプアームと、
前記操作部を離間させるように、前記クランプアームを付勢する付勢部材とを有し、
一方、前記第2連結部材は、
前記第2連結部材が前記着座面に当接したときに、前記挿入孔に挿入されるプルロッドであって、前記プルロッドは前記係合部が進入して係合可能となるように、前記第2連結部材の幅方向の左右に溝が形成されており、
前記第1連結部材は、さらに、前記第1連結部材の厚さ方向に前記作動室の内壁から浮き上がるよう弾発支持され、前記溝に進入した前記係合部が前記浮き上がりを押さえるように被さる位置に設けられたロック部材を具備し、
前記プルロッドは、さらに、前記挿入孔に挿入されたときに前記ロック部材に対向する側に、前記溝の高さ位置から下降するにつれて前記プルロッドの軸心から離れる袋面と、前記係合部の前記浮き上がりを阻止するのに十分なだけ前記プルロッドの軸心との間隔が離れた押さえ面とを上から順に具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第2連結部材を第1連結部材から取り外すときに、作業者は、クランプアームの操作部を近接させる把持操作を行うと、クランプアームはロック部材に干渉されて元に戻らなくなる。よって、作業者は、操作部から手を離し、両手を利用して第2連結部材側のツールを持ち上げることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】取出装置のスライダの可動部にツールを着脱可能に装着する着脱装置を示す図であり、図1Aは環境説明図、図1Bは分解図である。
図2】分離状態における着脱装置を説明する断面図であって、図2Aは第2連結部材のs-s断面図、図2Bは第2連結部材の側断面図、図2Cは第1連結部材のY1-Y1断面図、図2Dは第1連結部材のX1-X1断面図、図2Eは第1連結部材のZ1-Z1断面図である。
図3】接続過程における着脱装置を説明する断面図であって、図3Aは第1連結部材のY2-Y2断面図、図3Bは第1連結部材のX2-X2断面図、図3Cは第1連結部材のZ2-Z2断面図である。
図4】接続過程における着脱装置を説明する断面図であって、図4Aは第1連結部材のY3-Y3断面図、図4Bは第1連結部材のX3-X3断面図、図4Cは第1連結部材のZ3-Z3断面図である。
図5】接続後における着脱装置を説明する断面図であって、図5Aは第1連結部材のY4-Y4断面図、図5Bは第1連結部材のX4-X4断面図、図5Cは第1連結部材のZ4-Z4断面図である。
図6】分離初期における着脱装置を説明する断面図であって、図6Aは第1連結部材のY5-Y5断面図、図6Bは第1連結部材のX5-X5断面図、図6Cは第1連結部材のZ5-Z5断面図である。
図7】分離過程における着脱装置を説明する断面図であって、図7Aは第1連結部材のY6-Y6断面図、図7Bは第1連結部材のX6-X6断面図、図7Cは第1連結部材のZ6-Z6断面図である。
図8】分離過程における着脱装置を説明する断面図であって、図8Aは第1連結部材のY7-Y7断面図、図8Bは第1連結部材のX7-X7断面図、図8Cは第1連結部材のZ7-Z7断面図である。
図9】基準孔と位置決めピンとの嵌め合いを示す図であって、図9Aは寸法関係を示す図、図9B-9Dは嵌め合いの過程を示す図である。
図10】分離状態における着脱装置を説明する断面図であって、図10Aは第2連結部材のs2-s2断面図、図10Bは第2連結部材の側断面図、図10Cは第1連結部材のY8-Y8断面図、図10Dは第1連結部材のX8-X8断面図、図10Eは第1連結部材のZ8-Z8断面図である。
図11】接続過程における着脱装置を説明する断面図であって、図11Aは第1連結部材のY9-Y9断面図、図11Bは第1連結部材のX9-X9断面図、図11Cは第1連結部材のZ9-Z9断面図である。
図12】接続過程における着脱装置を説明する断面図であって、図12Aは第1連結部材のY10-Y10断面図、図12Bは第1連結部材のX10-X10断面図、図12Cは第1連結部材のZ10-Z10断面図である。
図13】接続後における着脱装置を説明する断面図であって、図13Aは第1連結部材のY11-Y11断面図、図13Bは第1連結部材のX11-X11断面図、図13Cは第1連結部材のZ11-Z11断面図である。
図14】分離初期における着脱装置を説明する断面図であって、図14Aは第1連結部材のY12-Y12断面図、図14Bは第1連結部材のX12-X12断面図、図14Cは第1連結部材のZ12-Z12断面図である。
図15】分離初期における着脱装置を説明する断面図であって、図15Aは第1連結部材のY13-Y13断面図、図15Bは第1連結部材のX13-X13断面図、図15Cは第1連結部材のZ13-Z13断面図である。
図16】分離過程における着脱装置を説明する断面図であって、図16Aは第1連結部材のY14-Y14断面図、図16Bは第1連結部材のX14-X14断面図、図16Cは第1連結部材のZ14-Z14断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図を用いて本発明の実施形態を説明する。
[実施形態1]
この実施形態では、取出装置1に着脱装置10を適用した場合を例示している。図1Aにおいて、取出装置1は、モータとボールねじ軸などから構成されるaスライダ2、bスライダ3、cスライダ4を備え、最下層のcスライダ4の先端部5にツール6が取り付けられている。ツール6としては、真空チャック、ニッパ等である(図では真空チャック)。このような取出装置1は、例えば射出成型機から成型品を取り出す用途等に用いられる。
【0011】
図1Bにおいて、先端部5側には装着面5aが形成されている。装着面5aには締結孔5bが設けられている。ツール6側の装着面6aにも、締結孔5bに対応して締結孔6bが設けられている。着脱装置10を使用しない場合、締結孔5bと対応する締結孔6bを連通させ、ボルトを挿通することにより、ツール6を先端部5に直接固定することが可能である。ツール6は、成形型交換等によって取り替えるため、このようなボルトを利用した直接固定では、着脱する際に必要とするリードタイムの短縮を図れない。よって、着脱装置10は、先端部5とツール6の間に介在させて、ツール6の取り替えを簡素化するのである。
【0012】
着脱装置10は、第1連結部材20と第2連結部材60を具備している。第1連結部材20には、締結孔11が締結孔5bに対応して設けられる。締結孔11と締結孔5bを利用してボルト12により第1連結部材20が装着面5aに取り付けられる。第2連結部材60には、締結孔14が締結孔6bに対応して設けられる。ツール6は、締結孔14と締結孔6bを利用してボルト13により装着面6aに第2連結部材60が取り付けられる。そして、ツール6と先端部5の分離/接続は、着脱装置10の第1連結部材20と第2連結部材60の間で行われる。
【0013】
第1連結部材20は、第2連結部材60を受け止める着座面21が上面に設けられる。その着座面21に挿入孔22が開口されている。一方、第2連結部材60は、側面視で逆L字状に形成され、天板61と側壁62とを有している。その天板61の天井面63からプルロッド64が下方向に向けて突設されている。そのプルロッド64が第1連結部材20の挿入孔22に挿入可能となっている。
【0014】
また、第2連結部材60の天井面63に基準孔39、40が形成され、第1連結部材20の着座面21に、基準孔39に挿入可能となる位置決めピン35、36が形成されている。位置決めピン35、36の外周面から基準孔39、40の内周面までの摺動隙間は、0.01~0.1mm程度になっており、また、好ましくは0.015mmから0.05mm程度になっている。右側の位置決めピン35が右側の基準孔39に挿入され、左側の位置決めピン36が左側の基準孔40に挿入されることにより、基部材41に対して第2連結部材60が位置決めされる。尚、天井面63側に位置決めピン35、36を形成し、着座面21側に基準孔39、40を形成しても良い。
【0015】
尚、図1Bにおいて、第1連結部材20および第2連結部材60の厚さ方向を厚さ方向p、幅方向を幅方向q、高さ方向を高さ方向rとして定義する。これらの方向は、互いに直交する。この方向の定義は、図2以降の説明で使用する。
【0016】
図2に、第1連結部材20及び第2連結部材60の断面図を示す。
まず、図2C~2Eを用いて第1連結部材20から説明する。第1連結部材20の基部材41内には、挿入孔22に連通した作動室23が形成されている。作動室23内に2つのクランプアーム24(幅方向q右側、図2D参照)とクランプアーム25(幅方向q左側、同図参照)が作動室23の軸心C1(高さ方向rに延びる線であって、作動室23を規定する空間の中心を通過する線)を中心に幅方向qで左右対称となると共に、高さ方向rに延在するように設けられる。各クランプアーム24、25の長手方向の途中部24a、25aが、作動室23の内壁から突設される回転支軸26、27によって回転可能に支持される。各クランプアーム24、25の長手方向の上側端には鍵状の係合部28、29が設けられる。各クランプアーム24、25の長手方向の下側端は、作動室23内から基部材41の外部に突出されて、作業者が手(または指)で掴むための操作部30、31が設けられている。
【0017】
2つのクランプアーム24、25の途中部24a、25aと操作部30、31の間に、回転支軸26、27を中心として、操作部30、31同士を離間させる付勢部材32、33が取り付けられている。付勢部材32、33は、基部材41に一端が当接し他端がバネ受け32a、33aに当接された圧縮バネ32b、33bと、バネ受け32a、33aを途中部24a、25aと操作部30、31の間に接続するピン32c、33cとを具備する。尚、2つクランプアーム24、25の操作部30、31を弾発的に離間させる構成として付勢部材32、33の代わりに、2つのクランプアーム24、25の途中部24aと25aの間に圧縮バネを配置しても良い。
【0018】
作動室23の内壁にストッパ32d、33dが設けられており、圧縮バネ32b、33bが伸張したときに、クランプアーム24、25を受け止める。このとき、2つのクランプアーム24、25の係合部28、29が最も近づいた状態になる。
【0019】
係合部28、29が最も近づいた状態において、係合部28、29の背後の位置にロック部材37、38が設けられている。ロック部材37、38は、弾性部材37a、38aにより厚さ方向pに軸心C1に向けて作動室23の内壁から浮き上がるように弾発支持されている。従って、図2C図2Eに示すように係合部28、29が最も近づいた状態においては、ロック部材37、38は、係合部28、29により押さえられた状態になっている。
【0020】
次に、図2A、2Bを用いて第2連結部材60を説明する。第2連結部材60の天板61の天井面63から下方向に向けて突設されているプルロッド64は、その高さ方向の途中部に軸心C2(プルロッド64の中心を通過する高さ方向rの線)を中心とした幅方向qの左右に溝65、66が形成されている。溝65、66に続いて、先端に向けて軸心C2からの幅方向qに左右の距離を若干広げる導入面67、68と、導入面67、68に続いて先端に向けて軸心C2からの左右の距離を狭めるテーパ面69、70が形成されている。溝65、66に続けてテーパ面69、70を形成しても良い。
【0021】
また、プルロッド64には、プルロッド64が挿入孔22に挿入されたときにロック部材37、38と対向する側に、袋面71、押さえ面72、乗り上げ面73が設けられている。袋面71は、溝65、66と同じ高さ位置で窪んでおり、そこから高さ方向rに下降するにつれて軸心C2から離れる面である。押さえ面72は、軸心C2との間隔が最も離れた面であって、ロック部材37、38の浮き上がりを阻止するのに十分なだけ、軸心C2との間隔を有している。乗り上げ面73は、下降するにつれて軸心C2に近づく面であり、乗り上げ面73の下側は浮き上がったロック部材37、38よりも軸心C2に近付いている。袋面71、押さえ面72、乗り上げ面73は、高さ方向rの上から下に順に形成されている。
【0022】
図3~5を用いて、第1連結部材20と第2連結部材60の接続する過程を順に説明する。この過程においては、作業者によるクランプアーム24、25の把持操作は必要無い。位置決めピン35、36の位置と基準孔39、40の位置を合わせ、第2連結部材60を第1連結部材20に載せて、両者を嵌合させるだけである。なお、位置決めピン35、36と基準孔39、40が嵌合すると、軸心C1と軸心C2とが軸心合わせさせた状態になる。
【0023】
第1連結部材20と第2連結部材60を分離した図2に示す状態から、第2連結部材60の第1連結部材20のプルロッド64を挿入孔22に挿入を開始する。図3は、プルロッド64のテーパ面69、70が係合部28、29に当接している状態である。この状態では、係合部28、29がロック部材37、38に被さって、弾性部材37a、38aによってロック部材37、38が軸心C1に向けて浮き上がることを押さえている。
【0024】
図4において、プルロッド64のテーパ面69、70が係合部28、29に当接して、係合部28、29の間隔を押し広げており、クランプアーム24、25は回転支軸26、27を中心として、回転している状態である。この状態では、係合部28、29ではなく、プルロッド64の押さえ面72により、弾性部材37a、38aによってロック部材37、38が浮き上がることを押さえている。すなわち、ロック部材37、38の浮き上がりを押さえるための役割が、係合部28、29からプルロッド64に移っている。尚、押さえ面72の左右間隔w1(図4A)は、ロック部材37、38の両方の浮き上がりを干渉するために十分な長さを有する。
【0025】
図5は、第1連結部材20と第2連結部材60の接続が完了した状態である。プルロッド64の溝65、66に係合部28、29が進入することにより係合している。クランプアーム24、25は、付勢部材32、33の弾発力により、係合部28、29を近接するように回転支軸26、27を中心として回転している状態である。この状態では、プルロッド64の押さえ面72ではなく、溝65、66に進入した係合部28、29が、弾性部材37a、38aによるロック部材37、38の浮き上がりを押さえている。すなわち、ロック部材37、38の浮き上がりを押さえるための役割が、プルロッド64から再度、係合部28、29に移っている。
【0026】
このように、第1連結部材20と第2連結部材60を接続する過程においては、ロック部材37、38が機能しないように、係合部28、29と押さえ面72が作用する。
【0027】
次に、図6~8を用いて、第1連結部材20と第2連結部材60の分離する過程を順に説明する。
図6において、作業者は、クランプアーム24、25の操作部30、31を近接させる把持操作を行う。第2連結部材60は第1連結部材20の着座面21に搭載されている状態である。ロック部材37、38の浮き上がりを押さえていた係合部28、29が左右に移動して溝65、66から脱出する。ロック部材37、38の浮き上がりを押さえていた係合部28、29が、ロック部材37、38との被さりを解除される。このため、ロック部材37、38は浮き上がる。そして、ロック部材37、38は、袋面71により軸心C1側に窪んでいる箇所に入り込む。図6Aには、ロック部材37、38が、下方に向けて浮き上がっている様子が示されている。一方、ロック部材37、38の左右間隔w2は、プルロッド64の左右間隔w3と同じか、大きく設定されており、プルロッド64が挿入孔22から抜け出すには十分な間隔だけ、係合部28、29の間隔が開いている。この状態では、付勢部材32、33により係合部28、29を近接させようとする弾発力が発揮されるが、クランプアーム24、25はロック部材37、38に干渉されて、係合部28、29の間隔をロック部材37、38の左右間隔w2よりも狭くできない。よって、作業者が操作部30、31から手を離しても、プルロッド64の溝65、66に係合部28、29が再度、係合することはない。
【0028】
一旦、この状態になれば、作業者は、操作部30、31から手を離し、両手を利用して第2連結部材60側のツール6を持ち上げることができる。
【0029】
図7は、第1連結部材20と第2連結部材60を分離するために、第2連結部材60を若干引き上げた状態である。図7Cに示すように、第1連結部材20のプルロッド64が引き上げられている過程において、袋面71をロック部材37、38が摺動し、押さえ面72に乗り上げることにより、ロック部材37、38の浮き上がりが抑えられている。
【0030】
図8は、第2連結部材60をさらに引き上げた状態である。押さえ面72により、ロック部材37、38の浮き上がりが押さえられ、クランプアーム24、25は付勢部材32、33により係合部28、29を近接されつつある。そして、ロック部材37、38の浮き上がりを押さえるための役割が、プルロッド64の押さえ面72から再度、係合部28、29に移っている。プルロッド64が挿入孔22から抜き取られると、図2に示した状態に復帰する。
【0031】
尚、第2連結部材60を着座面21に載せていない状態で、クランプアーム24、25の操作部30、31を近接させる把持操作を行うと、ロック部材37、38が浮き上がり、作業者が操作部30、31から手を離しても、付勢部材32、33により係合部28、29を近接させようとする弾発力が発揮されるが、クランプアーム24、25はロック部材37、38に干渉されて、係合部28、29の間隔をロック部材37、38の左右間隔w2よりも狭くできなくなる。
【0032】
このような状態で、プルロッド64を挿入孔22に差し込むと、プルロッド64が挿入される過程において、乗り上げ面73をロック部材37、38が摺動し、押さえ面72に乗り上げることにより、ロック部材37、38の浮き上がりが抑えられて、図5に示した状態に復帰する。
【0033】
実施形態は次の長所を奏する。
第2連結部材60を第1連結部材20に取り付けるときに、プルロッド64を挿入孔22に挿入することにより、プルロッド64が付勢部材32、33の付勢力に抗してクランプアーム24、25を回動させていき、クランプアーム24、25の係合部28、29がプルロッド64の溝65、66に係合される。このため、第2連結部材60を第1連結部材20に簡単に連結させることができる。
【0034】
また、第2連結部材60を第1連結部材20から取り外すときに、2つのクランプアーム24、25を近づけるように作業者が把持して操作することにより、クランプアーム24、25の係合部28、29がプルロッド64の溝65、66から離間される。その操作のときに作業者がクランプアーム24、25に相反する方向の押圧力を作用させる。このため、そのお互いの押圧力が相殺されて、その押圧力が第1連結部材20や第2連結部材60などのほかの部材にほとんど作用しない。よって、把持操作による押圧力が第1連結部材20を介してスライダ等を押動してその停止位置をずらすのを防止できる。
【0035】
第2連結部材60を第1連結部材20から取り外すときに、作業者は、クランプアーム24、25の操作部30、31を近接させる把持操作を行うと、クランプアーム24、25はロック部材37、38に干渉されて元に戻らなくなる。よって、作業者は、操作部30、31から手を離し、両手を利用して第2連結部材60側のツール6を持ち上げることができる。
【0036】
[実施形態2]
図9から図16は、実施形態2を示している。実施形態1との相違は、比較的に重いツール6を取り付けたときに、実施形態1の基準孔39、40と位置決めピン35、36との嵌め合いをより安定させ作業中の振動に対向する構造を採用している。その他に、ロック部材37、38を1つに纏める変更、また、操作部30、31の間に安全装置180が追加されている点が異なる。実施形態2を構成する各部材の引用符号として、当該部材に対応する実施形態1の各部材の引用部号に100を加えた引用符号を付している。
【0037】
図9を用いて、基準孔139、140と位置決めピン135、136の嵌め合いについて説明する。図9Aにおいて、基準孔139、140の内周面には、内径r1の第1内周受け面u1と、内径r2の第2内周受け面u2が形成されている。第1内周受け面u1は位置決めピン135、136が挿入される入口側に設けられ、第2内周受け面u2は奥側に設けられる。内径r1の方が内径r2より大きい。なお、基準孔139、140の入口には、面取り面m1が形成されている。
【0038】
一方、位置決めピン135、136の外周面には、外径d1の第1外周受け面s1と、外径d2の第2外周受け面s2と、第1外周受け面s1と第2外周受け面s2に挟まれた外径d3の外周中間面s3が形成されている。第1外周受け面s1は位置決めピン135、136の先端側に設けられ、第2外周受け面s2は根元側に設けられる。外径d2の方が外径d1より大きく、外径d3は外径d1よりも小さい。なお、置決めピン135、136の先端には、面取り面m2が形成されている。外径d1は内径r2に対して嵌め合いで一致し、外径d2は内径r1に対して嵌め合いで一致する。
【0039】
図9B-9Dにおいて、基準孔139、140と位置決めピン135、136との嵌め合いの様子が示される。図9Bにおいて、位置決めピン135、136の第1外周受け面s1は、第1内周受け面u1よりも小さい外径を有しているので、多少の偏差はあっても容易に基準孔139、140内に侵入する。図9Cにおいて、位置決めピン135、136の挿入が進むと、第1外周受け面s1は第2内周受け面u2に接触して、直径方向の動きがやや規制される。図9Cにおいて、着座面121に天井面163が載せられると、第1外周受け面s1に対して第2内周受け面u2が、第2外周受け面s2に対して第1内周受け面u1が夫々接触する。外周中間面s3は、第1内周受け面u1及び第2内周受け面u2の何れとも接触しない。基準孔139、140と位置決めピン135、136が、外周中間面s3を挟んで上下で距離を置いて接触するため、ツール6の振動を強固に受け止める事ができる。また、振動による位置決めピン135、136の摩耗を抑止することができる。
【0040】
図10において、互いに近付いた状態の係合部128、129の背後の位置に跨がるようにロック部材137が設けられている。ロック部材137は、実施形態1のロック部材37、38を連結して大きなブロック状にしたものである。ロック部材37、38は、弾性部材137a、138aにより厚さ方向pに軸心C1に向けて作動室123の内壁から浮き上がるように弾発支持されている。従って、図10C図10Eに示すように係合部128、129が最も近づいた状態においては、ロック部材137は、係合部128、129の両方により押さえられた状態になっている。
【0041】
操作部130、131の間の軸心C1上に安全装置180が追加されている。安全装置180は、胴体181と、摘まみ部182と、胴体181を軸心C1方向下側に作動室123内から押し出すように付勢する圧縮バネ183と、胴体181を軸心C1方向上下にスライドさせる案内軌道185とスライダ184とを具備する。摘まみ部182は、作動室123の軸心C1方向下端181bに取り付けられており、圧縮バネ183は一端を作動室123の軸心C1方向上端181aに取り付けられている。胴体181は、上端181aと下端181bの間に挟まれた中央部181cを有している。上端181aの幅方向qにおける幅b1は、中央部181cの幅b2よりも広い。
【0042】
図11~13を用いて、第1連結部材120と第2連結部材160の接続する過程を順に説明する。この過程においては、作業者によるクランプアーム124、125の把持操作は必要無い。位置決めピン135、136の位置と基準孔139、140の位置を合わせ、第2連結部材160を第1連結部材120に載せて、両者を嵌合させるだけである。なお、位置決めピン135、136と基準孔139、140が嵌合すると、軸心C1と軸心C2とが略同芯状となった状態になる。
【0043】
第1連結部材120と第2連結部材160を分離した図10に示す状態から、第2連結部材160の第1連結部材120のプルロッド164を挿入孔122に挿入を開始する。図11は、プルロッド164のテーパ面169、170が係合部128、129に当接している状態である。この状態では、係合部128、129がロック部材137に被さって、弾性部材137a、138aによってロック部材137が軸心C1に向けて浮き上がることを押さえている。
【0044】
図12において、プルロッド164のテーパ面169、170が係合部128、129に当接して、係合部128、129の間隔を押し広げており、クランプアーム124、125は回転支軸126、127を中心として、回転している状態である。この状態では、係合部128、129ではなく、弾性部材137a、138aの弾発でロック部材137が浮き上がることを、プルロッド164の押さえ面172により押さえている。すなわち、ロック部材137の浮き上がりを押さえるための役割が、係合部128、129からプルロッド164に移っている。尚、押さえ面172の左右間隔w1(図10A)は、ロック部材137の浮き上がりを干渉するために十分な長さを有する。
【0045】
図13は、第1連結部材120と第2連結部材160の接続が完了した状態である。プルロッド164の溝165、166に係合部128、129が進入することにより係合している。クランプアーム124、125は、付勢部材132、133の弾発力により、係合部128、129を近接するように回転支軸126、127を中心として回転している状態である。この状態では、プルロッド164の押さえ面172ではなく、溝165、166に進入した係合部128、129が、弾性部材137a、138aによるロック部材137の浮き上がりを押さえている。すなわち、ロック部材137の浮き上がりを押さえるための役割が、プルロッド164から再度、係合部128、129に移っている。
【0046】
このように、第1連結部材120と第2連結部材160を接続する過程においては、ロック部材137が機能しないように、係合部128、129と押さえ面172が作用する。
【0047】
次に、図14~16を用いて、第1連結部材120と第2連結部材160の分離する過程を順に説明する。
図14図15は、安全装置180の動作を説明する図である。作業者は、クランプアーム124、125の操作部130、131を近接させる把持操作を行う。図14図15では、第2連結部材160は第1連結部材120の着座面121に搭載されている状態である。図14では、安全装置180が操作されておらず、圧縮バネ183の弾発力が開放されており、軸心C1下側に位置している状態である。この状態では、操作部130、131を近接させても、幅b1を有する上端181aに当接し、係合部128、129の近接動作を阻害する。このため、プルロッド164の溝165、166に係合部128、129が進入して係合したままである。係合部128、129は、ロック部材137の浮き上がりを押さえる位置から脱することもできない。このため、ロック部材137が浮き上がることもなく、操作部130、131を近接させる把持操作を止めると、付勢部材132、133の弾発力により、操作部130、131は初期の位置に戻る。
【0048】
図15においては、安全装置180が操作されて、作動室123の軸心C1に沿って作動室123内に持ち上げられている。操作部130、131を近接させると、中央部181cに当接する。中央部181cの幅b2は、上端181aの幅b1よりも狭いため、係合部28、29の近接動作が許可される。ロック部材137の浮き上がりを押さえていた係合部128、129が左右に移動して溝165、166から脱出する。ロック部材137の浮き上がりを押さえていた係合部128、129が、ロック部材137との被さりを解除される。このため、ロック部材137は浮き上がる。そして、ロック部材137は、袋面171により軸心C1側に窪んでいる箇所に入り込む。図15Aには、ロック部材137が、下方に向けて浮き上がっている様子が示されている。一方、ロック部材137の左右幅w2は、プルロッド164の左右幅w3と同じか、大きく設定されており、プルロッド164が挿入孔122から抜け出すには十分な間隔だけ、係合部128、129の間隔が開いている。この状態では、付勢部材132、133により係合部128、129を近接させようとする弾発力が発揮されるが、クランプアーム124、125はロック部材137に干渉されて、係合部128、129の間隔をロック部材137の左右間隔w2よりも狭くできない。よって、作業者が操作部130、131から手を離しても、プルロッド164の溝165、166に係合部128、129が再度、係合することはない。
【0049】
一旦、この状態になれば、作業者は、操作部130、131から手を離し、両手を利用して第2連結部材160側のツール6を持ち上げることができる。第1連結部材120のプルロッド164が引き上げられている過程において、袋面171をロック部材137が摺動し、押さえ面172に乗り上げることにより、ロック部材137の浮き上がらないように押さえられている(図7、8と同じ状況)。
【0050】
図16において、第1連結部材120と第2連結部材160を分離する。ロック部材137の浮き上がりを押さえるための役割が、プルロッド164の押さえ面172から再度、係合部128、129に移っている。付勢部材132、133により係合部128、129を近接させようとする弾発力が発揮され、操作部130、131が離れると、安全装置180は、圧縮バネ183による軸心C1下側に向けて作動室123から押し出さるように移動し、図10の状態に復帰する。
【0051】
実施形態2は、実施態様1の長所に加え更に、次の長所を奏する。
位置決めピン135、136を、容易に基準孔139、140に挿入することができる。挿入の際には、まず、第1外周受け面は第2内周受け面に接触して、直径方向の動きがやや規制される。次に、第1外周受け面に対して第2内周受け面が、第2外周受け面に対して第1内周受け面が夫々接触する。段階的な過程を有することで、挿入が容易である。
【0052】
また、外周中間面は、第1内周受け面及び第2内周受け面の何れとも接触しない。位置決めピン135、136と基準孔139、140の夫々の中央部181cを挟んだ上下の位置で距離を置いて接触するため、ツール6の振動を強固に受け止める事ができる。また、振動による位置決めピン135、136の摩耗を抑止することができる。
【0053】
また、ロック部材137は係合部128、129の両方に跨がるように構成したため、操作部130、131の動きを同時に規制することができ、弾性部材137,138の一方だけが短縮し、他方が伸長しないという誤動作が抑制される。
【0054】
安全装置180を取り付けたことにより、操作部130、131を握るだけでは、ロック部材137の解除(浮き上がり動作)を引き起こすことができないので、操作部130、131の誤操作を防止できる。また、安全装置180は、圧縮バネ183により、常に下方に付勢されている。安全装置180を持ち上げた上での操作部130、131の操作を要求することで、操作部130、131の操作を確認しながら実施できる。
【符号の説明】
【0055】
1 取出装置
2 aスライダ
3 bスライダ
4 cスライダ
5 先端部
5a 装着面
5b 締結孔
6 ツール
6a 装着面
6b 締結孔
10 着脱装置
20、120 第1連結部材
21、121 着座面
22、122 挿入孔
23、123 作動室
24、25、124、125 クランプアーム
24a、25a、124a、125a 途中部
26、27、126、127 回転支軸
28、29、128、129 係合部
30、31、130、131 操作部
32、33、132、133 付勢部材
32a、33a、132a、133a バネ受け
32b、33b、132b、133b 圧縮バネ
32c、33c、132c、133c ピン
32d、33d、132d、133d ストッパ
35、36、135、136 位置決めピン
37、38、137 ロック部材
37a、38a、137a、138a 弾性部材
39、40、139、140 基準孔
41、141 基部材
60、160 第2連結部材
61、161 天板
62、162 側壁
63、163 天井面
64 、164 プルロッド
65、66、165、166 溝
67、68、167、168 導入面
69、70、169、170 テーパ面
71、171 袋面
72、172 押さえ面
73、173 乗り上げ面
180 安全装置
181 胴体
181a 上端
181b 下端
181c 中央部
182 摘まみ部
183 圧縮バネ
184 スライダ
185 案内軌道

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16