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特開2024-5856フォースプレートおよび情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005856
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】フォースプレートおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/428 20140101AFI20240110BHJP
   A63F 13/218 20140101ALI20240110BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20240110BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20240110BHJP
【FI】
A63F13/428
A63F13/218
A63F13/54
A63F13/5375
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106271
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田名網 克周
(72)【発明者】
【氏名】林 美由希
(57)【要約】
【課題】映像プログラムを進行させるユーザの荷重による操作を継続しやすくする技術を提供する。
【解決手段】フォースプレート(20)は、ゲーム機(10)をコントロールするコントローラとして機能とする。フォースプレート(20)は、ユーザの足圧中心がフォースプレート(20)の周縁部に進入した場合、ゲーム機(10)からの映像を出力するHMディスプレイ(30)にアラート信号を送信する送信部を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像生成装置をコントロールするコントローラとして機能としてフォースプレートであって、
ユーザの足圧中心が当該フォースプレートの周縁部に進入した場合、前記映像生成装置、又は、前記映像生成装置により生成された映像を出力するディスプレイにアラート信号を送信する送信部を備えている、
ことを特徴とするフォースプレート。
【請求項2】
前記ディスプレイがヘッドマウントディスプレイである、請求項1に記載のフォースプレート。
【請求項3】
前記送信部は、前記アラート信号として、アラート音を出力することを指示する信号を前記映像生成装置または前記ディスプレイに送信する、請求項1に記載のフォースプレート。
【請求項4】
前記送信部は、前記アラート信号として、前記映像の少なくとも一部を覆い隠す画像を前記ディスプレイに表示することを指示する信号を前記映像生成装置または前記ディスプレイに送信する、請求項1に記載のフォースプレート。
【請求項5】
前記周縁部に段差を有する、請求項1に記載のフォースプレート。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のフォースプレートと、前記フォースプレートからの信号に応じた画像を表示するディスプレイと、を備えている情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォースプレートおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リハビリ用の医療機器およびゲームの分野などにおいて、荷重センサを有する荷重検出装置が利用されている。たとえば、ゲームの分野では、ユーザが荷重検出装置に乗り、荷重検出装置で検出される荷重値を操作データとしてゲームプログラムを実行させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-264195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術では、ゲームの操作に夢中になり、ユーザが荷重検出装置から落下することがある。特に、ユーザがヘッドマウントディスプレイを装着し、仮想現実の画像を利用して実施するゲームでは、ユーザが荷重検出装置からより落下しやすい。ユーザが荷重検出装置から落下するとゲームの操作データが途絶え、ゲームの進行が停止してしまう。ユーザは荷重検出装置からの落下を防ぎにくく、このような操作面からゲームの面白みが損なわれることがある。
【0005】
本発明の一態様は、映像プログラムを進行させるユーザの荷重による操作を継続しやすくする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るフォースプレートは、映像生成装置をコントロールするコントローラとして機能としてフォースプレートである。このフォースプレートは、送信部を備えている。送信部は、ディスプレイにアラート信号を送信する。アラート信号は、映像生成装置、又はディスプレイ(映像生成装置により生成された映像を出力する)、に送信する。アラート信号は、ユーザの足圧中心がフォースプレートの周縁部に進入した場合に送信する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、フォースプレートと、フォースプレートからの信号に応じた画像を表示するディスプレイと、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、映像プログラムを進行させるユーザの荷重による操作を継続しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係るフォースプレートを模式的に示す平面図である。
図3図2のA-A線で切断したフォースプレートの断面を模式的に示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。
図5】ユーザに表示される映像プログラムの画像の一例を示す図である。
図6図5の画像にアラート画像が表示された画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔本開示の実施形態の概要〕
最初に、本開示の実施形態の概要を説明する。
【0011】
(条項1)
映像生成装置をコントロールするコントローラとして機能としてフォースプレートであって、ユーザの足圧中心が当該フォースプレートの周縁部に進入した場合、映像生成装置、又は、映像生成装置により生成された映像を出力するディスプレイにアラート信号を送信する送信部を備えている、フォースプレート。
【0012】
条項1の態様は、フォースプレートを介するユーザからの入力信号が継続しやすいことから、映像プログラムを進行させるユーザの荷重による操作を継続しやすくすることができる。
【0013】
(条項2)
前記ディスプレイがヘッドマウントディスプレイである、条項1に記載のフォースプレート。
【0014】
条項2の態様は、映像プログラムの進行による映像が、全方位のうちのユーザの向きに応じた方向の映像として表示されることから、ユーザの臨場感を高める観点からより一層効果的である。
【0015】
(条項3)
前記送信部は、アラート信号として、アラート音を出力することを指示する信号を前記映像生成装置または前記ディスプレイに送信する、条項1または2に記載のフォースプレート。
【0016】
条項3の態様は、映像プログラムを進行させつつフォースプレートにおけるユーザの好ましい位置への復帰が促進される観点からより一層効果的である。
【0017】
(条項4)
前記送信部は、アラート信号として、映像の少なくとも一部を覆い隠す画像をディスプレイに表示することを指示する信号を映像生成装置またはディスプレイに送信する、条項1~3に記載のフォースプレート。
【0018】
条項4の態様は、進行している映像プログラムの映像の視聴においてフォースプレートにおけるユーザの好ましい位置への復帰が促進される観点からより一層効果的である。
【0019】
(条項5)
前記周縁部に段差を有する、条項1~4に記載のフォースプレート。
【0020】
条項5の態様は、映像プログラムの進行中にユーザが段差を認識することでフォースプレートにおけるユーザの好ましい位置への復帰が促進される観点からより一層効果的である。
【0021】
(条項6)
条項1~5のいずれかのフォースプレートと、フォースプレートからの信号に応じた画像を表示するディスプレイと、を備えている情報処理システム。
【0022】
条項6の態様は、フォースプレートを介するユーザからの入力信号が継続しやすいことから、映像プログラムを進行させるユーザの荷重による操作を継続しやすくすることができる。
【0023】
また、条項1~6の態様によれば、ユーザが自身の体を動かすことによって得られる体験の臨場感が高められ、またこのような体験がユーザの動作によって中断されることが抑制される。したがって、前述の態様は、人々の心身における健康の増幅に寄与し、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標3等の達成に貢献することが期待される。
【0024】
〔本開示の実施形態の例示〕
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。
【0025】
以下の各実施形態においては、仮想現実画像を利用するゲームに適用した形態を例に説明する。
【0026】
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。以下、本発明の情報処理システムの一例として、仮想現実画像を利用するゲームに適用した形態を説明する。
【0027】
[具体的な構成]
図1は、本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、情報処理システム1は、ゲーム機10、フォースプレート20、ヘッドマウントディスプレイ30およびコントローラ40を備えている。これらは、無線によって通信可能に構成されている。無線による通信は、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信または無線LANなど公知の規格にしたがって実行され得る。
【0028】
<ゲーム機>
ゲーム機10は、フォースプレート20、ヘッドマウントディスプレイ30およびコントローラ40からの信号に応じてゲームプログラムを進行させ、生成する映像および音声の信号をヘッドマウントディスプレイ30に出力する装置である。ゲーム機10は、仮想現実画像を用いる公知のゲーム機で構成することが可能であり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、またはPLC(programmable logic controller)等により実現される。ゲーム機10は、映像生成装置に該当する。
【0029】
<フォースプレート>
図2は、本発明の実施形態1に係るフォースプレートを模式的に示す平面図であり、図3は、図2のA-A線で切断したフォースプレートの断面を模式的に示す図である。
【0030】
図2および図3に示されるように、フォースプレート20は、プレート本体21と、その周囲に配置されている凸条部22とを有する。プレート本体21は、力覚センサによってユーザの荷重を検出可能に構成されている。たとえばプレート本体21は、矩形の平面形状の天板を有し、当該天板が四角に配置されている力覚センサで支えられている構成を有する。力覚センサは、6軸力覚センサであり、当該天板に作用するX軸方向の力FX、Y軸方向の力FY、Z軸方向力FZ、X軸周りのモーメントMX、Y軸周りのモーメントMY、および、Z軸周りのモーメントMZを検知する。プレート本体21は、このような構成を有することにより、ユーザの足圧中心(COP)、床反力およびフリーモーメントを検出可能である。
【0031】
凸条部22は、プレート本体21の縁部に沿って周設されており、鉛直方向(Z方向)においてプレート本体21から突出する段差を形成している。凸条部22は、一例としてポリウレタン製の弾性部材である。このように、フォースプレート20は、周縁部に段差を有している。
【0032】
なお、プレート本体21には、その縁部の全周にわたって注意喚起領域211が設定されている。注意喚起領域211については後述する。また、フォースプレート20は、送信部をさらに有する。当該送信部についても後述する。
【0033】
<ヘッドマウントディスプレイ>
ヘッドマウントディスプレイ30は、ユーザの頭部に装着される表示装置であり、情報処理システム1におけるディスプレイの一種である。ヘッドマウントディスプレイ30は、ゲーム機10またはフォースプレート20の送信部からの信号に応じて画像を表示するように構成されている。ヘッドマウントディスプレイ30は、それを装着しているユーザの頭の動きを検出するセンサを搭載している。当該センサは、例えばジャイロセンサまたは加速度センサであり、本実施形態では加速度センサとする。さらに、ヘッドマウントディスプレイ30は、それを装着しているユーザに音声を提供するスピーカを内蔵している。
【0034】
<コントローラ>
コントローラ40は、ユーザが手にもって操作可能な装置である。コントローラ40は、ユーザがゲームの進行のための構成を有している。たとえば、コントローラ40は、信号を入力するためのボタンなどの操作キーを有している。また、例えばコントローラ40は、ユーザの手の動きを検出するためのジャイロセンサまたは加速度センサなどのセンサを搭載している。本実施形態では加速度センサとする。
【0035】
[機能的な構成]
次いで、情報処理システムの機能的な構成を説明する。図4は、本発明の実施形態1に係る情報処理システムの機能的な構成を模式的に示すブロック図である。なお、図4中の「HMディスプレイ」はヘッドマウントディスプレイを意味する。図4に示されるように、情報処理システム1において、ゲーム機10、フォースプレート20、ヘッドマウントディスプレイ30およびコントローラ40は、それぞれ相互に通信可能に構成されている。
【0036】
ゲーム機10は、図示しないが、例えばCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphic Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)等のメモリ、および、各種デバイスと通信を行うインターフェース、で構成される。
【0037】
フォースプレート20は、第1プロセッサ201、力覚センサ202および通信IF203を備えている。これらはバスを介して相互に接続されている。同様に、ヘッドマウントディスプレイ30は、第2プロセッサ301、加速度センサ302および通信IF303を備えており、これらはバスを介して相互に接続されている。また、コントローラ40も、第3プロセッサ401、加速度センサ402および通信IF403を備えており、これらはバスを介して相互に接続されている。
【0038】
第1プロセッサ201、第2プロセッサ301および第3プロセッサ401は、それぞれ、CPUまたはGPUである。また、通信IF203、303および403は、それぞれ、ゲーム機10と通信するためのインターフェースであり、例えば種々の公知のネットワークであり得る。
【0039】
[ゲームプログラムの進行例]
次いで、情報処理システム1によるゲームプログラムの進行の一例を説明する。
【0040】
まず、フォースプレート20上にユーザが乗り、ヘッドマウントディスプレイ30を装着し、コントローラ40を装備する。
【0041】
<ゲームプログラムの通常の進行例>
フォースプレート20の力覚センサ202は、ユーザの足圧中心、床反力およびフリーモーメントを検出する。第1プロセッサ201は、力覚センサ202からの検出値に基づいて、例えばフォースプレート20上のユーザの姿勢(立っているか/しゃがんでいるか)、向き(ユーザの体のXY平面における向き)および動作(静止、歩行、ジャンプ)の情報を取得する。ユーザの姿勢の情報とは、例えば、ユーザが立っているか/しゃがんでいるか、である。ユーザの向きの情報とは、例えばユーザの体のXY平面における向き、である。また、ユーザの動作の情報とは、静止、歩行(前進および後退を含む)ならびにジャンプなどである。第1プロセッサ201は、取得したユーザに関する情報を、通信IF203を介してゲーム機10に出力する。
【0042】
ヘッドマウントディスプレイ30の加速度センサ302は、基準位置に対するユーザの頭の位置および向きを検出する。ここで言う基準位置とは、例えばユーザがフォースプレート20上で正面に向いて静止して立ったときのユーザの頭部の位置である。第2プロセッサ301は、加速度センサ302からの検出値に基づいて、例えばユーザの顔の向き(ユーザが見ている向き)の情報を取得する。第2プロセッサ301は、取得したユーザの顔の向きに関する情報を、通信IF303を介してゲーム機10に出力する。
【0043】
コントローラ40の加速度センサ402は、基準位置に対するユーザの手の位置および手の動きの向きを検出する。ここで言う基準位置とは、例えばユーザがフォースプレート20上で正面に向いて静止して立ったときのユーザの手の位置(ユーザの手に装備されているコントローラ40の位置)である。第3プロセッサ401は、加速度センサ402からの検出値に基づいて、例えばユーザの手の位置および動きに関する情報を取得する。第3プロセッサ401は、取得したユーザの手の位置および動きに関する情報を、通信IF403を介してゲーム機10に出力する。
【0044】
ゲーム機10は、フォースプレート20、ヘッドマウントディスプレイ30およびコントローラ40から取得した情報とゲームプログラムとに基づいて、ヘッドマウントディスプレイ30で表示されるべき映像の情報を生成し、ヘッドマウントディスプレイ30に出力する。また、ゲーム機10は、ゲームプログラムに応じて、スピーカから出力されるべき音声の情報をヘッドマウントディスプレイ30に出力する。ヘッドマウントディスプレイ30は、ゲーム機10からの映像および音声の情報に基づいて、ディスプレイに映像を表示し、スピーカから音声を発生させる。
【0045】
<アラート信号の発生例>
第1プロセッサ201は、検出されるユーザの足圧中心の位置がフォースプレート20における注意喚起領域211内か否かを判定する。検出されるユーザの足圧中心の位置が注意喚起領域211内である場合では、第1プロセッサ201は、アラート信号を生成する。アラート信号は、ユーザがフォースプレート20上において注意喚起領域211まで、すなわち端の方が位置していることをユーザに知らせるための信号である。第1プロセッサ201は、生成したアラート信号を、通信IF203を介してヘッドマウントディスプレイ30に送信する。このように、フォースプレート20は、ユーザの足圧中心が当該フォースプレートの周縁部に進入した場合、ゲーム機10により生成された映像を出力するヘッドマウントディスプレイ30にアラート信号を送信する送信部を備えている。本実施形態では、第1プロセッサ201が当該送信部に該当している。
【0046】
ヘッドマウントディスプレイ30は、フォースプレート20からのアラート信号を受信すると、ゲーム機10からの映像に対してアラート信号に応じた画像を上書きして表示する。
【0047】
ここで具体的な画像の例を示して説明する。図5は、ユーザに表示される映像プログラムの画像の一例を示す図である。図5に示される画像310は、ゲーム機10からの情報に基づく、進行するゲームにおける一場面である。図6は、図5の画像にアラート画像が表示された画像の一例を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ30は、アラート信号に応じて、画像310の上部を覆う壁のような画像320を重ねて表示する。このように、フォースプレート20の第1プロセッサ201は、アラート信号として、画像310の少なくとも一部を覆い隠す画像320をヘッドマウントディスプレイ30に表示することを指示する信号をヘッドマウントディスプレイ30に送信している。
【0048】
画像320の表示により、ユーザがフォースプレート20における注意喚起領域211よりも内側(中央寄り)に移動すると、第1プロセッサ201は、アラート信号の生成を停止する。その結果、画像320の表示も停止し、ユーザには画像310のみが表示される。こうして、ユーザは、画像320が表示されることでゲームの進行が一部制限されるものの、ゲームを継続して進行させることができる。
【0049】
画像320が表示されてもユーザがフォースプレート20上をさらに外側に移動すると、ユーザの足はフォースプレート20の周縁部にある凸条部22に触れる。それにより、ユーザは、自身がフォースプレート20から脱落しそうな位置にあることを認識することができる。このように、凸条部22によってフォースプレート20の中央部へ復帰がユーザに促される。その結果、ユーザがフォースプレート20における注意喚起領域211よりも内側(中央寄り)に移動する。こうして、ユーザは、ゲームを継続して進行させることができる。
【0050】
[主な作用効果]
情報処理システム1では、フォースプレート20によってユーザの体の向きおよびバランスを検知可能である。このため、ユーザの足踏み動作であっても、ユーザの荷重の偏りから、前後方向であれば前進と後退とを区別することができる。このため、ユーザの感覚により合致した映像をユーザに表示することが可能である。
【0051】
また、情報処理システム1では、フォースプレート20に加えてヘッドマウントディスプレイ30でもユーザの向きを検出可能である。たとえば、ユーザが頭のみで横に向く場合と、ユーザが横へ体をやや開いた状態で頭を横に向ける場合とでは、後者の方が広い視野になる。したがって、ヘッドマウントディスプレイ30のみでユーザの視野の映像を決定する場合に比べて、ユーザの動作により合致したユーザの視野の映像を決定することが可能である。
【0052】
〔その他の実施形態〕
前述した情報処理システム1において、情報処理システム1における上記の構成のうちの一部または全部は、有線での通信を実現可能に有線で接続されていてもよい。また、情報処理システム1は、コントローラ40を有さなくてもよい。この場合、ゲームの進行に関するコントローラ40からの信号は、例えばフォースプレート20で検出されるユーザの荷重に関する特定の信号(荷重の位置および検出回数など)に置き換えることが可能である。
【0053】
本発明の実施形態において、フォースプレート20における送信部(第1プロセッサ)は、ユーザの足圧中心が注意喚起領域211に進入した場合、ゲーム機10にアラート信号を送信してもよい。この実施形態は、通信に関する構成および制御を簡略化する観点から有利である。この実施形態において、ゲーム機10は、ゲームの映像とアラート信号による画像とを独立してヘッドマウントディスプレイ30に出力してもよい。あるいは、ゲーム機10は、ゲームの映像にアラート信号による画像を合成した合成映像の情報を生成し、それをヘッドマウントディスプレイ30に出力してもよい。
【0054】
ゲーム機10が有するディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイ30以外にも、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの、ユーザ以外の者にも映像を見ることが可能な通常の表示装置であってもよい。同様に、スピーカは、ヘッドマウントディスプレイ30に内蔵のスピーカ以外にも、ゲーム機10または通常の表示装置に備え付けられている外部スピーカなどの、上記のユーザ以外の者にも音声を聞くことが可能なスピーカであってもよい。
【0055】
フォースプレート20における送信部(第1プロセッサ)は、アラート信号として、アラート音を出力することを指示する信号をゲーム機10またはヘッドマウントディスプレイ30に送信してもよい。
【0056】
アラート信号による画像または音は、ユーザの特定の方向への移動を規制するように生成されてもよい。たとえば、画像320は、ゲームの画像310のうち、ユーザが注意喚起領域211に進入してきた特定の方向における部分のみを覆う画像であってもよい。たとえば、ユーザが右に移動して注意喚起領域211に進入してきた場合には、画像310の右側の部分を覆う壁などの画像であってもよい。また、画像320は、ユーザがフォースプレート20の端に近づくほど、画像320における画像310を覆う部分が広くなってもよい。たとえば、画像320ユーザが端に近づくほどユーザの移動方向に表示される壁が高くなる、あるいは壁が迫ってくる画像であってもよい。
【0057】
フォースプレート20は、凸条部22を有していなくてもよい。あるいは、凸条部22は、ユーザの注意をさらに喚起する構成を有していてもよい。たとえば、凸条部22は、ユーザが接触することにより音を発生する構造を有していてもよい。あるいは、凸条部22は、ユーザに注意を喚起可能な他の構成に置き換えることが可能である。このような構成は、例えばプレート本体21の縁部に配置される、プレート本体21の天面から窪んでいる凹条部であってもよいし、プレート本体21の天面における縁部(例えば注意喚起領域211)に形成される凸部群であってもよい。
【0058】
フォースプレート20は、力覚センサでユーザの足圧中心などを検知可能に構成されていればよい。フォースプレート20における力覚センサの設置数は限定されない。また、フォースプレート20一台当たりプレート本体21が二以上あってもよい。たとえば、Y方向に並ぶ二台のプレート本体21で一台のフォースプレート20を構成してもよい。このように、独立した複数のプレート本体でフォースプレート20を構成することは、独立したプレート本体のそれぞれで検出される検出値の差および検出量の経時的な変化を求めることが可能となる。よって、ユーザの姿勢および動作をより精密に推定する観点からより有利である。
【0059】
本発明の実施形態の情報処理システムは、ゲーム以外にも、特定のプログラムに基づき、ユーザの体の動きを検知して映像を生成する他の用途にも適用可能である。このような他の用途の例には、ユーザの身体能力を高めるためのトレーニング、ユーザの身体能力の回復を図るためのリハビリテーション、および、ユーザの技能または技術を高めるためのレッスン、が含まれる。
【0060】
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 情報処理システム
10 ゲーム機
20 フォースプレート
21 プレート本体
22 凸条部
30 ヘッドマウントディスプレイ
40 コントローラ
211 注意喚起領域
201 第1プロセッサ
202 力覚センサ
203 通信インターフェース(IF)
301 第2プロセッサ
302、402 加速度センサ
310、320 画像
401 第3プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6