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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058575
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】印刷回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240418BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125382
(22)【出願日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0132348
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 永 國
(72)【発明者】
【氏名】金 相 勳
(72)【発明者】
【氏名】尹 智 湖
(72)【発明者】
【氏名】金 圭 默
(72)【発明者】
【氏名】金 台 勳
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB13
5E316CC08
5E316CC32
5E316EE01
5E316FF07
5E316GG15
5E316GG28
5E316HH22
5E316HH33
5E316JJ12
5E316JJ13
(57)【要約】
【課題】キャビティ周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さのキャビティを形成することができる印刷回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の印刷回路基板は、第1絶縁層と、第1絶縁層に埋込まれた第1配線層と、第1絶縁層に形成された第1ビア内に位置する第1ビア層と、第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、第2絶縁層に埋込まれた第2配線層と、第2絶縁層に形成された第2ビア内に位置する第2ビア層と、第1絶縁層及び第2絶縁層の一部に形成されたキャビティと、を備え、キャビティは、第1絶縁層に形成されて互いに異なる幅を有する第1部分及び第2部分を含み、第1部分は、第1配線層の側面に位置し、第2部分は、第1ビア層の側面に位置し、第1部分の第1幅は、第2部分の第2幅よりも広い。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に埋込まれた第1配線層と、
前記第1絶縁層に形成された第1ビア内に位置する第1ビア層と、
前記第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に埋込まれた第2配線層と、
前記第2絶縁層に形成された第2ビア内に位置する第2ビア層と、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の一部に形成されたキャビティと、を備え、
前記キャビティは、前記第1絶縁層に形成されて互いに異なる幅を有する第1部分及び第2部分を含み、
前記第1部分は、前記第1配線層の側面に位置し、
前記第2部分は、前記第1ビア層の側面に位置し、
前記第1部分の第1幅は、前記第2部分の第2幅よりも広いことを特徴とする印刷回路基板。
【請求項2】
前記キャビティは、前記第2絶縁層の一部に形成された第3部分を更に含み、
前記第3部分は、前記第2配線層の側面に位置することを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項3】
前記第1部分の深さは、前記第1配線層の厚さと同一であり、
前記第2部分の深さは、前記第1ビア層の厚さと同一であることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項4】
前記第3部分の深さは、前記第2配線層の厚さと同一であることを特徴とする請求項2に記載の印刷回路基板。
【請求項5】
前記第3部分の第3幅は、前記第1幅と同一であることを特徴とする請求項2に記載の印刷回路基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層の下に位置するソルダレジスト層を更に含み、
前記キャビティは、前記ソルダレジスト層に形成された第4部分を更に含み、
前記第4部分の第4幅は、前記第1幅及び前記第2幅よりも広いことを特徴とする請求項2に記載の印刷回路基板。
【請求項7】
前記第1配線層と前記第2配線層とは、前記第1ビア層を介して互いに連結されることを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項8】
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置する第4絶縁層を更に含み、
前記キャビティは、前記第4絶縁層に形成されて互いに異なる幅を有する第5部分及び第6部分を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷回路基板。
【請求項9】
前記第4絶縁層に埋込まれた第4配線層と、
前記第4絶縁層に形成された第4ビア内に位置する第4ビア層と、を更に含み、
前記第5部分は、前記第4配線層の側面に位置し、
前記第6部分は、前記第4ビア層の側面に位置することを特徴とする請求項8に記載の印刷回路基板。
【請求項10】
前記第2絶縁層から前記キャビティに向かって突出する複数の突出部を更に含むことを特徴とする請求項1又は8に記載の印刷回路基板。
【請求項11】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に埋込まれた第1配線層と、
前記第1絶縁層に形成された第1ビア内に位置する第1ビア層と、
前記第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に埋込まれた第2配線層と、
前記第2絶縁層に形成された第2ビア内に位置する第2ビア層と、
前記第1絶縁層を貫通する第1部分及び第2部分、並びに前記第2絶縁層の一部に形成された第3部分を含むキャビティと、を備え、
前記キャビティの前記第3部分は、前記第2配線層の側面に位置し、
前記キャビティの前記第3部分の深さは、前記第2配線層の厚さと同一であることを特徴とする印刷回路基板。
【請求項12】
第1配線層及び第1犠牲層を形成する段階と、
前記第1配線層及び前記第1犠牲層上に第1絶縁層を積層する段階と、
前記第1絶縁層に第1ビア及び前記第1犠牲層に重なる開口部を形成する段階と、
前記第1絶縁層の前記第1ビアに第1ビア層を形成し、前記開口部に第2犠牲層を形成する段階と、
前記第1絶縁層上に第2配線層を形成し、前記第2犠牲層上に第3犠牲層を形成する段階と、
前記第2配線層及び前記第3犠牲層上に第2絶縁層を積層する段階と、
前記第1犠牲層、前記第2犠牲層、及び前記第3犠牲層をエッチングして除去する段階と、を有し、
前記第1犠牲層の幅と前記第2犠牲層の幅とは、互いに異なって形成されることを特徴とする印刷回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1犠牲層は、前記第1配線層の側面に位置して前記第1配線層と同一の厚さを有するように形成され、
前記第2犠牲層は、前記第1ビア層の側面に位置して前記第1ビア層と同一の厚さを有するように形成されることを特徴とする請求項12に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記第3犠牲層は、前記第2配線層の側面に位置して前記第2配線層と同一の厚さを有するように形成されることを特徴とする請求項13に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1犠牲層の幅と前記第3犠牲層の幅とは、同一に形成されることを特徴とする請求項14に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第1絶縁層を形成した後、前記第2絶縁層を形成する前に第4絶縁層を形成する段階と、
前記第1ビア層を形成した後、前記第2配線層を形成する前に、前記第4絶縁層によって埋込まれる第4配線層を形成し、前記第2犠牲層を形成した後、前記第3犠牲層を形成する前に第4犠牲層を形成する段階と、
前記第1ビア層を形成した後、前記第2配線層を形成する前に、前記第4絶縁層の第4ビアに第4ビア層を形成し、前記第4犠牲層上に位置する第5犠牲層を形成する段階と、を更に含み、
前記エッチングして除去する段階において、前記第1犠牲層及び前記第2犠牲層を除去した後、前記第3犠牲層を除去する前に前記第4犠牲層及び前記第5犠牲層を除去することを特徴とする請求項12に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記第4犠牲層は、前記第4配線層の側面に位置して前記第4配線層と同一の厚さを有するように形成され、
前記第5犠牲層は、前記第4ビア層の側面に位置して前記第4ビア層と同一の厚さを有するように形成されることを特徴とする請求項16に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項18】
前記第3犠牲層上に前記第2絶縁層の一部が位置するように形成されることを特徴とする請求項17に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項19】
前記第1絶縁層の下にソルダレジスト層を形成する段階を更に含み、
前記ソルダレジスト層は、前記第1犠牲層を露出するように形成されることを特徴とする請求項12に記載の印刷回路基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板は、絶縁材に銅のような導電性材料で回路パターンを形成したものであり、携帯電話をはじめとするIT分野の電子機器の小型化に伴い、印刷回路基板にキャビティを形成し、キャビティ内にIC、能動素子、又は受動素子などの電子部品を実装する方法が提案されている。
【0003】
電子部品が実装される印刷回路基板のキャビティの深さに応じて、電子部品のうちの印刷回路基板内に実装される部分の高さも変化する。
【0004】
印刷回路基板のキャビティの深さが深いほど電子部品の多くの部分をキャビティ内に実装することが可能であり、電子部品と印刷回路基板とをパッケージングした製品の全体厚さを減少させることができる。
【0005】
しかし、印刷回路基板にキャビティを形成する場合、キャビティの深さを調節しにくく、キャビティの深さを深く形成するために周辺の回路パターンが損傷することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-145482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、キャビティ周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さのキャビティを形成することができる印刷回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による印刷回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層に埋込まれた第1配線層と、前記第1絶縁層に形成された第1ビア内に位置する第1ビア層と、前記第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に埋込まれた第2配線層と、前記第2絶縁層に形成された第2ビア内に位置する第2ビア層と、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の一部に形成されたキャビティと、を備え、前記キャビティは、前記第1絶縁層に形成されて互いに異なる幅を有する第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分は、前記第1配線層の側面に位置し、前記第2部分は、前記第1ビア層の側面に位置し、前記第1部分の第1幅は、前記第2部分の第2幅よりも広い。
【0009】
前記キャビティは、前記第2絶縁層の一部に形成された第3部分を更に含み、前記第3部分は、前記第2配線層の側面に位置し得る。
前記第1部分の深さは、前記第1配線層の厚さと同一であり、前記第2部分の深さは、前記第1ビア層の厚さと同一であり得る。
前記第3部分の深さは、前記第2配線層の厚さと同一であり得る。
前記第3部分の第3幅は、前記第1幅と同一であり得る。
前記印刷回路基板は、前記第1絶縁層の下に位置するソルダレジスト層を更に含み、前記キャビティは、前記ソルダレジスト層に形成された第4部分を更に含み、前記第4部分の第4幅は、前記第1幅及び前記第2幅よりも広い。
前記第1配線層と前記第2配線層とは、前記第1ビア層を介して互いに連結され得る。
前記印刷回路基板は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置する第4絶縁層を更に含み、前記キャビティは、前記第4絶縁層に形成されて互いに異なる幅を有する第5部分及び第6部分を更に含み得る。
前記印刷回路基板は、前記第4絶縁層に埋込まれた第4配線層と、前記第4絶縁層に形成された第4ビア内に位置する第4ビア層と、を更に含み、前記第5部分は、前記第4配線層の側面に位置し、前記第6部分は、前記第4ビア層の側面に位置し得る。
前記印刷回路基板は、前記第2絶縁層から前記キャビティに向かって突出する複数の突出部を更に含み得る。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による印刷回路基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層に埋込まれた第1配線層と、前記第1絶縁層に形成された第1ビア内に位置する第1ビア層と、前記第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、前記第2絶縁層に埋込まれた第2配線層と、前記第2絶縁層に形成された第2ビア内に位置する第2ビア層と、前記第1絶縁層を貫通する第1部分及び第2部分、並びに前記第2絶縁層の一部に形成された第3部分を含むキャビティと、を備え、前記キャビティの前記第3部分は、前記第2配線層の側面に位置し、前記キャビティの前記第3部分の深さは、前記第2配線層の厚さと同一である。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による印刷回路基板の製造方法は、第1配線層及び第1犠牲層を形成する段階と、前記第1配線層及び前記第1犠牲層上に第1絶縁層を積層する段階と、前記第1絶縁層に第1ビア及び前記第1犠牲層に重なる開口部を形成する段階と、前記第1絶縁層の前記第1ビアに第1ビア層を形成し、前記開口部に第2犠牲層を形成する段階と、前記第1絶縁層上に第2配線層を形成し、前記第2犠牲層上に第3犠牲層を形成する段階と、前記第2配線層及び前記第3犠牲層上に第2絶縁層を積層する段階と、前記第1犠牲層、前記第2犠牲層、及び前記第3犠牲層をエッチングして除去する段階と、を有し、前記第1犠牲層の幅と前記第2犠牲層の幅とは、互いに異なって形成される。
【0012】
前記第1犠牲層は、前記第1配線層の側面に位置して前記第1配線層と同一の厚さを有するように形成され、前記第2犠牲層は、前記第1ビア層の側面に位置して前記第1ビア層と同一の厚さを有するように形成され得る。
前記第3犠牲層は、前記第2配線層の側面に位置して前記第2配線層と同一の厚さを有するように形成され得る。
前記第1犠牲層の幅と前記第3犠牲層の幅とは、同一に形成され得る。
前記印刷回路基板の製造方法は、前記第1絶縁層を形成した後、前記第2絶縁層を形成する前に第4絶縁層を形成する段階と、前記第1ビア層を形成した後、前記第2配線層を形成する前に、前記第4絶縁層によって埋込まれる第4配線層を形成し、前記第2犠牲層を形成した後、前記第3犠牲層を形成する前に第4犠牲層を形成する段階と、前記第1ビア層を形成した後、前記第2配線層を形成する前に、前記第4絶縁層の第4ビアに第4ビア層を形成し、前記第4犠牲層上に位置する第5犠牲層を形成する段階と、を更に含み、前記エッチングして除去する段階において、前記第1犠牲層及び前記第2犠牲層を除去した後、前記第3犠牲層を除去する前に前記第4犠牲層及び前記第5犠牲層を除去し得る。
前記第4犠牲層は、前記第4配線層の側面に位置して前記第4配線層と同一の厚さを有するように形成され、前記第5犠牲層は、前記第4ビア層の側面に位置して前記第4ビア層と同一の厚さを有するように形成され得る。
前記第3犠牲層上に前記第2絶縁層の一部が位置するように形成され得る。
前記印刷回路基板の製造方法は、前記第1絶縁層の下にソルダレジスト層を形成する段階を更に含み、前記ソルダレジスト層は、前記第1犠牲層を露出するように形成され得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、キャビティ周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さのキャビティを形成することができる印刷回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態による印刷回路基板の断面図である。
図2】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図3】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図4】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図5】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図6】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図7】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図8】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図9】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図10】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図11】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図12】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図13】一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図14】他の実施形態による印刷回路基板の断面図である。
図15】他の実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
図16】更に他の実施形態による印刷回路基板の断面図である。
図17】更に他の実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0016】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体に亘って同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0017】
また、図面は本明細書に開示する実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示する技術的思想は制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むことが理解されなければならない。
【0018】
更に、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したものであって、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。図面において様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。
【0019】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする場合には、中間に他の部分がないことを意味する。更に、基準となる部分の「上に」あるということは、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向の「上に」位置することを意味するわけではない。
【0020】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素を更に包含することができることを意味する。
【0021】
更に、明細書全体において、「平面上」とする場合、これは対象部分を上から見た場合を意味し、「断面上」とする場合、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た場合を意味する。
【0022】
また、明細書全体において、「連結される」とする場合、これは2以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するものではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されることを意味し、また、位置や機能により異なる名称で称することがあるが、一切を意味し得る。
【0023】
以下、図面を参照して、多様な実施形態及びその変形例を詳細に説明する。
【0024】
図1を参照して、一実施形態による印刷回路基板について説明する。図1は、一実施形態による印刷回路基板の断面図である。
【0025】
図1を参照すると、本実施形態による印刷回路基板は、積層されている複数の絶縁層ILと、複数の絶縁層IL内に埋込まれた複数の配線層MLと、複数の絶縁層ILの複数のビアVA内に位置する複数のビア層MVと、複数のパッド層MPと、ソルダレジスト層PLと、複数の絶縁層ILの一部分に形成されたキャビティCVと、を含む。
【0026】
複数の絶縁層ILは、第1絶縁層IL1と、第1絶縁層IL1上に位置する第2絶縁層IL2と、第2絶縁層IL2上に位置する第3絶縁層IL3と、を含む。
【0027】
複数の配線層MLは、第1絶縁層IL1によって埋込まれる第1配線層ML1と、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2と、第3絶縁層IL3によって埋込まれる第3配線層ML3と、を含む。
【0028】
複数のビア層MVは、第1絶縁層IL1に形成された第1ビアVA1内に位置する第1ビア層MV1と、第2絶縁層IL2に形成された第2ビアVA2内に位置する第2ビア層MV2と、第3絶縁層IL3に形成された第3ビアVA3内に位置する第3ビア層MV3と、を含む。
【0029】
複数のパッド層MPは、第3絶縁層IL3上に位置する第1パッド層MP1と、第1絶縁層IL1の下に位置する第2パッド層MP2と、を含む。
【0030】
第1ビア層MV1を介して第1配線層ML1の一部と第2配線層ML2の一部とは連結され、第2ビア層MV2を介して第2配線層ML2の一部と第3配線層ML3の一部とは連結され、第3ビア層MV3を介して第3配線層ML3の一部と第1パッド層MP1とは連結され、第2パッド層MP2は第1配線層ML1に連結される。
【0031】
キャビティCVは、高さ方向DRHに沿って、第1絶縁層IL1を貫通して第2絶縁層IL2の一部分に形成される。
【0032】
ソルダレジスト層PLは、第3絶縁層IL3上に位置して第1パッド層MP1の一部を露出する第1ソルダレジスト層PL1と、第1絶縁層IL1の下に位置して第2パッド層MP2の一部を露出する第2ソルダレジスト層PL2と、を含む。
【0033】
キャビティCVは、第1絶縁層IL1に形成されて互いに異なる幅を有する第1部分CV1及び第2部分CV2と、第2絶縁層IL2の一部分に形成された第3部分CV3と、を含み、第2ソルダレジスト層PL2に形成された第4部分CV4を含む。
【0034】
キャビティCVの第1部分CV1は第1配線層ML1の側面に位置し、キャビティCVの第2部分CV2は第1ビア層MV1の側面に位置し、キャビティCVの第3部分CV3は第2配線層ML2の側面に位置し、キャビティCVの第4部分CV4は第2ソルダレジスト層PL2の側面に位置する。
【0035】
高さ方向DRHと垂直をなす平面方向DRWに沿って、第1絶縁層IL1に形成されたキャビティCVの第1部分CV1は第1幅W1を有し、第1絶縁層IL1に形成されたキャビティCVの第2部分CV2は第2幅W2を有し、第2絶縁層IL2の一部分に形成されたキャビティCVの第3部分CV3は第3幅W3を有し、第2ソルダレジスト層PL2に形成されたキャビティCVの第4部分CV4は第4幅W4を有する。
【0036】
キャビティCVの第1部分CV1の第1幅W1とキャビティCVの第2部分CV2の第2幅W2とは、互いに異なる。
【0037】
キャビティCVの第1部分CV1の第1幅W1はキャビティCVの第3部分CV3の第3幅W3と略同一であるが、これとは異なり、第1幅W1は第3幅W3とは異なってもよい。
【0038】
キャビティCVの第4部分CV4の第4幅W4は、第1幅W1、第2幅W2、及び第3幅W3よりも大きい。
【0039】
高さ方向DRHに沿って、キャビティCVの側壁は、一列に配置されずに段差を有する。
【0040】
高さ方向DRHに沿って、キャビティCVの第1部分CV1の第1深さH1は第1絶縁層IL1によって埋込まれる第1配線層ML1の第1厚さD1と略同一であり、キャビティCVの第2部分CV2の第2深さH2は第1絶縁層IL1に形成された第1ビアVA1内に位置する第1ビア層MV1の第2厚さD2と略同一である。
【0041】
キャビティCVの第1部分CV1の第1深さH1と第2部分CV2の第2深さH2との合計は、第1絶縁層IL1の厚さと同一である。
【0042】
キャビティCVの第3部分CV3の第3深さH3は、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3と略同一である。
【0043】
第2ソルダレジスト層PL2に形成されたキャビティCVの第4部分CV4の第4深さH4は、第2ソルダレジスト層PL2の厚さと同一である。
【0044】
キャビティCVの全体の深さHTは、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3、第1絶縁層IL1の厚さ、そして第2ソルダレジスト層PL2の厚さの合計と略同一である。
【0045】
本実施形態による印刷回路基板によると、キャビティCVは、第2絶縁層IL2の一部分、第1絶縁層IL1、及び第2ソルダレジスト層PL2に形成され、キャビティCVの深さHTは、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3、第1絶縁層IL1の厚さ、そして第2ソルダレジスト層PL2の厚さの合計と略同一である。キャビティCV内に第2絶縁層IL2が残ることによって、複数の絶縁層IL内に埋込まれた複数の配線層MLは、キャビティCVによって露出せず、キャビティCV周辺の回路パターンが損傷せず、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の厚さ及び第1絶縁層IL1の厚さを調節することによって、キャビティCVの全体の深さHTを調節することができる。このように、本実施形態による印刷回路基板によると、キャビティCV周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さを有するキャビティCVを形成することができる。
【0046】
実装基板(図示せず)に電子部品を実装する際、電子部品が印刷回路基板のキャビティCV内に配置されることによって、キャビティCVの深さが深くなるほど電子部品パッケージの全体の厚さが低くなる。
【0047】
本実施形態による印刷回路基板によると、キャビティCV周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さを有するキャビティCVを形成可能であり、不良の発生なく電子部品パッケージの全体の厚さを低減することができる。
【0048】
以下、図1と共に図2図13を参照して、一実施形態による印刷回路基板の製造方法について説明する。図2図13は、一実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
【0049】
図2を参照すると、コア部CLとコア部CLの両側に積層された薄膜金属層MSとを含むキャリア基板CS上に第1銅箔層TC1及び第1配線層ML1を形成する。この時、キャビティCVが形成される位置に配置される第1犠牲層SF1を共に形成する。第1犠牲層SF1は、第1配線層ML1と共に形成されるため、第1配線層ML1と同一の物質からなり、第1配線層ML1の第1厚さD1と同一の厚さを有する。
【0050】
図3に示すように、第1配線層ML1上に第1絶縁層IL1及び第2銅箔層TC2を形成して、第1配線層ML1を第1絶縁層IL1で埋込む。
【0051】
図4を参照すると、第1絶縁層IL1に第1ビアVA1を形成する。この時、第1犠牲層SF1を露出する開口部OP1を共に形成する。
【0052】
図5を参照すると、第1絶縁層IL1の第1ビアVA1内に第1ビア層MV1を形成し、第1絶縁層IL1上に第2配線層ML2を形成する。これと同時に、開口部OP1内に第2犠牲層SF2を形成し、第2犠牲層SF2に連結されるように第1絶縁層IL1上に第3犠牲層SF3を形成する。その後、第2銅箔層TC2を除去する。第2犠牲層SF2及び第3犠牲層SF3は、第1犠牲層SF1と同様にキャビティCVが形成される位置に形成される。
【0053】
図6に示すように、第2配線層ML2及び第3犠牲層SF3上に第2絶縁層IL2と第3銅箔層TC3とを積層して、第2配線層ML2を第2絶縁層IL2で埋込む。
【0054】
図7を参照すると、第2絶縁層IL2に第2ビアVA2を形成する。
【0055】
図8を参照すると、第2絶縁層IL2の第2ビアVA2内に第2ビア層MV2を形成し、第2絶縁層IL2上に第3配線層ML3を形成する。その後、第3銅箔層TC3を除去する。
【0056】
図9を参照すると、第3配線層ML3上に第3絶縁層IL3と第4銅箔層TC4とを積層して、第3配線層ML3を第3絶縁層IL3で埋込む。
【0057】
次に、図10に示すように、キャリア基板CSの両側から基板部SUBを剥離する。
【0058】
以下、キャリア基板CSから剥離された1つの基板部SUBについて説明する。
【0059】
図11に示すように、基板部SUBから第1銅箔層TC1及び第4銅箔層TC4を除去し、第3絶縁層IL3に第3ビアVA3を形成し、第3ビアVA3内に第3ビア層MV3を形成し、第3絶縁層IL3上に第1パッド層MP1を形成し、第1絶縁層IL1の下に第2パッド層MP2を形成する。
【0060】
図12を参照すると、第3絶縁層IL3上に第1ソルダレジスト層PL1を形成し、第1絶縁層IL1の下に第2ソルダレジスト層PL2を形成する。第1ソルダレジスト層PL1は第1パッド層MP1の一部を露出し、第2ソルダレジスト層PL2は第2パッド層MP2の一部及び第1犠牲層SF1を露出する。
【0061】
図13を参照すると、第1ソルダレジスト層PL1上に第1マスク層MSK1を配置し、第2ソルダレジスト層PL2の下に第2マスク層MSK2を配置する。キャビティCVが形成される領域を除いた部分は、全て第1マスク層MSK1及び第2マスク層MSK2によって覆われる。
【0062】
第1マスク層MSK1及び第2マスク層MSK2をエッチングマスクとして、キャビティCVが形成される領域に位置する第1犠牲層SF1、第2犠牲層SF2、及び第3犠牲層SF3を除去し、第1絶縁層IL1を貫通して第2絶縁層IL2の一部分に形成されるキャビティCVを形成する。
【0063】
その後、第1マスク層MSK1及び第2マスク層MSK2を除去する。
【0064】
本実施形態による印刷回路基板の製造方法によると、第1絶縁層IL1を貫通するように第1配線層ML1及び第1ビア層MV1と同じ層で第1犠牲層SF1及び第2犠牲層SF2を形成し、第1絶縁層IL1上に第2絶縁層IL2によって埋込まれるように第3犠牲層SF3を形成した後、マスク層(MSK1、MSK2)をエッチングマスクとして第1犠牲層SF1、第2犠牲層SF2、及び第3犠牲層SF3をエッチングして印刷回路基板にキャビティCVを形成する。従って、キャビティCVは第2ソルダレジスト層PL2及び第1絶縁層IL1を貫通して第2絶縁層IL2の一部分に形成され、キャビティCVの深さHTは第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3、第1絶縁層IL1の厚さ、そして第2ソルダレジスト層PL2の厚さの合計と略同一である。
【0065】
キャビティCV内に第2絶縁層IL2が残ることによって、複数の絶縁層IL内に埋込まれた複数の配線層MLは、キャビティCVによって露出せず、キャビティCV周辺の回路パターンが損傷せず、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の厚さ及び第1絶縁層IL1の厚さを調節することによって、キャビティCVの全体の深さHTを調節することができる。このように、本実施形態による印刷回路基板の製造方法によると、キャビティCV周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さを有するキャビティCVを形成することができる。
【0066】
以下、図14を参照して、他の実施形態による印刷回路基板について説明する。図14は、他の実施形態による印刷回路基板の断面図である。
【0067】
図14を参照すると、本実施形態による印刷回路基板は、図1を参照して説明した実施形態による印刷回路基板と類似する。同一の構成要素に関する具体的な説明は省略する。
【0068】
図14を参照すると、本実施形態による印刷回路基板は、図1に示した実施形態による印刷回路基板とは異なり、第1絶縁層IL1と第2絶縁層IL2との間に位置する第4絶縁層IL4と、第4絶縁層IL4によって埋込まれる第4配線層ML4と、第4絶縁層IL4の第4ビアVA4内に位置する第4ビア層MV4と、を更に含む。
【0069】
キャビティCVは、高さ方向DRHに沿って、第1絶縁層IL1及び第4絶縁層IL4を貫通して第2絶縁層IL2の一部分に形成される。
【0070】
キャビティCVは、第1絶縁層IL1に形成されて互いに異なる幅を有する第1部分CV1及び第2部分CV2と、第2絶縁層IL2の一部分に形成された第3部分CV3と、を含み、第2ソルダレジスト層PL2に形成された第4部分CV4を含む。
【0071】
キャビティCVの第1部分CV1は第1配線層ML1の側面に位置し、キャビティCVの第2部分CV2は第1ビア層MV1の側面に位置し、キャビティCVの第3部分CV3は第2配線層ML2の側面に位置し、キャビティCVの第4部分CV4は第2ソルダレジスト層PL2の側面に位置する。
【0072】
キャビティCVは、第4絶縁層IL4に形成されて互いに異なる幅を有する第5部分CV5及び第6部分CV6を更に含む。
【0073】
キャビティCVの第5部分CV5は第4配線層ML4の側面に位置し、キャビティCVの第6部分CV6は第4ビア層MV4の側面に位置する。
【0074】
高さ方向DRHと垂直をなす平面方向DRWに沿って、第4絶縁層IL4に形成されたキャビティCVの第5部分CV5は第5幅W5を有し、第4絶縁層IL4に形成されたキャビティCVの第6部分CV6は第6幅W6を有し、キャビティCVの第5部分CV5の第5幅W5とキャビティCVの第6部分CV6の第6幅W6とは互いに異なる。
【0075】
キャビティCVの第5部分CV5の第5幅W5はキャビティCVの第1部分CV1の第1幅W1と同一であり、キャビティCVの第6部分CV6の第6幅W6はキャビティCVの第2部分CV2の第2幅W2と略同一であるが、これとは異なり、第5幅W5は第1幅W1とは異なり、第6幅W6は第2幅W2とは異なってもよい。
【0076】
キャビティCVの第4部分CV4の第4幅W4は、第1幅W1、第2幅W2、第3幅W3、第5幅W5、及び第6幅W6よりも大きい。
【0077】
高さ方向DRHに沿って、キャビティCVの側壁は、一列に配置されずに段差を有する。
【0078】
高さ方向DRHに沿って、キャビティCVの第5部分CV5の第5深さH5は第4絶縁層IL4によって埋込まれる第4配線層ML4の第4厚さD4と略同一であり、キャビティCVの第6部分CV6の第6深さH6は第4絶縁層IL4に形成された第4ビアVA4内に位置する第4ビア層MV4の第5厚さD5と略同一である。
【0079】
キャビティCVの第5部分CV5の第5深さH5と第2部分CV2の第6部分CV6の第6深さH6との合計は、第4絶縁層IL4の厚さと同一である。
【0080】
キャビティCVの全体の深さHTは、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3、第1絶縁層IL1の厚さ、第4絶縁層IL4、そして第2ソルダレジスト層PL2の厚さの合計と略同一である。
【0081】
本実施形態による印刷回路基板によると、キャビティCVは、第2絶縁層IL2の一部分、第1絶縁層IL1、第4絶縁層IL4、及び第2ソルダレジスト層PL2に形成され、キャビティCVの深さHTは、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3、第1絶縁層IL1の厚さ、第4絶縁層IL4の厚さ、そして第2ソルダレジスト層PL2の厚さの合計と略同一である。キャビティCV内に第2絶縁層IL2が残ることによって、複数の絶縁層IL内に埋込まれた複数の配線層MLは、キャビティCVによって露出せず、キャビティCV周辺の回路パターンが損傷せず、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の厚さ以外に第1絶縁層IL1の厚さ及び第4絶縁層IL4の厚さを調節することによって、キャビティCVの全体の深さHTを調節することができる。このように、本実施形態による印刷回路基板によると、キャビティCV周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さを有するキャビティCVを形成することができる。
【0082】
図1を参照して説明した実施形態による印刷回路基板の多くの特徴は、本実施形態による印刷回路基板に全て適用可能である。
【0083】
図14と共に図15を参照して、他の実施形態による印刷回路基板の製造方法について説明する。図15は、他の実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
【0084】
図15を参照すると、第1絶縁層IL1を貫通するように第1犠牲層SF1及び第2犠牲層SF2を形成し、第4絶縁層IL4を貫通するように第4配線層ML4及び第4ビア層MV4と同じ層で第4犠牲層SF4及び第5犠牲層SF5を形成し、第4絶縁層IL4上に第2絶縁層IL2によって埋込まれるように第3犠牲層SF3を形成した後、マスク層(MSK1、MSK2)をエッチングマスクとして、第1犠牲層SF1、第2犠牲層SF2、第4犠牲層(図示せず)、第5犠牲層(図示せず)、及び第3犠牲層SF3をエッチングして印刷回路基板にキャビティCVを形成する。
【0085】
図2図13を参照して説明した実施形態による印刷回路基板の製造方法の多くの特徴は、本実施形態による印刷回路基板の製造方法に全て適用可能である。
【0086】
以下、図16を参照して、更に他の実施形態による印刷回路基板について説明する。図16は、更に他の実施形態による印刷回路基板の断面図である。
【0087】
図16を参照すると、本実施形態による印刷回路基板は、図1を参照して説明した実施形態による印刷回路基板と類似している。同一の構成要素に関する具体的な説明は省略する。
【0088】
図16を参照すると、本実施形態による印刷回路基板は、図1に示した実施形態による印刷回路基板とは異なり、キャビティCVの上部境界面に、第2絶縁層IL2からなる複数の突出部PRを更に含む。複数の突出部PRの厚さは、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3と略同一である。
【0089】
突出部PRは、スペーサの役割を果たす。キャビティCVの上部境界面に形成された複数の突出部PRを更に含むことによって、キャビティCV内に電子部品を実装した場合、電子部品の周辺に空間が発生し、電子部品などによって発生した熱をこの空間を通して拡散させることができる。
【0090】
図1を参照して説明した実施形態による印刷回路基板と類似して、本実施形態による印刷回路基板によると、高さ方向DRHに沿って、キャビティCVの側壁は、一列に配置されずに段差を有する。
【0091】
高さ方向DRHに沿って、キャビティCVの第1部分CV1の第1深さH1は第1絶縁層IL1によって埋込まれる第1配線層ML1の第1厚さD1と略同一であり、キャビティCVの第2部分CV2の第2深さH2は第1絶縁層IL1に形成された第1ビアVA1内に位置する第1ビア層MV1の第2厚さD2と略同一である。
【0092】
キャビティCVの第1部分CV1の第1深さH1と第2部分CV2の第2深さH2との合計は、第1絶縁層IL1の厚さと同一である。
【0093】
キャビティCVの第3部分CV3の第3深さH3は、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3と略同一である。
【0094】
第2ソルダレジスト層PL2に形成されたキャビティCVの第4部分CV4の第4深さH4は、第2ソルダレジスト層PL2の厚さと同一である。
【0095】
キャビティCVの全体の深さHTは、第2絶縁層IL2によって埋込まれる第2配線層ML2の第3厚さD3、第1絶縁層IL1の厚さ、そして第2ソルダレジスト層PL2の厚さの合計と略同一である。
【0096】
高さ方向DRHと垂直をなす平面方向DRWに沿って、第1絶縁層IL1に形成されたキャビティCVの第1部分CV1は第1幅W1を有し、第1絶縁層IL1に形成されたキャビティCVの第2部分CV2は第2幅W2を有し、第2絶縁層IL2の一部分に形成されたキャビティCVの第3部分CV3は第3幅W3を有し、第2ソルダレジスト層PL2に形成されたキャビティCVの第4部分CV4は第4幅W4を有する。
【0097】
キャビティCVの第1部分CV1の第1幅W1とキャビティCVの第2部分CV2の第2幅W2とは、互いに異なる。
【0098】
キャビティCVの第1部分CV1の第1幅W1は、キャビティCVの第3部分CV3の第3幅W3と略同一であるが、これとは異なり、第1幅W1は、第3幅W3とは異なってもよい。
【0099】
キャビティCVの第4部分CV4の第4幅W4は、第1幅W1、第2幅W2、及び第3幅W3よりも大きい。
【0100】
本実施形態による印刷回路基板によると、キャビティCV周辺の回路パターンの損傷なく所望する深さを有するキャビティCVを形成可能であり、不良の発生なく電子部品パッケージの全体厚さを低減することができる。
【0101】
以下、図16と共に図17を参照して、更に他の実施形態による印刷回路基板の製造方法について説明する。図17は、更に他の実施形態による印刷回路基板の製造方法を示す断面図である。
【0102】
図17を参照すると、第1絶縁層IL1を貫通するように、第1配線層ML1及び第1ビア層MV1と同じ層で第1犠牲層SF1及び第2犠牲層SF2を形成し、第1絶縁層IL1上に第2絶縁層IL2によって埋込まれるように第3犠牲層SF3を形成した後、マスク層(MSK1、MSK2)をエッチングマスクとして、第1犠牲層SF1、第2犠牲層SF2、及び第3犠牲層SF3をエッチングして印刷回路基板にキャビティCVを形成する。
【0103】
第3犠牲層SF3は、キャビティCVが形成される位置の全面に形成されず、複数の突出部PRが形成される部分には形成されない。複数の突出部PRが形成される部分は、第2絶縁層IL2が配置され、第3犠牲層SF3の除去後、第3犠牲層SF3の側面に位置する第2絶縁層IL2が突出部PRになる。
【0104】
図2図13を参照して説明した実施形態による印刷回路基板の製造方法の多くの特徴は、本実施形態による印刷回路基板の製造方法に全て適用可能である。
【0105】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
CL コア部
CS キャリア基板
CV キャビティ
CV1,CV2、CV3、CV6 キャビティの第1~第6部分
DRH 高さ方向
DRW 平面方向
H1~H6 第1~第6深さ
IL 絶縁層
IL1、IL2、IL3、IL4 第1~第4絶縁層
ML 配線層
ML1、ML2、ML3、ML4 第1~第4配線層
MP パッド層
MP1、MP2 第1、第2パッド層
MS 薄膜金属層
MSK1、MSK2 第1、第2マスク層
MV ビア層
MV1、MV2、MV3、MV4 第1~第4ビア層
OP1 第1開口部
PL ソルダレジスト層
PL1、PL2 第1、第2ソルダレジスト層
SF1、SF2、SF3、SF4、SF5 第1~第5犠牲層
SUB 基板部
TC1、TC2、TC3、TC4 第1~第4銅箔層
VA1、VA2、VA3、VA4 第1~第3ビア
W1~W6 第1~第6幅

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17