(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005858
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】スイング分析システム及びスイング分析方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A63B69/36 Z
A63B69/36 541P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106273
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田名網 克周
(72)【発明者】
【氏名】林 美由希
(57)【要約】
【課題】スイング動作の問題点を適切に分析することが可能なスイング分析システムを実現する。
【解決手段】スイング分析システム(S1)は、圧力センサ(21)が内蔵されたシューズ(2R,2L)と、グリップに圧力センサ(31)が内蔵されたクラブ(3)と、スイング動作の問題点を、圧力センサ(21)の出力信号(σ2R,σ2L)及び圧力センサ(31)の出力信号(σ3H)を参照して特定する情報処理装置(1)と、を含んでいる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の圧力センサが内蔵されたシューズと、
グリップに第2の圧力センサが内蔵されたクラブと、
前記シューズを着用したユーザが前記クラブを用いて行ったスイング動作の問題点を、前記第1の圧力センサの出力信号及び前記第2の圧力センサの出力信号を参照して特定する情報処理装置と、を含んでいる、
ことを特徴とするスイング分析システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記第1の圧力センサの出力信号が表す前記スイング動作中の足圧の時系列から前記ユーザの足の動作の問題点を特定すると共に、前記第2の圧力センサの出力信号が表す前記スイング動作中の握力の時系列から前記ユーザの掌の動作の問題点を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスイング分析システム。
【請求項3】
前記クラブには、更に、加速度センサが内蔵されており、
前記情報処理装置は、更に、前記加速度センサの出力信号が表す前記スイング動作中の加速度の時系列から前記ユーザの腕の動作の問題点を特定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のスイング分析システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記ユーザが立っている地面の傾斜角を、前記第1の圧力センサの出力信号が表す前記スイング動作前又は前記スイング動作後の足圧を参照して特定すると共に、前記スイング動作の問題点を、前記第1の圧力センサの出力信号及び前記第2の圧力センサの出力信号に加えて、前記傾斜角を参照して特定する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のスイング分析システム。
【請求項5】
第1の圧力センサが内蔵されたシューズと、グリップに第2の圧力センサが内蔵されたクラブと、を用いたスイング分析方法であって、
情報処理装置が、前記シューズを着用したユーザが前記クラブを用いて行ったスイング動作の問題点を、前記第1の圧力センサの出力信号及び前記第2の圧力センサの出力信号を参照して特定する特定処理を含んでいる、
ことを特徴とするスイング分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフにおけるユーザのスイング動作を分析するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、人気の高いスポーツであり、その上達を願う人も多い。このため、ゴルフの上達に資するツールは、市場において需要が高い。このようなツールとしては、例えば、特許文献1に記載のゴルフシューズが挙げられる。特許文献1のゴルフシューズは、左右一対のシューと、シューに取り付けられたセンサ装置と、を備えている。特許文献1に記載のゴルフシューズを用いれば、左右のシューのそれぞれの姿勢、及び、左右のシューの位置関係を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイング動作の問題点を分析しようとした場合、ゴルファの足の動作に加えて、ゴルファの掌の動作(クラブの握り方)を検討することが重要である。例えば、ボールがスライスしたりフックしたりする場合、足の動作が原因であることもあれば、掌の動作が原因であることもある。クラブの握り方を変えたらスライスしなくなったり、フックしなくなったりする現象は、多くのゴルファが経験するところである。ところが、特許文献1に記載の技術では、掌の動作を把握することができず、したがって、掌の動作における問題点を特定することができない。特許文献1に記載の技術は、少なくともこの点で改良の余地が残されている。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、スイング動作の問題点をより適切に分析することが可能なスイング分析システム及びスイング分析方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るスイング分析システムは、シューズと、クラブと、情報処理装置と、を含んでいる。シューズには、第1の圧力センサが内蔵されている。クラブのグリップには、第2の圧力センサが内蔵されている。情報処理装置は、このシューズを着用したユーザがこのクラブを用いて行ったスイング動作の問題点を特定する装置である。この特定は、第1の圧力センサの出力信号及び第2の圧力センサの出力信号を参照して行われる。
【0007】
また、本発明の一態様に係るスイング分析方法は、シューズ(第1の圧力センサを内蔵)と、クラブ(グリップに第2の圧力センサを内蔵)と、を用いたスイング分析方法である。このスイング分析方法は、情報処理装置が、このシューズを着用したユーザがこのクラブを用いて行ったスイング動作の問題点を、特定する特定処理を含んでいる。この特定は、第1の圧力センサの出力信号及び第2の圧力センサの出力信号を参照して行われる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、足の動作に加えて掌の動作を考慮してスイング動作の問題点を特定することができる。したがって、スイング動作の問題点をより適切に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスイング分析システムを用いるユーザを示す模式図である。
【
図2】
図1に示すスイング分析システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るスイング分析システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔本開示の実施形態の概要〕
最初に、本開示の実施形態の概要を説明する。
【0011】
(条項1)
第1の圧力センサが内蔵されたシューズと、グリップに第2の圧力センサが内蔵されたクラブと、前記シューズを着用したユーザが前記クラブを用いて行ったスイング動作の問題点を、前記第1の圧力センサの出力信号及び前記第2の圧力センサの出力信号を参照して特定する情報処理装置と、を含んでいる、ことを特徴とするスイング分析システム。
【0012】
上記の構成によれば、足の動作に加えて掌の動作を考慮してスイング動作の問題点を特定することができる。したがって、スイング動作の問題点をより適切に分析することができる。
【0013】
(条項2)
前記情報処理装置は、前記第1の圧力センサの出力信号が表す前記スイング動作中の足圧の時系列から前記ユーザの足の動作の問題点を特定すると共に、前記第2の圧力センサの出力信号が表す前記スイング動作中の握力の時系列から前記ユーザの掌の動作の問題点を特定する、ことを特徴とする条項1に記載のスイング分析システム。
【0014】
上記の構成によれば、足の動作の問題点と掌の動作の問題点とをそれぞれ特定することができる。したがって、ユーザは、スイング時の足の動作の改善及び掌の動作の改善に取り組むことができる。
【0015】
(条項3)
前記クラブには、更に、加速度センサが内蔵されており、前記情報処理装置は、更に、前記加速度センサの出力信号が表す前記スイング動作中の加速度の時系列から前記ユーザの腕の動作の問題点を特定する、ことを特徴とする条項1または2に記載のスイング分析システム。
【0016】
上記の構成によれば、腕の動作の問題点を更に特定することができる。したがって、ユーザは、スイング時の腕の動作の問題の改善に取り組むことができる。
【0017】
(条項4)
前記情報処理装置は、前記ユーザが立っている地面の傾斜角を、前記第1の圧力センサの出力信号が表す前記スイング動作前又は前記スイング動作後の足圧を参照して特定すると共に、前記スイング動作の問題点を、前記第1の圧力センサの出力信号及び前記第2の圧力センサの出力信号に加えて、前記傾斜角を参照して特定する、ことを特徴とする条項1~3の何れか一項に記載のスイング分析システム。
【0018】
上記の構成によれば、水平な地面に立っているユーザのスイング動作のみならず、傾いた地面(例えばバンカー)に立っているユーザのスイング動作についても、適切に分析することができる。
【0019】
(条項5)
第1の圧力センサが内蔵されたシューズと、グリップに第2の圧力センサが内蔵されたクラブと、を用いたスイング分析方法であって、情報処理装置が、前記シューズを着用したユーザが前記クラブを用いて行ったスイング動作の問題点を、前記第1の圧力センサの出力信号及び前記第2の圧力センサの出力信号を参照して特定する特定処理を含んでいる、ことを特徴とするスイング分析方法。
【0020】
上記の構成によれば、足の動作に加えて掌の動作を考慮してスイング動作の問題点を特定することができる。したがって、スイング動作の問題点をより適切に分析することができる。
【0021】
〔本開示の実施形態の例示〕
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。
【0022】
(スイング分析システムの構成)
スイング分析システムS1の構成について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、スイング分析システムS1を用いるユーザUを示す模式図であり、
図2は、スイング分析システムS1の構成を示すブロック図である。
【0023】
スイング分析システムSは1、ゴルフにおけるユーザUのスイング動作を解析するシステムであり、情報処理装置1、シューズ2R,2L、及びクラブ3を含んでいる。情報処理装置1、シューズ2R,2L、及びクラブ3は、近距離無線通信により通信可能に構成されている。ユーザUは、シューズ2R,2Lを履き、クラブ3を用いてスイング動作を行う。
【0024】
シューズ2Rは、圧力センサ21と、プロセッサ22と、通信インタフェース23と、を備えている。圧力センサ21は、シューズ2Rのソールに内蔵されており、ユーザUの右足圧FRを検出する。圧力センサ21の出力信号σ2Rは、不図示のADコンバータによってデジタル信号に変換され、プロセッサ22に供給される。プロセッサ22は、ユーザUの右足圧FRを表す圧力センサ21の出力信号σ2Rを、通信インタフェース23を介して情報処理装置1に送信する。シューズ2Lは、シューズ2Rと同様に構成されており、ユーザUの左足圧FLを表す圧力センサ21の出力信号σ2Lを、通信インタフェース23を介して情報処理装置1に送信する。
【0025】
なお、プロセッサ22としては、例えば、マイクロコントローラやPLC(Programmable Logic Controller)などを用いることができる。通信インタフェース23としては、例えば、赤外線通信インタフェース、Blutooth(登録商標)通信インタフェース、又はWiFi(登録商標)通信インタフェースなどを用いることができる。
【0026】
クラブ3は、圧力センサ31と、加速度センサ32と、プロセッサ33と、通信インタフェース34と、を備えている。圧力センサ31は、クラブ3のグリップに内蔵されており、ユーザUの握力FHを検出する。加速度センサ32は、クラブ3のヘッド又はシャフトに内蔵されており、クラブ3の加速度Ax,Ay,Azを検出する。圧力センサ31の出力信号σ3H及び加速度センサ32の出力信号σ3Aは、不図示のADコンバータによってデジタル信号に変換され、プロセッサ33に供給される。プロセッサ33は、ユーザUの握力FHを表す圧力センサ31の出力信号σ3H、及び、クラブ3の加速度Ax,Ay,Azを表す加速度センサ32の出力信号σ3Aを、通信インタフェース34を介して情報処理装置1に送信する。なお、クラブ3は、実際のゴルフに利用可能な(実際のゴルフボールを打つことができる)クラブであってもよいし、実際のゴルフに利用不可能な(実際にゴルフボールを打つことができない)クラブであってもよい。後者の例としては、実際のゴルフに利用可能なクラブよりも短尺のシャフトの先端に錘を付けたスイング練習器具などが挙げられる。
【0027】
なお、プロセッサ33としては、例えば、マイクロコントローラやPLC(Programmable Logic Controller)などを用いることができる。通信インタフェース34としては、例えば、赤外線通信インタフェース、Blutooth(登録商標)通信インタフェース、又はWiFi(登録商標)通信インタフェースなどを用いることができる。
【0028】
情報処理装置1は、プロセッサ11と、通信インタフェース12と、メモリ13と、ディスプレイ14と、を備えている。情報処理装置1は、メモリ13に記憶されたスイング分析プログラムをプロセッサ11が実行することによって、スイング動作の問題点を、圧力センサ21の出力信号σ2R,σ2L、圧力センサ31の出力信号σ3H、加速度センサ32の出力信号σ3Aを参照して特定する。この際、通信インタフェース12は、シューズ2R,2Lから送信された圧力センサ21の出力信号σ2R,σ2L、並びに、クラブ3から送信された圧力センサ31の出力信号σ3H及び加速度センサ32の出力信号σ3Aを受信するために利用される。また、ディスプレイ14は、スイング動作の解析結果を示す画面を表示するために利用される。
【0029】
プロセッサ11としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを用いることができる。また、通信インタフェース12としては、例えば、赤外線通信インタフェース、Blutooth(登録商標)通信インタフェース、又はWiFi(登録商標)通信インタフェースなどを用いることができる。また、メモリ13としては、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)などを用いることができる。また、ディスプレイ14としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などを用いることができる。
【0030】
なお、本実施形態においては、情報処理装置1として、ユーザUが携帯するスマートフォンを想定するが、本発明は、これに限定されない。情報処理装置1は、家庭などに設置される汎用コンピュータ(パーソナルコンピュータ)又は汎用ゲーム機(家庭用ゲーム機)として実現されていてもよいし、ゲームセンターなどに設置される専用ゲーム機(アーケードゲーム機)として実現されていてもよいし、ゴルフ練習場などに設置される専用シミュレータとして実現されていてもよい。
【0031】
なお、スイング分析プログラムは、コンピュータ読取可能な、一時的でなく、有形である記録媒体に記録され得る。このような記録媒体としては、例えば、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などを挙げることができる。スイング分析プログラムが記録された記録媒体は、情報処理装置1に内蔵されていても、内蔵されていなくてもよく、また、情報処理装置1に接続されていても、接続されていなくてもよい。
【0032】
(スイング分析方法の流れ)
スイング分析システムS1を用いたスイング分析方法M1の流れについて、
図3を参照して説明する。
図3は、スイング分析方法M1の流れを示すフロー図である。
【0033】
スイング分析方法M1は、取得処理M11と、解析処理M12と、表示処理M13と、を含んでいる。
【0034】
取得処理M11は、情報処理装置1が、圧力センサ21の出力信号σ2R,σ2Lをシューズ2から取得すると共に、圧力センサ31の出力信号σ3H及び加速度センサ32の出力信号σ3Aをクラブ3から取得する処理である。上述したように、シューズ2Rの圧力センサ21の出力信号σ2Rは、ユーザUの右足圧FRを表す。また、シューズ2Lの圧力センサ21の出力信号σ2Lは、ユーザUの左足圧FLを表す。また、クラブ3の圧力センサ31の出力信号σ3Hは、ユーザUの握力FHを表す。また、クラブ3の加速度センサ32の出力信号σ3Aは、クラブ3の加速度Ax,Ay,Azを表す。
【0035】
解析処理M12は、情報処理装置1が、シューズ2R,2Lを着用したユーザUがクラブ3を用いて行ったスイング動作の問題点を、取得処理M11にて取得したシューズ2R,2Lの圧力センサ21の出力信号σ2R,σ2L、クラブ3の圧力センサ31の出力信号σ3H、及び、クラブ3の加速度センサ32の出力信号σ3Aを参照して特定する処理である。
【0036】
情報処理装置1のプロセッサ11は、スイング動作中の右足圧FR及び左足圧FLの時系列から、ユーザUの足の動作の問題点を特定する。一例として、ボールがスライスするときの右足圧及び左足圧の時系列のパターンをスライスパターンとして、また、ボールがフックするときの右足圧及び左足圧の時系列パターンをフックパターンとして予め用意(作成及び記憶)しておく。そして、解析処理M12において、スイング動作中の右足圧FR及び左足圧FLの時系列をこれらのパターンと比較する。スイング動作中の右足圧FR及び左足圧FLの時系列がスライスパターンに合致している場合には、ユーザUの足の動作にスライスの原因になる問題点があると特定する。また、スイング動作中の右足圧FR及び左足圧FLの時系列がフックパターンに合致している場合には、ユーザUの足の動作にフックの原因になる問題点があると特定する。
【0037】
なお、足の動作の問題点の特定は、上述したように右足圧FR及び左足圧FLの時系列そのものに基づいて行ってもよいし、右足圧FR及び左足圧FLの時系列から算出される特徴量に基づいて行ってもよい。特徴量としては、例えば、重心バランス、安定性、体重移動、足の向きなどが挙げられる。また、右足圧FR及び左足圧FLの時系列を参照した足の動作の問題点の特定は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて行ってもよい。特徴量を参照した足の動作の問題点の特定についても、同様のことが言える。
【0038】
また、情報処理装置1のプロセッサ11は、スイング動作中の握力FHの時系列から、ユーザUの掌の動作(クラブ3の握り方)の問題点を特定する。一例として、ボールがスライスするときの握力の時系列のパターンをスライスパターンとして、また、ボールがフックするときの握力の時系列パターンをフックパターンとして予め用意(作成及び記憶)しておく。そして、解析処理M12において、スイング動作中の握力FHの時系列をこれらのパターンと比較する。スイング動作中の握力FHの時系列がスライスパターンに合致している場合には、ユーザUの掌の動作にスライスの原因になる問題点があると特定する。また、スイング動作中の握力FHの時系列がフックパターンに合致している場合には、ユーザUの掌の動作にフックの原因になる問題点があると特定する。
【0039】
なお、掌の動作の問題点の特定は、上述したように握力FHの時系列そのものに基づいて行ってもよいし、握力FHの時系列から算出される特徴量に基づいて行ってもよい。特徴量としては、例えば、グリップ力、安定性、ヘッドの向き、摩擦力などが挙げられる。また、握力FHの時系列を参照した掌の動作の問題点の特定は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて行ってもよい。特徴量を参照した掌の動作の問題点の特定についても、同様のことが言える。
【0040】
また、情報処理装置1のプロセッサ11は、スイング動作中の加速度Ax,Ay,Azの時系列から、ユーザUの腕の動作(クラブ3の振り方)の問題点を特定する。一例として、ボールがスライスするときの加速度の時系列のパターンをスライスパターンとして、また、ボールがフックするときの加速度の時系列パターンをフックパターンとして予め用意(作成及び記憶)しておく。そして、解析処理M12において、スイング動作中の加速度Ax,Ay,Azをこれらのパターンと比較する。スイング動作中の加速度Ax,Ay,Azの時系列がスライスパターンに合致している場合には、ユーザUの腕の動作にスライスの原因になる問題点があると特定する。また、スイング動作中の加速度Ax,Ay,Azの時系列がフックパターンに合致している場合には、ユーザUの腕の動作にフックの原因になる問題点があると特定する。
【0041】
なお、腕の動作の問題点の特定は、上述したように加速度Ax,Ay,Azの時系列そのものに基づいて行ってもよいし、加速度Ax,Ay,Azの時系列から算出される特徴量に基づいて行ってもよい。また、加速度Ax,Ay,Azの時系列を参照した腕の動作の問題点の特定は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて行ってもよい。特徴量を参照した腕の動作の問題点の特定についても、同様のことが言える。
【0042】
なお、情報処理装置1は、スイング動作前又はスイング動作後の右足圧FR及び左足圧FLから、ユーザUが立っている地面の傾斜角を算出するようにしてもよい。この場合、上述した足、掌、及び腕の動作の問題点の特定を、算出した傾斜角を参照して行ってもよい。例えば、上述したスライスパターン及びフックパターンを傾斜角毎に予め用意しておく。そして、上述した足、掌、及び腕の動作の問題点の特定を、算出した傾斜角に対応するスライスパターン及びフックパターンを用いて行う。そうすることで、問題点の特定精度を向上させることができる。
【0043】
表示処理M13は、情報処理装置1が、解析処理M12において特定した問題点、及び/又は、その問題点の解決策をユーザUに提示するための画面を表示する処理である。表示処理M13において、情報処理装置1のプロセッサ11は、解析処理M12において特定した問題点、及び/又は、その問題点の解決策をユーザUに提示するための画面をディスプレイ14に表示する。なお、問題点の解決策をユーザに提示するための画面を表示する場合、解析処理M12において特定され得る各問題点に対応する解決策を予め用意しておく。そして、表示処理M13においては、予め用意された解決策のうち、解析処理M12において特定された問題点に対応する解決策をユーザUに提示する。
【0044】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
S1 スイング分析システム
1 情報処理装置
2R シューズ(右足用)
2L シューズ(左足用)
21 圧力センサ
3 クラブ
31 圧力センサ
32 加速度センサ