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特開2024-58584駆動回路及びそのウェアラブルサウンドデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058584
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】駆動回路及びそのウェアラブルサウンドデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240418BHJP
   H04R 3/04 20060101ALI20240418BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20240418BHJP
   F16K 31/02 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R3/04
H04R1/10 104A
F16K31/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139582
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】63/415,664
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/366,637
(32)【優先日】2023-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521287935
【氏名又は名称】エクスメムス ラブズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】羅 烱成
(72)【発明者】
【氏名】戴 順南
(72)【発明者】
【氏名】陳 文健
(72)【発明者】
【氏名】ジン‐ムオン リウ
【テーマコード(参考)】
3H062
5D005
5D220
【Fターム(参考)】
3H062AA04
3H062AA12
3H062BB33
3H062CC04
3H062CC15
3H062CC27
3H062EE06
3H062HH02
3H062HH10
5D005BB00
5D005BE03
5D220AA50
(57)【要約】
【課題】ベント装置を駆動するように構成された駆動回路を提供する。
【解決手段】
ベント装置を駆動するように構成された駆動回路は、第1のノード、第2のノード及び増幅回路を含む。ベントを開く又はベントを密閉するよう制御されるように構成されたベント装置は、第1フラップ及び第2フラップを含むフィルム構造と、第1フラップ上に配置された第1作動部及び第2フラップ上に配置された第2作動部を含むアクチュエータとを含む。ベント装置がベントを開くように制御されるとき、駆動回路は第1のノードにおいて第1の電圧を生成し、第2のノードにおいて第2の電圧を生成する。ベント装置がベントを密閉するように制御されるとき、駆動回路は第1のノードと第2のノードの両方において第3の電圧を生成する。第1の電圧は第3の電圧より大きく、第3の電圧は第2の電圧より大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベント装置を駆動するように構成された駆動回路であって、前記駆動回路は:
第1のノード及び第2のノードと;
前記第1のノードに結合された増幅出力端子を有する増幅回路と;を有し、
前記ベント装置はフィルム構造及びアクチュエータを有し;
前記フィルム構造は第1のフラップ及び第2のフラップを有し;
前記アクチュエータは、前記第1のフラップ上に配置された第1の作動部及び前記第2のフラップ上に配置された第2の作動部を有し;
前記第1のノードは、前記第1の作動部に結合され、前記第2のノードは、前記第2の作動部に結合され;
前記ベント装置は、ベントを開く又は前記ベントを密閉するよう制御されるように構成され;
前記ベント装置が前記ベントを開くように制御されるとき、前記駆動回路は、前記第1のノードにおいて第1の電圧を生成し、前記第2のノードにおいて第2の電圧を生成し;
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記駆動回路は、前記第1のノード及び前記第2のノードの両方において第3の電圧を生成し;
前記第1の電圧は前記第3の電圧より大きく、前記第3の電圧は前記第2の電圧より大きい;
駆動回路。
【請求項2】
前記増幅回路は、エラー増幅器を有し;
前記増幅回路は、増幅ゲインを有する;
請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記ベント装置が前記ベントを開くように制御されるとき、前記エラー増幅器は、第1の入力電圧を受け、前記第1の電圧は、前記第1の入力電圧と前記増幅ゲインの積である、
請求項2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたスイッチを有し;
前記ベント装置が前記ベントを開くように制御されるとき、前記スイッチは遮断される、
請求項3に記載の駆動回路。
【請求項5】
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記エラー増幅器は、第2の入力電圧を受け、前記第3の電圧は、前記第2の入力電圧と前記増幅ゲインの積である、
請求項2に記載の駆動回路。
【請求項6】
前記第1のノードと前記第2のノードとの間に結合されたスイッチを有し;
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記スイッチは導通される、
請求項5に記載の駆動回路。
【請求項7】
前記エラー増幅器と前記第1のノードとの間に結合された低ドロップアウトレギュレータを有する、
請求項2に記載の駆動回路。
【請求項8】
前記エラー増幅器と前記第1のノードとの間に結合されたチャージポンプを有する、
請求項2に記載の駆動回路。
【請求項9】
スワッピングモジュールをさらに有し;
前記スワッピングモジュールは、前記第1の作動部と前記第2の作動部との間に結合され;
前記スワッピングモジュールは、前記第1の電圧を前記第1の作動部から前記第2の作動部にスワップし、前記第2の電圧を前記第2の作動部から前記第1の作動部にスワップするように構成される、
請求項1に記載の駆動回路。
【請求項10】
前記スワッピングモジュールは、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ及び第4のスイッチを有し;
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記第1の作動部に結合され;
前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチは、前記第2の作動部に結合される、
請求項9に記載の駆動回路。
【請求項11】
前記スワッピングモジュールは、インダクタ及びスイッチングモジュールを含み;
前記インダクタ及び前記スイッチングモジュールは、前記第1の作動部と前記第2の作動部との間に結合される、
請求項10に記載の駆動回路。
【請求項12】
前記第1の電圧が前記第1の作動部に印加され、前記第2の電圧が前記第2の作動部に印加される間の第1の期間内に、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチは導通され、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチは遮断され、前記スイッチングモジュールは遮断され;
前記第2の電圧が前記第1の作動部に印加され、前記第1の電圧が前記第2の作動部に印加される間の第2の期間内に、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチは導通され、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチは遮断され、前記スイッチングモジュールは遮断され;
前記第1の期間と前記第2の期間との間の第3の期間内に、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチは遮断され、前記スイッチングモジュールは導通される、
請求項11に記載の駆動回路。
【請求項13】
前記スイッチングモジュールは、第5のスイッチ及び第6のスイッチを有し;
前記第5のスイッチは、前記インダクタと前記第1の作動部との間に結合され;
前記第6のスイッチは、前記インダクタと前記第2の作動部との間に結合される、
請求項11に記載の駆動回路。
【請求項14】
前記第1のスイッチは、前記第1の作動部と前記第1のノードとの間に結合され;
前記第2のスイッチは、前記第1の作動部と前記第2のノードとの間に結合され;
前記第3のスイッチは、前記第2の作動部と前記第1のノードとの間に結合され;
前記第4のスイッチは、前記第2の作動部と前記第2のノードとの間に結合される、
請求項10に記載の駆動回路。
【請求項15】
前記第1の電圧が前記第1の作動部に印加され、前記第2の電圧が前記第2の作動部に印加される間の第1の期間内に、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチは導通され、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチは遮断され;
前記第2の電圧が前記第1の作動部に印加され、前記第1の電圧が前記第2の作動部に印加される間の第2の期間内に、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチは導通され、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチは遮断される、
請求項14に記載の駆動回路。
【請求項16】
前記駆動回路は、前記第1のノードにおいて第1の信号を生成し、前記第2のノードにおいて第2の信号を生成し;
前記第1の信号は、第1のAC(交流)成分を含み;
前記第2の信号は、第2のAC成分を含む、
請求項1に記載の駆動回路。
【請求項17】
フィルム構造及びアクチュエータを有するベント装置であって、前記フィルム構造は第1のフラップ及び第2のフラップを有し、前記アクチュエータは前記第1のフラップ上に配置された第1の作動部及び前記第2のフラップ上に配置された第2の作動部を有する、ベント装置と;
第1のノード及び第2のノードを有する駆動回路と;を有し、
前記第1の作動部及び前記第2の作動部は、前記第1のノード及び前記第2のノードに結合され;
前記ベント装置は、ベントを開く又は前記ベントを密閉するよう制御されるように構成され;
前記ベント装置が前記ベントを開くように制御されるとき、前記駆動回路は、前記第1のノードにおいて第1の電圧を生成し、前記第2のノードにおいて第2の電圧を生成し;
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記駆動回路は、前記第1のノード及び前記第2のノードの両方において第3の電圧を生成し;
前記第1の電圧は前記第3の電圧より大きく、前記第3の電圧は前記第2の電圧より大きい、
ウェアラブルサウンドデバイス。
【請求項18】
前記駆動回路は増幅回路を含み、前記増幅回路は、エラー増幅器を有し、増幅ゲインを有する、
請求項17に記載のウェアラブルサウンドデバイス。
【請求項19】
前記駆動回路は、前記エラー増幅器と前記第1のノードとの間に結合された低ドロップアウトレギュレータ(LDO)及びチャージポンプを有する、
請求項17に記載のウェアラブルサウンドデバイス。
【請求項20】
前記駆動回路は、
スワッピングモジュールを有し;
前記スワッピングモジュールは、前記第1の作動部と前記第2の作動部との間に結合され;
前記スワッピングモジュールは、前記第1の電圧を前記第1の作動部から前記第2の作動部にスワップし、前記第2の電圧を前記第2の作動部から前記第1の作動部にスワップするように構成される、
請求項17に記載のウェアラブルサウンドデバイス。
【請求項21】
前記ベント装置が前記ベントを開くように制御されるとき、第1の期間の間、前記第1のフラップは第1の方向に向かって動くように作動され、前記第2のフラップは前記第1の方向とは反対の第2の方向に向かって動くように作動され、第2の期間の間、前記第1のフラップは前記第2の方向に向かって動くように作動され、前記第2のフラップは前記第1の方向に向かって動くように作動される、
請求項17に記載のウェアラブルサウンドデバイス。
【請求項22】
前記第1の期間の間、前記第1の作動部は第1の電圧を受け、前記第2の作動部は第2の電圧を受け;
前記第2の期間の間、前記第1の作動部は前記第2の電圧を受け、前記第2の作動部は前記第1の電圧を受ける、
請求項21に記載のウェアラブルサウンドデバイス。
【請求項23】
ベント装置であって:
第1のフラップ及び第2のフラップと;
前記第1及び前記第2のフラップの自由端の間に配置された部分と;を有し、
前記ベント装置は、ベントを開く又は前記ベントを密閉するよう制御されるように構成され;
前記ベント装置が前記ベントを開くように制御されるとき、前記第1及び前記第2のフラップは下方に曲がり;
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記第1及び前記第2のフラップは平坦な位置を維持するように作動される、
ベント装置。
【請求項24】
前記第1のフラップ上に配置された第1の作動部;及び
前記第2のフラップ上に配置された第2の作動部;をさらに有し、
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記第1及び前記第2の作動部は電圧を受ける、
請求項23に記載のベント装置。
【請求項25】
前記第1のフラップ上に配置された第1の作動部;及び
前記第2のフラップ上に配置された第2の作動部;を有し、
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記第1の作動部は電圧に第1のAC(交流)成分を加えたものを受け、前記第2の作動部は前記電圧に第2のAC成分を加えたものを受ける、
請求項23に記載のベント装置。
【請求項26】
ベント装置であって:
第1のフラップ及び第2のフラップ;を有し、
前記ベント装置がベントを開くように制御されるとき、第1の期間の間、前記第1のフラップは第1の方向に向かって動くように作動され、前記第2のフラップは前記第1の方向とは反対の第2の方向に向かって動くように作動され、第2の期間の間、前記第1のフラップは前記第2の方向に向かって動くように作動され、前記第2のフラップは前記第1の方向に向かって動くように作動される、
ベント装置。
【請求項27】
前記第1のフラップ上に配置された第1の作動部;及び
前記第2のフラップ上に配置された第2の作動部;を有し、
前記第1の期間の間、前記第1の作動部は第1の電圧を受け、前記第2の作動部は第2の電圧を受け;
前記第2の期間の間、前記第1の作動部は前記第2の電圧を受け、前記第2の作動部は前記第1の電圧を受ける、
請求項26に記載のベント装置。
【請求項28】
前記ベント装置が前記ベントを密閉するように制御されるとき、前記第1及び前記第2の作動部は、第3の電圧を受け;
前記第1の電圧は前記第3の電圧より大きく、前記第3の電圧は前記第2の電圧より大きい、
請求項26に記載のベント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路及びそのウェアラブルサウンドデバイス、より具体的には、閉塞(occlusion)効果を低減し、ベント装置の寿命を向上させる駆動回路及びそのウェアラブルサウンドデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞効果は、聴取者による大きな知覚音圧を引き起こす外耳道の密閉容積に起因する。例えば、閉塞効果は、自分の外耳道にウェアラブルサウンドデバイスを装着した聴取者が、骨伝導音を発生させる特定の動き(複数可)(例えば、ジョギング)に従事するときに生じる。リスニング体験を向上させるために、閉塞効果に関してはさらなる改善の余地がある。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本出願の第1の目的は、従来技術の欠点を改善するためにウェアラブルサウンドデバイスを提供することである。
【0004】
本出願の実施形態は、ベント装置を駆動するように構成された駆動回路を開示し、駆動回路は、第1のノード及び第2のノードと;第1のノードに結合された増幅出力端子を有する、増幅回路とを有し;ベント装置は、フィルム構造及びアクチュエータを有し;フィルム構造は、第1のフラップ及び第2のフラップを有し;アクチュエータは、第1のフラップ上に配置された第1の作動部及び第2のフラップ上に配置された第2の作動部を有し;第1のノードは、第1の作動部に結合され、第2のノードは、第2の作動部に結合され;ベント装置は、ベントを開く又はベントを密閉するよう制御されるように構成され;ベント装置がベントを開くように制御されるとき、駆動回路は、第1のノードにおいて第1の電圧を生成し、第2のノードにおいて第2の電圧を生成し;ベント装置がベントを密閉するように制御されるとき、駆動回路は、第1のノードと第2のノードの両方において第3の電圧を生成し;第1の電圧は第3の電圧より大きく、第3の電圧は第2の電圧より大きい。
【0005】
本出願の実施形態は、ウェアラブルサウンドデバイスを開示し、それは、フィルム構造及びアクチュエータを有するベント装置であって、フィルム構造は第1のフラップ及び第2のフラップを有し、アクチュエータは第1のフラップ上に配置された第1の作動部及び第2のフラップ上に配置された第2の作動部を有する、ベント装置と;第1のノード及び第2のノードを有する駆動回路と;を有し、第1の作動部及び第2の作動部は、第1のノードと第2のノードに結合され;ベント装置は、ベントを開く又はベントを密閉するよう制御されるように構成され;ベント装置がベントを開くように制御されるとき、駆動回路は、第1のノードにおいて第1の電圧を生成し、第2のノードにおいて第2の電圧を生成し;ベント装置がベントを密閉するように制御されるとき、駆動回路は、第1のノード及び第2のノードの両方において第3の電圧を生成し;第1の電圧は第3の電圧より大きく、第3の電圧は第2の電圧より大きい。
【0006】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本出願の実施形態によるウェアラブルサウンドデバイスの概略図である。
【0008】
図2】本出願の実施形態による駆動回路の概略図である。
【0009】
図3】本出願の実施形態による駆動回路の概略図である。
【0010】
図4】本出願の実施形態によるスワッピング(swapping)モジュールの概略図である。
【0011】
図5】本出願の実施形態によるスワッピングモジュールの概略図である。
【0012】
図6】本出願の実施形態によるスワッピングモジュールの概略図である。
【0013】
図7図6に示すスワッピングモジュールの電圧、電流、制御信号のタイミング図である。
【0014】
図8】本出願の実施形態によるLDOの概略図である。
【0015】
図9】本出願の実施形態によるチャージポンプの概略図である。
【0016】
図10】本出願の実施形態によるウェアラブルサウンドデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本出願の実施形態によるウェアラブルサウンドデバイス10の概略図である。ウェアラブルサウンドデバイス10(例えば、インイヤーデバイス)は、ベント装置10VntDと駆動回路10dvrCとを含み得る。
【0018】
ベント113vntを開く又はベント113vntを密閉するよう制御されるように構成されたベント装置10VntDは、膜構造111とアクチュエータ112とを含むことができる。スリットが、膜構造111を互いに対向する2つのフラップ111Fa及び111Fbに分割し得る。フラップ111Fa/111Fbは、フラップ111Fa/111Fbがアクチュエータ112によって作動されて上方又は下方に揺動するように、固定端及び自由端を含み得る。アクチュエータは、フラップ111Fa及び111Fbにそれぞれ配置される作動部112Ca及び112Cbを含み得る。
【0019】
ベント装置10VntDを駆動するように構成された駆動回路10dvrCは、ノードN1及びN2を含み得る。ノードN1は、作動部112Ca(例えば、その接点又は電極)に結合され、作動部112Caの2つの電極間の電圧を確保する;ノードN2は、作動部112Cb(例えば、その接点又は電極)に結合され、作動部112Cbの2つの電極間の電圧を確保する。
【0020】
図1(a)によれば、ベント装置10VntDがベント113vntを開くように制御されるとき、駆動回路10dvrCは、ノードN1に電圧Vo1(第1の電圧Vupに等しい)を生成し、ノードN2に電圧Vo2(第2の電圧Vdownに等しい)を生成する。
【0021】
本出願では、Vo1は作動部112Caに印加される電圧を示すために使用され、Vo2は作動部112Cbに印加される電圧を示すために使用される。第1の電圧Vupは、対応するフラップを上方又は正のZ方向に移動させる電圧を表す。第2の電圧Vdownは、対応するフラップを下方又は負のZ方向に移動させる電圧を表す。
【0022】
図1(a)に示す実施形態では、駆動回路10dvrCは第1の電圧Vupを電圧Vo1として生成し、駆動回路10dvrCは第2の電圧Vdownを電圧Vo2として生成する。
【0023】
図1(b)に示すように、ベント装置がベント113vntを密閉するように制御されるとき、駆動回路10dvrCはノードN1に電圧Vo1(第3の電圧に等しい)を生成し、ノードN2に電圧Vo2((第3の電圧に等しい))を生成する。
【0024】
一実施形態では、Vsealと注釈を付けられることもある、第3の電圧は、ベント装置10VntDが配置された基板114又はベースに平行な平坦な位置に留まるように、対応するフラップ(複数可)を駆動する電圧を表す。駆動回路10dvrCが電圧Vo1及びVo2の両方になる第3の電圧Vsealを生成するとき、フラップ111Fa及び111Fbの両方が平坦な位置に留まる。この場合、フラップ111Fa及び111Fbを通過する空気漏れは無視でき、ベント装置10VntDは密閉又は閉鎖されているとみなされる。
【0025】
一実施形態では、第1の電圧Vup、第2の電圧Vdown及び第3の電圧Vsealは、それぞれ30V、0V及び15V、すなわち、Vup>Vseal>Vdownであり得る。
【0026】
一実施形態では、作動部112Caに印加される電圧Vo1は、第1の電圧と第3の電圧との間で切換え可能であり、作動部112Cbに印加される電圧Vo2は、第2の電圧と第3の電圧との間で切換え可能であるため、ベント装置10VntDは、開状態(たとえば、エアフローチャネルが作成される)と閉状態(例えば、漏れが最も少ない)との間で切換え可能である。
【0027】
図2は、本出願の一実施形態による駆動回路20dvrCの概略図である。駆動回路10dvrCは、駆動回路20dvrCによって実装されてもよい。駆動回路20dvrCは、増幅回路2ampC、低ドロップアウトレギュレータ(LDO)2LDO、チャージポンプ2PMP、スイッチSW1及びSW2を含み得る。ノードN1に結合された増幅出力端子Noutを有する増幅回路2ampCは、エラー増幅器2erAMPと、増幅回路2ampCの増幅ゲインを決定する(負の)フィードバックループに配置された、抵抗R1及びR2を含み得る。
【0028】
ベント装置10VntDがベント113vntを開くように制御されるとき、ノードN1とN2との間に結合されたスイッチSW1が遮断される。エラー増幅器2erAMPは入力電圧Vin(第1入力電圧に等しい)を受け、第1入力電圧は第1入力電圧と増幅ゲインの積に等しい。例えば、抵抗R2に対する抵抗R1の比を24とすると、第1の電圧と第1入力電圧はそれぞれ30V、1.2Vである。また、ノードN2に印加される第2の電圧が0Vとなるように、ノードN2と(電気的)グランドとの間に結合されたスイッチSW2が導通される。
【0029】
ベント装置10VntDがベント113vntを密閉するように制御されるとき、スイッチSW1は、導通されてノードN1をノードN2に接続し、スイッチSW2が遮断される。エラー増幅器2erAMPは、入力電圧Vin(第2の入力電圧に等しい)を受け、ノードN1及びN2の両方に印加される第3の電圧は、第2の入力電圧と増幅ゲインの積に等しい。例えば、抵抗R2に対する抵抗R1の比を24とすると、第3の電圧と第2の入力電圧はそれぞれ15Vと0.6Vである。
【0030】
なお、抵抗R1、R2を有し、増幅ゲインを有する駆動回路20dvrCは例示であり、これに限定されるものではない。駆動回路は、増幅ゲインを有する他の種類の受動コンポーネント(例えば、キャパシタ)を有してもよく、これも本出願の範囲内である。
【0031】
言い換えれば、駆動回路20dvrCは、ダイナミックベントを容易にする。図1に示すように、ウェアラブルサウンドデバイス10内の空間は、容積130chmF及び130chmBに分割され得る。容積130chmFは、概して、外耳道に接続される又は接続されことになるウェアラブルサウンドデバイス10内の容積を表し、容積130chmBは、ウェアラブルサウンドデバイス10の周囲環境に接続される又は接続されことになるウェアラブルサウンドデバイス10内の容積を表し得る。ベント113vntが閉じている/密閉されるとき、容積130chmF及び130chmBはほとんど接続されておらず、これにより、低周波数における音圧レベル(SPL)の著しい低下を回避し、リスニング体験を改善し得る。ベント113vntがベント装置10VntD内に形成されているとき、容積130chmF及び130chmBはベント113vntを介して接続されて、音/空気が一方の側から他方の側にベントすることを可能にし、それによって閉塞効果によって生じる圧力を解放する。
【0032】
図2に示す実施形態では、LDO 2LDOは、入力電圧と出力電圧Vin,CPとの間の小さい差で出力電圧Vin,CPを調整することができるが、これに限定されるものではない。チャージポンプ2PMPは、電圧を上昇させるように構成されているが、これに限定されるものではない。
【0033】
なお、フラップ111Faが長時間特定の変形を維持し続けると(作動部112Caに一定/固定電圧が印加されるため)、信頼性に問題が生じることがある。ベント装置10VntDの動作中に、フラップが上方(図1(a)の111Faのように)と下方(図1(a)の111Fbのように)との間で屈曲及び変化する場合、ベント装置10VntDの寿命が延びる可能性がある。
【0034】
例えば、図3は、本出願の一実施形態による駆動回路30dvrCの概略図である。駆動回路10dvrCは、駆動回路30dvrCによって実装され得る。駆動回路20dvrCとは異なり、駆動回路30dvrCは、より長い寿命のために、ノードN1、N2、作動部112Ca及び112Cbの間に結合されるスワッピングモジュール3spMをさらに含み得る。
【0035】
ベント装置10VntDがベント113vntを開くように制御されるとき、スワッピングモジュール3spMは、作動部112Caと作動部112Cbとの間で第1の電圧Vupをスワップし、作動部112Cbと作動部112Caとの間で第2の電圧Vdownをスワップするように構成される(例えば、周期的又はランダムに)。これにより、フラップ111Faの自由端とフラップ111Fbの自由端とがベント113vntを形成するのに十分な距離となり、一方、作動部112Ca/112Cbに印加される電圧Vo1/Vo2が第1の電圧と第2の電圧とで間で交互にされて作動部112Ca/112Cbの変形を変化させ、それによって寿命を増大させる。
【0036】
ベント装置10VntDがベント113vntを密閉するように制御されるとき、スワッピングモジュール3spMは、作動部112Ca/112Cbに第3の電圧を印加するように構成される。例えば、ノードN1は、作動部112Caに結合/接続され(電圧Vo1を使用して図示)、ノードN2は、作動部112Cbに結合/接続され(電圧Vo2を使用して図示)得る。
【0037】
言い換えれば、第1のフェーズ(phase)/期間において、スワッピングモジュール3spMは、VN1で表されるノードN1の電圧をVo1として作動部112Caに供給し、VN2で表されるノードN2の電圧をVo2として作動部112Cbに供給し得る。第2のフェーズ/期間において、スワッピングモジュール3spMは、電圧VN1をVo2として作動部112Cbに供給し、電圧VN2をVo1として作動部112Caに供給し得る。
【0038】
図4は、本出願の実施形態によるスワッピングモジュール4SpMa及び4SpMbの概略図である。スワッピングモジュール3spMは、スワッピングモジュール4SpMa又は4SpMbによって実装され得る。
【0039】
図4(a)は、スワッピングモジュール4SpMaを示し、スイッチ4S12(第1の電圧又は第2の電圧に作動部112Caを選択的に結合するように構成される)及びスイッチ4S34(第2の電圧又は第1の電圧に作動部112Cbを選択的に結合するように構成される)を含み得る。言い換えれば、スイッチ4S12及び4S34(例えば、双極双投スイッチ(double pole double throw switches))は、作動部112Ca及び112CbがそれぞれノードN1及びN2に同時に切り替えられるように、又は作動部112Ca及び112CbがそれぞれノードN2及びN1に同時に切り替えられるように、制御信号によって制御され得る。
【0040】
図4(b)は、スワッピングモジュール4SpMbを示し、スイッチ4S1(作動部112CaとノードN1との間に結合される)、スイッチ4S2(作動部112CaとノードN2との間に結合される)、スイッチ4S3(作動部112CbとノードN1との間に結合される)、及びスイッチ4S4(作動部112CbとノードN2との間に結合される)を含み得る。第1の電圧が作動部112Caに印加され、第2の電圧が作動部112Cbに印加されてベント113vntが開く間の期間内で、スイッチ4S1,4S4は導通され、スイッチ4S2,4S3は遮断される。第2の電圧が作動部112Caに印加され、第1の電圧が作動部112Cbに印加されてベント113vntを開く間の期間内で、スイッチ4S2,4S3は導通され、スイッチ4S1,4S4は遮断される。
【0041】
駆動回路は、エネルギーリサイクルを介して電力を節約するために、作動部の特性(例えば、容量特性)を利用し得る。図5は、本出願の一実施形態によるスワッピングモジュール5spMの概略図である。スワッピングモジュール3spMは、スイッチS1-S4、インダクタ5IL、及びスイッチングモジュール5SWを含むスワッピングモジュール5spMによって実装され得る。
【0042】
スイッチS1及びS2は、作動部112Ca(例えば、その電極)に結合されたノードN1’が、ノードN1における第1の電圧Vup又はノードN2における第2の電圧Vdownを作動部112Caに供給するように、それぞれ制御信号5CTR1及び5CTR2によって制御され得る。スイッチS3及びS4は、作動部112Cb(例えば、その電極)に結合されたノードN2’が、第2の電圧Vdown又は第1の電圧Vupを作動部112Cbに供給するように、それぞれ制御信号5CTR2及び5CTR1によって制御され得る。
【0043】
制御信号5CTR3によって制御されるスイッチングモジュール5SWは、ノードN2’からノードN1’への電流だけでなく、ノードN1’からノードN2’への電流も引き込むことができる。スワッピングモジュール5spMのスワッピング動作により、作動部112Ca又は112Cbに蓄積されたエネルギーは、大部分がリサイクル(及び作動部112Cb又は112Caにより再利用)され、消費電力を低減する。
【0044】
図6は、本出願の一実施形態によるスワッピングモジュール6spMの概略図である。スワッピングモジュール3spMは、スイッチSWH1、SWL1、SWH2、SWL2、インダクタ6IL、及びスイッチングモジュール6SWを含み得るスワッピングモジュール6spMによって実装され得る。スイッチSWH1、SWL1、SWH2、及びSWL2は、それぞれバッファ6bH1、6bL1、6bH2、6bL2、トランジスタ6tH1、6tL1、6tH2、及び6tL2を含み得る。スイッチングモジュール6SWは、バッファ6bRC1、6bRC2、トランジスタ6tRC1、及び6tRC2を含み得るスイッチSWrc1及びSWrc2を含み得る。
【0045】
図7は、図6に示すスワッピングモジュール6spM(又は図5に示すスワッピングモジュール5spM)の電圧Vo1、Vo2、電流6I、制御信号6rc1、6rc2、6CTR1(又は5CTR1)、6CTR2(又は5CTR2)、及び5CTR3のタイミング図である。説明のために、スイッチ(例えば、SWH1)は、対応する制御信号(例えば、6CTR1)がハイ状態(例えば、論理「1」)のときに導通され、対応する制御信号がロー状態(例えば、論理「0」)のときに非導通又は遮断される。
【0046】
第1の電圧Vupが作動部112Caに印加され、第2の電圧Vdownが作動部112Cbに印加されてベント113vntが開く間の期間TT1内に、スイッチSWH1及びSWL2が導通され(ノードN1’の電圧VN1’を第1の電圧Vupに増加させ、ノードN2’の電圧VN2’を第2の電圧Vdownに減少させ)、スイッチSWL1及びSWH2が遮断される。期間TT1において、駆動回路はVo1としてVN1’/Vupを供給し、Vo2としてVN2’/Vdownを供給する。その結果、図7に示すように、上方に揺動したフラップ111Faの自由端は、フラップ111Fa及び111Fbの固定端よりも高く、下方に揺動したフラップ111Fbの自由端はフラップ111Fa及び111Fbの固定端よりも低くなる。また、スイッチSWrc2が遮断されるため、期間TT1内でスイッチングモジュール6SWが遮断される。
【0047】
期間TT1(第1の期間として機能する)と期間TT2(第2の期間として機能する)との間の期間CND1(第3の期間として機能する)内では、スイッチSWH1、SWL1、SWH2、及びSWL2が遮断され、スイッチSWrc1及びSWrc2が導通される。インダクタ6ILを通って流れる電流6Iは、作動部112Caに印加される電圧Vo1と作動部112Cbに印加される電圧Vo2が等しくなるまで減少し続ける(すなわち、図6の指定された正方向とは逆方向に)。そして、電流6Iは0に達するまで増加し始める。この電流6Iにより、キャパシタ6PZTc1(電圧Vbtmを有する下部電極と作動部112Caの上部電極との間に形成される)に蓄えられた電荷がキャパシタ6PZTc2(電圧Vbtmを有する下部電極と作動部112Cbの上部電極との間に形成される)に伝達され、電圧Vo1とVo2が有効にスワップされる結果をもたらす。(一実施形態では、電圧Vbtmを接地してもよい。)第1の電圧Vupから第2の電圧Vdownに向かって電圧Vo1が低下し、第2の電圧Vdownから第1の電圧Vupに向かって電圧Vo2が上昇すると、フラップ111Faが下方に揺動し、フラップ111Fbが上方に揺動し得る。
【0048】
第2の電圧Vdownが作動部112Caに印加され、第1の電圧Vupが作動部112Cbに印加されてベント113vntが開く間の期間TT2内に、スイッチSWL1及びSWH2が導通され(第2の電圧Vdownに電圧VN1’を低下させ、第1の電圧Vupに電圧VN2’を上昇させる)、スイッチSWH1、SWL2が遮断される。期間TT2において、駆動回路はVo2としてVN1’/Vupを供給し、Vo1としてVN2’/Vdownを供給する。その結果、図7に示すように、下方に揺動したフラップ111Faの自由端はフラップ111Fa及び111Fbの固定端よりも低く、上方に揺動したフラップ111Fbの自由端はフラップ111Fa及び111Fbの固定端よりも高くなる。また、スイッチSWrc1が遮断されるため、期間TT2内でスイッチングモジュール6SWが遮断される。
【0049】
期間TT2と期間TT1の間の期間CND2(第3の期間として機能する)内では、スイッチSWH1、SWL1、SWH2、及びSWL2が遮断され、スイッチSWrc1及びSWrc2が導通される。インダクタ6ILを通って流れる電流6Iは、電圧Vo1が電圧Vo2と等しくなるまで増加し続ける。その後、電流6Iは0に達するまで減少し始める。電流6Iにより、作動部112Cbのキャパシタ6PZTc2に蓄積された電荷が作動部112Caのキャパシタ6PZTc1に伝達され、電圧Vo1,Vo2が有効にスワップされる結果をもたらす。電圧Vo1が第2の電圧Vdownから第1の電圧Vupに向かって上昇し、電圧Vo2が第1の電圧Vupから第2の電圧Vdownに向かって低下すると、フラップ111Faが上方に揺動し、フラップ111Fbが下方に揺動し得る。
【0050】
具体的には、期間CND2の初期において、電圧Vo1とVo2との間の電圧差により、インダクタ6ILは、電流6Iを作動部112Cb(例えば、その上部電極)から作動部112Ca(例えば、その上部電極)に導通し、電流6Iの電流変動に抵抗する役割も果たす。また、キャパシタ6PZTc1、6PZTc2、インダクタ6IL、作動部112Caの抵抗6r1、及び作動部112Cbの抵抗6r2は、RLC回路として見ることができる。一実施形態では、RLC回路は、スイッチSWrc1及びSWrc2が閉じた後に、電流6Iがほぼ正弦波の最初のこぶに似た形をとる上向きのサージを取るように、過少減衰し得るRLC発振器を形成し得る。その結果、期間CND2の間/後にキャパシタ6PZTc2からキャパシタ6PZTc1に転送/除去される電子/電荷の量に相当する、作動部112Cbから作動部112Caへの電流6Iが引き出される。
【0051】
同じ理論的根拠により、期間CND1の間/後に、スイッチングモジュール6SWとインダクタ6ILを介してキャパシタ6PZTc2に(多かれ少なかれ)電子/電荷の量が転送/除去される。これにより、作動部112Ca又は112Cb(例えば、キャパシタ6PZTc1又は6PZTc2)に蓄積されたエネルギーは、スワッピングモジュール6spMのスワッピング活動による消費電力が大幅に削減されるように、期間CND1又は期間CND2の間/後に、大部分がリサイクル/再利用される。
【0052】
図7に示すように、期間CND1/CND2の開始時間は期間TT1/TT2の終了時間からしばらく後であり、期間CND1/CND2の終了時間は期間TT2/TT1の開始時間からしばらく後である。あるいは、期間CND1/CND2の開始時間は期間TT1/TT2の終了時間と一致し、期間CND1/CND2の終了時間は期間TT2/TT1の開始時間と一致する。
【0053】
一実施形態では、スイッチングモジュール6SWのスワッピング周波数は、消費電力を低減する又はスワッピング音響ノイズを最小化するために、低い値(例えば、10ヘルツ未満)に設定され得るが、これに限定されるものではない。フラップ111Fa及び111Fbの差動/反対称移動は、正味0体積変位(net zero volume displacement)を容易にし得、スワッピング音響ノイズも最小化し得る。
【0054】
スワッピングモジュール5spM及び6spMのエネルギーリサイクル原理の詳細は、米国特許出願第17/133,655号を参照することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
図8は、本出願の実施形態によるLDO 8LDO1及び8LDO2の概略図である。LDO 2LDOは、LDO 8LDO1又は8LDO2によって実装され得る。
【0056】
図8(a)は、抵抗8R1a、8R2a、増幅器8AMP1、及びトランジスタ8T1を含み得るLDO 8LDO1を示す。増幅器8AMP1の一方の入力端子は、抵抗8R2aに対する抵抗8R1aの比によって決定される出力電圧Vin,CPの一部(fraction)割合を監視する。出力電圧Vin,CPが増幅器8AMP1の他方の入力端子(又は増幅出力端子Nout)の電圧8Vinと異なる場合、トランジスタ8T1への駆動は、出力電圧Vin,CPを一定に保つように変化する。
【0057】
図8(b)は、抵抗8R1b、8R2b、増幅器8AMP2、及びトランジスタ8T2を含み得るLDO 8LDO2を示す。増幅器8AMP2の一方の入力端子は、抵抗8R2bに対する抵抗8R1bの比によって決定される出力電圧Vin,CPの一部を監視する。出力電圧Vin,CPが、増幅器8AMP1の他方の入力端子における安定な基準電圧Vdc2と異なる場合、トランジスタ8T2への駆動は、出力電圧Vin,CPを一定に保つように変化する。
【0058】
図9は、本出願の実施形態によるチャージポンプ9PMP1及び9PMP2の概略図である。チャージポンプ2PMPは、チャージポンプ9PMP1、9PMP2、又はディクソンチャージポンプによって実装され得る。
【0059】
図9では、(a)は、チャージポンプ9PMP1を示し、これは、電圧を上昇させるための電荷蓄積のためのキャパシタ9C1a-9C5aと、キャパシタ9C1a-9C5a間で電荷を転送するためのダイオード9D1-9D5とを含み、互いに反対の信号9S1a及び9S2aの供給を必要とする。
【0060】
図9(b)は、チャージポンプ9PMP2を示し、これは、電圧を上昇させるための電荷蓄積のためのキャパシタ9C1b-9C4bと、キャパシタ9C1b-9C4b間で電荷を転送するためのトランジスタ9T1-9T4とを含み、互いに反対の信号9S1b及び9S2bの供給を必要とする。
【0061】
さらに、寿命を長くするために、一実施形態では、作動部112Ca又は112Cb(例えば、作動部112Caの電極又は接点)への入力は、交流(AC)波形及び直流(DC)波形の重畳/組み合わせであり得る。
【0062】
例えば、図1(a)に戻って参照すると、ベント装置10VntDがベント113vntを開くように制御されるとき、駆動回路10dvrCは、ノードN1で第1の信号(第1の電圧及び第1のAC成分を含み得る)を生成し、ノードN2で第2の信号(第2の電圧及び第2のAC成分を含み得る)を生成して、作動部112Ca又は112Cbへの入力を時間とともに(例えば、(a)周期的又はランダムに)変化させ得る。一実施形態では、第1及び第2のAC成分は、第1及び第2のAC成分の組み合わせが0であるように、互いに逆であり得、これは、第1及び第2のAC成分によって生じる音響出力を最小化するように、正味0体積変位を生成し得る。第1及び第2のAC成分は、第1及び第2の電圧の平均より小さくてもよい。第1又は第2のAC成分が大きいほど、第1及び第2の電圧の平均は大きくてもよい。
【0063】
さらに、図10は、長耐用寿命又は長寿命を提供する別のスキームを提供する。図10では、ベント装置11vntDは、フラップ111Fa及び111Fbの自由端間の距離を長くするために、フラップ111Fa及び111Fbの自由端間に配置された部分111Pをさらに含む。
【0064】
ベント装置11vntDがベント113vntを開きょうに制御されるとき、電圧Vol及びVo2は、図10(a)に示すように、Vdown(例えば、0V(接地される))又はフローティングにされ得る。したがって、ベント装置11vntDには電気的ストレスが印加されず、寿命が向上する可能性がある。
【0065】
一方、ベント装置11vntDがベント113vntを閉じるように制御されるとき、電圧Vo1は第3の電圧Vsealに第3のAC成分を加えたものであり得、電圧Vo2は第3の電圧Vsealに第4のAC成分を加えたものであり得る。言い換えれば、図10(b)に示すようにベント装置11vntDがベント113vntを閉じるように制御されるとき、駆動回路10dvrCはノードN1で第3の信号(第3の電圧Vsealと第3のAC成分を含み得る)を生成し、ノードN2で第4の信号(第3の電圧Vsealと第4のAC成分を含み得る)を生成し得る。第3及び第4のAC成分は、第3及び第4のAC成分の組み合わせが0となるように、互いに逆であってもよく、これは第3及び第4のAC成分によって生じる音響出力を最小化するために正味0体積変位を生成し得る。あるいは、第3のAC成分の波形は第4のAC成分の波形と同一である。第3及び第4のAC成分は、ベント113vntが実質的に密閉される/閉じられるように、第3の電圧と比較して比較的小さくてもよい。第3又は第4のAC成分が大きいほど、第3の電圧は大きくてもよい。第3又は第4のAC成分の振幅は、第1又は第2のAC成分の振幅とは異なり得る。
【0066】
なお、作動部にVdown(例えば、0V)を適用する代替は、作動部をフローティング(すなわち、作動部に電圧を印加しない)にすることであることに留意されたい。この場合、フラップの自由端は、その固定端の下に垂れ下がり得る。作動部をフローティングにすることは、作動部にVdownを適用するのと同様の効果を達成し、さらに電力を節約する。
【0067】
本出願の文脈において、AC波形は、DCの性質ではない波形を包含し得る。したがって、純粋にDCでない波形は、AC波形とみなされる。用語「電圧」は、DC波形又は時間不変の波形を指すことがある。用語「信号」は、AC波形又は時間と共に変化する波形を指すことがある。
【0068】
一実施形態では、アプリケーションプロセッサが、第1又は第3の電圧がノードN1に印加され、第2又は第3の電圧がノードN2に印加されてベント113vntを開く又は密閉するように、センサ(複数可)からの入力を処理し、駆動回路10dvrCを制御するコマンド(複数可)を発行するように構成され得る。例えば、アプリケーションプロセッサは、スイッチSW1又はSW2をオン/オフするように構成され得る。センサ(複数可)は、外部ノイズを検出するように構成されたフィードフォワードマイクロホン、閉塞効果によるアコースティックサウンドを検出するように構成されたフィードバックマイクロホン、又は身体の動き(例えば、ジョギング)によるアコースティックサウンドを検出するように構成されたモーションセンサであり得る。
【0069】
ベントを生成又はふさぐことができる任意の機構は、本発明のウェアラブルサウンドデバイス10として利用することができる。ウェアラブルサウンドデバイス、ベント装置、又は駆動回路の詳細又は変更は、米国特許出願第16/920,384号、第17/008,580号、第17/133,655号、第17/842,810号、第17/344,980号、第17/344,983号、第17/720,333号、第18/048,852号、第18/172,346号、及び第18/303,599号に開示されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部となる。
【0070】
「第1」及び「第2」のような序数用語の使用は、それ自体は、ある要素の他の要素に対する優先順位、先行、順序、ある方法の行為が実行される時系列、又はすべての要素が同時に存在する必要性を意味するものではなく、これらの用語は、単に、ある名前を持つある要素と同じ名前を持つ別の要素を区別するためのラベルとして使用される。以下の実施形態で説明する技術的特徴は、それらの間に矛盾がない限り、様々な方法で混合又は結合されてもよい。
【0071】
要約すると、ベント装置のベントを開く又はベントを密閉する駆動回路が提供され、閉塞低減効果の低減につながる。第1の電圧を第1の作動部から第2の作動部にスワップし、第2の電圧を第2の作動部から第1の作動部に(同時に)スワップするように構成された駆動回路のスワッピングモジュールが、ベント装置の寿命を長くし得る。ベント装置の特性を利用することにより、駆動回路のスワッピングモジュールは、エネルギーをリサイクルし、消費電力を低減するように高性能に設計され得る。(DC)電圧とAC成分を含む信号をベント装置に出力する駆動回路は、ベント装置の寿命も伸ばし得る。
【0072】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、デバイス及び方法の多くの修正及び変更がなされ得ることを容易に認めるであろう。したがって、上記開示は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】米国特許出願第17/344,983号
【特許文献2】米国特許出願公開第2020/0211521号
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0098390号
【特許文献4】米国特許出願公開第2013/0121509号
【特許文献5】米国特許出願公開第2016/0176704号
【特許文献6】米国特許出願公開第2017/0021391号
【特許文献7】米国特許出願公開第2017/0325030号
【特許文献8】米国特許出願公開第2020/0213770号
【特許文献9】米国特許出願公開第2020/0178000号
【特許文献10】米国特許出願公開第2020/0100033号
【特許文献11】米国特許出願公開第2019/0039880号
【特許文献12】米国特許出願公開第2012/0053393号
【特許文献13】米国特許第8,724,200号
【特許文献14】米国特許出願公開第2019/0349665号
【特許文献15】米国特許出願公開第2017/0164115号
【特許文献16】米国特許出願公開第2017/0217761号
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0007858号
【特許文献18】米国特許出願公開第2017/0201192号
【特許文献19】米国特許出願公開第2017/0260044号
【特許文献20】米国特許出願公開第2013/0223023号
【特許文献21】米国特許出願公開第2015/0163599号
【特許文献22】韓国特許出願公開第10-2015-0030691号
【特許文献23】中国特許出願公開第111063790号
【特許文献24】特開2020-31444号
【特許文献25】特開第2009-512375号
【特許文献26】韓国特許出願公開第10-2010-0002351号
【特許文献27】特開平11-307441号
【特許文献28】米国特許出願公開第2014/0140558号
【特許文献29】米国特許出願公開第2006/0131163号
【特許文献30】米国特許第11,399,228号
【特許文献31】米国特許第11,323,797号
【特許文献32】米国特許出願公開第2018/0120938号
【非特許文献】
【0074】
【非特許文献1】HYONSE KIM ET AL, A slim type microvalve driven by PZT films, Sensors and Actuators A: PHYSICAL, 18 January, 2005, pages 162-171, Vol. 121, Elsevier B. V., XP027806904
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10