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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058600
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】改良型嫌気性装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/28 20230101AFI20240418BHJP
【FI】
C02F3/28 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023160086
(22)【出願日】2023-09-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】202211257593.0
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523364852
【氏名又は名称】南京環美科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Nanjing Beautiful Environment Science & Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, Building B3, SUNWAHlink, No.118 Software Avenue, Yuhuatai District, Nanjing, Jiangsu 210012, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陸東蛟
(72)【発明者】
【氏名】沙俊鵬
(72)【発明者】
【氏名】王毅辰
(72)【発明者】
【氏名】邱海鵬
【テーマコード(参考)】
4D040
【Fターム(参考)】
4D040AA01
4D040AA52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汚泥床押し流しの死角を小さくし、廃水と嫌気性菌の反応を強化する嫌気性廃水処理装置を提供する。
【解決手段】タンク1の底部に給水管11が設けられ、タンク内に三相分離器が設けられ、タンクの最上端に排気管13が設けられ、タンクの側壁に排水管14が接続され、排水管は三相分離器の上方に位置し、タンクの底部に同軸に分布する複数のコイル管が設けられ、各コイル管の直径は外から内へ順次小さくなり、隣接する2つのコイル管は分岐管によって接続され、各コイル管にいずれも周方向に分布するノズルが設けられ、各ノズルは同じ時計の針の方向に傾斜して設けられ、そのうち1つのコイル管は給水管に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク(1)を含み、前記タンク(1)の底部に給水管(11)が設けられ、前記タンク(1)内に三相分離器(12)が設けられ、前記タンク(1)の最上端に排気管(13)が設けられ、前記タンク(1)の側壁に排水管(14)が接続され、前記排水管(14)は三相分離器(12)の上方に位置し、前記タンク(1)の底部に同軸に分布する複数のコイル管(15)が設けられ、各前記コイル管(15)の直径は外から内へ順次小さくなり、隣接する2つの前記コイル管(15)は分岐管(151)によって接続され、各前記コイル管(15)にいずれも周方向に分布するノズル(152)が設けられ、各前記ノズル(152)は同じ時計の針の方向に傾斜して設けられ、そのうち1つの前記コイル管(15)は給水管(11)に接続され、
前記タンク(1)の内壁にスライドレール(2)が設けられ、前記スライドレール(2)にスライドブロック(21)がスライド可能に接続され、前記スライドブロック(21)に2つの支持ロッド(22)がヒンジ接続され、2つの前記支持ロッド(22)のスライドブロック(21)から離れる端にいずれも泥取りボックス(23)が設けられ、前記スライドブロック(21)に2つの泥取りボックス(23)の回転を駆動するための駆動モジュール(3)が設けられ、前記タンク(1)にスライドブロック(21)の移動を駆動するための昇降モジュール(4)が設けられ、
前記駆動モジュール(3)はガイドロッド(31)を含み、前記ガイドロッド(31)は前記タンク(1)の底部に固定され、2つの前記支持ロッド(22)の間に位置し、前記ガイドロッド(31)の上下両端にいずれも傾斜したガイド斜面(32)が設けられ、前記ガイドロッド(31)の各端にいずれも2つのガイド斜面(32)が設けられ且つ前記ガイドロッド(31)の各端面と対応する2つの前記ガイド斜面(32)とは等脚台形を成し、前記支持ロッド(22)の前記ガイドロッド(31)に向かう側にローラ(221)が回転可能に接続され、2つの前記支持ロッド(22)の前記泥取りボックス(23)から離れる端にバネ(33)が接続され、前記ガイドロッド(31)は前記支持ロッド(22)のヒンジ接続点と前記バネ(33)との間に位置し、
前記昇降モジュール(4)はコンベア(41)及び電磁石(42)を含み、前記コンベア(41)はタンク(1)の側壁に取り付けられ、スライドレール(2)に平行であり、前記電磁石(42)はコンベア(41)の搬送ベルトに設けられ、前記スライドブロック(21)の側壁に電磁石(42)に対応する鉄片(43)が設けられ、前記鉄片(43)と前記タンク(1)の内壁との間、及び前記電磁石(42)と前記タンク(1)の外壁との間にいずれも隙間が存在し、前記タンク(1)及び前記駆動モジュール(3)、前記昇降モジュール(4)における各部材はいずれも前記電磁石(42)と磁気を生成しない材質を用い、
前記泥取りボックス(23)の側壁に複数の貫通孔(231)が開設され、
前記泥取りボックス(23)にホース(5)が接続され、前記給水管(11)はタンク(1)の内外両側にいずれも管継手(50)が螺着され、前記ホース(5)の泥取りボックス(23)から離れる端は順次2つの管継手(50)から通ってタンク(1)の外に出、
前記タンク(1)の側壁にタンク(1)の高さ方向に沿って配列した第1の枝管(51)及び第2の枝管(52)が接続され、前記第1の枝管(51)及び第2の枝管(52)は送水管(53)によって接続され、前記送水管(53)に循環ポンプ(54)が取り付けられ、前記ホース(5)は第2の枝管(52)に接続され、
前記泥取りボックス(23)の底部に貫通する第1の透水孔(61)が複数開設され、前記泥取りボックス(23)の底部に各第1の透水孔(61)に連通するシュート(62)が開設され、前記シュート(62)内に封板(63)がスライド可能に接続され、前記封板(63)に第1の透水孔(61)と一対一に対応する第2の透水孔(631)が開設され、前記ガイドロッド(31)に封板(63)の移動を駆動するための連動モジュール(64)が設けられ、前記封板(63)が初期位置にある時、前記封板(63)は各前記第1の透水孔(61)を遮り、
前記連動モジュール(64)はストッパ板(641)を含み、前記ストッパ板(641)は前記ガイドロッド(31)の前記泥取りボックス(23)に向かう側に設けられるとともに前記ガイドロッド(31)の下端に近づいて分布し、前記ストッパ板(641)は傾斜して下向きに設けられ、前記封板(63)の一端は前記泥取りボックス(23)の外に位置し、且つ牽引ロープ(642)が接続され、前記牽引ロープ(642)の前記封板(63)から離れる端は前記ガイドロッド(31)の側壁とつながる、ことを特徴とする改良型嫌気性装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は廃水処理装置の分野に関し、特に改良型嫌気性装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、UASB反応器は廃水処理プロセスによく用いられる装置であり、CN109368916Aに開示されているように、廃水が給水管から反応器に送り込まれた後、廃水が汚泥床内の嫌気性菌と接触し反応してメタンを生成し、メタンが上昇し、続いて三相分離器により固体、液体、気体を三相分離させ、分離した気体、液体がそれぞれ集気室及び集水室に収集され、汚泥粒子が汚泥床に落ちる。
【0003】
この構造を用いれば、給水管の給水は汚泥床の汚泥の一部しか圧力を有する水に衝撃されて転がるようにできず、このように、タンク内の水に衝撃されない他の部分が死水領域を形成することを引き起こしやすく、廃水を汚泥床内の嫌気性菌と十分に反応させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、廃水と汚泥床内の嫌気性菌が十分に反応できないという問題を改善するために、改良型嫌気性装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願にて提供される改良型嫌気性装置は以下の技術的解決手段を採用する。
改良型嫌気性装置はタンクを含み、前記タンクの底部に給水管が設けられ、前記タンク内に三相分離器が設けられ、前記タンクの最上端に排気管が設けられ、前記タンクの側壁に排水管が接続され、前記排水管は三相分離器の上方に位置し、前記タンクの底部に同軸に分布する複数のコイル管が設けられ、各前記コイル管の直径は外から内へ順次小さくなり、隣接する2つの前記コイル管は第1の枝管によって接続され、各前記コイル管にいずれも周方向に分布するノズルが設けられ、各前記ノズルは同じ時計の針の方向に傾斜して設けられ、そのうち1つの前記コイル管は給水管に接続される。
【0006】
上記技術的解決手段を採用することにより、工業廃水は給水管から各コイル管内に搬送され、各ノズルは上向きに水流を噴出し、ノズルが傾斜して設置されるため、各本の水流は周辺の水の回転を駆動し、汚泥床内の汚泥をかき回し上昇させるとともに上層水系中を拡散させ、汚泥と廃水を十分に接触させ、また、各コイル管におけるノズルのカバー範囲が広く、汚泥床押し流しの死角を小さくし、廃水と嫌気性菌の反応効果を増強する。
【0007】
選択可能には、前記タンクの内壁にスライドレールが設けられ、前記スライドレールにスライドブロックがスライド可能に接続され、前記スライドブロックに2つの支持ロッドがヒンジ接続され、2つの前記支持ロッドのスライドブロックから離れる端にいずれも泥取りボックスが設けられ、前記スライドブロックに2つの泥取りボックスの回転を駆動するための駆動モジュールが設けられ、前記タンクにスライドブロックの移動を駆動するための昇降モジュールが設けられる。
【0008】
上記技術的解決手段を採用することにより、駆動モジュールは2つの泥取りボックスを、汚泥を挟み取るように駆動し、昇降モジュールはスライドブロックを、上向きにスライドレールの最上端まで移動するように駆動し、駆動モジュールは2つの泥取りボックスを、互いに離れるように駆動し、汚泥を泥取りボックスから落下させ、汚泥が落下中に水系中を徐々に分散し、汚泥の拡散速度が速くなる。
【0009】
選択可能には、前記駆動モジュールはガイドロッドを含み、前記ガイドロッドの両端にいずれも傾斜したガイド斜面が設けられ、前記ガイドロッドの各端のガイド斜面はいずれも2つ設けられ、且つ2つのガイド斜面は対称に分布し、2つの前記支持ロッドの間にバネが接続され、2つの前記泥取りボックスが互いに当接する時、前記バネが引っ張られる状態にある。
【0010】
上記技術的解決手段を採用することにより、スライドブロックが移動する時、支持ロッドはバネの弾性力の作用でガイド斜面に沿って移動し、ガイド斜面の傾斜分布により、2つの支持ロッドはガイド斜面間の間隔の変化に伴って回転し、それにより泥取りボックスの回転を駆動し、便利で迅速である。
【0011】
選択可能には、前記昇降モジュールはコンベア及び電磁石を含み、前記コンベアはタンクの側壁に取り付けられ、スライドレールに平行であり、前記電磁石はコンベアの搬送ベルトに設けられ、前記スライドブロックの側壁に電磁石に対応する鉄片が設けられる。
【0012】
上記技術的解決手段を採用することにより、コンベアは電磁石を、上下に移動するように駆動し、電磁石に通電して磁気が発生し、鉄片を磁気吸引し、それにより、鉄片はスライドブロックを、スライドレールに沿って上下に移動するように駆動し、タンクの側壁の完全を保証する。
【0013】
選択可能には、前記泥取りボックスの側壁に複数の貫通孔が開設される。
【0014】
上記技術的解決手段を採用することにより、泥取りボックスは、昇降過程において、ボックス内の汚泥が水流の押し流しで各貫通孔から排出され、泥取りボックスの周辺へ拡散し、水系における汚泥の分散効果を増強する。
【0015】
選択可能には、前記泥取りボックスにホースが接続され、前記給水管はタンクの内外両側にいずれも管継手が螺着され、前記ホースの泥取りボックスから離れる端は順次2つの管継手から通ってタンクの外に出る。
【0016】
上記技術的解決手段を採用することにより、工業廃水はホースから送り込まれ、泥取りボックスにおける汚泥を押し流し、汚泥を各貫通孔から速やかに散らし、汚泥の拡散速度を速くするだけでなく、また廃水と汚泥を十分に接触させ、当該部分の廃水の反応、浄化効果を増強することに役立つ。
【0017】
選択可能には、前記タンクの側壁にタンクの高さ方向に沿って配列した第1の枝管及び第2の枝管が接続され、前記第1の枝管及び第2の枝管は送水管によって接続され、前記送水管に循環ポンプが取り付けられ、前記ホースは第2の枝管に接続される。
【0018】
上記技術的解決手段を採用することにより、循環ポンプはタンク内の廃水を第1の枝管から抽出し、さらに第2の枝管から送り込み、タンク内に上向きの水流を形成させ、汚泥床の汚泥を、上向きに浮き上がるように駆動することに役立ち、ホースの水源は第2の枝管から来、ホースに単独で給水する必要がなく、資源の節約に役立つ。
【0019】
選択可能には、前記泥取りボックスの底部に貫通する第1の透水孔が複数開設され、前記泥取りボックスの底部に各第1の透水孔に連通するシュートが開設され、前記シュート内に封板がスライド可能に接続され、前記封板に第1の透水孔と一対一に対応する第2の透水孔が開設され、前記ガイドロッドに封板の移動を駆動するための連動モジュールが設けられ、前記封板が初期位置にある時、前記封板は各前記第1の透水孔を遮る。
【0020】
上記技術的解決手段を採用することにより、泥取りボックスが上昇する時、第1の透水孔が封板に塞がれることにより、泥取りボックスは上昇する過程において一定量の汚泥を保持でき、泥取りボックスが所定の高さに達した後、連動モジュールが封板を引っ張って移動させ、第2の透水孔と第1の透水孔とを連通させることにより、泥取りボックスは下降する時にその底部の汚泥が押し流され、泥取りボックスにおける汚泥の滞在を低減し、それにより、泥取りボックスから外へ拡散する汚泥量を保障し、第1の透水孔と第2の透水孔が連通した後、泥取りボックスが下降する時に受ける抵抗力が低下する。
【0021】
選択可能には、前記連動モジュールはストッパ板及び牽引ロープを含み、前記ストッパ板はガイドロッドの側壁に設けられ、下向きに傾斜して分布し、前記牽引ロープの一端は封板に接続され、他端はガイドロッドの側壁に接続される。
【0022】
上記技術的解決手段を採用することにより、泥取りボックスが指定高さまで上昇した後、牽引ロープは封板を引っ張って移動させ、泥取りボックスがストッパ板の位置まで下降する時、封板はストッパ板に突っ張られてシュート内に移動してリセットする。
【0023】
選択可能には、前記支持ロッドのガイドロッドに向かう側にローラが回転可能に接続される。
【0024】
上記技術的解決手段を採用することにより、ローラは支持ロッドがガイドロッドに沿って移動する時に受ける抵抗力を低減することに役立つ。
【発明の効果】
【0025】
以上をまとめると、本願は以下の有益な技術的効果の少なくとも1つを含む。
1、各ノズルから噴出された各本の水流は周辺の水の回転を駆動し、汚泥床内の汚泥をかき回して上昇させ、上層水系中を拡散させ、汚泥と廃水を十分に接触させ、また、各コイル管におけるノズルのカバー範囲が広く、汚泥床押し流しの死角を小さくし、廃水と嫌気性菌の反応効果を増強し、
2、泥取りボックスは汚泥床内の汚泥を水系上部にもたらし、さらに汚泥を泥取りボックスから落下させ、汚泥は落下過程において水系中を徐々に分散し、汚泥の拡散速度を速くし、工業廃水はホースから送り込まれ、泥取りボックスにおける汚泥を押し流し、汚泥を各貫通孔から速やかに散らし、汚泥の拡散速度を速くするだけでなく、また廃水と汚泥を十分に接触させ、当該部分の廃水の浄化効果を増強することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願の実施例の全体構造の模式図である。
図2】本願の実施例のコイル管を示すための構造の模式図である。
図3】本願の実施例の駆動モジュールを示すための構造の模式図である。
図4】本願の実施例のスライドレール及びスライドブロックを示すための構造の模式図である。
図5】本願の実施例のバネを示すための構造の模式図である。
図6図2におけるA箇所の拡大図である。
図7】本願の実施例の駆動モジュールを示すための構造の模式図である。
図8図7におけるB箇所の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1~8を参照しながら本願についてさらに詳細に説明する。
【0028】
本願の実施例は改良型嫌気性装置を開示する。図1及び図2に示すように、改良型嫌気性装置はタンク1を含み、タンク1の底部に同軸に分布する複数のコイル管15が設けられ、各コイル管15の直径は外から内へ順次小さくなり、隣接する2つのコイル管15は分岐管151によって接続され、各コイル管15を連通させ、各コイル管15にいずれも自体の軸線に沿って周方向に等間隔に配列したノズル152が設けられ、各コイル管15におけるノズル152はいずれも上に向き、且つ各コイル管15におけるノズル152はいずれも時計回りに傾斜して設けられ、タンク1内に三相分離器12が設けられ、三相分離器12はタンク1の最上端に近づいて分布し、且つ三相分離器12はタンク1の内部を上下の二部分の領域に分け、また三相分離器12の周辺はタンク1の内壁に密着し、タンク1の側壁にその高さ方向に沿って配列した給水管11及び排水管14が設けられ、給水管11はタンク1の底部に近づいて設けられ、且つ給水管11はタンク1内に入り込んで最外周のコイル管15に接続され、排水管14は三相分離器12の上方に位置し、タンク1の最上端にその内部に連通する排気管13が設けられる。
【0029】
タンク1内に汚泥床が付き、汚泥床はコイル管15の上方に位置し、工業廃水は給水管11からそれに接続されたコイル管15内に送り込まれ、さらに分岐管151により他のコイル管15に搬送され、各ノズル152は上向きに水流を噴出し周辺の廃水を、汚泥床を時計回りにかき回すように駆動し、汚泥を上方の水系へ拡散させ、汚泥と廃水を十分に接触させ、それにより、廃水と汚泥床内の嫌気性菌の反応、処理、浄化効果を向上させる。
【0030】
タンク1の側壁にタンク1の高さ方向に沿って配列した第1の枝管51及び第2の枝管52が接続され、第1の枝管51は第2の枝管52の上方に位置し且つ三相分離器12の下方に位置し、第1の枝管51及び第2の枝管52は送水管53によって接続され、送水管53に循環ポンプ54が取り付けられ、循環ポンプ54はタンク1内の廃水を第1の枝管51から抽出し、続いて第2の枝管52から送り込み、タンク1内に上昇流を形成させ、それにより、汚泥床内の汚泥を、上方に拡散するように駆動し、汚泥の水系中への分布速度を速くする。
【0031】
タンク1の内壁にその高さ方向に沿って延びたスライドレール2が設けられ、スライドレール2は三相分離器12の下方に位置し、スライドレール2にスライドブロック21がスライド可能に接続され、スライドブロック21に水平に分布する2つの支持ロッド22がヒンジ接続され、支持ロッド22のヒンジ接続点は支持ロッド22の両端の間に位置し、2つの支持ロッド22のスライドブロック21から離れる端にいずれも泥取りボックス23が設けられ、2つの泥取りボックス23の対向する端はいずれも開口として設けられ、2つの泥取りボックス23の側壁にいずれも複数の貫通孔231が開設され、スライドブロック21に2つの泥取りボックス23の回転を駆動するための駆動モジュール3が設けられ、タンク1内にスライドブロック21をスライドレール2に沿って移動するように駆動するための昇降モジュール4が設けられる。
【0032】
駆動モジュール3はガイドロッド31を含み、ガイドロッド31はタンク1の底部に固定され、2つの支持ロッド22の間に位置し、ガイドロッド31の上下両端にいずれも傾斜したガイド斜面32が設けられ、ガイドロッド31の各端のガイド斜面32はいずれも2つ設けられ且つ2つのガイド斜面32はガイドロッド31に対して対称に分布し、対向する2つのガイド斜面32の間の距離はガイドロッド31の中央位置に向かって徐々に増大し、支持ロッド22のガイドロッド31に向かう側にローラ221が回転可能に接続され、2つの支持ロッド22の泥取りボックス23から離れる端の間にバネ33が接続され、ガイドロッド31は支持ロッド22のヒンジ接続点とバネ33との間に位置する。
【0033】
初期位置時、支持ロッド22はローラ221を、ガイドロッド31の下端に対応するガイド斜面32に当接するように駆動し、バネ33は自然状態にあり、2つの泥取りボックス23は互いに分離し汚泥床の下方に位置し、スライドブロック21の上向きの移動に伴い、スライドブロック21は2つの支持ロッド22を、ガイド斜面32に沿って移動するように駆動し、2つの支持ロッド22の端部間の距離は徐々に増大し、2つの泥取りボックス23を、回転し互いに近づくように駆動し、また、バネ33が2つの支持ロッド22に引っ張られて弾性変形が発生し、支持ロッド22がガイドロッド31に当接するまで移動した場合、2つの泥取りボックス23は互いに当接し、支持ロッド22がガイドロッド31の上端に対応するガイド斜面32まで移動した場合、2つの支持ロッド22はバネ33の弾性引張力で互いが徐々に近づき、それにより、2つの泥取りボックス23を互いに離れるように駆動する。
【0034】
昇降モジュール4はタンク1の外側壁に取り付けられたコンベア41を含み、コンベア41の搬送方向はタンク1の高さ方向に平行であり、コンベア41の搬送ベルトに電磁石42が取り付けられ、スライドブロック21の側壁に電磁石42に対応する鉄片43が設けられ、鉄片43とタンク1の内壁との間、及び電磁石42とタンク1の外壁との間にいずれも隙間が存在する。タンク1及び駆動モジュール3、昇降モジュール4における各部材はいずれも、例えばアルミニウム、プラスチック、高含有量のクロム、ニッケルを有するステンレス鋼など、電磁石42と磁気を生成しない材質を用いる。コンベア41が起動し、搬送ベルトが電磁石42を上向きに移動するように駆動し、電磁石42に通電して磁気が発生し、鉄片43を磁気吸引し、それによりスライドブロック21を同期に上向きに移動するように駆動し、電磁石42が最上端まで移動した後、コンベア41が搬送ベルトを逆方向に駆動することにより、搬送ベルトは電磁石42を、下向きに移動するように駆動し、さらにスライドブロック21は同期に下向きに移動する。
【0035】
そのうち1つの泥取りボックス23にホース5が接続され、ホース5はもう1つの泥取りボックス23に向かって設けられ、給水管11に互いが平行な管継手50が2つ螺着され、2つの管継手50はタンク1の内外両側にそれぞれ位置し、ホース5の泥取りボックス23から離れる端は、まずタンク1内に位置する管継手50から入り、さらにタンク1外に位置する管継手50から出た後に第2の枝管52に接続され、ホース5と管継手50との間はシールされ、ホース5にバルブ(図示せず)が取り付けられる。
【0036】
2つの泥取りボックス23の底部に垂直に貫通する第1の透水孔61が複数開設され、泥取りボックス23の底部にその長さ方向に沿って延びたシュート62が開設され、シュート62は各第1の透水孔61に連通し、シュート62内に封板63がスライド可能に接続され、封板63に第1の透水孔61と一対一に対応する第2の透水孔631が開設され、ガイドロッド31に封板63の移動を駆動するための連動モジュール64が設けられ、封板63が初期位置にある時、第1の透水孔61と第2の透水孔631がずれ、封板63は各第1の透水孔61を遮る。
【0037】
連動モジュール64はストッパ板641を含み、ストッパ板641はガイドロッド31の前記泥取りボックス23に向かう側に設けられ、ガイドロッド31の下端に近づいて分布し、ストッパ板641は傾斜して下向きに設けられ、封板63の一端は泥取りボックス23の外に位置し、且つ牽引ロープ642が接続され、牽引ロープ642の封板63から離れる端はガイドロッド31の側壁とつながる。スライドブロック21がガイドロッド31の最上端に対応する位置まで移動した場合、牽引ロープ642は伸ばされた状態にあり、封板63は牽引ロープ642の張力作用で移動し、第2の透水孔631と第1の透水孔61を連通させ、スライドブロック21が下向きにストッパ板641まで移動した場合、封板63の端部はストッパ板641に突っ張られ、それにより、封板63はシュート62内に移動し、第1の透水孔61を封止し、このとき、牽引ロープ642は緩み状態にある。
【0038】
本願の実施例の実施原理は以下のとおりである。工業廃水は給水管11を介して各コイル管15内に搬送され、各ノズル152は上向きに水流を噴出し、周辺の水系を、汚泥床をかき回すように駆動し、汚泥床内の汚泥を上向きに拡散させ、循環ポンプ54が起動し、タンク1内の廃水を抽出し、さらに送り込み、タンク1内に上向きの上昇流を形成させ、汚泥の拡散速度を速くするとともに、タンク1の縁部に存在する死角を小さくする。
【0039】
電磁石42に通電して磁気が発生し、コンベア41は電磁石42を上向きに移動するように駆動し、電磁石42は鉄片43に対する磁気によってスライドブロック21をスライドレール2に沿って上向きに移動するように駆動し、支持ロッド22がガイドロッド31の下端のガイド斜面32に沿って移動する過程において、2つの泥取りボックス23は回転し、互いに当接し、泥取りボックス23が汚泥床外に移動した場合、汚泥床内の汚泥が泥取りボックス23内に置かれ、泥取りボックス23に伴って上昇し、上昇過程において、バルブが開き、第2の枝管52内の一部の廃水がホース5から送り込まれ、ホース5から送り出された廃水は泥取りボックス23内の汚泥を押し流し、泥取りボックス23内の汚泥を水の押し流しにより各貫通孔231内から散らし、支持ロッド22がガイドロッド31の上端のガイド斜面32まで移動した場合、2つの泥取りボックス23は徐々に分離し、泥取りボックス23における一部の汚泥は下向きに直接落下し、当該一部の汚泥は落下する時に絶えず周辺へ分散する。
【0040】
支持ロッド22がガイドロッド31の最上端まで移動した場合、牽引ロープ642は封板63を引っ張って外向きに移動させ、第2の透水孔631と第1の透水孔61を連通させ、このとき、コンベア41は電磁石42を駆動して下向きに移動し、スライドブロック21はスライドレール2に沿って同期に下向きに移動し、2つの泥取りボックス23は、互いに当接するまで回転し近づき、下向きに移動する過程において、泥取りボックス23における汚泥は貫通孔231及び第1の透水孔61から外向きに拡散し、また、泥取りボックス23はその移動経路における汚泥かき回し効果を果たし、汚泥の局所的な凝集と堆積を低減する。
【0041】
泥取りボックス23の継続的な下降に伴い、封板63はストッパ板641に突っ張られ、シュート62内に移動し、第1の透水孔61を封止し、支持ロッド22がガイドロッド31の下端のガイド斜面32まで移動した場合、2つの泥取りボックス23は互いに分離し汚泥床に入る。
【0042】
廃水は汚泥中の嫌気性菌と十分に接触し且つ反応し、反応後にメタンを生成し、メタンは上昇し、三相分離器12による分離を経た後に排気管13から排出され、反応後の廃水は三相分離器12による分離を経た後に排水管14から排出され、汚泥粒子は三相分離器12によって下方の水系中に止められる。反応過程において、特に反応初期において、コイル管15のカバー面積が大きく、汚泥床の水流による押し流しの死角を減少させ、循環ポンプ54がガイドした上昇水流及び泥取りボックス23による汚泥に対する搬送、拡散は、汚泥床における汚泥粒子の水系中への分布を速くし、廃水と汚泥粒子を十分に接触させ、廃水と嫌気性菌の接触反応効果を増強し、それにより、廃水浄化効果を向上させる。
【0043】
以上はいずれも本願の好ましい実施例であり、これによって本願の保護範囲を限定するものではなく、したがって、本願の構造、形状、原理に基づいて行われる同等の変化は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0044】
1...タンク、11...給水管、12...三相分離器、13...排気管、14...排水管、15...コイル管、151...分岐管、152...ノズル、2...スライドレール、21...スライドブロック、22...支持ロッド、221...ローラ、23...泥取りボックス、231...貫通孔、3、駆動モジュール、31...ガイドロッド、32...ガイド斜面、33...バネ、4...昇降モジュール、41...コンベア、42...電磁石、43...鉄片、5...ホース、50...管継手、51...第1の枝管、52...第2の枝管、53...送水管、54...循環ポンプ、61...第1の透水孔、62...シュート、63...封板、631...第2の透水孔、64...連動モジュール、641...ストッパ板、642...牽引ロープ。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク(1)を含み、前記タンク(1)の底部に給水管(11)が設けられ、前記タンク(1)内に三相分離器(12)が設けられ、前記タンク(1)の最上端に排気管(13)が設けられ、前記タンク(1)の側壁に排水管(14)が接続され、前記排水管(14)は三相分離器(12)の上方に位置し、前記タンク(1)の底部に同軸に分布する複数のコイル管(15)が設けられ、各前記コイル管(15)の直径は外から内へ順次小さくなり、隣接する2つの前記コイル管(15)は分岐管(151)によって接続され、各前記コイル管(15)にいずれも周方向に分布するノズル(152)が設けられ、各前記ノズル(152)は時計回り又は反時計回り方向に沿って次のノズル(152)に向かって傾斜して設けられ、そのうち1つの前記コイル管(15)は給水管(11)に接続され、
前記タンク(1)の内壁にスライドレール(2)が設けられ、前記スライドレール(2)にスライドブロック(21)がスライド可能に接続され、前記スライドブロック(21)に2つの支持ロッド(22)がヒンジ接続され、2つの前記支持ロッド(22)のスライドブロック(21)から離れる端にいずれも泥取りボックス(23)が設けられ、前記スライドブロック(21)に2つの泥取りボックス(23)の回転を駆動するための駆動モジュール(3)が設けられ、前記タンク(1)にスライドブロック(21)の移動を駆動するための昇降モジュール(4)が設けられ、
前記駆動モジュール(3)はガイドロッド(31)を含み、前記ガイドロッド(31)は前記タンク(1)の底部に固定され、2つの前記支持ロッド(22)の間に位置し、前記ガイドロッド(31)の上下両端にいずれも傾斜したガイド斜面(32)が設けられ、前記ガイドロッド(31)の各端にいずれも2つのガイド斜面(32)が設けられ且つ前記ガイドロッド(31)の各端面と対応する2つの前記ガイド斜面(32)とは等脚台形を成し、前記支持ロッド(22)の前記ガイドロッド(31)に向かう側にローラ(221)が回転可能に接続され、2つの前記支持ロッド(22)の前記泥取りボックス(23)から離れる端にバネ(33)が接続され、前記ガイドロッド(31)は前記支持ロッド(22)のヒンジ接続点と前記バネ(33)との間に位置し、
前記昇降モジュール(4)はコンベア(41)及び電磁石(42)を含み、前記コンベア(41)はタンク(1)の側壁に取り付けられ、スライドレール(2)に平行であり、前記電磁石(42)はコンベア(41)の搬送ベルトに設けられ、前記スライドブロック(21)の側壁に電磁石(42)に対応する鉄片(43)が設けられ、前記鉄片(43)と前記タンク(1)の内壁との間、及び前記電磁石(42)と前記タンク(1)の外壁との間にいずれも隙間が存在し、前記タンク(1)及び前記駆動モジュール(3)、前記昇降モジュール(4)における各部材はいずれも前記電磁石(42)と磁気を生成しない材質を用い、
前記泥取りボックス(23)の側壁に複数の貫通孔(231)が開設され、
前記泥取りボックス(23)にホース(5)が接続され、前記給水管(11)はタンク(1)の内外両側にいずれも管継手(50)が螺着され、前記ホース(5)の泥取りボックス(23)から離れる端は順次2つの管継手(50)から通ってタンク(1)の外に出、
前記タンク(1)の側壁にタンク(1)の高さ方向に沿って配列した第1の枝管(51)及び第2の枝管(52)が接続され、前記第1の枝管(51)及び第2の枝管(52)は送水管(53)によって接続され、前記送水管(53)に循環ポンプ(54)が取り付けられ、前記ホース(5)は第2の枝管(52)に接続され、
前記泥取りボックス(23)の底部に貫通する第1の透水孔(61)が複数開設され、前記泥取りボックス(23)の底部に各第1の透水孔(61)に連通するシュート(62)が開設され、前記シュート(62)内に封板(63)がスライド可能に接続され、前記封板(63)に第1の透水孔(61)と一対一に対応する第2の透水孔(631)が開設され、前記ガイドロッド(31)に封板(63)の移動を駆動するための連動モジュール(64)が設けられ
前記連動モジュール(64)はストッパ板(641)を含み、前記ストッパ板(641)は前記ガイドロッド(31)の前記泥取りボックス(23)に向かう側に設けられるとともに前記ガイドロッド(31)の下端に近づいて分布し、前記ストッパ板(641)は傾斜して下向きに設けられ、前記封板(63)の一端は前記泥取りボックス(23)の外に位置し、且つ牽引ロープ(642)が接続され、前記牽引ロープ(642)の前記封板(63)から離れる端は前記ガイドロッド(31)の側壁とつながり、
前記封板(63)が前記牽引ロープ(642)によって引っ張られていないときに、前記封板(63)は各前記第1の透水孔(61)を遮る、ことを特徴とする改良型嫌気性装置。