(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058620
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】端子、コネクタ、およびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/11 20060101AFI20240418BHJP
H01R 13/187 20060101ALI20240418BHJP
H01R 13/18 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H01R13/11 F
H01R13/187 A
H01R13/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174897
(22)【出願日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】202222697206.7
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス テクノロジー (エスアイピー) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドォン ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンヂァン マァー
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエン ワン
(72)【発明者】
【氏名】パァンシァン ヂィアン
(72)【発明者】
【氏名】ヅァイイン パァイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】端子と相手側端子との嵌合方向が、端子本体の長さまたは幅方向のみに制限されないコネクタを提供する。
【解決手段】端子は、高さ方向(Z)に互いに間隔を空けて配置された一対の端子板11を含む端子本体10と、一対の端子板の内側にそれぞれ装着され、弾性アーム23をそれぞれ含む一対の弾性コンタクト部材20とを備える。弾性アームの延在方向(Y1)が、端子本体の長さ方向(Y)に対して傾斜し、弾性アームの延在方向と端子本体の長さ方向との間の角度が、90度ではない。一対の弾性コンタクト部材の弾性アームは、延在方向に沿ってそれらの間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するように構成されている。本発明において、弾性コンタクト部材の弾性アームの延在方向は、端子本体の長さ方向に対して傾斜し、嵌合方向は、端子本体の長さ方向に対して傾斜し、コネクタの適用範囲が広がる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子であって、
- 高さ方向(Z)に互いに間隔を空けて配置された一対の端子板(11)を含む端子本体(10)と、
- 前記一対の端子板(11)の内側にそれぞれ装着され、弾性アーム(23)をそれぞれ含む一対の弾性コンタクト部材(20)と
を備え、
前記弾性アーム(23)の延在方向(Y1)が、前記端子本体(10)の長さ方向(Y)に対して傾斜し、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)と前記端子本体(10)の前記長さ方向(Y)との間の角度が、90度ではなく、
前記一対の弾性コンタクト部材(20)の前記弾性アーム(23)は、前記延在方向(Y1)に沿って前記弾性アーム(23)間に挿入される相手側端子をクランプして、前記端子と前記相手側端子との電気的接続を実現するように構成されている、
端子。
【請求項2】
前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)と前記端子本体(10)の前記長さ方向(Y)との間の前記角度は、90度よりも大きく180度未満である、
請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記弾性コンタクト部材(20)は、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)に対して垂直な方向に沿って並んで配置された複数の弾性アーム(23)を含む、
請求項1に記載の端子。
【請求項4】
前記端子板(11)は、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)に対して垂直な傾斜側縁部(114)を有し、
前記端子本体(10)は、前記一対の端子板(11)の前記傾斜側縁部(114)間に位置する、前記相手側端子を挿入するための嵌合口(101)を有する、
請求項1に記載の端子。
【請求項5】
前記弾性コンタクト部材(20)は、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)において互いに反対側にある第1の側縁部(21)および第2の側縁部(22)をさらに含み、
前記弾性アーム(23)は、前記第1の側縁部(21)と前記第2の側縁部(22)との間に接続され、
前記第1の側縁部(21)は、前記傾斜側縁部(114)に近接し、前記端子板(11)の内側に固定され、前記第2の側縁部(22)は、前記傾斜側縁部(114)から離れ、前記端子板(11)の内側に摺動支持されている、
請求項4に記載の端子。
【請求項6】
リベット孔(21a)が前記第1の側縁部(21)に形成され、隆起リベット部(11a)が前記端子板(11)の内側に形成され、前記リベット部(11a)は、前記リベット孔(21a)にリベット締めされて、前記第1の側縁部(21)を前記端子板(11)の内側にリベット締めする、
請求項5に記載の端子。
【請求項7】
前記第1の側縁部(21)および前記第2の側縁部(22)は、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)に対して垂直な方向に延び、
複数のリベット孔(21a)が前記第1の側縁部(21)に形成され、前記複数のリベット孔(21a)は、前記第1の側縁部(21)の延在方向に沿って並んで配置され、
複数のリベット部(11a)が前記端子板(11)に形成され、前記複数のリベット部(11a)は、前記第1の側縁部(21)の前記延在方向に沿って並んで配置されている、
請求項6に記載の端子。
【請求項8】
一対の支持突起(11b)が前記端子板(11)の内側に形成され、前記一対の支持突起(11b)はそれぞれ、前記傾斜側縁部(114)の両端部に位置し、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)に沿って延び、
前記一対の端子板(11)の前記支持突起(11b)は、前記一対の弾性コンタクト部材(20)間に挿入された前記相手側端子を支持して、前記弾性アーム(23)が前記相手側端子によって過度に押圧されることを防ぐために使用される、
請求項4に記載の端子。
【請求項9】
隆起リブ(11c)が前記端子板(11)の内側に形成され、前記隆起リブ(11c)は、前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)に対して垂直な方向に延び、
前記端子板(11)の前記隆起リブ(11c)は、前記弾性アーム(23)を支持して前記弾性アーム(23)の過度の変形を防ぐために使用される、
請求項1に記載の端子。
【請求項10】
前記端子板(11)はまた、前記端子本体(10)の幅方向(X)において互いに反対側にある第1の側縁部(111)および第2の側縁部(112)と、前記第2の側縁部(112)の一端部と前記傾斜側縁部(114)の一端部との間に接続された第3の側縁部(113)とを有し、
前記傾斜側縁部(114)は、前記第1の側縁部(111)の一端部と前記第3の側縁部(113)の一端部との間に接続されている、
請求項4に記載の端子。
【請求項11】
前記第1の側縁部(111)および前記第2の側縁部(112)は、前記端子本体(10)の前記長さ方向(Y)に沿って延び、前記第3の側縁部(113)は、前記傾斜側縁部(114)に対して垂直である、
請求項10に記載の端子。
【請求項12】
前記端子本体(10)の前記一対の端子板(11)の端部に外装される、前記端子をコネクタハウジングにロックするためのロック部材(30)をさらに備える、
請求項10に記載の端子。
【請求項13】
前記ロック部材(30)は、
- 一方の端子板(11)の外側に固定された底板(31)と、
- 他方の端子板(11)の外側に固定された上板(32)と、
- 前記底板(31)と前記上板(32)との間に接続された端板(33)と、
を含み、
前記端板(33)は、前記一対の端子板(11)の前記第3の側縁部(113)に面し、前記第3の側縁部(113)に接している、
請求項12に記載の端子。
【請求項14】
位置決め切欠き(13d)と、前記位置決め切欠き(13d)内に延びる制限舌部(13e)とが、前記端子板(11)の前記傾斜側縁部(114)および前記第2の側縁部(112)のそれぞれに形成され、
弾性クランプ部(30d)が、前記ロック部材(30)の前記底板(31)および前記上板(32)のそれぞれの側縁部に形成され、前記弾性クランプ部(30d)は、前記位置決め切欠き(13d)に位置決めされ、前記制限舌部(13e)をクランプする、
請求項13に記載の端子。
【請求項15】
位置決め突起(13f)が、前記端子板(11)の前記第3の側縁部(113)に形成され、位置決めスロット孔(30f)が、前記ロック部材(30)の前記端板(33)に形成され、前記位置決め突起(13f)は、前記位置決めスロット孔(30f)に組み付けられている、
請求項13に記載の端子。
【請求項16】
ロックばね(34)が、前記ロック部材(30)の前記底板(31)および前記上板(32)のそれぞれに形成され、前記ロックばね(34)は、前記コネクタハウジングに係合して、前記端子を前記コネクタハウジングにロックするように構成されている、
請求項13に記載の端子。
【請求項17】
前記端子本体(10)は、ワイヤの導体端部に溶接するための溶接部(12)をさらに含み、前記溶接部(12)は、
上下に積み重ねられ、互いにリベット締めされた一対の溶接板(121)と、
前記一対の溶接板(121)それぞれの一側部間に接続された曲がり接続部(122)と、
一方の溶接板(121)の一端部と一方の端子板(11)の一端部との間に接続された第1の曲がり部(131)と、
他方の溶接板(121)の一端部と他方の端子板(11)の一端部との間に接続された第2の曲がり部(132)と
を含む、
請求項1から16のいずれか一項に記載の端子。
【請求項18】
前記端子本体(10)は、ワイヤの導体端部に圧着するように構成されている圧着部(14)をさらに含み、
前記圧着部(14)は、
- U字形本体部(140)と、
- 前記U字形本体部(140)の開口部の両側に接続された一対の側翼部(141)と、
- 前記U字形本体部(140)と前記一対の端子板(11)との間に接続された接続部(15)と、を含む、
請求項1から16のいずれか一項に記載の端子。
【請求項19】
コネクタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに挿入された、請求項1から18のいずれか一項に記載の前記端子(1)と、を備える、
コネクタ。
【請求項20】
コネクタアセンブリであって、
請求項19に記載の前記コネクタと、
前記コネクタに嵌合する相手側コネクタと、
を備え、
前記相手側コネクタの相手側端子が、前記コネクタの前記弾性コンタクト部材(20)の前記弾性アーム(23)の前記延在方向(Y1)に沿って、前記コネクタに挿入される、
コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年10月13日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第202222697206.7号の優先権を主張する。その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、端子、端子を備えるコネクタ、およびコネクタを備えるコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、高電圧コネクタの端子は、一般的に、端子本体と、一対の弾性コンタクト部材とを備える。端子本体は、2枚の端子板を含む。2枚の端子板間に、相手側端子の挿入を可能にする間隙がある。一対の弾性コンタクト部材は、2枚の端子板間の間隙に組み込まれ、2枚の端子板の内側にそれぞれ固定され、それらの間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するために使用される。
【0004】
しかしながら、従来技術において、弾性コンタクト部材の弾性アームの延在方向は、通常、端子本体の長さ方向または幅方向である。これにより、相手側端子が、端子本体の長さ方向または幅方向に沿ってのみ、一対の弾性コンタクト部材間に挿入される。従来技術において、端子と相手側端子との嵌合方向は、端子本体の長さ方向または幅方向のみであり、コネクタの使用範囲が制限されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の欠点のうちの少なくとも1つの局面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、端子が提供される。端子は、高さ方向に互いに間隔を空けて配置された一対の端子板を含む端子本体と、一対の端子板の内側にそれぞれ装着され、弾性アームをそれぞれ含む一対の弾性コンタクト部材とを備える。弾性アームの延在方向が、端子本体の長さ方向に対して傾斜し、弾性アームの延在方向と端子本体の長さ方向との間の角度が、90度ではなく、一対の弾性コンタクト部材の弾性アームは、延在方向に沿って弾性アーム間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するように構成されている。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、弾性アームの延在方向と端子本体の長さ方向との間の角度は、90度よりも大きく180度未満である。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は、弾性アームの延在方向に対して垂直な方向に沿って並んで配置された複数の弾性アームを含む。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子板は、弾性アームの延在方向に対して垂直な傾斜側縁部を有し、端子本体は、一対の端子板の傾斜側縁部間に位置する、相手側端子を挿入するための嵌合口(mating port)を有する。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は、弾性アームの延在方向において互いに反対側にある第1の側縁部および第2の側縁部をさらに含み、弾性アームは、第1の側縁部と第2の側縁部との間に接続され、第1の側縁部は、傾斜側縁部に近接し、端子板の内側に固定され、第2の側縁部は、傾斜側縁部から離れ、端子板の内側に摺動支持されている。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、リベット孔が第1の側縁部に形成され、隆起リベット部が端子板の内側に形成され、リベット部は、リベット孔にリベット締めされて、第1の側縁部を端子板の内側にリベット締めする。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の側縁部および第2の側縁部は、弾性アームの延在方向に対して垂直な方向に延び、複数のリベット孔が第1の側縁部に形成され、複数のリベット孔は、第1の側縁部の延在方向に沿って並んで配置され、複数のリベット部が端子板に形成され、複数のリベット部は、第1の側縁部の延在方向に沿って並んで配置されている。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、一対の支持突起が端子板の内側に形成され、一対の支持突起はそれぞれ、傾斜側縁部の両端部に位置し、弾性アームの延在方向に沿って延び、一対の端子板の支持突起は、一対の弾性コンタクト部材間に挿入された相手側端子を支持して、弾性アームが相手側端子によって過度に押圧されることを防ぐために使用される。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、隆起リブが端子板の内側に形成され、隆起リブは、弾性アームの延在方向に対して垂直な方向に延び、端子板の隆起リブは、弾性アームを支持して弾性アームの過度の変形を防ぐために使用される。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子板はまた、端子本体の幅方向(X)において互いに反対側にある第1の側縁部および第2の側縁部と、第2の側縁部の一端部と傾斜側縁部の一端部との間に接続された第3の側縁部とを有し、傾斜側縁部は、第1の側縁部の一端部と第3の側縁部の一端部との間に接続されている。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の側縁部および第2の側縁部は、端子本体の長さ方向に沿って延び、第3の側縁部は、傾斜側縁部に対して垂直である。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子は、端子本体の一対の端子板の端部に外装される、端子をコネクタハウジングにロックするためのロック部材をさらに備える。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ロック部材は、一方の端子板の外側に固定された底板と、他方の端子板の外側に固定された上板と、底板と上板との間に接続された端板とを含む。端板は、一対の端子板の第3の側縁部に面し、第3の側縁部に接している。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、位置決め切欠き(positioning notch)と、位置決め切欠き内に延びる制限舌部(limiting tongue)とが、端子板の傾斜側縁部および第2の側縁部のそれぞれに形成され、弾性クランプ部が、ロック部材の底板および上板のそれぞれの側縁部に形成され、弾性クランプ部は、位置決め切欠きに位置決めされ、制限舌部をクランプする。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、位置決め突起が、端子板の第3の側縁部に形成され、位置決めスロット孔が、ロック部材の端板に形成され、位置決め突起は、位置決めスロット孔に組み付けられている。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ロックばねが、ロック部材の底板および上板のそれぞれに形成され、ロックばねは、コネクタハウジングに係合して、端子をコネクタハウジングにロックするように構成されている。
【0022】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子本体は、ワイヤの導体端部に溶接するための溶接部をさらに含み、溶接部は、上下に積み重ねられ、互いにリベット締めされた一対の溶接板と、一対の溶接板それぞれの一側部間に接続された曲がり接続部と、一方の溶接板の一端部と一方の端子板の一端部との間に接続された第1の曲がり部と、他方の溶接板の一端部と他方の端子板の一端部との間に接続された第2の曲がり部とを含む。
【0023】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、端子本体は、ワイヤの導体端部に圧着するように構成されている圧着部をさらに含み、圧着部は、U字形本体部と、U字形本体部の開口部の両側に接続された一対の側翼部と、U字形本体部と一対の端子板との間に接続された接続部とを含む。
【0024】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングに挿入された上記の端子とを備える。
【0025】
本発明の別の態様によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記のコネクタと、コネクタに嵌合する相手側コネクタとを備える。相手側コネクタの相手側端子が、コネクタの弾性コンタクト部材の弾性アームの延在方向に沿って、コネクタに挿入されている。
【0026】
本発明の上記の例示的な実施形態において、弾性コンタクト部材の弾性アームの延在方向は、端子本体の長さ方向に対して傾斜し、したがって、相手側端子と端子との嵌合方向は、端子本体の長さ方向に対して傾斜し、それによりコネクタの適用範囲が広がる。
【0027】
添付図面を参照しながら例示的な実施形態を詳細に説明することにより、本発明の上記その他の機構がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による端子の説明斜視図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による端子の説明分解図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による端子本体の説明斜視図である。
【
図4】端子本体の底部の端子板と、端子板に装着された弾性コンタクト部材とを示す、本発明の例示的な実施形態による端子の断面図である。
【
図5】端子本体の上部の端子板と、端子板に装着された弾性コンタクト部材とを示す、本発明の例示的な実施形態による端子の断面図である。
【
図6】本発明の別の例示的な実施形態による端子の説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下で、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものになるように、かつ当業者に本開示の概念を十分に伝えるように提供される。
【0030】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスは概略的に示す。
【0031】
本発明の一般的な概念によれば、端子が提供される。端子は、高さ方向に互いに間隔を空けて配置された一対の端子板を含む端子本体と、一対の端子板の内側にそれぞれ装着され、弾性アームをそれぞれ含む一対の弾性コンタクト部材とを備える。弾性アームの延在方向が、端子本体の長さ方向に対して傾斜し、弾性アームの延在方向と端子本体の長さ方向との間の角度が、90度ではなく、一対の弾性コンタクト部材の弾性アームは、延在方向に沿って弾性アーム間に挿入された相手側端子をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するように構成されている。
【0032】
本発明の別の一般的な概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ハウジングと、ハウジングに挿入された上記の端子とを備える。
【0033】
本発明の別の一般的な概念によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記のコネクタと、コネクタに嵌合する相手側コネクタとを備える。相手側コネクタの相手側端子が、コネクタの弾性コンタクト部材の弾性アームの延在方向に沿って、コネクタに挿入されている。
【0034】
図1は、本発明の例示的な実施形態による端子1の説明斜視図である。
図2は、本発明の例示的な実施形態による端子1の説明分解図である。
図3は、本発明の例示的な実施形態による端子本体10の説明斜視図である。
図4は、端子本体10の底部の端子板11と、端子板11に装着された弾性コンタクト部材20とを示す、本発明の例示的な実施形態による端子1の断面図である。
図5は、端子本体10の上部の端子板11と、端子板11に装着された弾性コンタクト部材20とを示す、本発明の例示的な実施形態による端子1の断面図である。
【0035】
図1~
図5に示すように、本発明の例示的な実施形態において、端子1が開示されている。端子1は、端子本体10と、一対の弾性コンタクト部材20とを備える。端子本体10は、高さ方向Zに互いに間隔を空けて配置された一対の端子板11を含む。一対の弾性コンタクト部材20は、一対の端子板11の内側にそれぞれ装着され、弾性アーム23をそれぞれ含む。
【0036】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、弾性アーム23の延在方向Y1が、端子本体10の長さ方向Yに対して傾斜し、弾性アーム23の延在方向Y1と端子本体10の長さ方向Yとの間の角度が、90度ではない。一対の弾性コンタクト部材20の弾性アーム23は、延在方向Y1に沿って弾性アーム23間に挿入された相手側端子(図示せず)をクランプして、端子と相手側端子との電気的接続を実現するのに適している。したがって、本発明において、相手側端子と端子1との嵌合方向は、端子本体10の長さ方向に向かって傾斜し、それによりコネクタの適用範囲が広がる。
【0037】
図1~
図5に示すように、本発明の例示的な実施形態において、弾性アーム23の延在方向Y1と端子本体10の長さ方向Yとの間の角度は、90度よりも大きく180度未満である。例えば、弾性アーム23の延在方向Y1と端子本体10の長さ方向Yとの間の角度は、100度、120度、140度、または160度であってよい。
【0038】
図1~
図5に示すように、本発明の例示的な実施形態において、弾性コンタクト部材20は、弾性アーム23の延在方向Y1に対して垂直な方向に沿って並んで配置された複数の弾性アーム23を含む。
【0039】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、端子板11は、弾性アーム23の延在方向Y1に対して垂直な傾斜側縁部114を有する。端子本体10は、一対の端子板11の傾斜側縁部114間に位置する、相手側端子を挿入するための嵌合口101を有する。
【0040】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材20は、弾性アーム23の延在方向Y1において互いに反対側にある第1の側縁部21および第2の側縁部22をさらに含み、弾性アーム23は、第1の側縁部21と第2の側縁部22との間に接続されている。第1の側縁部21は、傾斜側縁部114に近接し、端子板11の内側に固定され、第2の側縁部22は、傾斜側縁部114から離れ、端子板11の内側に摺動支持されている。
【0041】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、リベット孔21aが第1の側縁部21に形成され、突出リベット部11aが端子板11の内側に形成されている。リベット部11aは、リベット孔21aにリベット締めされて、第1の側縁部21を端子板11の内側にリベット締めする。
【0042】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、第1の側縁部21および第2の側縁部22は、弾性アーム23の延在方向Y1に対して垂直な方向に延びる。複数のリベット孔21aが第1の側縁部21に形成され、複数のリベット孔21aは、第1の側縁部21の延在方向に沿って並んで配置されている。複数のリベット部11aが端子板11に形成され、複数のリベット部11aは、第1の側縁部21の延在方向に沿って並んで配置されている。
【0043】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、一対の支持突起11bが端子板11の内側に形成され、一対の支持突起11bはそれぞれ、傾斜側縁部114の両端部に位置し、弾性アーム23の延在方向Y1に沿って延びる。一対の端子板11の支持突起11bは、一対の弾性コンタクト部材20間に挿入された相手側端子を支持して、弾性アーム23が相手側端子によって過度に押圧されることを防ぐために使用される。
【0044】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、隆起リブ11cが端子板11の内側に形成され、隆起リブ11cは、弾性アーム23の延在方向Y1に対して垂直な方向に延びる。端子板11の隆起リブ11cは、弾性アーム23を支持して弾性アーム23の過度の変形を防ぐために使用される。
【0045】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、端子板11はまた、端子本体10の幅方向Xにおいて互いに反対側にある第1の側縁部111および第2の側縁部112と、第2の側縁部112の一端部と傾斜側縁部114の一端部との間に接続された第3の側縁部113とを有する。傾斜側縁部114は、第1の側縁部111の一端部と第3の側縁部113の一端部との間に接続されている。
【0046】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、第1の側縁部111および第2の側縁部112は、端子本体10の長さ方向Yに沿って延び、第3の側縁部113は、傾斜側縁部114に対して垂直である。
【0047】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、端子1は、端子本体10の一対の端子板11の端部に外装される、端子1をコネクタハウジング(図示せず)にロックするためのロック部材30をさらに備える。
【0048】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、ロック部材30は、底板31と、上板32と、端板33とを含む。底板31は、一方の端子板11の外側に固定されている。上板32は、他方の端子板11の外側に固定されている。端板33は、底板31と上板32との間に接続されている。端板33は、一対の端子板11の第3の側縁部113に面し、第3の側縁部113に押圧されている。
【0049】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、位置決め切欠き13dと、位置決め切欠き13d内に延びる制限舌部13eとが、端子板11の傾斜側縁部114および第2の側縁部112のそれぞれに形成されている。弾性クランプ部30dが、ロック部材30の底板31および上板32のそれぞれの側縁部に形成され、弾性クランプ部30dは、位置決め切欠き13dに位置決めされ、制限舌部13eをクランプする。
【0050】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、位置決め突起13fが、端子板11の第3の側縁部113に形成され、位置決めスロット孔30fが、ロック部材30の端板33に形成され、位置決め突起13fは、位置決めスロット孔30fに組み付けられている。
【0051】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、ロックばね34が、ロック部材30の底板31および上板32のそれぞれに形成され、ロックばね34は、コネクタハウジングに係合して、端子1をコネクタハウジングにロックするのに適している。
【0052】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、端子本体10は、溶接部12と、第1の曲がり部131と、第2の曲がり部132とをさらに含む。溶接部12は、ワイヤ/ケーブル(図示せず)の導体端部に溶接するために使用される。溶接部12は、一対の溶接板121と、曲がり接続部122とを含む。一対の溶接板121は、上下に積み重ねられ、互いにリベット締めされている。曲がり接続部122は、一対の溶接板121それぞれの一側部間に接続されている。第1の曲がり部131は、一方の溶接板121の一端部と一方の端子板11の一端部との間に接続されている。第2の曲がり部132は、他方の溶接板121の一端部と他方の端子板11の一端部との間に接続されている。
【0053】
図1~
図5に示すように、図示の実施形態において、端子本体10は、一体打抜き部品である。これにより、製造コストを削減することができる。同様に、弾性コンタクト部材20またはロック部材30も、一体打抜き部品であってよい。
【0054】
図6は、本発明の別の例示的な実施形態による端子の説明斜視図である。
【0055】
図1~
図5に示す端子と比較すると、
図6に示す端子の主な違いは、ワイヤ/ケーブルとの電気的接続の機構である。
図6に示す端子の他の機構は、
図1~
図5に示すものと基本的に同じであり、
図1~
図5に示す端子を参照することができる。
【0056】
図6に示すように、図示の実施形態において、端子本体10は、圧着部14と、接続部15とをさらに含む。圧着部14は、ワイヤの導体端部に圧着される。圧着部14は、U字形本体部140と、一対の側翼部141とを含む。一対の翼部141は、U字形本体部140の開口部の両側に接続されている。接続部15は、U字形本体部140と一対の端子板11との間に接続されている。
【0057】
図1~
図6に示すように、本発明の別の例示的な実施形態において、コネクタも開示されている。コネクタは、ハウジング(図示せず)と、ハウジングに挿入された上記の端子1とを備える。
【0058】
図1~
図6に示すように、本発明の別の例示的な実施形態において、コネクタアセンブリも開示されている。コネクタアセンブリは、コネクタと、相手側コネクタとを備える。コネクタは、相手側コネクタに嵌合する。相手側コネクタの相手側端子は、コネクタの弾性コンタクト部材20の弾性アーム23の延在方向Y1に沿って、コネクタに挿入される。
【0059】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な機構を互いに自由に組み合わせることができる。
【0060】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0061】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された機構を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素もしくは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含むことができる。
【外国語明細書】