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特開2024-58629グリセリルアスコルビン酸誘導体含有化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058629
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】グリセリルアスコルビン酸誘導体含有化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/67 20060101AFI20240418BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240418BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240418BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240418BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/86
A61K8/39
A61Q1/00
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175899
(22)【出願日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2022164439
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000147213
【氏名又は名称】株式会社成和化成
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 智里
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC902
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD491
4C083AD492
4C083AD641
4C083AD642
4C083BB04
4C083CC05
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE03
(57)【要約】
【課題】 2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩を含有する化粧料において、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を有し、保存中においても経時的な粘度変化が少ないジェル状又はジェルクリーム状の化粧料を提供する。
【解決手段】 2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩を含有し、HLBが10~18の非イオン性界面活性剤及び特定の増粘剤を配合したジェル状又はジェルクリーム状化粧料を構成する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(C)を含有することを特徴とするジェル状又はジェルクリーム状化粧料。
(A)2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上
(B)HLBが10~18の非イオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(C)アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩を構成単位として含む水性又は両親媒性ポリマー、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガムから選ばれる増粘剤1種又は2種以上
【請求項2】
成分(A)のアルキル基がテトラデシル基であることを特徴とする請求項1に記載のジェル状又はジェルクリーム状化粧料。
【請求項3】
成分(B)が、PPG-6デシルテトラデセス-30、PEG-30フィトステロール、ラウリン酸ポリグリセリル-10から選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載のジェル状又はジェルクリーム状化粧料。
【請求項4】
成分(C)が(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガムから選ばれることを特徴とする請求項1ないし3に記載のジェル状又はジェルクリーム状化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリセリルアスコルビン酸誘導体を含有する保存安定性に優れた化粧料に関する。より詳しくは、(A)2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩と、(B)HLBが10~18の非イオン性界面活性剤と、(C)特定の増粘剤を組み合わせることで優れた使用感を示し、保存中の粘度低下が抑えられた安定なジェル状又はジェルクリーム状化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料において、日光による皮膚の黒化やしみ、そばかすを防ぎ、本来の白い肌を保つためには、アスコルビン酸、コウジ酸、アルブチン等さまざまな美白剤が使用されてきた。その中でもアスコルビン酸は、安全かつ有用な物質であり、抗酸化効果、コラーゲン産生促進効果、優れた美白効果等を有する化合物として知られており、皮膚の状態を改善し、健康な状態に保つ作用があることが知られている。しかし、アスコルビン酸は光、熱、酸化に対して非常に不安定であり、化粧品、食品、医薬品等での利用が妨げられていた。
【0003】
一方本発明者らはアスコルビン酸よりも経時安定性が向上し、化粧料に配合した場合には保存中での着色が生じにくい誘導体として、種々のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩を開発し、美白化粧料への配合、保湿剤としての配合、コラーゲン産生促進効果等を目的とした化粧料への配合などを提案してきた。(特許文献1、2)
【0004】
しかしながら、グリセリルアスコルビン酸誘導体を配合したジェル状又はジェルクリーム状の化粧料を作製する場合には、好ましい使用感を示す適度な粘度を有する製剤を作ることが困難であった。増粘剤を含有させた場合であっても製剤の経時的な粘度の低下が起こり、保存安定性を保つ点で課題があり、また、増粘剤の種類によっては、肌に適用した場合に、肌なじみのよさやきしみのなさといった好ましい使用感が損なわれる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4681670号公報
【特許文献2】特開2019-142790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩を含有する化粧料において、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を有し、保存中においても経時的な粘度変化が抑えられたジェル状又はジェルクリーム状化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩と、特定の非イオン性界面活性剤及び増粘剤を組み合わせたジェル状又はジェルクリーム状化粧料が、優れた使用感を示し、かつ経時的な粘度変化が抑制された化粧料となることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明は、その第1として、下記成分(A)~(C)を含有することを特徴とするジェル状又はジェルクリーム状化粧料である。
(A)2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩
(B)HLBが10~18の非イオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(C)アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩を構成単位として含む水性又は両親媒性ポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガムから選ばれる増粘剤1種又は2種以上
【0009】
本発明の第2は、前記本発明の第1のジェル状又はジェルクリーム状化粧料であって、前記成分(A)のアルキル基がテトラデシル基であることを特徴とする。成分(A)が前記記載の化合物である場合には、優れた使用感を示し、かつ経時的な粘度変化が抑制された化粧料となることから、この好ましい様態に該当するものである。
【0010】
本発明の第3は、前記本発明の第1又は2のジェル状又はジェルクリーム状化粧料であって、成分(B)の非イオン性界面活性剤が、PPG-6デシルテトラデセス-30、PEG-30フィトステロール又はラウリン酸ポリグリセリル-10であることを特徴とする。これらの非イオン性界面活性剤は工業的に入手が容易で、かつ、優れた使用感を実現できることから、この好ましい様態に該当するものである。
【0011】
本発明の第4は、前記本発明の第1ないし3のジェル状又はジェルクリーム状化粧料であって、前記成分(C)記載の増粘剤が(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガムであることを特徴とする。成分(C)が前記増粘剤である場合には、保存中の経時的な粘度変化を抑制する点でより優れたものとなることから、この好ましい様態に該当するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩を含有するジェル状又はジェルクリーム状化粧料であり、特定の非イオン性界面活性剤及び増粘剤を含有することで優れた使用感を有し、さらには保存中の経時的な粘度変化が少なく安定性に優れた化粧料となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の化粧料を構成する成分(A)~(C)について、さらには、本発明の化粧料の形態について、以下具体的に説明する。
【0014】
[成分(A):2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸及び/又は2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸であり、アルキル基がテトラデシル基もしくはヘキサデシル基であるアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩]
本発明の化粧料に配合する成分(A)は、アスコルビン酸の2位又は3位のいずれかにグリセリル基が付加し、もう一方にテトラデシル基もしくはヘキサデシル基が付加したグリセリルアスコルビン酸誘導体であり、前記特許文献1に記載の方法で製造することができる。なお、グリセリルとは、HOCH-CH(OH)-CH-又はHOCH-CH(CHOH)-で表される基を示す。
【0015】
成分(A)のアスコルビン酸誘導体の中でも、工業的に入手しやすく、かつ、本発明の効果を十分に発現させることからアルキル基としてはテトラデシル基であることが好ましく、具体的には2-O-テトラデシル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-テトラデシルアスコルビン酸が好ましい。
【0016】
成分(A)のグリセリルアスコルビン酸誘導体の塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩などの金属塩や、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などのアンモニウム塩等が挙げられる。
【0017】
成分(A)のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩としては市販品を用いることができ、例えば、Amitose MGA、Amitose GMA(いずれも株式会社成和化成製)を用いることができる。
【0018】
本発明の化粧料では、成分(A)のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩を1種用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0019】
成分(A)のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩の配合量は、本発明の化粧料中に0.01質量%以上とするのが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上とするのが好ましい。また上限値は、2.0質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは1.5質量%以下とするのが好ましい。配合量が0.01質量%未満では、肌へ塗布した際の優れた使用感を得ることが難しく、一方、2.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0020】
[成分(B):HLBが10~18の非イオン性界面活性剤]
本発明の化粧料に配合する成分(B)は、HLBが10~18の非イオン性界面活性剤であれば特に制限はない。例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンステロールエーテルなどが挙げられる。
【0021】
前記成分(B)は非イオン性界面活性剤の中でも、グリフィン法を用いて算出したHLB(Hydrophile-Lipohile Balance)値が10~18の非イオン性界面活性剤であることが好ましく、さらに好ましくはHLB値が12~18である。HLB値が10未満の非イオン性界面活性剤を用いると前記成分(A)のグリセリルアスコルビン酸誘導体が経時的に析出するなど安定性を損なう問題が生じる可能性がある。
【0022】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-80水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油等が挙げられる。
【0023】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
【0024】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ラウリン酸ポリグリセリル-10等が挙げられる。
【0025】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、例えば、PPG-4セテス-20、PPG-8セテス-20、PPG-6デシルテトラデセス-30等が挙げられる。
【0026】
ポリオキシアルキレンステロールエーテルとしては、例えば、PEG-20フィトステロール、PEG-30フィトステロール等が挙げられる。
【0027】
成分(B)のノニオン性界面活性剤の中でも、化粧料の経時的な粘度変化を抑制することができる点から、好ましくは、PEG-40水添ヒマシ油(HLB12.5)、PPG-6デシルテトラデセス-30(HLB12.0)、PEG-30フィトステロール(HLB18.0)、ラウリン酸ポリグリセリル-10(HLB15.3)であり、PPG-6デシルテトラデセス-30、PEG-30フィトステロール、ラウリン酸ポリグリセリル-10であることがさらに好ましい。
【0028】
成分(B)のノニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができる。例えば、PEG-40水添ヒマシ油としては、NIKKOL HCO-40(商品名、日光ケミカルズ株式会社)、PPG-6デシルテトラデセス-30としては、NIKKOL SG-DTD630(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、PEG-30フィトステロールとしては、NIKKOL BPS-30(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、ラウリン酸ポリグリセリル-10としては、Sフェイス 10G-L(商品名、阪本薬品工業株式会社製)等を用いることができる。
【0029】
成分(B)のノニオン性界面活性剤の配合量は、本発明の化粧料中に0.1質量%以上とするのが好ましく、0.5質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、3.5質量%以下とするのが好ましく、3.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が0.1質量%未満では、経時的な安定性を得るのが難しく、一方、3.5質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0030】
[成分(C):増粘剤]
本発明の化粧料に含有される成分(C)の増粘剤は、アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩を構成単位として含む水性又は両親媒性ポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガムから選ばれることを特徴とする。これら特定の増粘剤を含有させることで、成分(A)のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩を含む化粧料の経時的な粘度変化を抑制することができる。また、皮膚に適用した場合には、グリセリルアスコルビン酸誘導体の美白効果を維持しつつ、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を発揮する。
【0031】
成分(C)の増粘剤としては、具体的には、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリレート-13(アクリル酸、アクリル酸アミド、アクリル酸Na及びアクリロイルジメチルタウリンNaの共重合体)、ポリアクリレートクロスポリマー-6(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸ラウリルとメタクリル酸ラウレス-4の共重合体をトリアクリル酸トリメチロールプロパンで架橋したもの)、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガム等が挙げられ、中でも、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、カルボマー、キサンタンガムが好ましく用いられる。
【0032】
成分(C)の増粘剤としては市販品を用いることができる。例えば、SEPPIC社製のSIMULGEL NS、SEPIPLUS S(いずれも(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー含有)、SEPIMAX ZEN(ポリアクリレートクロスポリマー-6含有)、ルーブリゾール株式会社製のPEMULEN TR-1((アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー含有)、Carbopol 980(カルボマー含有)、住友ファーマフード&ケミカル株式会社製のラボールガムGS-C(キサンタンガム含有)等を用いることができる。
【0033】
本発明のジェル状又はジェルクリーム状化粧料では、成分(C)の増粘剤を1種用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0034】
成分(C)の増粘剤の配合量は、本発明の化粧料中に0.1質量%以上とするのが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上とするのが好ましい。また上限値は、3.0質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは2.5質量%以下とするのが好ましい。配合量が0.1質量%未満では、経時的な安定性を得るのが難しく、一方、3.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0035】
本発明の化粧料には、前記の成分(A)~(C)に加えて、水を含有する。さらに、化粧料としての効果や安定性等を損なわない限りにおいて、その用途に応じて、通常化粧料に使用される他の成分を広く配合することができる。
【0036】
前記成分(A)~(C)や水の他に通常化粧料に使用される成分として、例えば、油剤、成分(B)以外の界面活性剤、高分子化合物、保湿剤、美白剤、感触改良剤、薬剤、紫外線吸収剤、タンパク質、タンパク質加水分解物又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、防腐剤、顔料、着色料、香料等を適宜配合することができる。
【0037】
油剤としては、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定はなく、いずれのものも使用することができる。具体的には、例えば、(C13-15)アルカン、(C15-19)アルカン、(C18-21)アルカン、(C21-28)アルカン、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン、水添ポリファルネセン等の炭化水素油;オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等のトリ脂肪酸グリセリル;N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2-オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤;イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸;オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類;シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等の鎖状シリコーン油;パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油;ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、テオブロマグランジフロルム種子脂、マンゴー種子脂、カカオ脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、ショレアステノプテラ脂、アフリカマンゴノキ核脂、アボカド脂、サラソウジュ種子脂、アストロカリウムムルムル脂、アストロカリウムムルムル種子脂、アストロカリウムツクマ種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、トリチリアエメチカ種子脂、バシアラチホリア種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、水素添加カカオ脂、(マカデミア種子油/水添マカデミア種子油)エステルズ、乳脂等が挙げられる。
【0038】
成分(B)以外の界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N-アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、ラウロイルカラスムギアミノ酸及びその塩、ココイルリンゴアミノ酸及びその塩等のアニオン性界面活性剤、
モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩等のアルキルアミン塩、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等の脂肪酸アミドアルキルアミン、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性界面活性剤、
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシ-N-ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩、アルキルヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤、
ステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ステアリン酸テトラグリセリル、オレイン酸テトラグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、ミリスチン酸ヘキサグリセリル、ステアリン酸ヘキサグリセリル、オレイン酸ヘキサグリセリル、オレイン酸デカグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、デシルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、セテアリルグルコシド、アラキルグルコシド、(C12-20)アルキルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘプチルグルコシド、ラウリルグルコシド等のアルキルグルコシド、グリセリン脂肪酸エステル及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油等の非イオン性界面活性剤、
PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のポリグリセリン変性シリコーン、ジメチルシロキサン・メチルセチルシロキサン共重合体等のシリコーン界面活性剤が挙げられる。
【0039】
高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、デキストラン、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、カチオンポリマー、前記成分(C)として例示した化合物以外のポリマー等が挙げられる。
【0040】
前記成分(C)以外のポリマーとしては、例えば、ポリアクリルアミド、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸べへネス-25)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25)クロスポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレーツ)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸べへネス-25)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレーツコポリマー、ビスステアリルPEG/PPG-8/6(SMDI/PEG-400)コポリマー等を挙げることができる。
【0041】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0042】
美白剤としては、例えば、ハイドロキノン、α―アルブチン、β―アルブチン、コウジ酸、コウジ酸ジパルミテート、ニコチン酸アミド、アスタキサンチン、ヒスチジンジチオオクタナミド(Na/亜鉛)、プラセンタエキス、ローズマリーエキス、ルシノール、マグノリグナン、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ルシノール、ローズマリーエキス、アルブチン、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチル塩酸塩、リノール酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウムなどのアスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
【0043】
感触改良剤としては、PPG-9ジグリセリル、PEG-11メチルエーテルジメチコン、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、アミロペクチン(アミロース)、アシル化アミノ酸、ポリメタクリル酸メチル、窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属石鹸、シリコーン粉体、ポリメチルメタクリル酸メチル、ジメチルシリル化シリカなどが挙げられる。
【0044】
薬剤としては、肌荒れ防止剤又は抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤又は抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤等も薬剤として挙げることができる。
【0045】
紫外線吸収剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体;パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸-2-エチルヘキシル(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシケイヒ酸誘導体;サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、オクトクリレン(2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸-2-エチルヘキシル)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)、エチルヘキシルトリアゾン及びビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等が挙げられ、また、上記紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルも挙げることができる。
【0046】
タンパク質、タンパク加水分解物又はその誘導体としては、例えば、乳タンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウマメタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆、ゴマ、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク質、これらの加水分解物又はタンパク加水分解物のアシル化、グリセリル化、シリル化、カチオン化、アルキルエステル化誘導体等が挙げられる。
【0047】
アミノ酸又はそれらの誘導体としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン等のアミノ酸、及びこれらのアシル化、アルキル化、グリセリル化、エステル化誘導体等が挙げられる。
【0048】
酸化防止剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ビタミンE又はその誘導体、タンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
【0049】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、リン酸、クエン酸、フィチン酸、エチドロン酸、グルタミン酸ジ酢酸ナトリウム塩等を挙げることができる。
【0050】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0051】
防腐剤としては、例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール等の1,2-アルカンジオール、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン等が挙げられる。
【0052】
上記通常化粧料に使用される成分は、1種単独で又は2種以上併用して用いることができる。
【0053】
本発明のジェル状又はジェルクリーム状化粧料の形態としては例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム、日焼け止め料、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、コンシーラーなどのスキンケア用化粧料として使用することができる。
【実施例0054】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例の表中に記載されている数値は、いずれも化粧料全質量に対する質量%である。
【0055】
実施例1~12及び比較例1~3:ジェルクリーム
表1、2に記載の(a)を混合し、(c)に添加した。その後、混合した(b)に添加することで、ジェルクリームを調製した。表2では、本発明の成分(B)以外の非イオン性界面活性剤を(B2)、成分(C)以外の増粘剤を(C2)として配合した。
【0056】
[安定性の評価]
上記で調製したジェルクリームを50℃の恒温槽に4週間及び8週間保存し、安定性について下記の評価基準で評価した。粘度測定はブルックフィールドLVT粘度計を用いて行った。その結果を表1、2に示す。
安定性:
◎: 調製直後に対して粘度変化が±10%未満であった。
〇: 調製直後に対して粘度変化が±10%以上、20%未満であった。
△: 調製直後に対して粘度変化が±20%以上、30%未満であった。
×: 調製直後に対して粘度変化が±30%以上であった。
【0057】
【表1】
表1中、
*1はAmitose MGA(2-O-テトラデシル-3-グリセリルアスコルビン酸を10質量%含有)、
*2はAmitose GMA(2-O-グリセリル-3-テトラデシルアスコルビン酸を20質量%含有)(以上、商品名、いずれも株式会社成和化成製)、
*3はNIKKOL SG-DTD630、
*4はNIKKOL BPS-30、
*5はNIKKOL HCO-60(以上、商品名、いずれも日光ケミカルズ株式会社製)、
*6はSフェイス 10G-L(商品名、阪本薬品工業株式会社製)、
*7はSEPIPLUS S((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)を約60%含有)、
*8はSIMULGEL NS((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)を約40%含有)、
*9はSEPIMAX ZEN(以上、商品名、いずれもSEPPIC社製)、
*10はPEMUREN TR-1、
*11はCarbopol 980(以上、商品名、ルーブリゾール社製)
*12はラボールガムGS-C(商品名、住友ファーマフード&ケミカル株式会社製)
として配合した。
【0058】
【表2】
表2中、*1~3、8は表1と同様で、
*13はSEPIGEL 305(ポリアクリルアミドを約40%含有)(商品名、SEPPIC社製)
として配合した。
【0059】
表1、2の結果から明らかなように、成分(A)~(C)を配合した実施例1~12のジェルクリームでは、保存中の粘度変化が少なく、経時安定性に優れていることが明らかである。一方、成分(B)以外の界面活性剤(B2)や成分(C)以外の増粘剤(C2)を配合した比較例1~3では保存中の粘度変化が顕著であり、優れた経時安定性を有していないことが明らかである。
【0060】
さらに、表1、2で調製した実施例1、4~6、10及び比較例1、2のジェルクリームを用いて、馴染みやすさ及びべたつき感の2項目について官能評価を行い、それぞれ実施例13~17、比較例4、5とした。10人のパネリストの前腕部にそれぞれのジェルクリームを塗布し、下記の基準に従い、評価を行った。
【0061】
[馴染みやすさの評価基準]
2:馴染みが良い。
1:やや馴染みが悪い。
0:馴染みが悪い。
【0062】
[べたつき感の評価基準]
2:べたつきを感じない。
1:ややべたつきを感じる。
0:べたつきを感じる。
【0063】
それぞれの評価結果を合計し下記のように分類した。結果を表3に示す。
◎:15~20点
○:10~14点
△:5~9点
×:0~4点
【0064】
【表3】
表3の結果から明らかなように、成分(A)~(C)を用いて調製した実施例13~17のジェルクリームは、成分(B)、(C)以外の成分を配合した比較例4、5と比べて馴染みの良さやべたつき感のなさにおいて同等以上の感触を有していることが明らかとなった。