(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058635
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】車両処理及び接続機能
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20240418BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240418BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20240418BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20240418BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20240418BHJP
【FI】
G06F9/50 120A
H04W88/06
H04W48/18
H04W48/16 130
H04W4/44
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023176511
(22)【出願日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】63/379,520
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505035585
【氏名又は名称】ポラリス インダストリーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】カール ターナー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド スウィツァー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ72
5K067KK05
(57)【要約】
【課題】 様々な処理及び接続機能をハードウェア使用可能性、電力制約、環境条件などに応じて提供するために、車両のための制御ユニットを提供する。
【解決手段】 制御ユニット200は、アプリケーションドメイン212と、汎用コア216及び特殊用途コア218を備えるリアルタイムドメイン214と、ドメイン制御論理210とを備える処理システム202を備える。ドメイン制御論理210は、汎用計算タスクを特殊用途コア218を使って実行することを車両の状況に基づいて決定することと、特殊用途コア218を汎用処理を実行するように構成し、それにより特殊用途コア218に汎用計算タスクを処理させることと、特殊用途コア218から汎用処理結果を受信することとを含む一組の動作を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のための制御ユニットであって、該制御ユニットは、
アプリケーションドメインと、
汎用コア及び特殊用途コアを備えるリアルタイムドメインと、
ドメイン制御論理と
を備える処理システムを備え、
前記処理システムによって実行される時、前記ドメイン制御論理は
汎用計算タスクを前記特殊用途コアを使って実行することを前記車両の状況に基づいて決定することと、
前記特殊用途コアを汎用処理を実行するように構成し、それにより前記特殊用途コアに前記汎用計算タスクを処理させることと、
前記特殊用途コアから汎用処理結果を受信することと
を含む一組の動作を実行する、制御ユニット。
【請求項2】
前記汎用コアは前記汎用計算タスクの第2汎用処理結果を同時に生成する、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記ドメイン制御論理は前記アプリケーションドメイン内で実行される、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項4】
計算資源に協力を求める前記アプリケーションドメイン内で実行されているソフトウェアからの要求に応答して前記特殊用途コアを使用することを決定する、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項5】
前記要求は前記ドメイン制御論理に関連するアプリケーションプログラミングインターフェースを介して受信される、請求項4記載の制御ユニット。
【請求項6】
前記一組の動作は、前記車両の状況の変化に応答して前記特殊用途コアを特殊用途処理を実行するように構成することを更に含む、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項7】
前記特殊用途処理は、
デジタル信号処理、
機械学習処理、
コントローラエリアネットワーク通信処理、
音声/映像符号化/復号、又は
図形処理
のうち1つ以上を含む、請求項6記載の制御ユニット。
【請求項8】
特殊用途処理用の第1動作モードと
汎用処理用の第2動作モードと
を規定する前記特殊用途コア用のファームウェアを更に備える請求項1記載の制御ユニット。
【請求項9】
前記車両の状況は、
前記車両が電源オンであるか、
前記車両がアイドリング状態であるか、
前記車両が後退になっているか、
前記車両が自律又は半自律制御で動作しているか、又は
車両内情報取得システムが使用中か
のうち1つ以上を含む、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項10】
前記ドメイン制御論理は遠隔指示を処理して前記特殊用途コアによる処理を構成する、請求項1記載の制御ユニット。
【請求項11】
車両の接続システムを制御するための方法であって、
前記車両と関連する一組の接続状態を評価するステップと、
前記接続システムがセルラーネットワークを介して通信する動作モードを前記一組の接続状態に基づいて決定するステップであって、前記接続システムは第1セルラーネットワーク規格と関連する第1動作モード及び第2セルラーネットワーク規格と関連する第2動作モードを有するデジタル信号プロセッサ(DSP)を備える、ステップと、
前記接続システムの前記DSPを前記決定された動作モードに応じて構成するステップと、
前記DSPを使ってセルラーネットワークを介して通信するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記第1セルラーネットワーク規格は第1の関連するデータ転送速度を有し、
前記第2セルラーネットワーク規格は前記第1の関連するデータ転送速度より低い第2の関連するデータ転送速度を有し、
前記DSPは前記第1の関連するデータ転送速度で動作でき、
前記決定された動作モードは前記第2動作モードであり、
前記DSPを前記第2動作モードに応じて構成するステップは、前記DSPをより低いデータ転送速度で動作するように構成するステップから成る、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第1セルラーネットワーク規格は前記第2セルラーネットワーク規格と比べてより小さい範囲を有する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1セルラーネットワーク規格はベースライン5G、ロング・ターム・エボリューション(LTE)カテゴリー1、又はLTEカテゴリー4のうち1つであり、
前記第2セルラーネットワーク規格は5GRedCap、LTEカテゴリーM、LTEカテゴリーM2、又は狭帯域物のインターネット(NB‐IoT)のうち1つである、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記接続システムは前記第1動作モード及び前記第2動作モード両方で通信するために使用される加入者識別モジュール(SIM)を更に備える、請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記SIMは電子SIM又は統合SIMである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記DSPは前記接続システムのソフトウェア無線の一部である、請求項11記載の方法。
【請求項18】
前記一組の接続状態は、
通信されるデータの推定又は測定量、
前記車両をその間動作させる推定期間、
時刻、
前記車両が電源オンか、
前記車両の電源の充電状態、又は
前記車両の地理的位置に関連するセルラーネットワーク情報
のうち少なくとも1つを含む、請求項11記載の方法。
【請求項19】
前記車両に関連する前記一組の接続状態の後の評価を実行するステップと、
前記後の評価に基づいて前記接続システムの前記動作モードを異なる動作モードに変更するステップと、
前記接続システムの前記DSPを前記異なる動作モードに応じて構成するステップと
を更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項20】
前記一組の接続状態は、
決定された動作モードに応じた前記接続システムの信号強度、
前記決定された動作モードに応じた使用可能な処理能力、
前記決定された動作モードに応じたネットワーク待ち時間、又は
前記決定された動作モードに応じた前記セルラーネットワークの混雑状態
のうち少なくとも1つを含む、請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2022年10月14日に出願された米国仮特許出願第63/379520号、名称「Vehicle Processing and Connectivity」の優先権の利益を主張するものであり、その内容を本明細書に引用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は車両処理及び接続機能に関する。
【背景技術】
【0003】
レクリエーション車両、例えばオートバイ、又はオフロード車両、例えば全地形用車両(ATV)、実用車(UV)、並列車両、及び雪上車はレクリエーション目的に広く使用される。様々な制約(例えば、エネルギー制約、ハードウェア制約、及び/又は製造制約)が、そのような車両が処理を実行するのに使用する資源に影響することがある。また、これらの車両は通信のための接続技術の使用可能性が様々である区域で使用されうる。
【0004】
実施形態はこれら及び他の一般的考慮事項に関して記述される。また、相対的に特定の問題が説明されたが、実施形態は背景において特定された特定の問題を解決することに限定されないことは理解されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、車両のための制御ユニット及び車両の接続システムを制御するための方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本書に提供される例は、車両処理及び接続機能(例えば、レクリエーション車両のための)に関する。代表的な実施形態はこれらに限定されないが下記の例を含む。
【0007】
1つの態様では、車両のための制御ユニットが提供される。該制御ユニットは、アプリケーションドメインと、汎用コア及び特殊用途コアを備えるリアルタイムドメインと、ドメイン制御論理とを備える処理システムを備え、前記ドメイン制御論理は前記処理システムによって実行される時、一組の動作を実行する。前記ドメイン制御論理によって実行される前記一組の動作は、汎用計算タスクを前記特殊用途コアを使って実行することを前記車両の状況に基づいて決定することと、前記特殊用途コアを汎用処理を実行するように構成し、それにより前記特殊用途コアに前記汎用計算タスクを処理させることと、前記特殊用途コアから汎用処理結果を受信することとを含む。
【0008】
別の態様では、車両の接続システムを制御するための方法が提供される。該方法は前記車両と関連する一組の接続状態を評価するステップと、前記接続システムがセルラーネットワークを介して通信する動作モードを前記一組の接続状態に基づいて決定するステップであって、前記接続システムは第1セルラーネットワーク規格と関連する第1動作モード及び第2セルラーネットワーク規格と関連する第2動作モードを有するデジタル信号プロセッサ(DSP)を備える、ステップと、前記接続システムの前記DSPを前記決定された動作モードに応じて構成するステップと、前記DSPを使ってセルラーネットワークを介して通信するステップとを含む。
【0009】
この概要は下記の詳細な説明で更に説明される選ばれた概念を簡略化して導入するために提供される。この概要は請求項に記載された主題の重要な又は本質的な特徴を特定するように意図されていないし、請求項に記載された主題の範囲を限定するのに使用されることも意図されていない。
【0010】
非限定で非網羅の例が下記の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の態様に係る、その処理及び接続機能が車両プラットフォーム及び遠隔計算装置と通信するのに使用されうるレクリエーション車両の部品例の代表図を示す。
【
図2】本書に記載された態様に係る処理及び車両接続機能のための車両の制御ユニット例を示す。
【
図3】本開示の態様に係る車両の処理機能を制御するためのプロセスフロー例の概要を示す。
【
図4】本書に記載された態様に係る車両の処理機能を制御するための方法例の概要を示す。
【
図5】本開示の態様に係る車両の接続機能を制御するための方法例の概要を示す。
【
図6】本書に記載された態様に係る車両処理及び接続機能の態様を実行するための計算システム600の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記の詳細な説明では、説明の一部を成し例示として特定の実施形態又は例を示す添付の図面を参照する。これらの態様は組み合わされ、他の態様が利用され、本開示から逸脱することなく構造上変更がされうる。実施形態は方法、システム、又は装置として実施されうる。従って、下記の詳細な説明は、限定する意味で解釈されるべきでなく、本開示の範囲は添付の請求項とそれらの同等物によって規定される。
【0013】
図1は本開示の態様に係るレクリエーション車両102の部品例の代表図を示し、その処理及び接続機能は車両プラットフォーム104及び遠隔計算装置106と通信するのに使用されうる。車両102は1つ以上の入力装置と1つ以上の出力装置を含む操作者インターフェース128を備えるとして示されている。入力装置の例はレバー、ボタン、スイッチ、ソフトキー、及び他の適切な入力装置を含む。出力装置の例はライト、表示器、音声装置、触覚装置、及び他の適切な出力装置を含む。車両コントローラ108は情報を表示器に操作者インターフェース128を介して提供し、及び/又は操作者インターフェース128から車両102の動作に影響しうるユーザー入力を及び/又は操作者インターフェース128を介して提示された情報などを受信しうる。
【0014】
図示のように、車両コントローラ108は幾つかのコントローラを含むとして表されている。これらのコントローラはそれぞれ単一の装置又は分散された装置であるか、又はこれらのコントローラの1つ以上は一緒に単一の装置又は分散された装置の一部でありうる。例えば、車両コントローラ108に関して本書に記述した機能は1つ以上の制御ユニットによって実行されてよく、その例が
図2の制御ユニット200に関して下記に提供される。これらのコントローラの機能はハードウェアによって及び/又は持続性コンピュータ読取可能記憶媒体上のコンピュータ命令群として実行されてよい。
【0015】
一例として、車両コントローラ108はネットワークを通じて通信する少なくとも2つの別々の制御ユニットを含んでもよい。1つの実施形態では、ネットワークはコントローラエリアネットワーク(CAN)バスである。1つの実施形態では、CANはJ1939プロトコルに従って実行される。代表的なCANに関する詳細は2005年、9月1日に出願された米国特許出願第11/218163号明細書に開示されている。この開示を本書に引用する。様々な追加の又は代替の通信技術及び/又は関連するプロトコルのいずれもCANバスに加えて或いは代わりに使用されてよいことは理解されるであろう。例えば、イーサネット又はBroadR‐Reach接続、ファイバー接続、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続、2線シリアル接続、及び/又は無線接続が他の例で使用されてよい。
【0016】
動きコントローラ110は車両102の動作を制御する様々な処理を実行しうる。一例として、動きコントローラ110はブレーキ/摩擦装置120の1つ以上のブレーキキャリパーの作動の圧力及び頻度、ステアリング装置122の1つ以上の地面係合部材のステアリング角、及び/又は動力装置124の1つ以上のエンジン、電気モーター、及び/又は他の動力伝達機構部品の出力を制御してよい。例では、動きコントローラ110はユーザー入力を外部制御(例えば、操作者インターフェース128の)により又は接続装置126を介して遠隔で(例えば、車両プラットフォーム104又は遠隔計算装置106から)受信し、車両102の動作をそれに応じて制御してよい。他の例では、車両コントローラ108は車両及び車両が動作している環境の検出された状態に応答して自動的に車両102の動作に影響する自律的動作可能システムであってもよい。
【0017】
車両コントローラ108はブレーキ/摩擦装置120の動作を制御するブレーキ/摩擦コントローラ112を更に備えてもよい。一例では、ブレーキ/摩擦コントローラ112は車両102のブレーキ/摩擦装置120、例えば車両102の1つ以上のブレーキキャリパーの作動の圧力及び頻度を制御する。別の例として、ブレーキ/摩擦コントローラ112は複数のセンサー、例えば軌道速度を監視する車両速度センサー及び/又はエンジンRPMセンサーを監視してよい。1つの実施形態では、ブレーキ/摩擦装置120はロック防止ブレーキを含む。1つの実施形態では、ブレーキ/摩擦装置120は能動的降下制御及び/又はエンジン制動を含む。1つの実施形態では、ブレーキ/摩擦装置120はブレーキを含み、幾つかの実施形態では、別のパーキングブレーキを含む。
【0018】
車両コントローラ108はステアリング装置122の動作を制御する動力操舵コントローラ114を更に含む。1つの例では、動力操舵コントローラ114は車両102の動力操舵ユニットによって提供されるアシストの量を制御する。例えば、動力操舵コントローラ114はユーザー入力を操作者インターフェース128を介して受信し、ステアリング装置122をそれに応じて制御する。また、動力操舵コントローラ114は複数のセンサーを監視する。センサー例は本願の譲受人に譲渡された名称「VEHICLE」の米国特許出願第12/135107号明細書に提示されている。この開示を本書に引用する。
【0019】
車両コントローラ108は動力装置124の動作を制御する動力装置コントローラ116を更に含む。例えば、動力装置124は動力源(例えば、内燃エンジン及び/又は電気モーター)、トランスミッション、及び1つ以上の差動装置のうち少なくとも1つを備えてよい。例えば、動力装置コントローラ116はユーザー入力を操作者インターフェース128を介して受信し、動力装置124をそれに応じて制御する。また、動力装置コントローラ116は、これらに限定されないが温度センサー、絞り弁位置センサー(TPS)、排気ガス温度センサー(EGT)、クランク位置センサー(CPS)、異常燃焼センサー(DET)、エアーボックス圧力センサー、吸気温度センサー、及びエンジン性能を制御するのに使用される様々な追加の又は代替のパラメータのいずれかを含む複数のセンサーを監視してもよい。
【0020】
車両コントローラ108はネットワーク105を介する車両102と他の装置(例えば、車両プラットフォーム104又は遠隔計算装置106)の間の通信を制御する接続コントローラ118を更に含む。例えば、ネットワーク105はローカル・エリア・ネットワーク、ピアツーピアネットワーク、インターネット、又は様々な他のネットワークのいずれかから成りうる。
【0021】
1つの実施形態では、接続コントローラ118はペアを成す装置とネットワーク105を介して通信する。無線ネットワーク例はBLUETOOTH(登録商標)プロトコルを利用する無線周波数ネットワークを含む。この例では、接続装置126は無線周波数アンテナを含んでもよい。接続コントローラ118は装置の車両102とのペアリングと、車両102とそのような遠隔装置の間の通信を制御してもよい。
【0022】
別の例として、接続装置126は本書に記載された態様に係るセルラー接続ハードウェアを更に含み、それに対応してネットワーク105は接続コントローラ118がそれを介して通信しうるセルラーネットワークを含む。例えば、接続コントローラ118は接続装置126のセルラー接続ハードウェアを管理し、データ転送速度、カテゴリー、及び/又は接続装置126が通信するのに使用する関連する規格を制御してよい。例はこれらに限定されないが、5G規格によって規定されるRedCap、ロング・ターム・エボリューション(LTE)規格によって規定されるカテゴリーM又はM2、狭帯域物のインターネット(NB‐IoT)、LTEカテゴリー1、及び/又はLTEカテゴリー4を含む。このような態様の追加の例は
図2及び5に関して下記に記述される。
【0023】
また、様々なネットワーク技術のいずれも使用されてよく、一例のネットワーク105が示されているが、任意の数のネットワーク及び関連技術が使用されてよいことは理解されるであろう。加えて或いは代わりに、例えば接続装置126は衛星アンテナ及び/又は有線通信のための1つ以上の部品などを含んでもよい。例えば、接続装置126は長距離無線(例えば、LoRa又はLoRaWAN通信用の)などを更に含んでよい。このように、接続装置126は上記のようにセルラーネットワークを介して通信するのに使用されうり、代わりに或いは加えて、長距離無線を介した車両間(V2V)通信を提供してもよい(例えば、セルラー通信が利用可能でない時)。V2V通信技術の追加の例は、本願の譲受人に譲渡された名称「COMMUNICATION SYSTEM USING VEHICLE TO VEHICLE RADIO AS AN ALTERNATE COMMUNICATION MEANS」の米国特許第10764729号、及び本願の譲受人に譲渡された名称「VEHICLE-TO-VEHICLE COMMUNICATION SYSTEM」の米国特許第11412359号の各明細書に提示されている。これらの開示の全体を本書に引用する。
【0024】
処理例を車両コントローラ108(及びそれを構成するコントローラ110、112、114、116、及び118)に関して上記で説明したが、他の例では様々な追加の又は代替の処理のいずれかを実行してもよいことは理解されるであろう。
【0025】
例えば、様々な遠隔測定データが車両102の動作中に生成され、車両コントローラ108によって処理されてよい。一例として、遠隔測定データは様々な車両装置(例えば、装置120~126)及び/又は関連するコントローラ(例えば、コントローラ112~118)から集められ又は取得され、次に車両プラットフォーム104に提供されてよい。幾つかの例では、車両コントローラ108は車両プラットフォーム104に提供する前に遠隔測定データを処理する(例えば、フィルターを掛ける、集計する、及び/又は圧縮する)。別の例として、車両コントローラ108は遠隔測定データを処理し、1つ以上の状態(例えば、操作者の注意を必要とする現在状態、又は予測されるもしくはやがて来る状態)の存在を特定し、それに応じて標示が操作者に提供されてもよい(例えば、操作者インターフェース128及び/又は遠隔計算装置106を介して)。
【0026】
別の例として、車両コントローラ108は車両内情報取得(IVI)システム(例えば、操作者インターフェース128の)に関連する処理、例えば音声及び/又は映像符号化/復号、及びデジタル/アナログ変換などを実行してもよい。別の例では、車両コントローラ108は様々な機械学習動作、例えば画像処理及び/又は物体認識/検出(例えば、車両102の自律的又は半自律的動作のための)のいずれかに関連する処理を実行してもよい。車両コントローラ108によって実行される処理はまた、これらに限定されないが無線更新(例えば、車両プラットフォーム104から得られる場合がある)、車両位置追跡(例えば、遠隔計算装置106を介して見る場合がある)、盗難警報(例えば、動き検出及び/又は地理上囲いに基づく)、及び/又は車両健康監視を含む様々なクラウドベース機能のいずれかを容易に又は可能にしうる。
【0027】
これら及び他のそのような機能の追加の例は、名称「VEHICLE COMMUNICATION AND MONITORING」の2021年10月20日に出願された米国特許出願第17/506249号明細書に記述されている。この開示全体を本書に引用する。例えば、車両コントローラ108によって実行される処理は、車両の状態(例えば、車両が休止か、遊休か、又は動作しているか、又は車両の蓄電池の充電状態に依って)に基づいて及び/又は遠隔指示(例えば、接続装置126を介して受信されることがある)に応答するなどして構成されてよい。追加の例が下記により詳細に記述される。
【0028】
図2は本書に記載された態様に係る処理及び車両接続機能のための車両(例えば、
図1の車両102)の制御ユニット200の例を示す。例えば、制御ユニット200の態様は、
図1の車両コントローラ108及び/又は操作者インターフェース128に関して上述した機能を提供するのに使用されてもよい。
【0029】
図示のように、制御ユニット200は処理システム202、接続システム204、CANインターフェース206、及び接続ハードウェア資源208を含む。処理システム202の態様は車両コントローラ108に関して上述した態様に類似してよく、従って下記に詳細には再説明されない。同様に、接続システム204及び接続ハードウェア資源208に関して本書に記載された態様は、
図1に関して上述した接続装置126及び/又は接続コントローラ118の少なくとも一部を形成してよい。例では、処理システム202、接続システム204、CANインターフェース206、及び/又は接続ハードウェア資源208の態様は、車両コントローラ(例えば、車両コントローラ108)として使用されうるシステム・オン・チップ(SoC)の少なくとも一部を形成してよい。
【0030】
処理システム202はドメイン制御論理210、アプリケーションドメイン212、及び汎用コア216と特殊用途コア218を含むリアルタイムドメイン214を備える。同様に、アプリケーションドメイン212は、1つ以上の関連する処理コア(不図示)を有してよい。例えば、アプリケーションドメイン212はLinux(登録商標)ベースオペレーティングシステムがそれ上で実行される関連する一組の汎用コアを有してよく一方、リアルタイムオペレーティングシステムはリアルタイムドメイン214の汎用コア216によって実行されてよく、デジタル信号処理(DSP)、CAN通信(例えば、CANインターフェース206を介する)、図形処理、人工知能(AI)又は機械学習(ML)などに関連する処理は、特殊用途コア218によって実行されてよい。
【0031】
従って、アプリケーションドメイン212は処理遅延及び安定性配慮に比較的敏感でないタスク(例えば、ナビゲーション及び/又はマルチメディア/IVI機能に関連しうる)を担当してよく一方、リアルタイムドメイン214は処理遅延及び安定性配慮に比較的より敏感で、車両(例えば、
図1の車両102のコントローラ110~118)の動作に関連しうる機能を担当してよい。例では、リアルタイムドメイン214はハードウェア割り込み(例えば、リアルタイム計時警報)又は様々な他の事象のいずれかに応答して電源オン状態に速やかに移行できうる。
【0032】
図示のように、処理システム202は独立に動作してよい複数の電源ドメイン(例えば、アプリケーションドメイン212及びリアルタイムドメイン214)に分割される。例えば、アプリケーションドメイン212及びリアルタイムドメイン214はそれぞれ関連する一組の電源状態及び/又はそれぞれが動作する周波数を有してよく、アプリケーションドメイン212は電源オフである時、リアルタイムドメイン214は待機状態又は電源オンであってよい。同様に、アプリケーションドメイン212はより低い電力状態で動作し(例えば、クロック速度及び/又は使用可能なコアの数が低減された)一方、リアルタイムドメイン214はより高い電力状態で動作してよい(例えば、最大クロック速度で及び/又は使用可能な全てのコアを使用して)。電源ドメイン例が示されているが、他の例では、様々な追加の又は代替のドメイン(及びそのコアの関連する部分)のどれでも使用してよいことは理解されるであろう。例えば、他の例では、特殊用途コア218の少なくとも幾つかは汎用コア216と異なる電源ドメインに置かれうる。
【0033】
特殊用途コア218は特殊用途処理(例えば、「Bluetooth」 Low Energy(BLE)などの無線プロトコル及び/又はセルラープロトコル用のDSP、AI/ML処理、CAN通信、及び/又は図形処理)を専ら行ってよい一方、コアの少なくとも幾つかはより偏りなく(例えば、特殊用途処理と汎用処理の間で)処理を行うことができうる。例えば、特殊用途コアはDSP処理及びリアルタイム一般処理の両方を実行できてよい。結果として、そのような特殊用途コアは本書に記載された態様に係る汎用処理を実行するように求められてもよく(そうでなければ汎用処理は汎用コア216によって実行されてよい)、そのことはSoCのトランジスタ数を低減し(例えば、より少ない汎用のみコアを含む結果として)、関連する消費電力を減らし、汎用処理用の使用可能な資源の量を増加させ、及び/又は処理速度を上げるなどしうる。また、このような態様は特殊用途コア218が使用されない場合を減らしうる。
【0034】
一例として、特殊用途コア用のファームウェアは、特殊用途コアが特殊用途処理及び汎用処理両方を実行するのを各タイプの処理に関連する動作モードを規定することで可能にしてもよい。ファームウェアはプログラム可能であり制御ユニット200が使用されるべき状況に依って変更されうり、及び/又は更新されうる(例えば、
図1の車両プラットフォーム104などの車両プラットフォームによって)。ファームウェアは特殊用途コアが特殊用途処理と汎用処理を切り換えるのを可能にする決定論理を含んでもよい。例では、そのような決定は特殊用途コア自体によって行われてもよい、又は特殊用途コアは受信した指示(例えば、汎用コア216及び/又はアプリケーションドメイン212が実行するソフトウェアから)に応答して切り換えてもよい。
【0035】
処理システム202は、幾つかの例ではアプリケーションドメイン212及び/又はリアルタイムドメイン214などによって実行されるか又は一部であってもよいドメイン制御論理210を備えるとして示されている。ドメイン制御論理210はリアルタイムドメイン214の特殊用途コア218よって実行される処理を管理してもよい。例えば、ドメイン制御論理210は複数の特殊用途コア218のうち1つ以上のコアを特殊用途処理又は汎用処理を実行するように構成してもよい。
【0036】
ドメイン制御論理210は特殊用途コア218を様々な基準のいずれかに従って及び/又は様々な事象のいずれかに応答して管理してもよい。例えば、ドメイン制御論理210は実行中のアプリケーション又はアプリケーションドメイン212内の他のソフトウェアからの指示を受信し計算資源に汎用計算タスクを実行するように要求してもよい。例では、その汎用計算タスクは既に実行中である(例えば、アプリケーションドメイン212及び/又はリアルタイムドメイン214の1つ以上のコア上で)。ドメイン制御論理210は1つ以上の特殊用途コア218が汎用処理に使用可能かを判断してよい。例えば、特殊用途コアは、使用されていない、そのコアが実行する処理を遅らせられる、及び/又はそのコアが実行する処理を別の特殊用途コアが実行できるなどならば、使用可能と判断されることがある。
【0037】
別の例として、ドメイン制御論理210は遠隔指示(例えば、接続システム204を介して受信された)を処理して、その遠隔指示によって指定された又はと関連する処理を実行する時にどの資源に処理を要求するべきかを決定する。遠隔指示は制御ユニット200に渡されるか又は制御ユニット200によって取得されるなどされてよいことは理解されるであろう。幾つかの例では、遠隔指示は処理が実行されるべき仕方(例えば、一組の基準及び/又はどのドメインを使用するべきか)を指定し、それに応じて、ドメイン制御論理210が処理してよい。従って、ドメイン制御論理210は遠隔指示を処理する時にアプリケーションドメイン212及び/又はリアルタイムドメイン214内で処理を実行するべきか判断してよく、処理システム202はそれに応じて構成される。
【0038】
別の例として、ドメイン制御論理210は所定の時間が経過するまで及び/又は車両の蓄電池が閾値などの基準に達するまでアプリケーションドメイン212内で処理を実行すると決めてもよい。そのような基準が満たされると、ドメイン制御論理210は処理を中断するか又はアプリケーションドメイン212からリアルタイムドメイン214へ処理を移すなどしてもよい。
【0039】
1つ以上の使用可能な特殊用途コアが特定されると、ドメイン制御論理210は汎用作業の指示を特定されたコアに提供し、特殊用途コアにそれに応じて汎用処理を実行させてもよい。例えば、特殊用途コアは汎用コア216、アプリケーションドメイン212の1つ以上のコア(不図示)、及び/又は様々な処理コア(例えば、図形処理ユニットの)のいずれかなどと共に汎用計算タスクを処理してよい。例では、特殊用途コアが汎用処理を完了すると、処理結果の標示が提供される(例えば、指示がそれから受信されたアプリケーションに)。このような態様の追加の例が
図3及び4に関して下記に説明される。
【0040】
別の例として、ドメイン制御論理210は車両の状況に依って複数の特殊用途コア218のうち1つ以上のコアに汎用処理の実行を要求するように決定することがある。例えば、車両が電源オンになると、特殊用途コアが音声/信号同調及び/又はデジタル/アナログ変換のために使用されてよい。一方、車両が電源オフ(又は関連するIVIが不使用)になると、ドメイン制御論理210は特殊用途コアを汎用処理に移行させるように決定してもよい。従って、特殊用途コア218は汎用コア216が実行する様々な処理を助けてもよく、それにより特殊用途コア218が汎用コア216の代わりに或いは加えて使用されるのを可能にする。
【0041】
同様に、特殊用途コアは、車両が駐車又は前進から後退に移行した結果として計算資源が後方視カメラフィードの映像及び/又はAI/ML処理のために必要だと決定されるまで、リアルタイムドメイン214の汎用処理のために使用されてもよい。そのような決定の結果として、特殊用途コアがそのような特殊用途処理に移行できるように、汎用計算タスクは再割り当て又は遅らされてよい。
【0042】
別の例として、特殊用途コア218は、アプリケーションドメイン212内で可能であるより比較的低い電力で車両プラットフォーム(例えば、
図1の車両プラットフォーム104)への送信の前にセンサーデータ及び/又は他の遠隔測定データを処理するように求められてもよい。従って、エッジ処理は車両においてアプリケーションドメイン212又は汎用コア216だけが使用される場合より少ない電力で及び/又はより少ない時間で実行されうる。
【0043】
制御ユニット200はCANインターフェース206だけを含むとして示されているが、他の例では様々な追加の又は代替の通信インターフェースのいずれも処理システム202によって使用されてよいことは理解されるであろう。他のそのようなインターフェースは、これらに限定されないが集積回路間(I2C)、シリアル周辺インターフェース(SPI)、携帯電話業界プロセッサインターフェース(MIPI)、カメラシリアルインターフェース(CSI)、MIPI表示シリアルインターフェース(DSI)、USB、及び/又は周辺部品相互接続エクスプレス(PCIe)などを含む。
【0044】
制御ユニット200は更に接続システム204及び接続ハードウェア資源208を備えるとして示されている。接続ハードウェア資源208の例は、これらに限定されないが1つ以上のアンテナと加入者識別モジュール(例えば、SIM差し込み口及びSIMカード、電子SIM(eSIM)、又は統合SIM(iSIM))を含む。図示のように、接続システム204は通信制御論理220、高速通信カテゴリー222、及び低速通信カテゴリー224を含む。例では、接続システム204は、より高い仕様のセルラー規格(例えば、高速通信カテゴリー222)のための一組のデータ転送速度及び/又は変調能力を支援するDSPを有するソフトウェア無線(SDR)を含み、このDSPはより低い仕様のセルラー規格(例えば、低速通信カテゴリー224)のための一組のデータ転送速度及び/又は変調能力を更に支援するように(例えば、通信制御論理220によって)構成されてもよい。
【0045】
例えば、高速通信カテゴリー222はカテゴリー1であってもよく一方、低速通信カテゴリー224はカテゴリーMであってもよい。別の例として、高速通信カテゴリー222はカテゴリー4であってもよく一方、低速通信カテゴリー224はNB‐IoTであってもよい。別の例では、高速通信カテゴリー222はベースライン5G接続であってもよく一方、低速通信カテゴリー224は5GRedCapであってもよい。しかし、より高いカテゴリー(例えば、カテゴリー1、カテゴリー4、又はベースライン5G)が提供するより高いデータ処理能力はより低いカテゴリー(例えば、カテゴリーM、NB‐IoT、又はRedCap)に比べて範囲が減少することがある。従って、高速通信カテゴリー222と関連する要件を支援する結果として、接続システム204は通信範囲の潜在的増加を達成するために比較的より低い又はより少ない技術的要求仕様を持つ規格を支援するように構成されてよい。
【0046】
高速/低速通信技術組み合わせ例を説明したが、任意の数及び/又は任意の組み合わせの通信技術が他の例では使用されてよいことは理解されるであろう。例えば、接続システム204は5Gを使用可能なら使用してよく(例えば、ベースライン5Gを高速通信カテゴリー222としてRedCapを低速通信カテゴリー224として使用する)、適用できるLTEに後退してもよい(例えば、代わりにカテゴリー1又は4を高速通信カテゴリー222としてカテゴリーM又はNB‐IoTを低速通信カテゴリー224として使用する)。
【0047】
結果として、接続システム204は関連する状況に応じてより高い処理能力だがより小さい範囲のカテゴリーからより低い処理能力だがより大きい範囲のカテゴリーに及びその逆に移行してよい。このような態様は、車両が相対的に強いセルラー有効範囲を有する都市/郊外地域と比較的より小さいセルラー有効範囲を有する遠隔地域の間を移動する場合などに有益でありうる。接続システム204は2つの通信カテゴリー222、224を含むとして示されているが、追加の又は代替のカテゴリーが他の例では含まれてもよいことは理解されるであろう。
【0048】
従って、接続システム204は、接続システム204(例えば、SDR及び/又はそれと関連するDSP)を高速通信カテゴリー222と低速通信カテゴリー224両方に従って動作させるように構成されたファームウェアを含んでもよい。例えば、ファームウェアは接続システム204の態様を関連するビットレート及び/又は特定のセルラープロトコルに関連する変調方式に従ってデジタル信号を生成するように構成してもよい。得られたデジタル信号(例えば、カテゴリー222又はカテゴリー224に関連する)は接続ハードウェア資源208を介して送信されてよい。加えて又は代わりに、クロック速度は増加/減少させられてよく、及び/又はハードウェアブロックは、接続システム204がそれ用に構成されている通信カテゴリーに依って使用可能及び/又は使用不可にされてよい。
【0049】
通信制御論理220は、これらに限定されないが送信及び/又は受信されるべき推定又は決定された量のデータ、車両が動作する推定された継続時間、信号強度、使用可能な処理能力、ネットワーク待ち時間、ネットワーク混雑状態、時刻、車両が電源オンか、及び/又は車両の電源の充電状態、及び/又は地理的位置及び関連するセルラーネットワーク情報(例えば、
図1の車両プラットフォーム104などの車両プラットフォームから取得されうる)を含む様々な接続状態のいずれかに応じて接続システム204の動作モードを切り替えてもよい。
【0050】
接続システム204を局所接続状態に基づいて制御するのに加えて又は代わりに、通信制御論理220は一群の装置の接続状態に対応する遠隔指示を処理してもよい。例えば、接続情報は一群の装置から集められてよく(例えば、車両プラットフォーム104又は他のサービスによって)、そのサービスによって処理されより大きな一群の装置(例えば、一個の装置又は閾値又は密度未満の数の装置ではなく)に影響する問題が存在するか判断してよい。例えば、待ち時間、信号強度、及び/又は帯域幅などは、一組の閾値に基づいて及び/又はネットワーク性能履歴などに基づいて処理されて問題が存在するか判断してよい。一例として、サービスは装置を地理的近さ、セルラー電話会社、及び/又は装置タイプなどに従ってグループ分けしてよく、一群の装置はその一群の装置に問題があるかを判断するために評価される。サービスが問題を特定すると、サービスは影響された装置(例えば、接続システム204を含む装置)に指示を提供し、それに応じて通信制御論理220は接続システム204を再構成してもよい。
【0051】
例えば、影響された装置は高速通信カテゴリー222から低速通信カテゴリー224へ、又はその逆に移行するように指示されてもよい。このような例では、サービスは様々な通信カテゴリー及び/又は技術を使用する装置の接続状態情報(例えば、一群の装置によって提供されうる及び/又はそれらの装置との他の通信に基づいて判断されうる)を有してもよく、サービスはそのようなカテゴリー/技術の性能(例えば、待ち時間、信号強度、帯域幅)を比較し決定してもよい。
【0052】
別の例として、サービスは接続状態情報を集め、集めた状態情報を特定の地理的区域内の装置に提供し、それにより個々の装置が集められた状態情報に基づいて決定するのを可能にしてもよい。従って、接続システム204の構成は、局所接続状態、サービスから受信した集められた状態情報に基づく指示、及び/又はこのようなサービスからの集められた状態情報などに基づいて通信制御論理によって制御されてよい。
【0053】
例えば、通信制御論理220は、比較的高速のセルラーネットワーク接続(例えば、高速通信カテゴリー222)が使用可能ならば、デフォルトを高速通信カテゴリー222にする。次に、比較的遠隔で及び/又はデータが限られている場合にそうでありうるように低信号品質及び/又は低処理量の場合、通信制御論理220は低速通信カテゴリー224に後退してもよい。
【0054】
上述したように、通信制御論理220は地理的位置(例えば、不図示の位置特定装置によって決定されうる)に基づいてセルラーカテゴリーを選択してよい。制御ユニット200はセルラーゾーン帯域データ及び/又は他のセルラーネットワーク情報を地図データと関連付けて記憶してよく、それらは地理的位置に基づいて評価されセルラー接続の使用可能性を判断しうる。このような例では、通信制御論理220は地理的位置に基づいて低速通信カテゴリー224に後退するように(例えば、先ず高速通信カテゴリー222による接続を試みることなく)決定してもよい。
【0055】
接続システム204のSDRによって提供される柔軟性の結果として、複数のモデム及び/又はSIMを使用することなく複数のセルラープロトコルが支援され、それにより制御ユニット200の設計を簡略化し、関連するエネルギー消費と製造コストを低減して、異なるセルラープロトコル間の移行に関連するオーバーヘッドを低減することがある(例えば、セルラーネットワークで第2モデムを初期化するために必ずしも第1モデムの初期化を取り下げない)。
【0056】
制御ユニット200は単一の制御ユニットとして示されているが、他の例では、制御ユニット200の態様は任意の数の制御ユニットに分散されてよいことは理解されるであろう。例えば、同様の態様は操作者インターフェースと拡張インターフェースを介して通信しうる遠隔制御ユニットによって実行されてよい。別の例として、技術的違いが様々なプロトコル、カテゴリー、及び/又は技術に亘る再使用可能性を制限する例では、接続ハードウェアの複数のインスタンスが使用されてよい。例えば、複数のモデムが使用されてよい、又は別の例として、セルラーモデムは長距離無線と共に使用され通信のV2V通信などへの後退を可能にしてよい。このような態様の追加の例が米国特許出願第17/506249号明細書の少なくとも
図43、44、45A、45B、46A、46B及び関連する記述に説明されている。これ全体を上述したように本書に引用する。
【0057】
図3は本開示の態様に係る車両の処理機能を制御するためのプロセスフロー例300の概要を示す。図示のように、プロセスフロー300はソフトウェア302、ドメイン制御論理304、及び特殊用途コア306間で行われる。ドメイン制御論理304及び特殊用途コア306の態様は
図2のドメイン制御論理210及び特殊用途コア218に類似し、従って、詳細には下記に再記述されない。ソフトウェア302はアプリケーションドメイン(例えば、アプリケーションドメイン212)又はリアルタイムドメイン(例えば、リアルタイムドメイン214)などで実行されてよい。
【0058】
図示のように、フロー300は計算資源に協力を求める要求を生成する動作308から始まる。例では、その要求は汎用計算タスクのために計算資源に協力を求める。その要求はソフトウェア302がオペレーティングシステム及び/又は関連するスケジューラによって提供されうるアプリケーションプログラミングインターフェース(API)への呼び出しを生成した結果として生成されることがある。別の例として、要求は上述したように車両により処理を実行する遠隔指示により発生してもよい。
【0059】
動作310では、ドメイン制御論理304は使用可能な一組の計算資源を決定する。例えば、ドメイン制御論理304は1つ以上の特殊用途コア(例えば、
図2の特殊用途コア218)の使用可能性を評価するなどしてよい。その評価は特殊用途コアの利用、処理が1つの特殊用途コアから別の特殊用途コアに移行しうるか、及び/又は特殊用途コアにより実行される処理が遅らせられうるかなどを評価することを含んでよい。幾つかの例では、動作310はソフトウェア302から受信された要求に関連する状況(車両、例えば車両102に関連しうる)を評価することを含む。例はこれらに限定されないが、車両が電源オンか、アイドリング状態か、後退か、又は自律的にもしくは半自律的制御で動作しているかを評価することを含む。そのような状況では、特殊用途コアは特殊用途処理を実行していてこれら及び他の車両機能を支援してもよく、従って、汎用処理を実行するのに使用可能でないと判断されることがある。
【0060】
フローは動作312に進み、特定された計算資源にソフトウェア302のための処理について協力を求める指示がその計算資源(例えば、1つ以上の特殊用途コア)に送信される。指示は特殊用途コア306用のファームウェアの機能に対応してもよく、そのファームウェアは特殊用途コア306が本書に記載された態様に係る特殊用途処理及び汎用処理両方を選択的に実行するのを可能にする。例では、動作312は汎用計算タスクを特殊用途コア306が実行する指示を提供することを更に含む。フロー300は単一の特殊用途コア306に関して示されているが、他の例では任意の数の特殊用途コアが使用されてよいことは理解されるであろう。
【0061】
動作314では、その指示が特殊用途コア306によって受信され、それに応答して特殊用途コア306は動作316で汎用処理に移行する。例では、汎用処理への移行は、特殊用途コア306が実行していた特殊用途処理に関連する状態を保存し、及び/又はその処理の指示を別の特殊用途コアに提供すること(異なる特殊用途コアが特殊用途コア306の代わりに処理を実行する時にそうでありうるように)を含む。
【0062】
フロー300は特殊用途コア306が既に特殊用途処理を実行している例で示されているが、特殊用途コア306が使用されない、遊休である、又は電源オフであるなどの例でも同様の手法が使用されてよいことは理解されるであろう。
【0063】
ソフトウェア302の汎用計算タスクの汎用処理結果が動作318で生成され、その標示が動作320でドメイン制御論理304に提供される。従って、ドメイン制御論理304は汎用処理結果の標示を動作322で受信し、動作324でソフトウェア302に提供する。幾つかの例では、上記例のようにドメイン制御論理304を介する代わりに汎用処理結果はソフトウェア302に直接提供されてもよい。
【0064】
動作326で、ソフトウェア302は汎用処理結果の標示を受信し、動作328でソフトウェア302は特殊用途コア306によって少なくとも部分的に生成された汎用処理結果に基づいて後の処理を実行する。例えば、幾つかの例では、追加の計算資源(例えば、汎用及び/又は特殊用途コア)に動作310及び312で協力を求めていてもよく、協力した計算資源からの処理結果はまとめられ又は総計され(例えば、ドメイン制御論理304によって)、動作326でソフトウェア302がその結果を得てもよい。
【0065】
フロー300は特殊用途コア306が特殊用途処理に移行すると決める動作330及びついに特殊用途処理に移行する動作332を更に含むとして示されている。例えば、特殊用途コア306は汎用処理が終わると自動的に特殊用途処理を再開してよい。別の例として、特殊用途処理に移行する指示はドメイン制御論理304から受信されうる。
【0066】
従って、動作332は特殊用途コア306によって実行された前の特殊用途処理に関連する状態情報(例えば、動作316で生成されえたような)にアクセスすること、又は別の特殊用途コアによって一時的に実行されていた処理を再開することなどを含んでよい。動作330及び332は、幾つかの例では省略されうることを示す破線枠を使って示されている。例えば、汎用処理が終わると、特殊用途コア306は遊休状態に置かれるか又は電源がオフされてもよい。フロー300は動作328で終了し、幾つかの例では、動作332で終了する。
【0067】
図4は本書に記載された態様に係る車両の処理機能を制御するための方法例400の概要を示す。例では、ドメイン制御論理(例えば、
図2及び3のドメイン制御論理210又は304)は方法400の態様を含む。例えば、方法400の態様はオペレーティングシステムのスケジューラによってアプリケーションドメイン(例えば、アプリケーションドメイン212)又はリアルタイムドメイン(例えば、リアルタイムドメイン214)などで実行されるように実行されてよい。
【0068】
方法400は特殊用途コアが特殊用途処理を実行するように構成される動作402から始まる。例では、動作402は特殊用途処理指示を特殊用途コアに提供し、それに応じてその特殊用途コアのファームウェアにそのコアを構成させることを含む。動作402の結果として、特殊用途コアは特殊用途処理を動作404で実行する。特殊用途処理の例はこれらに限定されないが、デジタル信号処理、AI/ML処理、CAN通信処理、音声/映像符号化/復号、及び/又は図形処理などを含む。
【0069】
判断406では、特殊用途コアを汎用処理に移行させるかを判断する。上述したように、判断は車両(例えば、
図1の車両102)の状況及び/又は特殊用途コア及び/又は他の関連するコア(例えば、同じ電源ドメイン内の)が実行している処理などに少なくとも部分的に基づいてよい。他の例では、判断406は汎用処理のために計算資源に協力を求める要求(例えば、
図3で動作310に関して上述した)に基づいて実行される。別の例として、判断406は特殊用途処理タスクが終了した時に及び/又は遠隔指示などに基づいて実行されてよい。従って、様々な処理のいずれも実行され特殊用途コアを汎用処理に移行させるかを判断してよいことは理解されるであろう。
【0070】
特殊用途コアを移行させないと決定されると、フローは「NO」に分岐し動作404に戻り特殊用途コアは特殊用途処理を実行し続けてよい。方法400は特殊用途処理が継続する例で示されているが、他の例では特殊用途コアは遊休状態に置かれるか又は電源オフされてもよい(特殊用途処理が終了した時にそうでありうるように)ことは理解されるであろう。
【0071】
しかし、特殊用途コアを汎用処理に移行させると決定されると、フローは「YES」に分岐し動作408に進み、特殊用途コアは汎用処理を実行するように構成され、それにより動作410で特殊用途コアに汎用処理を実行させる。動作408及び410の態様は
図3の動作316及び318に関して上述した態様と類似してよく、従って詳細には再記述されない。
【0072】
フローは判断412に進み、特殊用途コアを特殊用途処理に戻すか判断する。判断406と同様に、その判断は車両(例えば、
図1の車両102)の状況及び/又は特殊用途コアと関連する他のコア(例えば、同じ電源ドメイン内の)が実行している処理などに少なくとも部分的に基づいてよい。例えば、追加の特殊用途処理(例えば、
図2に関して上述した物体検出/認識、画像処理、及び/又はCAN通信などのための)が必要と判断されることがあり、特殊用途コアは汎用処理から離脱してよい。追加の例として、判断412は汎用処理タスク(動作410で実行されていた)が終了した時に実行されてよい。従って、様々な処理のどれでも実行され特殊用途コアを特殊用途処理に戻すか判断してよい。
【0073】
特殊用途コアを移行させないと決定されると、フローは「NO」に分岐し動作410に戻り特殊用途コアは汎用処理を実行し続けてよい。方法400は汎用処理が継続する例で示されているが、他の例では特殊用途コアは遊休状態に置かれるか又は電源オフされてもよい(汎用処理が終了した時にそうでありうるように)ことは理解されるであろう。
【0074】
しかし、特殊用途コアを特殊用途処理に移行させると決定されると、フローは「YES」に分岐し動作402に戻り、特殊用途コアは特殊用途処理を実行するように構成され、それにより動作404で特殊用途コアに特殊用途処理を再開させる。
【0075】
方法400は単一の特殊用途コアを管理する例で記述されているが、同様の手法が任意の数のコアを管理するのに使用されてもよいことは理解されるであろう。加えて、方法400はコアが特殊用途処理を実行することから始まるとして示されているが、他の例では方法400は、先行する特殊用途処理がなく特殊用途コアは汎用処理のために構成される動作408から始まってよいことは理解されるであろう。同様に、方法400はループする必要がなく、特殊用途処理又は汎用処理が終了した後、方法400はそれぞれ動作404又は動作410で終了してもよい。
【0076】
図5は本開示の態様に係る車両の接続機能を制御するための方法例500の概要を示す。例では、通信制御論理(例えば、
図2の通信制御論理220)は方法500の態様を含む。方法500の態様は定期的に(例えば、変化する接続状態に応答して)、及び/又は様々な事象(例えば、車両が電源オン及び/又は電源オフされる時、利用可能なCANデータの量が所定の閾値を超える時、及び/又はユーザーが車両のIVIと対話する時)のいずれかに応答するなどして実行されてよい。
【0077】
図示のように、方法500は一組の接続状態が評価される動作502から始まる。上述したように、接続状態例は、これらに限定されないが送信及び/又は受信されるデータの推定又は測定量、車両をその間動作させるであろう推定期間、信号強度、使用可能な処理能力、ネットワーク待ち時間、ネットワーク混雑状態、時刻、車両が電源オンか、及び/又は車両の電源の充電状態、及び/又は地理的位置、及び関連するセルラーネットワーク情報を含む。例では、その一組の接続状態は上述した局所接続状態及び/又は遠隔接続状態を含む。例えば、遠隔接続状態は一組の装置から接続状態を集め、集めた状態情報を一群の装置に提供するサービスから得られる。別の例として、接続状態評価を遠隔で実行する時にそうでありうるように、動作502はそのようなサービスからそれと通信しようとする状態の標示を受信することを含む。
【0078】
方法500は動作カテゴリーが動作502で実行された評価に基づいて決定される動作504に進む。一例として、一組の使用可能なカテゴリーは
図2の高速通信カテゴリー222及び低速通信カテゴリー224を含んでよい。例えば、車両の地理的位置に基づいて高速セルラー通信は使用可能でなさそうだ、又は現在のセルラー接続は混雑している、信号品質が良くない、及び/又は待ち時間が多いと判断されると、動作504でより低いカテゴリー(例えば、5GRedCap、カテゴリーN、又はNB‐IoT)に決めてもよい。一方、車両の地理的位置が高速セルラー通信は使用可能でありそうだと示すか、又は時刻が高速接続は混雑しそうにないと示すならば、より高いカテゴリー(例えば、ベースライン5G、カテゴリー1、又はカテゴリー4)に決めてもよい。
【0079】
そのような態様が一例として提供され、他の例では、一組の接続状態が一組の規則(階層的でありうる)に従って又は様々な追加の又は代替の手法のいずれかに従って評価され一組の使用可能なカテゴリーのうちどのカテゴリーを使用するかを決めてよい。また、使用可能なカテゴリーは2つのカテゴリーに限定される必要はなく、他の例では、追加の又は代替のカテゴリーが使用されてもよい。また、同様の手法が通信技術を切り換える、例えばセルラー通信かV2V通信かをセルラー接続の使用可能性に依って選択するのに使用されてもよいことは理解されるであろう。
【0080】
動作506で、接続システム(例えば、
図2の接続システム204)は動作504で決定された動作カテゴリー用に構成される。例では、接続システムを構成することは、接続システムのDSPを決定されたカテゴリー又はプロトコルに従って動作するように構成し、それによりDSPに特定のセルラープロトコルのための関連するビットレート及び/又は変調方式に従ってデジタル信号を生成させることを含む。
【0081】
1つの通信技術から別の通信技術に移行することを決定する例では、動作506は特定された通信インターフェースによる通信を使用可能にし、その他の通信インターフェースによる通信を使用不可にすることを含む。例えば、V2Vにより通信することが決定されると別の車両との接続が確立され一方、セルラーモデムが電源オフされるか待機状態にされてもよい。別の例として、通信インターフェースは使用可能な状態(例えば、別の車両又はセルラーネットワークに接続された)に保持されてもよいが、接続は代わりに他の通信インターフェースを介して経路付けられてもよい。幾つかの例では、そのような経路付け手法を使って移行することは、通信インターフェース間のより迅速な移行を可能にしうる。
【0082】
フローは動作508に進み、動作506で構成された接続システムを介し接続ハードウェア資源(例えば、
図2の接続ハードウェア資源208)を使って通信が行われる。例えば、接続システムのDSPは無線周波数上に変調され接続ハードウェア資源のアンテナを介して送信されうる上記デジタル信号を生成してもよい。同様に、信号はアンテナを介して受信されDSPを使って処理され、それに応じてデジタル出力を生成してよい。
【0083】
最終的に、フローは判断510に進み、接続システムが動作しているカテゴリーを変更するかを判断する。判断510の態様は動作502に類似してもよく、一組の接続状態が評価され、動作カテゴリーを変更すべきか判断してよい。例では、一組の規則が使用され、及び/又は1つ以上の接続状態が関連する所定の閾値などに基づいて評価されてもよい。一例として、信号強度が所定の閾値未満であり、接続システムは高速カテゴリーから低速カテゴリーに移行するべきと判断されることがある。逆に、信号強度が別の所定の閾値超であり、接続システムは低速カテゴリーから高速カテゴリーに移行するべきと判断されることがある。別の例として、遠隔指示が複数の装置から接続情報を集めるサービスから受信されてもよく、又は手入力指示が車両の操作者から受信され、その操作者が特定の動作カテゴリーを要求する、又は高速カテゴリーによる接続を再度試みることなどを要求してもよい。従って、様々な処理のいずれかが実行され接続システムの動作カテゴリーを変更するかを判断してもよいことは理解されるであろう。
【0084】
動作カテゴリーを変更しないと判断されると、フローは「NO」に分岐し動作508に戻り、通信は接続システムにより現在構成のまま継続されてよい。一方、動作カテゴリーを変更すると決定されると、フローは「YES」に分岐し動作504に戻り、異なる動作カテゴリーが決定される。従って、接続システムは動作506で異なる動作カテゴリーに応じて再構成され、動作508で異なる動作カテゴリーにより通信が実行されてよい。従って、方法500の態様はカテゴリーを切り換える時(2つの異なるモデムを使用する時のように)、セルラーネットワークの初期化の取り下げ及び再初期化を省略してもよい。
【0085】
方法400及び500が別々に
図4及び5に示されているが、幾つかの例では、使用可能な通信カテゴリー/技術は処理システム(例えば、
図2の処理システム202)が構成される仕方に影響しうり、逆に処理システムの構成がどの通信カテゴリー/技術が接続システム(接続システム204)によって使用されるかに影響してもよい。
【0086】
例えば、低速通信カテゴリーだけが使用可能と判断されると、ドメイン制御論理(例えば、
図2のドメイン制御論理210)は処理を比較的低い電力状態で実行されるように構成してよい。同様に、接続システムが高速通信カテゴリーで動作しているならば、ドメイン制御論理は処理を比較的高い電力状態で実行されるように構成してよい。
【0087】
逆に、処理システムがより高い電力(又はより高い処理能力)状態で動作しているならば、接続システムは高速通信カテゴリーを使用して動作するように構成されてよい。同様に、処理システムがより低い電力(又はより低い処理能力)状態で動作しているならば、接続システムは低速通信カテゴリーを使用して動作するように構成されてよい。従って、 各システムの制御論理の上述した態様に加えて又は代替として、処理システム及び/又は接続システムの動作は相互に依存することがある。
【0088】
図6は本書に記載された態様に係る車両処理及び接続機能の態様を実行するための計算システム600の略図を示す。例えば、車両プラットフォーム104、遠隔計算装置106、車両コントローラ108、及び/又は制御ユニット200の機能の幾つか又は全てが計算システム600と類似の部品を有する計算システムによって実行されてよい。この略図は単に例であり、請求項の範囲を不当に限定すべきでない。当業者は多くの変形、代替、及び部分変更を認識するであろう。
【0089】
計算システム600は、プロセッサ604、表示器606、カーソル制御部品608、入力装置610、主メモリ612、読出し専用メモリ(ROM)614、記憶ユニット616、及び/又はネットワークインターフェース618の間で情報を通信するためのバス602又は他の通信機構を備える。幾つかの例では、バス602はプロセッサ604、表示器606、カーソル制御部品608、入力装置610、主メモリ612、読出し専用メモリ(ROM)614、記憶ユニット616、及び/又はネットワークインターフェース618に結合される。ある例では、ネットワークインターフェース618はネットワーク620(例えば、
図1のネットワーク105)に結合される。
【0090】
幾つかの例では、プロセッサ604は1つ以上の汎用及び/又は特殊用途マイクロプロセッサを含む。幾つかの例では、主メモリ612(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュ、及び/又は他の動的記憶装置)は情報及びプロセッサ604によって実行される命令群を記憶するように構成される。ある例では、主メモリ612はプロセッサ604によって命令群が実行される間、一時的変数又は他の中間情報を記憶するように構成される。例えば、プロセッサ604がアクセス可能な記憶ユニット616に記憶された時、命令群は、計算システム600を命令群に指定された動作(例えば、
図1~5に関して上述した態様)を実行するようにカスタマイズされた特殊用途マシンにする。幾つかの例では、ROM614は静的情報及びプロセッサ604用の命令群を記憶するように構成される。ある例では、記憶ユニット616(例えば、磁気ディスク、光ディスク、又はフラッシュドライブ)は情報及び命令群を記憶するように構成される。
【0091】
従って、計算システム600は少なくともある形態のコンピュータ読取可能媒体を備えてもよい。コンピュータ読取可能媒体はプロセッサ604又は他の装置がアクセスできる任意の使用可能な媒体であってよい。例えば、コンピュータ読取可能媒体はコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことがある。コンピュータ記憶媒体は、情報、例えばコンピュータ読取可能命令群、データ構造体、プログラムモジュール、又は他のデータの記憶のための任意の方法又は技術で実現された揮発性、不揮発性、取り外し可能、及び取り外し不能媒体を含んでよい。コンピュータ記憶媒体は通信媒体を含まないことがある。
【0092】
幾つかの実施形態では、表示器606(例えば、ブラウン管(CRT)、LCD表示器、又はタッチ画面)は計算システム600のユーザーに情報を表示するように構成される。幾つかの例では、入力装置610(例えば、英数字及び他のキー)は情報及び指令をプロセッサ604に通信するように構成される。例えば、カーソル制御608(例えば、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キー)は追加の情報及び指令(例えば、表示器606上のカーソル移動を制御する)をプロセッサ604に通信するように構成される。
【0093】
下記の項は開示された主題の例として提供される。
【0094】
1.車両のための制御ユニットであって、該制御ユニットは、アプリケーションドメインと、汎用コア及び特殊用途コアを備えるリアルタイムドメインと、ドメイン制御論理とを備える処理システムを備え、前記処理システムによって実行される時、前記ドメイン制御論理は汎用計算タスクを前記特殊用途コアを使って実行することを前記車両の状況に基づいて決定することと、前記特殊用途コアを汎用処理を実行するように構成し、それにより前記特殊用途コアに前記汎用計算タスクを処理させることと、前記特殊用途コアから汎用処理結果を受信することとを含む一組の動作を実行する、制御ユニット。
【0095】
2.前記汎用コアは前記汎用計算タスクの第2汎用処理結果を同時に生成する、項1記載の制御ユニット。
【0096】
3.前記ドメイン制御論理は前記アプリケーションドメイン内で実行される、項1、2のいずれかに記載の制御ユニット。
【0097】
4.計算資源に協力を求める前記アプリケーションドメイン内で実行されているソフトウェアからの要求に応答して前記特殊用途コアを使用することを決定する、項1~3のいずれかに記載の制御ユニット。
【0098】
5.前記要求は前記ドメイン制御論理に関連するアプリケーションプログラミングインターフェースを介して受信される、項4記載の制御ユニット。
【0099】
6.前記一組の動作は、前記車両の状況の変化に応答して前記特殊用途コアを特殊用途処理を実行するように構成することを更に含む、項1~5のいずれかに記載の制御ユニット。
【0100】
7.前記特殊用途処理は、デジタル信号処理、機械学習処理、コントローラエリアネットワーク通信処理、音声/映像符号化/復号、又は図形処理のうち1つ以上を含む、項6記載の制御ユニット。
【0101】
8.特殊用途処理用の第1動作モードと汎用処理用の第2動作モードとを規定する前記特殊用途コア用のファームウェアを更に備える項1~7のいずれかに記載の制御ユニット。
【0102】
9.前記車両の状況は、前記車両が電源オンであるか、前記車両がアイドリング状態であるか、前記車両が後退になっているか、前記車両が自律又は半自律制御で動作しているか、又は車両内情報取得システムが使用中かのうち1つ以上を含む、項1~8のいずれかに記載の制御ユニット。
【0103】
10.前記処理システムはチップ上のシステムの少なくとも一部である、項1~9のいずれかに記載の制御ユニット。
【0104】
11.前記ドメイン制御論理は遠隔指示を処理して前記特殊用途コアによる処理を構成する、項1~10のいずれかに記載の制御ユニット。
【0105】
12.車両の接続システムを制御するための方法であって、前記車両と関連する一組の接続状態を評価するステップと、前記接続システムがセルラーネットワークを介して通信する動作モードを前記一組の接続状態に基づいて決定するステップであって、前記接続システムは第1セルラーネットワーク規格と関連する第1動作モード及び第2セルラーネットワーク規格と関連する第2動作モードを有するデジタル信号プロセッサ(DSP)を備える、ステップと、前記接続システムの前記DSPを前記決定された動作モードに応じて構成するステップと、前記DSPを使ってセルラーネットワークを介して通信するステップとを含む方法。
【0106】
13.前記第1セルラーネットワーク規格は第1の関連するデータ転送速度を有し、前記第2セルラーネットワーク規格は前記第1の関連するデータ転送速度より低い第2の関連するデータ転送速度を有し、前記DSPは前記第1の関連するデータ転送速度で動作でき、前記決定された動作モードは前記第2動作モードであり、前記DSPを前記第2動作モードに応じて構成するステップは、前記DSPをより低いデータ転送速度で動作するように構成するステップから成る、項12記載の方法。
【0107】
14.前記第1セルラーネットワーク規格は前記第2セルラーネットワーク規格と比べてより小さい範囲を有する、項12、13のいずれかに記載の方法。
【0108】
15.前記第1セルラーネットワーク規格は、ベースライン5G、ロング・ターム・エボリューション(LTE)カテゴリー1、又はLTEカテゴリー4のうち1つであり、前記第2セルラーネットワーク規格は5GRedCap、LTEカテゴリーM、LTEカテゴリーM2、又は狭帯域物のインターネット(NB‐IoT)のうち1つである、項12~14のいずれかに記載の方法。
【0109】
16.前記接続システムは前記第1動作モード及び前記第2動作モード両方で通信するために使用される加入者識別モジュール(SIM)を更に備える、項12~15のいずれかに記載の方法。
【0110】
17.前記SIMは電子SIM又は統合SIMである、項16記載の方法。
【0111】
18.前記DSPは前記接続システムのソフトウェア無線の一部である、項12~17のいずれかに記載の方法。
【0112】
19.前記一組の接続状態は、通信されるデータの推定又は測定量、前記車両をその間動作させる推定期間、時刻、前記車両が電源オンか、前記車両の電源の充電状態、又は前記車両の地理的位置に関連するセルラーネットワーク情報のうち少なくとも1つを含む、項12~18のいずれかに記載の方法。
【0113】
20.前記車両に関連する前記一組の接続状態の後の評価を実行するステップと、前記後の評価に基づいて前記接続システムの前記動作モードを異なる動作モードに変更するステップと、前記接続システムの前記DSPを前記異なる動作モードに応じて構成するステップとを更に含む、項12~19のいずれかに記載の方法。
【0114】
21.前記一組の接続状態は、決定された動作モードに応じた前記接続システムの信号強度、前記決定された動作モードに応じた使用可能な処理能力、前記決定された動作モードに応じたネットワーク待ち時間、又は前記決定された動作モードに応じた前記セルラーネットワークの混雑状態のうち少なくとも1つを含む、項20記載の方法。
【0115】
本願に提供された1つ以上の態様の説明と例示は請求項に規定された本開示の範囲を限定するように決して意図されていない。本願に提供された態様、例、及び詳細は内容を伝え他者が本開示の最良の態様を実施し使用するのを可能にするのに十分であると考えられる。本開示は本願に提供されたどんな態様、例、又は詳細にも限定されると解釈されるべきでない。組み合わせて記述されたか個別に示され記述されたかに拘わらず、様々な特徴(構造と方法の両方)が特定の一組の特徴を有する実施形態を作成するのに選択的に含まれる又は省かれるように意図されている。本願の説明と例示が提供されたので、当業者は本願に具現化された概略発明概念のより広い態様の趣旨内に入り本開示のより広い範囲から逸脱しない変形、部分変更、及び代替の態様を想像することがある。
【符号の説明】
【0116】
102 レクリエーション車両
104 車両プラットフォーム
105 ネットワーク
106 遠隔計算装置
108 車両コントローラ
110 動きコントローラ
112 ブレーキ/摩擦コントローラ
114 動力操舵コントローラ
116 動力装置コントローラ
118 接続コントローラ
120 ブレーキ/摩擦装置
122 ステアリング装置
124 動力装置
126 接続装置
128 操作者インターフェース
200 制御ユニット
202 処理システム
204 接続システム
206 CANインターフェース
208 接続ハードウェア資源
210 ドメイン制御論理
212 アプリケーションドメイン
214 リアルタイムドメイン
216 汎用コア
218 特殊用途コア
220 通信制御論理
222 高速通信カテゴリー
224 低速通信カテゴリー
【外国語明細書】