(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058637
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】軸対称な本体の全面にわたりらせんを描くビーズを含む化粧用製品塗布先端部
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
A45D34/04 510A
A45D34/04 515B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023176695
(22)【出願日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】22306559.0
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521440585
【氏名又は名称】シャネル・パルファム・ボーテ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フォゲテイロ,パウロ
(57)【要約】
【課題】塗布部位全体のマッサージを可能にしながら、規定された表面部位を有する塗布部位に正確な用量の製品をむらなく連続して塗布可能にする、液体、粘性、またはペースト状のケア製品を含む化粧用製品を塗布するための先端部を提供すること。
【解決手段】本発明は、長手方向を画定する主軸(A)を中心に軸対称な一般的形状を有する本体(3)を含む化粧用製品塗布先端部(1)に関する。この塗布先端部では、ビーズ(4)は、前記本体の表面に形成され、前記ビーズの各々は、前記本体から突出し、前記主軸(A)を中心にらせんを描きながら伸展する。
本発明はまた、そのような先端部を含む塗布器、ならびにそのような塗布器および瓶を含むセットを範囲に含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を画定する主軸(A)を中心に軸対称な一般的形状を有する本体(3)を含む化粧用製品塗布先端部(1)であって、
ビーズ(4)は、前記本体の表面に形成され、前記ビーズの各々は、前記本体から突出し、前記主軸(A)を中心にらせんを描きながら伸展することを特徴とする化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項2】
2つの前記ビーズ(4)の間の各空間(7)内で前記本体の全面にわたり溝(8)が形成される、請求項1に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項3】
前記本体(3)は、金属製である、セラミックから作られる、または木から作られる、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項4】
前記本体(3)は、プラスチック材料から作られる、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項5】
前記ビーズは、前記本体(3)と統合して一体で形成される、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項6】
前記ビーズ(4)は、エラストマー材料から作られる、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項7】
各前記ビーズ(4)は、90°~720°の間に含まれる角度にわたり、好ましくは180°の範囲で前記主軸(A)を中心に回転する、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項8】
前記ビーズ(4)は、各前記ビーズに沿って寸法が可変の断面を有する、請求項7に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項9】
正確に3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の前記ビーズ(4)を含む、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項10】
各前記ビーズ(4)は、丸みがある断面を有し、鋭い縁部がない、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項11】
前記ビーズ(4)は、前記本体(3)の粗さと異なる粗さを有する、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項12】
前記本体(3)は、いわゆる芽のような一般的形状を、すなわち、漸次朝顔形に開き丸みがある先端部で終端する細長い軸対称な形状を有する、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項13】
前記本体(3)は、球形の、軸対称で円筒状の、または、累積度数分布曲線図のような、一般的形状を有する、請求項1または2に記載の化粧用製品塗布先端部(1)。
【請求項14】
化粧用製品塗布器であって、請求項1に記載の塗布先端部と、把持要素(9)と、前記把持要素(9)を前記塗布先端部(1)に接合する長手方向の剛性スティック(2)とを含む化粧用製品塗布器。
【請求項15】
前記塗布先端部(1)は、前記把持要素(9)に対して主軸を中心に回転可能に搭載される、請求項14に記載の化粧用製品塗布器。
【請求項16】
瓶(10)と、請求項14または15に記載の塗布器とを含むセットであって、前記瓶は、化粧用製品(12)を含有し、把持要素(9)により閉められるように適合された首を含み、その結果、前記把持要素(9)により瓶(10)を閉めたとき、前記塗布先端部(1)は、前記化粧用製品(12)と接触しているセット。
【請求項17】
前記瓶はスクイジー(13)を含み、前記スクイジー(13)は、前記塗布先端部(1)が通過するときに前記塗布先端部(1)を拭い取ることができるようにし、その結果、前記塗布器を前記瓶(10)から引き抜いた後、規定された量の製品が前記塗布先端部により運ばれる、請求項16に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用製品塗布器の分野に関する。
【0002】
詳細には本発明は、皮膚に、たとえば目の輪郭に、詳細には目の下に液体、粘性、またはペースト状の化粧用製品を塗布するように適合された塗布先端部に関する。一般に本明細書では、化粧用製品を皮膚に塗布することを想定するが、しかしながら本発明をこの適用分野に限定することはない。
【背景技術】
【0003】
本明細書では、塗布先端部は、化粧用製品を塗布するために皮膚との接触が意図される塗布器の一部分を指す。
【0004】
本明細書では、化粧用製品は、詳細には皮膚、唇、または角質の付属物を化粧するためのすべての製品を包含する。本発明の目的である塗布器はまた、皮膚、唇、角質の付属器に塗布することを意図したケア製品を塗布するように、詳細には液体または粘性のケア処方を適用するように適合される。簡単にするために、本明細書全体では、化粧用製品について言及するとき、化粧用製品はまたケア製品を含む。
【0005】
本明細書の残りの部分では、「ユーザ」という用語は、明らかにいずれの性のユーザも指す。
【0006】
化粧用製品は、きめ細かくむらのない層で皮膚の上に均一に堆積させなければならない。理想的には塗布器はまた、化粧用製品の塗布部位の軽いマッサージを可能にしなければならない。塗布中の冷たさの感覚もまた追求されてよい。
【0007】
このためにさまざまな塗布器が想定されてきた。
【0008】
その結果、化粧用製品を塗布するように適合された、最もよく使われる塗布器は、「圧縮チューブ(pressed tube)」タイプの塗布器、「塗布器先端部付きスティック」タイプの塗布器、および英語の表現でしばしば「ロールオン(roll-on)」と呼ばれる回転ボール(rotary-ball)塗布器である。
【0009】
「圧縮チューブ」タイプの塗布器は、塗布すべき製品を含有する可撓性チューブを含む。塗布中に冷たさの感覚を提供するために、チューブを圧縮して、比較的平坦で概して金属製部位の上に配置された開口部を介して製品が出るようにしなければならない。このタイプの塗布器を用いて届けられる製品の量は、チューブに加えられる力に依存するので不正確である。さらに、塗布器表面を用いて製品を広げることは、皮膚の上でこすりつけることにより行われ、これは製品のむらのない膜の堆積を可能にしない。塗布中にこすりつけることはまた、皮膚にとって不快になることがある、またはさらには炎症を起こさせることがある。
【0010】
「塗布器先端部付きスティック」タイプの塗布器は、丸くなった先端部を伴う金属製スティックを含む。先端部が製品で覆われるように、スティックおよびその先端部を化粧用製品の中に浸さなければならない。製品は、ユーザの皮膚の上に先端部をこすりつけることにより、または皮膚の上に塗布器を繰り返し接触させることにより少量の製品を堆積させることにより、塗布される。圧縮チューブタイプの塗布器と同様に、これにより製品をむらなく塗布できるようになるわけではない。塗布中にこすりつけることはまた、皮膚にとって不快になることがある、またはさらには炎症を起こさせることがある。さらに、製品は、スティックと先端部の間にとどまる傾向があり、塗布されない塊を形成する。
【0011】
最後に、「ロールオン」塗布器は、一般に可撓性チューブと、チューブが圧縮されたときに先端部の内部の表面上に製品を供給された回転可能に搭載されたボールを伴う先端部とを含む。製品を供給されたボールの表面は、次に先端部の外側に向けて向きを変えられ、ユーザの皮膚の上で回転し、製品を塗布可能にする。このタイプの塗布器は、塗布される製品の正確な配分を可能にせず、チューブを押してボールに供給しなければならない。塗布の品質は、塗布器の向きに依存し、先端部を下方に向けて良好な塗布を可能にしなければならない。
【0012】
最後に、表面が滑らかな塗布器は、皮膚の上でこすりつけることにより使用されても回転させることにより使用されても、塗布される製品の量を正確に適量に分けることができない。
【0013】
仏国特許発明第3013197号明細書という文書は、滑らかな、または(塗布器の主軸に平行な)長手方向の細長い筋を具備する軸対称な形状を先端部が有する塗布器を開示している。製品を塗布するとき、塗布器は、任意選択でスティックの長手方向の軸に平行な軸を中心に、および/または長手方向の軸に垂直な軸を中心に自重で塗布部材の回転運動を伴って塗布器を皮膚のすみずみまで滑らせることにより、肌と接触した状態で動かすことができる。そのような塗布器を用いる場合、適切な結果を得るために必要なジェスチャは簡単ではなく、製品の塗布はむらのある可能性がある。さらに、塗布される製品の量を適量に分けることは、ほとんど正確ではなく、長手方向の細長い筋は、塗布器の全面にわたり存在する製品のすべてを引き出す(本明細書で以後説明する)スクイジー機器内の通路と調和しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】仏国特許発明第3013197号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、塗布部位全体のマッサージを可能にしながら、規定された表面部位を有する塗布部位に正確な用量の製品をむらなく連続して塗布可能にする、液体、粘性、またはペースト状のケア製品を含む化粧用製品を塗布するための先端部を提供することを目的とする。そのような塗布は、優先的には、ユーザにとって明らかな活動で、簡単で人間工学的な手法で達成可能でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するために、本発明は、長手方向の軸を画定する主軸を中心に軸対称な一般的形状を有する本体を含む化粧用製品塗布先端部を範囲に含む。ビーズは、前記本体の表面に形成され、前記本体から突出し、前記ビーズの各々は、主軸を中心にらせんを描きながら伸展する。
【0017】
軸対称な形状を有する本体の表面でらせんを描くビーズが存在することにより、いくつかの効果および有利な点が提供される。他方では、これにより、たとえば化粧用製品の所望の用量に対応する、正確で較正された体積で化粧用製品を保持するように適合された空間がビーズの間に形成される。この構成により、詳細には本体の表面に対するビーズの高さ、およびビーズの幅により、これらの空間を調節できるようにすることが可能であり、したがって、塗布先端部が保持する製品用量を較正できるようにすることが可能になる。ビーズが巻きを形成するという事実により、化粧用製品の塗布中にユーザの動きを伴わせ、自然に誘導できるようになる。「らせん」または「らせんを描くこと」の概念は、塗布器の本体の表面に形成されたビーズが、長手方向に前進しながら長手方向の主軸を中心に回転するという事実を指す。それ故に、ビーズが形成するらせんは、詳細にはピッチおよび/または半径が設定される、または可変であるつる巻き線、または一連のつる巻き線部分であってよい。詳細には、ビーズは巻きまたは巻き部分を形成する。
【0018】
より具体的には、各ビーズがらせんを描く構成が原因で、ビーズは、化粧用製品の塗布中に回転運動が塗布先端部に加えられるたびに皮膚を圧迫する。ビーズにより、皮膚の上に塗布先端部がかなり付着可能になり、ビーズの構成により、この付着は、ビーズが皮膚と接触したときに塗布器の角度位置と無関係にむらのないようにできる。塗布先端部がその主軸を中心に回転するときにビーズにより急な動きが生じることはないのに対し、塗布先端部は、皮膚と接触している。それにもかかわらず、らせんのようなビーズのおかげで、皮膚の上で塗布先端部が回転する結果、塗布部位で血液の微小循環を促進する(「小波」のような)交替する圧力を皮膚の上に生じさせることができる。このようにその効果は、目の部位に化粧用製品を塗布するときに推奨される軽くたたく活動の効果に類似する。詳細には、化粧用製品を塗布する間ずっと、ビーズの実質的に同じ表面部位が皮膚と接触しているようにビーズを構成可能である。最後に、スクイジーを含むセットで塗布先端部を使用するとき、ビーズが長手方向にないという事実により、スクイジーの中で先端部が通過するときにスクイジーが先端部から製品のすべて、またはほとんどすべてを引き抜くことを回避できるようになる。
【0019】
有利には、2つの溝の間に空間が存在し、すなわち、2つの隣接する溝は、本体に沿って互いに接触していない。溝は、2つのビーズの間の各空間内で本体の全面にわたり形成されてよい。溝により、塗布器の製品供給体積を増大させることができるようになる。溝は、2つのビーズの間に形成された空間の幅のすべてまたは一部に及んでよい。
【0020】
詳細には、本体は、金属製であっても、セラミックから作られても、木から作られてもよい。金属製塗布先端部は、塗布中にユーザに冷たさの感覚を提供する。皮膚に対する鬱血を緩和する効果もまた得ることができる。金属製塗布先端部はまた、審美的に心地よい外観を塗布先端部に与える。金属またはセラミックの先端部は、一般にユーザにより優れた品質の対象物として知覚される。木または他の天然材料から作られた先端部は、使いやすい要素として知覚され、環境に優しい手法で形成されてよい。
【0021】
本体は、プラスチック材料から作られてよい。プラスチックを使用することにより製造が容易になり、塗布先端部の費用は抑えられる。塗布先端部は、金属のような外観と感触を与える、たとえば気相堆積による金属製コーティングを受けてよい。
【0022】
ビーズは、本体と統合して一体で形成されてよい。有利にはビーズは、スパイクまたは他の突出する隆起物がまったくない。同じことは、塗布先端部の残りの部分に当てはまる。
【0023】
ビーズは、エラストマー材料から形成されてよい。エラストマー材料から形成されたビーズは、化粧用製品を塗布するときに柔らかい感触を提供する。滑らかな金属またはプラスチックと比較して、皮膚への付着はよりよく、それにより、ユーザのジェスチャの誘導は改善される。
【0024】
各ビーズは、90°~720°の間に含まれる全角度にわたり、好ましくは180°の範囲で主軸を中心に回転するように構成されてよい。
【0025】
ビーズは、各ビーズに沿って寸法が可変の断面を有してよい。
【0026】
それ故に各ビーズは、塗布先端部の本体の表面で1/4巻きと1巻きの間で形をなす。
【0027】
本明細書の全体を通して「約」または「の範囲で」は、20%多いまたは20%少ないことを示す値に対応する。
【0028】
各ビーズが塗布先端部の主軸を中心に形成する回転角は、塗布器の動きを適切に伴わせるように適合されスクイジーの中で塗布先端部が通過するときに過剰に拭い取ることを回避できるようにしながら、皮膚の全面にわたりに塗布器が回転する方向に対して、皮膚への良好な付着を可能にするようにそれほど大きくないある角度をビーズに与える。
【0029】
塗布先端部はまた、以下の特徴のうち1つまたは複数を有してよい。
-塗布先端部は、正確に3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10のビーズを含んでよい。
-各ビーズは、鋭い縁部のない、丸みがある断面を有してよい。
-ビーズは、本体の粗さと異なる粗さを有してよい。
-本体は、いわゆる芽のような一般的形状を、すなわち、漸次朝顔形に開き丸みがある先端部で終端する細長い軸対称な形状を有してよい。
-本体は、球形の、軸対称で円筒状の、または累積度数分布曲線図のような形状を有してよい。
【0030】
本発明はまた、本明細書で上記に規定するような塗布先端部と、把持要素と、塗布先端部に把持要素を連結する長手方向の剛性スティックとを含む化粧用製品塗布器を範囲に含む。
【0031】
塗布先端部は、把持要素に対して主軸を中心に回転可能に搭載されてよい。
【0032】
この場合、塗布器の回転は、この回転を独力で与える必要がないユーザの簡単なジェスチャで非常に容易に行われる。ビーズは、急に動くことなく、皮膚の全面にわたり滑ることなく、または少し滑って一定の回転を確実にする。ビーズはまた、マッサージ効果、すなわち、らせんのようなビーズを、たとえばつる巻き線を具備する塗布器の回転に寄与し、塗布先端部が皮膚の全面にわたり回転するとき、(塗布器に対して)長手方向に位置が進展する過度の圧力をわずかに生じさせる。
【0033】
最後に本発明は、瓶と、本明細書で上記に規定されるような塗布器とを含むセットを範囲に含み、瓶は、化粧用製品を含有し、把持要素により閉められるように適合された首を含み、その結果、前記把持要素により瓶を閉めたとき、塗布先端部は、化粧用製品と接触状態にある。
【0034】
瓶はスクイジーを含んでよく、スクイジーは、塗布先端部が通過するときに塗布先端部を拭い、その結果、瓶から塗布器を引き抜いた後、規定された量の製品が塗布先端部により運ばれる。
【0035】
スクイジーは、スクイジーを通過したときに塗布先端部を拭い取ることができるようにする機器であり、その結果、塗布器を瓶から引き抜いた後、規定された量の製品が、塗布先端部により運ばれる。ビーズがらせんを描く構成のおかげで、ビーズ、および該当するときにはビーズの間に形成された溝は、ユーザの所与の部位(たとえば目の下)の全面にわたり塗布すべき、正確で最適な一定量の製品を塗布先端部に供給できるようにし、しかもこの量は、スクイジーの中を通過した後、塗布先端部の上に実際に存在する。
【0036】
限定しない例として添付図面を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態による化粧用製品塗布先端部の、3次元の別の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による塗布先端部の、別の3次元の概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による塗布先端部の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態による塗布先端部の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態による塗布器の、3次元の図である。
【
図6】
図5の塗布器と、化粧用製品の瓶とを含むセットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の実施形態による化粧用製品塗布先端部1を示す。この塗布先端部1は、端部と端部をつないでスティック2に接合して化粧用製品塗布器を形成するためのものである。
【0039】
塗布先端部1は本体3を含む。本体3は、主軸Aを中心に軸対称な形状を有する。このように、本体3の任意の横断面は、主軸Aに垂直な任意の平面内で円形である。
【0040】
主軸Aは、長手方向を画定する。
【0041】
本体3は、さまざまな材料から形成できる個体要素である。本体3は金属製であってよく、たとえばステンレス鋼から作られてよい。本体3は、セラミックから作られてよい。本体3は、プラスチック材料から作られてよい。
【0042】
塗布先端部は、ビーズ4をさらに含む。ビーズ4は、本体3の表面に形成される。ビーズ4は、本体3の表面から突出する細長い要素である。ビーズ4は、さまざまな横断面を有してよい。好ましくは、ビーズ4は丸みがある。本明細書に示す例では、ビーズ4は、実質的に半円形の断面を有する。
【0043】
各ビーズ4は、本体3の表面で主軸Aを中心にらせんを描きながら伸展する。このように、各ビーズは、本体3の表面でたとえばつる巻き線部分を形成してよい。
【0044】
本体3は、端部と端部をつないでスティック2に接合することを意図する第1の端部5と、自由端である第2の端部6とを含む。
【0045】
各ビーズ4は、第1の端部5と第2の端部6の間で伸展する。らせんを描きながら、各ビーズは、1/4巻き~1巻きの間で、すなわち90°~360°の間で形をなす。詳細には、180°を超える巻きが可能である。最大で2巻き(720°)を越えて巻きつくこともまた可能である。
【0046】
塗布先端部は、少なくとも2つのビーズ4を含む。有利には、塗布先端部は、3つ~10のビーズ4を含む。図示する例では、塗布先端部は、8つのビーズを含む。
【0047】
有利には、ビーズ4は、本体の周辺に均等に分布している。放射対称に従った分布について話題にすることができる。換言すれば、塗布先端部の任意の横断面で、各ビーズは、各ビーズを取り囲む2つのビーズから同じ距離にある(または2つのビーズしかない場合、直径の反対側にある)。
【0048】
図示する例では、先端部は、その第2の端部6に丸みがあり、ビーズ4は、前記第2の端部6に集まる。
【0049】
ビーズ4は、本体3と同じ材料から形成されてよい。たとえばビーズ4は、本体3と統合して一体で形成されてよい。あるいは、ビーズ4は、本体に固着してよい。
【0050】
一実施形態によれば、ビーズ4は、エラストマー材料から形成される。エラストマー材料は、弾性的性質を有する任意のポリマー、詳細にはゴムなどの有機ポリマー、およびシリコンなどの鉱物ポリマーを含む。詳細には、ビーズ4は、本体3の全面にわたりオーバーモールドされてよい。
【0051】
2つの連続するビーズ(連続するにより、本体3の表面に沿って、考慮されている2つのビーズの間に他のビーズが置かれないことを理解されたい)の間に形成された空間7は、化粧用製品を受け入れて保持するように適合された体積を形成する。この空間7の最下部、すなわちビーズ4の間にある本体3の表面は、表面の粗さを増大させることにより塗布先端部1で化粧用製品の保持を改善するテクスチャを有してよい。
【0052】
図2に例示するように、より多い供給を得るために、ビーズ4の間に溝8を形成可能である。本明細書で後に詳述するこの違いを除き、
図2の塗布先端部は、
図1の塗布先端部と同一であり、
図2の実施形態について
図1の記述を参照してよい。
【0053】
溝8は、2つのビーズ4の間にある本体3に形成された細長い空洞である。より具体的には、溝8は、有利には任意の対の連続するビーズの間に形成される。各溝8は、2つのビーズ4を分離する幅全体にわたり(すなわち、各空間7の幅全体にわたり)、またはこの幅の一部分だけにわたり形成されてよい。この場合、該当する場合には2つのビーズの間にいくつかの溝が形成されてよい。
【0054】
このように、溝8は、かなりの深さを有してよい。溝8は、互いに連通しておらず、その結果、化粧用製品の塗布中、塗布先端部が運ぶ用量は、漸次塗布される。このように、2つのビーズの間に存在する化粧用製品用量部分は、考慮されている2つのビーズの間にある空間7が皮膚と接触しているときだけ堆積させられる。
【0055】
溝の最下部は、塗布中に化粧用製品の保持を促進する、または反対に化粧用製品の堆積を容易にするテクスチャを有してよい。
【0056】
図1および
図2の実施形態では、本体は、いわゆる「芽のような」軸対称な形状を有する。芽のような形状は(第1の端部5から第2の端部6に向けて)漸次朝顔形に開き丸みがある先端部で終端する細長い軸対称な形状を指す。
【0057】
それにもかかわらず、任意の軸対称な形状を考慮して本発明による塗布先端部の本体を形成してよい。
【0058】
図3は、本発明の実施形態による塗布先端部1の例を示す。この塗布先端部の本体3は、ラグビーボールのような形状であると記述できる、楕円形で横長の形状を有する。本体の形状を除き、
図1および
図2を参照して記述する塗布先端部の様態は、この実施形態に当てはまる。
【0059】
図4は、本発明の実施形態による塗布先端部1の別の例を示す。この塗布先端部の本体3は、円筒状の形状を有する。図示する例では、溝8は、各対の連続するビーズ4の間に形成される。この例では、溝8は、幅がほとんどない。あるいは、溝8は、2つの連続するビーズ4の間に存在する幅全体に及ぶ可能性がある。本体の形状を除き、
図1および
図2を参照して記述する塗布先端部の様態は、この実施形態に当てはまる。
【0060】
他の形状の本体3を考慮してよい。詳細には、本体は、たとえば累積度数分布曲線図のような形状を有するように第2の端部6の方向に漸次狭くなってよい。
【0061】
図5は、これまでに記述したような塗布先端部1を含む塗布器を示す。塗布器は本明細書では、適合された首を含む化粧用製品の瓶の上にねじで締められるように適合されたキャップにより形成された把持要素9を含む。この目的のために、キャップは、雌ねじ部を具備してよい。他の実施形態によれば、キャップは、スナップ方式により瓶に固着するように適合できる。
【0062】
把持要素9は、塗布器を使用することを望むユーザが手で把持するように適合される。
【0063】
塗布器は、長手方向の一般的伸展方向、したがって、塗布先端部1の主軸Aに対応する方向に従って伸展する。
【0064】
塗布先端部1は、端部と端部をつないでスティック2に接合される。スティック2は、それ自体把持要素9に締結される。
【0065】
塗布先端部1は、自由度がまったくなくスティック2に強固に締結されてよく、スティック2は、自由度がまったくなく把持要素9に強固に締結されてよい。それにもかかわらず、好ましい実施形態によれば、塗布先端部は、把持要素9に対して主軸Aを中心に回転可能に搭載される。これは、スティック2に対して塗布先端部1を自由に回転可能に搭載することにより、または把持要素9に対してスティック2を自由に回転可能に搭載することにより達成されてよい。
【0066】
図6は、
図5の塗布器と、化粧用製品の瓶10とを含むセットを示す。
【0067】
この例では、塗布先端部1は、スティック2に強固に締結される。スティック2は中空であり、把持要素9に強固に締結された長手方向の剛性コア11に回転可能に搭載される。
【0068】
しかしながら、スティック2は、コア11に沿って並進運動可能に固定される。
【0069】
瓶7は、液体、粘性、またはペースト状、たとえば半流動体の化粧用製品12を含有する内部体積を形成する。
【0070】
瓶10(適合したキャップを形成する把持要素9)に塗布器を取り付けたとき、塗布先端部1は、化粧用製品12と接触している。たとえば、塗布先端部1は、化粧用製品12の中に浸される。このように、塗布先端部1は、詳細には塗布器1のビーズの間に形成された空間内の塗布先端部1の表面で化粧用製品を供給される。
【0071】
瓶10は、スクイジー13を含む。スクイジー13は、瓶10の首の近傍、または瓶10の中に位置する可撓性のある機器である。スクイジー13は、塗布先端部1の挿入および除去のための、較正された通路を形成する。スクイジー13は、瓶10から塗布先端部1を除去するときに塗布先端部1から過剰な化粧用製品を取り去ることができるようにする。それにもかかわらず、塗布先端部1が通過するときに塗布先端部1から化粧用製品のすべて、または化粧用製品のほとんどすべてを拭い取るのを回避するために、塗布先端部1が有するビーズは、ビーズがらせんを描く構成のおかげで、ビーズの間に位置する空間7を過剰に拭い取らないように保護する。
【0072】
その結果、塗布先端部1は、瓶10から引き抜かれるときはいつでも、正確な量の化粧用製品を供給される。塗布先端部1の構成に応じて、かつ化粧用製品12の物理化学的性質に応じて、塗布先端部1は、ユーザの体の所与の部位の全面にわたり塗布するために、スクイジー13の中を通過した後、所定の正確で一定の最適な量の化粧用製品を供給される。たとえば、目の下または周囲に塗布するために、正確でむらのない最適な、所定の用量の化粧用製品を塗布器に供給できる。
【0073】
スクイジー13は、いわゆる「裏返しになるスクイジータイプ」であってよい。そのようなスクイジー13は、円錐台形状の形状を有し、塗布先端部1が通過するときに裏返しになる傾向がある。
【0074】
有利には、スクイジーはまた、瓶の内部体積と前記瓶の外部(すなわち、大気または周囲の空気)の間の圧力を平衡させることができるようにする開口部を含んでよい。これにより、塗布器を瓶から引き抜く、または塗布器を瓶の中に挿入するときに機械的抵抗を生み出すのが回避され、瓶から塗布器を引き抜くときにベンチュリ(Venturi)効果が発生するのが回避される。
【0075】
本発明に従ってこのように開発された、ケア製品を含む化粧用製品塗布先端部は、ユーザの皮膚の全面にわたり回転する間ずっと正確な量の製品を薄くむらのない膜の形で、むらのない塗布を可能にする。塗布器の本体の表面に形成されたビーズは、塗布の動きを伴わせ、ユーザの皮膚の全面にわたり急に動くことなくむらのない付着を可能にする。ビーズはまた、製品の塗布中にマッサージ効果を促進する。
【符号の説明】
【0076】
1 化粧用製品塗布先端部
2 スティック
3 本体
4 ビーズ
5 第1の端部
6 第2の端部
7 空間
8 溝
9 把持要素
10 化粧用製品の瓶
11 長手方向の剛性コア
12 化粧用製品
13 スクイジー
A 主軸
【外国語明細書】