(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058643
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】照明装置用センサ
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20240418BHJP
【FI】
H05B47/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177185
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2022165195
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592114703
【氏名又は名称】株式会社ベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 亘
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA29
3K273SA01
3K273SA38
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA21
(57)【要約】
【課題】 照明装置の操作を非接触で行うことができる照明装置用センサを提供する。
【解決手段】 本発明の照明装置用センサは照明装置用のセンサであって、感知センサと制御部を備え、制御部は、感知センサと感知対象との距離が変化したことが感知センサによって感知されると、照明装置が調光されるように当該照明装置の制御を行う。本発明の照明装置用センサでは、制御部は、感知センサが所定時間塞がれたことが当該感知センサによって感知されると、照明装置の明るさの上限を設定可能な設定モードとなるように照明装置を制御し、感知センサに所定時間感知対象がかざされたことが感知センサによって感知されると、照明装置の明るさの調整が可能な調光モードとなるように照明装置を制御するようにしても良い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置用のセンサにおいて、
感知センサと制御部を備え、
前記制御部は、前記感知センサと感知対象との距離が変化したことが当該感知センサによって感知されると、前記照明装置が調光されるように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置用センサにおいて、
制御部は、感知センサが所定時間塞がれたことが当該感知センサによって感知されると、照明装置の明るさの上限を設定可能な設定モードとなるように当該照明装置を制御し、感知センサに所定時間感知対象がかざされたことが当該感知センサによって感知されると、照明装置の明るさの調整が可能な調光モードとなるように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【請求項3】
請求項2記載の照明装置用センサにおいて、
制御部は、照明装置が設定モードの状態で、感知対象の位置が変化後の位置で所定時間以上保持されたことが感知センサによって感知されると、照明装置の明るさの上限が当該位置到達時の明るさに設定されるように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【請求項4】
請求項2記載の照明装置用センサにおいて、
制御部は、照明装置が調光モードの状態で、感知対象の位置が変化後の位置で所定時間以上保持されたことが感知センサによって感知されると、照明装置の明るさが当該位置到達時の明るさに保持されるように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【請求項5】
請求項1記載の照明装置用センサにおいて、
制御部は、感知センサが所定時間以上塞がれたことが当該感知センサによって感知されると、照明装置の明るさがリセットされるように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【請求項6】
請求項1記載の照明装置用センサにおいて、
制御部は、照明装置が消灯した状態で感知センサに感知対象がかざされたことが当該感知センサによって感知されると、当該照明装置が点灯するように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【請求項7】
請求項1記載の照明装置用センサにおいて、
制御部は、照明装置が点灯した状態で感知センサに感知対象がかざされたことが当該感知センサによって感知されると、当該照明装置が消灯するように当該照明装置を制御する、
ことを特徴とする照明装置用センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の操作に用いる照明装置用センサに関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置の一つとして、本件出願人のダウンライト(特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決課題は、前記ダウンライトをはじめ、各種照明の点灯や消灯、調光などの操作を非接触で行うことができる照明装置用センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明装置用センサは照明装置用のセンサであって、感知センサと制御部を備え、制御部は、感知センサと感知対象との距離が変化したことが感知センサによって感知されると、照明装置が調光されるように当該照明装置の制御を行うように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、各種照明の点灯や消灯、調光などの操作を非接触で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(a)~(c)は本発明の照明装置用センサの一例を示す説明図。
【
図2】(a)~(c)は本発明の照明装置用センサの一例を示す説明図。
【
図3】本発明の照明装置用センサの一例を示す分解図。
【
図4】(a)は照明装置用センサのケースの一例を示す正面図、(b)は(a)のA-A矢視図。
【
図5】(a)は照明装置用センサのフロントカバーの一例を示す正面図、(b)は(a)のB-B矢視図、(c)は照明装置用センサのフロントカバーの他例を示す側面図。
【
図6】(a)は照明装置用センサのリアキャップの一例を示す正面図、(b)は(a)のC-C矢視図。
【
図8】(a)(b)は明るさの上限設定をする場合の説明図。
【
図9】(a)~(c)は照明装置の明るさを調整する場合の説明図。
【
図10】照明装置の明るさをリセットする場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
本発明の照明装置用センサ10の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。なお、以下では手で操作する場合を一例とするが、操作は手以外(例えば、手で持った物品)の感知対象で行うこともできる。この場合、以下の文章の手の部分を感知対象に読み替えればよい。
【0009】
本発明の照明装置用センサ10は、照明装置(例えば、ダウンライト)の操作に用いるもの(コントローラ)であり、感知センサ14に手(感知対象)をかざす等することによって、照明装置の点灯や消灯、調光等の操作を非接触で行うことができる。
【0010】
一例として
図1(a)~(c)及び
図2(a)~(c)に示す照明装置用センサ10は、略円筒状のケース11と、ケース11に装着されるフロントカバー12と、ケース11に装着されるリアキャップ13を備えている。
【0011】
図3及び
図4(a)(b)に示すように、この実施形態のケース11は、長手方向に貫通した円筒状の胴体部11aを備え、胴体部11aの一端側には胴体部11aよりも直径の大きな大径鍔部11bが設けられている。同図中、胴体部11aの下側(大径鍔部11b側)の端部にはフロントカバー12が、上側の端部にはリアキャップ13を装着できるようにしてある。
【0012】
ケース11の胴体部11aには、後述するフロントカバー12のカバー脚部12bの嵌合係止部12cが嵌合する第一嵌合孔11c及び後述するリアキャップ13のキャップ脚部13bの嵌合突起13cが嵌合する第二嵌合孔11dが二つずつ設けられている。
【0013】
胴体部11aには、外向きに突出した山形状の弾性係止部11eが二つ設けられている。両弾性係止部11eは照明装置用センサ10を天板や壁面などの構造物に取り付ける際に、当該構造物に係止する部分である。
【0014】
両弾性係止部11eは構造物に取り付ける際に装着用の開口の周面に当接して弾性変形し、その周面との当接が解除されると弾性復帰する。弾性復帰した両弾性係止部11eは構造物の内面に係止して当該構造物に保持される。
【0015】
図3及び
図5(a)(b)に示すように、この実施形態のフロントカバー12は、円盤状のカバー本体部12aと、カバー本体部12aの一面側に突設された二本のカバー脚部12bを備えている。両カバー脚部12bの先端には、嵌合係止部12cが設けられている。この実施形態のフロントカバー12は不透過樹脂で構成されている。
【0016】
カバー本体部12aの中心部には、後述する感知センサ14を実装するセンサ実装部12dと、モニタ用のLED(以下「モニタLED」という)16が収まるLED用開口12eが形成されている。
【0017】
カバー本体部12aの内面側には、図示しない回路基板が実装されている。回路基板には感知センサ14やマイコン(制御部)15、モニタLED16等の電気素子が実装されている。
【0018】
この実施形態では、感知センサ14として近接センサ、より具体的には、人の動き(例えば、手の動き等)を感知して電気信号を出力するジェスチャセンサ14が設けられている。感知センサ14には、ジェスチャセンサ以外の近接センサや距離センサ、その他の各種センサを用いることもできる。
【0019】
感知センサ14は回路基板上でマイコン15と接続されている。マイコン15では、感知センサ14から出力された電気信号に基づいて照明装置の点灯や消灯、調光等の制御が行われる。
【0020】
フロントカバー12は、ケース11の胴体部11aの一端側(大径鍔部11b側)からカバー脚部12bを胴体部11a内に挿入することで、両嵌合係止部12cが両第一嵌合孔11cに嵌合し、ケース11に固定される。
【0021】
図5(a)(b)に示す例では、フロントカバー12を不透過樹脂で構成する場合を一例としているが、フロントカバー12は透明拡散板のような透過性樹脂で構成することもできる。この場合もカバー本体部12aにLED用開口12eを設けることはできるが、
図5(c)のようにLED用開口12eを設けることなく、カバー本体部12aが光る(LED光がカバー本体部12a全体を透過する)ようにすることができる。
【0022】
図3及び
図6(a)(b)に示すように、この実施形態のリアキャップ13は胴体部11aの円周と同程度の円周を有する円盤状のキャップ本体部13aと、キャップ本体部13aの一面側(ケース11側)に突設された二本のキャップ脚部13bを備えている。両キャップ脚部13bの先端には、嵌合突起13cが設けられている。
【0023】
リアキャップ13のキャップ本体部13aには、ケース11内で回路基板等に接続されたハーネス17(
図2(a)~(c))を外部に引き出すための切欠き部13dが設けられている。切欠き部13dはキャップ本体部13aの対向位置に二つ設けられている。
【0024】
リアキャップ13は、ケース11の胴体部11aの一端側からキャップ脚部13bを胴体部11a内に挿入することで、両嵌合突起13cが両第二嵌合孔11dに嵌合し、ケース11に固定される。
【0025】
[手の操作説明]
次に、この実施形態の照明装置用センサ10の操作方法の一例について説明する。この実施形態では、次の四つの動作によって照明装置を操作できるようにしてある。
【0026】
1.感知センサに手をかざす
本願において、感知センサ14に手をかざすとは、感知センサ14の感知範囲内(環境により異なるが通常10cm以上30cm以内。以下同じ。)に手をいれる動作をいう(
図7参照)。
2.感知センサを手で塞ぐ
本願において、感知センサ14を手で塞ぐとは、感知センサ14の直近(3cm以内)で、感知センサ14を手で覆うようにする動作をいう(
図10参照)。
3.手を上下に移動する
本願において、手を上下に移動するとは、感知センサ14の感知範囲内で手を上下させる動作をいう(
図8(a)及び
図9(b)参照)。
4.手を保持する
本願において、手を保持するとは、感知センサ14の感知範囲内(手で塞ぐも含む)で、手を移動させないでそのままにしておく動作をいう(
図8(b)及び
図9(c)参照)。
【0027】
[モニタLEDの動作]
この実施形態では、モニタLED16が次のように動作するようにしてある。ここで示す動作は一例であり、モニタLED16の動作はこれ以外であっても良い。
【0028】
1.通常動作中
(1)照明装置の点灯中、モニタLED16は橙色に点灯する。
(2)照明装置の消灯中、モニタLED16は緑色に点灯する。
(3)照明装置の減光動作中、モニタLED16は橙色に点滅する。
(4)照明装置の一時明るさ停止中は、モニタLED16は橙色に点灯する。
【0029】
2.感知センサ操作時
(1)感知範囲外のときは、モニタLED16は通常動作時のように動作する。
(2)感知範囲内のときは、モニタLED16は赤色に点灯する。
(3)塞ぎ検出中は、赤色で高速点滅する。
【0030】
[照明装置の具体的操作]
最後に、本実施形態の照明装置用センサ10を用いて、照明装置を操作する方法の一例について説明する。
【0031】
1.点灯
図7のように、照明装置が消灯している状態で感知センサ14に手をかざすと、照明装置が点灯する。別の言い方をすると、照明装置が消灯している状態で、感知センサ14によって、当該感知センサ14に手がかざされたことが感知されると、マイコン15は、照明装置が点灯するように照明装置を制御する。
【0032】
2.消灯
点灯の場合と同様、照明装置が点灯している状態で
図7のように感知センサ14に手をかざすと、照明装置が消灯する。別の言い方をすると、照明装置が点灯している状態で、感知センサ14によって、当該感知センサ14に手がかざされたことが感知されると、マイコン15は、照明装置が消灯するように照明装置を制御する。
【0033】
3.明るさの上限設定
(1)明るさの調整
図8(a)の二点鎖線で示すように、感知センサ14を所定時間手で塞ぐと、照明装置の明るさの上限を設定可能な設定モードになる。この設定モードの状態で、感知センサ16の感知範囲内で手を上下に移動すると、その手の移動に伴って照明装置が増光又は減光する。別の言い方をすると、感知対象である手と感知センサ14との距離が変化したことが感知センサ14によって感知されると、マイコン15は、照明装置が調光されるように照明装置を制御する。なお、この実施形態では、手を下げると減光し、手を上げると増光するようにしてあるが、これとは逆に、手を上げると減光し、手を下げると増光するようにしても良い。
(2)明るさの確定
図8(b)のように、調光のために上下に移動した手を感知センサ14の感知範囲内の任意の位置で停止し、その手をその位置で所定時間以上保持すると、照明装置の明るさの上限が当該位置に到達した時点での明るさに確定される。別の言い方をすると、調光のために上下に移動した手の位置が一定時間変わらない(停止している)ことが感知センサ14によって感知されると、マイコン15は、照明装置の明るさの上限が当該位置到達時の明るさに設定されるように照明装置を制御する。なお、上限設定の完了後、手を感知センサ14の感知範囲外に移動させても、当該明るさでの点灯が維持される。また、この状態で消灯し、その後再び照明装置を点灯するとき、照明装置は上限として設定された明るさで点灯する。
【0034】
4.一時的な明るさ調整(調光)
(1)明るさの調整
照明装置が点灯している状態で
図9(a)のように感知センサ14に手を所定時間かざすと、照明装置の明るさの調整(調光)が可能な調光モードになる。この調光モードの状態で、
図9(b)のように手を感知センサ14の感知範囲内で上下に移動すると、その手の移動に伴って照明装置が増光又は減光する。別の言い方をすると、感知対象である手と感知センサ14との距離が変化したことが感知センサ14によって感知されると、マイコン15は、照明装置が調光されるように照明装置を制御する。なお、この実施形態では、手を下げると減光し、手を上げると増光するようにしてあるが、これとは逆に、手を上げると減光し、手を下げると増光するようにしても良い。
(2)明るさの保持
図9(c)のように、調光のために動かした手を感知センサ14の感知範囲内の任意位置で停止し、その手をその位置で所定時間以上保持すると、照明装置の明るさが当該位置に到達した時点での明るさに保持される。別の言い方をすると、感知センサ14によって、感知対象である手の位置が一定時間停止していることが感知されると、マイコン15は、照明装置の明るさが当該位置到達時の明るさに保持されるように照明装置を制御する。調光操作の完了後、手を感知センサ14の感知範囲外に移動させても、当該明るさでの点灯が維持される。なお、この状態で消灯し、その後再び感知センサ14に手をかざすと、前記3.で設定された上限の明るさで点灯する。なお、明るさの上限が設定されていない場合は、初期設定の明るさ(例えば、100%の出力)で点灯する。
【0035】
5.リセット
照明装置の明るさは、
図10に示すように、感知センサ14を所定時間以上、感知対象である手で塞ぐことによってリセットすることができる。別の言い方をすると、照明装置の状態にかかわらず、感知センサ14が塞がれた状態が所定以上時間続くと、マイコン15は、当該所定時間が経過したタイミングで照明装置の明るさがリセットされるように照明装置を制御する。
【0036】
前記実施形態の構成及び動作は一例であり、本発明の照明装置用センサ10の構成及び動作はこれ以外であっても良い。また、前記実施形態で明示した数値は一例であり、各数値は例示した値以外であっても良い。そのほか、モニタLEDの点灯や点滅の色は一例であり、点灯や点滅させる色は任意に選択することができる。
【0037】
なお、前記実施形態では、手で操作する場合を一例としているが、感知センサ14で感知可能であれば感知対象は手以外であってもよい。例えば、手で持った本を感知センサ14にかざしたり、本で感知センサ14を塞いだり、本の位置を保持することによっても同様に動作する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の照明装置用センサ10は、各種照明用のセンサとして、特に、作り付けの棚の棚板等に実装されるダウンライト用のセンサ装置として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 照明装置用センサ
11 ケース
11a 胴体部
11b 大径鍔部
11c 第一嵌合孔
11d 第二嵌合孔
11e 弾性係止部
12 フロントカバー
12a カバー本体部
12b カバー脚部
12c 嵌合係止部
12d センサ実装部
12e LED用開口
13 リアキャップ
13a キャップ本体部
13b キャップ脚部
13c 嵌合突起
13d 切欠き部
14 感知センサ(ジェスチャセンサ)
15 マイコン(制御部)
16 モニタLED
17 ハーネス