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特開2024-58646薄膜延伸装置用太陽熱工程温度管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058646
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】薄膜延伸装置用太陽熱工程温度管理装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 55/02 20060101AFI20240418BHJP
   B29C 48/25 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/285 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/305 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/88 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/80 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/86 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/793 20190101ALI20240418BHJP
   B29C 48/28 20190101ALI20240418BHJP
【FI】
B29C55/02
B29C48/25
B29C48/285
B29C48/305
B29C48/88
B29C48/80
B29C48/86
B29C48/793
B29C48/28
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177286
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】10 2022 126 925.6
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510331593
【氏名又は名称】ブリュックナー・マシーネンバウ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082049
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敬一
(74)【代理人】
【識別番号】100220711
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 朗
(72)【発明者】
【氏名】クイリン・ヴァイダッハー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・デュール
【テーマコード(参考)】
4F207
4F210
【Fターム(参考)】
4F207AJ08
4F207AK01
4F207AK03
4F207AL20
4F207KK41
4F210AJ08
4F210AK01
4F210AK03
4F210QA02
4F210QA03
4F210QC05
4F210QD31
4F210QL17
4F210QM11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】薄膜製造時の石化燃料の使用量を低減し又は石化燃料の使用を回避する薄膜延伸装置の太陽熱工程温度制御装置、及び薄膜延伸装置を提供する。
【解決手段】本発明は、薄膜延伸装置と薄膜延伸装置に適用する太陽熱工程温度制御装置10とに関連する。工程温度制御装置10は、少なくとも太陽熱加熱器110と蓄熱装置210とを備える。蓄熱装置210に接続される熱消費回路300は、蓄熱装置210に蓄積される熱エネルギを引き出して、薄膜延伸装置に熱エネルギを供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の熱収集回路(100)に一体に取り付けられて、第1の熱収集回路(100)から第1の熱移送流体を搬送する少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)と、
第1の熱収集回路(100)の少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)により収集する第1の熱移送流体の熱エネルギを蓄熱する少なくとも1つの蓄熱装置(210)と、
少なくとも1つの熱消費回路(300)と、
少なくとも1つの熱移送流体出口(350)を有する少なくとも1つの温度制御装置(330)とを備え、
熱消費回路(300)は、蓄熱装置(210)に接続されて、蓄熱装置(210)に蓄積される熱エネルギを取り出し、
熱消費回路(300)は、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口(350)に供給して、所定の温度に制御される熱移送流体を直接又は間接的に薄膜延伸装置(1)の少なくとも1つの下位装置に供給することを特徴とする薄膜延伸装置の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの蓄熱装置(210)と熱消費回路(300)との間に接続される第1の熱交換器(230)を備える請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項3】
少なくとも1つの蓄熱装置(210)と発熱回路(100)との間に接続される第2の熱交換器(215)を備える請求項1又は2に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項4】
蓄熱装置(210)は、中間回路熱移送流体を搬送する中間回路(200)に一体に取り付けられる請求項2又は3に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項5】
少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)は、少なくとも温度550℃の第1の熱移送流体(112)を蓄熱装置(210)又は第2の熱交換器(215)に供給する請求項1~4の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項6】
第1の熱移送流体(112)、第2の熱移送流体(312)及び/又は中間回路熱移送流体(212)は、水、熱媒介油又は溶融塩の熱移送流体から選択され、
第1の熱移送流体(112)、第2の熱移送流体(312)及び/又は中間回路熱移送流体(212)は、互いに相違する請求項1~5の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項7】
少なくとも1つの蓄熱装置(210)は、少なくとも180℃又は少なくとも210℃、特に少なくとも240℃の温度で熱移送流体を貯蔵する請求項1~6の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項8】
少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)は、線状集光型太陽熱加熱器、特に、少なくとも1つの放物溝集光器及び/又は少なくとも1つのフレネル集光器を有する請求項1~7の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項9】
少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)は、少なくとも1つの単軸追尾装置を有する追尾型熱発生装置である請求項1~8の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項10】
第1の熱移送流体(112)、第2の熱移送流体(312)及び/又は中間回路熱移送流体(212)を循環する工程温度制御装置(10)に一体に取り付けられる少なくとも1つのポンプ(124, 322, 326)を備える請求項1~9の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項11】
熱消費回路(300)は、熱媒体供給部(320)と熱媒体帰還部(340)とを備え、
温度制御装置(330)は、例えば熱媒体帰還部(340)からの低温の熱移送流体を熱媒体供給部(320)の熱移送流体に混合して、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口(350)に供給し、かつ/又は
温度制御装置(330)は、工程温度制御装置のポンプ(124, 322, 326, 331, 332, 333)の少なくとも1つを駆動して、ポンプに割り当てられる熱消費回路(300)の対応する熱移送流体の流速を制御し、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口(350)に供給する請求項1~10の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項12】
熱消費回路(300)、特に熱媒体供給部(320)及び/又は蓄熱装置(210)に割り当てられる少なくとも1つの付加加熱装置(324)を備える請求項1~11の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項13】
熱移送流体出口(350)の下流に設けられる少なくとも1つの供給多岐管(500)を備え、供給多岐管(500)は、薄膜延伸装置(1)の異なる熱消費装置に第2の熱移送流体を分配する請求項1~12の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項14】
少なくとも1つの帰還収集器(400)と流体分配装置(342)とを備え、
帰還収集器(400)は、少なくとも1つの熱消費装置から受け取る第2の熱移送流体を流体分配装置(342)に供給し、
流体分配装置(342)は、蓄熱装置(210)、第1の熱交換器(230)及び/又は温度制御装置(330)に熱移送流体を供給する請求項1~13の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項15】
乾燥装置、供給ホッパ(2)、押出機(3)、吹込み薄膜装置、冷却ロール(4)、機械方向配向機(5)、横方向配向機(6)、同時延伸装置、引張ロール装置(7)、包装装置(8)及び/又は吸収冷却装置の少なくとも1つを備え、
薄膜延伸装置(1)は、工程温度管理装置(10)により直接又は間接的に少なくとも1つの下位装置に熱エネルギを供給して、所定の方法で温度管理を行う請求項1~14の何れか1項に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)を備えることを特徴とする薄膜延伸装置(1)。
【請求項16】
熱搬送流体出口(350)に接続される少なくとも1つの下位装置は、熱移送流体が直接供給される請求項15に記載の薄膜延伸装置(1)。
【請求項17】
薄膜延伸装置(1)の少なくとも1つの下位装置(2, 3, 4, 5, 6, 7, 8)に付加熱エネルギを供給する少なくとも1つの付加加熱装置を有する請求項15又は16に記載の薄膜延伸装置(1)。
【請求項18】
工程温度制御装置(10)は、薄膜延伸装置(1)の少なくとも1つの下位装置に直接又は間接的に熱エネルギを供給して、所定の方法で温度を管理する請求項15~17の何れか1項による薄膜延伸装置での請求項1~14の何れか1項による工程温度制御装置(10)の使用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜延伸装置の太陽熱工程温度管理装置と、対応する薄膜延伸装置とに関連する。
【背景技術】
【0002】
薄膜の製造法、特に工業上利用する薄膜延伸装置の操作は、高エネルギ変換を伴う。
【0003】
薄膜の製造に使用される代表的な出発材料の重合体は、粒状及び/又は粉体状で押出機に供給され、通常種々の温度水準に保持される多工程段階で、薄膜延伸装置により例えば2軸配向薄膜等の薄膜に変換され成形される。
【0004】
薄膜製造工程での最大エネルギ消費工程は、単軸又は2軸延伸工程のみならず、通常重合体製造の出発材料(例えば、粒状及び/又は粉状)の乾燥工程と引抜工程にある。例えば、機械方向配向(「MDO」ともいう)、横方向配向(「TDO」ともいう)又横方向と同時に縦方向にも薄膜を延伸する同時延伸装置により薄膜が延伸される。
【0005】
薄膜の製造時に、単一(又は複数)の押出機に通常出発材料(粒状及び/又は粉状)が通常供給される。代表的な押出機は、単一又は2つの可塑化推進器(スクリュウ)が回転する温度制御(加熱)式シリンダを有する。推進器を設ける目的は、上流に形成される溶融樹脂と共に樹脂顆粒剤(又は樹脂粉末剤)をシリンダ内で搬送しながら、剪断力(摩擦力)を加えて出発材料を可塑化しかつ均質化し、同時に十分な圧力を発生して、金型開口(押出金型)から溶融樹脂を連続的に加圧押出しするためである。薄膜製造法に依存して、異なる押出金型を使用できる。
【0006】
吹込み薄膜(吹込み薄膜装置)を製造する際に、押出機を経て例えば(温度制御型)管状金型から溶融樹脂が押出される。その後、押出される管状の溶融樹脂は、空気と共に吹込み(ブロー)成形されて、外部で冷却され、適用可能な内部の(一定範囲に温度管理される)冷却空気で冷却される。
【0007】
薄膜(「押出薄膜」ともいう)を製造する際に、通常溝型金型(温度制御される)により押出された後に、溶融樹脂は、平坦膜に形成される。溝型金型により形成される平坦膜(「注型薄膜ともいう」)は、例えば冷却ロール上に押し出されて、延伸される。
【0008】
順次又は同時に平坦膜は、原則的に延伸される。順次延伸法では、平坦膜は、まず例えば、機械方向に延伸され、その後、横方向に延伸される。同時延伸法では、平坦膜は、機械方向と横方向とに同時に延伸される。
【0009】
樹脂薄膜の機械方向延伸工程(MDO工程)は、通常延伸する帯状樹脂の温度管理工程とロール(温度管理される)に(注型)薄膜を案内する工程とを含む。異なる回転速度で回転する複数のロールにより機械方向に帯状樹脂が延伸される。
【0010】
樹脂薄膜の順次横方向延伸工程(TDO工程)は、押出される帯状樹脂の温度を管理(加熱炉内での)しかつ横方向に順次延伸する操作を含む。横方向に延伸する目的で、両縁部が把持される帯状樹脂は、幅方向に引張(延伸)される。その後、2軸延伸薄膜が巻き取られる。
【0011】
連続延伸工程では、最初に延伸する薄膜の温度管理を行い、その後、例えば同時延伸装置(例えば、同時延伸加熱炉)に供給される。同時延伸装置では、薄膜の両縁は、通常把持装置により把持されて、幅方向と長さ方向とに引張(延伸)される。
【0012】
延伸工程前に延伸すべき薄膜を対応する加熱炉で加熱し、延伸工程中予め決められた温度に薄膜を保持して、横方向延伸工程と同時延伸工程に通常対応する。その後、延伸された薄膜は、加熱炉内で冷却される。
【0013】
特に、同時延伸工程、機械方向延伸工程及び横方向延伸工程では、多量の熱エネルギを各部に供給しなければならない。熱エネルギの供給(例えば、電気加熱、温熱油による加熱、ガス燃焼による熱供給等)には、異なる熱発生概念が現在存在する。温熱油に使用する温熱油温度は、例えば、油、気体又は石炭ボイラ等の発熱装置により制御される。不適切な二酸化炭素換算の環境に影響する化石燃料(石炭、ガス、オイル等)が薄膜の製造に未だ主として使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、前記欠陥を制限しかつ薄膜製造時の石化燃料の使用量を低減し又は石化燃料の使用を回避することにある。特に、二酸化炭素換算の放出物を低減すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載する太陽熱工程温度管理装置のみならず、請求項15に記載する薄膜延伸装置及び請求項15に記載する薄膜延伸装置の工程温度制御装置の適用により本発明の課題が、達成される。発明の更なる特徴は、従属請求項に記載する。
【0016】
特に、薄膜延伸装置の太陽熱工程温度制御装置により本発明の目的が達成される。工程温度制御装置は、第1の熱移送流体を搬送する熱収集回路に組み込まれる少なくとも太陽熱加熱器を備える。
【0017】
太陽熱加熱器は、太陽エネルギを有用な熱エネルギに変換する。特に、少なくとも1つの太陽熱加熱器は、まず熱移送流体を最高加熱温度に加熱する入射輻射熱[例えば、集光型太陽熱加熱器(CSP)]を集中する太陽熱集光器を備える。
【0018】
例えば、太陽熱加熱器は、少なくとも250℃、少なくとも300℃、少なくとも400℃、少なくとも450℃、少なくとも500℃又は少なくとも550℃に熱移送流体を加熱することができる。
【0019】
また、工程温度管理装置は、少なくとも1つの蓄熱装置を備える。第1の熱収集回路を経て蓄熱装置に供給される熱エネルギは、少なくとも1つの太陽熱加熱器により発生する。蓄熱装置は、熱エネルギを貯蔵する。
【0020】
使用する貯蔵媒体、蓄熱装置のサイズ及び蓄熱装置の断熱性は、構造法に依存し、短期蓄熱及び/又は長期蓄熱に対し、蓄熱装置を使用できる。短期蓄熱装置により、数分から1時間まで太陽から独立して需要者を加熱する熱量を蓄積する。長期蓄熱装置により、数時間(例えば、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間)太陽から独立して、需要装置を加熱する。
【0021】
蓄熱装置に使用する蓄熱媒体には、まず熱移送流体又は中間回路熱移送流体(間接蓄熱)を使用できる。同様に、他の蓄熱媒体を使用できる。
【0022】
工程温度管理装置は、第2の熱移送流体を搬送する少なくとも1つの熱消費回路を備える。第2の熱移送流体は、第1の熱移送流体とは異なってもよい。また、第1の熱移送流体と第2の熱移送流体に同一の熱移送流体を使用できる。
【0023】
少なくとも1つの蓄熱装置に接続される熱消費回路は、蓄積される熱エネルギを引き出すことができる。
【0024】
特に、熱消費回路は、熱媒体供給部の第2の熱移送流体の温度を、熱媒体帰還部の第2の熱移送流体の温度を上昇する熱媒体供給部と熱媒体帰還部との間の熱消費回路に一体に組み込める熱媒体供給部と熱媒体帰還部とを備える。
【0025】
工程温度管理装置は、消費熱媒体を供給する少なくとも1つの熱移送流体出口を有する少なくとも1つの温度管理装置を備える。熱媒体供給部と熱媒体帰還部との間に熱移送流体出口が配置される。
【0026】
少なくとも1つの温度制御装置は、少なくとも1つの熱移送流体出口(かつ熱消費装置)に所定温度の第2の熱移送流体を供給して、所定の温度に制御される熱移送流体を直接又は間接的に薄膜延伸装置の少なくとも1つの構成装置に供給する。
【0027】
このように工程温度管理装置は、少なくとも1つの太陽熱加熱器により生成する熱エネルギを薄膜延伸装置に供給して、二酸化炭素換算の放出物を削減する。
【0028】
また、工程温度管理装置は、少なくとも1つの蓄熱装置と熱消費回路との間に接続される第1の熱交換器を備える。特に、第1の熱交換器を制御して、蓄熱装置から熱消費回路に移送される熱エネルギを監視することができる。例えば、熱交換器の流入量と流出量(例えば、流体流量、流体容積等)を制御できる。従って、熱消費回路の熱媒体供給部で第2の熱移送流体の温度を制御できる。
【0029】
工程温度管理装置は、少なくとも1つの蓄熱装置と発熱回路との間に接続される第2の熱交換器も備える。特に、第2の熱交換器を制御して、発熱回路から蓄熱装置に移送される熱エネルギを監視することができる。例えば、第2の熱交換器の流入量と流出量(例えば、流体流量、流体容積等)とを制御できる。このように、蓄熱媒体の温度を蓄熱装置で管理することができる。
【0030】
特に、中間回路熱移送流体を搬送する中間回路に蓄熱装置を一体化して設けることができる。第1の熱移送流体及び/又は第2の熱移送流体とは別個に中間回路熱移送流体を設けられる。同様に、第1の熱移送流体及び/又は第2の熱移送流体及び/又は中間回路熱移送流体に同一の熱移送流体を使用してもよい。
【0031】
異なる熱移送流体を使用するとき、個別の要件に適合する熱移送流体を採用できる。例えば、小容積内に多量の熱エネルギを収容する蓄熱装置等、極めて特殊な熱容量を有する熱移送流体を使用できる。対照的に、加熱装置及び/又は熱消費装置に極めて容易に搬送できかつ粘性の小さい熱移送流体は、発熱回路及び/又は熱消費回路に有利である。また、各適用温度に対応する熱移送流体の沸点を採用できる。
【0032】
少なくとも温度250℃(又は少なくとも300℃、又は少なくとも400℃、又は少なくとも450℃、又は少なくとも500℃、又は少なくとも550℃)の温度で、蓄熱装置又は第2の熱交換器に第1の熱移送流体を少なくとも第1の太陽熱加熱器により供給できる。この場合に、例えば、前記温度を超える沸点を有する油又は溶融塩を第1の熱移送流体に使用できる。太陽熱加熱器内の加圧下で蒸発する水も熱移送流体として使用できる。
【0033】
第1の熱移送流体、第2の熱移送流体及び/又は中間回路熱移送流体は、下記熱移送流体の1つから選択できる:
水、
熱媒油、
溶融塩。
但し、第1の熱移送流体、第2の熱移送流体及び/又は中間回路熱移送流体は、異なるものとする。通常、熱移送流体は、液体である。しかしながら、特に、発熱装置では、気体の熱移送流体(蒸気)を使用できる。
【0034】
少なくとも1つの蓄熱装置を使用して、少なくとも温度180℃又は少なくとも210℃、特に少なくとも240℃の熱移送流体を貯蔵できる。例えば、蓄熱装置を使用して、180℃~560℃、210℃~500℃又は240℃~400℃範囲の温度を貯蔵できる。特に、蓄熱装置に貯蔵される熱移送流体の温度は、蓄熱装置の寸法(例えば、容積、幾何学的寸法、断熱性等)、使用する流体型及び蓄熱装置の型に依存する。蓄熱装置の温度は、均一に分布する必要はなく、特に異なる温度領域も存在することを理解すべきである。
【0035】
特に、蓄熱装置は、層状の蓄熱装置を構成する場合がある。層状の蓄熱装置では、頂部から底部に向かって温度が減少する異なる温度の貯蔵媒体が層状に配置される。層状の貯蔵装置を異なる温度水準で熱消費回路に接続して、必要に応じて、多量の熱エネルギを熱消費回路に引き出すことができる。
【0036】
少なくとも1つの太陽熱加熱器は、特に少なくとも1つの放物溝(プリズム)型集光器及び/又は少なくとも1つのフレネル集光器等の線状太陽光出力発生器を備える。
【0037】
放物溝型集光器では、単一又は複数の皿型反射器により、皿型反射器の焦点に配置される受光器に直接太陽輻射熱が集中される。
【0038】
フレネル集光器では、中心に配置される受光器に直接太陽輻射熱を反射させる複数の1次反射鏡が整合して配置される。1次反射鏡で受光器に太陽光線を集中して反射する2次集光器(例えば、放物皿型反射器)を使用して、1次反射鏡の精度要件を最小化することができる。
【0039】
放物溝型集光器又はフレネル集光器に使用される受光器は、例えば、熱損失を最小化する真空のガラス管で包囲される鋼管等の筒型を有する。筒型受光器は、第1の熱移送流体を搬送する。筒型受光器を被覆してもよい。この場合、筒の被覆は、極力低い輻射率で高太陽放射吸収率を有する上、最低熱損失性を確保できるものである。第1の熱移送流体の達成可能な温度水準は、550℃以下又は550℃以上である。
【0040】
少なくとも1つの太陽熱加熱器は、太陽の現在の位置を追尾する追尾型発熱機である。この目的で、太陽の現在位置を決定する制御装置又は太陽の現在位置を決定する関連情報を含む制御装置が設けられる。太陽の現在位置情報に基づき、太陽熱加熱器の動作を決定する駆動装置(アクチュエータ)を制御して、太陽の軌道に対する太陽熱加熱器の追尾を行うことができる。
【0041】
単軸追尾を行うサーボモータにより放物溝(プリズム)型集光器の放物皿を一軸方向に太陽を追尾して、少ない構築費用で高熱エネルギを作成できる。位置を調整する主反射鏡を備えるフレネル集光器により太陽を追尾できる。特に、複数の主反射鏡を複数の反射鏡追尾群に分けて、制御工学要件を最小化できる。
【0042】
工程温度制御装置は、少なくとも1つのポンプを備える。工程温度制御装置に単数又は複数のポンプを一体に取り付けて、第1の熱移送流体、第2の熱移送流体及び/又は中間管路熱移送流体を循環させる。単数又は複数のポンプの作動を制御して、対応する管路内での熱移送流体の流量又は流速を制御できる。このように、移転する熱エネルギ量も制御できる。
【0043】
特に、温度制御装置を制御して、例えば、熱媒体帰還部からの低温熱移送流体に、熱媒体供給部の熱移送流体を混合して、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口に供給できる。更に又は別法として、温度制御装置を制御して、工程温度制御装置の少なくとも1つのポンプを制御して、ポンプに割り当てられる管路の対応する熱移送流体の流速を制御できる。単数又は複数のポンプを制御して、少なくとも1つの熱移送流体出口に第2の熱移送流体を所定の温度で供給できる。
【0044】
熱移送流体の流速を制御する目的で、熱収集回路及び/又は中間管路の少なくとも1つの制御可能なポンプ及び/又は熱消費管路の少なくとも1つの制御可能なポンプに少なくとも1つの制御可能なポンプを設けることができる
【0045】
また、熱消費管路、特に熱熱媒体供給部及び/又は蓄熱装置に割り当てられる少なくとも1つの付加加熱装置を工程温度制御装置に設けることができる。必要な温度水準に対する温度を増加する太陽熱加熱器の機能、特に自然発生機能(日中/夜間、天候・・・)を付加加熱装置により補償することができる。
【0046】
付加電気加熱装置又は石炭、石油、ガス、ペレット、チップ等の他の熱エネルギ源に基づき負荷加熱装置を構成できる。例えば、蓄熱装置に付加加熱装置を割り当てるとき、対応する熱移送流体の温度を直接制御する電気加熱羽根でこれを構成できる。
【0047】
また、少なくとも1つの熱移送流体出口の下流の少なくとも1つの供給多岐管を工程温度管理装置に設け又は薄膜延伸装置の異なる熱熱消費装置に第2の熱移送流体を供給多岐管により分配できる。このように、押出機、機械方向配向機(MDO、延伸機)、横方向配向機(TDO、延伸機)等の異なる熱消費装置に熱エネルギを供給できる。
【0048】
少なくとも1つの帰還収集器と1つの流体分配装置とが工程温度制御装置に設けられる。少なくとも1つの熱消費装置から帰還収集器に帰還する第2の熱移送流体が流体分配装置に供給される。流体分配装置により熱移送流体は、蓄熱装置、第1の熱交換器及び/又は温度制御装置に供給される。流体分配装置は、静止型流体分配装置である。同様に、流体分配装置を制御して対応する容量流量を制御することができる。この目的で、対応する制御弁を設けることができる。
【0049】
前記工程温度制御装置及び下記構成の少なくとも1つを有する薄膜延伸装置により、本発明の目的を達成できる。
・顆粒重合体及び/又は粉末重合体等の出発材料を乾燥する乾燥機;
・押出機に供給する薄膜製造用の出発物質の供給に使用される温度管理可能な供給ホッパ;
・可塑化する出発材料を帯状樹脂又は(注型)薄膜として冷却ロールに供給する温度管理可能な押出機;
・吹込成形薄膜を製造する温度制御可能な吹込成形薄膜装置;
・押出される帯状樹脂(注型薄膜)の温度を制御する温度制御可能な冷却ロール;
・押出される帯状樹脂及び/又は吹込み成形される薄膜を機械方向に延伸する温度制御可能な機械方向配向機;
・帯状樹脂及び/又は吹込み成形される薄膜を横方向に延伸する温度制御可能な横方向配向機;
・帯状樹脂及び/又は吹込み成形される薄膜を機械方向と横方向とに同時に延伸する温度制御可能な同時延伸装置;
・樹脂薄膜の厚さを決定しかつ/又は樹脂薄膜に表面処理を施す温度制御可能な引張ロール装置;
・樹脂薄膜をロールに巻回する温度制御可能な巻回装置;及び/又は
・工程温度管理、特に工程冷却を行う吸熱冷却装置。
【0050】
工程温度管理装置により、少なくとも1つの下位装置に直接又は間接的に熱移送流体を供給して、所定の方法により温度を管理して薄膜延伸装置が作動される。薄膜延伸装置の下位装置の温度を管理して、薄膜延伸装置の構成機器(ローラ、ハウジング、ハウジング部等)の温度を制御できることは理解されよう。
【0051】
このように、薄膜延伸装置、如何なる場合でも少なくとも1つの構成機器(又は構成機器の下位装置)に太陽光熱エネルギを供給して、日毎に要する化石燃料を置換して、薄膜製造時の二酸化炭素換算の放出物均衡を改善できる。
【0052】
構成機器の下位装置例は、温度制御されるローラ、温度制御されるハウジング、温度制御されるハウジング部等である。熱移送流体及び熱エネルギを直接又は間接的に下位装置に供給できる。
【0053】
特に、薄膜延伸装置の少なくとも1つの下位装置は、熱移送流体を直接供給する熱移送流体出口に接続される。直接供給の場合、熱移送流体出口から対応する下位装置(又はその組立体)に直接熱移送流体を搬送できる。例えば、薄膜を案内するローラは、ローラ内を流動する熱移送流体により、ローラの温度を管理できる。
【0054】
代表的なローラは、冷却ロール、機械方向押出機に割り当てられる単数又は複数のローラ(単数又は複数の予熱ローラ、引張ローラ、アニールローラ等)、引張ロール装置の単数又は複数のローラ及び/又は包装装置の単数又は複数のローラである。
【0055】
同様に、乾燥装置の構成装置(特に、ハウジング部及び/又は混合部等)、供給ホッパ、押出機(特にねじ式かつ/又は円筒状又は他のハウジング部)、延伸装置のハウジング(部)及び/又は熱吸収冷却機に、温度管理される熱移送流体を直接供給することができる。
【0056】
各構成装置(又は下位組立部品)に割り当てられる熱交換器に熱移送流体が間接的に供給される。例えば、熱交換器を通じて熱移送流体を搬送でき、熱交換器を通過する温度管理媒体(空気等)は、構成装置(特に機械方向配向機、横方向配向機及び/又は同時延伸装置)のハウジング又はハウジング部の温度を管理する。温度を制御すべきハウジング又はハウジング部にこの温度制御媒体を導入することができる。
【0057】
特に、薄膜延伸装置は、薄膜延伸装置の異なる温度領域又はハウジング領域に空気を供給する単一又は複数のノズル箱を備える。横方向配向機及び/又は同時延伸装置の下位組立装置として特にノズル箱を使用して、薄膜の温度を極力正確に制御することができる。工程温度制御装置により供給される熱移送流体により、少なくとも1つのノズル箱の温度を管理することができる。
【0058】
薄膜延伸装置の少なくとも1つの構成装置に付加熱エネルギを供給する少なくとも1つの付加加熱装置を薄膜延伸装置に設けることができる。
【0059】
付加加熱装置は、太陽熱の発熱機能、特に自然に発熱する機能(日中/夜間、天候等)を補償し、かつ/又は対応する装置の温度水準を必要な温度に増加することができる。また、負荷加熱装置は、工程温度管理装置により、熱基礎水準を提供する。1つ(又は複数の)下位装置でより高い温度が必要なら、付加加熱装置は、付加的に要求される熱エネルギを供給して、所定の温度水準を達成しかつ/又は維持できる。
【0060】
薄膜延伸装置の少なくとも1つの構成装置(特に、その下位構成装置)に直接又は間接的に熱エネルギを供給して、所定の方法でその温度を制御する前記薄膜延伸装置の工程温度管理装置を適用して、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
添付図面は、本発明の下記を示す。特に、
図1】直接蓄熱装置を有する工程温度制御装置の略示管路図
図2】直接蓄熱装置を有する工程温度制御装置の略示管路図
図3】異なる直接蓄熱装置を有する工程温度制御装置の略示管路図
図4】関節蓄熱装置を有する工程温度制御装置の略示管路図
図5】薄膜延伸装置のブロック図
図6】横方向配向(延伸)機のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、直接蓄熱装置を特に備える工程温度管理装置10の略示図を示す。
【0063】
工程温度管理装置10は、熱収集(又は熱回収)回路(管路)100を備える。放物溝(プリズム)型集光器を備える集光型太陽熱回収加熱装置の太陽熱収集器110、特に、太陽熱加熱器110は、熱収集回路100に一体に取り付けられる。熱収集回路100は、利用可能な太陽輻射熱を熱エネルギに変換する。太陽輻射熱を熱エネルギに変換する目的で、熱収集回路100の太陽熱加熱器110に供給される第1の熱移送流体112は、例えば、温度約550℃に加熱される。熱収集回路100に割り当てられるポンプ124は、第1の熱移送流体112(例えば、水、蒸気、熱媒油、溶融塩等)を太陽熱加熱器110に循環する。
【0064】
少なくとも1つの太陽熱加熱器110で生成される貯蔵用の熱エネルギを第1の熱収集回路100を経て供給する少なくとも1つの蓄熱装置210が工程温度制御装置10に設けられる。蓄熱装置210に使用される蓄熱媒体は、第1の熱移送流体であり、第1の熱移送流体の熱エネルギは、蓄熱装置210に直接蓄積される。
【0065】
第2の熱移送流体312を搬送する熱消費回路300は、熱交換器230を介して蓄熱装置210に接続される。熱交換器230への熱エネルギは、蓄熱装置210から供給される。図1に示す熱交換器230は、蓄熱装置210の外部に配置されるが、蓄熱装置210内に熱交換器を配置してもよい。平板熱交換器、管状熱交換器等を熱交換器230に使用できる。直流電力、交流電力又は逆流電力を熱交換器230に供給できる。
【0066】
熱消費回路300は、熱媒体供給部320と熱媒体帰還部340とを備え、第2の熱移送流体312の温度は、熱媒体帰還部340より熱媒体供給部320の方が高い。また、熱消費回路300は、少なくとも1つの温度制御装置330を有する。温度制御装置330は、供給多岐管500に接続される少なくとも1つの熱移送流体出口350を有する。
【0067】
供給多岐管500は、薄膜延伸装置1(図5)の異なる複数の熱消費装置(薄膜延伸装置1の下位装置)に第2の熱移送流体312を分配する。薄膜延伸装置1の下位装置を構成する押出機、機械方向配向(延伸)機(MDO)、横方向配向(延伸)機(TDO)等の異なる熱消費装置に熱エネルギが供給される。単一の熱熱消費装置にのみ熱移送流体312を供給するとき、熱移送流体出口350は、単一の熱熱消費装置に接続される。供給多岐管500の設置は、任意である。例えば、唯一の熱消費装置から熱移送流体312を戻す構成であれば、帰還収集器の設置も任意である。
【0068】
熱媒体供給部320の第2の熱移送流体312と熱媒体帰還部340の第2の熱移送流体312とを温度制御装置330により混合して、少なくとも1つの熱移送流体出口350で所定の温度の第2の熱移送流体312を作成すると、極力正確に温度を制御できる。
【0069】
図1に示す工程温度制御装置10は、少なくとも1つの帰還収集器400と1つの流体分配装置342とを有する。帰還収集器400は、薄膜延伸装置1の少なくとも1つの熱消費装置から帰還する第2の熱移送流体312を受け取り、これを流体分配装置342に供給する。流体分配装置342は、帰還する第2の熱移送流体312を熱交換器230に供給する。熱交換器230では、蓄熱装置210からの熱エネルギを再び吸収して、熱媒体供給部320に搬送する。
【0070】
第2の熱移送流体312を搬送し又は循環するポンプ322, 326が、熱消費回路300に設けられる。温度制御装置330により、第2の熱移送流体312が制御される。
【0071】
工程温度管理装置10は、熱消費回路300に組み込まれる少なくとも1つの付加加熱装置324を有する。付加加熱装置324は、必要な付加熱エネルギを供給する。調整可能な制御弁323を介して、付加加熱装置324に熱移送流体312を搬送して、付加的に熱移送流体312を加熱できる。流体容量を制御する比例弁を制御弁323に使用できる。特に、温度制御装置330により制御弁323を制御できる。
【0072】
図2は、直接蓄熱装置を有する別の工程温度制御装置10の管路図である。図2の工程温度制御装置10は、別の熱消費回路300を設ける点で図1の工程温度制御装置10とは異なる。
【0073】
図2に示す工程温度制御装置10の熱消費回路300は、熱媒体供給部320と熱媒体帰還部340とを備え、熱媒体供給部320での第2の熱移送流体312の温度は、熱媒体帰還部340での温度より高い。
【0074】
熱消費回路300は、供給多岐管500に接続される少なくとも1つの熱移送流体出口350を有する少なくとも1つの温度制御装置330を備える。
【0075】
供給多岐管500は、薄膜延伸装置1(図5)の異なる複数の熱消費装置(下位熱消費装置)に第2の熱移送流体312を分配する。押出機、機械方向配向機(MDO)、横方向配向機(TDO)等の異なる複数の熱消費装置に熱エネルギを供給する。単一の熱熱消費装置のみに熱移送流体312を供給するとき、熱移送流体出口350をこれに接続する。供給多岐管500の操作は、随意である。従って、例えば、熱移送流体312が単一の熱消費装置のみから帰還するとき、帰還収集器400を省略して、単一の熱消費装置が温度制御装置330に接続される。
【0076】
熱媒体供給部320の第2の熱移送流体312と熱媒体帰還部340の第2の熱移送流体312とを温度制御装置330で混合して、少なくとも1つの熱移送流体出口350で所定の温度を有する第2の熱移送流体312を作成して、極力正確に温度を制御できる。温度制御の目的で、制御弁330a, 330b及び330cが設けられる。
【0077】
図2の工程温度制御装置10に設けられる少なくとも1つの帰還収集器400は、薄膜延伸装置の少なくとも1つの熱消費装置から帰還する第2の熱移送流体を受けて、帰還する第2の熱移送流体を他の装置の間、制御弁330aと330cとに供給する。制御弁330cを介して帰還する第2の熱移送流体312を熱交換器230に供給するので、熱交換器230は、再び蓄熱装置210から第2の熱移送流体312に熱エネルギを吸収させて、熱媒体供給部320に第2の熱移送流体312を搬送する。
【0078】
制御弁330a, 330b及び330cは、温度制御装置330で制御される調整弁である。制御弁330a, 330b及び330cは、流体容量を制御する比例弁を特に使用する。制御弁330a, 330b及び330cを目標値に制御して、熱交換器230からの熱移送流体312と、熱消費装置から帰還する第2の熱移送流体とを混合して、所定の温度の熱移送流体を熱交換器210及び/又は熱移送流体出口350に供給する。
【0079】
特に、循環する熱消費回路300にポンプ321を設けて、第2の熱移送流体312を搬送できる。蓄熱装置210と熱交換器230との間にポンプ222を選択的に設けて、対応する熱移送流体を搬送できる。ポンプ321, 222も温度制御装置330により制御される。
【0080】
工程温度制御装置10は、熱消費回路300に一体に組み込まれて、必要に応じて、付加的熱エネルギを供給する少なくとも1つの付加加熱装置324を有する。調整可能な制御弁323を介して、付加加熱装置324に熱移送流体312を搬送して、付加的に加熱する。調整可能な制御弁323に流体容量を制御する比例弁を使用できる。特に、温度制御装置330により制御弁323が制御される。
【0081】
図3は、直接蓄熱装置を有する別の工程温度制御装置10の管路図である。図3の工程温度制御装置10は、異なる熱消費回路300を設ける点で図1図2の工程温度制御装置とは異なる。
【0082】
ポンプ222は、蓄熱装置210からの熱移送流体を熱交換器230に送出する。ポンプ331は、熱交換器230の上流に設けられる。また、熱消費回路300は、熱交換器230に並列に接続される多数(本実施の形態では2つ)の付加加熱装置324a, 324bを備える。ポンプ332, 333は、各付加加熱装置324a, 324bの上流に配置される。
【0083】
帰還収集器400は、薄膜延伸装置の少なくとも1つの熱消費装置から帰還する第2の熱移送流体312を受け取り、第2の熱移送流体312をポンプ331, 332, 333に送出する。
【0084】
温度制御装置330によりポンプ222, 331, 333を制御して、各ポンプに割り当てられる対応する熱移送流体の管路流速を制御する。ポンプ222の流速制御により、蓄熱装置210に割り当てられる熱移送流体の流速を熱交換器230内で制御する。ポンプ331の流速制御により、熱移送流体312の流速を熱交換器230内で制御するので、ポンプ222及び/又は333を介して蓄熱装置210から供給される熱エネルギ量を制御する。
【0085】
ポンプ332及び333の流量制御により、熱移送流体312の流速を付加加熱装置324a, 324b内で制御して、熱移送流体312に移送される熱エネルギ量も制御できる。
【0086】
付加加熱装置324a, 324b及び/又は熱交換器230を通過する熱移送流体312は、混合され、熱移送流体出口350又は供給多岐管500に供給される。前記の通り、供給多岐管500の設置は、任意であり、熱移送流体312を供給する熱消費装置が僅か1個であれば、供給多岐管500を省略できる。例えば、僅か1個の熱消費装置から熱移送流体312が帰還する場合に、帰還収集器400の設置を任意としてもよい。
【0087】
図4は、間接式蓄熱装置を有する工程温度制御装置10の回路図を示す。工程温度制御装置10は、工蓄熱装置210を程温度制御装置10に一体に設ける点で、図1の工程温度制御装置10とは異なる。図4の第1の熱移送流体212は、蓄熱装置210に直接供給されず、熱交換器215を介して供給される。熱交換器210も一体に取り付けられる中間回路200に、熱交換器215は、一体に取り付けられる。中間回路200は、熱交換器210に中間回路熱移送流体212を供給する。中間回路熱移送流体212は、第1の熱移送流体112及び/又は第2の熱移送流体312とは異なる流体を使用できる。
【0088】
太陽熱加熱器110が生成する熱エネルギは、第1の熱移送流体112(太陽熱加熱器110内)にまず供給され、その後、蓄熱用の熱交換器215の中間管路熱移送流体212に供給されて、蓄熱装置210に蓄熱(間接蓄熱)される。
【0089】
図5は、薄膜9の二軸延伸を行う薄膜延伸装置1を単純化したブロック工程図を示す。薄膜延伸装置1は、薄膜製造の各工程を構成する複数の構成装置を備える。特に、薄膜延伸装置1は、連続的に薄膜9の二軸延伸を行う構成に構築される。
【0090】
例えば、重合体(粒状及び/又は粉状)を処理する出発材料は、供給ホッパ2を備える比例配分装置を経て、押出機3にまず供給されて、押出機3内で溶融される。
【0091】
押出機3の下流に設けられるノズル装置3a(例えば、溝孔金型)により、溶融重合体は、冷却ロール4に供給されて、冷却される。最終的に形成される薄膜9は、機械方向、即ち薄膜9の長さ方向に機械方向配向機(MDO)5により延伸される。材料と工程に依存して、約80℃から約140℃の温度範囲で機械方向延伸が行われる。
【0092】
連続的に横方向配向機(TDO)6に供給される薄膜9は、横方向に延伸される。図6は、延伸工程の詳細を示す。材料と工程、特に材料に依存する延伸温度範囲の約80℃から約200℃の温度範囲で横方向延伸が行われる。ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリプロピレン(PP)薄膜に対する温度範囲は、約80℃~200℃である。横方向配向機(TDO)の加熱炉は、例えば、80℃~240℃の高温基準範囲に温度管理できる。
【0093】
引張ロール装置(「引張ロール」という)7により薄膜9は、加熱炉から引き出され、包装装置8により巻き取られる。
【0094】
また、薄膜延伸工程では、順次延伸ではなく、同時延伸を実施できる。同時延伸と順次延伸との相違について、機械方向(長さ方向)と横方向とに同時に延伸するのが薄膜の同時延伸である。これは、同時延伸装置(例えば、同時延伸加熱炉)により定義付けられる。同時延伸装置は、温度制御され、両縁が把持される薄膜を加速して、機械方向と横方向とに同時に延伸するので、別の機械方向配向機は、必要ではない。
【0095】
各構成装置(例えば、供給ホッパ2、押出機3、冷却ロール4、機械方向配向機(MDO)5、横方向配向機(TDO)6、引張ロール装置7及び/又は包装装置8)が、前記(図1図2図3又は図4)工程温度制御装置10により温度制御される。太陽エネルギを使用して、薄膜を製造し、化石エネルギの使用量を減少できる。
【0096】
太陽エネルギ使用例を下記に説明する。線形フレネル集光器を備える太陽熱加熱器を推定する。面積5,000m2に至る太陽熱加熱器では、340W/m2(ワット毎平方メートル)の平均直接正常日射強度に対し、約250℃の熱移送流体の温度水準で、3,520メガワット時の熱エネルギが生成される。化石燃料石炭が現在供給する横方向配向機及び縦方向配向機の約15,000メガワット時の全年間熱要件では、これは、23%又は1.471[森林1ha当たりの年間二酸化炭素吸収量(t-CO2/年・ha)=森林1ha当たりの年間幹成長量(m3/年・ha)×拡大係数×(1+地下部比率)×容積密度(t/m3)×炭素含有率×CO2換算係数]に等しい。
【0097】
前記例に示すように、集光型太陽熱エネルギの使用により、薄膜延伸装置の発熱の場合に重要な省エネルギ可能性を生ずる。
【0098】
図6は、横方向配向機(TDO)の概略図を示す。薄膜延伸装置を同時延伸装置と考えられたい。横方向配向機6は、加熱炉612と、薄膜搬送装置614と、補償装置616とを備える。
【0099】
加熱炉612は、延伸すべき薄膜9を搬送する引張方向Rを有する。加熱炉612の横方向Qは、引張方向Rに対し、水平な横(横断)方向であり、垂直方向Hは、垂直である。
【0100】
加熱炉612は、延伸する薄膜9を処理(延伸)する引張方向Rに沿う異なる複数の領域を備える。
【0101】
予熱領域と呼ぶ第1の加熱領域622では、薄膜は加熱される。次の第2の加熱領域624(「延伸領域」)では、薄膜は横方向Qに延伸され、薄膜は、第2の加熱領域624の端部では、延伸開始時より長い幅を有する。
【0102】
延伸工程が完了した後に、薄膜9は、薄膜9の内部応力を高温で軽減し緩和する第3の加熱領域626(「熱処理領域」、「再熱領域」及び/又は「アニール領域」という)を通じて搬送される。
【0103】
その後、薄膜は、第4の加熱領域628と薄膜を冷却する第5の加熱領域630(「冷却領域」)を通過する。
【0104】
中立領域とも呼ばれる第4の加熱領域628は、第5の加熱領域630から第3の加熱領域を分離する機能がある。例えば、中立領域は、空調機能のない空間である。
【0105】
薄膜搬送装置614は、延伸装置6と加熱炉612の中央垂直面Mに対し、対称的に配置される公知形式の2つの搬送レール632を有し、中央垂直面Mは、加熱炉612の少なくとも一部に配置される。
【0106】
延伸装置6に薄膜を供給する入口領域634と延伸装置6から薄膜を取出す出口領域636との間以外では、搬送レール632は、加熱炉612の外部に配置されることがある。
【0107】
搬送装置614に設けられる把持装置(図示せず)は、搬送レール632に沿って案内されて、引張方向Rに加熱炉612内で搬送され、薄膜9は、公知の方法で把持装置により把持される。搬送装置614により加熱炉612内に形成される薄膜軌道Fに沿って搬送される。薄膜軌道Fは、中央垂直面Mに対し交差する。
【0108】
特に、加熱炉612の領域634, 622, 624, 626, 628, 630及び636は、工程温度制御装置10により所定の方法で温度管理される。
【0109】
加熱炉612内に配置される複数のノズル箱(図示せず)は、帯状薄膜Fの方向に加熱空気(温度管理される)を供給する。加熱空気により、加熱炉内と薄膜9は、加熱され、冷却され又は予め決められた温度に維持される。工程温度制御装置10により横方向配向機の適切な熱交換器により、加熱空気の温度を制御することができる。
【符号の説明】
【0110】
1・・薄膜延伸装置、 2・・供給ホッパ、 3・・押出機、 4・・冷却ロール、 5・・機械方向配向機(MDO)、 6・・横方向配向機(TDO)、 7・・引張ロール装置、 8・・包装装置、 9・・薄膜、 10・・工程温度管理装置、 100・・熱収集回路、 110・・太陽熱加熱器、 112・・第1の熱移送流体、 124・・ポンプ、 200・・中間回路、 210・・蓄熱装置(緩衝蓄熱器)、 212・・中間回路熱移送流体、 215・・熱交換器(熱発生器側)、 222・・ポンプ、 230・・熱交換器(消費側)、 300・・熱消費回路、 312・・第2の熱移送流体、 320・・熱媒体供給部、 322・・ポンプ、 321・・ポンプ、 323・・弁(付加加熱用)、 324・・付加加熱装置、 324a・・付加加熱装置、 324b・・付加加熱装置、 326・・ポンプ、 330・・温度制御装置、 330a・・弁、 330b・・弁、 330c・・弁、 331・・ポンプ、 332・・ポンプ、 340・・熱媒体帰還部、 342・・流体分配装置、 350・・熱移送流体出口、 400・・帰還収集器、 500・・救急多岐管、 612・・加熱炉、 614・・搬送装置、 616・・補償装置、 622・・予熱領域、 624・・延伸領域、 626・・熱処理領域、追加加熱領域及び/又はアニール領域、 628・・中立領域、 630・・冷却領域、 632・・搬送レール、 634・・導入領域、 646・・退出領域、 H・・加熱炉612の垂直方向、 Q・・加熱炉612の横方向、 R・・引張方向、 M・・横方向配向機の中心面、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の熱収集回路(100)に一体に取り付けられて、第1の熱収集回路(100)から第1の熱移送流体を搬送する少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)と、
第1の熱収集回路(100)の少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)により収集する第1の熱移送流体の熱エネルギを蓄熱する少なくとも1つの蓄熱装置(210)と、
少なくとも1つの熱消費回路(300)と、
少なくとも1つの熱移送流体出口(350)を有する少なくとも1つの温度制御装置(330)とを備え、
熱消費回路(300)は、蓄熱装置(210)に接続されて、蓄熱装置(210)に蓄積される熱エネルギを取り出し、
熱消費回路(300)は、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口(350)に供給して、所定の温度に制御される熱移送流体を直接又は間接的に薄膜延伸装置(1)の少なくとも1つの下位装置に供給することを特徴とする薄膜延伸装置の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの蓄熱装置(210)と熱消費回路(300)との間に接続される第1の熱交換器(230)を備える請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項3】
少なくとも1つの蓄熱装置(210)と発熱回路(100)との間に接続される第2の熱交換器(215)を備える請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項4】
蓄熱装置(210)は、中間回路熱移送流体を搬送する中間回路(200)に一体に取り付けられる請求項2又は3に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項5】
少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)は、少なくとも温度550℃の第1の熱移送流体(112)を蓄熱装置(210)又は第2の熱交換器(215)に供給する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項6】
第1の熱移送流体(112)、第2の熱移送流体(312)及び/又は中間回路熱移送流体(212)は、水、熱媒介油又は溶融塩の熱移送流体から選択され、
第1の熱移送流体(112)、第2の熱移送流体(312)及び/又は中間回路熱移送流体(212)は、互いに相違する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項7】
少なくとも1つの蓄熱装置(210)は、少なくとも180℃又は少なくとも210℃、特に少なくとも240℃の温度で熱移送流体を貯蔵する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項8】
少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)は、線状集光型太陽熱加熱器、特に、少なくとも1つの放物溝集光器及び/又は少なくとも1つのフレネル集光器を有する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項9】
少なくとも1つの太陽熱加熱器(110)は、少なくとも1つの単軸追尾装置を有する追尾型熱発生装置である請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項10】
第1の熱移送流体(112)、第2の熱移送流体(312)及び/又は中間回路熱移送流体(212)を循環する太陽熱工程温度制御装置(10)に一体に取り付けられる少なくとも1つのポンプ(124, 322, 326)を備える請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項11】
熱消費回路(300)は、熱媒体供給部(320)と熱媒体帰還部(340)とを備え、
温度制御装置(330)は、例えば熱媒体帰還部(340)からの低温の熱移送流体を熱媒体供給部(320)の熱移送流体に混合して、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口(350)に供給し、かつ/又は
温度制御装置(330)は、工程温度制御装置のポンプ(124, 322, 326, 331, 332, 333)の少なくとも1つを駆動して、ポンプに割り当てられる熱消費回路(300)の対応する熱移送流体の流速を制御し、所定の温度の第2の熱移送流体を少なくとも1つの熱移送流体出口(350)に供給する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項12】
熱消費回路(300)、特に熱媒体供給部(320)及び/又は蓄熱装置(210)に割り当てられる少なくとも1つの付加加熱装置(324)を備える請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項13】
熱移送流体出口(350)の下流に設けられる少なくとも1つの供給多岐管(500)を備え、供給多岐管(500)は、薄膜延伸装置(1)の異なる熱消費装置に第2の熱移送流体を分配する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項14】
少なくとも1つの帰還収集器(400)と流体分配装置(342)とを備え、
帰還収集器(400)は、少なくとも1つの熱消費装置から受け取る第2の熱移送流体を流体分配装置(342)に供給し、
流体分配装置(342)は、蓄熱装置(210)、第1の熱交換器(230)及び/又は温度制御装置(330)に熱移送流体を供給する請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)。
【請求項15】
乾燥装置、供給ホッパ(2)、押出機(3)、吹込み薄膜装置、冷却ロール(4)、機械方向配向機(5)、横方向配向機(6)、同時延伸装置、引張ロール装置(7)、包装装置(8)及び/又は吸収冷却装置の少なくとも1つを備え、
薄膜延伸装置(1)は、工程温度管理装置(10)により直接又は間接的に少なくとも1つの下位装置に熱エネルギを供給して、所定の方法で温度管理を行う請求項1に記載の太陽熱工程温度制御装置(10)を備えることを特徴とする薄膜延伸装置(1)。
【請求項16】
熱搬送流体出口(350)に接続される少なくとも1つの下位装置は、熱移送流体が直接供給される請求項15に記載の薄膜延伸装置(1)。
【請求項17】
薄膜延伸装置(1)の少なくとも1つの下位装置(2, 3, 4, 5, 6, 7, 8)に付加熱エネルギを供給する少なくとも1つの付加加熱装置を有する請求項15に記載の薄膜延伸装置(1)。
【請求項18】
太陽熱工程温度制御装置(10)は、薄膜延伸装置(1)の少なくとも1つの下位装置に直接又は間接的に熱エネルギを供給して、所定の方法で温度を管理する請求項15による薄膜延伸装置での請求項1による太陽熱工程温度制御装置(10)の使用法。
【外国語明細書】