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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058652
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】非矩形レチクルの容器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240418BHJP
   G03F 1/66 20120101ALI20240418BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H01L21/68 T
G03F1/66
B65D85/30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177505
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】63/416,016
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲ユ▼叡
(72)【発明者】
【氏名】薛 新民
【テーマコード(参考)】
2H195
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
2H195BE12
3E096AA01
3E096BA30
3E096BB04
3E096CA01
3E096CB03
3E096CC02
3E096DA03
3E096FA09
3E096GA03
3E096GA11
5F131AA10
5F131BA11
5F131CA12
5F131CA70
5F131GA12
5F131GA24
5F131GA32
5F131GA66
5F131GA84
5F131GA87
5F131GA92
5F131GA99
(57)【要約】
【課題】非矩形レチクルの容器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、楕円形レチクルを収納するのに適し、基本的に、互いに結合された時に楕円形空間を画成するように構成された蓋とベース部とを備えた非矩形レチクルの容器を開示する。蓋及びベース部は、それぞれ楕円形レチクルを保持するように構成された複数のレチクルホルダ及び複数のレチクル支持体を有する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楕円形レチクルを収納するのに適する非矩形レチクルの容器であって、
内面と、前記内面から下方に延びる隔壁(compartment wall)と、
前記内面と前記隔壁とにより画成される楕円形空間と、
前記楕円形空間に部分的に延び、前記楕円形レチクルのエッジに当接支持するための複数のレチクルホルダとを含む蓋と、
前記蓋と結合されて前記楕円形レチクルを収容するための楕円形の収容空間を画成し、かつ前記楕円形レチクルの底部を支持するための複数のレチクル支持体を有するベース部と
を含む容器。
【請求項2】
前記ベース部は、環状溝を有し、前記レチクル支持体が前記環状溝をまたいでいる請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記環状溝は、前記ベース部を内部領域及び外部領域に分割し、前記内部領域は楕円形領域である請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記レチクル支持体は、前記楕円形レチクルの底部を支持するための支持ブロックと、前記楕円形レチクルを規制するためのエッジ規制部とを備え、前記支持ブロックは前記ベース部の内部領域に位置し、前記エッジ規制部は前記ベース部の外部領域に位置する請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記蓋の前記レチクルホルダは、対称軸を有し、前記ベース部のレチクル支持体が対称軸を有し、前記複数のレチクルホルダの対称軸は前記蓋の楕円形空間の中心に向けられ、前記複数レチクル支持体の対称軸が前記ベース部の内部領域の中心に向けられる請求項4に記載の容器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の容器を収納するための収納空間を画成するケーシング及びドアを含むレチクル保管ケース。
【請求項7】
載置面と、
前記載置面の周縁に沿って設けられ、前記楕円形レチクルを支持するための複数のレチクル支持体とを備えたベース部と、
前記ベース部と結合されて前記楕円形レチクルを収容するための楕円形の収容空間を画成し、前記楕円形レチクルを規制するための複数レチクルホルダを備えた蓋と
を含み、楕円形レチクルを収納するのに適する非矩形レチクルの容器であって、
前記楕円形の収容空間は、前記ベース部の内側及び前記蓋の内側にある複数の円弧状縁部で画成される容器。
【請求項8】
前記載置面は、複数の第1円弧状縁部を有し、前記レチクル支持体は前記複数の第1円弧状縁部のうちの隣り合う第1円弧状縁部の間に設けられる請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記蓋の下面は、複数の第2円弧状縁部を有し、前記レチクルホルダは前記複数の第2円弧状縁部のうちの隣り合う第2円弧状縁部の間に設けられる請求項7に記載の容器。
【請求項10】
前記蓋の内側は、段差構造を有し、前記段差構造は前記蓋の内面と隔壁とによって形成され、かつ前記複数の第2円弧状縁部を有する請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記ベース部は、前記載置面の周縁に沿って延びる環状溝を有し、前記ベース部のレチクル支持体は前記環状溝にまたがり、前記段差構造と前記環状溝とは同心である請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記レチクルホルダ及び前記レチクル支持体は、それぞれ対称軸を有し、前記レチクルホルダ及び前記レチクル支持体の対称軸は前記蓋の中心及び前記載置面の中心にそれぞれ向けられる請求項7に記載の容器。
【請求項13】
前記レチクルホルダは、固定ベースと、弾性脚とを備え、前記レチクルホルダの対称軸は前記固定ベース及び前記弾性脚により画定される請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記レチクル支持体は、支持ブロックと、エッジ規制部とを備え、前記レチクル支持体の対称軸は前記支持ブロック及び前記エッジ規制部により画定される請求項12に記載の容器。
【請求項15】
請求項7~14のいずれか一項に記載の容器を収納するための収納空間を画成するケーシング及びドアを含むレチクル保管ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチクル容器に関し、特に、非矩形レチクル専用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、極端紫外線(EUV)工程で使用されるレチクルタイプは、均しく4つの辺を有する方形又は矩形である。円形レチクルの本体、コーティング或いはレチクルペリクル(pellicle)は、作製において四角形レチクルより容易であり、レチクルの歩留まりを効果的に向上させることができることを考えた場合、将来的には楕円形(円形を含む)レチクルが採用される可能性のある設計である。従来のEUVレチクルケースは四方形レチクルに基づいて設計され、かつ四方形レチクル専用であり、楕円形レチクルの収納に使用できない。
【0003】
したがって、楕円形レチクル専用の容器を開発する必要があった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、楕円形レチクルを収納するのに適し、蓋と、ベース部とを含む非矩形レチクルの容器を提供する。前記蓋は、内面と、前記内面から下方に延びる隔壁とを備え、前記内面と前記隔壁とにより楕円形空間を画成し、前記隔壁及び前記楕円形空間に部分的に延び、前記楕円形レチクルのエッジに当接支持するための複数のレチクルホルダをさらに含む。前記ベース部は、前記蓋と結合されて前記楕円形レチクルを収容するための楕円形の収容空間を画成し、かつ前記楕円形レチクルの底部を支持するための複数のレチクル支持体を有する。
【0005】
一具体的実施形態において、前記ベース部は、環状溝を有し、前記レチクル支持体が前記環状溝をまたいでいる。
【0006】
一具体的実施形態において、前記環状溝は、前記ベース部を内部領域及び外部領域に分割し、前記内部領域は楕円形領域である。
【0007】
一具体的実施形態において、前記レチクル支持体は、前記楕円形レチクルの底部を支持するための支持ブロックと、前記楕円形レチクルを規制するためのエッジ規制部とを備え、前記支持ブロックは前記ベース部の内部領域に位置し、前記エッジ規制部は前記ベース部の外部領域に位置する。
【0008】
一具体的実施形態において、前記蓋のレチクルホルダは、対称軸を有し、前記ベース部のレチクル支持体が対称軸を有し、前記複数のレチクルホルダの対称軸は前記蓋の楕円形空間の中心に向けられ、前記複数レチクル支持体の対称軸が前記ベース部の内部領域の中心に向けられる。
【0009】
本発明は、楕円形レチクルを収納するのに適し、蓋と、ベース部とを含む非矩形レチクルの容器も提供する。前記ベース部は、載置面と、前記載置面の周縁に沿って設けられ、前記楕円形レチクルを支持するための複数のレチクル支持体とを備える。前記蓋は、前記ベース部と結合されて前記楕円形レチクルを収容するための楕円形の収容空間を画成し、前記楕円形レチクルを規制するための複数レチクルホルダを含む。前記楕円形の収容空間は、前記ベース部の内側及び前記蓋の内側にある複数の円弧状縁部で画成される。
【0010】
一具体的実施形態において、前記載置面は、複数の第1円弧状縁部を有し、前記レチクル支持体は前記複数の第1円弧状縁部のうちの隣り合う第1円弧状縁部の間に設けられる。
【0011】
一具体的実施形態において、前記蓋の下面は、複数の第2円弧状縁部を有し、前記レチクルホルダは前記複数の第2円弧状縁部のうちの隣り合う第2円弧状縁部の間に設けられる。
【0012】
一具体的実施形態において、前記蓋の内側は、段差構造を有し、前記段差構造は前記蓋の内面と隔壁とによって形成され、かつ前記複数の第2円弧状縁部を有する。
【0013】
一具体的実施形態において、前記ベース部は、前記載置面の周縁に沿って延びる環状溝を有する。前記ベース部のレチクル支持体は、前記環状溝にまたがる。前記段差構造と前記環状溝とは、同心である。
【0014】
本発明は、ケーシングと、ドアとを含むレチクル保管ケースをさらに提供する。前記ケーシング及び前記ドアは、前記容器を収納するための収納空間を画成する。
【0015】
本発明の前述の態様及び他の態様は、添付の図面を参照しながら、下記非限定的な具体的実施形態に基づいて詳細に説明することにより、より明らかになるであろう。
【0016】
本発明をよりよく理解するため、以下の図面及び説明を参照することができる。以下の図面を参照しつつ、非限定的かつ非網羅的な実施形態を説明する。図面中の構成要素は必ずしも実際のサイズに描かれているわけではなく、構造及び原理の説明に焦点を合わせて描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の非矩形レチクルの容器及び外箱の立体分解図である。
図1A】本発明の非矩形レチクルの容器の別の立体分解図である。
図2】本発明の非矩形レチクルの容器の蓋の立体図である。
図3】本発明の非矩形レチクルの容器の蓋の下面図である。
図4】蓋内側の部分拡大図である。
図5】レチクルホルダの立体図である。
図6】ベース部の上面図である。
図7】レチクル支持体の立体図である。
図8A】レチクルがベース部上に配置され、レチクル支持体で支持されている状態を示すベース部の部分拡大断面図である。
図8B】レチクルがレチクルホルダ及びレチクル支持体によって容器内に閉じ込められる状態を示す蓋及びベース部の部分拡大断面図である。
図9A】レチクルホルダ又はレチクル支持体の配置の変形例を示す図である。
図9B】レチクルホルダ又はレチクル支持体の配置の変形例を示す図である。
図9C】レチクルホルダ又はレチクル支持体の配置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は、図面を参照しつつ本発明をより完全に説明し、かつ特定の実施形態を例示する。しかし、請求された主題は、様々な異なる形態で具体的に実施され得、したがって、カバー又は出願の請求する主題の構成は、本明細書に開示された具体的実施形態に限定されない。具体的実施形態は、単なる例示である。同様に、本発明は、出願又はカバーされる請求の主題に対して合理的に広い範囲を提供することを意図している。また、例えば請求された主題は、方法、装置又はシステムとして具体的に実施され得る。
【0019】
本明細書で使用される用語「一実施形態において」は、必ずしも同じ具体的実施形態を指すとは限らず、本明細書で使用される用語「他のいくつか/特定の実施形態において」は、必ずしも異なる具体的実施形態を指すとは限らない。請求される主題は、具体的実施形態の全部或いは一部の組み合わせを含むことが意図されている。本明細書で使用される「内側」とは、容器の内側を意味し、蓋とベース部の内側は蓋とベース部を結合した後の隠れた部分である。
【0020】
図1は、本発明の非矩形レチクルの容器10及外箱20の立体分解図、図1Aは本発明の非矩形レチクルの容器10の別の分解図であり、本発明の非矩形レチクルの容器10の内側を明確に示している。本発明の非矩形レチクルの容器10は、収容空間を画成する蓋11と、ベース部12とを含み、非矩形レチクル又は楕円形レチクルRを収容するために特に用いられる。外箱20は、収納空間を画成するケーシング21と、ドア22とを含み、本発明の非矩形レチクルの容器10を収納するために用いられる。
【0021】
前記非矩形は、長軸と短軸を有する楕円形である。長軸と短軸が等しい場合、前記楕円形は円形になる。前記非矩形は、六角形、八角形、九角形などの偶数又は奇数の多角形であってもよい。前記非矩形は、複数の曲線から構成される閉じた形状であってもよい。
【0022】
本発明の非矩形レチクルの容器10は、その他の構成要素を備えるよう構成できる。例えば蓋11のエッジには外側に突出する一対の翼が設けられ、蓋11の頂部にガスろ過要素が設けられる。蓋11及びベース部12は、公知の気密手段を利用して、蓋11とベース部12とを結合した後、ある程度の気密性を達成し、汚染物質が蓋11とベース部12との間の接触面を経由して収容空間に入り込むことを遮る。
【0023】
外箱20は、公知の構成要素から成る。例えばケーシング21の両側には外側に延びる一対の翼を有し、ケーシング21の内側に蓋11に当接支持するための押下機構を有し、ドア22はケーシング21と結合するための操作可能なラッチ機構を有し、ドア22には気体充填又は排気するためのエアバルブを装着することもでき、これにより収納空間の環境及び圧力を制御する。ケーシング21及びドア22は公知の気密手段を利用してケーシング21とドア22とを結合した後、ある程度の気密効果を奏して、収納空間の清浄度を維持する。
【0024】
図2は、蓋11の立体図、図3は蓋11の下面図、図4は蓋内側の部分拡大図である。蓋11は、実質的に平滑な表面である外面110を有する。外面110の反対側は、蓋11の内側、すなわちベース部12に面する内側であり、外面110から下方に延びる隔壁(compartment wall)111を有する。隔壁111も蓋11の周囲側壁を画定し、ベース部12に接触するための下面112を有する。隔壁111の垂直方向の厚さは、蓋11その他の部分すなわち内面の厚さより厚いことで、段差構造を形成し、前記段差構造は空間、特に楕円形空間113を画成する。前記楕円形空間の短軸又は直径は、楕円形レチクルの長軸又は円形レチクルの直径より大きくなければならない。
【0025】
複数のレチクルホルダ114は、隔壁111と楕円形空間113との間に配置され、各レチクルホルダ114の一部が楕円形空間113内に延在している。具体的には、楕円形空間113の周囲に隔壁111に向けて延びるレチクルホルダ114の設置用の複数の拡張空間115を有する。なお、これらの拡張空間115も、隔壁111の内側で複数の円弧状縁部116に分割され、これらのレチクルホルダ114は隣り合う2つの円弧状縁部116の間にそれぞれ配置される。図3に示すようにレチクルホルダ114の一部は、楕円形空間113内に露出して、レチクルのエッジに当接する。
【0026】
図5は、固定ベース31と、弾性脚32とを含むレチクルホルダ114の立体図である。レチクルホルダ114は、固定ベース31を介して蓋11の内側に固結される。固定ベース31は、レチクルホルダ114を確実に安定させるため、ねじ又はクイックリリース機構などの公知の手段を含み得る。弾性脚32は、固定ベース31から横方向に延在し、中空部33と、押付部34とを有し、中空部33の設計は弾性脚32がベース部12の要素を避けるようにするために用いられることができ、押付部34は図8Bに示すように、弾性脚32の末端に位置し、レチクルの上面に当接するために用いられる。弾性脚32は、案内面を有し、レチクルの上エッジを規制し、これに当接するための傾斜延長部35も含む。
【0027】
レチクルホルダ114の組み立て時、固定ベース31は、基本的に拡張空間115の末端に位置し、隔壁111によって囲まれ、弾性脚32は楕円形空間113内で部分的に露出している。図4及び図8Bを併せて参照すると、蓋11の内側の弾性脚32及び押付部34に対応する領域には力を受けて変形した弾性脚32と蓋11の内面との間の構造的干渉を防止するための緩衝空間117が形成される。
【0028】
図6は、蓋11に面する載置面121を有するベース部12の上面図である。ベース部12は、溝122又は段差構造によって内部領域と外部領域123に分割することができ、内部領域は載置面121の範囲であり、外部領域123は載置面121を包囲し、主に蓋11の下面112と接触する範囲である。載置面121及び外部領域123は、基本的に垂直方向の高低差を有する平坦面であり、特に載置面121は外部領域123の上面より高い。楕円形又は円形の載置面121の短軸或いは直径は、楕円形レチクルの短軸或いは直径よりわずかに小さい。
【0029】
複数のレチクル支持体124は、載置面121と外部領域123との間に配置される。具体的には、図8Aに示すように、載置面121と外部領域123との間にこれらのレチクル支持体124を配置するための複数の凹溝120を形成することができる。溝122は、基本的に載置面121を環囲する環状溝であり、かつ溝122の環状経路はこれらのレチクル支持体124の位置を通過する、又はレチクル支持体124は載置面121と外部領域123との間の溝122にまたがっていると言うことができる。載置面121は、複数の円弧状縁部125を有し、これらのレチクル支持体124は隣り合う円弧状縁部125の間にそれぞれ配置される。レチクル支持体124の一部は、載置面121に比較的近く、別の部分は外部領域123に比較的近い。
【0030】
図7は、パッド61と、支持ブロック62と、エッジ規制部63とを含むレチクル支持体124の立体図である。パッド61は、ベース部12の前記凹溝に嵌合(fit in)及び配置するのに適切な厚さと形状を有する。図8Aに示すように、支持ブロック62及びエッジ規制部63は、パッド61から上方に延在し、異なる高さを有し、支持ブロック62は載置面121に比較的近くに配置され、支持ブロック62の頂部には載置面121よりわずかに高い突起部621を有し、エッジ規制部63は外部領域123に比較的近くに配置され、楕円形レチクルRが外部領域123に移動することをブロックする。さらに、エッジ規制部63の頂端には、主にレチクル角部が外力により揺れて支持ブロック62から外れて蓋11の内側に当たることを防止するための円錐形構造を有する。
【0031】
図3及び図6を再度参照すると、各レチクルホルダ114及び各レチクル支持体124は、対称構造であるため、各々が対称軸118、126を有する。具体的には、レチクルホルダ114は、固定ベース31及び弾性脚32の対称性によりその対称軸118を決定し、レチクル支持体124が支持ブロック62及びエッジ規制部63の対称性によりその対称軸126を決定する。本実施形態において、レチクルホルダ114の対称軸118及びレチクル支持体124の対称軸126は、それぞれ蓋11の楕円形空間113の中心及びベース部12の載置面121の中心にそれぞれ向けられる。前記中心は、楕円形の長軸と短軸の交点又は円の中心を意味する。
【0032】
図8Aは、楕円形レチクルRがベース部12上に載置され、支持ブロック62で支持されている状態を示すベース部の部分拡大断面図である。図8Bは、楕円形レチクルRがレチクルホルダ114及びレチクル支持体124によって容器内に閉じ込められる状態を示す蓋11及びベース部12の部分拡大断面図である。
【0033】
楕円形レチクルRがベース部12上に載置される時、楕円形レチクルRの底部が支持ブロック62によって支持されるため、楕円形レチクルRの底部と載置面121との間に微小間隔を形成させる。エッジ規制部63は、楕円形レチクルRの周縁部が外部領域123に移動しないように楕円形レチクルRの周囲を規制する。図3及び図6に示すように、蓋11のレチクルホルダ114の位置は、ベース部12のレチクル支持体124の位置に対応するため、蓋11とベース部12とを結合した時、レチクルホルダ114は基本的にレチクル支持体124の上方に位置する。図5に示すように、レチクルホルダ114の弾性脚32は、中空部33を有し、レチクル支持体124のエッジ規制部63の頂部が前記中空部33を貫通できるようにさせ、レチクルホルダ114とレチクル支持体124との間の構造的干渉を避け、空間利用が最適化される。他の実施形態において、レチクルホルダ114は、中空部33を有さず、すなわち弾性脚32の間が充填されているが、レチクルホルダ114の弾性脚32は適切な設計によりエッジ規制部63と構造的干渉が生じることを避けることができる。
【0034】
図8Bに示すように、押付部34は、楕円形レチクルRの上面に当接し、傾斜延長部35の案内面が楕円形レチクルRの上エッジに当接することで、楕円形レチクルRの垂直方向及び横方向の変位を規制する。上述したように、蓋11の内面には、蓋11の内面から内方に延びてレチクルホルダ114の変形を十分に許容する浅い溝である緩衝空間117が形成される。楕円形レチクルRのサイズのわずかな違いが各レチクルホルダ114の弾性脚32の変形範囲に影響を与える可能性があるため、緩衝空間117は、レチクルホルダ114変形時押付部34の変位余裕分(tolerance)を与え、押付部34と蓋11とが互いに衝突して汚染微粒子を形成するのを防ぐ。
【0035】
図9A図9Cは、上述したレチクルホルダ114又はレチクル支持体124の配置変形例を示している。本発明の非矩形レチクルの容器は、蓋11の内側又はベース部12の内側を問わず、いずれも円弧状縁部を有する。上述したように蓋11の隔壁111内側には複数の円弧状縁部116を有し、ベース部12の載置面121の周囲には複数の円弧状縁部125を有する。前記変形例は、これらの円弧状縁部116、125とレチクルホルダ114及びレチクル支持体124の様々な組み合わせを指す。
【0036】
図9Aは、4つのレチクルホルダ又はレチクル支持体の位置81と4つの円弧状縁部82との間の関係を示しており、各位置81は隣り合う2つの円弧状縁部82の間に介在し、4つの円弧状縁部82が蓋又はベース部を内部領域及び外部領域に分割し、内部領域は円形領域である。
【0037】
図9Bは、3つのレチクルホルダ又はレチクル支持体の位置81と3つの円弧状縁部82との間の関係を示しており、各位置81は隣り合う2つの円弧状縁部82の間に介在し、3つの円弧状縁部82が蓋又はベース部を内部領域及び外部領域に分割し、内部領域は円形領域である。
【0038】
図9Cは、4つのレチクルホルダ又はレチクル支持体の位置81と4つの円弧状縁部82との間の関係を示しており、各位置81は隣り合う2つの円弧状縁部82の間に介在し、4つの円弧状縁部82が蓋又はベース部を内部領域及び外部領域に分割し、内部領域は楕円形領域である。
【0039】
図9A図9Cとの相違点は、図9Aの円弧状縁部82が円形の部分縁部で、図9Cの円弧状縁部82が楕円形の部分縁部である。なお、図9Aの位置81は、蓋11又はベース部12の四隅に対応し、図9Cの位置81が楕円形の長軸及び短軸に対応する。同様に、図9A図9Cのこれらの位置81のレチクルホルダ或いはレチクル支持体の対称軸は、どちらも楕円形の収容空間又は載置面の中心Cに向けられる。
【0040】
上述の説明から分かるように、本発明の蓋11の内側には、円弧状縁部116を有し、ベース部12の内側には円弧状縁部125を有することで、蓋11の内側は楕円形空間を画定でき、蓋11がベース部12と結合されると、蓋11の内側の円弧状縁部116及びベース部12の内側の円弧状縁部125は、非矩形レチクルを収容するための楕円形又はその他の形状の収容空間を画成することができる。
【0041】
しかし、本発明の各具体的実施形態は説明の目的のためのものであって、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく多種多様な改変を加えることができ、かつ本発明の特許範囲に含まれるきであることを理解されたい。したがって、本明細書に記載される各具体的実施形態は本発明を限定ではなく、本発明の真の範囲及び精神は後記の特許請求の範囲に開示される。
【符号の説明】
【0042】
10 非矩形レチクルの容器
11 蓋
110 外面
111 隔壁
112 下面
113 楕円形空間
114 レチクルホルダ
115 拡張空間
116 円弧状縁部
117 緩衝空間
118 対称軸
12 ベース部
120 凹溝
121 載置面
122 溝
123 外部領域
124 レチクル支持体
125 円弧状縁部
126 対称軸
20 外箱
21 ケーシング
22 ドア
31 固定ベース
32 弾性脚
33 中空部
34 押付部
35 傾斜延長部
61 パッド
62 支持ブロック
621 突起部
63 エッジ規制部
81 位置
82 円弧状縁部
R 楕円形レチクル
C 中心
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C