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特開2024-58658複合材料のプライからバッキングを除去するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058658
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】複合材料のプライからバッキングを除去するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/54 20060101AFI20240418BHJP
   B29C 70/38 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177606
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】18/046,552
(32)【優先日】2022-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アダムス, トラヴィス アール.
(72)【発明者】
【氏名】ローズ, チャールズ エー.
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】デュボン, ジュリエット
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス, アダム
(72)【発明者】
【氏名】モイーズ, エリック イー.
(72)【発明者】
【氏名】ルキーニ, ティモシー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】エリス, オーガスツ ジェー.
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG03
4F205AJ08
4F205HA14
4F205HA23
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HF23
4F205HG10
4F205HK23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複合材料のプライからバッキングを除去するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】複合材料のプライ104からバッキング102を除去するためのシステム100は、ローラー軸110とローラー軸を取り囲むローラー面112とを有するローラー108を含む。システムはまた、ローラー面上に配置された接着フィーチャ114も含む。該システムは、ローラー軸に対して垂直な移動経路に沿ってローラーを移動させるため、及びローラー軸の周りでローラーを回転させるためのローラードライブ116を更に含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料(106)のプライ(104)からバッキング(102)を除去するためのシステム(100)であって、
ローラー軸(110)と前記ローラー軸(110)を取り囲むローラー面(112)とを備えるローラー(108)、
前記ローラー面(112)上に配置された接着フィーチャ(114)、及び
前記ローラー軸(110)に対して垂直な移動経路(118)に沿って前記ローラー(108)を移動させ、前記ローラー軸(110)の周りで前記ローラー(108)を回転させるためのローラードライブ(116)を備える、システム(100)。
【請求項2】
前記ローラー面(112)は、前記バッキング(102)のバッキング面(120)と接触するように構成され、
前記接着フィーチャ(114)は、前記ローラー面(112)と前記バッキング面(120)の一部分との間の接着を実現するように構成され、
前記移動経路(118)に沿った前記ローラー(108)の移動中の前記ローラー(108)の回転は、前記バッキング(102)を前記プライ(104)から剥離させる、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記ローラードライブ(116)は、前記ローラー軸(110)に対して垂直に前記ローラー(108)に第1の力(F1)を加え、前記ローラー軸(110)及び前記第1の力(118)に対して垂直に前記ローラー(108)に第2の力(F2)を加えるように構成されている、請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記バッキング(102)と前記プライ(104)とのうちの少なくとも一方の温度(178)を下げるための冷却デバイス(122)を更に備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記冷却デバイス(122)は、前記ローラー(108)に隣接して位置付けられたガス放出デバイス(124)を備え、
前記ガス放出デバイス(124)は、前記ローラー(108)に先行して前記移動経路(118)に沿って移動する、請求項4に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記ガス放出デバイス(124)は、前記ローラー(108)の前記ローラー面(112)と前記バッキング(102)のバッキング面(120)との間の接触インターフェース(128)に沿って、冷やされたガス(126)を吐出するように構成されている、請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記接着フィーチャ(114)は、前記ローラー(108)の前記ローラー面(112)を貫通して配置された少なくとも1つの真空ポート(138)を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記接着フィーチャ(114)は、前記ローラー(108)の前記ローラー面(112)を貫通して配置された複数の真空ポート(138)を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記複数の真空ポート(138)は、前記ローラー(108)の長さに沿って延在する、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記複数の真空ポート(138)は、前記ローラー(108)の外周に延在する、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記接着フィーチャ(114)は、少なくとも1つの吸引カップ(142)を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項12】
支持面(144)を含む支持プラットフォーム(130)を更に備え、
前記支持面(144)は、前記ローラー(108)の反対側で前記プライ(104)を支持し、
前記支持プラットフォーム(130)は、前記支持面(144)上に配置された第2の接着フィーチャ(146)を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項13】
複合材料(106)のプライ(104)からバッキング(102)を除去するための方法(1000)であって、
前記バッキング(102)と接触させるようにローラー(108)を配置するステップ、
前記ローラー(108)のローラー面(112)を前記バッキング(102)の一部分に接着させるステップ、
前記ローラー(108)をローラー軸(110)の周りで回転させながら、前記ローラー(108)を移動経路(118)に沿って移動させるステップ、及び
前記バッキング(102)を前記プライ(104)から剥離させるために、前記バッキング(102)を前記ローラー面(112)の周りに巻き付けるステップを含む、方法(1000)。
【請求項14】
前記バッキング(102)を前記ローラー面(112)の周りに巻き付けるステップの前に、前記バッキング(102)及び前記プライ(104)の温度(178)を下げるステップを更に含む、請求項13に記載の方法(1000)。
【請求項15】
前記バッキング(102)及び前記プライ(104)の前記温度(178)を下げるステップは、
ガス放出デバイス(124)から冷やされたガス(126)を吐出すること、及び
前記冷やされたガス(126)が、前記ローラー(108)の前記ローラー面(112)と前記バッキング(102)のバッキング面(120)との間の接触インターフェース(128)に沿って吐出されるように、前記ローラー(108)に先行して、前記ガス放出デバイス(124)を前記移動経路(118)に沿って移動させることを含む、請求項14に記載の方法(1000)。
【請求項16】
前記ローラー(108)の前記ローラー面(112)を前記バッキング(102)の一部分に接着させるステップは、前記ローラー面(112)上に配置された接着フィーチャ(114)を使用して、前記ローラー面(112)と前記バッキング(102)のバッキング面(120)との間の接着(180)を実現するステップを含む、請求項13に記載の方法(1000)。
【請求項17】
前記ローラー(108)を配置するステップは、
前記バッキング(102)の角部(152)に前記ローラー(108)を配置すること、及び
前記移動経路(118)が、前記バッキング(102)の縁部(150)に対して斜めになるように、前記ローラー(108)を前記プライ(104)に対して方向付けることを含み、
前記ローラー(108)の前記ローラー面(112)を前記バッキング(102)の一部分に接着させるステップは、前記ローラー面(112)の一部分を前記バッキング(102)の前記角部(152)に接着させることを含む、請求項13に記載の方法(1000)。
【請求項18】
前記プライ(104)を前記ローラー(108)の反対側の支持プラットフォーム(130)上で支持すること、及び
前記バッキング(102)を前記ローラー面(112)の周りに巻き付けるステップ中に、前記プライ(104)を前記支持プラットフォーム(130)に接着させることを更に含む、請求項13に記載の方法(1000)。
【請求項19】
複合材料(106)のプライ(104)からバッキング(102)を除去するための方法(2000)であって、
前記バッキング(102)のバッキング面(120)に接着力(FA)を加えるステップ、
前記接着力(FA)を介して、前記バッキング面(120)に加えられる静止摩擦力(FSF)を生成すること、
サイクロイド経路に沿って前記静止摩擦力(FSF)を向けること、及び
前記接着力(FA)及び前記静止摩擦力(FSF)を介して、前記バッキング(102)に加えられる剥離力(FP)を生成することを含み、前記剥離力(FP)は、前記バッキング(102)を前記プライ(104)から除去するのに十分である、方法(2000)。
【請求項20】
前記剥離力(FP)が加えられるエリアにおける前記バッキング(102)と前記プライ(104)とのうちの少なくとも一方の温度(178)を下げることを更に含む、請求項19に記載の方法(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、複合材製造に関し、特に、複合材料のプライの表面からバッキング材料を除去するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 複合材製品は、予め含浸された材料又はプリプレグ材料のプライから作製され得る。プリプレグ材料は、マトリックス材料によって囲まれた繊維強化材料を含む。プリプレグ材料のプライは、通常、輸送や準備中に損傷や汚染からプライを保護するために、片面又は両面上にバッキング材料が設けられている。したがって、プライをレイアップする前にバッキング材料を除去する必要がある。しかし、バッキング材料の除去は、自動化することが困難な複雑な工程である。したがって、バッキング材料は、通常、手作業で除去され、それは時間と手間がかかる。したがって、当業者は、複合材製造の分野、より具体的には、プリプレグ複合材料からバッキング材料を除去することにおいて、研究開発の努力を続けている。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 複合材料のプライからバッキングを除去するためのシステム及び複合材料のプライからバッキングを除去するための方法の複数の実施例が開示される。以下の記載は、本開示に係る発明の主題の非限定的な例であり、特許請求されることもされないこともある。
【0004】
[0004] 一実施例では、開示されるシステムが、ローラー軸とローラー軸を取り囲むローラー面とを有するローラーを含む。システムはまた、ローラー面上に配置された接着フィーチャも含む。該システムは、ローラー軸に対して垂直な移動経路に沿ってローラーを移動させるため、及びローラー軸の周りでローラーを回転させるためのローラードライブを更に含む。
【0005】
[0005] 一実施例では、開示される方法が、(1)複合材料のプライに結合されたバッキングと接触するようにローラーを配置するステップ、(2)バッキングの一部分にローラーのローラー面を接着させるステップ、(3)ローラーをローラー軸の周りで回転させながら、ローラーを移動経路に沿って移動させるステップ、及び(4)バッキングをプライから剥離させるために、バッキングをローラー面の周りに巻き付けるステップを含む。
【0006】
[0006] 別の一実施例では、開示される方法が、(1)複合材料のプライに結合されたバッキングのバッキング面に接着力を加えるステップ、(2)接着力を介してバッキング面に加えられる静止摩擦力を生成するステップ、(3)サイクロイド経路に沿って静止摩擦力を向けるステップ、並びに(4)接着力及び静止摩擦力を介してバッキングに加えられる剥離力を生成するステップを含む。剥離力は、プライからバッキングを除去するのに十分である。
【0007】
[0007] 開示されるシステム及び方法の他の複数の実施例は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明確となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008] 複合材料のプライからバッキングを除去するためのシステムの概略ブロック図である。
図2】[0009] 複合材料のプライからバッキングを除去するための方法の一実施例のフロー図である。
図3】[0010] 複合材料のプライからバッキングを除去するための方法の一実施例のフロー図である。
図4】[0011] 図1のシステムの一実施例の概略側面図である。
図5】[0012] 図1のシステムの一実施例の概略側面図である。
図6】[0013] 図1のシステムの一実施例の概略斜視図である。
図7】[0014] 図1のシステムの一実施例の概略側面図である。
図8】[0015] 図1のシステムの一実施例の概略斜視図である。
図9】[0016] 図1のシステムのローラーの一実施例の概略側面図である。
図10】[0017] 図1のシステムのローラーの一実施例の概略端面断面図である。
図11】[0018] 図1のシステムのローラーの一実施例の概略側面図である。
図12】[0019] 図1のシステムのローラーの一実施例の概略端面図である。
図13A】[0020] 図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図13B図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図13C図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図13D図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図13E図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図13F図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図13G図13A図13Gは、図1のシステムのローラーの移動経路の複数の実施例を概略的に示す。
図14】[0021] 図1のシステムの一実施例の概略側面図である。
図15】[0022] 図1のシステムの一実施例の概略側面図である。
図16】[0023] 航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
図17】[0024] 航空機の一実施例の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0025] 図1図15を概して参照すると、本開示は、複合材料からバッキング材料を除去するためのシステム及び方法を対象とする。特に、本開示は、複合材料106のプライ104からのバッキング102の除去を少なくとも部分的に自動化するためのシステム100(図1)、方法1000(図2)、及び方法2000(図3)を対象とする。
【0010】
[0026] 図1を参照すると、複合材料106は、未硬化の複合材料を指し、概して複合材製造において使用される任意の適切なベース材料を含む。1以上の実施例では、複合材料106が、繊維強化材162とマトリックス164を含む。1以上の実施例では、複合材料106がまた、1以上の添加剤、例えば、非限定的に、熱可塑性強靭化添加剤、硬化剤、結合剤なども含み得る。
【0011】
[0027] 繊維強化材162は、任意の適切な種類の強化材料、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などを含み、織布、不織布、布、テープなどの任意の適切な形態を有する。マトリックス164は、任意の適切な種類のマトリックス材料、例えば、樹脂、エポキシ、ポリマー、熱可塑性物質、熱硬化性物質、セラミックなどを含む。
【0012】
[0028] 1以上の実施例では、複合材料106が、プリプレグとも呼ばれる、マトリックス164が予め含侵された繊維強化材162を含む。プライ104は、プリプレグ材料(例えば、マトリックス164が予め含侵された繊維強化材162)の単一のシートなどの、複合材料106の単一の層を指すか又は含む。したがって、本開示の全体を通して、複合材料106は、プリプレグ複合材料若しくはプリプレグを指してよく、又はプリプレグ複合材料若しくはプリプレグと呼ばれてよい。
【0013】
[0029] 複合材料106(プリプレグ)のプライ104には、バッキング102が設けられる。バッキング102は、プライ104の一方又は両方の面(例えば、側面)に取り付けられている。概して、バッキング102は、第1のバッキング面120と第1のバッキング面120の反対側の第2のバッキング面168とを含む。第2のバッキング面168は、プライ104の表面に取り付けられ、プライ104の表面をカバーし、第1のバッキング面120は露出している。
【0014】
[0030] 1以上の実施例では、バッキング102が、プライ104の第1のプライ面158及び/又は第2のプライ面166に取り付けられている。図4図5図14、及び図15で示されているように、1以上の実施例では、第1のバッキング102Aが、プライ104の第1のプライ面158に取り付けられ、第1のプライ面158をカバーし、第2のバッキング102Bが、プライ104の第2のプライ面166に取り付けられ、第2のプライ面166をカバーしている。
【0015】
[0031] バッキング102は、コーティングされた紙やポリエチレンなどの任意の適切なバッキング材料で作製される。概して、バッキング102は、接着剤の使用によって、複合材料106のマトリックス164の固有の粘着性を介して、又はそれらの組み合わせなどによって、プライ104の表面に取り付けられる。
【0016】
[0032] バッキング102は、プライ104が移動されている、切断されている、及びさもなければレイアップ工程用に準備されている間に、複合材料106を損傷及び汚染から保護する。バッキング102は、レイアップの前にプライ104から除去される。バッキング102の従来の除去は、手作業で(すなわち、手で)行われる。バッキング102の手作業による除去は、様々な要因によって必要とされ得る。様々な要因とは、バッキング102の除去の開始及び/又は完了のために必要な剥離力の大きさのばらつき、プライ104及びバッキング102の形状寸法のばらつき、並びに再現性に課題をもたらす他のばらつきなどである。
【0017】
[0033] 本開示はまた、複合材製造中にプライごとのレイアップ工程を自動化するために、ピックアンドプレース機械が使用されることも認識している。しかし、レイアップ前のバッキング102の除去は、人間の手によって行われる作業を再現することにおける課題、プライ104の形状寸法のばらつき、プリプレグ複合材料の種類のばらつきなどにより、自動化することが困難である。本明細書で開示されるシステム100、方法1000、及び方法2000は、有利なことに、バッキング102の除去を自動化することにおける上述の課題を解決する。更に、本明細書で開示されるシステム100、方法1000、及び方法2000は、手作業のレイアップ工程と自動化されたレイアップ工程との両方に適用可能である。
【0018】
[0034] 次に図1及び図6を参照すると、それらの図は、システム100の複数の実施例を概略的に示している。1以上の実施例では、システム100がローラー108を含む。ローラー108は、ローラー軸110とローラー軸110を取り囲むローラー面112とを含む。システム100はまた、接着フィーチャ114も含む。接着フィーチャ114は、ローラー面112上に配置されている。システム100は、ローラードライブ116を更に含む。ローラードライブ116は、移動経路118(図6)に沿ってローラー108を移動させるように構成されている。ローラー108の移動経路118は、ローラー軸110に対して垂直である。ローラードライブ116はまた、ローラー軸110の周りでローラー108を回転させるようにも構成されている。
【0019】
[0035] 1以上の実施例では、ローラー面112が、バッキング102の第1のバッキング面120と接触するように構成されている。接着フィーチャ114は、ローラー面112と第1のバッキング面120の一部分との間の接着を実現するように構成されている。移動経路118に沿ったローラー108の移動中のローラー108の回転は、バッキング102をプライ104から剥離させ、バッキング102をローラー108の周りに巻き付ける。
【0020】
[0036] 図4図5図14、及び図15を参照すると、1以上の実施例では、第1のバッキング102Aが、プライ104に取り付けられている。第1のバッキング102Aの除去中に、ローラー面112は、第1のバッキング102Aの第1のバッキング面120Aに接触する。第1のバッキング102Aの第2のバッキング面168Aは、プライ104の第1のプライ面158に接触し、第1のプライ面158に取り付けられている。
【0021】
[0037] バッキング102の除去中に、ローラー108は、ローラー108の一部分とバッキング102の一部分との間の接触インターフェース128に沿って連続的な下向きの力(例えば、図4及び図5で示されている第1の力F1)を加える。ローラー108は、その長さに沿って細長いので、接触インターフェース128は、バッキング102の第1のバッキング面120にわたり同様に細長くなる。
【0022】
[0038] ローラー108の長さに沿ってローラー108とバッキング102との間に加えられる連続的な下向きの力(例えば、図4及び図5で示されている第1の力F1)は、接触インターフェース128に沿って分散され、したがって、バッキング102上の単一の接触点で加えられる力と比較して、より効率的で再現可能な解決策を提供する。ローラー108の長さに沿って提供される連続的な下向きの力は、有利なことに、プライ104を適所に保持し(例えば、浮き上がりを防止し)、バッキング102を除去している間に下層のプライ104の複合材料106を乱さない。ローラー108の長さに沿って提供される連続的な下向きの力はまた、除去中にバッキング102が破れる可能性も最小限に抑える。
【0023】
[0039] 図1並びに図4及び図5を参照すると、1以上の実施例では、ローラードライブ116が、ローラー108に第1の力F1(図4及び図5)を加えるように構成されている。第1の力F1は、ローラー軸110に対して垂直である。ローラードライブ116は、ローラー108に第2の力F2(図4及び図5)を加えるように構成されている。第2の力F2は、ローラー軸110に対して及び第1の力F1に対して垂直である。
【0024】
[0040] 概して、第1の力F1は、ローラー108に加えられる方向力であり、接触インターフェース128に沿ってローラー108を介してバッキング102及びプライ104に伝達される。第2の力F2は、バッキング102を除去しながらプライ104にわたる移動経路118に沿ってローラー108を移動させるために、ローラー108に加えられる方向力である。
【0025】
[0041] 1以上の実施例では、図4及び図5で示されているように、プライ104が、支持プラットフォーム130によって支持され、略水平な配向で提供される。したがって、これらの実施例では、第1の力F1が垂直な(例えば、下向きの)力であり、第2の力F2が水平な力である。しかし、第1の力F1及び第2の力F2の方向は、図示されている複数の実施例に限定されず、バッキング102の除去中のプライ104の角度配向に応じて変化し得る。例えば、プライ104は、支持プラットフォーム130によって支持されてよく、略垂直な配向で提供されてよい。これらの実施例では、第1の力F1が水平な力であり、第2の力F2が垂直な力である。
【0026】
[0042] 再び図1を参照すると、ローラードライブ116が、移動経路118に沿ってローラー108を移動させている間に、ローラー108をバッキング102に対して押圧し、ローラー108を回転させることができる、任意の適切な力伝達及び/又は運動伝達デバイスを含む。ローラードライブ116は、完全に自動化され得るか、又は部分的に自動化され得る。
【0027】
[0043] 1以上の実施例では、ローラードライブ116が、ロボットアームなどの自動マニピュレータ170(図1)を含み、又は自動マニピュレータ170の形態を採る。自動マニピュレータ170は、例えば、任意の適切な固定具又はエンドエフェクタによってローラー108に結合される。それによって、ローラー108は、ローラー軸110の周りで回転可能である。自動マニピュレータ170は、複数の自由度を有し、予め規定されたプログラム経路に沿って自動的に移動するようにプログラム可能である。これらの実施例では、自動マニピュレータ170がローラー108に力を加える。それによって、バッキング102に対してローラー108を押圧する第1の力F1、及び移動経路118に沿ってローラー108を移動させる第2の力F2がもたらされる。1以上の実施例では、ローラー108の回転が、第1の力F1、第2の力F2、及びローラー108とバッキング102との間の摩擦力の組み合わせの結果として受動的に実現される。
【0028】
[0044] 1以上の実施例では、ローラードライブ116が、作業人員172を含み、又は作業人員172の形態を採る。作業人員172は、例えば、任意の適切な固定具によってローラー108を保持する。それによって、ローラー108は、ローラー軸110の周りで回転可能である。これらの実施例では、作業人員172がローラー108に力を加える。それによって、バッキング102に対してローラー108を押圧する第1の力F1、及び移動経路118に沿ってローラー108を移動させる第2の力F2がもたらされる。1以上の実施例では、ローラー108の回転が、第1の力F1、第2の力F2、及びローラー108とバッキング102との間の摩擦力の組み合わせの結果として受動的に実現される。
【0029】
[0045] 1以上の実施例では、ローラードライブ116が、回転ドライブ174を含み、又は回転ドライブ174の形態を採る。回転ドライブ174は、ローラー108に結合され、ローラー軸110の周りでローラー108の回転を駆動するように構成されている。回転ドライブ174は、任意の適切な回転ドライブ又はアクチュエータ(例えば、電気機械式、ガス圧式、液圧式)を含む。これらの実施例では、ローラー108の回転が、回転ドライブ174の動作によって能動的に実現される。これらの実施例では、ローラードライブ116が、バッキング102に対してローラー108を押圧する少なくとも第1の力F1を加える別の構成要素(例えば、自動マニピュレータ170又は作業人員172)を含む。1以上の実施例では、移動経路118に沿ったローラー108の移動が、第1の力F1、ローラー108に加えられる回転力、及びローラー108とバッキング102との間の摩擦力の組み合わせの結果として受動的に実現される。1以上の実施例では、移動経路118に沿ったローラー108の移動が、第1の力F1、第2の力F2、及びローラー108に加えられる回転力の組み合わせの結果として能動的に実現される。
【0030】
[0046] 1以上の実施例では、ローラードライブ116が、バッキング102に対してローラー108を押圧するための第1の力F1、移動経路118に沿ってローラー108を移動させるための第2の力F2、及びローラー軸110の周りでローラー108を回転させるための回転力を実現するために、自動マニピュレータ170、作業人員172、及び/又は回転ドライブ174の組み合わせを含む。回転ドライブ174を使用する利点には、移動経路118に沿ったローラー108の運動を補助すること、及び、回転ドライブ174を使用してローラー108の回転運動を逆転させることによって、除去後にローラー108からバッキング102を取り外す(例えば、巻かれていたものをほどく)能力が含まれる。
【0031】
[0047] 図1並びに図7及び図8を参照すると、1以上の実施例では、システム100が冷却デバイス122を含む。冷却デバイス122は、バッキング102及び/又はプライ104のうちの少なくとも一方の温度178(図7及び図8)を下げるように構成されている。バッキング102及び/又はプライ104のうちの少なくとも一方の温度178を下げることにより、バッキング102とプライ104との間の張力又は粘着力FT(図4及び図5)、例えば第1の粘着力FT1図14及び図15)が低下する。例えば、バッキング102及びプライ104の温度178を下げることにより、マトリックス164の接着の粘着性又は程度が低下する。したがって、バッキング102及び/又はプライ104の温度178、それにより、粘着力FTを低減させることにより、プライ104からバッキング102を除去するために必要な剥離力FP(図5及び図15)の大きさが低下する。
【0032】
[0048] 1以上の実施例では、冷却デバイス122が、ガス放出デバイス124を含む。1以上の実施例では、ガス放出デバイス124などの冷却デバイス122が、ローラー108に隣接して位置付けられる。1以上の実施例では、ガス放出デバイス124などの冷却デバイス122が、ローラー108に先行して移動経路118に沿って移動する。
【0033】
[0049] 1以上の実施例では、ガス放出デバイス124が、ローラー108のローラー面112とバッキング102の第1のバッキング面120との間の接触インターフェース128に沿って、冷やされたガス126(図7)を吐出するように構成されている。冷やされたガス126は、接触インターフェース128に沿ってバッキング102及び/又はプライ104の温度178を下げる。1以上の実施例では、冷やされたガス126が冷たい空気である。1以上の実施例では、冷やされたガス126がイオン化されて、静電気を低減させる。
【0034】
[0050] 図1を参照すると、1以上の実施例では、ガス放出デバイス124が、ノズル132を含み、又はノズル132の形態を採る。ノズル132は、バッキング102及びプライ104に向けられた冷やされたガス126の速度を高める。
【0035】
[0051] 1以上の実施例では、ガス放出デバイス124が、ディフューザ134を含み、又はディフューザ134の形態を採る。ディフューザ134は、バッキング102及びプライ104に向けられた冷やされたガス126の速度を低下させる。
【0036】
[0052] 1以上の実施例では、ガス放出デバイス124が細長く、ローラー108の長さに略等しい長さを有し、接触インターフェース128の大部分又は全体に沿って、冷やされたガス126を吐出する。1以上の実施例では、ガス放出デバイス124が、ローラー108の長さよりも短い長さを有する。これらの実施例では、ガス放出デバイス124が、ローラー108に沿って(例えば、ローラー軸110と平行に)移動して、接触インターフェース128に沿って、冷やされたガス126を吐出するように構成されている。
【0037】
[0053] 1以上の実施例では、冷却デバイス122が、ガス冷却ユニット136を含む。ガス冷却ユニット136は、ガス放出デバイス124によって吐出又は放出される冷やされたガス126の温度を下げるように構成されている。ガス冷却ユニット136は、任意の適切な冷却ユニットや熱交換器(例えば、液体又はガス)などを含み、又は任意の適切な冷却ユニットや熱交換器などの形態を採る。
【0038】
[0054] 他の複数の実施例では、冷却デバイス122が、ローラー108及び/又は支持プラットフォーム130のうちの少なくとも一方の中に組み込まれる。一実施例として、冷却デバイス122は、ローラー108の本体内に載置された熱交換器又はヒートシンクを含み、又はそのような熱交換器又はヒートシンクの形態を採る。そのような熱交換器又はヒートシンクは、ローラー108を能動的に冷却し、それによって、接触インターフェース128に沿ってバッキング102及び/又はプライ104の温度178を下げるように構成されている。別の一実施例として、冷却デバイス122は、支持プラットフォーム130の本体内に配置された冷やされたガス放出デバイス、熱交換器、若しくはヒートシンクを含み、又はそのような冷やされたガス放出デバイス、熱交換器、若しくはヒートシンクの形態を採る。そのような冷やされたガス放出デバイス、熱交換器、又はヒートシンクは、支持プラットフォーム130を能動的に冷却し、それによって、バッキング102及び/又はプライ104の温度178を下げるように構成されている。
【0039】
[0055] 図1並びに図9及び図10を参照すると、1以上の実施例では、接着フィーチャ114が、少なくとも1つの真空ポート138を含み、又は少なくとも1つの真空ポート138の形態を採る。真空ポート138は、ローラー108のローラー面112を貫通して配置されている。1以上の実施例では、接着フィーチャ114が、複数の真空ポート138を含む。複数の真空ポート138は、ローラー108のローラー面112を貫通して配置されている。複数の真空ポート138は、ローラー108のローラー面112にバッキング102を一次的に接着させることができる吸引力を生成する。更に、複数の真空ポート138は、プライ104から除去したら、バッキング102を解放するように空気の流れを逆にすることができるという利点を提供する。
【0040】
[0056] 1以上の実施例では、システム100が、真空源176(図1)を含む。真空源176は、真空ポンプなどの、真空圧を生成することができる任意の機構又はデバイスである。真空源176は、ローラー108に結合され、真空ポート138のうちの各1つと流体連通している。一実施例として、図10で示されているように、ローラー108の本体は、真空圧を真空ポート138に伝達するためのマニホールドとして働き得る。
【0041】
[0057] 図10で示されているように、1以上の実施例では、接着フィーチャ114が、少なくとも1つのグロメット140を含む。グロメット140は、真空ポート138内に位置付けられている。1以上の実施例では、複数のグロメット140のうちの1つが、複数の真空ポート138の各1つ内に位置付けられる。グロメット140は、リング又は縁部ストリップを含む。リング又は縁部ストリップは、真空ポート138内に及び真空ポート138の周縁に沿って載置されている。それによって、真空ポート138とバッキング102との間に密封を生成する助けとなり、滑りを防止するためにローラー108とバッキング102との間の摩擦を増加させる。
【0042】
[0058] 1以上の実施例では、真空ポート138が、ローラー108の長さに沿った略中心位置に位置付けられる。これらの実施例では、単一の真空ポート138が、プライ104からのバッキング102の剥離を開始することができる第1の接着力FA1図14及び図15)などの接着力FA(図4及び図5)、及びローラー面112にバッキング102を保持することができる静止摩擦力FSF(図4図5図14、及び図15)を生成するのに十分であり得る。
【0043】
[0059] 図9で示されているように、1以上の実施例では、複数の真空ポート138が、ローラー108の長さに沿って延在する。これらの実施例では、複数の真空ポート138が、プライ104からのバッキング102の剥離を開始することができる第1の接着力FA1図14及び図15)などの接着力FA(図4及び図5)、及びローラー面112にバッキング102を保持することができる静止摩擦力FSF(図4図5図14、及び図15)を生成するのに十分であり得る。
【0044】
[0060] 図10で示されているように、1以上の実施例では、複数の真空ポート138が、ローラー108の外周に延在する。これらの実施例では、複数の真空ポート138が、プライ104からのバッキング102の剥離を開始することができる第1の接着力FA1図14及び図15)などの接着力FA(図4及び図5)、及びローラー面112にバッキング102を保持することができる静止摩擦力FSF(図4図5図14、及び図15)を生成するのに十分であり得る。
【0045】
[0061] 真空ポート138の数、サイズ、及び配置は、バッキング102を除去するのに必要な剥離力FP、真空源176から供給される気流、プライ104の形状寸法などの様々な要因に応じて変化し得る。1以上の実施例では、ローラー108の長さに沿って延在する真空ポート138が、略0.128インチの直径、及び隣接する真空ポート138との間に略0.5インチの間隔を有する。1以上の実施例では、ローラー108の外周に延在する複数の真空ポート138が、(例えば、図10で示されているように)互いから等しい角度でずれている。1以上の実施例では、真空ポート138のうちの1以上が、真空ポート138のうちの1以上の他のものとは異なる形状寸法(例えば、直径)を有してよい。一実施例として、真空ポート138のうちのより大きなものは、プライ104からのバッキング102の最初の剥離用に利用されてよく、真空ポート138のうちのより小さなものは、プライ104からのバッキング102の連続的な巻き取り剥離中に、バッキング102をローラー面112に保持するために利用されてよい。
【0046】
[0062] 次に図1並びに図11及び図12を参照すると、1以上の実施例では、接着フィーチャ114が、少なくとも1つの吸引カップ142を含み、又は少なくとも1つの吸引カップ142の形態を採る。吸引カップ142は、ローラー108のローラー面112上に配置され、又はローラー面112に結合される。1以上の実施例では、接着フィーチャ114が、複数の吸引カップ142を含む。複数の吸引カップ142は、ローラー108のローラー面112上に配置され、又はローラー面112に結合される。
【0047】
[0063] 1以上の実施例では、吸引カップ142が、ローラー108の長さに沿った略中心位置に位置付けられる。1以上の実施例では、複数の吸引カップ142が、ローラー108の長さに沿って延在する。1以上の実施例では、複数の吸引カップ142が、ローラー108の外周に延在する。これらの実施例では、複数の吸引カップ142が、プライ104からのバッキング102の剥離を開始することができる第1の接着力FA1図14及び図15)などの接着力FA(図4及び図5)、及びローラー面112にバッキング102を保持することができる静止摩擦力FSF(図4図5図14、及び図15)を生成するのに十分であり得る。
【0048】
[0064] 他の実施例では、接着フィーチャ114が、別の種類の適切な一時的接着構造を含み、又はそのような一時的接着構造の形態を採る。一実施例として、接着フィーチャ114は、面ファスナの細長いストリップ又は一連のストリップを含んでよい。面ファスナの相補的なストリップは、初期剥離領域においてバッキング102の第1のバッキング面120に取り付けられる。
【0049】
[0065] 次に図1並びに図4及び図5を参照すると、1以上の実施例では、システム100が支持プラットフォーム130を含む。支持プラットフォーム130は、支持面144(図4及び図5)を含む。支持面144は、ローラー108の反対側でプライ104を支持する。
【0050】
[0066] 1以上の実施例では、支持プラットフォーム130が、第2の接着フィーチャ146(図4及び図5)を含む。第2の接着フィーチャ146は、支持面144上に配置されている。プライ104からのバッキング102の除去中に、支持プラットフォーム130は、第2の接着フィーチャ146を使用してプライ104を適所に保持する。
【0051】
[0067] 図4及び図5で示されているように、1以上の実施例では、支持プラットフォーム130が、真空テーブル148を含み、又は真空テーブル148の形態を採る。これらの実施例では、第2の接着フィーチャ146が、複数の第2の真空ポート160を含み、複数の第2の真空ポート160の形態を採る。複数の第2の真空ポート160は、支持面144を貫通して配置され、又はさもなければ支持面144を貫通して形成される。第2の真空ポート160は、プライ104を支持面144に保持するために、支持面144にわたり適切に分散される。
【0052】
[0068] 次に図2を参照すると、図2は、複合材料106のプライ104からバッキング102を除去するための方法1000の一実施例を示している。1以上の実施例では、方法1000が、システム100(図1)を使用して実施される。
【0053】
[0069] 図2並びに図1及び図4図6を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ローラー108をバッキング102と接触するように配置するステップ(ブロック1002)を含む。方法1000は、ローラー108のローラー面112をバッキング102の一部分に接着させるステップ(ブロック1004)を含む。方法1000は、移動経路118に沿ってローラー108を移動させるステップ(ブロック1006)、及びローラー軸110の周りでローラー108を回転させるステップ(ブロック1008)を含む。概して、移動経路118に沿ってローラー108を移動させるステップ(ブロック1006)と、ローラー108を回転させるステップ(ブロック1008)とは、同時に行われる。方法1000は、ローラー面112の周りにバッキング102を巻き付けるステップ(ブロック1010)、及びプライ104からバッキング102を剥離させるステップ(ブロック1012)を含む。
【0054】
[0070] 1以上の実施例では、方法1000が、バッキング102及び/又はプライ104のうちの少なくとも一方の温度178を下げるステップ(ブロック1014)を含む。概して、温度178を下げるステップ(ブロック1014)は、ローラー面112の周りにバッキング102を巻き付けるステップ(ブロック1010)及びプライ104からバッキング102を剥離させるステップ(ブロック1012)に先行して(の前に)及び/又はその最中に実行される。
【0055】
[0071] 図2並びに図1図7、及び図8を参照すると、1以上の実施例では、方法1000に従って、バッキング102及び/又はプライ104の温度178を下げるステップ(ブロック1014)が、(例えば、図7及び図8で示されているように)ガス放出デバイス124から、冷やされたガス126を吐出するステップを含む。
【0056】
[0072] 図7及び図8で示されているように、1以上の実施例では、方法1000が、冷やされたガス126が、ローラー108のローラー面112とバッキング102の第1のバッキング面120との間の接触インターフェース128に沿って吐出されるように、ローラー108に先行して、ガス放出デバイス124を移動経路118に沿って移動させるステップを含む。
【0057】
[0073] 図2並びに図1及び図4図8を参照すると、1以上の実施例では、方法1000に従って、ローラー108のローラー面112をバッキング102の一部分に接着させるステップ(ブロック1004)が、ローラー面112上に配置された接着フィーチャ114を使用して、ローラー面112とバッキング102の第1のバッキング面120との間の接着180(図6図8)を実現するステップを含む。
【0058】
[0074] 図2並びに図1図9、及び図10を参照すると、1以上の実施例では、方法1000に従って、ローラー面112と第1のバッキング面120との間の接着180を実現するステップが、ローラー面112を貫通して配置された少なくとも1つの真空ポート138を介して、第1のバッキング面120の一部分に吸引力を加え、真空を生成するステップを含む。
【0059】
[0075] 1以上の実施例では、方法1000に従って、ローラー面112と第1のバッキング面120との間の接着180を実現するステップが、ローラー面112上に配置された少なくとも1つの吸引カップ142を使用して、第1のバッキング面120の一部分に吸引力を加えるステップを含む。
【0060】
[0076] 図2並びに図13A図13Gを参照すると、1以上の実施例では、方法1000に従って、ローラー108を配置するステップ(ブロック1002)が、バッキング102の外側角部152にローラー108を配置するステップを含む。ローラー108のローラー面112をバッキング102の一部分に接着させるステップ(ブロック1004)は、ローラー面112の一部分をバッキング102の外側角部152に接着させるステップを含む。
【0061】
[0077] 1以上の実施例では、方法1000に従って、ローラー108を配置するステップ(ブロック1002)が、移動経路118がバッキング102の縁部150に対して斜めになるように、ローラー108をプライ104に対して方向付けるステップを含む。
【0062】
[0078] 1以上の実施例では、バッキング102の縁部150が、バッキング102の外周縁部154である。1以上の実施例では、バッキング102の縁部150が、バッキング102の内側角部156の一部分を形成する。
【0063】
[0079] 図13A図13Gで示されているように、プライ104したがってバッキング102は、様々な二次元形状寸法又は周縁形状のうちのいずれか1つを有してよい。移動経路118が縁部150(例えば、外周縁部154及び/又は内側角部156)に対して斜めになるように、ローラー108を外側角部152に配置することにより、除去中にバッキング102が破れる可能性が低くなる。
【0064】
[0080] 更に、角部152で開始することは、バッキング102をプライ104から最初に開く表面積がより少ないので有益である。移動経路118は、プライ104及びバッキング102の内側角部、切れ目、又は曲げフィーチャの縁部に対して平行又は垂直ではないので、有利なことに、剥離経路に垂直な縁部を避けて、破れる課題を回避することができる。
【0065】
[0081] 図2並びに図1図4、及び図5を参照すると、1以上の実施例では、方法1000が、ローラー108の反対側でプライ104を支持プラットフォーム130上に支持するステップ(ブロック1016)を含む。
【0066】
[0082] 1以上の実施例では、方法1000が、プライ104を支持プラットフォーム130に接着させるステップ(ブロック1018)を含む。概して、プライ104を支持プラットフォーム130に接着させるステップ(ブロック1018)は、ローラー面112の周りにバッキング102を巻き付けるステップ(ブロック1010)及びプライ104からバッキング102を剥離させるステップ(ブロック1012)の前及び/又は最中に実行される。
【0067】
[0083] 次に図3を参照すると、図3は、複合材料106のプライ104からバッキング102を除去するための方法2000の一実施例を示している。1以上の実施例では、方法2000が、システム100(図1)を使用して実施される。
【0068】
[0084] 図3並びに図1図4図5図14、及び図15を参照すると、1以上の実施例では、方法2000が、バッキング102の第1のバッキング面120に接着力FA(図4及び図5)を加えるステップ(ブロック2002)を含む。図14及び図15で示されている一実施例では、ローラー108の接着フィーチャ114によって第1のバッキング102Aの第1のバッキング面120Aに第1の接着力FA1が加えられる。
【0069】
[0085] 1以上の実施例では、方法2000が、接着力FAを介して第1のバッキング面120に加えられる静止摩擦力FSFを生成するステップ(ブロック2004)を含む。図14及び図15で示されている一実施例では、静止摩擦力FSFが、第1の接着力FA1に比例して、ローラー面112と第1のバッキング102Aの第1のバッキング面120Aとの間に生成される。
【0070】
[0086] 1以上の実施例では、方法2000が、サイクロイド経路に沿って静止摩擦力FSFを向けるステップ(ブロック2006)を含む。静止摩擦力FSFは、ローラー軸110の周りでのローラー108の回転に応じて、サイクロイド経路に沿って移動する。
【0071】
[0087] 1以上の実施例では、方法2000が、第1の接着力FA1図14及び図15)などの接着力FA(図4及び図5)並びに静止摩擦力FSFを介して、バッキング102に加えられる剥離力FP(図5及び図15)を生成するステップ(ブロック2008)を含む。剥離力FPは、プライ104からバッキング102を除去するのに十分である。
【0072】
[0088] 1以上の実施例では、方法2000が、剥離力FPが加えられるエリアにおいてバッキング102及び/又はプライ104のうちの少なくとも一方の温度178を下げるステップ(ブロック2010)を含む。
【0073】
[0089] 1以上の実施例では、図14及び図15で示されているように、方法2000がまた、第2のバッキング102Bの第1のバッキング面120Bに第2の接着力FA2を加えるステップも含む。図14及び図15で示されている一実施例では、第2の接着力FA2が、支持プラットフォーム130の第2の接着フィーチャ146によって第2のバッキング102Bの第1のバッキング面120Bに加えられる。
【0074】
[0090] 1以上の実施例では、プライ104の第1のプライ面158からの第1のバッキング102Aの除去中に、剥離力FPは、第1のバッキング102Aの第2のバッキング面168Aとプライ104の第1のプライ面158との間の第1の粘着力FT1よりも大きい。第1の接着力FA1は、静止摩擦力FSFよりも大きい。支持面144と第2のバッキング102Bの第1のバッキング面120Bとの間の第2の接着力FA2は、プライ104の第2のプライ面166と第2のバッキング102Bとの間の第2の粘着力FT2よりも大きい。支持面144と第2のバッキング102Bの第1のバッキング面120Bとの間の第2の接着力FA2は、剥離力FPよりも大きい。概して、静止摩擦力FSF及び第2の接着力FA2を最大化することが望ましい。
【0075】
[0091] プライ104からのバッキング102の除去中のプライにおける様々な力は、幾つかの異なる要因によって影響を受け得ることが理解されよう。一例として、第1の接着力FA1は、加えられる真空のレベル、真空ポート138の形状寸法、数、及び配置、ローラー108とバッキング102との間で生成される密封の質などによって影響を受け得る。別の一例として、静止摩擦力FSFは、ローラー108の材料、グロメット140の材料、第1の接着力FA1などによって影響され得る。別の一例として、剥離力FPは、ローラー108のトルクやローラー108の直径などによって影響され得る。別の一例として、粘着力FTは、材料(例えば、マトリックス164)の種類、温度、時間などによって影響を受け得る。別の一例として、第2の接着力FA2は、真空テーブルの種類や粘着力FTなどによって影響を受け得る。
【0076】
[0092] 本明細書では明確に示されていないが、システム100、方法1000、及び方法2000は、プライ104の両側又は両面からバッキング102を除去するために利用され得る。一実施例として、第1のバッキング102Aは、本明細書で説明されるように、図4図15の実施例によって示されているように、プライ104から除去され得る。第1のバッキング102Aの除去後に、プライ104は、支持プラットフォーム130から除去され得及び/又は第2のバッキング102Bの除去のために再方向付けされ得る。本明細書で説明されるプロセスは、第1のバッキング102Aのものと実質的に同様なやり方で第2のバッキング102Bを除去するために繰り返され得る。
【0077】
[0093] したがって、本明細書で開示されるシステム100、方法1000、及び方法2000は、ローラー108を利用することによって、複合材料106のプライ104からバッキング102を除去するための独特な解決策を提供する。ローラー108は、バッキング102の角部152を掴み、バッキング102を巻き上げて、バッキング102をプライ104から剥離させ、更に、冷却デバイス122が、プライ104の温度178を下げ、したがって、プライ104とバッキング102との間の粘着力を低下させる。
【0078】
[0094] 本明細書で開示されるシステム100、方法1000、及び方法2000は、有利なことに、プライ104の位置を乱すことなしにバッキング102を除去するための十分に強い剥離力(例えば、図14及び図15で示されている剥離力FP)を提供し、バッキング102を破いたり又はプライ104に損傷を与えたりすることなしにプライ104及びバッキング102の様々な形状寸法(例えば、図13A図13Gで示されているような)への適用を提供し、並びに、様々なプロセス変数を考慮することによって再現性を提供する。
【0079】
[0095] 次に図16及び図17を参照すると、本明細書で説明されるシステム100、方法1000、及び方法2000の複数の実施例は、図16のフロー図で示されているような航空機の製造及び保守方法1100、並びに図17で概略的に示されているような航空機1200に関連してよく、又はそれらの文脈で使用されてよい。例えば、航空機1200及び/又は航空機の製造及び保守方法1100は、システム100を使用して及び/又は方法1000若しくは方法2000に従ってバッキング材料がレイアップの各プライから除去されるプリプレグレイアップから製造される複合材構造物を利用してよい。
【0080】
[0096] 図17を参照すると、図17は航空機1200の一例を示している。航空機1200はまた、内装1206を有する機体1202も含む。航空機1200は、複数の搭載型システム1204(例えば、高レベルのシステム)を含む。航空機1200の搭載型システム1204の複数の例には、推進システム1208、液圧システム1212、電気システム1210、及び環境システム1214が含まれる。他の複数の例では、搭載型システム1204がまた、例えば、フラップ、スポイラー、エルロン、スラット、ラダー、エレベータ、及びトリムタブなどの、航空機1200の機体1202に結合された1以上の制御システムも含む。更に他の複数の例では、搭載型システム1204がまた、非限定的に、通信システム、アビオニクスシステム、ソフトウェア配布システム、ネットワーク通信システム、乗客情報/娯楽システム、誘導システム、レーダーシステム、武器システムなどの、1以上の他のシステムも含む。航空機1200は、例えば、機体1202、内装1206、及び/又は搭載型システム1204のうちの1以上の一部分を形成する、様々な複合材構造を含んでよい。これらの複合材構造は、システム100を使用して及び/又は方法1000若しくは方法2000に従ってバッキング材料がレイアップの各プライから除去されるプリプレグレイアップから製造されてよい。
【0081】
[0097] 図16を参照すると、航空機1200の製造開始前の段階では、航空機の製造及び保守方法1100が、航空機の仕様及び設計1200(ブロック1102)並びに材料の調達(ブロック1104)を含む。航空機1200の製造段階では、航空機1200の構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)並びにシステムインテグレーション(ブロック1108)が行われる。その後、航空機1200は、認可及び納品(ブロック1110)を経て、運航(ブロック1112)に供される。定期的な整備及び保守(ブロック1114)が、航空機1200の1以上のシステムの改変、再構成、改修などを含む。
【0082】
[0098] 図16で示されている航空機の製造及び保守方法1100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実施又は実行されてもよい。この明細書の解釈上、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含んでよいがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでよいがそれらに限定されず、且つ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0083】
[0099] 本明細書で示され、説明されるシステム100、方法1000、及び方法2000は、図16で示されているフロー図で示される航空機の製造及び保守方法1100の1以上の任意の段階中に採用されてよい。一例では、システム100を使用する及び/又は方法1000若しくは方法2000に従う複合材料のプライからのバッキング材料の除去は、構成要素及びサブアセンブリの製造(ブロック1106)並びに/又はシステムインテグレーション(ブロック1108)の一部分を構成してよい。更に、システム100を使用する及び/又は方法1000若しくは方法2000に従う複合材料のプライからのバッキング材料の除去は、航空機1200の運航(ブロック1112)期間中に準備される構成要素又はサブアセンブリと同様なやり方で実施されてよい。また、システム100を使用する及び/又は方法1000若しくは方法2000に従う複合材料のプライからのバッキング材料の除去は、システムインテグレーション(ブロック1108)並びに認可及び納品(ブロック1110)中に利用されてよい。同様に、システム100を使用する及び/又は方法1000若しくは方法2000に従う複合材料のプライからのバッキング材料の除去は、例えば、非限定的に、航空機1200の運航(ブロック1112)期間中並びに整備及び保守(ブロック1114)中に利用されてよい。
【0084】
[00100] 先の詳細な記載は、添付の図面に言及している。添付の図面は、本開示によって記載される具体的な実施例を示す。様々な構造及び工程を有する他の実施例は、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号は、様々な図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表しうる。本開示を通じて、複数のアイテムのうちのいずれも、そのアイテムとして個別に称することができ、複数のアイテムは総称的にアイテム(複数)として称することができ、同様の参照符号によって表され得る。更に、本明細書では、「1つの(「a」又は「an」)」という用語の後に続く特徴、要素、構成要素、又はステップは、それを除外すると明示的に記載しない限り、複数の特徴、要素、構成要素又はステップを除外しないものと理解されたい。
【0085】
[00101] 本開示に係る発明の主題の例示的で非網羅的な実施例が特許請求されうるが、必ずしも特許請求されるわけではない。本明細書における「実施例(example)」への言及は、例と関連付けて説明している1以上の特徴、構造物、要素、構成要素、特性、及び/又は動作ステップが、本開示による主題の少なくとも1つの態様、実施形態、及び/又は実行形態に含まれることを意味する。したがって、本開示全体にわたって使用される「一実施例」、「別の一実施例」、「1以上の実施例」という表現、及び同様の文言は、同一の実施例を指していることもあるが、必ずしもそうではないこともある。更に、例のいずれか1つを特徴付ける主題は、他の例のいずれかを特徴付ける主題を含みうるが、必ず含むわけではない。更に、例のいずれか1つを特徴付ける主題は、他の例のいずれかを特徴付ける主題と組み合わされうるが、必ず組み合わされるわけではない。
【0086】
[00102] 本明細書において、特定の機能を実行する「~よう構成された(configured to)」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素又はハードウェアは、実際には、さらなる改変後にその特定の機能を実行する潜在能力を単に有するというより、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実行することが可能である。換言すれば、特定の機能を実行するように「構成された」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアは、その特定の機能を実行することを目的に特に選択され、作成され、実装され、利用され、プログラムされ、且つ/又は設計されている。本明細書で使用される場合、「~するように構成された」とは、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアがさらなる修正なしに特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアの既存の特性を指す。本開示の場合、特定の機能を実行するように「構成されている」と記述されているシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアは、追加的又は代替的に、その機能を実行するように「適合されている」及び/又は「動作する」と記述されうる。
【0087】
[00103] 別様に示されていない限り、「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」等の用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が指しているアイテムに、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことは意図されていない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の、又はより小さい数が振られたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の、又はより大きな数が振られたアイテムの存在を必要とすることも、排除することもない。
【0088】
[00104] 本明細書で使用される際に、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1以上の種々の組み合わせが使用されてもよく、且つ列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされてもよいということを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」には、「アイテムA」、又は「アイテムA及びアイテムB」が含まれうるが、これらに限定されない。本例は、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、又は、アイテムB及びアイテムCも含みうる。他の例において、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB、及び7個のアイテムC」、及び、他の好適な組み合わせでありうるが、これらに限定されない。本明細書では、「及び/又は(and/or)」という表現及び「/」という印は、関連して列挙された1つ以上のアイテムの任意の組み合わせ及びあらゆる組み合わせを含む。
【0089】
[00105] 本開示の場合、用語「結合された(coupled)」、「結合(coupling)」、及び類似の用語は、互いに結合、連結、締結、装着、接続、通信され、さもなければ(例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁気的に)関連付けられている2つ以上の要素を指す。様々な例において、これらの要素は、直接的に関連付けられていても、間接的に関連付けられていてもよい。一実施例として、要素Aは、要素Bと直接的に結合されてよい。別の一実施例として、要素Aは、例えば別の要素Cを介して要素Bと間接的に結合されてよい。本開示の様々な要素の間の全ての結合が、必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。したがって、図に示されたもの以外の結合も存在し得る。
【0090】
[00106] 本明細書では、「略(approximately)」という用語が、所望の機能を依然として実行し又は所望の結果を実現する規定の状態に近いが、厳密にそうではない状態を指し又は表す。一例として、「略」という用語は、規定の状態の10%の範囲内にある状態など、許容可能な所定の公差又は精度の範囲内にある状態を指している。しかしながら、「略」という用語は、厳密に、規定の状態である状態を除外しない。本明細書では、「実質的に(substantially)」という用語は、基本的に、所望の機能を実行する又は所望の結果を実現する規定の状態である状態を指している。
【0091】
[00107] 上で参照された図1図4図15、及び図17は、機能的要素、特徴、又はその構成要素を表すことができ、必ずしも任意の特定の構造を示唆するわけではない。したがって、例示された構成に修正、追加、及び/又は省略がなされ得る。更に、当業者には、上で参照された図1図4図15、及び図17で説明され、示された全ての要素、特徴、及び/又は構成要素が、全ての実施例に含まれる必要がなく、本明細書に記載される全ての要素、特徴、及び/又は構成要素が、必ずしも各例示的な実施例に示されないことが分かるであろう。したがって、図1図4図15、及び図17で説明され、示される要素、特徴、及び/又は構成要素のうちの幾つかは、図1図4図15、及び図17、他の図面、並びに/又は付随する開示で説明され、示された他の特徴を含むことを必要とせずに、様々なやり方で組み合わせることができるが、このような組み合わせは、本明細書では明示的に示されていない。同様に、提示される実施例に限定されない追加の特徴が、本明細書で図示され記載される特徴の一部又は全てと組み合わせられ得る。別途明示的に記載されない限り、上述の図1図4図15、及び図17で描かれた複数の実施例の概略図は、例示的な実施例に関する構造的制限を示唆することを意図していない。むしろ、1つの例示的な構成が示されていても、それは適宜修正されてもよいことを理解されたい。したがって、例示された構成に修正、追加、及び/又は省略がなされ得る。更に、同様の、又は少なくとも実質的に同様の目的に適う要素、特徴、及び/又は構成要素には、図1図4図15、及び図17のそれぞれにおいて同様の符号が付され、このような要素、特徴、及び/又は構成要素については、図1図4図15、及び図17のそれぞれを参照する際に本明細書において詳細が述べられないこともある。同様に、全ての要素、特徴、及び/又は構成要素には、図1図4図15、及び図17のそれぞれにおいて符号が付されるわけではないが、本明細書ではそれらに関連する参照符号が一貫して使用され得る。
【0092】
[00108] 上で参照された図2図3、及び図16では、複数のブロックが、動作、ステップ、及び/又はその部分を表わすことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、動作又はその部分の任意の特定の順序又は従属関係を示唆するものではない。開示される様々な工程間の全ての依存関係が必ずしも表されているわけではないことを理解されたい。図2図3、及び図16並びに本明細書で開示される動作を説明する付随的な開示は、動作が実行されるべき順序を必ずしも決定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、1つの例示的な順番が示されていても、動作のシーケンスは、それが適当な場合には変更され得ると理解されたい。したがって、例示された動作に修正、追加、及び/又は省略がなされてもよく、特定の動作は、異なる順序で、又は同時に実行されてもよい。加えて、当業者は、記載されている全ての動作を実行する必要がないことが分かるであろう。
【0093】
[00109] 更に、本明細書全体を通して、本明細書で使用される特徴、利点又は類似の言い回しへの言及は、本明細書に開示の例で実現されうる特徴及び利点の全てが任意の単一の例であるべきか又は任意の単一の例であることを暗に意味するものではない。むしろ、特徴及び利点に言及する言い回しは、一例に関連して説明された特定の特徴、利点又は特性が、少なくとも1つの例に含まれることを意味すると理解される。したがって、本開示全体を通して使用される特徴、利点、及び類似の言い回しの議論は、必ずしもそうではないが、同じ例を指すことがある。
【0094】
[00110] 一実施例の説明される特徴、利点、及び特性は、1以上のその他の実施例において、任意の好適な様態で組み合わされ得る。当業者には、本明細書で説明される実施例が、特定の例の具体的な特徴又は利点のうちの1以上がなくとも実践され得ることが認識されよう。他の事例では、全ての例に存在するわけではない更なる特徴及び利点が、ある種の例において認識され得る。更に、システム100、方法1000、及び方法2000の様々な実施例が示され、説明されたが、当業者であれは、本明細書を読むことで変形例に想到するであろう。本出願は、このような変形例を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】