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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058659
(43)【公開日】2024-04-25
(54)【発明の名称】車両用ドア開閉操作装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20240418BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20240418BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
E05B85/16 D
B60J5/00 B
B60J5/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177699
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】202211253510.0
(32)【優先日】2022-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523390460
【氏名又は名称】阿▲爾▼▲発▼(広州)汽▲車▼配件有限公司
【氏名又は名称原語表記】ALPHA(GUANGZHOU)AUTOMOTIVEPARTS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.11 CheCheng Road, Huadu Auto City, Guangzhou City, 510800 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】垣田 晃介
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ42
2E250LL01
2E250PP12
(57)【要約】
【課題】小型化による省スペース化が可能な車両用ドア開閉操作装置を提供する。
【解決手段】カバー揺動機構部20は、カバー部材31を閉位置と開位置との間で移動可能に支持する揺動可能なリンクユニット30と、モータ71によって回動するカム部材72を備え、カム部材72に設けられたカム突起88によってリンクユニット30のカムフォロア部58を押動してリンクユニット30を揺動させることで、カバー部材31を移動させる揺動ユニット70と、を有し、カムフォロア部58は、少なくとも一部が正面視においてカム部材72と重合している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアに設けられた操作開口部を塞ぐ閉位置と前記操作開口部を開く開位置とに移動するカバー部材を有するカバー揺動機構部と、
前記ドア内に配置され、前記操作開口部からユーザによって操作されて前記ドアを開閉操作するドア開閉操作部と、
を備え、
前記カバー揺動機構部は、
前記カバー部材を前記閉位置と前記開位置との間で移動可能に支持する揺動可能なリンクユニットと、
モータによって回動するカム部材を備え、前記カム部材に設けられた突起部によって前記リンクユニットの係合部を押動して前記リンクユニットを揺動させることで、前記カバー部材を移動させる揺動ユニットと、
を有し、
前記係合部は、少なくとも一部が正面視において前記カム部材と重合している、
車両用ドア開閉操作装置。
【請求項2】
前記突起部が、前記カム部材の外形の内側に配置されている、
請求項1に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【請求項3】
前記リンクユニットは、第1リンク部と、第2リンク部と、を有する平行リンク構造を備え、
前記カバー部材は、前記リンクユニットによって、姿勢を維持した状態で前記閉位置と前記開位置との間で移動される、
請求項1または2に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【請求項4】
前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、それぞれ一対のリンクアームを備え、
前記揺動ユニットは、一対の前記リンクアームの間に配置されている、
請求項3に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【請求項5】
前記リンクユニットに負荷を付与するダンパーを備える、
請求項1または2に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【請求項6】
前記リンクユニットに負荷を付与するダンパーを備える、
請求項3に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドア開閉操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車のドアを開閉させる際にユーザが把持するハンドル部材が突没する構造のドア開閉操作装置が開示されている。このドア開閉操作装置では、回転角度によって回転中心からの距離が変位するカム部材をハンドル部材に当接させ、カム部材をモータ駆動することでハンドル部材を突没させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0019261号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のドア開閉操作装置では、ハンドル部材がカム部材の外周に当接して押動される構成のため、ハンドル部材のストローク量に応じてカム部材の外形が大きくなり、装置が大型化してしまう。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化による省スペース化が可能な車両用ドア開閉操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
車両のドアに設けられた操作開口部を塞ぐ閉位置と前記操作開口部を開く開位置とに移動するカバー部材を有するカバー揺動機構部と、
前記ドア内に配置され、前記操作開口部からユーザによって操作されて前記ドアを開閉操作するドア開閉操作部と、
を備え、
前記カバー揺動機構部は、
前記カバー部材を前記閉位置と前記開位置との間で移動可能に支持する揺動可能なリンクユニットと、
モータによって回動するカム部材を備え、前記カム部材に設けられた突起部によって前記リンクユニットの係合部を押動して前記リンクユニットを揺動させることで、前記カバー部材を移動させる揺動ユニットと、
を有し、
前記係合部は、少なくとも一部が正面視において前記カム部材と重合している、車両用ドア開閉操作装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化による省スペース化が可能な車両用ドア開閉操作装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る車両用ドア開閉操作装置の正面図である。
図2図2は、本実施形態に係る車両用ドア開閉操作装置の裏面図である。
図3図3は、図2におけるIII-III断面図である。
図4図4は、車両用ドア開閉操作装置の分解斜視図である。
図5図5は、カバー揺動機構部の正面図である。
図6図6は、カバー揺動機構部の裏面図である。
図7図7は、リンクユニットの斜視図である。
図8図8は、リンクユニットの正面図である。
図9図9は、リンクユニットの側面図である。
図10図10は、車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の裏面図である。
図11図11は、車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の断面図である。
図12図12は、カバー揺動機構部の動きを説明する閉状態における車両用ドア開閉操作装置の一部の斜視図及びリンクユニットの斜視図である。
図13図13は、カバー揺動機構部の動きを説明する開状態における車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の裏面図である。
図14図14は、カバー揺動機構部の動きを説明する開状態における車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の断面図である。
図15図15は、カバー揺動機構部の動きを説明する開状態における車両用ドア開閉操作装置の一部の斜視図及びリンクユニットの斜視図である。
図16図16は、カバー揺動機構部の動きを説明する全開状態における車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の裏面図である。
図17図17は、カバー揺動機構部の動きを説明する全開状態における車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の断面図である。
図18図18は、カバー揺動機構部の動きを説明する全開状態における車両用ドア開閉操作装置の一部の斜視図及びリンクユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用ドア開閉操作装置の正面図である。図2は、本実施形態に係る車両用ドア開閉操作装置の裏面図である。図3は、図2におけるIII-III断面図である。図4は、車両用ドア開閉操作装置の分解斜視図である。
【0010】
図1図4に示すように、本実施形態に係る車両用ドア開閉操作装置1は、自動車等の車両のドア2に設けられる。この車両用ドア開閉操作装置1が設けられるドア2を構成するアウターパネル3には、操作開口部5が形成されており、この操作開口部5を介して、ドア2内のスペースが外部と連通される。
【0011】
車両用ドア開閉操作装置1は、カバー揺動機構部20と、ドア開閉機構部100とを有している。これらのカバー揺動機構部20及びドア開閉機構部100は、ケース10に収容されている。カバー揺動機構部20は、ケース10における上部に組み込まれ、ドア開閉機構部100は、ケース10における下部に組み込まれている。この車両用ドア開閉操作装置1は、カバー揺動機構部20及びドア開閉機構部100が、制御部(図示略)によって制御される。
【0012】
ケース10は、前面部11と、後面部12と、側面部13,14とを有する箱型に形成されている。ケース10には、その上部及び下部に、挿通孔16aを有する取付部16が形成されている。ケース10の上端には、2つの取付部16が設けられ、ケース10の下端には、1つの取付部16が設けられている。車両用ドア開閉操作装置1は、取付部16の挿通孔16aに挿し込んだボルト(図示略)をアウターパネル3のブラケット(図示略)にねじ込んで取付部16を締結することにより、アウターパネル3に固定される。
【0013】
ケース10は、カバー揺動機構部20が設けられる上部において、後方側が開放され、ドア開閉機構部100が設けられる下部において、前方側が開放されている。ケース10には、その後部における後面部12の上部にリアカバー17が組付けられる。
【0014】
ケース10の前面部11には、アウターパネル3の操作開口部5と略同一形状の開口部21が形成されている。この開口部21は、車両用ドア開閉操作装置1をアウターパネル3に固定した状態で、アウターパネル3の操作開口部5と連通する位置に形成されている。
【0015】
また、ケース10には、一方の側面部13における操作開口部5に隣接した位置に、取付孔18が形成されており、この取付孔18には、シリンダ錠19が組付けられる。車両用ドア開閉操作装置1では、操作開口部5からシリンダ錠19にキー(図示略)を挿し込んで操作することにより、車両のボディ(図示略)に対するドア2のロック機構におけるロック及びロック解除が可能とされている。
【0016】
図5は、カバー揺動機構部の正面図である。図6は、カバー揺動機構部の裏面図である。
図5及び図6に示すように、カバー揺動機構部20は、リンクユニット30と、揺動ユニット70とを有している。これらのリンクユニット30及び揺動ユニット70は、ケース10の上部に収容される。
【0017】
図7は、リンクユニットの斜視図である。図8は、リンクユニットの正面図である。図9は、リンクユニットの側面図である。
【0018】
図7図9に示すように、リンクユニット30は、カバー部材31と、第1リンク部32と、第2リンク部33とを有している。
【0019】
カバー部材31は、板状に形成されている。カバー部材31は、ケース10の前面部11に形成された開口部21よりも僅かに小さな外形を有している。カバー部材31には、その後面における両端近傍に、第1連結部35及び第2連結部37が形成されている。第1連結部35は、カバー部材31の後面における上方位置に形成され、第2連結部37は、カバー部材31の後面における第1連結部35よりも下方位置に形成されている。
【0020】
第1リンク部32は、一対の第1リンクアーム(リンクアーム)41を有している。第1リンクアーム41は、一端41aがカバー部材31の第1連結部35に回動可能に連結されている。第1リンクアーム41は、他端41bの近傍で前方側へ屈曲されている。
【0021】
第2リンク部33は、一対の第2リンクアーム(リンクアーム)51を有している。第2リンクアーム51は、その中間部で略直角に屈曲されている。第2リンク部33の第2リンクアーム51は、第1リンク部32の第1リンクアーム41の外側に配置されている。
【0022】
第2リンクアーム51は、その一端51aが連結棒53によって互いに連結されている(図4参照)。連結棒53には、一対の連結片53aが形成されており、これらの連結片53aがカバー部材31の第2連結部37に回動可能に連結されている。また、第2リンクアーム51には、他端51bに、挿通孔54が形成されている。
【0023】
第2リンクアーム51は、屈曲された中間部がカム棒55によって互いに連結されている。カム棒55は、クランク状に形成されたクランク部56と、ブッシュ57が装着されたカムフォロア部(係合部)58と、を有している。ブッシュ57は、例えば、樹脂材料から形成されたもので、平板部57aの両縁部から複数の爪部57bが立設された形状を有している。このブッシュ57は、平板部57aの両縁部から立設する爪部57bがカム棒55を把持することによりカム棒55に装着される。これにより、カム棒55に、ブッシュ57が装着されたカムフォロア部58が構成される。
【0024】
第2リンクアーム51には、中間部での屈曲箇所に板状部61が形成されており、この板状部61によって第2リンクアーム51が中間部から他端51bにわたって補強されている。第2リンクアーム51の一方の板状部61には、その外面側に、扇状のギヤ部62が形成されている。このギヤ部62には、ケース10の一方の側面部13の装着孔65(図4参照)に取り付けられるダンパー63のギヤ64が噛み合わされる。
【0025】
図1及び図4に示すように、リンクユニット30の第1リンク部32を構成する第1リンクアーム41は、その他端41bが、ケース10の前面部11の上部における両側部近傍に形成された支持凹部67に、ケース10の内側から挿し込まれて回動可能に支持される。
【0026】
また、リンクユニット30の第2リンク部33を構成する第2リンクアーム51は、その他端51bに形成された挿通孔54に、ケース10の前面部11に装着される支持棒68が挿通されて回動可能に支持される。第2リンク部33は、支持棒68に組付けられるコイルバネ69によって回動方向の一方向(図3におけるR1方向)へ向かって付勢される。
【0027】
リンクユニット30は、カバー部材31を支持する第1リンク部32及び第2リンク部33が平行リンクを構成する。つまり、第1リンク部32の第1リンクアーム41及び第2リンク部33の第2リンクアーム51が、それぞれの他端41b,51bを支点に回動することにより、カバー部材31が略同一の姿勢を維持したまま移動される。
【0028】
図10は、車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の裏面図である。図11は、車両用ドア開閉操作装置のカバー揺動機構部の断面図である。
図4図10及び図11に示すように、揺動ユニット70は、後面側が開放された箱型の収容ケース73を有しており、この収容ケース73の内部に、モータ71及びカム部材72が収容される。収容ケース73には、その開放された後面側に蓋部材74がネジ75によってネジ止めされて組付けられる。収容ケース73と蓋部材74との間には、シール部材76が設けられ、このシール部材76によって、収容ケース73と蓋部材74との間がシールされる。
【0029】
収容ケース73には、その上部に、挿通孔77aを有する2つの取付部77が形成されている。揺動ユニット70は、ケース10に収容した状態で、収容ケース73の取付部77がケース10の取付部16に重ね合わされ、それぞれの挿通孔16a,77aが連通される。この状態で、互いに連通した挿通孔16a,77aに挿し込んだボルト(図示略)をアウターパネル3のブラケット(図示略)にねじ込むことにより、取付部16,77がアウターパネル3のブラケットに共締めされて固定される。
【0030】
収容ケース73の内部に収容されるモータ71は、電極端子81に接続された給電用の電線(図示略)を介して給電されて駆動する。このモータ71は、その駆動軸71aが側方へ向くように収容ケース73内に配置されている。モータ71には、駆動軸71aにウォームギヤ82が設けられている。
【0031】
収容ケース73の内部において、モータ71とカム部材72との間には、減速伝達ギヤ83が前後方向の軸線を中心に回転可能に支持されている。減速伝達ギヤ83は、大径ギヤ84と、小径ギヤ85とを有しており、モータ71のウォームギヤ82は、減速伝達ギヤ83の大径ギヤ84に噛み合わされている。
【0032】
カム部材72は、円板状に形成されており、収容ケース73の内部において、前後方向に沿う回転軸72aを中心に回転可能に支持されている。このカム部材72は、その前面側に、環状ギヤ部86を有しており、この環状ギヤ部86には、減速伝達ギヤ83の小径ギヤ85が噛み合わされている。
【0033】
カム部材72には、その前面側における環状ギヤ部86の内側に、前方へ向かって突出するスイッチ操作突起87が形成されている。また、カム部材72には、その後面側に、後方へ向かって突出するカム突起(突起部)88が形成されている。これらのスイッチ操作突起87及びカム突起88は、カム部材72の外形の内側に配置されており、それぞれ回転軸72aを中心とした円弧状に形成されている。収容ケース73に組付けられる蓋部材74には、円形状の窓部74aが形成されており、この窓部74aには、カム部材72のカム突起88を有する後面側が嵌装される。この窓部74aとカム部材72との間は、環状のシール部材89によってシールされる。
【0034】
カム部材72のカム突起88は、リンクユニット30を構成する第2リンク部33のカム棒55におけるブッシュ57が装着されたカムフォロア部58の下方位置に配置されており、カム部材72が回転することにより、カムフォロア部58を上方へ押圧する。つまり、カムフォロア部58は、カム部材72のカム突起88によって押動される。
【0035】
収容ケース73の内部には、2つの停止スイッチ91,92が設けられている。これらの停止スイッチ91,92は、支持部材90によって、カム部材72の前方側において、回転軸72a回りの異なる位置に支持されている。これらの停止スイッチ91,92は、カム部材72のスイッチ操作突起87が接触及び離間することにより、ON/OFFされる。
【0036】
また、揺動ユニット70は、その後面側に、2つの検知スイッチ95,96を備えている。これらの検知スイッチ95,96は、収容ケース73に組付けられる蓋部材74に取り付けられる。一方の検知スイッチ95は、揺動ユニット70の下部に配置され、他方の検知スイッチ96は、揺動ユニット70の上部に配置されている。これらの検知スイッチ95,96は、リンクユニット30を構成する第2リンク部33のカム棒55が接触及び離間することにより、ON/OFFされる。
【0037】
上記のリンクユニット30と揺動ユニット70とからなるカバー揺動機構部20では、カム棒55のカムフォロア部58が、車両用ドア開閉操作装置1の正面視において、カム部材72と重合する位置に配置される。また、揺動ユニット70は、リンクユニット30の第1リンク部32及び第2リンク部33を構成する一対の第1リンクアーム41及び一対の第2リンクアーム51の間に配置される。
【0038】
図1図3及び図4に示すように、ドア開閉機構部100は、操作レバー101を有している。この操作レバー101は、前面板部102と、側面板部103と、底部104とを有している。この操作レバー101は、ケース10における前方側が開放された下部に収容される。操作レバー101は、その底部104における前方側が、支持軸105によってケース10に対して回動可能に支持されている。
【0039】
操作レバー101には、前面板部102における上縁近傍に、内側へ突出する係止突部111を有している。また、操作レバー101は、底部104に、後方へ向かって突出する突起部112を有しており、この突起部112は、ケース10の後面部12の後方側へ突出されている。
【0040】
ケース10の後面部12には、押圧レバー113が設けられている。この押圧レバー113は、軸部材114、ワッシャ115、加締め部材116によって、ケース10の後面部12に回動可能に取り付けられている。この押圧レバー113の一端側には、操作レバー101の突起部112の上部に当接する押圧片113aが形成されている。ケース10の後面部12には、凹部117が形成されている。凹部117は、押圧レバー113が回動した際に押圧レバー113の他端部113bが凹部117の内壁面117aと当接し回動が規制されることのないように形成されている(図2参照)。
【0041】
この押圧レバー113は、軸部材114に取り付けられたコイルバネ118の弾性力によって一方向(図2におけるR2方向)へ向かって付勢されている。これにより、押圧レバー113の押圧片113aによって操作レバー101の突起部112が押し下げられる。したがって、操作レバー101は、支持軸105を中心として、ケース10の奥側へ向かう一方向(図3におけるR3方向)へ付勢される。
【0042】
ドア開閉機構部100では、操作レバー101は、アウターパネル3の操作開口部5及びケース10の開口部21にユーザが指を挿し込んで係止突部111にかけて手前へ引くことにより、付勢方向(図3におけるR3方向)と反対方向へ揺動される。これにより、車両のボディ(図示略)に対してドア2が開かれる。なお、ドア2は、操作レバー101の操作力によって機械的に開かれる構造でもよく、また、操作レバー101の操作を検知して駆動する駆動部によって開かれる構造でもよい。
【0043】
次に、カバー揺動機構部20の動作について説明する。
図12図18は、カバー揺動機構部の動きを説明する説明図である。
図11及び図12に示すように、カバー揺動機構部20は、閉状態では、リンクユニット30のカバー部材31がケース10の開口部21に嵌り込んでおり、ドア2のアウターパネル3の操作開口部5がカバー部材31によって閉じた状態となっている。また、図10に示すように、閉状態において、リンクユニット30の第2リンク部33を構成するカム棒55のクランク部56が検知スイッチ95に接触し、この検知スイッチ95がON状態とされている。
【0044】
この閉状態において、車両のドア2を開いて乗車するユーザは、リンクユニット30のカバー部材31を指で押し込む。カバー部材31がユーザによって押し込まれると、カバー部材31がコイルバネ69の付勢力に反してドア2内の操作スペース7へ向かって変位する。すると、リンクユニット30の第1リンク部32及び第2リンク部33がコイルバネ69の付勢力に反して揺動され、第2リンク部33のカム棒55のクランク部56が検知スイッチ95から離間し、検知スイッチ95がOFF状態となる。すると、制御部は、例えば、ユーザが所持する電子キーからの認証コードに基づいて認証を行う。認証が成立すると、制御部は、車両のボディに対するドア2のロック機構におけるロックを解除するとともに、揺動ユニット70を駆動させる。
【0045】
揺動ユニット70では、モータ71が駆動し、このモータ71の回転が減速伝達ギヤ83によって減速されてカム部材72に伝達される。これにより、カム部材72が一方向(図10におけるR4方向)へ回転する。すると、下方に配置されていたカム部材72のカム突起88がカム部材72の回転にともなって、カム棒55のカムフォロア部58に接触しながら上方へ回動する。
【0046】
図13に示すように、カム部材72のカム突起88が上方へ回動すると、カム棒55が押上げられる。これにより、図14及び図15に示すように、リンクユニット30の平行リンクを構成する第1リンク部32及び第2リンク部33がそれぞれ揺動することにより、カバー部材31が姿勢を維持しながら操作スペース7内へ移動する。これにより、ケース10の開口部21及びアウターパネル3の操作開口部5が開口した開状態とされる。
【0047】
開状態となると、カム部材72のスイッチ操作突起87が停止スイッチ92に接触し、この停止スイッチ92がON状態となる。すると、モータ71の駆動が停止されてリンクユニット30の揺動が停止され、カバー部材31が開状態の位置に配置された状態に維持される。
【0048】
この開状態において、ユーザは、アウターパネル3の操作開口部5及びケース10の開口部21に指を挿し込み、ドア開閉機構部100の操作レバー101の係止突部111に指をかけて操作レバー101を手前へ引く。これにより、車両のボディに対してドア2が開かれる。
【0049】
この開状態において、ユーザが開状態とされているリンクユニット30のカバー部材31を指で押すと、図16図17に示すように、カバー部材31が奥へ押し込まれた全開状態とされ、リンクユニット30の第2リンク部33を構成するカム棒55が検知スイッチ96に接触する。これにより、この検知スイッチ96がON状態とされる。
【0050】
検知スイッチ96がON状態とされると、揺動ユニット70のモータ71が駆動し、カム部材72が反対方向(図16におけるR5方向)へ回転する。すると、上方に配置されていたカム部材72のカム突起88が下方へ回動する。カム部材72のカム突起88が下方へ回動すると、コイルバネ69によって付勢されている第2リンク部33のカム棒55が下がる。これにより、リンクユニット30の平行リンクを構成する第1リンク部32及び第2リンク部33がそれぞれ付勢方向(図3におけるR1方向)へ揺動することにより、カバー部材31が姿勢を維持しながらケース10の開口部21及びアウターパネル3の操作開口部5へ向かって移動する。また、カム突起88が下方へ回動すると、カム部材72のスイッチ操作突起87が停止スイッチ91に接触し、この停止スイッチ91がON状態となる。すると、モータ71の駆動が停止されてリンクユニット30の揺動が停止される。そして、コイルバネ69の付勢力によってリンクユニット30のカバー部材31がケース10の開口部21に嵌り込み、ドア2のアウターパネル3の操作開口部5がカバー部材31によって閉ざされた閉状態(図11及び図12参照)となる。また、この閉状態となることで、リンクユニット30の第2リンク部33を構成するカム棒55のクランク部56が検知スイッチ95に接触し、この検知スイッチ95がON状態となる。これにより、制御部は、カバー揺動機構部20が閉状態であることを検知する。
【0051】
以上、説明したように、本実施形態に係る車両用ドア開閉操作装置1によれば、カムフォロア部58が正面視においてカム部材72と重合し、カムフォロア部58を押動させるカム部材72のカム突起88がカム部材72の外形の内側に配置された構造であるので、カバー揺動機構部20のコンパクト化が図れる。これにより、車両用ドア開閉操作装置1の全体の小型化が図れ、車両のドア2内における設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0052】
しかも、リンクユニット30が、第1リンク部32と、第2リンク部33と、を有する平行リンク構造を備え、カバー部材31が、リンクユニット30によって、姿勢を維持した状態で閉位置と開位置との間で移動される。したがって、操作開口部5が開かれた開状態において、例えば、カバー部材31の姿勢が斜めに配置されることによる出っ張りをなくすことができる。したがって、開状態において、操作開口部5の奥に大きな操作スペース7を確保でき、ユーザによるドア開閉機構部100の操作性を高められる。
【0053】
また、第1リンク部32は、一対の第1リンクアーム41を備え、第2リンク部33は、一対の第2リンクアーム51を備えており、揺動ユニット70が、一対の第1リンクアーム41及び一対の第2リンクアーム51の間に配置されている。したがって、カバー揺動機構部20のさらなるコンパクト化が図れ、車両用ドア開閉操作装置1をより小型にできる。
【0054】
また、リンクユニット30に負荷を付与するダンパー63を備えるので、リンクユニット30が揺動してカバー部材31が移動される際のコイルバネ69の付勢力を減衰し、カバー部材31をゆっくりと閉位置に戻すことができるので、商品性が向上する。
【0055】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、本実施形態では、リンクユニット30は、第1リンク部32と、第2リンク部33と、を有する平行リンク構造を採用することで、カバー部材31が姿勢を維持した状態で閉位置と開位置との間を移動するようになっているが、これに限定されない。リンクユニットが、第1リンク部32を有さず、第2リンク部33とカバー部材31とが回転しないように連結した一自由度リンク構造を採用することで、カバー部材31がドア2の表面に対して回転することで閉位置と開位置との間を移動するようにしてもよい。
【0056】
ここで、上述した本発明に係る車両用ドア開閉操作装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両のドア(2)に設けられた操作開口部(5)を塞ぐ閉位置と前記操作開口部(5)を開く開位置とに移動するカバー部材(31)を有するカバー揺動機構部(20)と、
前記ドア(2)内に配置され、前記操作開口部(5)からユーザによって操作されて前記ドア(2)を開閉操作するドア開閉操作部(100)と、
を備え、
前記カバー揺動機構部(20)は、
前記カバー部材(31)を前記閉位置と前記開位置との間で移動可能に支持する揺動可能なリンクユニット(30)と、
モータ(71)によって回動するカム部材(72)を備え、前記カム部材(72)に設けられた突起部(カム突起88)によって前記リンクユニット(30)の係合部(カムフォロア部58)を押動して前記リンクユニット(30)を揺動させることで、前記カバー部材(31)を移動させる揺動ユニット(70)と、
を有し、
前記係合部(カムフォロア部58)は、少なくとも一部が正面視において前記カム部材(72)と重合している、車両用ドア開閉操作装置。
【0057】
上記[1]の構成の車両用ドア開閉操作装置によれば、係合部の少なくとも一部が正面視においてカム部材と重合した構造であるので、カバー揺動機構部のコンパクト化が図れる。これにより、車両用ドア開閉操作装置の全体の小型化が図れ、車両のドア内における設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0058】
[2] 前記突起部(カム突起88)が、前記カム部材(72)の外形の内側に配置されている、上記[1]に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【0059】
上記[2]の構成の車両用ドア開閉操作装置によれば、係合部を押動させるカム部材の突起部がカム部材の外形の内側に配置された構造であるので、カバー揺動機構部のより一層のコンパクト化が図れる。
【0060】
[3] 前記リンクユニット(30)は、第1リンク部(32)と、第2リンク部(33)と、を有する平行リンク構造を備え、
前記カバー部材(31)は、前記リンクユニット(30)によって、姿勢を維持した状態で前記閉位置と前記開位置との間で移動される、上記[1]または[2]に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【0061】
上記[3]の構成の車両用ドア開閉操作装置によれば、リンクユニットによって、カバー部材が姿勢を維持した状態で閉位置と開位置との間で移動される。したがって、操作開口部が開かれた開状態において、例えば、カバー部材の姿勢が斜めに配置されることによる出っ張りをなくすことができる。したがって、開状態において、操作開口部の奥に大きな操作スペースを確保でき、ユーザによるドア開閉機構部の操作性を高められる。
【0062】
[4] 前記第1リンク部(32)及び前記第2リンク部(33)は、それぞれ一対のリンクアーム(41,51)を備え、
前記揺動ユニット(70)は、一対の前記リンクアーム(41,51)の間に配置されている、上記[3]に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【0063】
上記[4]の構成の車両用ドア開閉操作装置によれば、揺動ユニットがリンクアームの間に配置されているので、カバー揺動機構部のさらなるコンパクト化が図れ、車両用ドア開閉操作装置をより小型にできる。
【0064】
[5] 前記リンクユニット(30)に負荷を付与するダンパー(63)を備える、上記[1]または[2]に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【0065】
上記[5]の構成の車両用ドア開閉操作装置によれば、リンクユニットが揺動してカバー部材が移動される際のリンクユニットのがたつきがダンパーによって抑えられる。これにより、カバー部材を円滑に移動させることができる。
【0066】
[6] 前記リンクユニット(30)に負荷を付与するダンパー(63)を備える、上記[3]に記載の車両用ドア開閉操作装置。
【0067】
上記[6]の構成の車両用ドア開閉操作装置によれば、リンクユニットが揺動してカバー部材が移動される際のリンクユニットのがたつきがダンパーによって抑えられる。これにより、カバー部材を円滑に移動させることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 車両用ドア開閉操作装置
2 ドア
5 操作開口部
20 カバー揺動機構部
30 リンクユニット
31 カバー部材
32 第1リンク部
33 第2リンク部
41 第1リンクアーム(リンクアーム)
51 第2リンクアーム(リンクアーム)
58 カムフォロア部(係合部)
63 ダンパー
70 揺動ユニット
71 モータ
72 カム部材
88 カム突起(突起部)
100 ドア開閉機構部(ドア開閉操作部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
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図16
図17
図18