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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058674
(43)【公開日】2024-04-26
(54)【発明の名称】冷却通路を備えた現像装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
G03G15/20 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129097
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大之
(72)【発明者】
【氏名】大和田 諭
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA03
2H033AA23
2H033AA24
2H033AA25
2H033BA02
2H033BA25
2H033BA27
2H033BA29
2H033BB12
2H033BB18
2H033BB30
2H033BB33
2H033BB34
2H033BE00
2H033CA17
2H033CA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】用紙幅に応じた非通紙領域の冷却を課題とする。
【解決手段】定着装置は、長手方向に延びる加圧装置と、前記加圧装置に隣接して延在する加熱装置と、を備える。前記加熱装置は、回転可能な加熱体と、前記加熱体の内側に配置された熱源と、前記加熱体の内側に配置されて空気流を前記熱源に導く冷却通路と、前記加熱体の内側に配置されて、前記冷却通路との間に形成された開口を介して前記冷却通路に前記空気流を供給する供給通路と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる加圧装置と、
前記加圧装置に隣接して延在する加熱装置と、を備え、
前記加熱装置は、
回転可能な加熱体と、
前記加熱体の内側に配置された熱源と、
前記加熱体の内側に配置されて空気流を前記熱源に導く冷却通路と、
前記加熱体の内側に配置されて、前記冷却通路との間に形成された開口を介して前記冷却通路に前記空気流を供給する供給通路と、を有する、
定着装置。
【請求項2】
前記加熱装置は、
前記長手方向に延びて前記熱源を支持するケーシングと、
前記供給通路を形成するダクトと、を有し、
前記冷却通路は、前記ケーシング内において前記ダクトと前記熱源との間に延びており、
前記ダクトには、前記ダクトから前記冷却通路に前記空気流を供給する前記開口が形成されている、
請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記ダクトは、回転可能であり、前記ダクトの回転位置に基づいて、前記ダクトと前記冷却通路との間に形成される前記開口の前記長手方向における端位置を変化させる、
請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記ダクトは、第一穴と、前記第一穴に対して前記ダクトの回転方向にオフセットした第二穴と、を有し、前記ダクトの回転により前記第一穴又は前記第二穴を前記供給通路と前記冷却通路との間の前記開口とし、
前記ダクトの回転位置に基づいて前記開口の端位置を変化させるために、前記第一穴の端は前記第二穴の端に対して前記長手方向にオフセットしている、
請求項2に記載の定着装置。
【請求項5】
前記第二穴は、前記第一穴よりも前記長手方向に長い、
請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
前記第二穴の中心位置は、前記第一穴の中心位置に対して前記長手方向にオフセットしている、
請求項4に記載の定着装置。
【請求項7】
前記ダクトは、前記ダクトの前記回転方向における前記第一穴と前記第二穴との間に壁領域を有し、前記ダクトの前記壁領域が前記冷却通路に対向したときに、前記ダクトの内部に形成された前記供給通路を前記冷却通路から隔てる、
請求項4に記載の定着装置。
【請求項8】
前記冷却通路は、前記冷却通路の長手端に配置された出口を有し、前記開口から前記冷却通路の前記出口に前記空気流を流す、
請求項1に記載の定着装置。
【請求項9】
前記開口からの前記空気流を前記出口に導くガイド部を備える、
請求項8に記載の定着装置。
【請求項10】
前記供給通路内に前記空気流を発生させるファンを備える、
請求項1に記載の定着装置。
【請求項11】
前記加熱装置の両端に配置されて、前記供給通路内にそれぞれ第一空気流及び第二空気流を生成する一対のファンを備え、
前記開口は、前記供給通路と前記冷却通路との間に形成されて、前記第一空気流を前記冷却通路に導く第一開口であり、
前記供給通路と前記冷却通路との間に形成されて、前記第二空気流を前記冷却通路内に導く第二開口が設けられ、
前記冷却通路の両端は、前記第一空気流及び前記第二空気流をそれぞれ抜き出すためのそれぞれの出口を形成する、
請求項1に記載の定着装置。
【請求項12】
前記加熱装置は、前記加圧装置との間で印刷媒体が搬送される際に端部に沿って前記加圧装置に接触し、
前記開口は、前記加熱装置の前記端部に実質的に対応する前記冷却通路の長手部分に沿って前記空気流を向けるように、前記長手方向において位置決めされている、
請求項1に記載の定着装置。
【請求項13】
加熱装置と加圧装置とを有し、印刷媒体にトナー像を定着させる定着装置を備え、
前記加熱装置は、
前記加熱装置の長手方向に延びる回転可能な加熱体と、
前記加熱体の内側に配置される熱源と、
前記加熱体の内側で前記長手方向に延び、前記熱源に空気流を導く冷却通路と、
前記加熱体の内側で前記長手方向に延び、開口を介して前記空気流を前記冷却通路に送り込む供給通路と、
前記長手方向における前記印刷媒体の幅に基づいて、前記長手方向における前記開口の端位置を変化させる制御部と、を有する、
画像形成装置。
【請求項14】
前記加熱装置の長手方向に延びて前記供給通路を形成するダクトを備え、
前記ダクトは、第一穴と、前記第一穴に対して前記ダクトの回転方向にオフセットされた第二穴と、を有し、前記ダクトの回転により前記第一穴又は前記第二穴を前記供給通路と前記冷却通路との間の前記開口として位置決めし、
前記第一穴又は前記第二穴を前記開口として選択することによって前記開口の前記端位置を設定するために、前記第一穴の端は前記第二穴の端に対して前記長手方向にオフセットしている、
請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記ダクトの両端に配置されて、それぞれ第一空気流及び第二空気流を生成する一対のファンを備え、
前記開口は、前記ダクトの両端部に位置する一対の開口に含まれ、前記第一空気流及び前記第二空気流をそれぞれ前記冷却通路に導き、
前記冷却通路の両端は、前記第一空気流及び前記第二空気流をそれぞれ抜き出すためのそれぞれの出口を形成する、
請求項14に記載の画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像形成装置は、印刷媒体に転写されたトナー像を印刷媒体に定着させる定着装置を備える。定着装置は、トナー像が転写された印刷媒体を加熱及び加圧することでトナー像を印刷媒体に定着させる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1図1は、例の画像形成装置の模式図である。
図2図2は、例の定着装置の模式断面図である。
図3図3は、印刷媒体の幅と定着ニップ領域との関係の例を説明するための模式図である。
図4図4は、図2に示すIV-IV線における熱源ユニットの模式断面図である。
図5図5は、図4に示す加熱体の一方側の端部を拡大した模式断面図である。
図6図6は、図4に示す加熱体の他方側の端部を拡大した模式断面図である。
図7図7は、図4に示すVII-VII線における模式断面図である。
図8図8は、ダクトの模式断面図である。
図9図9は、ダクトの各回転領域を示す模式図である。
図10図10は、他の例のダクトの各回転領域を示す模式図である。
図11図11は、他の例のダクトの各回転領域を示す模式図である。
図12図12は、他の例のダクトを回転方向に展開した模式展開図である。
図13図13は、他の例の熱源ユニットの、図4に対応する模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
例の定着装置は、長手方向に延びる加圧装置と、前記加圧装置に隣接して延在する加熱装置と、を備え、前記加熱装置は、回転可能な加熱体と、前記加熱体の内側に配置された熱源と、前記加熱体の内側に配置されて空気流を前記熱源に導く冷却通路と、前記加熱体の内側に配置されて、前記冷却通路との間に形成された開口を介して前記冷却通路に前記空気流を供給する供給通路と、を有する。
【0004】
例の画像形成装置は、加熱装置と加圧装置とを有し、印刷媒体にトナー像を定着させる定着装置を備え、前記加熱装置は、前記加熱装置の長手方向に延びる回転可能な加熱体と、前記加熱体の内側に配置される熱源と、前記加熱体の内側で前記長手方向に延び、前記熱源に空気流を導く冷却通路と、前記加熱体の内側で前記長手方向に延び、開口を介して前記空気流を前記冷却通路に送り込む供給通路と、前記長手方向における前記印刷媒体の幅に基づいて、前記長手方向における前記開口の端位置を変化させる制御部と、を有する。
【0005】
一般的に、定着装置では、トナー像が転写された印刷媒体が、加圧装置と加熱装置との間の定着ニップ領域で加熱及び加圧されることで、トナー像が印刷媒体に定着される。加熱装置は、無端ベルト等の加熱体の内側に熱源が配置されており、熱源から発生された熱が加熱体を介して印刷媒体に伝達される。このとき、使用状態等によっては、熱源の温度が過度に上昇することが考えられる。そこで、加熱体の外側に加熱体と対向するようにファンを配置し、このファンで加熱体に送風することで、加熱体を介して熱源を間接的に冷却することが考えられる。しかしながら、加熱体を介した熱源の間接的な冷却では、熱源を効率的に冷却することができない。しかも、加熱体の外側に加熱体と対向するようにファンを配置すると、装置が大きくなり過ぎる。
【0006】
これに対し、例の定着装置及び例の画像形成装置では、熱源が配置される加熱体の内側に、空気流を熱源に導く冷却通路と、冷却通路との間に形成された開口を介して冷却通路に空気流を供給する供給通路と、が配置されている。このため、供給通路に空気流を発生させることで、この空気流が、開口を介して冷却通路に供給され、冷却通路を通って熱源に導かれる。これにより、熱源を直接的に冷却することができるため、熱源を効率的に冷却することができる。しかも、供給通路に空気流を発生させるためにファンを用いたとしても、ファンの配置自由度は高いため、装置が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。
【0007】
以下、図面を参照して、例の画像形成装置について説明する。なお、図面に基づいて説明するにあたり、同一の要素又は同一の機能を有する類似する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0008】
図1は、例の画像形成装置1の模式図である。図1に示す画像形成装置1は、マゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックの四色のトナーを用いてカラー画像を形成する装置である。画像形成装置1は、搬送装置10と、複数の感光体ドラム20と、複数の現像装置30と、転写装置40と、定着装置50と、排出装置60と、を備える。
【0009】
搬送装置10は、画像が形成される印刷媒体としての用紙Mを搬送する。複数の感光体ドラム20は、感光体ドラム20M,20Y,20C,20Kを有する。感光体ドラム20M,20Y,20C,20Kのそれぞれは、マゼンタ、イエロー、シアン、及びブラックのそれぞれのトナー像を形成するための静電潜像を形成する。感光体ドラム20M,20Y,20C,20Kは、基本的に同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、感光体ドラム20として纏めて説明する。
【0010】
感光体ドラム20の周上には、現像装置30と、帯電装置22と、露光装置23と、クリーニングユニット24と、が設けられている。帯電装置22は、感光体ドラム20の表面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。露光装置23は、帯電装置22によって帯電した感光体ドラム20の表面を、用紙Mに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム20の表面に、用紙Mに形成する画像に対応した静電潜像が形成される。クリーニングユニット24は、感光体ドラム20上に残存するトナーを回収する。
【0011】
複数の現像装置30は、現像装置30M,30Y,30C,30Kを有する。現像装置30M,30Y,30C,30Kのそれぞれは、感光体ドラム20M,20Y,20C,20Kのそれぞれの周上に配置されて、感光体ドラム20M,20Y,20C,20Kのそれぞれの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。現像装置30M,30Y,30C,30Kは、基本的に同じ構成をしているため、特に分けて説明する場合を除き、現像装置30として纏めて説明する。
【0012】
現像装置30は、感光体ドラム20の表面にトナーを供給する現像ローラ31を有する。現像ローラ31が感光体ドラム20の表面にトナーを供給することで、感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、感光体ドラム20の表面に、静電潜像に対応したトナー像、つまり用紙Mに形成する画像に対応したトナー像が形成される。
【0013】
転写装置40は、現像装置30により現像されたトナー像を搬送して用紙Mに転写する。転写装置40は、感光体ドラム20の表面に形成されたトナー像が一次転写されるとともに一次転写されたトナー像を用紙Mに二次転写するための中間転写ベルト41を備える。
【0014】
定着装置50は、中間転写ベルト41からトナー像が転写された用紙Mを加熱及び加圧することで、用紙M上のトナー像を用紙Mに定着させる。排出装置60は、定着装置50によりトナー像が定着された用紙Mを装置外部へ排出する。
【0015】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する電子制御ユニットである。制御部70では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。制御部70は、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよく、単一の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。制御部70は、画像形成装置1における様々な制御を行う。
【0016】
図2は、例の定着装置50の模式断面図である。図2に示すように、定着装置50は、長手方向LD(図4参照)に延びる加圧装置100と、加圧装置100に隣接して延在する加熱装置110と、を備える。なお、長手方向LDにおける一方側に向く方向を第一長手方向LD1といい、長手方向LDにおける他方側に向く方向を第二長手方向LD2という。
【0017】
加圧装置100は、加熱装置110に押圧されて、加熱装置110との間に定着ニップ領域Nを形成する。定着ニップ領域Nは、用紙M上のトナー像を用紙Mに定着するためのニップ領域である。加圧装置100は、回転可能な加圧ローラ101と、加圧ローラ101が加熱装置110に押圧されるように加圧ローラ101を回転可能に支持する支持部102と、を有する。加圧ローラ101は、例えば、弾性変形可能な外周部を有する。
【0018】
図3は、用紙Mの幅と定着ニップ領域Nとの関係の例を説明するための模式図である。図3に示すように、用紙Mは、長手方向LDにおける定着ニップ領域Nの全ての領域に通紙されるのではなく、長手方向LDにおける定着ニップ領域Nの一部の領域にのみ通紙される。ここで、定着ニップ領域Nのうち、用紙Mが通紙される領域を通紙領域N1といい、用紙Mが通紙されない領域を非通紙領域N2といい、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界を境界B1及び境界B2という。境界B1は、用紙Mの一方側の端に対応する通紙領域N1と非通紙領域N2との境界であり、境界B2は、用紙Mの他方側の端に対応する通紙領域N1と非通紙領域N2との境界である。境界B1に隣接する非通紙領域N2は、第一長手方向LD1における加熱装置110の端部に位置して、長手方向LDに延びている。境界B2に隣接する非通紙領域N2は、第二長手方向LD2における加熱装置110の端部に位置して、長手方向LDに延びている。これらの非通紙領域N2では、加圧装置100と加熱装置110とが接触する。
【0019】
そして、用紙Mの幅が変わると、通紙領域N1及び非通紙領域N2の割合が変わって、境界B1及び境界B2の位置が変わる。用紙Mの幅は、長手方向LDにおける用紙Mの幅をいう。例えば、図3に示すように、定着ニップ領域Nに第一用紙M1、第二用紙M2、及び第三用紙M3が搬送される場合を考える。第一用紙M1は、所定幅の用紙Mである。第二用紙M2は、第一用紙M1よりも幅の狭い用紙Mである。第三用紙M3は、第二用紙M2よりも幅の狭い用紙Mである。この場合、定着ニップ領域Nに第一用紙M1が搬送される場合よりも、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合の方が、通紙領域N1が狭くなって(非通紙領域N2が広くなって)、境界B1と境界B2の間隔が狭くなる。また、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合よりも、定着ニップ領域Nに第三用紙M3が搬送される場合の方が、通紙領域N1が狭くなって(非通紙領域N2が広くなって)、境界B1と境界B2の間隔が狭くなる。
【0020】
加熱装置110は、定着ニップ領域Nに搬送された用紙Mを加熱する。図4は、図2に示すIV-IV線における熱源ユニット112の模式断面図である。図5は、図4に示す加熱体111の一方側の端部を拡大した模式断面図である。図6は、図4に示す加熱体111の他方側の端部を拡大した模式断面図である。図7は、図4に示すVII-VII線における模式断面図である。図2図4図7に示すように、加熱装置110は、加熱体111と、熱源ユニット112と、ファン113a及び113bと、を備える。
【0021】
加熱体111は、回転可能な部材である。加熱体111は、例えば、無端ベルト(定着ベルト)であり、長手方向LDに延びる軸線の周りに回転する。加熱体111は、加圧ローラ101との間に定着ニップ領域Nを形成する。そして、加熱体111は、定着ニップ領域Nに搬送された用紙Mに接触して、定着ニップ領域Nに搬送された用紙Mを加熱する。
【0022】
熱源ユニット112は、加熱体111の内側に配置されて、長手方向LDに延びるユニットである。熱源ユニット112が加熱体111の内側に配置されるとは、図2に示すように長手方向LDから見て熱源ユニット112が加熱体111の内側に配置されており、熱源ユニット112の少なくとも一部が加熱体111の内側に配置されることをいう。このため、例えば、熱源ユニット112の長手方向LDにおける端部が加熱体111から長手方向LDに飛び出していてもよい。熱源ユニット112は、熱源114と、ケーシング115と、ダクト116と、を有する。
【0023】
熱源114は、定着ニップ領域Nに搬送された用紙Mを加熱するために発熱する発熱器である。熱源114は、加熱体111の内側に配置されて、長手方向LDに延びている。つまり、長手方向LDから見て熱源114が加熱体111の内側に配置されており、熱源114の少なくとも一部が加熱体111の内側に配置されている。熱源114は、例えば、加熱体111の内側の、加熱体111に隣接する位置に配置されている。そして、熱源114は、加熱体111を加熱することで、定着ニップ領域Nに搬送された用紙Mを間接的に加熱する。熱源114は、例えば、セラミックヒーター等の面状発熱体、又はハロゲンヒーター等の管状発熱体である。面状発熱体とは、平板状に形成された発熱体である。管状発熱体とは、管状に形成された発熱体である。図面では、熱源114として、面状発熱体であるセラミックヒーターを用いた例を図示している。
【0024】
ケーシング115は、熱源114を支持する部材である。ケーシング115は、加熱体111の内側に配置されて、長手方向LDに延びている。つまり、長手方向LDから見てケーシング115が加熱体111の内側に配置されており、ケーシング115の少なくとも一部が加熱体111の内側に配置されている。ケーシング115は、例えば、熱源114が加熱体111に隣接する位置に配置されるように、熱源114を支持する。ケーシング115には、冷却通路121と、ダクト用穴122と、が形成されている。
【0025】
冷却通路121は、ケーシング115と同様に加熱体111の内側に配置されて、空気流を熱源114に導くための通路である。熱源114は、冷却通路121に露出されており、冷却通路121は、熱源114に沿って長手方向LDに延びている。冷却通路121は、非通紙領域N2に位置する加熱装置110の端部に実質的に対応する第一長手部分121aと、非通紙領域N2に位置する加熱装置110の端部に実質的に対応する第二長手部分121bと、第一長手方向LD1における冷却通路121の長手端に配置された出口121cと、第二長手方向LD2における冷却通路121の長手端に配置された出口121dと、を有する。長手端とは、長手方向LDにおける端である。出口121c及び出口121dは、冷却通路121をケーシング115の外部に開放する。
【0026】
ダクト用穴122は、ダクト116を挿入するための穴である。ダクト用穴122は、冷却通路121に隣接して冷却通路121と連通されており、冷却通路121に沿って長手方向LDに延びている。長手方向LDと直交する方向におけるダクト用穴122の断面は、円形に形成されている。ダクト用穴122は、第一長手方向LD1におけるダクト用穴122の長手端に配置された開口122aと、第二長手方向LD2におけるダクト用穴122の長手端に配置された開口122bと、を有する。開口122a及び開口122bは、ダクト用穴122をケーシング115の外部に開放する。
【0027】
ダクト116は、ケーシング115のダクト用穴122に挿入されて、供給通路123を形成する。ダクト116は、円筒状に形成されており、供給通路123は、ダクト116の内部に形成される。供給通路123は、冷却通路121との間に形成された第一開口124a及び第二開口124bを介して冷却通路121に空気流を供給するための通路である。第一開口124aは、第一長手方向LD1における供給通路123の端部に位置して、長手方向LDに延びている。第二開口124bは、第二長手方向LD2における供給通路123の端部に位置して、長手方向LDに延びている。そして、第一開口124a及び第二開口124bは、冷却通路121の第一長手部分121a及び第二長手部分121bに沿って空気流を向けるように、長手方向において位置決めされている。なお、長手方向LDにおける供給通路123の端部とは、長手方向LDにおける供給通路123の中央部以外の領域である。
【0028】
第一開口124a及び第二開口124bは、ダクト116により形成される。ダクト116は、長手方向LDに延びており、ダクト用穴122内で、長手方向LDに延びる軸線の周りに回転可能となっている。ダクト116は、モータ等の回転駆動源(不図示)により、ダクト用穴122内で回転駆動される。第一長手方向LD1におけるダクト116の端部116a及び第二長手方向LD2におけるダクト116の端部116bは、ダクト用穴122から長手方向LDに飛び出している。
【0029】
図8は、ダクト116の模式断面図である。図9は、ダクト116の各回転領域を示す模式図である。図8及び図9に示すように、ダクト116は、ダクト116の回転方向RDに互いにオフセットされた第一回転領域R1、第二回転領域R2、第三回転領域R3、第四回転領域R4、第五回転領域R5、及び第六回転領域R6を有する。ダクト116の回転方向RDは、ダクト116の周方向でもある。第一回転領域R1、第二回転領域R2、第三回転領域R3、第四回転領域R4、第五回転領域R5、及び第六回転領域R6は、それぞれ長手方向LDに延びる領域であって、ダクト116の回転方向RDにおいて互いに重ならない領域である。
【0030】
図4図6及び図9に示すように、ダクト116の第一回転領域R1には、第一穴125a及び第一穴125bが形成されている。第一穴125a及び第一穴125bは、第一回転領域R1において、供給通路123をダクト116の外部に開放する穴である。第一穴125aと第一穴125bとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第一穴125aと第一穴125bとは、互いに長手方向LDに離間している。第一穴125aは、第一長手方向LD1におけるダクト116の端部に位置して、長手方向LDに延びている。第一穴125bは、第二長手方向LD2におけるダクト116の端部に位置して、長手方向LDに延びている。なお、長手方向LDにおけるダクト116の端部とは、長手方向LDにおけるダクト116の中央部以外の領域である。
【0031】
第一穴125a及び第一穴125bのそれぞれは、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。つまり、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、第一穴125aは、第一開口124aに対応する位置に配置され、第一穴125bは、第二開口124bに対応する位置に配置される。そして、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第一穴125aの端125cが、第二長手方向LD2における第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第一穴125bの端125dが、第一長手方向LD1における第二開口124bの端位置124dとなる。
【0032】
ダクト116の第三回転領域R3には、第二穴126a及び第二穴126bが形成されている。第二穴126a及び第二穴126bは、第三回転領域R3において、供給通路123をダクト116の外部に開放する穴である。第二穴126aと第二穴126bとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第二穴126a及び第二穴126bのそれぞれは、第一穴125a及び第一穴125bのそれぞれよりも長手方向LDに長い。第二穴126aと第二穴126bとは、互いに長手方向LDに離間している。第二穴126aは、第一長手方向LD1におけるダクト116の端部に位置して、長手方向LDに延びている。第二穴126bは、第二長手方向LD2におけるダクト116の端部に位置して、長手方向LDに延びている。
【0033】
第二穴126a及び第二穴126bのそれぞれは、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。つまり、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、第二穴126aは、第一開口124aに対応する位置に配置され、第二穴126bは、第二開口124bに対応する位置に配置される。そして、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第二穴126aの端126cが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第二穴126bの端126dが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0034】
ダクト116の第五回転領域R5には、第三穴127a及び第三穴127bが形成されている。第三穴127a及び第三穴127bは、第三回転領域R3において、供給通路123をダクト116の外部に開放する穴である。第三穴127aと第三穴127bとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第三穴127a及び第三穴127bのそれぞれは、第二穴126a及び第二穴126bのそれぞれよりも長手方向LDに長い。第三穴127aと第三穴127bとは、互いに長手方向LDに離間している。第三穴127aは、第一長手方向LD1におけるダクト116の端部に位置して、長手方向LDに延びている。第三穴127bは、第二長手方向LD2におけるダクト116の端部に位置して、長手方向LDに延びている。
【0035】
第三穴127a及び第三穴127bのそれぞれは、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。つまり、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、第三穴127baは、第一開口124aに対応する位置に配置され、第三穴127bは、第二開口124bに対応する位置に配置される。そして、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第三穴127aの端127cが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第三穴127bの端127dが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0036】
第一穴125aの端125cと、第二穴126aの端126cと、第三穴127aの端127cとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。つまり、第一穴125a、第二穴126a、又は第三穴127aを第一開口124aとして選択することによって第一開口124aの端位置124cを設定するために、第一穴125aの端125cと、第二穴126aの端126cと、第三穴127aの端127cとは、互いに長手方向LDにオフセットされている。また、第一穴125aの中心位置125gと、第二穴126aの中心位置126gと、第三穴127aの中心位置127gとは、互いに長手方向LDにオフセットされている。
【0037】
同様に、第一穴125bの端125dと、第二穴126bの端126dと、第三穴127bの端127dとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。つまり、第一穴125b、第二穴126b、又は第三穴127bを第二開口124bとして選択することによって第二開口124bの端位置124dを設定するために、第一穴125bの端125dと、第二穴126bの端126dと、第三穴127bの端127dとは、互いに長手方向LDにオフセットされている。また、第一穴125bの中心位置125hと、第二穴126bの中心位置126hと、第三穴127bの中心位置127hとは、互いに長手方向LDにおいて互いにオフセットされている。
【0038】
このため、冷却通路121に対向するダクト116の回転領域が、第一回転領域R1、第三回転領域R3、及び第五回転領域の間で変わることで、第一長手方向LD1における第二開口124bの端位置124dが変わる。
【0039】
一方、第一長手方向LD1における第一穴125aの端125eと、第一長手方向LD1における第二穴126aの端126eと、第一長手方向LD1における第三穴127aの端127eとは、互いに長手方向LDにおいて同じ位置に位置している。また、第二長手方向LD2における第一穴125bの端125fと、第二長手方向LD2における第二穴126bの端126fと、第二長手方向LD2における第三穴127bの端127fとは、互いに長手方向LDにおいて同じ位置に位置している。
【0040】
ダクト116の第二回転領域R2、第四回転領域R4、及び第六回転領域R6は、供給通路123をダクト116の外部に開放する穴が形成されない壁領域である。第二回転領域R2、第四回転領域R4、又は第六回転領域R6が冷却通路121に対向したときに、ダクト116は、供給通路123と冷却通路121との間に第一開口124a及び第二開口124bを形成せずに、供給通路123を冷却通路121から隔てる。
【0041】
第一穴125a及び第一穴125bと、第二穴126a及び第二穴126bと、第三穴127a及び第三穴127bとは、ダクト116の回転方向RDにおいて互いにオフセットされている。また、ダクト116の回転方向RDにおける、第一穴125a及び第一穴125bと、第二穴126a及び第二穴126bと、第三穴127a及び第三穴127bとの間に、壁領域である第二回転領域R2、第四回転領域R4、又は第六回転領域R6が形成されている。
【0042】
例えば、図3及び図9に示すように、第一穴125aの端125c及び第一穴125bの端125dのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第一用紙M1が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第二穴126aの端126c及び第二穴126bの端126dのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第三穴127aの端127c及び第三穴127bの端127dのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第三用紙M3が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。これらの対応する位置とは、長手方向LDにおける同じ又は近傍の位置をいう。
【0043】
図4図6に示すように、ファン113a及びファン113bは、供給通路123内に空気流を発生させる送風装置である。
【0044】
ファン113aは、第一長手方向LD1における加熱装置110及び熱源ユニット112の端に配置されて、ダクト116の端部116aに接続されている。そして、ファン113aは、供給通路123内に、第二長手方向LD2に向かう第一空気流F1を生成する。ファン113aにより生成された第一空気流F1は、供給通路123から第一開口124aを介して冷却通路121の第一長手部分121aに導入される。そして、冷却通路121の第一長手部分121aに導入された第一空気流F1は、第一長手方向LD1に向かって、冷却通路121の出口121cから抜き出される。
【0045】
ファン113bは、第二長手方向LD2における加熱装置110及び熱源ユニット112の端に配置されて、ダクト116の端部116bに接続されている。そして、ファン113bは、供給通路123内に、第一長手方向LD1に向かう第二空気流F2を生成する。ファン113bにより生成された第二空気流F2は、供給通路123から第二開口124bを介して冷却通路121の第二長手部分121bに導入される。そして、冷却通路121の第二長手部分121bに導入された第二空気流F2は、第二長手方向LD2に向って、冷却通路121の出口121dから抜き出される。
【0046】
図5及び図6に示すように、ケーシング115には、第一ガイド部117a及び第一ガイド部117bと、第二ガイド部118a及び第二ガイド部118bと、第三ガイド部119a及び第三ガイド部119bと、が設けられている。なお、図4では、第一ガイド部117a、第一ガイド部117b、第二ガイド部118a、第二ガイド部118b、第三ガイド部119a、及び第三ガイド部119bの図示を省略している。
【0047】
第一ガイド部117a、第二ガイド部118a、及び第三ガイド部119aは、第一開口124aを介して供給通路123から冷却通路121の第一長手部分121aに供給された第一空気流F1を、第一長手方向LD1に向わせて、冷却通路121の出口121cに導くガイド部である。第一ガイド部117a、第二ガイド部118a、及び第三ガイド部119aは、第一開口124aの近傍から冷却通路121の出口121cに向かうように延びている。
【0048】
第一ガイド部117b、第二ガイド部118b、及び第三ガイド部119bは、第二開口124bを介して供給通路123から冷却通路121の第二長手部分121bに供給された第二空気流F2を、第二長手方向LD2に向わせて、冷却通路121の出口121dに導くガイド部である。第一ガイド部117b、第二ガイド部118b、及び第三ガイド部119bは、第二開口124bの近傍から冷却通路121の出口121dに向かうように延びている。
【0049】
図5及び図9に示すように、第一ガイド部117aは、ダクト116の第一穴125aの端125cに対応する位置に位置している。このため、第一ガイド部117aは、第一回転領域R1が冷却通路121に対向することにより第一穴125aが第一開口124aとなったときに、第一開口124aである第一穴125aを介して供給通路123から冷却通路121の第一長手部分121aに供給された第一空気流F1を、第一穴125aの端125cに対応する位置から冷却通路121の出口121cに導くことが可能となっている。
【0050】
図6及び図9に示すように、第一ガイド部117bは、ダクト116の第一穴125bの端125dに対応する位置に位置している。このため、第一ガイド部117bは、第一回転領域R1が冷却通路121に対向することにより第一穴125bが第二開口124bとなったときに、第二開口124bである第一穴125bを介して供給通路123から冷却通路121の第二長手部分121bに供給された第二空気流F2を、第一穴125bの端125dに対応する位置から冷却通路121の出口121dに導くことが可能となっている。
【0051】
図5及び図9に示すように、第二ガイド部118aは、ダクト116の第二穴126aの端126cに対応する位置に位置している。このため、第二ガイド部118aは、第三回転領域R3が冷却通路121に対向することにより第二穴126aが第一開口124aとなったときに、第一開口124aである第二穴126aを介して供給通路123から冷却通路121の第一長手部分121aに供給された第一空気流F1を、第二穴126aの端126cに対応する位置から冷却通路121の出口121cに導くことが可能となっている。
【0052】
図6及び図9に示すように、第二ガイド部118bは、ダクト116の第二穴126bの端126dに対応する位置に位置している。このため、第二ガイド部118bは、第三回転領域R3が冷却通路121に対向することにより第二穴126bが第二開口124bとなったときに、第二開口124bである第二穴126bを介して供給通路123から冷却通路121の第二長手部分121bに供給された第二空気流F2を、第二穴126bの端126dに対応する位置から冷却通路121の出口121dに導くことが可能となっている。
【0053】
図5及び図9に示すように、第三ガイド部119aは、ダクト116の第三穴127aの端127cに対応する位置に位置している。このため、第三ガイド部119aは、第五回転領域R5が冷却通路121に対向することにより第三穴127aが第一開口124aとなったときに、第一開口124aである第三穴127aを介して供給通路123から冷却通路121の第一長手部分121aに供給された第一空気流F1を、第三穴127aの端127cに対応する位置から冷却通路121の出口121cに導くことが可能となっている。
【0054】
図6及び図9に示すように、第三ガイド部119bは、ダクト116の第三穴127bの端127dに対応する位置に位置している。このため、第三ガイド部119bは、第五回転領域R5が冷却通路121に対向することにより第三穴127bが第二開口124bとなったときに、第二開口124bである第三穴127bを介して供給通路123から冷却通路121の第二長手部分121bに供給された第二空気流F2を、第三穴127bの端127dに対応する位置から冷却通路121の出口121dに導くことが可能となっている。
【0055】
図1図3、及び図4に示すように、制御部70は、長手方向LDにおける用紙Mの幅に基づいて、長手方向LDにおける第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dを変化させる。
【0056】
ここで、定着装置50は、加圧装置100と加熱装置110との間の定着ニップ領域Nに搬送された用紙Mを加熱及び加圧することで、用紙M上のトナー像を用紙Mに定着する。このとき、用紙Mが通紙される通紙領域N1では、熱源114で発生された熱が加熱体111から用紙Mに伝達されることで、熱源114が冷却されやすい。一方、用紙Mが通紙されない非通紙領域N2では、熱源114で発生された熱が加熱体111から用紙Mに伝達されないため、熱源114が冷却されにくい。しかも、用紙Mの幅によって境界B1及び境界B2の位置が変わる。
【0057】
そこで、制御部70は、非通紙領域N2において熱源114を冷却するために、長手方向LDにおける用紙Mの幅に基づいて、第一回転領域R1、第三回転領域R3、及び第五回転領域R5の何れかが冷却通路121に対向するようにダクト116を回転させる。つまり、制御部70は、第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dが通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2に対応するように、ダクト116を回転させる。
【0058】
例えば、図3及び図9に示すように、定着ニップ領域Nに第一用紙M1が搬送される場合、制御部70は、第一回転領域R1が冷却通路121に対向するようにダクト116を回転させる。すると、第一回転領域R1に形成された第一穴125a及び第一穴125bが第一開口124a及び124bとなる。また、第一穴125aの端125c及び第一穴125bの端125dが第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dとなる。また、第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dが通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2となる。これにより、第一穴125a及び第一穴125bにより形成される第一開口124a及び第二開口124bから冷却通路121の第一長手部分121a及び第二長手部分121bに供給された第一空気流F1及び第二空気流F2により、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分が冷却される。
【0059】
また、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合、制御部70は、第三回転領域R3が冷却通路121に対向するようにダクト116を回転させる。すると、第三回転領域R3に形成された第二穴126a及び第二穴126bが第一開口124a及び124bとなる。また、第二穴126aの端126c及び第二穴126bの端126dが第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dとなる。また、第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dが通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2となる。これにより、第二穴126a及び第二穴126bにより形成される第一開口124a及び第二開口124bから冷却通路121の第一長手部分121a及び第二長手部分121bに供給された第一空気流F1及び第二空気流F2により、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分が冷却される。
【0060】
また、定着ニップ領域Nに第三用紙M3が搬送される場合、制御部70は、第五回転領域R5が冷却通路121に対向するようにダクト116を回転させる。すると、第五回転領域R5に形成された第三穴127a及び第三穴127bが第一開口124a及び124bとなる。また、第三穴127aの端127c及び第三穴127bの端127dが第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dとなる。また、第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dが通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2となる。これにより、第三穴127a及び第三穴127bにより形成される第一開口124a及び第二開口124bから冷却通路121の第一長手部分121a及び第二長手部分121bに供給された第一空気流F1及び第二空気流F2により、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分が冷却される。
【0061】
なお、定着ニップ領域Nに用紙Mを搬送しない場合等の、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分を冷却する必要がないときは、制御部70は、第二回転領域R2、第四回転領域R4、及び第六回転領域R6の何れかの壁領域が冷却通路121と対向するようにダクト116を回転させてもよい。
【0062】
このように構成される画像形成装置1及び定着装置50では、熱源114が配置される加熱体111の内側に、空気流を熱源114に導く冷却通路121と、冷却通路121との間に形成された第一開口124a及び第二開口124bを介して冷却通路121に空気流を供給する供給通路123と、が配置されている。このため、供給通路123に空気流を発生させることで、この空気流が、第一開口124a及び第二開口124bを介して冷却通路121に供給され、冷却通路121を通って熱源114に導かれる。これにより、熱源114を直接的に冷却することができるため、熱源114を効率的に冷却することができる。しかも、供給通路123に空気流を発生させるためのファン113a及びファン113bは配置自由度が高いため、装置が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。
【0063】
また、供給通路123を形成するダクト116が、第一回転領域R1に形成された第一穴125a及び第一穴125bと、第三回転領域R3に形成された第二穴126a及び第二穴126bと、第五回転領域R5に形成された第三穴127a及び第三穴127bと、を有する。そして、第一穴125aの端125eと、第二穴126aの端126eと、第三穴127aの端127eとが、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。また、第一穴125bの端125fと、第二穴126bの端126fと、第三穴127bの端127fとが、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。このため、ダクト116の回転位置に基づいて、長手方向LDにおける第一開口124aの端位置124c及び第二開口124bの端位置124dを変化させることができる。これにより、通紙領域N1に搬送される用紙Mの幅が変わっても、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分を冷却することができる。
【0064】
本明細書に記載の全ての側面、利点及び特徴が、必ずしも、いずれかひとつの特定の例及び実施形態により達成される又は含まれるわけではないことは理解されたい。実際、本明細書において様々な例を記載し示したが、他の例もその配置及び詳細について修正することができることは明らかであるべきだ。ここに請求される保護主題の精神及び範囲に包含される全ての修正及び変形を請求する。
【0065】
例えば、ダクトに形成される各穴の形状は、適宜変更することができる。ダクトに形成される各穴の形状は、それぞれ同じ形状であってもよい。図10は、他の例のダクトの各回転領域を示す模式図である。図10に示すダクト116Aは、上記例のダクト116と同様の第一回転領域R1、第二回転領域R2、第三回転領域R3、第四回転領域R4、第五回転領域R5、及び第六回転領域R6を有する。
【0066】
図4図6及び図10に示すように、ダクト116Aの第一回転領域R1には、上記例の第一穴125a及び第一穴125bに代わる第一穴125aA及び第一穴125bAが形成されている。第一穴125aAと第一穴125bAとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第一穴125aAと第一穴125bAとは、互いに長手方向LDに離間している。
【0067】
第一穴125aA及び第一穴125bAのそれぞれは、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第一穴125aAの端125cAが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第一穴125bAの端125dAが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0068】
ダクト116Aの第三回転領域R3には、上記例の第二穴126a及び第二穴126bに代わる第二穴126aA及び第二穴126bAが形成されている。第二穴126aAと第二穴126bAとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第二穴126aA及び第二穴126bAのそれぞれは、第一穴125aA及び第一穴125bAのそれぞれと長手方向LDに同じ長さを有している。第二穴126aAと第二穴126bAとは、互いに長手方向LDに離間している。
【0069】
第二穴126aA及び第二穴126bAのそれぞれは、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第二穴126aAの端126cAが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第二穴126bAの端126dAが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0070】
ダクト116Aの第五回転領域R5には、上記例の第三穴127a及び第三穴127bに代わる第三穴127aA及び第三穴127bAが形成されている。第三穴127aAと第三穴127bAとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第三穴127aA及び第三穴127bAのそれぞれは、第一穴125aA及び第一穴125bAのそれぞれと長手方向LDに同じ長さを有している。第三穴127aAと第三穴127bAとは、互いに長手方向LDに離間している。
【0071】
第三穴127aA及び第三穴127bAのそれぞれは、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第三穴127aAの端127cAが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第三穴127bAの端127dAが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0072】
第一穴125aAの端125cAと、第二穴126aAの端126cAと、第三穴127aAの端127cAとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。同様に、第一穴125bAの端125dAと、第二穴126bAの端126dAと、第三穴127bAの端127dAとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。このため、冷却通路121に対向するダクト116Aの回転領域が、第一回転領域R1、第三回転領域R3、及び第五回転領域の間で変わることで、第一長手方向LD1における第二開口124bの端位置124dが変わる。
【0073】
また、第一長手方向LD1における第一穴125aAの端125eAと、第一長手方向LD1における第二穴126aAの端126eAと、第一長手方向LD1における第三穴127aAの端127eAとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。同様に、第二長手方向LD2における第一穴125bAの端125fAと、第二長手方向LD2における第二穴126bAの端126fAと、第二長手方向LD2における第三穴127bAの端127fAとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。
【0074】
例えば、図3及び図10に示すように、第一穴125aAの端125cA及び第一穴125bAの端125dAのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第一用紙M1が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第二穴126aAの端126cA及び第二穴126bAの端126dAのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第三穴127aAの端127cA及び第三穴127bAの端127dAのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第三用紙M3が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。これらの対応する位置とは、長手方向LDにおける同じ又は近傍の位置をいう。
【0075】
このように、図10に示すダクト116Aでも、ダクト116Aの回転位置に基づいて、長手方向LDにおける第一開口124aの端位置124c(図4及び図5参照)及び第二開口124bの端位置124d(図4及び図6参照)を変化させることができる。これにより、通紙領域N1に搬送される用紙Mの幅が変わっても、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分を冷却することができる。
【0076】
また、例えば、ダクトに形成される穴の数は、適宜変更することができる。ダクトの各回転領域の、冷却通路と供給通路との間に形成された各開口に対応して形成される穴の数は、2以上であってもよい。また、ダクトに形成される穴の数は、1つであってもよい。
【0077】
図11は、他の例のダクト116Bの各回転領域を示す模式図である。図11に示すダクト116Bは、上記例のダクト116と同様の第一回転領域R1、第二回転領域R2、第三回転領域R3、第四回転領域R4、第五回転領域R5、及び第六回転領域R6を有する。
【0078】
図4図6及び図11に示すように、ダクト116Bの第一回転領域R1には、上記例の第一穴125aに代わる第一穴125aBと、上記例の第一穴125bに代わる第一穴125bBと、が形成されている。第一穴125aBと第一穴125bBとは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第一穴125aBと第一穴125bBとは、互いに長手方向LDに離間している。
【0079】
第一穴125aB及び第一穴125bAのそれぞれは、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第一回転領域R1が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第一穴125aBの端125cBが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第一穴125bBの端125dBが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0080】
ダクト116Bの第三回転領域R3には、上記例の第二穴126aに代わる第二穴126aB及び第二穴126bBと、上記例の第二穴126bに代わる第二穴126cB及び第二穴126dBと、が形成されている。第二穴126aB、第二穴126bB、第二穴126cB、及び第二穴126dBは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第二穴126aB、第二穴126bB、第二穴126cB、及び第二穴126dBのそれぞれは、第一穴125aB及び第一穴125bBのそれぞれと長手方向LDに同じ長さを有している。第二穴126aBと第二穴126bBとは、互いに長手方向LDに離間しており、第二穴126aBは、第二穴126bBの第二長手方向LD2側に位置している。第二穴126cBと第二穴126dBとは、互いに長手方向LDに離間しており、第二穴126cBは、第二穴126dBの第一長手方向LD1側に位置している。また、第二穴126aBと第二穴126cBとは、互いに長手方向LDに離間している。
【0081】
第二穴126aB及び第二穴126bBは、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124aとなる。また、第二穴126cB及び第二穴126dBは、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第二開口124bとなる。そして、第三回転領域R3が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第二穴126aBの端126eBが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第二穴126cBの端126fBが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0082】
ダクト116Aの第五回転領域R5には、上記例の第三穴127aに代わる第三穴127aB、第三穴127bB、及び第三穴127cBと、上記例の第三穴127bに代わる第三穴127dB、第三穴127eB、及び第三穴127fBと、が形成されている。第三穴127aB、第三穴127bB、第三穴127cB、第三穴127dB、第三穴127eB、及び第三穴127fBは、互いに長手方向LDに同じ長さを有している。第三穴127aB、第三穴127bB、第三穴127cB、第三穴127dB、第三穴127eB、及び第三穴127fBのそれぞれは、第一穴125aB及び第一穴125bBのそれぞれと長手方向LDに同じ長さを有している。
【0083】
第三穴127aB、第三穴127bB、及び第三穴127cBは、互いに長手方向LDに離間している。第三穴127aBは、第三穴127bBの第二長手方向LD2側に位置しており、第三穴127cBは、第三穴127bBの第一長手方向LD1側に位置している。第三穴127dB、第三穴127eB、及び第三穴127fBは、互いに長手方向LDに離間しており、第三穴127dBは、第三穴127eBの第一長手方向LD1側に位置しており、第三穴127fBは、第三穴127eBの第二長手方向LD2側に位置している。また、第三穴127aBと第三穴127dBとは、互いに長手方向LDに離間している。
【0084】
第三穴127aB、第三穴127bB、及び第三穴127cBは、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124aとなる。また、第三穴127dB、第三穴127eB、及び第三穴127fBは、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第二開口124bとなる。そして、第五回転領域R5が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第三穴127aBの端127gBが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第三穴127dBの端127hBが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0085】
第一穴125aBの端125cBと、第二穴126aBの端126eBと、第三穴127aBの端127gBとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。同様に、第一穴125bBの端125dBと、第二穴126cBの端126fBと、第三穴127dBの端127hBとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。このため、冷却通路121に対向するダクト116Bの回転領域が、第一回転領域R1、第三回転領域R3、及び第五回転領域の間で変わることで、第一長手方向LD1における第二開口124bの端位置124dが変わる。
【0086】
一方、第一長手方向LD1における第一穴125aBの端125eBと、第一長手方向LD1における第二穴126bBの端126gBと、第一長手方向LD1における第三穴127cBの端127iBとは、互いに長手方向LDにおいて同じ位置に位置している。同様に、第二長手方向LD2における第一穴125bBの端125fBと、第二長手方向LD2における第二穴126dBの端126hBと、第二長手方向LD2における第三穴127fBの端127jBとは、互いに長手方向LDにおいて同じ位置に位置している。
【0087】
例えば、図3及び図11に示すように、第一穴125aBの端125cB及び第一穴125bBの端125dBのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第一用紙M1が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第二穴126aBの端126eB及び第二穴126cBの端126fBのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第三穴127aBの端127gB及び第三穴127dBの端127hBのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第三用紙M3が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。これらの対応する位置とは、長手方向LDにおける同じ又は近傍の位置をいう。
【0088】
このように、図11に示すダクト116Bでも、ダクト116Bの回転位置に基づいて、長手方向LDにおける第一開口124aの端位置124c(図4及び図5参照)及び第二開口124bの端位置124d(図4及び図6参照)を変化させることができる。これにより、通紙領域N1に搬送される用紙Mの幅が変わっても、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分を冷却することができる。
【0089】
図12は、他の例のダクト116Cを回転方向RDに展開した模式展開図である。図12に示すダクト116Cは、ダクト116Cの回転方向RDに互いにオフセットされた第七回転領域R7、第八回転領域R8、第九回転領域R9、及び第十回転領域R10を有する。第七回転領域R7、第八回転領域R8、第九回転領域R9、及び第十回転領域R10は、それぞれ長手方向LDに延びる領域であって、ダクト116Cの回転方向RDにおいて互いに重ならない領域である。第七回転領域R7、第八回転領域R8、第九回転領域R9、及び第十回転領域R10は、回転方向RDにこの順に隣接している。
【0090】
ダクト116Cには、第七回転領域R7、第八回転領域R8、及び第九回転領域R9に跨る穴125aC及び穴125bCが形成されている。穴125aC及び穴125bCは、第七回転領域R7、第八回転領域R8、及び第九回転領域R9において供給通路123をダクト116Cの外部に開放する穴である。穴125aCと穴125bCとは、互いに長手方向LDに離間している。穴125aCは、第一長手方向LD1におけるダクト116Cの端部に位置して、長手方向LDに延びている。穴125bCは、第二長手方向LD2におけるダクト116Cの端部に位置して、長手方向LDに延びている。
【0091】
第七回転領域R7に位置する穴125aCの部分を穴部125cCといい、第八回転領域R8に位置する穴125aCの部分を穴部125dCといい、第九回転領域R9に位置する穴125aCの部分を穴部125eCという。また、第七回転領域R7に位置する穴125bCの部分を穴部125fCといい、第八回転領域R8に位置する穴125bCの部分を穴部125gCといい、第九回転領域R9に位置する穴125bCの部分を穴部15hCという。
【0092】
図4図6及び図12に示すように、第七回転領域R7の穴部125cC及び穴部125fCは、第七回転領域R7が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第七回転領域R7が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第七回転領域R7の穴部125cCの端125iCが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第七回転領域R7の穴部125fCの端125jCが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0093】
第八回転領域R8の穴部125dC及び穴部125gCは、第八回転領域R8が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第八回転領域R8が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第八回転領域R8の穴部125dCの端125kCが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第八回転領域R8の穴部125gCの端125mCが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0094】
第九回転領域R9の穴部125eC及び穴部125hCは、第九回転領域R9が冷却通路121に対向したときに、供給通路123と冷却通路121との間に形成される第一開口124a及び第二開口124bのそれぞれとなる。そして、第九回転領域R9が冷却通路121に対向したときに、第二長手方向LD2における第九回転領域R9の穴部125eCの端125nCが、第一開口124aの端位置124cとなり、第一長手方向LD1における第九回転領域R9の穴部125hCの端125oCが、第二開口124bの端位置124dとなる。
【0095】
そして、第七回転領域R7の穴部125cCは、第八回転領域R8の穴部125dCよりも長手方向LDに長く、第八回転領域R8の穴部125dCは、第九回転領域R9の穴部125eCよりも長手方向LDに長い。また、第七回転領域R7の穴部125cCの端125iCと、第八回転領域R8の穴部125dCの端125kCと、第九回転領域R9の穴部125eCの端125nCとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。同様に、第七回転領域R7の穴部125fCの端125jCと、第八回転領域R8の穴部125gCの端125mCと、第九回転領域R9の穴部125hCの端125oCとは、互いに長手方向LDにおいて異なる位置に位置している。このため、冷却通路121に対向するダクト116Cの回転領域が、第七回転領域R7、第八回転領域R8、及び第九回転領域R9の間で変わることで、第一長手方向LD1における第二開口124bの端位置124dが変わる。
【0096】
ダクト116Cの第十回転領域R10は、供給通路123をダクト116Cの外部に開放する穴が形成されない壁領域である。第十回転領域R10が冷却通路121に対向したときに、ダクト116Cは、供給通路123と冷却通路121との間に第一開口124a及び第二開口124bを形成せずに、供給通路123を冷却通路121から隔てる。
【0097】
例えば、図3及び図12に示すように、第七回転領域R7の穴部125cCの端125iC及び穴部125fCの端125jCのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第一用紙M1が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第八回転領域R8の穴部125dCの端125kC及び穴部125gCの端125mCのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第二用紙M2が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。また、第九回転領域R9の穴部125eCの端125nC及び穴部125hCの端125oCのそれぞれは、定着ニップ領域Nに第三用紙M3が搬送される場合の、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界B1及び境界B2のそれぞれに対応する位置に位置している。これらの対応する位置とは、長手方向LDにおける同じ又は近傍の位置をいう。
【0098】
このように、図12に示すダクト116Cでも、ダクト116Cの回転位置に基づいて、長手方向LDにおける第一開口124aの端位置124c(図4及び図5参照)及び第二開口124bの端位置124d(図4及び図6参照)を変化させることができる。これにより、通紙領域N1に搬送される用紙Mの幅が変わっても、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分を冷却することができる。
【0099】
また、例えば、ダクトを備えなくてもよく、冷却通路と供給通路との間に形成された開口の端位置が変更不能であってもよい。図13は、他の例の熱源ユニット112Dの、図4に対応する模式断面図である。図13に示す熱源ユニット112Dは、熱源114と、ケーシング115Dと、を有し、上記例のダクト116を有しない。そして、ケーシング115Dのダクト用穴122が、供給通路123Dを形成し、長手方向LDにおけるダクト用穴122の両端部に、ファン113a及びファン113bが接続されている。また、ケーシング115Dにより、冷却通路121と供給通路123Dとの間の第一開口124aD及び第二開口124bDが形成されており、第一開口124aD及び第二開口124bDを介して供給通路123Dから冷却通路121に空気流を供給する構成となっている。
【0100】
このように、図13に示す熱源ユニット112Dでも、供給通路123Dに空気流を発生させることで、この空気流が、第一開口124aD及び第二開口124bDを介して冷却通路121に供給され、冷却通路121を通って熱源114に導かれる。これにより、熱源114を直接的に冷却することができるため、熱源114を効率的に冷却することができる。
【0101】
また、図13に示す熱源ユニット112Dにおいて、第一開口124aD及び第二開口124bDの開度を調整可能なシャッタを設けることで、第一開口124aD及び第二開口124bDの長手方向LDにおける端位置を変化させることができる。これにより、通紙領域N1に搬送される用紙Mの幅が変わっても、熱源114の非通紙領域N2に対応する部分を冷却することができる。
【0102】
また、例えば、定着ニップ領域Nのうちの用紙Mが通紙される通紙領域N1は、長手方向LDにおける中央部でなくてもよく、長手方向LDにおける一方側の端部であってもよい。この場合、例えば、通紙領域N1と非通紙領域N2との境界、供給通路と冷却通路との間の開口等は、一つであってもよい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13