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▶ 加藤 伊久夫の特許一覧

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  • 特開-2軸モーター 図1
  • 特開-2軸モーター 図2
  • 特開-2軸モーター 図3
  • 特開-2軸モーター 図4
  • 特開-2軸モーター 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058683
(43)【公開日】2024-04-26
(54)【発明の名称】2軸モーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 16/00 20060101AFI20240419BHJP
【FI】
H02K16/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022175863
(22)【出願日】2022-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】592104117
【氏名又は名称】加藤 伊久夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伊久夫
(57)【要約】
【課題】従来の電気モーターは固定子がモーター本体に固定されていたためモーター回転時に反動が発生した。
また出力軸は回転子軸のみであるため、単体のモーターから直接2方向へ動力を伝達することができなかった。
本発明はモーター回転時の反動を無くすと共に、単体のモーターから直接2方向へ動力を伝達することを可能とする。
【解決手段】従来の回転子に相当する内回転子3の出力軸5のほか、従来は固定されていた固定子も回転可能とし、回転可能とした従来の固定子である外回転子4にも出力軸6を設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
電気モーターにおいて、従来の回転子を内回転子3とし、従来の固定子を外回転子4とする。
内回転子3および外回転子4の双方に出力軸5、6を設ける。
内回転子3および外回転子4並びに出力軸5、6をケーシング2により直接あるいは間接に軸支し、内回転子3および外回転子4の双方を回転可能とする。
以上のごとく構成した2軸モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電気モーターに2つの出力軸を設けたものである。
【背景技術】
【0002】
従来のモーターは回転子と固定子により構成され、固定子がモーター本体に固定され、回転子の軸のみが出力軸であった。そのためモーター回転時にモーター本体に反動が発生したほか、単体のモーターから直接2方向へ動力を伝達することができなかった。
【先行技術文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はモーター回転時にモーター本体に反動が発生しないようにするほか、単体のモーターから直接2方向へ動力を伝達することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
回転子のほか、従来はモーター本体に固定されていた固定子も回転可能とし、回転子および回転可能とした固定子の双方に出力軸を設ける。
【発明の効果】
【0005】
固定子をモーター本体に固定せず回転可能とすることにより、モーター回転時にモーター本体に反動が発生しないほか、回転子と回転可能とした固定子双方に出力軸を設けることにより出力軸が2軸となるため、単体のモーターから直接2方向へ動力を伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明による2軸モーターの断面図。
図2】本発明による2軸モーターの、ブラシ装置の拡大断面図。
図3】本発明による2軸モーターを、電動ドライバードリルの動力源とした実施例の断面図。
図4】本発明による2軸モーターを、電動ドライバードリルの動力源とした実施例の歯車装置の拡大断面図。
図5】本発明による2軸モーターを、自動車の動力源とした実施例の断面図。
【実施するための形態】
【0007】
電気モーターには交流モーター、直流モーター等各種のモーターがあるが、本発明はいずれのモーターにおいても、従来は固定されていた固定子も回転可能とするとともに、回転可能とした固定子にも出力軸を設けることにより、同様の効果を得ることができるものである。
本明細書においてはブラシ付き直流モーターを2軸モーターとした場合について説明する。
【0008】
図1は本発明による2軸モーターの断面図である。
1は直流で駆動される2軸モーター。2は2軸モーター1のケーシング。3は従来の回転子に相当する内回転子。4は従来の固定子に相当する外回転子である。
内回転子3には出力軸5を連結し、外回転子4には出力軸6を連結する。
内回転子3、外回転子4、出力軸5、出力軸6は、それぞれケーシング2により直接あるいは間接に軸支される。
7はブラシ装置である。
【0009】
図2はブラシ装置7の拡大断面図で、外部から電気を供給するコード8からブラシ9を介して、出力軸6に固定されたリング10、11に通電し、リング10、11からコード12、13を介しブラシ14、15に通電する。
さらにブラシ14、15から整流子16、17に通電され、内回転子3に設けられたコイルに電気を供給する。
なお、内回転子に設けるコイルおよび外回転子に設ける永久磁石は、図面への記載を省略する。
【0010】
コード8を介して外部から電気を供給し、第1図において内回転子3と外回転子4を互いに反発させ逆方向に回転させる。この際内回転子3、外回転子4ともケーシング2に固定されていないため、回転時に2軸モーター1に反動は発生しない。
内回転子3と外回転子4の回転に伴い、内回転子3に連結された出力軸5と、外回転子4に連結された出力軸6の双方から動力を得ることができるため、モーター1から直接2方向へ動力を伝達することができる。
【0011】
図3は、当発明による2軸モーターを電動ドライバードリルの動力源として利用した場合の実施例である。
2軸モーター1のケーシング2に把手18を固定する。19は充電式電池で把手18に脱着自在に固定する。
2軸モーター1に歯車装置20を設ける。
図4図3の歯車装置20の拡大断面図で、外回転子4に、外回転子4の出力軸を兼ねた歯車21を固定する。
2軸モーター1のケーシング2と一体に形成されたケーシング22に軸23を固定する。
軸23により歯車24を軸支する。
【0012】
内回転子3の出力軸5に歯車25を固定する。歯車21、24、25を図面のごとく噛み合わせる。外回転子4の回転は、外回転子4の出力軸を兼ねた歯車21から歯車24、25を介し、出力軸5に伝達される。
この際外回転子4の回転は歯車21、24、25により逆転されるため、内回転子3と外回転子4の回転は統合され、出力軸5に伝達さる。更に出力軸5に固定された工具取付具26を回転させる。
本実施例においても内回転子3、外回転子4ともにケーシング2に固定されていないため、2軸モーター1の回転時の反動が極めて少ない。
【0013】
図5は本発明による2軸モーター1を、自動車の駆動装置として活用した場合の実施例である。
内回転子3の出力軸5に歯車27を固定する。2軸モーター1のケーシング2およびケーシング2に固定されたケーシング28により出力軸29を軸支する。出力軸29に歯車30を固定する。歯車27と歯車30を図面のごとく噛み合わせる。この際、歯車27、30により出力軸5の回転は逆転され、出力軸29伝達される。出力軸6と出力軸29は同方向の回転となる。
【0014】
2軸モーター1の外回転子4の出力軸6を、ユニバーサルジョイントおよびシャフトを介し片方の車輪に連結し、2軸モーター1の内回転子3の出力軸29を、ユニバーサルジョイントおよびシャフトを介し他方の車輪に連結するれば、デファレンシャルギアが不要となり、コスト削減と軽量化を図ることができる。
【0015】
記号の説明
1 2軸モーター
2 2軸モーター1のケーシング
3 内回転子
4 外回転子
5、6 出力軸
7 ブラシ装置
9 ブラシ
10、11 リング
12、13 コード
14、15 ブラシ
16、17 整流子
20 歯車装置
21 外回転子4の出力軸を兼ねた歯車
23 軸
24、25 歯車
26 工具取付具
27 歯車
29 出力軸
30 歯車
図1
図2
図3
図4
図5