(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058686
(43)【公開日】2024-04-26
(54)【発明の名称】デューテトラベナジンを含む浸透性剤形及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4745 20060101AFI20240419BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240419BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240419BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240419BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240419BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240419BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240419BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240419BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240419BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240419BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
A61K31/4745
A61K9/20
A61K47/10
A61K47/22
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/32
A61K47/02
A61P25/00
A61K47/12
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001864
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2022576176の分割
【原出願日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】63/044,451
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/037,953
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/037,369
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515247864
【氏名又は名称】オースペックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パラグ・シャー
(72)【発明者】
【氏名】マヤンク・ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】ソウメン・パッタナイェク
(72)【発明者】
【氏名】ディヴヤン・パテル
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ・パンディタ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA38
4C076AA40
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC01
4C076DD23N
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4C076DD26N
4C076DD37S
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4C076DD41
4C076DD45S
4C076DD60S
4C076DD67N
4C076EE04A
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4C076EE42A
4C076FF31
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA12
4C086ZA02
(57)【要約】
【課題】
長期間にわたって制御された様式でデューテトラベナジンを送達することができる剤形
のような代替的な剤形が必要とされている。
【解決手段】
例えば運動亢進性運動障害の治療における使用のためのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形を提供する。1日1回対象に経口投与される場合、剤形は、長期間にわたって治療の効能を示す活性剤に関する良好な薬物動態プロファイルを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年6月10日に出願された米国仮特許出願第63/037,369号、2020年6月11日に出願された米国仮特許出願第63/037,953号、及び2020年6月26日に出願された米国仮特許出願第63/044,451の利益を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群、レボドパ誘発性ジスキネジア、及び脳性麻痺におけるジスキネジアのような状態から生じる運動亢進性運動障害を治療するための浸透性剤形(osmotic dosage form)及びこれらの剤形の使用方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
デューテトラベナジン((RR,SS)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-オン)は、2型小胞モノアミントランスポーター(VMAT2)である。共に「deuHTBZ」と特定されるデューテトラベナジン(アルファ-ジヒドロデューテトラベナジン[α-deuHTBZ]及びベータ-ジヒドロデューテトラベナジン[β-deuHTBZ])から形成される生物学的活性代謝物は、VMAT2結合の強力な阻害剤である。デューテトラベナジンは、テトラベナジンと比べて、その活性代謝物の増加した半減期を示す(例えば、米国特許第8,524,733号)。
【0004】
デューテトラベナジンは、ハンチントン病(HD)に関連する舞踏病(不随意筋肉運動)の処置及び成人の遅発性ジスキネジア(TD)の処置のために、商標名AUSTEDO(登録商標)で米国食品医薬品局により承認されている。AUSTEDO(登録商標)の剤形は、1日総投与量12mg以上のデューテトラベナジンで、1日2回(bid)経口投与される。
【0005】
経口投与された薬物の胃腸内吸収に影響を及ぼす一要因は、薬物が剤形から放出される速度である。経口剤形に対する薬物放出速度は、典型的には、in vitroでの溶解の速度、即ち、例えばFDAで承認されたシステムにおける単位時間当たりの剤形から放出される薬物の量として測定される。このようなシステムは、例えば、米国薬局方(USP)の溶解装置I及びIIを含む。
【0006】
薬物の治療域(therapeutic window)は、血漿薬物濃度が治療に有効な血漿薬物濃度の範囲内である期間である。しかし、血漿薬物濃度が経時的に低下するので、多回用量の薬物剤形を、適切な間隔で投与して、血漿薬物濃度が治療域以内に留まる、又は治療域まで再び上昇するのを確実にしなければならない。しかし、同時に、望ましくない副作用をもたらす血漿薬物濃度を避ける、又は最小限にする必要がある。
【0007】
デューテトラベナジンを含むいくつかの剤形は、米国特許第9,296,739号に開示されている。長期間にわたって制御された様式でデューテトラベナジンを送達することができる剤形は、より有利な投薬レジメン、例えば、AUSTEDO(登録商標)が現在実現している治療効果を維持しながら1日1回(qd)の投与を可能にする投薬レジメンを可能にする。このような代替的な剤形が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,524,733号
【特許文献2】米国特許第9,296,739号
【特許文献3】米国特許第4,327,725号
【特許文献4】米国特許第4,612,008号
【特許文献5】米国特許第4,783,337号
【特許文献6】米国特許第5,082,668号
【特許文献7】米国特許第3,845,770号
【特許文献8】米国特許第3,916,899号
【特許文献9】米国特許第3,173,876号
【特許文献10】米国特許第3,276,586号
【特許文献11】米国特許第3,541,005号
【特許文献12】米国特許第3,541,006号
【特許文献13】米国特許第3,546,142号
【特許文献14】米国特許第4,200,098号
【特許文献15】米国特許第4,088,864号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示されるのは、
a.所定量のデューテトラベナジン微粒子を含む活性層及びプッシュ層(push layer)を含む錠剤コア;
b.錠剤コアを取り囲む半透層;並びに
c.半透層を通して錠剤コアに伸びる孔
を含む、それを必要とする対象へのデューテトラベナジンの1日1回投与用の浸透性剤形である。
【0010】
本明細書で更に開示されるのは、対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、1日1回対象に本明細書に開示される浸透性剤形を投与する工程を含む、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2a】本開示による浸透性剤形の全体的な製造過程のフローチャートを示す。
【
図2b】本開示による浸透性剤形の全体的な製造過程のフローチャートを示す。
【
図3a】12mgのAUSTEDO(登録商標)錠剤をbidで(「R」)、又は24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形をqdで(「T2A」)投与された対象におけるデューテトラベナジン対時間(時間、「h」)の濃度(pg/mL)を示すグラフである。
図3aは、平均濃度に対する直接スケールを示す。
【
図3b】12mgのAUSTEDO(登録商標)錠剤をbidで(「R」)、又は24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形をqdで(「T2A」)投与した対象におけるデューテトラベナジン対時間(時間、「h」)の濃度(pg/mL)を示すグラフである。
図3bは、平均濃度に対する対数スケールを示す。
【
図4a】12mgのAUSTEDO(登録商標)錠剤をbidで(「R」)、又は24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形をqdで(「T2A」)投与した対象におけるα及びβ-deuHTBZ(総deuHTBZ)対時間(時間、「h」)の濃度(pg/mL)を示すグラフである。
図4aは、平均濃度に対する直接スケールを示す。
【
図4b】12mgのAUSTEDO(登録商標)錠剤をbidで(「R」)、又は24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形をqdで(「T2A」)投与した対象におけるα及びβ-deuHTBZ(総deuHTBZ)対時間(時間、「h」)の濃度(pg/mL)を示すグラフである。
図4bは、平均濃度に対する対数スケールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本主題は、本開示の一部を形成する、以下の詳しい説明を参照してより容易に理解することができる。本発明が、本明細書に記載される及び/又は示される具体的な方法、条件、又はパラメーターに限定されず、本明細書で使用される専門用語が、ただ一例として特定の実施形態を説明する目的であり、請求する発明の限定を意図しないこと理解すべきである。
【0013】
本明細書に別段定義されない限り、本出願に関して使用される科学用語及び技術用語は、当業者により通常理解される意味を有する。更に、内容により別段必要とされない限り、単数形表現は複数形を含み、複数形表現は単数形を含む。
【0014】
上記及び本開示全体を通して利用される場合、以下の用語及び略語は、別段示さない限り、以下の意味を有すると理解される。
【0015】
本開示において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形の参照を含み、特定の数値の参照は、別段内容が明らかに示さない限り、少なくともその特定の値を含む。ゆえに、例えば、「化合物」への参照は、このような化合物及び当該技術分野で公知のその等価物の1つ又は複数への参照であり、他も同様である。用語「複数」とは、本明細書で使用される場合、1より大きいことを意味する。値の範囲を表す場合、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値まで含む。同様に、値を近似として表す場合、先行詞「約」を使用して、特定の値が別の実施形態を形成することは理解される。全ての範囲は、包括的で組合せ自在である。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「化合物」、「薬物」、「薬理学的活性剤」、「活性剤」、又は「医薬」は、本明細書で互換的に使用して、対象(ヒト又は動物)に投与された場合、局所的及び/又は全身の作用により所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を誘発する、1つ若しくは複数の化合物又は物質の組成物を指す。活性剤は、好ましくは、本明細書で開示される通り、デューテトラベナジンである。
【0017】
本明細書で使用される場合、「剤形」とは、浸透特性を有し、長期間にわたって活性剤を放出することが可能な薬物形態を指し、例えば、剤形は、投与後の8時間、剤形中の60wt%以下の活性剤を放出する。活性剤は、好ましくは、本明細書で開示される通り、デューテトラベナジンである。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「薬物製剤」とは、剤形の水性条件下でその場で形成される、任意で添加剤を含む薬物の溶液剤又は懸濁剤を指す。活性剤は、好ましくは、本明細書で開示される通り、デューテトラベナジンである。
【0019】
用語「孔」又は「出口の孔」とは、互換的に使用され、剤形のコアから薬物又は薬物製剤が出るのに好適な手段及び方法であり、例えば、剤形のコア中の薬物又は薬物製剤が出ることができる任意の孔、通路、チャネル、又は類似の開口部を指す。このような用語の他の表現は、例えば、出口手段、開口、又は穴を含む。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「治療」又は「療法」(並びにその異なる形態)は、防止的(例えば、予防的)、治癒的、又は緩和的治療を含む。本明細書で使用される場合、用語「治療すること」は、少なくとも1つの有害作用若しくは悪影響、又は状態、疾患、若しくは障害の症状を緩和又は軽減することを含む。この状態、疾患、又は障害とは、限定されないが、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群、ジストニア、脳性麻痺におけるジスキネジア、及びパーキンソン病のレボドパ誘発性ジスキネジアのような運動亢進性運動障害を指すことができる。
【0021】
用語「投与すること」とは、患者に、本明細書に開示される医薬組成物又は剤形(本明細書で互換的に使用)を提供することを意味する。
【0022】
用語「対象」、「個体」、及び「患者」は、互換的に使用され、本明細書に開示される剤形での予防的治療を含む治療が提供されるヒトを指す。
【0023】
「薬学的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合った過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題のある合併症を伴わずにヒトの組織に接触するのに好適であるこれらの化合物、材料、組成物、及び/又は添加剤を指す。
【0024】
本開示の剤形は、ある特定の剤形の材料又は成分の「誘導体」、例えばセルロース又はデンプンの誘導体を含みうる。本明細書で使用される場合、材料の「誘導体」とは、この材料の合成物又は半合成物を指すことができる。例えば、セルロースの場合、誘導体は、セロファン、レーヨン、並びに酢酸セルロース、セルロースエステル、及びセルロースエーテルのような半合成セルロース生成物を指すことができる。
【0025】
「微粒子」とは、1mm未満の粒径(即ち、直径)を有する、粒子、例えばデューテトラベナジン粒子を指す。一実施形態において、微粒子のメジアン直径(D50)は、約0.05~約100μmである。別の実施形態において、微粒子のD50は、約0.05~約50μmである。別の実施形態において、微粒子のD50は、約1μm~約30μm、又は約1μm~約25μm、又は約5μm~約30μm、又は約1μm~約20μm、又は約5μm~約25μm、又は約10μm~約20μmである。一実施形態において、デューテトラベナジン微粒子は、直径約1μm~約30μmの粒径分布を有する。別の実施形態において、デューテトラベナジン微粒子は、15μmのD90を有する(即ち、粒子の90%が15um以下の直径を有する)。別の実施形態において、デューテトラベナジン微粒子は、10μmのD50を有する(即ち、粒子の50%が10um超の直径を有し、粒子の50%が10um以下の直径を有する)。また別の実施形態において、デューテトラベナジン微粒子は、3μmのD10を有する(即ち、粒子の10%が3um未満の直径を有する)。
【0026】
用語D90、D50、又はD10は、当該技術分野でよく理解されている。微粒子の粒径分布(即ち、直径)は、従来の方法、例えば微粒子組成物の水性分散体の動的又は静的光散乱を使用して、当業者により決定されうる。D90値及びD10値は、D50値と同様に微粒子の粒径分布から算出されうる。
【0027】
浸透性剤形は、一般に、例えば胃腸(GI)管からの流体を、少なくとも部分的に、薬物又は浸透剤(存在する場合)ではなく流体の自由拡散を可能にする半透壁、半透層、又は半透膜で形成された区画に吸収させる駆動力を発生させるために浸透圧を利用する。薬物放出の一定速度は、比較的一定な浸透圧をもたらすシステムを設計し、比較的一定な浸透圧の結果として吸収された流体の速度に相当する速度で放出される薬物製剤に好適な出口手段を有することにより達成することができる。理論に限定されることなく、浸透系は、pHとは無関係に動作することができるので、剤形がGI管を通過し、著しく異なるpH値を有する異なる微環境に遭遇するとしても、動作は、長期間にわたって浸透圧により決定された速度で継続する。
【0028】
浸透性デバイスの一種の例は、半透壁で形成された区画(本明細書ではコアと称し、互換的に使用)内の2つの成分層を含む。1つの成分層(本明細書で活性層と称す)は、添加剤を含む混合物中に薬物(即ち、デューテトラベナジン)を含み、第2の成分層(本明細書でプッシュ層と称す)は、任意で添加剤を含むが薬物を含有しない混合物中に浸透性の活性剤を含む。このコアは、半透壁で更にコーティングされ、水性流体、即ちGI系からコアへの侵入を可能にする。理論に限定されることを望まないが、流体が剤形に吸収されると、活性層は、薬物製剤を形成し、プッシュ層の浸透剤は、膨張し、薬物製剤を押し出し、それにより実質的に一定速度で薬物製剤の放出を容易にする。例えば、米国特許第4,327,725号、米国特許第4,783,337号、及び米国特許第5,082,668号を参照されたい。
【0029】
一定放出性剤形が多くの異なる薬物療法に対して有効であることが証明されているが、これらが完全に満足できる臨床状況はない。一部の患者において、継続した有効性をもたらすと期待されている実質的に一定の薬物放出を維持するにもかかわらず、薬物の治療有効性が、所望の治療期間の終了前に治療有効閾値未満に低下することが観察されている。
【0030】
長期間、所望の放出速度を示し、ゆえに所望の薬物動態プロファイルを示すデューテトラベナジンを含む経口剤形を達成することができることが意外にも発見されている。いくつかの実施形態において、本開示の浸透性剤形は、1日1回(q.d.)対象に経口投与される場合、b.i.d.で投与されるAUSTEDO(登録商標)剤形の薬物動態プロファイルに匹敵する、例えば生物学的に同等である薬物動態プロファイルを提供する。ある特定の実施形態において、浸透性剤形は、約410,000~800,000h*pg/mLの平均AUC0-24及び約40,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総deuHTBZに対するin vivo血漿プロファイルを提供する。
【0031】
本開示の浸透性剤形は、少なくともプッシュ層及び活性層を含有する錠剤コアを含み、活性層は、デューテトラベナジン及び水和する場合に薬物製剤を形成するための1つ又は複数の添加剤を含み、プッシュ層は、少なくとも1つの浸透剤及び1つ又は複数の添加剤を含む。プッシュ層及び活性層の両方は、錠剤コアからの薬物製剤の放出用の出口手段として機能する孔を有する半透層で少なくとも部分的に取り囲まれる錠剤コア内に含有される。いくつかの実施形態において、2つの層は、半透膜に取り囲まれ、薬物放出用の好適な開口を更に有する二層の錠剤コアに圧縮される。
【0032】
本明細書に開示される経口浸透性剤形の実施形態は、
図1の断面図において図示される。構成要素は、等倍率で描写されていない。剤形(2)は、二層の錠剤コアを含む。コアは、薬物、例えばデューテトラベナジン及び1つ又は複数の活性層添加剤を含有する活性層(4)、並びに1つ又は複数のプッシュ層添加剤と共に少なくとも1つの浸透剤を含有するプッシュ層(6)を含む。活性層の少なくとも一部は、水性環境に曝露した際に薬物製剤を形成する。好適な活性層及びプッシュ層の添加剤は、当該技術分野で公知であり、賦形剤、担体、結合剤、充填剤、制御放出剤、及び加工剤を含む。半透膜(8)は、二層の錠剤コアを取り囲み、半透膜から活性層(4)に伸びる好適なサイズの孔(10)は、薬物製剤が錠剤コア内から放出されるのを可能にするために存在する。図示する通り、剤形は、長手方向に圧縮され、孔(10)は、活性層を含む剤形の側に存在する。他の実施形態において、剤形は、剤形の横方向の軸に沿って圧縮され、孔は剤形の一端に存在する。全ての実施形態において、1つ超の孔が存在しうる。浸透性剤形の成分の協働を通して、水性環境の存在下、薬物製剤は、活性層から孔を通して所望の放出速度で長期間放出される。
図1に示されていないが、更なる薬物(即ち、デューテトラベナジン微粒子)を含む、半透層の外側にある任意の即時放出層(即時放出コーティング)は、本明細書の他に記載する通り、所望により更に提供されうる。
【0033】
一実施形態において、本発明は、
a.所定量のデューテトラベナジン微粒子を含む活性層及びプッシュ層を含む錠剤コア;
b.錠剤コアを取り囲む半透層;並びに
c.錠剤コアに伸びる半透層における孔
を含む、それを必要とする対象への1日1回投与用の浸透性剤形を提供する。
【0034】
錠剤コアに含有される活性層は、デューテトラベナジン及び薬学的に許容される活性層添加剤を含む。好ましい実施形態において、デューテトラベナジンは、デューテトラベナジン微粒子として提供される。デューテトラベナジン微粒子は、活性層の総質量に対する質量(%w/%w)で、約2%~20%(即ち、約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%)の量で活性層に存在しうる。
【0035】
具体的な実施形態において、活性層添加剤は、活性層制御放出剤を含む。本発明の一実施形態において、活性層制御放出剤は、約50~150mPa sの粘度を有する。具体的な一実施形態において、活性層制御放出剤は、約55~90mPa sの粘度を有する。好ましい実施形態において、活性層制御放出剤は、ポリオキシエチレンポリマー、イオン性ヒドロゲル、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、又は任意のそれらの混合物を含む。別の実施形態において、活性層制御放出剤は、ポリエチレンオキシドであるポリオキシエチレンポリマーを含む。また別の実施形態において、活性層内のポリエチレンオキシドは、100,000ダルトン~500,000ダルトンの平均分子量を有する。いくつかの実施形態において、活性層内のポリエチレンオキシドは、約200,000ダルトンの平均分子量を有する。
【0036】
別の実施形態において、活性層制御放出剤は、活性層の総質量に対して約60質量%~約98質量%の量で活性層に存在する。具体的な一実施形態において、活性層制御放出剤は、活性層の総質量に対して約70質量%~約85質量%の量で活性層に存在する。具体的な一実施形態において、活性層制御放出剤は、活性層の総質量に対して約80質量%~約90質量%の量で活性層に存在する。具体的な一実施形態において、活性層制御放出剤は、活性層の総質量に対して約85質量%~約95質量%の量で活性層に存在する。
【0037】
一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、2:3~1:50である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、2:5~1:5である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、1:4~1:9である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、1:5~1:19である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、1:5~1:10である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、1:5~1:7である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、1:12~1:15である。具体的な一実施形態において、活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤の量との質量比は、1:20~1:30である。
【0038】
活性層内の任意の添加剤は、抗酸化剤、結合剤、滑沢剤、着色剤等を含む。このような添加剤は、当業者に周知である。いくつかの実施形態において、活性層は、デューテトラベナジン微粒子、活性層添加剤、及び任意で、抗酸化剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、又は任意のそれらの組合せの1つ又は複数を含む。
【0039】
一実施形態において、活性層は、少なくとも1つの活性層抗酸化剤を更に含む。好ましくは、活性層抗酸化剤は、tert-ブチル-4-メトキシフェノール(2-異性体及び3-異性体の混合物)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、没食子酸プロピル、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ(digydro)-2,2,4-トリメチルキノリン(エトキシキン)、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、又は任意のそれらの混合物を含む。具体的な一実施形態において、活性層は、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンの混合物を含む。一実施形態において、活性層抗酸化剤は、活性層の総質量に対して約0.001質量%~約1質量%の量で活性層に存在しうる。
【0040】
一実施形態において、活性層は、活性層結合剤を更に含む。一実施形態において、活性層結合剤は、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、ゼラチン、寒天、天然ゴム及び合成ゴム、並びに任意のそれらの混合物を含む。別の実施形態において、活性層結合剤は、ヒプロメロースを含む。一実施形態において、活性層結合剤は、活性層の総質量に対して約2質量%~約20質量%の量で活性層に存在しうる。
【0041】
一実施形態において、活性層は、1つ又は複数の薬学的に許容される滑沢剤を更に含む。好適な滑沢剤は、限定されないが、タルク、デンプン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ホウ酸、塩化ナトリウム、パラフィン、ステアリン酸、低融点蝋、水素化植物油、及び飽和脂肪酸エステルを含む。具体的な一実施形態において、1つ又は複数の滑沢剤は、活性層の総質量に対して約0.001質量%~約0.2質量%の量で活性層に存在しうる。
【0042】
一実施形態において、活性層は、デューテトラベナジン微粒子及び約55~90mPa sの粘度を有する活性層制御放出剤を含む。いくつかの実施形態において、活性層制御放出剤は、ポリエチレンオキシドを含む。また別の実施形態において、活性層は、デューテトラベナジン微粒子、ポリエチレンオキシドを含み、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ヒプロメロース、及びステアリン酸マグネシウムを更に含む。
【0043】
錠剤コア内に含有されるプッシュ層は、理論に拘束されることなく、水性環境に曝露された場合に膨張し、剤形内から外部環境への薬物製剤の流れを可能にする活性層を押し出す流体誘引剤(fluid-attracting agent)として作用する浸透剤を含む。浸透剤は、例えば、一般に水溶性であり、浸透圧勾配を創出し、それにより水の浸透性流入を可能にする不揮発性種として定義される。浸透剤の分類に入る種は、無機塩又は炭水化物を含む。浸透剤の非限定例は、当該技術分野で周知であり、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、d-マンニトール、ソルビトール、イノシトール、尿素、コハク酸マグネシウム、酒石酸、ラフィノース、並びに様々な単糖、オリゴ糖、及び多糖、例えばスクロース、グルコース、ラクトース、フルクトース、及びデキストラン、並びにこれら様々な種のいずれか1つの混合物を含む。
【0044】
一実施形態において、浸透剤は、剤形の総質量に対して約5質量%~約50質量%の量でプッシュ層に存在する。一実施形態において、浸透剤は、剤形の総質量に対して約5質量%~約20質量%の量でプッシュ層に存在する。別の実施形態において、浸透剤は、剤形の総質量に対して約8質量%~約10質量%の量でプッシュ層に存在する。
【0045】
一実施形態において、浸透剤は、プッシュ層の総質量に対して約20質量%~約40質量%の量でプッシュ層に存在する。一実施形態において、浸透剤は、プッシュ層の総質量に対して約30質量%である。
【0046】
プッシュ層は、制御放出剤のような1つ又は複数の添加剤を更に含む。一実施形態において、プッシュ層は、浸透剤及びプッシュ層制御放出剤を含む。プッシュ層制御放出剤は、水に接触した際に膨張性マトリックスをもたらすポリマーを含む。一実施形態において、プッシュ層制御放出剤は、約5500~7500mPa sの粘度を有する。
【0047】
プッシュ層制御放出剤の例は、ポリオキシエチレンポリマー、イオン性ヒドロゲル、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、及び任意のそれらの混合物を含む。一実施形態において、プッシュ層制御放出剤は、ポリエチレンオキシドであるポリオキシエチレンポリマーを含む。別の実施形態において、プッシュ層内のポリエチレンオキシドは、1,000,000ダルトン~7,000,000ダルトンの平均分子量を有する。また別の実施形態において、プッシュ層内のポリエチレンオキシドは、5,000,000ダルトンの平均分子量を有する。
【0048】
一実施形態において、プッシュ層制御放出剤は、プッシュ層の総質量に対して約50質量%~約80質量%の量でプッシュ層に存在する。別の実施形態において、プッシュ層制御放出剤は、プッシュ層の総質量に対して約60質量%~約70質量%の量でプッシュ層に存在する。
【0049】
一実施形態において、プッシュ層における浸透剤とプッシュ層制御放出剤との質量比は、1:2~1:3.5又は約1:2~1:2.5である。
【0050】
プッシュ層は、例えば、層を安定化し、錠剤の配向のために色をもたらす等のための他の薬学的に許容される添加剤を任意で更に含有する。例示的な添加剤は、結合剤、着色剤、及び滑沢剤を含み、これらの種類の添加剤の好適な例は、当業者間で周知である。
【0051】
一実施形態において、プッシュ層は、プッシュ層結合剤を更に含む。プッシュ層結合剤は、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、ゼラチン、寒天、天然ゴム及び合成ゴム、並びに任意のその混合物から選択することができる。好ましくは、プッシュ層結合剤は、ヒプロメロースである。一実施形態において、プッシュ層結合剤は、プッシュ層の総質量に対して約2質量%~約10質量%の量でプッシュ層に存在する。別の実施形態において、プッシュ層結合剤は、プッシュ層の総質量に対して約3質量%~約6質量%の量でプッシュ層に存在する。
【0052】
プッシュ層内の滑沢剤は、活性層に関して上述した例示的な材料のいずれかを含みうる。プッシュ層はまた、架橋ポリビニルピロリドン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、スメクタイト粘土(例えばVeegum(登録商標)のようなケイ酸アルミウニムマグネシウム)、ベントナイト、及び柑橘類の果肉のような崩壊剤を含みうる。これはまた、薬物に対する安定剤を含むことも望ましい。これらは、限定されないが、亜硫酸水素ナトリウム及びヒスチジンHClを含む。
【0053】
具体的な一実施形態において、プッシュ層は、塩化ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、着色剤、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0054】
本浸透性剤形は、錠剤コアを取り囲む半透層を含み、それによりコアからの薬物の流出を防止しながら、外部の流体環境(例えば、対象の胃腸管)から錠剤コアへの流体の流入を可能にする。半透層は、好ましくは、患者に有害な影響を及ぼさず、水及び生物学的液体のような外部流体に対して透過性を有する材料から形成される。半透層を形成する選択透過性材料は、体液に不溶性であり、薬物製剤の放出期間の終了に相当する生体侵食を伴う所定の期間の後は非侵食性又は生体侵食性である。本明細書で使用される場合、「半透層」、「半透壁」、及び「半透膜」は互換性がある。
【0055】
一般に、半透層を形成するのに有用な半透性の材料は、使用温度で壁を横切る、1気圧当たりの静水圧差又は浸透圧差として表される液透過率が10-5~10-1(ccミル/cm2・時間・atm)の流体透過性を有しうる。好適な材料は、当該技術分野で公知であり、例えば、米国特許第3,845,770号及び米国特許第3,916,899号を参照されたい。
【0056】
半透層を形成するのに有用な典型的な材料は、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸寒天(agar acetate)、三酢酸アミロース、酢酸ベータグルカン、二酢酸セルロース、アセトアルデヒドジメチルアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、ポリアミド、ポリウレタン、スルホン化ポリスチレン、フタル酸酢酸セルロース、セルロースアセテートメチルカルバメート、コハク酸酢酸セルロース、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートクロロアセテート、ジパルミチン酸セルロース、ジオクタン酸セルロース、ジカプリン酸セルロース、セルロースジペンタンレート(dipentanlate)、吉草酸酢酸セルロース、コハク酸酢酸セルロース、コハク酸プロピオン酸セルロース、メチルセルロース、セルロースアセテートp-トルエンスルホネート、酪酸酢酸セルロース、米国特許第3,173,876号、米国特許第3,276,586号、米国特許第3,541,005号、米国特許第3,541,006号、及び米国特許第3,546,142号に開示されるポリカチオン及びポリアニオンの共沈により形成される選択浸透性ポリマーを含む、当該技術分野で公知の材料を含む。
【0057】
一実施形態において、半透層は、水溶性ポリマー、又は酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、エチルセルロースを含むセルロースエーテル、酢酸寒天、三酢酸アミロース、酢酸ベータグルカン、ポリ(ビニルメチル)エーテルコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリアセタール及び選択透過性ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)誘導体、及び任意のその混合物から選択される水不溶性ポリマーを含む。酢酸セルロースは、酢酸セルロースポリマー(例えばEudragit(登録商標))を含む。一実施形態において、半透層は、半透層の質量に対して約80質量%~約99.9質量%の量で存在する、水不溶性ポリマーを含む。別の実施形態において、水不溶性ポリマーは、半透層の質量に対して約85質量%~約95質量%である。好ましくは、半透層は、酢酸セルロースであり、約32%~40%のアセチル含量を含む、水不溶性ポリマーを含む。
【0058】
半透層は、細孔を形成する薬剤又は「細孔形成剤」を更に含むことができる。細孔を形成する薬剤は、体液と接触した場合、溶解、分散、又は分解して、半透層材料に細孔又はチャネルを創出する生体適合性材料を含む。典型的には、糖(例えば、スクロース、デキストロース)、水溶性塩(例えば、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、及び炭酸ナトリウム)、N-メチル-2-ピロリドン及びポリエチレングリコールのような水溶性溶媒、並びに水溶性ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)のような水溶性有機及び非有機材料が、従来、細孔形成剤として使用されている。一実施形態において、半透層は、水溶性ポリマー又は水不溶性ポリマーに加えて、細孔を形成する薬剤を含み、これは、水溶性糖、水溶性塩、水溶性溶媒、及び水溶性ポリマー、又は任意のその混合物から選択される。具体的な一実施形態において、細孔を形成する薬剤は、ポリエチレングリコールである水溶性溶媒である。一実施形態において、細孔を形成する薬剤は、半透層の約0.1質量%~約20質量%を含む。好ましくは、細孔を形成する薬剤は、半透層の約8質量%~約15質量%を含む。一実施形態において、半透層と錠剤コアとの質量比は、1:8~1:10である。
【0059】
具体的な一実施形態において、半透層は、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含む。
【0060】
本剤形は、細孔を形成する薬剤とは独立して、又は細孔を形成する薬剤に加えて、孔を含む。孔は、半透層内に存在し、半透層の外側から錠剤コアに伸び、錠剤コア内の活性層から剤形の外側にある環境への薬物製剤用の出口手段を提供する。出口の孔は、機械的穿孔、レーザー穿孔、侵食性要素の侵食、抽出、溶解、破裂、又は浸出によるものを含む、当該技術分野で公知の任意の手段により形成される。例えば、孔は、コーティング後の機械的若しくは熱的手段により、若しくは光ビーム(例えば、レーザー)、粒子のビーム若しくは他の高エネルギー源を用いて形成することができる、又はコーティングの小部分の裂開によりその場で形成することができる。このような裂開は、比較的小さい弱部分をコーティングに意図的に組み込むことにより制御されうる。出口の孔はまた、水溶性材料のプラグの侵食により、又はコア内の押し込みにわたってコーティングの薄い部分の裂開によりその場で形成されうる。出口の孔は、1つ又は複数の小さい領域がコーティングされないままになるようにコアをコーティングすることにより形成されうる。加えて、出口の孔は、コーティングの間に形成することができる多量の穴又は細孔でありうる。出口の孔は、米国特許第4,200,098号に開示されるように、壁又は層からソルビトール、ラクトース等を浸出されることにより形成される細孔でありうる。本特許は、酢酸セルロースからのソルビトールのような、壁から材料を溶解、抽出、又は浸出することにより形成される制御されたサイズの多孔性の細孔を開示する。レーザー穿孔の好ましい形態は、半透層から所望の深さまで材料を漸増的に除去して、出口の孔を形成するパルスレーザーの使用である。ある特定の実施形態において、1つの孔又は複数の孔は、例えば、ソルビトール、ラクトース、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、及びマンニトールからなる群から選択されるメンバーを浸出させて、均一な放出寸法の出口の孔を提供することにより形成することができる。出口手段は、剤形からの薬物製剤の均一な定量用量の放出のための、丸、三角、四角、楕円等の任意の形状を有しうる。浸透性剤形は、空間的に離れた関係で1つ若しくは複数の出口の孔、又は浸透性剤形の1つ若しくは複数の表面で構築されうる。このような出口、及びこのような出口を形成するための機器は、例えば、米国特許第3,916,899号及び米国特許第4,088,864号に開示される。
【0061】
一実施形態において、孔は、約0.1mm~約1mmの直径を有する。別の実施形態において、孔は、約0.4mm~約0.8mmの直径を有する。
【0062】
いくつかの実施形態において、剤形は、例えば、本剤形の1つ又は複数の下位部分の完全性を確実にするために、1つ又は複数のシールコーティングを更に含む。一実施形態において、錠剤コアは、錠剤コアのすぐ外側にシールコーティングを含む。例えば、錠剤コアのシールコーティングは、半透層を適用する前に、圧縮した層状の錠剤コアの外側に適用することができる。ある特定の実施形態において、錠剤コアは、錠剤コアのすぐ外側の半透層を、及び半透層のすぐ外側にシールコーティングを含む。例えば、半透層シールコーティングは、錠剤コアへの半透膜の適用に続いて、剤形の外側に適用することができる。シールコーティング材料は、結合剤を含むことができ、その多くの種類は、上記に開示される。コアと半透膜のすぐ外側との間にシールコーティングを含む実施形態において、孔は、シールコーティングの外側から全ての層を通ってコアに伸びる。
【0063】
一実施形態において、錠剤コアシールコートは、錠剤コアの外表面に適用される。
【0064】
一実施形態において、半透層シールコートは、半透層の外表面に適用される。
【0065】
一実施形態において、錠剤コアシールコート及び又は半透層シールコートは、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、ゼラチン、寒天、天然ゴム及び合成ゴム、並びに任意のそれらの混合物から選択することができる結合剤を含む。別の実施形態において、錠剤コアシールコート結合剤及び又は半透層シールコート結合剤は、ヒプロメロースである。
【0066】
一実施形態において、剤形内の結合剤の総量は、剤形の総量に対して約0質量%~約20質量%である。別の実施形態において、剤形内の結合剤の総量は、剤形の総量に対して約5質量%~約20質量%である。また別の実施形態において、剤形内の結合剤の総量は、剤形の総量に対して約8質量%~約10質量%、又は剤形の総量に対して約10質量%~約20質量%である。
【0067】
本浸透性剤形の活性層におけるデューテトラベナジンの絶対量は、特定の実施形態の投与量強度に依存する。以下でより完全に記載される通り、剤形は、活性層の外側にある、好ましくは半透膜層の外側にあるデューテトラベナジン微粒子の即時放出量を更に含みうる。
【0068】
一実施形態において、本明細書に開示される剤形は、半透膜の外側又はそこに適用した半透層シールコーティングの外側に、第2量のデューテトラベナジン微粒子を含む即時放出コーティングを更に含む。
【0069】
一実施形態において、即時放出コーティングは、剤形の総質量に対して約0.1質量%~約25質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む。別の実施形態において、即時放出コーティングは、剤形の総質量に対して約0.2質量%~約5質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む。別の実施形態において、即時放出コーティングは、剤形の総質量に対して約0.3質量%~約2質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む。別の実施形態において、剤形は、合計24mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、即時放出コーティングは、剤形の総質量に対して約1質量%~約2質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む。別の実施形態において、剤形は、合計12mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、即時放出コーティングは、剤形の総質量に対して約0.5質量%~約1質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む。また別の実施形態において、剤形は、合計6mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、即時放出コーティングは、剤形の総質量に対して約0.1質量%~約0.5質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む。
【0070】
一実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の少なくとも70%は、活性層内に存在する。別の実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量のおよそ70%~100%は、活性層内に存在する。また別の実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約70%~80%が、活性層内に存在する。浸透性剤形のいくつかの実施形態において、デューテトラベナジンは、活性層のみに存在する。
【0071】
浸透性剤形が即時放出コーティングを含む実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の最大で約30%を含むこと。一実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約8%~30%は、即時放出コーティング内に存在する。本発明の一実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約70%~約80%は、活性層内に存在し、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約20%~約30%が、即時放出コーティング内に存在する。
【0072】
本発明の任意の実施形態の剤形は、約6mg~約48mgの総量のデューテトラベナジン微粒子を含む。一実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量は、約6mgである。一実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量は、約12mgである。別の実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量は、約24mgである。また別の実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量は、約36mgである。また別の実施形態において、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量は、約48mgである。
【0073】
一実施形態において、剤形内に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量は、剤形の総量に対して約0.5%質量%~約15質量%である。別の実施形態において、剤形内に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量は、剤形の総量に対して約1質量%~約10質量%である。別の実施形態において、剤形は、合計6mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、剤形内に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量は、剤形の総質量に対して約0.5質量%~約3質量%である。別の実施形態において、剤形は、合計12mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、剤形内に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量は、剤形の総量に対して約1%質量%~約5質量%である。別の実施形態において、剤形は、合計24mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、剤形内に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量は、剤形の総量に対して約5質量%~約10質量%である。
【0074】
所定量のデューテトラベナジン微粒子に加えて、即時放出コーティングは、抗酸化剤、結合剤、及び界面活性剤、又は任意のそれらの組合せのような1つ又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含みうる。抗酸化剤、結合剤、及び界面活性剤は、当業者に公知の広範囲の選択肢から選択することができる。例示的な抗酸化剤及び結合剤は、本剤形の他の成分に関して上記で開示される。界面活性剤は、限定されないが、多価アルコールのエステル、例えばグリセロールモノラウレート、エトキシル化ヒマシ油、ポリソルベート、飽和アルコールのエステル又はエーテル、例えば乳酸ミリスチル(例えばセラフィル(登録商標)50)、及びポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、例えばプルロニック(登録商標)を含みうる。
【0075】
一実施形態において、即時放出コーティングは、tert-ブチル-4-メトキシフェノール(2-異性体及び3-異性体の混合物)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、没食子酸プロピル、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン(エトキシキン)、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、並びに任意のその混合物から選択することができる抗酸化剤を更に含む。別の実施形態において、即時放出コーティングは、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンの混合物を含む。別の実施形態において、即時放出コーティングは、デューテトラベナジン微粒子、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ヒプロメロース、及びポリソルベート80を含む。
【0076】
一実施形態において、提供されるのは、
a.
i.所定量のデューテトラベナジン微粒子、及び約55~90mPa sの粘度を有するポリマーを含む活性層制御放出剤、活性層抗酸化剤、活性層結合剤を含む、活性層;
ii.浸透剤、及び約5500~7500mPa sの粘度を有するポリマーを含むプッシュ層制御放出剤、及びプッシュ層結合剤を含む、プッシュ層
を含む、錠剤コア;
b.錠剤コアの外表面の結合剤を含む錠剤コアシールコート;
c.錠剤コアシールコートを取り囲む水不溶性ポリマー及び細孔を形成する薬剤を含む、半透層;
d.半透層の外表面の結合剤を含む半透層シールコート;
e. 半透層シールコートの外表面の第2量のデューテトラベナジン微粒子及び即時放出コーティング抗酸化剤を含む、即時放出コーティング;並びに
f.錠剤コアに達する半透層シールコートにおける、孔
を含む、それを必要とする対象への1日1回投与用の浸透性剤形である。
【0077】
いくつかの実施形態において、提供されるのは、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形であって、剤形をUSP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験する場合、15%以下の薬物製剤が、2時間以内に放出される、及び/又は60%以下の薬物製剤が、8時間以内に放出される、浸透性剤形である。
【0078】
本明細書で更に提供されるのは、対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、1日1回対象に本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含む、方法である。更に提供されるのは、対象における運動亢進性運動障害を治療する1日1回の経口での使用のための本明細書に開示される実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形である。
【0079】
いくつかの実施形態において、運動障害は、舞踏病、アカシジア、ジスキネジア、振戦、又はチックから選択される。いくつかの実施形態において、運動障害は、ハンチントン病に関連する舞踏病、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群に関連するチック、パーキンソン病レボドパ誘発性ジスキネジア、又は脳性麻痺におけるジスキネジアから選択される。
【0080】
ある特定の実施形態において、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形は、食物と共に投与される。
【0081】
ある特定の実施形態において、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形は、絶食条件下で投与される。
【0082】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約91,250~142,750h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0083】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約4,600pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0084】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約182,500~285,500h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0085】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約9,200pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0086】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約365,000~571,000h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0087】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約18,400pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0088】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約547,500~856,500h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0089】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約27,600pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0090】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約730,000~1,142,000h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0091】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約36,800pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0092】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約102,500~200,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0093】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約10,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0094】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約205,000~400,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0095】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約20,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0096】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約410,000~800,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0097】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約40,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0098】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約615,000~1,200,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0099】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約60,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0100】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約820,000~1,600,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0101】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約80,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、方法を提供する。
【0102】
一実施形態において、本発明は、運動亢進性運動障害を治療する方法であって、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を投与する工程を含み、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、15%以下の薬物製剤が、2時間後に放出される、方法を提供する。
【0103】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、対象に1日1回、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を投与する工程を含み、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、60%以下の薬物製剤が、8時間以内に放出される、方法を提供する。
【0104】
いくつかの実施形態において、本発明は、運動亢進性運動障害を治療する方法であって、本発明の実施形態のいずれか1つによる浸透性剤形を投与する工程を含み、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、15%以下の薬物製剤が、2時間後に放出され、60%以下の薬物製剤が、8時間以内に放出される、方法を提供する。
【0105】
本開示は、以下の態様のいずれかにしたがって、経口剤形及び方法を提供する。
【0106】
態様
1.
a.所定量のデューテトラベナジン微粒子を含む活性層及びプッシュ層を含む錠剤コア;
b.錠剤コアを取り囲む半透層;並びに
c.剤形の周縁部から錠剤コアに伸びる孔
を含む、それを必要とする対象への1日1回投与用の浸透性剤形。
2.活性層が、活性層制御放出剤を更に含む、態様1に記載の剤形。
3.活性層制御放出剤が、約50~150mPa s又は約55~90mPa sの粘度を有するポリマーを含む、態様2に記載の剤形。
4.活性層制御放出剤が、ポリオキシエチレンポリマー、イオン性ヒドロゲル、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、又は任意のそれらの混合物の少なくとも1つを含む、態様2又は態様3に記載の剤形。
5.活性層制御放出剤が、ポリエチレンオキシドであるポリオキシエチレンポリマーを含む、態様4に記載の剤形。
6.活性層内のポリエチレンオキシドが、100,000ダルトン~500,000ダルトンの平均分子量を有する、態様5に記載の剤形。
7.活性層内のポリエチレンオキシドが、200,000ダルトンの平均分子量を有する、態様6に記載の剤形。
8.活性層制御放出剤が、活性層の総質量に対して約60質量%~約98質量%の量で活性層に存在する、態様2から7のいずれか一態様に記載の剤形。
9.活性層制御放出剤が、活性層の総質量に対して約70質量%~約95質量%、又は活性層の総質量に対して約80質量%~約90質量%若しくは約85質量%~約95質量%の量で活性層に存在する、態様8に記載の剤形。
10.活性層におけるデューテトラベナジン微粒子の量と活性層制御放出剤との質量比が、2:3~1:50、又は2:5~1:5、又は1:4~1:9、又は1:5~1:19、又は1:5~1:7、又は1:12~1:15、又は1:20~1:30である、態様2から9のいずれか一態様に記載の剤形。
11.活性層が、少なくとも1つの活性層抗酸化剤を更に含む、態様1から10のいずれか一態様に記載の剤形。
12.活性層抗酸化剤が、tert-ブチル-4-メトキシフェノール(2-異性体及び3-異性体の混合物)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、没食子酸プロピル、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン(エトキシキン)、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、又は任意のそれらの混合物の少なくとも1つを含む、態様11に記載の剤形。
13.活性層抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンの混合物を含む、態様12に記載の剤形。
14.活性層抗酸化剤が、活性層の総質量に対して約0.001質量%~約1質量%の量で活性層に存在する、態様11から13のいずれか一態様に記載の剤形。
15.活性層が、少なくとも1つの活性層結合剤を更に含む、態様1から14のいずれか一態様に記載の剤形。
16.活性層結合剤が、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、ゼラチン、寒天、天然ゴム若しくは合成ゴム、又は任意のそれらの混合物の少なくとも1つを含む、態様15に記載の剤形。
17.活性層結合剤が、ヒプロメロースを含む、態様16に記載の剤形。
18.活性層結合剤が、活性層の総質量に対して約2質量%~約20質量%の量で活性層に存在する、態様15から17のいずれか一態様に記載の剤形。
19.活性層が、1つ又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む、態様1から18のいずれか一態様に記載の剤形。
20.活性層が、デューテトラベナジン微粒子、並びに約55~90mPa sの粘度を有するポリマーである活性層制御放出剤及び抗酸化剤を含む、態様1から19のいずれか一態様に記載の剤形。
21.活性層が、デューテトラベナジン微粒子、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ポリエチレンオキシド、ヒプロメロース、及びステアリン酸マグネシウムを含む、態様20に記載の剤形。
22.プッシュ層が、浸透剤及びプッシュ層制御放出剤を含む、態様1から21のいずれか一態様に記載の剤形。
23.浸透剤が、無機塩、炭水化物、又は任意のそれらの混合物を含む、態様22に記載の剤形。
24.浸透剤が、d-マンニトール、ソルビトール、イノシトール、単糖、オリゴ糖、多糖、又は任意のそれらの混合物である炭水化物を含む、態様23に記載の剤形。
25.浸透剤が、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、又は任意のそれらの混合物である無機塩を含む、態様23に記載の剤形。
26.浸透剤が、塩化ナトリウムである/塩化ナトリウムを含む、態様25に記載の剤形。
27.浸透剤が、剤形の総質量に対して約5質量%~約50質量%の量で剤形に存在する、態様22から26のいずれか一態様に記載の剤形。
28.浸透剤が、剤形の総質量に対して約5質量%~約20質量%の量で剤形に存在する、態様27に記載の剤形。
29.浸透剤が、剤形の総質量に対して約8質量%~約10質量%の量で剤形に存在する、態様27又は態様28に記載の剤形。
30.浸透剤が、プッシュ層の総質量に対して約20質量%~約40質量%の量でプッシュ層に存在する、態様27から29のいずれか一態様に記載の剤形。
31.浸透剤が、プッシュ層の総質量に対して約30質量%の量でプッシュ層に存在する、態様30に記載の剤形。
32.プッシュ層制御放出剤が、約5500~7500mPa sの粘度を有するポリマーを含む、態様22から31のいずれか一態様に記載の剤形。
33.約5500~7500mPa sの粘度を有するポリマーが、ポリオキシエチレンポリマー、イオン性ヒドロゲル、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、又は任意のそれらの混合物から選択される、態様32に記載の剤形。
34.プッシュ層制御放出剤が、ポリエチレンオキシドである、態様33に記載の剤形。
35.プッシュ層内のポリエチレンオキシドが、1,000,000ダルトン~7,000,000ダルトンの平均分子量を有する、態様34に記載の剤形。
36.プッシュ層内のポリエチレンオキシドが、5,000,000ダルトンの平均分子量を有する、態様35に記載の剤形。
37.プッシュ層制御放出剤が、プッシュ層の総質量に対して約50質量%~約80質量%の量でプッシュ層に存在する、態様32から36のいずれか一態様に記載の剤形。
38.プッシュ層制御放出剤が、プッシュ層の総質量に対して約60質量%~約70質量%の量でプッシュ層に存在する、態様37に記載の剤形。
39.プッシュ層における浸透剤とプッシュ層制御放出剤との質量比が、1:2~1:3.5又は1:2~1:2.5である、態様22から38のいずれか一態様に記載の剤形。
40.プッシュ層が、プッシュ層結合剤を更に含む、態様22から39のいずれか一態様に記載の剤形。
41.プッシュ層結合剤が、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、ゼラチン、寒天、天然ゴム若しくは合成ゴム、又は任意のそれらの混合物を含む、態様40に記載の剤形。
42.プッシュ層結合剤が、ヒプロメロースを含む、態様41に記載の剤形。
43.プッシュ層結合剤が、プッシュ層の総質量に対して約2質量%~約10質量%の量でプッシュ層に存在する、態様40から42のいずれか一態様に記載の剤形。
44.プッシュ層結合剤が、プッシュ層の総質量に対して約4質量%~約6質量%、又はプッシュ層の総質量に対して約3質量%~約6質量%の量でプッシュ層に存在する、態様43に記載の剤形。
45.プッシュ層が、薬学的に許容される添加剤を更に含む、態様22から44のいずれか一態様に記載の剤形。
46.プッシュ層が、塩化ナトリウム及び約5500~7500mPa sの粘度を有するポリマーを含む、態様22から45のいずれか一態様に記載の剤形。
47.プッシュ層が、塩化ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、着色剤、及びステアリン酸マグネシウムを含む、態様46に記載の剤形。
48.半透層が、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、又は任意のそれらの混合物を含む、態様1から47のいずれか一態様に記載の剤形。
49.半透層が、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、エチルセルロースのようなセルロースエーテル、酢酸寒天、三酢酸アミロース、酢酸ベータグルカン、ポリ(ビニルメチル)エーテルコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリアセタール及び選択透過性ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)誘導体、Eudragit酢酸セルロース、又は任意のそれらの混合物から選択される水不溶性ポリマーを含む、態様48に記載の剤形。
50.水不溶性ポリマーが、酢酸セルロースであり、32%~39.8%のアセチル含量を含む、態様49に記載の剤形。
51.半透層が、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールを含む、態様1から50のいずれか一態様に記載の剤形。
52.水不溶性ポリマーが、半透層の質量に対して約80質量%~約99.9質量%、又は半透層の質量に対して約85質量%~約95質量%の量で半透層に存在する、態様48から51のいずれか一態様に記載の剤形。
53.半透層が、細孔を形成する薬剤を含む、態様1から52のいずれか一態様に記載の剤形。
54.細孔を形成する薬剤が、水溶性糖、水溶性塩、水溶性溶媒、水溶性ポリマー、又は任意のそれらの混合物を含む、態様53に記載の剤形。
55.細孔を形成する薬剤が、ポリエチレングリコールである水溶性溶媒である、態様54に記載の剤形。
56.細孔を形成する薬剤が、半透層の約0.1質量%~約20質量%の量で半透層に存在する、態様53から55のいずれか一態様に記載の剤形。
57.細孔を形成する薬剤が、半透層の約8質量%~約15質量%の量で半透層に存在する、態様56に記載の剤形。
58.半透層と錠剤コアとの質量比が、1:8~1:10である、態様1から57のいずれか一態様に記載の剤形。
59.孔が、約0.1mm~約1mmの直径を有する、態様1から58のいずれか一態様に記載の剤形。
60.孔が、約0.4mm~約0.8mmの直径を有する、態様59に記載の剤形。
61.錠剤コアの外表面に錠剤コアシールコートを更に含む、態様1から60のいずれか一態様に記載の剤形。
62.半透層の外表面に半透層シールコートを更に含む、態様1から61のいずれか一態様に記載の剤形。
63.錠剤コアシールコート及び又は半透層シールコートが、結合剤を含む、態様61又は62に記載の剤形。
64.錠剤コアシールコート結合剤及び又は半透層シールコート結合剤が、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、デンプン、ゼラチン、寒天、天然ゴム、合成ゴム、及び任意のそれらの混合物を含む、態様63に記載の剤形。
65.錠剤コアシールコート結合剤及び又は半透層シールコート結合剤が、ヒプロメロースである、態様64に記載の剤形。
66.剤形内の結合剤の総量が、剤形の総量に対して約0~約20質量%、剤形の総量に対して5%~約15質量%、又は剤形の総量に対して5%~約20質量%である、態様63から65のいずれか一態様に記載の剤形。
67.剤形内の結合剤の総量が、剤形の総量に対して約8質量%~約10質量%、又は剤形の総量に対して10%~約20質量%、又は剤形の総量に対して約10質量%~約20質量%である、態様66に記載の剤形。
68.半透膜の外側にある即時放出コーティングを更に含み、即時放出コーティングが、第2量のデューテトラベナジン微粒子を含む、態様1から67のいずれか一態様に記載の剤形。
69.即時放出コーティングが、剤形の総質量に対して約0.1質量%~約25質量%のデューテトラベナジン微粒子、又は剤形の総質量に対して約0.2質量%~約5質量%のデューテトラベナジン微粒子、又は剤形の総質量に対して約0.3質量%~約2質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、態様68に記載の剤形。
70.合計24mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、即時放出コーティングが、剤形の総質量に対して約1質量%~約2質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、又は合計12mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、即時放出コーティングが、剤形の総質量に対して約0.5質量%~約1質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、又は合計6mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、即時放出コーティングが、剤形の総質量に対して約0.1質量%~約0.5質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、態様69に記載の剤形。
71.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約70%~99%が、活性層内にある、態様1から70のいずれか一態様に記載の剤形。
72.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約5%~30%が、即時放出コーティング内にある、態様1から71のいずれか一態様に記載の剤形。
73.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約70%~80%が、活性層内にあり、剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量の約20%~30%が、即時放出コーティング内にある、態様1から72のいずれか一態様に記載の剤形。
74.即時放出コーティングが、即時放出コーティング抗酸化剤を更に含む、態様68から73のいずれか一態様に記載の剤形。
75.即時放出コーティング抗酸化剤が、tert-ブチル-4-メトキシフェノール(2-異性体及び3-異性体の混合物)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、没食子酸プロピル、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン(エトキシキン)、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、並びに任意のそれらの混合物を含む、態様74に記載の剤形。
76.即時放出コーティングが、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンの混合物を含む、態様75に記載の剤形。
77.即時放出コーティングが、追加の薬学的に許容される添加剤を更に含む、態様68から76のいずれか一態様に記載の剤形。
78.即時放出コーティングが、デューテトラベナジン微粒子、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ヒプロメロース、及びポリソルベート80を含む、態様68から77のいずれか一態様に記載の剤形。
79.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量が、約6mg~約48mgである、態様1から78のいずれか一態様に記載の剤形。
80.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量が、約6mgである、態様1から79のいずれか一態様に記載の剤形。
81.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量が、約12mgである、態様1から80のいずれか一態様に記載の剤形。
82.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量が、約24mgである、態様1から81のいずれか一態様に記載の剤形。
83.剤形におけるデューテトラベナジン微粒子の総量が、約48mgである、態様1から82のいずれか一態様に記載の剤形。
84.デューテトラベナジン微粒子の総量が、剤形の総質量に対して約0.5質量%~約15質量%である、態様1から83のいずれか一態様に記載の剤形。
85.デューテトラベナジン微粒子の総量が、剤形の総質量に対して約1質量%~約10質量%である、態様84に記載の剤形。
86.合計6mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、デューテトラベナジン微粒子の総量が、剤形の総質量に対して約0.5質量%~約3質量%である、又は合計12mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、デューテトラベナジン微粒子の総量が、剤形の総質量に対して約1質量%~約5質量%である、又は合計24mgのデューテトラベナジン微粒子を含み、デューテトラベナジン微粒子の総量が、剤形の総質量に対して約5質量%~約10質量%である、態様85に記載の剤形。
87.デューテトラベナジン微粒子が、直径約1μm~約30μmの直径を有する、態様1から86のいずれか一項に記載の剤形。
88.デューテトラベナジン微粒子が、15μmのD90をもたらす粒径を有する、態様87に記載の剤形。
89.デューテトラベナジン微粒子が、10μmのD50をもたらす粒径を有する、態様87又は態様88に記載の剤形。
90.デューテトラベナジン微粒子が、3μmのD10をもたらす粒径を有する、態様87から89のいずれか一態様に記載の剤形。
91.それを必要とする対象における運動亢進性運動障害を治療する方法であって、1日1回対象に態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含む、方法。
92.運動障害が、舞踏病、アカシジア、ジスキネジア、振戦、及びチックから選択される、態様91に記載の方法。
93.運動障害が、ハンチントン病に関連する舞踏病、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群に関連するチック、パーキンソン病レボドパ誘発性ジスキネジア、及び脳性麻痺におけるジスキネジアから選択される、態様92に記載の方法。
94.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約91,250~142,750h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
95.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約4,600pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から94のいずれか一態様に記載の方法。
96.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約182,500~285,500h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
97.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約9,200pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は96のいずれか一態様に記載の方法。
98.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約365,000~571,000h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
99.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約18,400pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様98のいずれか一態様に記載の方法。
100.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約547,500~856,500h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
101.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約27,600pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様100のいずれか一態様に記載の方法。
102.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約730,000~1,142,000h*pg/mLの幾何平均AUC0-infを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
103.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一項に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形の単回用量投与が、約36,800pg/mL未満の幾何平均Cmaxを含む総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様102のいずれか一態様に記載の方法。
104.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約102,500~200,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
105.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一項に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約10,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様104のいずれか一態様に記載の方法。
106.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約205,000~400,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
107.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約20,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様106のいずれか一態様に記載の方法。
108.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約410,000~800,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
109.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約40,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様108のいずれか一態様に記載の方法。
110.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約615,000~1,200,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
111.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量36mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約60,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様110のいずれか一態様に記載の方法。
112.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約820,000~1,600,000h*pg/mLの平均AUC0-24を含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93のいずれか一態様に記載の方法。
113.対象に1日1回、態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を経口投与する工程を含み、総量48mgのデューテトラベナジン微粒子を含む浸透性剤形が、約80,000pg/mL未満の平均Cmaxを含む定常状態での総α及びβ-ジヒドロデューテトラベナジンに関するin vivo血漿プロファイルを提供する、態様91から93又は態様112のいずれか一態様に記載の方法。
114.態様1から90のいずれか一項に記載の浸透性剤形を投与する工程を含み、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、15%以下の薬物製剤が、2時間後に放出される、態様91から113のいずれか一態様に記載の方法。
115.態様1から90のいずれか一態様に記載の浸透性剤形を投与する工程を含み、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、60%以下の薬物製剤が、8時間後に放出される、態様91から113のいずれか一態様に記載の方法。
116.剤形が、食物と共に投与される、態様1から115のいずれか一態様に記載の剤形又は方法。
117.剤形が、絶食条件下で投与される、態様1から115のいずれか一態様に記載の剤形又は方法。
【0107】
全ての特許、特許出願、及び出版物は、各個別の出版物が参照により組み込まれることを具体的で個別に示される場合と同程度で参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に例示的に記載される本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素の不在下で実施することができる。利用されている用語及び表現は、限定ではなく説明する用語として使用され、このような用語及び表現の使用において、示され記述された特徴の任意の等価物又はその一部を除外する意図はないが、請求される本発明の範囲内で様々な修飾が可能であることが認識される。ゆえに、本発明が好ましい実施形態及び任意の特徴により具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の任意の修飾及び変形は、当業者が用いることができ、このような修飾及び変形は、添付した特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲内にあるとみなされることは理解されるべきである。
【0108】
上述の実施形態に対して、本明細書に開示される各実施形態は、他の開示される実施形態の各々に適用可能であると企図される。例えば、方法の実施形態に記載される要素は、本明細書に記載される医薬組成物、包装、及び使用/方法の実施形態で使用されえ、その逆も成り立つ。
【実施例0109】
以下の実施例は、事前開示を補足し、本明細書に記載される主題のより良好な理解をもたらすために提供される。これらの実施例は、記載される主題を限定するとみなされるべきではない。本明細書に記載される実施例及び実施形態が、例示的な目的のためだけであり、その観点における様々な修飾又は変更が、当業者には明らかであり、本開示の真の範囲内に含まれるべきであり、本開示の真の範囲から逸脱せずになされうることは理解される。
【0110】
(実施例1)
浸透性錠剤、24mgのデューテトラベナジンの製造過程
図2a及び
図2bは、本開示による浸透性剤形の全体的な製造過程のフローチャートを提供する。以下のTables 1(表1)~Tables 13(表13)は、本明細書に記載される剤形を生成するために使用される材料及びその相対量の非限定例を提供する。調製方法は、以下の通りだった:
【0111】
A:活性層材料の加工:デューテトラベナジン(微粉)及び活性層制御放出剤を、30番メッシュスクリーンに通し、結合剤(予め20番メッシュスクリーンに通された)と合わせた。混合物を、高剪断造粒機に導入し、約5分間乾式混合した。混合しながら、抗酸化剤(アルコールに予備溶解された)を、混合する粉末に添加して、材料を顆粒化した。所望の顆粒化エンドポイントを達成するまで更に混合し続けた。得られる顆粒を湿式スクリーニングして、あらゆる過大な凝集体を破壊した。材料を、拡散ミキサー(Vブレンダー)に供給し、約15分間ブレンドした。30番メッシュスクリーンを通過させた滑沢剤を、Vブレンダーにおいてブレンドした材料に添加した。内容物を、約5分間滑らかにした。
【0112】
B:錠剤コアの圧縮:活性層材料を二層回転式打錠機に放出した。プッシュ層材料(浸透剤、プッシュ層制御放出剤、並びに任意で、結合剤、着色剤、及び滑沢剤)を合わせ、二層回転式打錠機に更に供給した。錠剤コアを圧縮した。
【0113】
C:任意の錠剤コアシールコート:結合剤溶液を含む錠剤コアシールコートを、錠剤コアに適用した。
【0114】
D:半透層:酢酸セルロースの溶液及び任意の細孔を形成する薬剤を含む半透層を、錠剤コアに適用した、又はパンコーターを使用して錠剤コアを密封した。
【0115】
E:任意の半透層シールコート:結合剤溶液を含む半透層シールコートを、半透壁に妥協する錠剤に適用した。
【0116】
F:出口手段の創出:細孔を、層を通って活性層にレーザー穿孔した。
【0117】
デューテトラベナジンを含む最終的な即時放出コーティングは、類似の材料を使用して、活性層に対して上記で詳述したような加工する工程に続いて任意で適用する。
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
(実施例2)
単回用量の生物学的利用能評価
24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形を、実施例1に開示されるように生成し、単回用量の薬物動態試験で試験した。
【0132】
主な目的は、絶食条件下、12時間を空けて2回(b.i.d)投与された単一の12mgのAUSTEDO(登録商標)の錠剤と比較して、24mg、1日1回(q.d.)の浸透性製剤(Test)の単回投与に続く、デューテトラベナジン並びに重水素化したα及びβ-ジヒドロテトラベナジン(deuHTBZ)代謝物の比較生物学的利用能(BA)を評価することであった。
【0133】
試験集団及び対象数:試験は、18~45歳の健康な男女で非喫煙の対象を含んだ。合計8名の健康な対象(シーケンス当たり4名)が本試験に登録された。
【0134】
対象の参加期間:本試験は、4週間のスクリーニング期間(期間1)、試験製剤(Test2A)及び参照製剤(R)での非盲検治療期間(期間2)、並びに少なくとも1日後の追跡来診(期間3)を含んだ。
【0135】
治療:
治療シーケンスA:
1日目 - Test2Aの投与。
2、3日目 - 少なくとも6時間のTest2Aのウォッシュアウトと、続くRの投与。
治療シーケンスB:
1日目 - Rの投与。
2、3日目 - 少なくとも6時間のRのウォッシュアウトと、続くTest2Aの投与。
【0136】
主な目的は、以下のパラメーターを使用して評価した:
- 観察された最大濃度(Cmax)
- 時間0から測定可能な最終血漿濃度の時間までの血漿濃度-時間下面積(AUC)(AUC0-t)
- 無限大(infinity)に外挿されたAUC(AUC0-∞)
- 時間0から投薬の24時間後のAUC(AUC0-24h)
【0137】
解析
AUC0-t、AUC0-∞、及びAUC0-24hを、台形公式を使用して計算した。Cmax、AUC0-t、AUC0-∞、及びAUC0-24hのデータは、統計解析の前に、自然対数に変換した。Cmax、AUC0-t、AUC0-∞、及びAUC0-24hの治療間(T2A対R)比較は、シーケンス、期間、治療群、及びシーケンス内の対象の無作為効果に対して固定された効果項を用いた別個のパラメトリック分散分析(ANOVA)モデルを使用して実行された。参照製剤(R)と試験製剤(Test2A)との差を、対数変換したCmax、AUC0-t、AUC0-∞、及びAUC0-24hに関するANOVAからの最小二乗平均に基づいて、試験/参照比に対して90%信頼区間を構築することにより評価した。対数スケールでのANOVAから推定した治療差及び関連する90%信頼区間を逆に変換して、治療群間の幾何平均の推定比及びこの比に関する90%信頼区間を得た。
【0138】
図3a及び
図3bは、それぞれ、直接スケール及び対数スケールでのTest2A治療と比較したR治療の結果(デューテトラベナジンの平均濃度対時間) を示す。以下のTable 14(表14)は、Rと比較したTest2Aに関してデューテトラベナジンに対して観察された指定したpKパラメーターを提供する。
【0139】
【0140】
図4a及び
図4bは、それぞれ、直接スケール及び対数スケールでのTest2Aと比較したRを使用した治療に関する代謝物のデータを示す(総deuHTBZの平均濃度対時間)。
【0141】
以下のTable 15(表15)は、Rと比較したTest2Aに関する総deuHTBZに対して観察された指定したpKパラメーターを提供する。
【0142】
【0143】
Table 14(表14)及びTable 15(表15)に示す通り、Test2Aの1日1回用量は、参照で観察された許容されるdeuHTBZ血漿濃度を提供した。本明細書に開示される浸透性剤形は、1日1回投与され、AUSTEDO(登録商標)の効果に対して許容される治療効果を提供し、安全性の懸念も有さない。
【0144】
(実施例3)
多回用量の生物学的利用能評価
24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形を、実施例1に開示されるように生成し、健康なボランティアにおいて非盲検無作為化多回用量2方向交差試験で試験した。
【0145】
主な目的は、絶食又は摂食条件下、Rのbid投与と比較した、1日1回(qd)でのTest2Aの投与の生物学的同等性(BE)を評価することである。
【0146】
治療は、1日1回でのTest2Aの7日間反復投薬対bidでのRの7日間反復投薬を含んだ。
【0147】
適格なモデルは、デューテトラベナジン及びdeuHTBZ濃度に関する定常状態、AUCt、Cmax、tmax、Cmin、Cavを予測するのに使用した。
【0148】
以下のTable 16(表16)は、Rと比較したTest2Aに関するデューテトラベナジンの定常状態のpKパラメーター、並びにRと比較したTest2Aの総deuHTBZに関するpKパラメーターに関するシミュレーション結果を提供する。
【0149】
【0150】
Test2Aの多回投薬は、定常状態で、RのpKパラメーターに匹敵するpKパラメーターを有する。したがって、類似の効能の応答は、1日1回投与で期待され、安全性の懸念は有さない。
【0151】
(実施例4)
食物効果試験
24mgのデューテトラベナジンを含有する浸透性剤形を、実施例1に開示されるように生成し、非盲検無作為化2方向交差試験で試験して、24mg、1日1回(qd)の浸透性製剤の単回投与に続く、絶食状態と比較した摂食状態での、デューテトラベナジン及びdeuHTBZの比較生物学的利用能を評価する。
【0152】
治療は、以下を含む。
A - 少なくとも10時間の終夜絶食後、水と共に単回経口用量として与えられた24mg、1日1回(qd)の浸透性製剤。
B - 少なくとも10時間の終夜絶食後に投与された規格化された高カロリー高脂肪の朝食開始の30分後、水と共に単回経口用量として与えられた24mg、1日1回(qd)の浸透性製剤。
【0153】
対象は、少なくとも6日間のウォッシュアウト期間と共に治療A/Bを受ける。
【0154】
デューテトラベナジン及びdeuHTBZに関するAUCt、Cmax、tmax、Cmin、Cavを解析する。
【0155】
結果
食物といっしょの又は食物無しでの単回投与後のデューテトラベナジン及びdeuHTBZの類似の血漿濃度は、浸透性剤形が食物にかかわらず投与されうることを示す。
運動障害が、舞踏病、アカシジア、ジスキネジア、振戦、チック、ハンチントン病に関連する舞踏病、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群に関連するチック、パーキンソン病レボドパ誘発性ジスキネジア、又は脳性麻痺におけるジスキネジアである、請求項1に記載の医薬。
前記量のデューテトラベナジンを含む医薬の15%以下が、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、2時間後に放出される、又は
前記医薬の60%以下が、USP II溶解装置を使用してpH3.0で500mLの酸リン酸緩衝液において試験した場合、8時間後に放出される、
請求項1に記載の医薬。
活性層制御放出剤ポリマーが、活性層の総質量に対して約60質量%~約98質量%の量で、100,000ダルトン~500,000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレンオキシドを含む、請求項10に記載の医薬。
浸透剤が、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、又は任意のその混合物から選択される無機塩を含み、医薬の総質量に対して約5質量%~約50質量%で存在する、請求項13に記載の医薬。
プッシュ層制御放出剤が、約5500~7500mPa sの粘度を有するポリマーを含み、プッシュ層の総質量に対して約50質量%~約80質量%の量で存在する、請求項9に記載の医薬。
半透層が、半透層の質量に対して約80質量%~約99.9質量%の量で、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、エチルセルロースのようなセルロースエーテル、酢酸寒天、三酢酸アミロース、酢酸ベータグルカン、ポリ(ビニルメチル)エーテルコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリアセタール及び選択浸透性ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)誘導体、酢酸セルロースポリマー、又は任意のその混合物から選択される水不溶性ポリマーを含む、請求項18に記載の医薬。
細孔を形成する薬剤が、水溶性糖、水溶性塩、水溶性溶媒、水溶性ポリマー、又は任意のその混合物を含み、半透層の約0.1質量%~約20質量%の量で半透層に存在する、請求項20に記載の医薬。
半透膜の外側にある即時放出コーティングを含み、即時放出コーティングが、医薬の総質量に対して約0.1質量%~約30質量%のデューテトラベナジン微粒子、又は医薬の総質量に対して約0.2質量%~約5質量%のデューテトラベナジン微粒子、又は医薬の総質量に対して約0.3質量%~約2質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、請求項9に記載の医薬。
a.即時放出コーティングが、医薬の総質量に対して約0.1質量%~約0.5質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、総量6mgのデューテトラベナジン微粒子、又は
b.即時放出コーティングが、医薬の総質量に対して約0.5質量%~約1質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、総量12mgのデューテトラベナジン微粒子、又は
c.即時放出コーティングが、医薬の総質量に対して約1質量%~約2質量%のデューテトラベナジン微粒子を含む、総量24mgのデューテトラベナジン微粒子
を含む、請求項26に記載の医薬。
デューテトラベンジン微粒子の形態で約6mg~約48mgのデューテトラベナジンを含み、医薬に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量の約70%~80%が、活性層内に存在し、医薬に存在するデューテトラベナジン微粒子の総量の約20%~30%が、即時放出コーティング内に存在する、請求項9に記載の医薬。