(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058694
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】収穫システム及びそれに用いる分離装置
(51)【国際特許分類】
A01D 45/00 20180101AFI20240422BHJP
【FI】
A01D45/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165944
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000104113
【氏名又は名称】カゴメ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐塚 拓彦
(72)【発明者】
【氏名】大野 真伸
(72)【発明者】
【氏名】丸山 忠広
【テーマコード(参考)】
2B075
【Fターム(参考)】
2B075AB10
(57)【要約】
【課題】 収穫における茎葉除去を効率化すること。
【解決手段】 搬送装置30が位置するのは、分離装置40の上方であり、それにより、
茎葉の跨りが防げる。除去ロール対43で除去されるのは、茎葉である。除去ロール対4
3を構成するのは、2本のロール43a、43bである。2本のロール43a、43bは
、隣り合っている。ロール43a、43bの回転方向は、互いに、異なる。すなわち、ロ
ール43aが回転するのは、R1方向である。他方、ロール43bが回転するのは、R2
方向である。それによって、茎葉は、除去される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫システムであって、それを構成するのは、以下である:
走行装置、
搬送装置:これが有するのは、先端及び末端であり、かつ、
これが設けられるのは、前記走行装置であり、かつ、
これで搬送されるのは、実及び茎葉であり、その搬送方向は、前記先端から
前記末端までであり、及び、
分離装置:これが有するのは、上端及び下端であり、かつ、前記上端が設けられるのは
、前記末端より下方であり、
これで除去されるのは、前記茎葉であり、かつ、
これで搬送されるのは、前記実である。
【請求項2】
請求項1の収穫システムであって、
前記分離装置を構成するのは、以下である:
除去ロール対:これで除去されるのは、前記茎葉であり、及び、
搬送ロール対:これが設けられるのは、前記除去ロール対よりも前記下端の側であり
、かつ、
これで搬送されるのは、前記実である。
【請求項3】
請求項2の収穫システムであって、
前記除去ロール対を構成するのは、2本のロールであって、それらの回転方向は、異な
り、それによって除去されるのは、前記茎葉であり、かつ、
前記搬送ロール対を構成するのは、2本のロールであって、それらの回転方向は、同一
であり、それによって搬送されるのは、前記実である。
【請求項4】
請求項1の収穫システムであって、
前記分離装置が有するのは、傾斜面であり、当該傾斜面が前記走行装置の上面に対して
なす角は、12度から25度である。
【請求項5】
請求項1の収穫システムであって、それを更に構成するのは、以下である:
排出装置:これが設けられるのは、前記分離装置の下方であり、かつ、当該排出装置を
構成するのは、以下である:
周状ベルト:これで排出されるのは、前記茎葉であり、及び、
板:これが設けられるのは、前記周状ベルトの内周側である。
【請求項6】
分離装置であって、それを構成するのは、以下である:
除去ロール対:これで除去されるのは、前記茎葉であり、及び、
搬送ロール対:これが設けられるのは、前記除去ロール対より下流であり、かつ、
これで搬送されるのは、前記実である。
【請求項7】
請求項6の分離装置であって、
前記除去ロール対を構成するのは、2本のロールであって、それらの回転方向は、異な
り、それによって除去されるのは、前記茎葉であり、かつ、
前記搬送ロール対を構成するのは、2本のロールであって、それらの回転方向は、同一
であり、それによって搬送されるのは、前記実である。
【請求項8】
請求項6又は7の分離装置であって、
それが有するのは、上端及び下端であり、かつ、当該上端が設けられるのは、搬送装置
の末端より下方である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に関係するのは、収穫システム及びそれに用いる分離装置である。
【背景技術】
【0002】
従来から農業で求められているのは、農作業の省力化である。なぜなら、我が国では、
農業従事者の数が著しく減少し、かつ、農業従事者が高齢化しているからである。つまり
、農作業の省力化は、急務である。
【0003】
農作業を省力化するため、様々な農機が開発されている。とりわけ、収穫作業を省力化
するため、様々な収穫機が開発されている。具体的には、以下のとおりである。
【0004】
特許文献1で開示されているのは、結球野菜(例えば、キャベツ、レタスやハクサイ等
)収穫機である。当該収穫機を構成するのは、走行機体、収穫作業部、及び、調製搬送部
である。当該収穫作業部で引き抜かれ、搬送されるのは、結球野菜である。前記調製搬送
部で搬送され選別されるのは、引き抜かれた結球野菜である。
【0005】
特許文献2で開示されているのは、作物(例えば、玉葱やニンニク等)拾上げ収穫機で
ある。この収穫機を構成するのは、機体フレーム、引込装置、拾上げ搬送装置、及び、作
物収容部である。当該引込装置で押し上げられるのは、作物であり、その押し上げ方向に
あるのは、前記拾上げ搬送装置である。当該拾上げ搬送装置で搬送されるのは、作物であ
り、その搬送方向にあるのは、前記作物収容部である。当該作物収容部は、昇降する。
【0006】
特許文献3で開示されているのは、農作物(例えば、かぼちゃ等)の収穫装置である。
この収穫装置を構成するのは、走行機体、及び、ピックアップ手段である。当該ピックア
ップ手段でピックアップされるのは、農作物であり、かつ、当該手段の前端側は、上下揺
動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2014‐18084号
【特許文献2】特願2017‐175997号
【特許文献3】特願2022‐51493号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、収穫における茎葉除去の効率化である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<収穫システム>当該課題を解決するため、収穫システムを構成するのは、走行装置、
搬送装置、及び、分離装置である。前記搬送装置が有するのは、先端及び末端である。当
該搬送装置が設けられるのは、前記走行装置である。前記搬送装置で搬送されるのは、実
及び茎葉であり、その搬送方向は、前記先端から前記末端までである。前記分離装置が有
するのは、上端及び下端である。前記上端が設けられるのは、前記末端より下方である。
当該分離装置で除去されるのは、前記茎葉であり、かつ、搬送されるのは、前記実である
。
【0010】
<分離装置>分離装置を構成するのは、除去ロール対及び搬送ロール対である。前記除
去ロール対で除去されるのは、前記茎葉である。前記搬送ロール対が設けられるのは、前
記除去ロール対よりも下流である。前記搬送ロールで搬送されるのは、前記実である。
【発明の効果】
【0011】
本発明で効率化されるのは、収穫における茎葉の除去である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】収穫システムの一実施の形態の全体構成(側面図)である。
【
図2】収穫システムの一実施の形態の全体構成(上面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<収穫システム>収穫システムとは、複数の装置の組合せであって、それで収穫される
のが地這い植物であるものをいう。地這い植物の実又は茎葉が横たわるのは、地面である
。地這い植物を例示すると、カボチャ、ニンジン、スイカ、トマト、イモ等である。
【0014】
図1で示すのは、収穫システムの一実施の形態の全体構成(側面図)である。具体的に
は、収穫システム1を構成するのは、走行装置10、引込装置20、搬送装置30、分離
装置40、排出装置50、収容装置60、及び、収容台70である。以下の説明において
、
図1で示すとおり、前、後、上、及び下は、定義される。
【0015】
図2で示すのは、収穫システムの一実施の形態の全体構成(上面図)である。農産物が
搬送されるのは、前から後の方向(以下、「搬送方向F」ともいう。)である。引込装置
20、搬送装置30、分離装置40、排出装置50、収容装置60、及び、収容台70は
、連なっている。引込装置20が設けられているのは、搬送方向Fの最上流である。収容
台70が設けられているのは、搬送方向Fの最下流である。以下の説明において、
図2で
示すとおり、前、後、左、及び右は、定義される。
【0016】
<走行装置>走行装置10が走行する方向は、前又は後である。走行装置10は、公知
であり、その説明は、省略する。参考のため、本願明細書に取り込まれるのは、特願20
14‐18084号公報、特願2017‐175997号公報、及び、特願2022‐5
1493号公報の内容である。
【0017】
<引込装置>引込装置20で引き込まれるのは、実及び茎葉である。
図3で示すのは、
引込装置の要部構成である。引込装置20を構成するのは、フレーム21、プーリ22、
及びベルト23である。フレーム21の接続先は、搬送装置30である。フレーム21で
支持されるのは、複数のプーリ22である。複数のプーリ22のうちの1つ以上を駆動す
るのは、駆動源(不図示)である。それによって、プーリ22が回転するのは、一定の方
向(R方向)である。ベルト23を構成するのは、複数の駆動ベルト23a及び複数のロ
ッド23bである。駆動ベルト23aを駆動するのは、プーリ22である。ロッド23b
が取り付けられているのは、駆動ベルト23aである。隣り合うロッド23bが有するの
は、一定の間隔である。駆動ベルト23a及びロッド23bは、略直交している。以上の
構成によって、ベルト23が回転するのは、一定の方向(R方向)であり、それにより引
き込まれるのは、実及び茎葉である。
【0018】
<搬送装置>搬送装置30で搬送されるのは、実及び茎葉である。搬送装置30が有す
るのは、先端30a及び末端30bである。搬送装置30が取り付けられるのは、走行装
置10の前方である。搬送装置30を構成するのは、フレーム、プーリ、ベルト、及び、
駆動源である。これらの部品と同一又は実質的に同一なのは、引込装置20の部品である
から、それらの説明は、省略する。当該部品が協働することで搬送されるのは、実及び茎
葉であり、その始点が先端30aであり、その終点が末端30bである。言い換えると、
実及び茎葉が搬送されるのは、先端30aから末端30bまでである。
【0019】
<分離装置>分離装置40で分離されるのは、実及び茎葉である。すなわち、分離装置
40で除去されるのは、茎葉であり、かつ、搬送されるのは、実である。
【0020】
図4で示すのは、搬送装置及び分離装置の位置関係である。分離装置40が設けられる
のは、走行装置10の上方である。分離装置40が有するのは、上端40a及び下端40
bである。上端40aが設けられるのは、末端30bの下方である。言い換えると、搬送
装置30が位置するのは、分離装置40の上方であり、それにより防げるのは、茎葉の跨
りである。
【0021】
分離装置40が有するのは、傾斜面40c(
図2を参照)である。傾斜面40cが走行
装置10の上面10a(
図1を参照)に対してなす角θは、12度から35度である。分
離装置40が傾斜することで、実が留まり難い。
【0022】
図5で示すのは、分離装置の要部構成である。分離装置40を構成するのは、フレーム
41、駆動源42、除去ロール対43、及び、搬送ロール対44である。フレーム41で
支持されるのは、駆動源42である。駆動源42で駆動されるのは、除去ロール対43、
及び、搬送ロール対44である。
【0023】
除去ロール対43で除去されるのは、茎葉である。除去ロール対43を構成するのは、
2本のロール43a、43bである。2本のロール43a、43bは、隣り合っている。
ロール43a、43bの回転方向は、互いに、異なる。すなわち、ロール43aが回転す
るのは、R1方向である。他方、ロール43bが回転するのは、R2方向である。それに
よって、茎葉は、除去される。除去された茎葉が落下する先は、排出装置50の上である
。除去ロール対43の数は、不問であるが、好ましくは、2対以上である。本実施の形態
では、除去ロール対43の数は、2対である。カボチャを収穫する場合、ロール43a、
43bの直径は、120mm超である。それによって、茎葉が効率よく除去される。
【0024】
搬送ロール対44が設けられるのは、除去ロール対43よりも下流である。除去ロール
対44を構成するのは、2本のロール44a、44bである。2本のロール44a、44
bは、隣り合っている。ロール44a、44bの回転方向は、互いに、同一(R1方向)
である。それによって、実は、搬送される。この実の搬送先は、収容装置60である。搬
送ロール対44の数は、不問である。本実施の形態では、除去ロール対44の数は、1対
である。そのように、ロール44a、44bの回転方向が互いに同一であることで、実が
留まり難い。
【0025】
本実施の形態では、駆動源42の数に等しいのは、除去ロール43a、43b及び搬送
ロール44a、44bの総数である。本発明で排除されないのは、駆動源42の数は、当
該総数より少ないことである。例えば、2つの駆動源が設けられる場合、一方の駆動源で
駆動されうるのは、全ての除去ロール43a、43bである。他方の駆動源で駆動されう
るのは、全ての搬送ロール44a、44bである。制御装置で制御されるのは、2つの駆
動源の回転方向である。
【0026】
<排出装置>排出装置50で排出されるのは、除去された茎葉である。排出装置50が
設けられるのは、走行装置10の上方であり、かつ、分離装置40の下方である。
図6で
示すのは、排出装置の要部構成である。排出装置50を構成するのは、フレーム51、プ
ーリ52、ベルト53、及び、駆動源(不図示)である。これらの部品と同一又は実質的
に同一なのは、引込装置20の各部品であるから、それらの説明は、省略する。それによ
って、茎葉が排出されるのは、収穫システム1の左方又は右方である。排出装置50を更
に構成するのは、板54である。板54が設けられるのは、ベルト53の内周側である。
それによって、ベルト53の上下間において、茎葉が跨り難くなる。
【0027】
<収容装置>収容装置60で収容されるのは、実である。収容装置60が設けられるの
は、分離装置40の下流である。収容装置60を構成するのは、フレーム、ベルト、プー
リ、及び、駆動源である。これらの部品と同一又は実質的に同一なのは、引込装置20の
各部品であるから、それらの説明は、省略する。それによって、実が搬送される先は、コ
ンテナCTNである。
【0028】
<収容台>収容台70で支持されるのは、コンテナCTNである。収容台70が設けら
れるのは、収容装置60の下流である。収容台70が許容するのは、昇降することである
。
【符号の説明】
【0029】
1 収穫システム
10 走行装置
10a 上面
30 搬送装置
30a 先端
30b 末端
40 分離装置
40a 上端
40b 下端
40c 傾斜面
43 除去ロール対
43a、43b ロール
44 搬送ロール対
44a、44b ロール
50 排出装置
54 板