(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058712
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
G08G1/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022165967
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】新井 雅川
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】変化の抽出精度を向上させた情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得部と、第1取得部によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出部と、抽出部によって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得部と、第2取得部によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得部と、第3取得部によって取得した変化量に基づいて、抽出部によって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得部と、
前記第1取得部によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、前記撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得部と、
前記第2取得部によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得部と、
前記第3取得部によって取得した変化量に基づいて、前記抽出部によって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第2取得部は、履歴情報として、変化領域候補を走行する車両の車両走行情報を取得し、
前記第3取得部は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補内を異なる時期に走行する車両の走行履歴の変化量を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第3取得部は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補内を異なる時期に走行する車両の走行台数の変化量を取得する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第3取得部は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補内で異なる時期に滞在する車両の滞在時間の変化量を取得する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第3取得部は、複数の車両走行情報それぞれに記録される、変化領域候補内の所定地点を目的地として検索する検索情報に基づいて、異なる時期における検索の回数の変化量を取得する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽出部は、変化領域候補を抽出した際の基になる、撮影時期の異なる複数の画像情報に基づいて、前記変化領域候補に対応する領域が記録される面情報を生成する
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、
前記第3取得部によって取得する変化量が閾値以上の場合、変化領域候補内の土地の利用状況が変化したと推定して、確認の優先度を高く設定し、又は、
前記第3取得部によって取得する変化量が閾値未満の場合、変化領域候補内の土地の利用状況が変化していないと推定して、確認の優先度を低く設定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップによって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、前記撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得ステップと、
前記第2取得ステップによって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得ステップと、
前記第3取得ステップによって取得した変化量に基づいて、前記抽出ステップによって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得機能と、
前記第1取得機能によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能によって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、前記撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得機能と、
前記第2取得機能によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得機能と、
前記第3取得機能によって取得した変化量に基づいて、前記抽出機能によって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の変化を識別する装置(建物変化識別装置)が存在する。建物変化識別装置は、異なる時期に上空から撮影された画像それぞれの画素毎に、その画素が建物の部分である確率を算出する。建物変化識別装置は、建物である確率の分布に基づいて、画像の間での建物の変化種別を特定する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般的には、2つの異なる時期で撮影された画像による変化の抽出精度は、正解率が60%台であるという研究結果の報告がある。一般的に言われるそのような正解率は、実用的な正解率の精度とはいえず、変化の抽出精度を向上することが求められていた。
【0005】
本開示は、変化の抽出精度を向上させた情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得部と、第1取得部によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出部と、抽出部によって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得部と、第2取得部によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得部と、第3取得部によって取得した変化量に基づいて、抽出部によって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、変化の抽出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置100の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置100は、土地の利用状況の変化(又は、領域の変化)に関する候補を抽出する変化候補抽出装置(又は、変化領域候補抽出装置)等として構成されてもよい。情報処理装置100は、土地の利用状況の変化に関する候補を確認する際の優先度を設定する優先度設定装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
情報処理装置100は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
情報処理装置100は、画像情報を複数取得する。この場合、情報処理装置100は、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を取得する。画像情報は、例えば、人工衛星から撮像された画像の情報であってもよく、飛行機、ヘリコプタ及びドローン等の航空機から撮影された画像の情報であってもよい。なお、本開示では、人工衛星及び航空機等をまとめて飛行体200と言う場合がある。
【0013】
情報処理装置100は、複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補400を抽出する。一例として、情報処理装置100は、同一の領域が記録された、撮影時期の異なる複数の画像を比較し、建物の新築、建物の増改築、建物の撤去(例えば、更地になる等)、並びに、土地の造成及び舗装等の変化を推定する。この場合、情報処理装置100は、例えば、機械学習及び深層学習等を利用して、土地の利用状況の変化を推定してもよい。情報処理装置100は、土地の利用状況に変化が有ると推定した領域(変化領域候補400)を「面」として抽出する。すなわち、情報処理装置100は、変化領域候補400を囲む面情報(面データ)を生成する。
【0014】
情報処理装置100は、上述したように抽出した変化領域候補400内とその周囲を移動する移動体300の履歴を取得する。この場合、情報処理装置100は、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を取得する。情報処理装置100は、複数の履歴情報を取得してもよい。移動体300は、例えば、車両及び携帯端末等であってもよい。
情報処理装置100は、複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する。変化量は、例えば、車両の走行台数の変化量、車両の滞在時間の変化量、及び、変化領域候補400内を目的地として検索する際の検索回数の変化量等のグループのうちの少なくとも1つであってもよい。
情報処理装置100は、上述したように取得した変化量に基づいて、変化領域候補400を確認する際の優先度を設定する。情報処理装置は、変化量が相対的に大きい場合には優先度(優先度A)を高く設定し、変化量が相対的に小さい場合には優先度(優先度B)を低く(優先度Aよりも低く)設定してもよい。
情報処理装置100は、例えば、優先度(優先度A)が相対的に高く設定された変化領域候補400(400a)を、優先度(優先度B)が相対的に低く設定された変化領域候補400(400b)に比べて優先して確認(例えば、現地確認等)するように促すことが可能になる。
【0015】
[情報処理装置100の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置100について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するためのブロック図である。
【0016】
情報処理装置100は、例えば、通信部121、記憶部122、表示部123及び制御部110等を備える。通信部121、記憶部122及び表示部123は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部110は、例えば、第1取得部111、抽出部112、第2取得部113、第3取得部114、設定部115及び出力制御部116等を備える。制御部110は、例えば、情報処理装置100の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部110(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部122等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、第1取得部111、抽出部112、第2取得部113、第3取得部114、設定部115及び出力制御部116等)の機能を実現してもよい。
【0017】
通信部121は、例えば、情報処理装置100の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能な通信インターフェースである。外部装置は、例えば、飛行体200、移動体300、サーバ(図示せず)及びユーザ端末(図示せず)等であってもよい。
【0018】
記憶部122は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部122の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部122は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
【0019】
表示部123は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能なディスプレイである。
【0020】
第1取得部111は、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する。
ここで一例として、人工衛星、並びに、飛行機、ヘリコプタ及びドローン等の航空機(飛行体200)は、地上を撮像して画像情報を生成する。飛行体200は、同一又は略同一の所定領域について、異なる時期に撮影を行う。なお一例として、異なる時期に撮影を行う飛行体200の種類(人工衛星、飛行機、ヘリコプタ及びドローン等)は、異なっていてもよい。また一例として、異なる時期に撮影を行って得られる画像の解像度は、異なっていてもよい。飛行体200は、画像情報を情報処理装置100若しくはサーバ(図示せず)等に送信し、又は、画像情報をメモリ(図示せず)等に記憶する。
第1取得部111は、例えば、通信部121を介して、画像情報を飛行体200又はサーバ(図示せず)から取得する。
又は、第1取得部111は、例えば、画像情報が記録されたメモリ(図示せず)等がインターフェース(図示せず)に接続された場合、そのメモリから画像情報を取得してもよい。
【0021】
抽出部112は、例えば、所定領域(画像情報に記録される領域)から、土地の利用状況が変化したと推定される変化領域候補400を抽出する。すなわち、抽出部112は、第1取得部111によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補400を抽出する。一例として、抽出部112は、撮影時期の異なる複数の画像を比較し、建物の新築、建物の増改築、建物の撤去(例えば、更地になる等)、並びに、土地の造成及び舗装等の変化を推定する。抽出部112は、例えば、機械学習及び深層学習等を利用して、土地の利用状況の変化を推定してもよい。この場合、抽出部112は、例えば、建物の形状、建物の色及び土地の色等を始めとする土地の利用状況を学習することにより生成される学習済モデルと、第1取得部111によって取得される複数の画像情報とに基づいて、土地の利用状況の変化を推定する。抽出部112は、例えば、土地の利用状況に変化が有ると推定した領域(変化領域候補400)を抽出する。
【0022】
この場合、抽出部112は、変化領域候補400を「面」として抽出する。「面」は、例えば、土地に関する2次元的な意味としての「平面」と言い換えることができる場合がある。すなわち、抽出部112は、変化領域候補400を囲む面情報(面データ)を生成する。換言すると、抽出部112は、変化領域候補400を抽出した際の基になる、撮影時期の異なる複数の画像情報に基づいて、変化領域候補400に対応する領域が記録される面情報を生成してもよい。
【0023】
ここで、抽出部112が行う処理の具体的な一例について説明する。
抽出部112は、例えば、AIを活用した画像認識技術を使用して、同一地点に対して撮影時期の異なる2つの画像情報を比較し、色彩の変化を検出することで、変化領域の候補を抽出してもよい。
色彩の変化に関しては、例えば、色彩が茶色(更地)から白色(建物)及び灰色(駐車場)に変化した場合、更地に建造物が建ったとして(変化種別)、施設開業(又は、移転)の可能性(建設中も含む)があると推定する(変化情報分類)ことが可能である。同様に、色彩の変化に関しては、例えば、色彩が紺色(海)から茶色(更地)に変化した場合、埋め立てられたとして(変化種別)、施設開業(又は、移転)の可能性(建設中も含む)があると推定する(変化情報分類)ことが可能である。同様に、色彩の変化に関しては、例えば、色彩が黒色又は白色(建物)から茶色(更地)に変化した場合、建造物が更地になったとして(変化種別)、施設廃止(又は、休業、移転)の可能性(解体工事中を含む)があると推定する(変化情報分類)ことが可能である。同様に、色彩の変化に関しては、例えば、色彩が黒色(建物)から白色(雪)に変化した場合、積雪があるとして(変化種別)、確認は不要と推定する(変化情報分類)ことが可能である。
抽出部112は、抽出した変化領域の変化種別を特定し、その種別ごとに変化情報を分類する。抽出部112は、例えば、施設の変更に関する情報のみを抽出したいため、不要な季節理由により変化等を除外する絞り込み処理を行う。抽出部112は、絞り込み処理により除外した後の残りの対象に対して変化領域をポリゴン変換し、形状と座標の一覧を生成する。抽出部112は、例えば、ポリゴン変換を行う際に、細かい精度を必要としないため、多少のデフォルメを行いながら面の形状を生成してもよい。
抽出部112は、変化領域のポリゴン形状と座標を使用し、道路地図等の座標とポリゴン形状との内外について判定を行い、ポリゴン形状内に存在する既存情報(例えば、履歴情報等)との紐づけ関係を生成してもよい。情報処理装置100(制御部110)は、後述するような処理を行うことにより、道路地図を作成及びメンテナンスを行う際の効率化を行う。
【0024】
第2取得部113は、抽出部112によって抽出した変化領域候補400内とその周囲を移動する移動体300の履歴であって、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する。移動体300は、例えば、車両であってもよく、スマートフォン及びタブレット等の携帯端末等であってもよい。すなわち、第2取得部113は、例えば、変化領域候補400内と、その変化領域候補400の周囲とを移動した移動体300の履歴(履歴情報)を取得する。この場合、第2取得部113は、異なる時期の複数の履歴情報を取得してもよい。ここでの「異なる時期」は、第1取得部111で取得した画像情報に対応する画像を撮像した複数の時期(異なる時期)に対応してもよく、対応しなくてもよい。
【0025】
ここで移動体300は、移動に応じて履歴情報を生成する。移動体300は、例えば、履歴情報を情報処理装置100又はサーバ(図示せず)に送信する。又は、移動体300は、例えば、履歴情報をメモリ(図示せず)に記憶する。
第2取得部113は、例えば、通信部121を介して、履歴情報を移動体300又はサーバから取得する。又は、第2取得部113は、例えば、履歴情報が記録されたメモリ(図示せず)等がインターフェース(図示せず)に接続された場合、そのメモリから履歴情報を取得してもよい。
履歴情報には、例えば、移動体300で取得される位置情報及び時刻情報等が記録されていてもよい。また、履歴情報には、移動体300の移動先(目的地)の検索履歴(検索情報)、及び、移動体300が移動先(目的地)までの向かう経路の探索履歴(探索情報)等が含まれていてもよい。
【0026】
第2取得部113は、履歴情報として、変化領域候補400を走行する車両(移動体300)の車両走行情報を取得してもよい。車両走行情報は、CAN情報、プローブ情報、及び、経路探索装置において経路を探索する際の探索情報(検索情報)等を含んでいてもよい。探索情報には、経路探索の際の出発地及び目的地等の情報が含まれていてもよい。なお、探索情報は、経路の目的地を検索する際の検索情報等が含まれていてもよい。車両走行情報には、車両が走行する際に取得する位置情報及び時刻情報が含まれてもよい。
【0027】
第3取得部114は、第2取得部113によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する。履歴に関する変化量の具体的な一例は、以下の通りである。なお、以下では、履歴情報の一例として車両走行情報を挙げて説明するが、携帯端末で生成される履歴情報でも以下の車両走行情報と同様に考えることができる。すなわち、以下の車両走行情報には、携帯端末で生成される履歴情報が含まれるような概念であってもよい。
【0028】
一例として、第3取得部114は、第2取得部113によって取得した複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補400内を異なる時期に走行する車両の走行履歴の変化量を取得してもよい。
【0029】
具体的な第1例として、第3取得部114は、異なる時期(飛行体200で画像を撮影した2時期の間)の複数の車両走行情報に基づいて、変化領域候補400内(及びそれの周囲)を走行する車両の走行台数(走行履歴件数)の変化量を取得してもよい。すなわち、第3取得部114は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補400内を異なる時期に走行する車両の走行台数(走行履歴件数)の変化量を取得してもよい。車両の走行台数は、例えば、単位時間当たりの車両の走行台数等であってもよい。
【0030】
具体的な第2例として、第3取得部114は、異なる時期(飛行体200で画像を撮影した2時期の間)の複数の車両走行情報に基づいて、変化領域候補400内に滞在する車両の滞在時間(走行履歴滞在時間)の変化量を取得してもよい。すなわち、第3取得部114は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補400内で異なる時期に滞在する車両の滞在時間(走行履歴滞在時間)の変化量を取得してもよい。
【0031】
具体的な第3例として、第3取得部114は、異なる時期(飛行体200で画像を撮影した2時期の間)の複数の車両走行情報(探索情報及び検索情報)に基づいて、変化領域候補400内を目的地する検索(探索)の回数(施設検索履歴)の変化量を取得してもよい。すなわち、第3取得部114は、複数の車両走行情報それぞれに記録される、変化領域候補400内の所定地点を目的地として検索する検索情報に基づいて、異なる時期における検索の回数(施設検索履歴)の変化量を取得してもよい。
【0032】
第3取得部114は、上述した第1~3例の場合において、変化量として、異なる時期の間で、増加したか、減少したか、又は、変化が無いかを取得してもよい。
又は、第3取得部114は、上述した第1~3例の場合において、変化量として、異なる時期の間で、閾値を超える増加があったか、閾値を超える減少があったか、又は、閾値を超える変化が無いかを取得してもよい。
【0033】
第3取得部114は、上述した第1例において車両の走行台数がその走行台数の変化量に基づき増加したと判断した場合、変化領域候補400内で施設が開業した可能性が高いと推定してもよい。また、第3取得部114は、上述した第1例において車両の走行台数がその走行台数の変化量に基づき減少した判断した場合、変化領域候補400内で施設が休業した可能性が高いと推定してもよい。また、第3取得部114は、上述した第1例において車両の走行台数がその走行台数の変化量に基づき変わらないと判断した場合、変化領域候補400内の状況が変化していない可能性が高いと推定してもよい。
【0034】
また、第3取得部114は、上述した第2例において車両の滞在時間の変化量に基づき増加及び減少したと判断した場合、変化領域候補400内の施設等の業態が変化(移転)した可能性が高いと推定してもよい。また、第3取得部114は、上述した第2例において車両の滞在時間の変化量に基づき変わらないと判断した場合、変化領域候補400内の状況が変化していない可能性が高いと推定してもよい。
【0035】
また、第3取得部114は、上述した第3例において検索回数がその検索回数の変化量に基づき増加したと判断した場合、変化領域候補400内で施設が開業した可能性が高いと推定してもよい。また、第3取得部114は、上述した第3例において検索回数がその検索回数の変化量に基づき減少したと判断した場合、変化領域候補400内で施設が休業した可能性が高いと推定してもよい。また、第3取得部114は、上述した第3例において検索回数がその検索回数の変化量に基づき変わらないと判断した場合、変化領域候補400内の状況が変化していない可能性が高いと推定してもよい。
【0036】
ここで、第3取得部114が行う処理の具体的な一例、すなわち、施設検索履歴を利用した施設の現地変化の抽出例について説明する。なお、車両の走行台数及び車両の滞在時間を利用した現地変化の抽出についても、同様に考えることができる。
一例として、ドライバ等が経路探索及び目的地検索を行う場合、検索履歴(施設検索履歴)が生成される。第3取得部114は、施設検索履歴を使用し、過去と現在の検索数の推移から施設の営業状態(開店、閉店、休業及び移転等)の可能性を推定する。
まず、第3取得部114は、探索情報及び検索情報に基づいて、住所検索、地点検索及び施設検索等の種々の方法で検索した履歴情報を、規定日数又は月単位毎に分割して取得する。
次に、第3取得部114は、集計時に必要なサンプルサイズを確保するため、同一地点への施設検索履歴をまとめる(マージする)。第3取得部114は、まとめた結果を、記憶部122に記憶してもよい。
次に、第3取得部114は、複数の画像情報の比較により変化領域候補400を対象に、過去期間(前回集計以前)の検索数も使用して、同一地点における検索数の変化(例えば、上昇率及び減少率等)を算出する。
次に、第3取得部114は、検索数の変化を利用して、相対的に大きく変化した地点を抽出する。この場合に、第3取得部114は、閾値を利用して大きく変化した地点を抽出してもよい。第3取得部114は、時節的な理由(季節及び感染症対策に伴う休業等)により一時的な変化も抽出されてしまうことを想定して、変化(変化量又は変化率)の算出を数か月分の統計の推移を利用して最終的に判定してもよい。第3取得部114は、変化の発生した時期を基準に上昇傾向の場合、新規開店及び移転後の施設のオープンの可能性が高いと推定してもよい。一方、第3取得部114は、変化の発生した時期を基準に減少傾向の場合、閉店、休業又は移転の可能性が高いと推定してもよい。
なお、第3取得部114は、施設検索履歴に記録される目的地が個人宅及びマンション等の場合、その履歴を排除してもよい。また、第3取得部114は、季節理由による変化の幅も排除してもよい。
【0037】
設定部115は、第3取得部114によって取得した変化量に基づいて、抽出部112によって抽出した変化領域候補400を確認する際の優先度を設定する。設定部115は、第3取得部114で取得した変化量の大小(履歴に応じた変化の増減幅)に応じて、優先順位を設定する。一例として、設定部115は、第3取得部114によって変化領域候補400内に施設が開業した及び施設が休業した可能性が高いと推定する場合、確認に関する優先度を相対的に高く設定してもよい。また一例として、設定部115は、第3取得部114によって変化領域候補400内の状況が変化していない可能性が高いと推定する場合、確認に関する優先度を相対的に低く設定してもよい。
すなわち、設定部115は、第3取得部114によって取得する変化量が閾値以上の場合、変化領域候補400内の土地の利用状況が変化したと推定して、確認の優先度を高く設定してもよい。一方、設定部115は、第3取得部114によって取得する変化量が閾値未満の場合、変化領域候補400内の土地の利用状況が変化していないと推定して、確認の優先度を低く設定してもよい。
【0038】
出力制御部116は、例えば、設定部115によって設定した優先度を出力するよう出力部を制御してもよい。
また、出力制御部116は、例えば、設定部115によって設定した確認の優先度と、その優先度が設定した変化領域候補400とを対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。この場合、出力制御部116は、例えば、設定部115によって設定された確認の優先度が相対的に高い場合、その優先度と、その優先度が設定される変化領域候補400とを対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
【0039】
すなわち、出力制御部116は、例えば、設定部115によって設定した優先度(及び、対応する変化領域候補400)に関する優先度情報を情報処理装置100の外部(外部装置(図示せず))に送信するよう通信部121を制御してもよい。ここでの外部装置は、情報処理装置100のユーザが使用するユーザ端末、及び、サーバ等であってもよい。ユーザ端末は、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。
また、出力制御部116は、例えば、設定部115によって設定した優先度(及び、対応する変化領域候補400)に関する優先度情報を記憶するよう記憶部122を制御してもよい。
また、出力制御部116は、例えば、設定部115によって設定した優先度(及び、対応する変化領域候補400)を表示するよう表示部123を制御してもよい。
【0040】
なお、出力制御部116は、例えば、優先度と、優先度に対応する変化領域候補400を出力するよう制御する場合、変化量が閾値以上となる変化領域候補400と、変化量が閾値未満となる変化量候補とで、態様を変えるようにして出力するよう制御してもよい。
すなわち、出力制御部116は、例えば、変化量が閾値以上となる変化領域候補400を第1態様として出力し、変化量が閾値未満となる変化領域候補400を第1態様とは異なる第2態様として出力するよう制御してもよい。
一例として、出力制御部116は、変化量が閾値以上となる変化領域候補400を第1色(例えば、赤色又は黄色等)で着色した第1態様で出力し、変化量が閾値未満となる変化領域候補400を第2色(例えば、白色又は灰色等)で着色した第2態様で出力するよう制御してもよい。
【0041】
出力制御部116は、例えば、上述したように優先度が相対的に高く設定された変化領域候補400を優先して確認(例えば、現地の確認等)するよう促すことができる。すなわち、出力制御部116は、例えば、優先度が相対的に高く設定された変化領域候補400(400a(
図1参照))を、優先度が相対的に低く設定された変化領域候補400(400b(
図1参照))に比べて優先して確認するように促すことができる。
【0042】
地図作成者等は、例えば、優先度が相対的に高く設定された変化領域候補を早期に確認し、変化領域候補の土地の利用情報が過去(例えば、前回の地図作成時等)に比べて変化していた場合、土地の利用状況の変化を地図(一例として、道路地図等)に反映することができる。
又は、情報処理装置100の制御部110は、例えば、変化領域候補400に向かう車両(移動体)又は変化領域候補400付近を走行した車両(移動体300)から撮像した車載カメラ画像(車載画像情報)等を取得し、画像解析等を行うことにより、建物が建っていること、及び、看板等から施設の名称等を取得してもよい。すなわち、制御部110は画像解析部(図示せず)を備え、画像解析部は、例えば、通信部121等を介して取得した車載画像情報等について画像解析を行うことにより、その車載画像情報等に基づいて、変化領域候補400において土地の利用状況に変化があるかを判定してもよい。
すなわち、画像解析部は、設定部115によって設定された優先度に応じて(優先度が相対的に高い場合等)、変化領域候補400内とその周囲を走行する移動体300から撮像された画像情報(車載画像情報(移動体画像情報))を取得し、その移動体画像情報を画像解析することにより、移動体画像情報に基づいて、変化領域候補400の土地の利用状況の変化を判定してもよい。この場合、画像解析部は、撮影時期の異なる複数の移動体画像情報を比較することにより、変化領域候補400における土地の利用状況の変化を判定してもよい。
この場合、情報処理装置100の制御部110には、地図作成部(図示せず)が配されてもよい。地図作成部は、設定部115によって設定された優先度に基づく確認に応じて、変化領域候補において土地の利用状況の変化があると特定された場合、記憶部122に記憶される道路地図(地図情報)に、変化領域候補の土地の利用状況の変化を登録して、道路地図を作成(更新)してもよい。
すなわち、地図作成部は、画像解析部によって変化領域候補における土地の利用状況に変化があると判定された場合、道路地図に、変化領域候補における変化後の土地の利用状況を登録してもよい。なお、この場合、記憶部122は、道路地図に基づく地図情報を記憶してもよい。
【0043】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図3は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0044】
ステップST101において、第1取得部111は、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する。
【0045】
ステップST102において、抽出部112は、ステップST101で取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補400を抽出する。この場合、抽出部112は、変化領域候補400を抽出した際の基になる、撮影時期の異なる複数の画像情報に基づいて、変化領域候補400に対応する領域が記録される面情報を生成してもよい。
【0046】
ステップST103において、第2取得部113は、ステップST102で抽出した変化領域候補400内とその周囲を移動する移動体300の履歴(履歴情報)を取得する。その履歴(履歴情報)は、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む情報であってもよい。第2取得部113は、履歴情報として、変化領域候補400を走行する車両(移動体300)の車両走行情報を取得してもよい。
【0047】
ステップST104において、第3取得部114は、ステップST103で取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する。
一例として、第3取得部114は、ステップST103で取得した複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補400内を異なる時期に走行する車両の走行履歴の変化量を取得してもよい。第3取得部114は、例えば、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補400内を異なる時期に走行する車両の走行台数の変化量を取得してもよい。また、第3取得部114は、例えば、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補400内で異なる時期に滞在する車両の滞在時間の変化量を取得してもよい。また、第3取得部114は、例えば、変化領域候補400内の所定地点を目的地として検索する複数の検索情報(車両走行情報)に基づいて、異なる時期における検索の回数の変化量を取得してもよい。
【0048】
ステップST105において、設定部115は、ステップST104で取得した変化量に基づいて、ステップST102で抽出した変化領域候補400を確認する際の優先度を設定する。設定部115は、例えば、ステップST104で取得する変化量が閾値以上の場合、変化領域候補400内の土地の利用状況が変化したと推定して、確認の優先度を高く設定してもよい。一方、設定部115は、ステップST104で取得する変化量が閾値未満の場合、変化領域候補400内の土地の利用状況が変化していないと推定して、確認の優先度を低く設定してもよい。
【0049】
ステップST105の処理の後、出力制御部116は、ステップST105で設定した優先度を出力するよう出力部を制御してもよい。また、出力制御部116は、ステップST105で設定した確認の優先度と、その優先度が設定した変化領域候補400とを対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
【0050】
[機能及び回路について]
次に、上述した情報処理装置100の機能及び回路について説明する。
情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の第1取得部111、抽出部112、第2取得部113、第3取得部114、設定部115、出力制御部116、画像解析部(図示せず)及び地図作成部(図示せず)(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等による第1取得機能、抽出機能、第2取得機能、第3取得機能、設定機能、出力制御機能、画像解析機能及び地図作成機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の第1取得部111、抽出部112、第2取得部113、第3取得部114、設定部115、出力制御部116、画像解析部(図示せず)及び地図作成部(図示せず)(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する第1取得回路、抽出回路、第2取得回路、第3取得回路、設定回路、出力制御回路、画像解析回路及び地図作成回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0051】
情報処理装置100は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0052】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、以下に記載する各態様は出願時の一例であり、本実施形態は以下に記載する態様に限定されることはない。すなわち、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0053】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得部と、第1取得部によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出部と、抽出部によって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得部と、第2取得部によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得部と、第3取得部によって取得した変化量に基づいて、抽出部によって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、変化領域候補を「面」として抽出するので、他の情報(例えば、履歴情報等)との比較を容易にすることができる。また、情報処理装置は、変化領域候補に関連する位置情報を伴う履歴情報をさらに利用して変化量を取得するので、画像情報のみを利用する場合に比べて変化の抽出精度を向上することができる。
また、情報処理装置は、優先度を相対的に高く設定する場合、その優先度に対応する変化領域候補の確認を相対的に強く促すことができる。これにより、地図等の作成担当者は、変化領域候補の現地等を早期に確認することが可能になり、現地の状況に変化が有った場合には、現地の状況を地図に反映することが可能になる。さらに、地図利用者にとっては、利便性を向上することができる。
すなわち、情報処理装置は、上空から地上を撮像した際に生成される画像情報を利用して、現地の変化を精度良く抽出し、且つ、優先順位付けすることで、地図の作成及びメンテナンスの効率を向上させることができる。
【0054】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、第2取得部は、履歴情報として、変化領域候補を走行する車両の車両走行情報を取得し、第3取得部は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補内を異なる時期に走行する車両の走行履歴の変化量を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、車両走行情報(履歴情報)さらに利用して変化量を取得するので、画像情報のみを利用する場合に比べて、変化領域候補の変化の抽出精度を向上することができる。
【0055】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、第3取得部は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補内を異なる時期に走行する車両の走行台数の変化量を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、変化領域候補内を走行する車両の走行台数の変化量を利用して、変化領域候補の変化の抽出精度を向上することができる。
【0056】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、第3取得部は、複数の車両走行情報に基づいて、履歴に関する変化量として、変化領域候補内で異なる時期に滞在する車両の滞在時間の変化量を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、変化領域候補内に滞在する車両の滞在時間の変化量を利用して、変化領域候補の変化の抽出精度を向上することができる。
【0057】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、第3取得部は、複数の車両走行情報それぞれに記録される、変化領域候補内の所定地点を目的地として検索する検索情報に基づいて、異なる時期における検索の回数の変化量を取得することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、変化領域候補内を目的地として検索する際の検索回数の変化量を利用して、変化領域候補の変化の抽出精度を向上することができる。
【0058】
(態様6)
一態様の情報処理装置では、抽出部は、変化領域候補を抽出した際の基になる、撮影時期の異なる複数の画像情報に基づいて、変化領域候補に対応する領域が記録される面情報を生成することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、変化領域候補を「面」として抽出するので、他の情報(例えば、履歴情報等)との比較を容易にすることができる。
【0059】
(態様7)
一態様の情報処理装置では、設定部は、第3取得部によって取得する変化量が閾値以上の場合、変化領域候補内の土地の利用状況が変化したと推定して、確認の優先度を高く設定し、又は、第3取得部によって取得する変化量が閾値未満の場合、変化領域候補内の土地の利用状況が変化していないと推定して、確認の優先度を低く設定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、優先度を相対的に高く設定する場合、その優先度に対応する変化領域候補の確認を相対的に強く促すことができる。
【0060】
(態様8)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得ステップと、第1取得ステップによって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出ステップと、抽出ステップによって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得ステップと、第2取得ステップによって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得ステップと、第3取得ステップによって取得した変化量に基づいて、抽出ステップによって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏してもよい。
【0061】
(態様9)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、撮影時期の異なる所定領域を上空から撮影した画像情報を複数取得する第1取得機能と、第1取得機能によって取得した複数の画像情報に基づいて、土地の利用状況の変化に関する変化領域候補を抽出する抽出機能と、抽出機能によって抽出した変化領域候補内とその周囲を移動する移動体の履歴であって、撮影時期に応じた異なる時期における移動の履歴を含む履歴情報を複数取得する第2取得機能と、第2取得機能によって取得した複数の履歴情報に基づいて、異なる時期における履歴に関する変化量を取得する第3取得機能と、第3取得機能によって取得した変化量に基づいて、抽出機能によって抽出した変化領域候補を確認する際の優先度を設定する設定機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏してもよい。
【符号の説明】
【0062】
100 情報処理装置
110 制御部
111 第1取得部
112 抽出部
113 第2取得部
114 第3取得部
115 設定部
116 出力制御部
121 通信部
122 記憶部
123 表示部
200 飛行体
300 移動体
400 変化領域候補