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特開2024-58733ゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058733
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/655 20140101AFI20240422BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20240422BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20240422BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A63F13/655
A63F13/213
A63F13/79
A63F13/428
A63F13/814
A63F13/5375
A63F13/44
A63B71/06 J
A63B69/00 A
A63B69/00 514
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166008
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】田川 義浩
(72)【発明者】
【氏名】石原 誠
(72)【発明者】
【氏名】山本 七海
(72)【発明者】
【氏名】塩川 知希
(57)【要約】
【課題】撮像データを利用して、ゲームをプレイしている間のプレイヤによるエネルギーの消費量を算出する。
【解決手段】プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムは、前記撮像データを取得する撮像データ取得手段と、前記撮像データを解析して、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出する解析手段と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出する算出手段とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムであって、
前記撮像データを取得する撮像データ取得手段と、
前記撮像データを解析して、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出する解析手段と、
前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出する算出手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項2】
前記撮像データを解析して、前記プレイヤの動作を記述した動作データを取得する動作データ取得手段をさらに備え、
前記動作データ取得手段は、前記プレイヤが静止姿勢をとった状態で撮像して得られる前記撮像データを用いて前記身体の少なくとも一部の位置座標を取得し、
前記解析手段は、前記静止姿勢をとった状態で撮像して得られる前記撮像データを解析して、前記身体情報を算出する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
表示装置と、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御手段とをさらに備え、
前記ゲームは、前記プレイヤの動作として、音楽に対応するダンス動作を前記プレイヤに要求するように構成されており、
前記ゲーム制御手段は、前記ダンス動作を記述した前記動作データに基づいて動作するように、前記表示装置にゲームオブジェクトを表示させる、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
表示装置と、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御手段とをさらに備え、
前記ゲーム制御手段は、前記プレイヤに対して静止姿勢を案内する案内情報を、前記表示装置に表示させ、
前記解析手段は、前記案内情報が表示されるときに撮像される前記撮像データを解析して、前記身体情報を算出する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲーム制御手段は、前記消費量を示す情報を前記表示装置に表示させる、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記解析手段は、前記身体情報として前記プレイヤの身長と体重を算出するとともに、前記運動負荷として前記身体の少なくとも一部の変位量を算出し、
前記算出手段は、前記体重と前記変位量とに基づいて前記消費量を算出する、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記解析手段は、前記プレイヤの体型に応じたボディ・マス指数を算出する、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記解析手段は、前記運動負荷として前記身体の複数の部分の変位量を算出し、
前記算出手段は、前記消費量を算出する際に、前記複数の部分の少なくとも一つの部分の重み付けを、前記複数の部分の他の部分の重み付けとは異ならせる、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記解析手段は、前記身体の少なくとも一部の移動方向を算出し、
前記算出手段は、前記移動方向に基づいて前記消費量を算出する、請求項1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記算出手段は、前記消費量を算出する際に、少なくとも一つの移動方向の重み付けを、他の移動方向の重み付けとは異ならせる、請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項11】
コンピュータを備え、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムの制御方法であって、
前記コンピュータに、
前記撮像データを取得させ、
前記撮像データを解析させて、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出させ、
前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出させる、制御方法。
【請求項12】
コンピュータを備え、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記撮像データを取得させ、
前記撮像データを解析させて、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出させ、
前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲームプレイによる累積エネルギー消費量がゲーム画面に表示されるダイエットモードが設けられているゲーム装置が開示されている。このダイエットモードでは、プレイヤーが、体重の数値を設定入力できる。また、ゲーム装置を構成する家庭用ゲーム機には、コントローラが接続されている。そして、プレイヤーがコントローラ上でステップを踏むと、両足の位置を表す操作信号が家庭用ゲーム機に送られる。これにより、家庭用ゲーム機のCPUは、記憶された操作信号に基づいてプレイヤーの両足の状態が推移したかを判断する。そして、プレイヤーが両足を推移させたことによるエネルギー消費量が算出される。
【0003】
特許文献2には、ゲームの運動量を測定するゲーム機が開示されている。また、特許文献2には、ゲーム機の踏み台に体重測定センサを取り付け、体重測定センサの出力信号によって体重を入力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-024903号公報
【特許文献2】特開2002-112984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲームシステムは、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供することがある。この場合、ゲームシステムは、ゲームを提供するために、撮像データを取得する。そのため、撮像データを利用して副次的な要素を提供できれば、プレイヤに対して新たな楽しみを与えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るゲームシステムは、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムであって、前記撮像データを取得する撮像データ取得手段と、前記撮像データを解析して、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出する解析手段と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出する算出手段とを備える。
【0007】
また、他の一態様に係る制御方法は、コンピュータを備え、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムの制御方法であって、前記コンピュータに、前記撮像データを取得させ、前記撮像データを解析させて、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出させ、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出させる。
【0008】
また、他の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを備え、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステムのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記撮像データを取得させ、前記撮像データを解析させて、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出させ、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出させる。
【発明の効果】
【0009】
これにより、撮像データを利用して、ゲームをプレイしている間のプレイヤによるエネルギーの消費量を算出でき、プレイヤに対して新たな楽しみを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ゲームシステムの概略図。
図2】一例としてのゲーム画面の概略図。
図3】ゲームシステムの概略ブロック図。
図4】一例としての案内情報を示す概略図。
図5】算出処理の概略フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0012】
[第1実施形態]
図1に示すゲームシステム100は、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供する。一例として、このゲームは、プレイヤの動作として、音楽に対応する振り付けを踊るようなダンス動作をプレイヤに要求するように構成されている。また、ゲームシステム100は、ゲームサーバ10と、プレイヤにゲームをプレイさせるゲーム機60とを備えている。そして、ゲーム機60は、所定のネットワーク50を介してゲームサーバ10に接続可能である。なお、ゲーム機60は、単体でゲームシステム100として機能してもよい。
【0013】
ネットワーク50は、ゲームサーバ10と、ゲーム機60とをそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、ローカルエリアネットワーク52が、ゲームサーバ10とインターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とローカルエリアネットワーク52とが、ルータ53を介して接続されている。ゲーム機60も、インターネット51に接続されるように構成されている。
【0014】
代替的に、ゲーム機60と、ゲーム機60が設置されている店舗等のルータ53との間にローカルサーバが設置されていてもよい。ゲーム機60は、このローカルサーバを介して、ゲームサーバ10と通信可能に接続される。また、ゲームサーバ10とゲーム機60とは、ローカルエリアネットワーク52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。また、ネットワーク50は、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0015】
ゲームサーバ10は、複数のコンピュータとしてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、ゲームサーバ10は、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。あるいは、ゲームサーバ10が、クラウドコンピューティングを利用して論理的に構成されてもよい。なお、ゲームサーバ10は、外部サーバと協働して機能してもよい。
【0016】
ゲームサーバ10は、ゲーム装置の一例であるゲーム機60に対して、ゲームサービスを含むゲーム装置用の各種サービスを提供する。このゲームサービスは、ネットワーク50を介してゲーム機60のゲームプログラム或いはデータを配信し、更新するゲーム配信サービスを含んでいる。この配信サービスを通じて、ゲームサーバ10は、各ゲーム機60にゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信する。
【0017】
ゲームサービスは、ゲームサーバ10がゲーム機60からプレイヤを一意に識別するプレイヤ識別情報(以下、プレイヤIDともいう)を受け取って、プレイヤを認証するサービスを含んでいてもよい。また、ゲームサービスは、認証したプレイヤのプレイ結果を含むプレイデータを、ゲームサーバ10がゲーム機60から受け取って保存するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲームサービスは、ゲームサーバ10が保存するプレイデータを、ゲーム機60に提供するサービスを含んでいてもよい。その他に、ゲームサービスは、ネットワーク50を介して複数のプレイヤが共通のゲームをプレイする際に、ゲームサーバ10がプレイヤ同士をマッチングするサービスを含んでいてもよい。
【0018】
また、ゲームサービスは、ゲームサーバ10がプレイヤから料金を徴収するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲームサーバ10は、ネットワーク50を介してのプレイヤにウェブサービスを提供してもよい。このウェブサービスは、ゲームに関する各種の情報を提供する情報提供サービス、プレイヤによる情報発信、交換、及び共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各プレイヤにプレイヤIDを付与するサービス等の他のサービスを含んでいてもよい。
【0019】
ゲーム機60は、所定の対価である料金の支払いと引き換えに、対価に対応した範囲でプレイヤにゲームをプレイさせる商業用又は業務用のゲーム装置である。このゲーム機60は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。また、ゲーム機60はコンピュータ装置であり、多数のプレイヤにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として、店舗等に設置される。ゲーム機60は、プレイヤの動作を伴うゲームの一例として、音楽に合わせてプレイヤがダンス動作を行う音楽ゲームをプレイさせる。なお、ゲーム機60は、音楽ゲーム以外のゲームとして、例えば格闘ゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、又はスポーツゲーム等の、プレイヤの動作を伴う他のゲームをプレイさせてもよい。以下では、ゲームシステム100が音楽ゲームを提供する例を主に説明する。
【0020】
代替的に、ゲーム機60は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置であってもよい。その他にも、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、ゲーム機60に含まれる。このようなゲーム機60は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、ゲームサーバ10が提供する種々のサービスをプレイヤに享受させることができる。
【0021】
[ゲームの概要]
次に、図2及び図3を参照して、ゲーム機60が提供する音楽ゲームの概要について説明する。図2はゲーム画面GSを示す概略図であり、図3はゲームシステム100の概略ブロック図である。図3に示すように、ゲーム機60は、表示装置64を備えている。この表示装置64は、一例として液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及び無機ELディスプレイ等のディスプレイ、又はタッチパネルである。さらに、表示装置64は、マトリクス状に配置された発光装置(例えば、発光ダイオード)、又は筐体の一部にゲーム画面を投影するプロジェクタであってもよい。
【0022】
また、ゲーム機60は、ゲーム時に再生されるゲーム音楽及び効果音等を出力する音声出力装置65を備えている。この音声出力装置65は、一例としてスピーカである。表示装置64及び音声出力装置65は、いずれもゲーム機60の筐体に設けられているが、それぞれ筐体とは別体であってもよい。
【0023】
図2に示すように、表示装置64は、指示標識及びダンスオブジェクトDOを表示する。指示標識は、プレイヤへプレイ動作を指示し、例えば、音楽に合わせた基準ダンス動作を記述した情報であるダンスデータD1に基づいて生成される。このダンスデータD1は、サーバ記憶部12が記憶している。一例として、基準ダンス動作は、プレイヤが再現すべき基準となるダンス動作であり、音楽に合わせたプロダンサーによるダンス動作、又は音楽に合わせてゲームをプレイする他のプレイヤによるダンス動作である。
【0024】
ゲーム機60が提供するゲームでは、複数種類の指示標識が表示される。例えば、指示標識は、ポーズマーカーMP1,MP2と、タッチマーカーMT1,MT2とを含む。ポーズマーカーMP1,MP2は、ダンサーのシルエットの形を模した形状を有している。そして、ポーズマーカーMP1,MP2は、プレイヤが行うべきプレイ動作として、ダンサーのポーズ又はダンサーのダンス動作を表す。また、タッチマーカーMT1,MT2は、プレイヤが手足を移動させるべき位置として、ダンサーの手足が移動した位置を示す。さらに、指示標識は、ダンサーの手足の動きの軌道であり、プレイヤが手足を動かすべき軌道を示すトレースマーカー(不図示)を含んでいる。
【0025】
また、ゲーム画面GSの上部には、タイムラインTLが表示される。そして、ポーズマーカーMP1は、タイムラインTLに表示される。このポーズマーカーMP1は、プレイヤがどのように体を動かすのかを指示するために、所定の動作を繰り返しながらタイムラインTL上を移動する。図2の例では、ポーズマーカーMP1が、ゲーム画面GSの右端から左に向かって移動する。そして、プレイヤは、ポーズマーカーMP1がタイムラインTLの判定フレームFLに囲まれた領域に到達するタイミングで、ポーズマーカーMP1によって指示されるダンス動作を行う。
【0026】
また、ポーズマーカーMP2は、タイムラインTLの下方に表示される。このポーズマーカーMP2は、プレイヤの決めポーズを指示するために、固定のポーズを模した画像として表されている。ここで、決めポーズとは、音楽の特徴的な部分に対応するタイミングで行うポーズであり、一例として、体の動きを一時的に止める動作である。そして、二つのポーズマーカーMP2の一方は、ゲーム画面GSの右端からゲーム画面GSの中央に向かって移動し、他方はゲーム画面GSの左端からゲーム画面GSの中央に向かって移動する。プレイヤは、ポーズマーカーMP2がゲーム画面GSの中央に到達するタイミングで、ポーズマーカーMP2が示すポーズを取る。
【0027】
なお、ポーズマーカーMP2は一つであってもよく、三つ以上であってもよい。さらに、ポーズマーカーMP2の当初表示位置と移動方向は任意である。例えば、ポーズマーカーMP2は、ゲーム画面GSの上端又は下端からゲーム画面GSの中央に向かって移動してもよい。さらに、ポーズマーカーMP2は、ゲーム画面GSの中央に表示されて、ゲーム画面GSの上端又は下端に向かって移動してもよい。若しくは、ポーズマーカーMP2は、ゲーム画面GSの中央に表示されて、ゲーム画面GSの右端又は左端に向かって移動してもよい。
【0028】
タイムラインTLの下方には、ダンスオブジェクトDOが表示される。そして、タッチマーカーMT1,MT2は、ダンスオブジェクトDOの周囲に表示される。具体的に、タッチマーカーMT2は、手を動かす位置をプレイヤに指示し、ダンスオブジェクトDOの手の付近に表示される。また、タッチマーカーMT1は、足を動かす位置をプレイヤに指示し、ダンスオブジェクトDOの足の付近(特に足元)に表示される。なお、図2においては一つのダンスオブジェクトDOとしてメインダンサーが表示されている。ただし、ダンスオブジェクトDOは、メインダンサーに加えて、バックダンサーを含んでいてもよい。さらに、ダンスオブジェクトDOは、音楽に合わせて動くアイテム若しくは動物等の動作するオブジェクトを含んでいてもよい。
【0029】
ゲームシステム100が提供する音楽ゲームでは、サーバ記憶部12が記憶している指示データD2に基づいて、所定のタイミング(以下、「指示タイミング」ともいう)に指示標識によってプレイ動作が指示される。一例として、指示タイミングは、音楽の各小節の各拍のタイミング(例えば、一拍目であれば拍頭)に対応する。そして、指示タイミングと、プレイヤがプレイ動作を行った動作タイミングとが比較される。
【0030】
その結果、指示タイミングとプレイ動作のタイミングとのずれが小さいと、適切なプレイ動作を行ったと評価されて高い評価が得られる。また、指示タイミングとプレイ動作のタイミングとのずれが大きいと、プレイヤがプレイ動作に失敗したと評価されて低い評価が得られるか、又は評価を得られない。なお、ずれが大きい場合に加えて、指示タイミングにプレイヤのプレイ動作を行わない場合にも、低い評価結果となる。また、評価対象となるプレイ動作は、指示標識によって指示される動作には限られない。
【0031】
図2におけるタイムラインTLの上方には、ビューワーゲージVGが表示される。ビューワーゲージVGは、プレイヤが指示標識によって指示されたタイミングで適切なプレイ動作を行うと伸びていく。一方、プレイヤがプレイ動作に失敗すると、ビューワーゲージVGは変化しないか、又は縮んでしまう。そして、ビューワーゲージVGが合格ラインに到達すると、ゲームのステージクリアとなる。さらに、タイムラインTLの上方であって、ビューワーゲージVGの右方には、スコアSCが表示される。スコアSCは、プレイヤの成績としての点数を表し、プレイヤが指示標識によって指示されたタイミングで適切なプレイ動作を行うと増加する。一方、プレイヤがプレイ動作に失敗すると、スコアSCが加算されないか、又は減少してしまう。
【0032】
また、ゲーム画面GSの下部には、コンボ数CNが表示されている。コンボ数CNは、プレイヤが適切なダンス動作を連続して行うと増加する。そして、プレイヤがダンス動作に失敗すると、コンボ数CNはリセットされてゼロに戻るか、又は減少する。なお、指示標識は、時間の経過とともに種々の態様で変化してもよい。例えば、指示標識の変化態様としては、面積が徐々に小さくなる態様、色が徐々に変化する態様、濃度が徐々に濃く又は薄くなる態様、徐々に明るく又は暗くなる態様、及び徐々にオブジェクトの数が多く又は少なくなる態様が含まれる。さらに、指示標識は、文字、図形、模様、数字、及び記号並びにこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0033】
[ゲームシステムの構成]
図3を参照して、ゲームシステム100の制御系について説明する。ゲームサーバ10は、ゲームサーバ10を制御するサーバ制御部11と、ゲームサーバ10の制御プログラムPG1を記憶した記憶手段の一例であるサーバ記憶部12とを備えている。サーバ制御部11は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0034】
例えば、サーバ制御部11のプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、サーバ記憶部12に記憶された制御プログラムPG1に基づいて、ゲームサーバ10の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、サーバ記憶部12は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。例えば、CPUは、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムPG1に従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する。
【0035】
サーバ制御部11には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含むインターフェース(不図示)が、有線接続又は無線接続されている。また、サーバ制御部11には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示するモニタ(不図示)が、有線接続又は無線接続されている。さらに、サーバ制御部11は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0036】
サーバ記憶部12は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体の一例である不揮発性記憶媒体を含んだ、ハードディスク及び半導体記憶装置等の記憶装置である。サーバ記憶部12は、一つの記憶ユニット上に全てのデータを記憶してもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶してもよい。そして、サーバ記憶部12は、必要な各種の処理をサーバ制御部11に実行させるコンピュータプログラムの一例として、制御プログラムPG1を記録している。そして、サーバ制御部11は、制御プログラムPG1を実行することによって、ゲーム機60をプレイするプレイヤにゲームサービスを提供する。例えば、サーバ制御部11は、制御プログラムPG1を実行することによって、指示標識を表示するための指示データD2を生成する。
【0037】
また、サーバ記憶部12は、音楽に合わせた基準ダンス動作のダンスデータD1を記憶している。例えば、ダンスデータD1は、ダンサー又はプレイヤの基準ダンス動作を撮像したダンス動画に基づいて生成される。一例として、ダンス動画の解析結果からダンサー又はプレイヤのダンスデータD1が取得される。このダンスデータD1は、ダンスを開始してから終了するまでの動作を記述した情報である。一例として、ダンスデータD1は、ボーン解析によって取得されるボーンデータである。代替的に、ダンスデータD1は、ダンサー又はプレイヤの体の各部の位置、向き、及び変位量を示すデータであってもよい。なお、以下の説明においては、ダンサーの基準ダンス動作のダンスデータD1を利用する例について主に説明する。
【0038】
ここで、ボーンデータは、ダンサーの体の一部の位置座標を示す点を結ぶボーンを示す情報を意味しており、ボーンデータにおいてボーン同士は連結点によって互いに連結されている。そして、ダンス動画におけるダンサーのボーンの位置及び向き、並びに変位量に基づいて、ダンサーの基準ダンス動作を、ダンスデータD1として記録できる。なお、ボーンデータは、ダンス開始からの時間経過に伴う各時点におけるダンサーのボーンを表す。ただし、ボーンデータは、ボーンの位置、向き、及び変位量を予測した情報を一部に含んでいてもよい。なお、サーバ制御部11は、ゲーム機60の撮像装置63が撮像した動画又は外部の記録装置から取得した動画を解析してダンスデータD1を取得してもよい。代替的に、予めダンス動作を撮像して得られたダンス動画を解析してボーンデータが作成されており、オペレータが、当該ボーンデータをサーバ記憶部12に記憶させてもよい。
【0039】
また、サーバ記憶部12は、音楽ゲーム用のゲームデータGDを記憶している。そして、ゲームデータGDには、指示データD2と、音楽データD3とが含まれている。音楽データD3は、ゲーム中に再生される楽曲であるが、効果音及び演出音等のデータを含んでいてもよい。そして、指示データD2は、ゲームの操作手順を定義したデータであり、例えば、指示標識の表示タイミング、表示位置並びに移動速度、及び指示標識の種類等のデータを含んでいる。さらに、ゲームデータGDは、画像データ(不図示)を記憶している。画像データは、例えば、指示標識、演出画像、アイコン、各種オブジェクト、及び背景等の画像のデータを含んでいる。
【0040】
さらに、サーバ制御部11は、指示データD2と、ゲームデータ等のゲームの提供に必要なゲーム用のデータとを、ゲーム機60に送信する。また、サーバ制御部11は、ゲーム機60からプレイヤデータとして、プレイヤの個人情報(例えば、プレイヤID)、ゲーム機60から受信する動作データD4、及びゲームの成績等のゲームのプレイに関する情報を取得する。そして、サーバ制御部11は、プレイヤデータをサーバ記憶部12に記憶させる。さらに、サーバ制御部11は、プレイヤの認証等を行ってもよい。
【0041】
また、サーバ制御部11は、ゲームにおいて使用される指示データD2であって、プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて指示標識を表示するための指示データD2を生成する。すなわち、サーバ制御部11は、ダンスデータD1に基づいて、指示データD2の少なくとも一部を生成する。代替的に、指示データD2は、外部サーバ等の他のコンピュータ装置において生成されていてもよい。さらに、他のコンピュータ装置は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置であってもよい。この場合、サーバ制御部11は、他のコンピュータ装置から指示データD2を取得して、サーバ記憶部12に記憶させる。そして、他のコンピュータ装置の記憶部は、ダンスデータD1、音楽データD3、及び制御プログラムPG1を記憶している。
【0042】
[ゲーム装置の構成]
ゲーム機60は、ゲーム機60を制御するゲーム機制御部61と、ゲーム機プログラムPG2を記憶したゲーム機記憶部62とを備えている。ゲーム機制御部61は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータである。プロセッサは、例えばCPU、又はMPUであり、ゲーム機プログラムPG2に基づいて、ゲーム機60の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、ゲーム機記憶部62は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。また、ゲーム機制御部61は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御することもできる。
【0043】
ゲーム機記憶部62は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体の一例である不揮発性記憶媒体を含んだ、ハードディスク及び半導体記憶装置等の記憶装置である。また、ゲーム機記憶部62は、コンピュータプログラムの一例であるゲーム機プログラムPG2とともに、ゲームサーバ10から取得したゲーム用のデータを記録している。ゲーム用のデータは、ゲーム機プログラムPG2に従ってプレイヤに所定のゲームをプレイさせるために使用される。なお、ゲーム用のデータは、サーバ記憶部12が記憶しているゲームデータと同様に、画像データ、音楽データD3、及び指示データD2を含んでいてもよい。さらにゲーム用のデータは、ダンスオブジェクトDOのデータを含んでいてもよい。
【0044】
また、ゲーム機60は、プレイヤを撮像する撮像装置63を有している。撮像装置63は、一例としてカメラであり、複数のカメラ(例えば二台のカメラ)から構成されていてもよい。当該カメラは、撮像範囲にプレイヤの体全体が含まれるように配置されている。また、撮像装置63は、プレイヤを撮像して得られる撮像データ(例えば画像又は映像)をゲーム機記憶部62に記憶させる。代替的に、撮像装置63は、ゲーム機60とは別体の外部撮像装置であってもよい。このような外部撮像装置は、ゲーム機60と無線又は有線接続され、撮像データをゲーム機60に送信する。また、外部撮像装置は、スマートフォン又はデジタルカメラ等であってもよい。さらに、ゲーム機60は、ゲーム画面が表示される表示装置64を備えている。また、ゲーム機60は、ゲームのプレイ中に出力される楽曲、判定音、評価音、及び効果音等の音声を出力する音声出力装置65を備えている。
【0045】
[エネルギーの消費量]
音楽ゲームをプレイするプレイヤに対して、ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を提示すれば、プレイヤに対して新たな楽しみを与えることができる。一例として、エネルギーの消費量は、プレイ中のカロリーの消費量、又はカロリーの消費量に脂肪消費割合(例えば0.6)を乗じて得られる脂肪燃焼量である。そして、消費量を算出する方法として、例えば、足で踏む入力装置又は手に持つ入力装置を利用して、消費量を算出する方法が考えられる。しかし、このような入力装置を利用する場合、算出に利用されるのが体の一部(例えば、足又は手)の動きに限定される。そのため、消費量の算出精度が低くなる可能性がある。
【0046】
そのため、算出精度を高める方法として、プレイヤの体重を考慮することが考えられる。例えば、プレイヤが自らの体重を事前に入力し、入力された体重に運動時の代謝量及び運動時間等を乗じて消費量を算出する方法が考えられる。しかし、ゲームをプレイするプレイヤにとっては、ゲームをプレイすることが主な目的である。そのため、消費量の算出は副次的な楽しみとなる。したがって、消費量の算出のために、体重等の身体情報の入力操作をプレイヤに要求すると、プレイヤが煩雑さを感じてしまい、ゲームをプレイする意欲を減退させる結果となる。
【0047】
さらに、プレイヤは、人前でゲームをプレイすること、例えば、店舗に設置されたゲーム機60においてゲームをプレイすることがある。この場合、体重等の個人的な情報が、他人に見られてしまう可能性もある。そのため、プレイヤに、身体情報の入力操作を要求することは、ゲームをプレイする意欲を減退させる結果となる。さらに、体重は日々変化するので、算出精度を高くするためには、プレイヤが自らの体重を正確に把握する必要がある。しかし、消費量の算出のために、体重等の測定をプレイヤに要求すると、プレイヤが煩雑さを感じてしまう結果となる。
【0048】
このように、算出精度を高めるためには、プレイヤの身体情報を用いながら、プレイヤに煩雑さを感じさせずに身体情報を取得することが望ましい。そこで、ゲームシステム100は、ゲームプレイを行うプレイヤを撮像して得られた撮像データを解析することによって、プレイヤの身体情報を取得する。そのため、ゲームシステム100のゲーム機60においては、ゲーム機制御部61が、撮像データ取得部61A、解析部61B、算出部61C、動作データ取得部61D、及びゲーム制御部61Eを有している。
【0049】
[撮像データ取得手段]
撮像データ取得手段の一例である撮像データ取得部61Aは、撮像装置63によって撮像されたプレイヤの撮像データを取得する。例えば、撮像データ取得部61Aは、撮像装置63から撮像データ(例えば、画像又は映像)を取得する。そして、撮像データ取得部61Aは、撮像データを一時的にゲーム機記憶部62に記憶させる。また、撮像データ取得部61Aは、ゲーム機記憶部62又はサーバ記憶部12が記憶している撮像データを取得してもよい。例えば、撮像データ取得部61Aは、ゲーム中に、プレイヤのダンス動作を撮像して得られる撮像データを取得する。また、撮像データ取得部61Aは、ゲームの開始前又は開始直後に、静止姿勢をとった状態のプレイヤを撮像して得られる撮像データを取得する。代替的に、撮像データ取得部61Aは、外部撮像装置から撮像データを取得してもよい。
【0050】
[解析手段]
解析手段の一例である解析部61Bは、撮像データ取得部61Aが取得した撮像データを解析する。そして、解析部61Bは、プレイヤの身体に関する身体情報と、プレイヤがゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出する。例えば、解析部61Bは、身体情報としてプレイヤの身長と体重を算出するとともに、運動負荷として身体の少なくとも一部の変位量を算出する。一例として、身体情報は、身長、体重、ボディ・マス指数、体型、性別、年齢、及び体表面積の少なくとも一つである。また、運動負荷は、一例として変位量、運動量、運動時間、及び運動強度の少なくとも一つである。
【0051】
例えば、解析部61Bは、撮像データとしてのプレイヤの体が含まれている画像の中から、プレイヤの体の足先部及び頭頂部の二つの特徴点を抽出する。そして、解析部61Bは、3次元空間における特徴点の座標を算出する。さらに、解析部61Bは、画像の中から平面を検出して、カメラから画像内の所定の平面(例えば、プレーエリア)までの距離を算出する。代替的に、所定の平面までの距離は、予めゲーム機記憶部62が記憶していてもよい。そして、解析部61Bは、所定の平面内における二つの特徴点の長さを、プレイヤの身長として算出する。ただし、解析部61Bは、その他の公知の方法によって、撮像データからプレイヤの身長を算出してもよい。
【0052】
さらに、解析部61Bは、算出した身長を用いて、プレイヤの体重を算出する。一例として、解析部61Bは、身長を二乗して得られた値に、所定のボディ・マス指数(例えば23)を乗じて、身体情報としての体重を算出する。なお、所定のボディ・マス指数は、18.5以上且つ24.9以下の範囲から選択された任意の値であってもよい。代替的に、解析部61Bは、後述する態様によって算出したボディ・マス指数を用いて、プレイヤの体重を算出してもよい。なお、運動負荷のみが算出される場合、解析部61Bは、ゲーム機60が備える体重計から体重を取得してもよく、プレイヤが入力した体重を取得してもよい。
【0053】
また、解析部61Bは、ゲームのプレイ中に運動負荷を算出する。具体的に、解析部61Bは、運動強度に運動時間(h)を乗じて、運動負荷としての運動量を算出する。一例として、運動強度は、ゲーム内の動作(例えば、動作の内容又は体の各部の変位量等)に応じて、予め定められている値である。具体的に、解析部61Bは、プレイヤの動作を撮像して得られる撮像データとしての動画を解析する。そして、解析部61Bは、プレイヤの体の各部の位置、向き、及び変位量等のデータを取得する。なお、解析部61Bが、動作データ取得部61Dとしても機能してもよい。この場合、解析部61Bは、動作データD4を生成する。
【0054】
さらに、解析部61Bは、変位量等のデータに基づいて、ゲーム中のプレイヤの動作(例えば、各部の変位量)に応じた運動強度を特定する。一例として、解析部61Bは、変位量が少ない緩いダンス動作である場合、運動強度を「4」と特定する。また、解析部61Bは、変位量が多い激しいダンス動作である場合、運動強度を「7」と特定する。さらに、解析部61Bは、特定した運動強度に、ダンス動作の時間(例えば、1/3600時間=1秒)を乗じて運動量を算出する。これにより、エネルギーの消費量の算出精度をより高めることができる。代替的に、解析部61Bは、プレイヤの心拍数を用いて運動強度を算出してもよい。
【0055】
また、解析部61Bは、プレイヤの体型に応じたボディ・マス指数を算出してもよい。一例として、解析部61Bは、プレイヤの全身を撮像して得られた画像を撮像データとして解析する。そして、解析部61Bは、プレイヤの体の大きさを特定する。さらに、解析部61Bは、特定した体の大きさに基づいて、プレイヤの体型を複数の種類(低体重、普通、肥満、肥満一度、肥満二度、肥満三度、又は肥満四度等)のいずれかに分類する。そして、解析部61Bは、体型に応じたボディ・マス指数を算出する。これにより、エネルギーの消費量の算出精度をより高めることができる。
【0056】
一例として、解析部61Bは、低体重に対して18、普通に対して23、肥満に対して27、肥満一度に対して27、肥満二度に対して32、肥満三度に対して37、肥満四度に対して40のボディ・マス指数を算出する。さらに、解析部61Bは、プレイヤがゲーム機60に入力した体型、又はプレイヤの個人情報を参照して取得した体型に応じたボディ・マス指数を算出してもよい。代替的に、解析部61Bは、プレイヤの身長と体重とを用いてボディ・マス指数を算出してもよい。一例として、解析部61Bは、身長を二乗して得られた値によって体重を除算することによって、ボディ・マス指数を算出する。
【0057】
また、解析部61Bは、運動負荷として身体の複数の部分の変位量を算出する。例えば、解析部61Bは、ゲームのプレイ中に、体の代表部位(例えば骨格を表すボーン)の3次元空間における座標の移動距離(すなわち変位量)を算出する。なお、運動負荷を算出するために参照される代表部位は、予め設定されていてもよい。そして、解析部61Bは、設定されている代表部位の変位量に基づいて運動量を算出する。一例として、代表部位は、腕、足、頭、腰部、胸部、首、肩、膝、肘、腹部、手先、足先、大腿、下腿、上腕、及び前腕の少なくとも一つである。なお、解析部61Bは、運動負荷として変位量に加えて、身体の各部の加速度を用いてもよい。この場合、ゲーム機60は、加速度センサをさらに備えていてもよい。
【0058】
そして、算出部61Cは、エネルギー量の消費量を算出する際に、プレイヤの身体の複数の部分の少なくとも一つの部分の重み付けを、複数の部分の他の部分の重み付けとは異ならせる。一例として、算出部61Cは、筋肉が多い足の部分の重みが、筋肉が少ない腕の部分の重みよりも大きくなるように、両者の重み付けを異ならせる。これにより、エネルギーの消費量の算出精度をより高めることができる。例えば、算出部61Cは、解析部61Bが算出した変位量又は運動量に、各部の重みに対応する係数を乗じた上で、エネルギー量の消費量を算出する。なお、身体の部分の重み付けは、筋肉量に基づく態様には限定されない。例えば、算出部61Cは、上半身の重み付けを、下半身の重み付けよりも大きくして消費量を算出してもよい。
【0059】
また、解析部61Bは、プレイヤの身体の少なくとも一部の移動方向を算出する。例えば、解析部61Bは、体の代表部位(例えば骨格を表すボーン)の3次元空間における座標の移動方向を特定する。そして、算出部61Cは、移動方向に基づいて、エネルギー量の消費量を算出する。これにより、エネルギーの消費量の算出精度をより高めることができる。具体的に、算出部61Cは、消費量を算出する際に、少なくとも一つの移動方向の重み付けを、他の移動方向の重み付けとは異ならせる。一例として、算出部61Cは、より負荷が強い腕を上げる動作(すなわち、上方向への腕の変位)と、腕を下げる動作(すなわち、下方向への腕の変位)とで重み付けを異ならせる。そして、算出部61Cは、解析部61Bが算出した変位量又は運動量に、各移動方向の重みに対応する係数を乗じた上で、エネルギー量の消費量を算出する。
【0060】
一例として、解析部61Bは、料金の支払い後から動作の案内開始又は音楽の再生開始までの間に、身体情報を算出する。ただし、解析部61Bは、動作の案内開始又は音楽の再生開始後に身体情報を算出してもよい。この場合であっても、ゲームの終了後にエネルギーの消費量をプレイヤに提示できる。
【0061】
また、解析部61Bは、前記静止姿勢をとった状態で撮像して得られる撮像データを解析して、身体情報を算出してもよい。より具体的に、解析部61Bは、動作データ取得部61Dによって、プレイヤの身体の少なくとも一部の位置座標が取得されるときに撮像される撮像データを解析して、身体情報を算出してもよい。例えば、撮像データ取得部61Aは、動作データ取得部61Dが3次元空間におけるプレイヤの身体の特徴点の座標を、位置座標として算出する時に撮像データを取得する。そして、解析部61Bは、この時に身体情報を算出する。これにより、身体情報を算出するために必要な撮像データを取得するための専用の時間を設ける必要がない。そのため、ゲームが中断されないので、ゲームの進行へ与える影響を小さくできる。
【0062】
ただし、動作データ取得部61Dが位置座標を取得するときに撮像されたデータを利用すれば、解析部61Bが身体情報を算出するタイミングは、撮像と異なるタイミングであってもよい。例えば、解析部61Bは、位置座標を取得するときに撮像されたデータを利用して、プレイヤがゲームをプレイしている間、又はゲームをプレイした後に身体情報を算出してもよい。さらに、解析部61Bは、前回のプレイ中に撮像して取得された撮像データを利用してもよい。
【0063】
[算出手段]
算出手段の一例としての算出部61Cは、プレイヤがゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出する。例えば、算出部61Cは、解析部61Bが算出した身体情報としての体重に基づいて、エネルギーの消費量を算出する。一例として、算出部61Cは、解析部61Bが算出した体重と運動量とに基づいて消費量を算出する。具体的に、算出部61Cは、解析部61Bが算出した体重に、同じく解析部61Bが算出した運動量を乗じる。さらに、算出部61Cは、体重に運動量を乗じた値に所定の係数(例えば「1.05」)を乗じてエネルギーの消費量としてのカロリーの消費量を算出する。なお、消費量の計算式、各種の係数、及び上述した重み付けの値等の算出に必要なデータは、算出データCDに含まれてゲーム機記憶部62が記憶している。
【0064】
これにより、ゲーム機60は、ゲーム中に消費されたエネルギーの消費量を、表示装置64に表示させることができる。また、ゲーム機60は、ゲームサーバ10にエネルギーの消費量を送信できる。そして、ゲームサーバ10のサーバ記憶部12が、プレイヤIDと関連付けて消費量を記憶する。これにより、ゲームシステム100は、所望のタイミング(例えば、ダンスの終了タイミング、ゲームの成績表示タイミング、又はプレイヤから取得要求を受け取ったタイミング)で、消費量を取得してプレイヤへ提示できる。
【0065】
そのため、プレイヤは、身体的特徴を人前で入力することなく、単にゲームをプレイするのみで、高い精度の消費量を知ることができる。その結果、ゲームをプレイすることによって、消費量を知得できるという新たな楽しみを、プレイヤへ与えることができる。さらに、ゲーム機60が備える撮像装置63を用いてプレイヤを撮像すれば、ゲームに用いられる撮像装置63を撮像データの生成に利用できる。そのため、体重又は身長を計測する専用の計測装置を、ゲーム機60に設ける必要がない。
【0066】
[動作データ取得手段]
動作データ取得手段の一例としての動作データ取得部61Dは、撮像データを解析して、プレイヤの動作(例えばダンス動作)を記述した動作データD4を取得する。一例として、動作データD4は、ゲーム中に動作データ取得部61Dがボーン解析して取得したボーンデータである。また、動作データ取得部61Dは、プレイヤが静止姿勢をとった状態で撮像して得られる撮像データを用いて身体の少なくとも一部の位置座標を取得する。一例として、プレイヤは、体の一部の位置座標を示す連結点を特定する処理(以下、キャリブレーションともいう。)を行う場合に、静止姿勢をとるように案内される。
【0067】
例えば、キャリブレーションは、料金の支払い後又はゲームの開始から、プレイヤに対するダンス動作の案内開始又は音楽の再生開始までに行われる。なお、キャリブレーションのための撮像データは、解析部61Bによる身体情報の解析用の撮像データとは、別に撮像され且つ保存されてもよい。代替的に、プレイヤは、音楽の再生開始後に、キャリブレーションのための静止姿勢をとるように案内されてもよい。
【0068】
例えば、動作データ取得部61Dは、プレイヤが静止姿勢をとった状態で位置座標を取得する。そのために、ゲーム制御部61Eは、プレイヤに対して静止姿勢を案内する案内情報を、表示装置64に表示させてもよい。一例として、ゲーム制御部61Eは、図4に示すように「プレーエリアの中心で静止して下さい」の文字列GIを、案内情報として表示装置64に表示させる。また、ゲーム制御部61Eは、静止姿勢を案内する案内情報として、画像を表示装置64に表示させてもよい。図4の例では、案内情報として、静止姿勢を示す人型のオブジェクトPOの画像がゲーム画面GSに表示されている。
【0069】
例えば、ゲーム制御部61Eは、音楽の出力開始後且つダンス開始前に、静止姿勢を示す人型のオブジェクトPOを表示装置64に表示させる。音楽の出力開始後に案内情報が表示されることにより、ゲームの流れを止めずにキャリブレーションが行われる。そのため、プレイヤに、違和感を与えることを抑制できる。なお、キャリブレーションの際に、ゲーム制御部61Eが、静止姿勢を案内する案内情報を表示装置64に表示させなくともよい。この場合、静止姿勢をとった状態で撮像して得られる撮像データが用いられていれば、動作データ取得部61Dは、プレイヤが動いている状態で、キャリブレーションを行ってもよい。さらに、ゲーム制御部61Eは、静止姿勢を案内する案内音声を、音声出力装置65に出力させてもよい。
【0070】
また、解析部61Bは、案内情報が表示される時に撮像される撮像データを解析して、身体情報を算出してもよい。さらに、解析部61Bは、案内情報が表示される時に身体情報を解析してもよい。例えば、案内情報は、キャリブレーションを行う時、ダンス開始前の待ちポーズを指示する時、又はダンスの決めポーズを指示する時等に表示される。そして、解析部61Bは、この時に撮像される撮像データを解析して、身体情報を算出する。これにより、身体情報を算出するために必要な撮像データを取得するための専用の時間を設ける必要が無い。そのため、ゲームが中断されないので、ゲームの進行へ与える影響を小さくできる。
【0071】
また、動作データ取得部61Dが動作データD4を取得すると、ゲーム制御部61Eは、動作データD4に基づいて動作するように、表示装置64にゲームオブジェクトを表示させてもよい。具体的に、ゲーム制御部61Eは、プレイヤの動作に同期して動くように、ゲーム画面GSにゲームオブジェクトを表示させる。例えば、ゲームオブジェクトは、足又は手等の体の一部を模した画像であり、プレイヤの動作に同期するように動く。すなわち、プレイヤが足又は手を動かすと、ゲームオブジェクトもプレイヤの足又は手の動きに同期するように動く。例えば、プレイヤが腕を上下に動かすと腕のゲームオブジェクトも上下に動き、プレイヤが足を左右に動かすと足のゲームオブジェクトも左右に動く。これにより、プレイヤは、ゲームオブジェクトの動きと、ダンスオブジェクトDOの動きとを比較できる。その結果、プレイヤは、正しいダンス動作を認識できる。
【0072】
また、動作データ取得部61Dは、解析結果からプレイヤの動作データD4を取得して、ゲーム機記憶部62に記憶させる。動作データD4は、プレイヤが選択したゲームが開始してから終了するまでのプレイヤの動作を記述した情報である。例えば、ゲームは、プレイヤが開始操作をしたときに開始して、シーケンスデータによって設定されているゲーム時間が経過したときに終了する。さらに、ゲーム機制御部61は、動作データD4をゲームサーバ10に送信する。そして、サーバ記憶部12は、動作データD4をプレイデータ(不図示)に含めて記憶する。この動作データD4は、プレイヤによるダンス動作が反映されるように動作するゲームオブジェクトを生成するために利用できる。代替的に、動作データD4は、プレイヤの体の各部の位置、向き、及び変位量を示すデータであってもよい。
【0073】
また、撮像装置63に加えて、プレイヤの動きを検出する他の検出装置が設けられていてもよい。一例として、他の検出装置は、プレイヤが体に装着しているマーカーを撮像するカメラである。この場合、動作データ取得部61Dは、マーカーが映っている映像を解析して、動作データD4を取得する。また、検出装置は、プレイヤの体の動きを検出するセンサを含んでいてもよい。この場合、検出装置は、プレイヤの体の動きを検出するジャイロセンサ及び加速度センサ等の慣性センサと、検出された動きを記録する記録装置とから構成されてもよい。さらに、検出装置は、プレイヤの体の動きを検出する磁気式又は機械式のセンサと、検出された動きを記録する記録装置とから構成されてもよい。
【0074】
[ゲーム制御手段]
ゲーム制御手段の一例としてのゲーム制御部61Eは、ゲーム機プログラムPG2に基づいてゲームの進行を制御する。また、ゲーム制御部61Eは、エネルギーの消費量を示す情報を表示装置64に表示させる。例えば、ゲーム制御部61Eは、消費量を示す情報として、消費されたカロリーを表す数値、文字、又は画像等を表示装置64に表示させる。代替的に、ゲーム制御部61Eは、消費量を示す情報として、消費量が増えるにつれて長くなるバー等を表示装置64に表示させてもよい。
【0075】
また、ゲーム制御部61Eは、ゲームの進行を制御するために、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行する。一例として、ゲーム制御部61Eは、判定フレームFLに向かって移動するポーズマーカーMP1の位置及び移動速度によって、指示タイミングとダンス動作とを表示装置64に表示させる。さらに、ゲーム制御部61Eは、ダンスデータD1に基づいて生成された指示標識であって、プレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示する。
【0076】
具体的に、ゲーム制御部61Eは、ダンスデータD1に基づいて音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを表示させる。さらに、ゲーム制御部61Eは、指示データD2に基づいて、所定の指示タイミングにおいて指示標識を表示させる。これにより、ゲーム制御部61Eは、プレイ動作を行うタイミングをプレイヤに指示する。プレイヤは、ダンスオブジェクトDOの動作を真似てダンスしてもよいし、指示標識の指示に従ってダンスしてもよい。
【0077】
一例として、ゲーム制御部61Eは、ゲームサーバ10から予め取得していたダンスオブジェクトDOの画像データ等を利用して、ダンスデータD1に従ってダンスオブジェクトDOが動くゲーム画面GSを生成する。このとき、ゲーム制御部61Eは、ダンスオブジェクトDOが動くとともに、バックダンサーとなるダンスオブジェクトDOも動くゲーム画面GSを生成してもよい。また、ゲーム画面GSには、指示標識、背景、及び演出画像等の画像又は映像が含まれる。代替的に、ゲーム制御部61Eは、基準ダンス動作を踊るダンサーの動作を模倣するように動作するダンスオブジェクトDOの動画のデータを、ゲームサーバ10から予め取得していてもよい。
【0078】
ダンスオブジェクトDOの表示態様の一例として、ダンスオブジェクトDOにはボーンが設定されており、ゲーム制御部61Eは、ゲームサーバ10から予め取得していたダンサーのダンスデータD1に従って、ダンスオブジェクトDOの隣接するボーン同士の相対的な位置及び向きを変化させる。これにより、ダンスオブジェクトDOの外形も変化する。そして、ダンスオブジェクトDOの外観は、ボーンの位置及び向きの変化に伴って変化するテクスチャによって表現される。ゲーム画面GSでは、ダンサーの基準ダンス動作がダンスオブジェクトDOの動きに反映される。例えば、基準ダンス動作において腕が上下に移動すると、ダンスオブジェクトDOの腕も上下に動く。プレイヤは、表示装置64に表示されるダンスオブジェクトDOを見ながら、指示標識によって指示されるダンス動作を行うように体を動かす。
【0079】
指示標識の表示態様の一例として、ゲーム制御部61Eは、図2に示すようにポーズマーカーMP1,MP2を表示させる。具体的に、ゲーム制御部61Eは、予めゲームサーバ10から取得してゲーム機記憶部62が記憶している指示データD2に含まれている指示タイミングを読み出す。そして、ゲーム制御部61Eは、指示タイミングにポーズマーカーMP1が判定フレームFLに到達して表示されるように、ポーズマーカーMP1を表示させ且つ移動させる。また、ゲーム制御部61Eは、指示タイミングにポーズマーカーMP2が画面中央又はダンスオブジェクトDOに到達して表示されるように、ポーズマーカーMP2を表示させ且つ移動させる。
【0080】
また、指示標識の表示態様の一例として、ゲーム制御部61Eは、タッチマーカーMT1,MT2を表示装置64に表示させる。具体的に、ゲーム制御部61Eは、指示データD2に含まれている指示タイミングを読み出す。そして、指示タイミング又は指示タイミングの直前に、タッチマーカーMT1,MT2を指示データD2に示される位置に表示させる。さらに、ゲーム制御部61Eは、音声出力装置65に指示タイミングを示す音を出力させてもよい。また、ゲーム制御部61Eは、ゲーム機60に設けられた発光装置を点灯又は消灯させることによって、指示タイミングを示してもよい。さらに、ゲーム制御部61Eは、ゲーム機60に設けられた振動装置を振動させることによって、指示タイミングを示してもよい。
【0081】
さらに、ゲーム制御部61Eは、評価手段としても機能し、指示タイミングに対するプレイ動作の動作タイミングを評価する。具体的に、ゲーム制御部61Eは、プレイヤの動作データD4の解析結果に基づいて、プレイヤのプレイ動作の動作タイミングを評価する。例えば、ゲーム制御部61Eは、プレイヤの手がタッチマーカーMT2に到達する動作タイミング、又は到達すると予測される動作タイミングと、指示タイミングとを比較する。そして、ゲーム制御部61Eは、比較結果に基づいて、プレイ動作を評価する。同様に、ゲーム制御部61Eは、プレイヤの足がタッチマーカーMT1に到達する動作タイミングを評価する。
【0082】
また、ゲーム制御部61Eは、プレイヤがプレイ動作を行う動作タイミングと、ポーズマーカーMP1が判定フレームFLに到達する指示タイミングとを比較する。そして、ゲーム制御部61Eは、比較結果に基づいて、プレイ動作を評価する。若しくは、ゲーム制御部61Eは、プレイ動作を行う動作タイミングとポーズマーカーMP2による指示タイミングを比較して、プレイ動作を評価する。なお、ゲーム制御部61Eは、プレイヤの動作データD4とダンスデータD1とを比較して、プレイヤのプレイ動作が適切であるか否かも評価できる。
【0083】
そして、ゲーム制御部61Eは、動作タイミングが指示タイミングと近い場合には、高い評価をゲーム機記憶部62に記憶させる。一方、ゲーム制御部61Eは、動作タイミングが指示タイミングと遠い場合には、低い評価をゲーム機記憶部62に記憶させる。さらに、ゲーム制御部61Eは、評価結果を示す画像又は文字(例えば、「Perfect」、「Good」又は「Bad」の文字)を表示装置64に表示させてもよい。また、ゲーム制御部61Eは、音声出力装置65に評価結果を示す音声を出力させてもよい。さらに、ゲーム制御部61Eは、ゲーム機60に設けられた発光装置を点灯又は消灯させることによって、評価結果を示してもよい。また、ゲーム制御部61Eは、ゲーム機60に設けられた振動装置を振動させることによって、評価結果を示してもよい。
【0084】
また、ゲーム制御部61Eは、プレイ動作が高い評価である場合、ゲームの成績が上がるように評価して、プレイヤの成績に高い点数を加える。また、ゲーム制御部61Eは、プレイ動作が低い評価である場合、プレイヤの成績に点数を加えないか、又は低い点数を加える。さらに、ゲーム制御部61Eは、プレイ動作が低い評価である場合、プレイヤの成績から点数を減じてもよい。そして、ゲーム制御部61Eは、ゲームの成績として、スコアSCを表示装置64に表示させる。
【0085】
[算出処理フロー]
次に、図5に示すフローチャートを参照して、エネルギーの消費量の算出処理について説明する。プレイヤがゲームを開始すると、ゲーム制御部61Eは、プレイヤに対して静止姿勢を案内する案内情報を、表示装置64に表示させる(S101)。そして、撮像装置63が静止姿勢をとった状態のプレイヤを撮影し、撮像データ取得部61Aは、撮像装置63から撮像データを取得する(S102)。また、動作データ取得部61Dは、プレイヤの身体の少なくとも一部の位置座標を取得して、キャリブレーションの処理を行う(S103)。
【0086】
解析部61Bは、静止姿勢をとった状態で撮像して得られる撮像データを解析して、身体情報を算出する(S104)。その後、ゲーム制御部61Eは、音楽に対応するダンス動作をプレイヤに要求するように、ゲームの進行を制御する(S105)。そして、撮像装置63がダンスするプレイヤを撮影し、撮像データ取得部61Aは、撮像装置63から撮像データを取得する。さらに、動作データ取得部61Dは、撮像データを解析して、プレイヤのダンス動作を記述した動作データD4を取得する(S106)。
【0087】
並行して、解析部61Bは、撮像データを解析して、プレイヤがゲームをプレイしている間の運動負荷を算出する(S107)。そして、算出部61Cは、プレイヤがゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出する(S108)。また、ゲーム制御部61Eは、エネルギーの消費量を示す情報を表示装置64に表示させる(S109)。その後、ゲームが終了すれば(S110でYES)算出処理が終了し、ゲームが終了しなければ(S110でNO)消費量の算出と表示が継続される。
【0088】
以上説明したゲームシステム100によれば、撮像データを利用して、ゲームをプレイしている間のプレイヤによるエネルギーの消費量を算出でき、プレイヤに対して新たな楽しみを与えることができる。また、プレイヤの身体情報を用いて消費量の算出精度を高めながら、プレイヤに煩雑さを感じさせずに身体情報を取得できる。
【0089】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態、並びに各実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0090】
例えば、解析部61Bは、運動負荷を算出せずに身体情報のみを算出してもよい。この場合、算出部61Cは、ダンスの振り付け又は曲毎に予め定められた運動負荷を、ゲーム機記憶部62等から取得して、エネルギーの消費量を算出する。または、算出部61Cは、他の検出装置が検出した運動負荷を取得して、エネルギーの消費量を算出する。さらに、解析部61Bは、身体情報を算出せずに運動負荷のみを算出してもよい。この場合、算出部61Cは、ユーザが入力した身体情報を取得して、エネルギーの消費量を算出する。
【0091】
また、ゲームサーバ10に設けられた論理的装置の少なくとも一部は、ゲーム機60又は他のコンピュータ装置に設けることができる。さらに、ゲーム機60に設けられた論理的装置の少なくとも一部は、ゲームサーバ10又は他のコンピュータ装置に設けることができる。これらの場合、ゲーム機60、ゲームサーバ10、及び他のコンピュータ装置の少なくとも二つの装置が協働してゲームシステム100として機能する。
【0092】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0093】
(付記1)
プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステム100であって、
前記撮像データを取得する撮像データ取得手段61Aと、
前記撮像データを解析して、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出する解析手段61Bと、
前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出する算出手段61Cとを備える、ゲームシステム。
【0094】
(付記2)
前記撮像データを解析して、前記プレイヤの動作を記述した動作データD4を取得する動作データ取得手段61Dをさらに備え、
前記動作データ取得手段61Dは、前記プレイヤが静止姿勢をとった状態で撮像して得られる前記撮像データを用いて前記身体の少なくとも一部の位置座標を取得し、
前記解析手段61Bは、前記静止姿勢をとった状態で撮像して得られる前記撮像データを解析して、前記身体情報を算出する、付記1に記載のゲームシステム。
【0095】
(付記3)
表示装置64と、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御手段61Eとをさらに備え、
前記ゲームは、前記プレイヤの動作として、音楽に対応するダンス動作を前記プレイヤに要求するように構成されており、
前記ゲーム制御手段61Eは、前記ダンス動作を記述した前記動作データD4に基づいて動作するように、前記表示装置64にゲームオブジェクトを表示させる、付記2に記載のゲームシステム。
【0096】
(付記4)
表示装置64と、
前記ゲームの進行を制御するゲーム制御手段61Eとをさらに備え、
前記ゲーム制御手段61Eは、前記プレイヤに対して静止姿勢を案内する案内情報GIを、前記表示装置64に表示させ、
前記解析手段61Bは、前記案内情報GIが表示されるときに撮像される前記撮像データを解析して、前記身体情報を算出する、付記1又は2に記載のゲームシステム。
【0097】
(付記5)
前記ゲーム制御手段61Eは、前記消費量を示す情報を前記表示装置64に表示させる、付記4に記載のゲームシステム。
【0098】
(付記6)
前記解析手段61Bは、前記身体情報として前記プレイヤの身長と体重を算出するとともに、前記運動負荷として前記身体の少なくとも一部の変位量を算出し、
前記算出手段61Cは、前記体重と前記変位量とに基づいて前記消費量を算出する、付記1から5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0099】
(付記7)
前記解析手段61Bは、前記プレイヤの体型に応じたボディ・マス指数を算出する、付記1から6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0100】
(付記8)
前記解析手段61Bは、前記運動負荷として前記身体の複数の部分の変位量を算出し、
前記算出手段61Cは、前記消費量を算出する際に、前記複数の部分の少なくとも一つの部分の重み付けを、前記複数の部分の他の部分の重み付けとは異ならせる、付記1から7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0101】
(付記9)
前記解析手段61Bは、前記身体の少なくとも一部の移動方向を算出し、
前記算出手段61Cは、前記移動方向に基づいて前記消費量を算出する、付記1から8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【0102】
(付記10)
前記算出手段61Cは、前記消費量を算出する際に、少なくとも一つの移動方向の重み付けを、他の移動方向の重み付けとは異ならせる、付記9に記載のゲームシステム。
【0103】
(付記11)
コンピュータ61を備え、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステム100の制御方法であって、
前記コンピュータ61に、
前記撮像データを取得させ、
前記撮像データを解析させて、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出させ、
前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出させる、制御方法。
【0104】
(付記12)
コンピュータ61を備え、プレイヤを撮像して得られる撮像データを用いたゲームを提供するゲームシステム100のコンピュータプログラムPG2であって、
前記コンピュータ61に、
前記撮像データを取得させ、
前記撮像データを解析させて、前記プレイヤの身体に関する身体情報と、前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間の運動負荷との少なくとも一方を算出させ、
前記プレイヤが前記ゲームをプレイしている間に消費するエネルギーの消費量を算出させる、コンピュータプログラム。
【0105】
付記1に記載のゲームシステム100、付記11に記載の制御方法、及び付記12に記載のコンピュータプログラムPG2によれば、撮像データを利用して、ゲームをプレイしている間のプレイヤによるエネルギーの消費量を算出でき、プレイヤに対して新たな楽しみを与えることができる。また、プレイヤの身体情報を用いて消費量の算出精度を高めながら、プレイヤに煩雑さを感じさせずに身体情報を取得できる。さらに、ゲーム機60が備える撮像装置63を用いてプレイヤを撮像すれば、ゲームに用いられる撮像装置63を撮像データの生成に利用できる。そのため、体重又は身長を計測する専用の計測装置を、ゲーム機60に設ける必要がない。
【0106】
また、付記2から4に記載のゲームシステム100によれば、身体情報を算出するために必要な撮像データを取得するための専用の時間を設ける必要が無く、ゲームが中断されないのでゲームの進行へ与える影響を小さくできる。また、付記5に記載のゲームシステム100によれば、ゲーム中に消費されたエネルギーの消費量を、所望のタイミングでプレイヤへ提示できる。また、付記6から10に記載のゲームシステム100によれば、エネルギーの消費量の算出精度をより高めることができる。
【符号の説明】
【0107】
61 :ゲーム機制御部(コンピュータ)
61A :撮像データ取得手段
61B :解析手段
61C :算出手段
61D :動作データ取得手段
61E :ゲーム制御手段
64 :表示装置
100 :ゲームシステム
D4 :動作データ
GI :文字列(案内情報)
PG2 :ゲーム機プログラム(コンピュータプログラム)
図1
図2
図3
図4
図5