(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058734
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】炭酸飲料用ボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 51/16 20060101AFI20240422BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20240422BHJP
A47J 41/02 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B65D51/16 310
A47J41/00 304B
A47J41/02 104B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166009
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】390035091
【氏名又は名称】スケーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】鴻池 良一
【テーマコード(参考)】
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AB01
3E084CA01
3E084DB12
3E084FB03
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HB05
3E084HC03
3E084HD04
3E084KA04
4B002AA02
4B002BA07
4B002BA15
4B002CA39
(57)【要約】
【課題】炭酸飲料を収容した断熱性のボトル本体にキャップユニットを装着することにより密閉された飲料保存状態を可能とする炭酸飲料用ボトルを提供する。
【解決手段】炭酸飲料を収容したボトル本体の筒口部にキャップユニットを装着することにより密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガス抜き通路(15)から分岐通路(16)を経て、前記筒状シール部(17a)を弾性変形させることにより、ガスが外部に放出されるように構成され、前記飲料保存状態から、操作装置(7)を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記可変隙間部(S)を広げることにより、ボトル本体の内部に充満したガスが開閉用シール部(17c)を通過して出口部(15b)から外部に放出されるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒口部(1a)に雌ネジ(3a)を設けた断熱性のボトル本体(1)と、前記雌ネジに螺合する雄ネジ(3b)により筒口部を開閉自在に閉鎖するキャップユニット(2)を備え、ボトル本体に収容した炭酸飲料を前記筒口部から注出する構成とされ、前記雄ネジは雌ネジに対して、正転回動(F)によりねじ込み方向(D)に移動し、逆転回動(R)によりねじ戻し方向(U)に移動する構成において、
前記キャップユニット(2)は、前記雄ネジのねじ込みにより前記筒口部の内周部を気密的にシールするシールパッキン(2a)を設けた栓装置(4)と、前記筒口部の上方から前記栓装置を正逆回転させる操作装置(7)から成り、
前記栓装置と操作装置は、相互に上向き筒部(6)と下向き筒部(9)を挿入することにより組み合わされ、操作装置(7)を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、該操作装置(7)を前記栓装置(4)に対してそれぞれねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置(4)を操作装置に追従して回転させるように構成した連結回転機構(11)を設けており、
更に、前記栓装置と操作装置の相互に、操作装置(7)をねじ込み方向に移動したとき狭まり、ねじ戻し方向に移動させたとき広がる可変隙間部(S)が外気に通じて形成され、
前記キャップユニット(2)にはボトル本体の内部に連通するガス抜き通路(15)と、ガス抜きパッキン(17)が設けられ、
前記ガス抜き通路(15)は、前記筒部(6)を貫通して外気に通じる分岐路(16)と、前記可変隙間部(S)に臨む出口部(15b)を備え、
前記ガス抜きパッキン(17)は、前記分岐路(16)を含んで前記筒部(6)を被覆する筒状シール部(17a)と、前記可変隙間部(S)に挿入される開閉用シール部(17c)を一体に形成しており、前記可変隙間部(S)が広げられた状態から狭められたとき該隙間部が開閉用シール部(17c)により閉じられて前記出口部(15b)をシールするように構成され、
炭酸飲料を収容したボトル本体の筒口部にキャップユニットを装着することにより密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガス抜き通路(15)から分岐通路(16)を経て、前記筒状シール部(17a)を弾性変形させることにより、ガスが外部に放出されるように構成され、
前記飲料保存状態から、操作装置(7)を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記可変隙間部(S)を広げることにより、ボトル本体の内部に充満したガスが開閉用シール部(17c)を通過して出口部(15b)から外部に放出されるように構成されて成ることを特徴とする炭酸飲料用ボトル。
【請求項2】
筒口部(1a)に雌ネジ(3a)を設けた断熱性のボトル本体(1)と、前記雌ネジに螺合する雄ネジ(3b)により筒口部を開閉自在に閉鎖するキャップユニット(2)を備え、ボトル本体に収容した炭酸飲料を前記筒口部から注出する構成とされ、前記雄ネジは雌ネジに対して、正転回動(F)によりねじ込み方向(D)に移動し、逆転回動(R)によりねじ戻し方向(U)に移動する構成において、
前記キャップユニット(2)は、前記雄ネジのねじ込みにより前記筒口部の内周部を気密的にシールするシールパッキン(2a)を設けた栓装置(4)と、前記筒口部の上方から前記栓装置を正逆回転させる操作装置(7)から成り、
前記栓装置と操作装置は、栓装置の上向き筒部(6)に前記操作装置の下向き筒部(9)を挿入すると共に、両筒部(6)(9)の相互に、操作装置(7)を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、該操作装置(7)を前記栓装置(4)の内部でそれぞれねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置(4)を操作装置に追従して回転させるように構成した連結回転機構(11)を設け、
上向き筒部(6)と下向き筒部(9)の相互間には、操作装置(7)をねじ込み方向に移動したとき狭まり、ねじ戻し方向に移動させたとき広がる可変隙間部(S)が形成されており、
前記キャップユニット(2)は、内部にガス抜き通路(15)を形成し、前記上向き筒部(6)にガス抜きパッキン(17)を設けており、
前記ガス抜き通路(15)は、ボトル本体の内部に連通する連通路(15a)と、前記可変隙間部(S)を介して外気に連通する出口部(15b)と、前記上向き筒部(6)に貫設された孔を介して外気に連通する分岐路(16)を備え、
前記ガス抜きパッキン(17)は、前記出口部(15b)に臨んで可変隙間部(S)に配置された開閉用シール部(17c)と、前記分岐通路(16)を含んで上向き筒部(6)の外周を被覆する筒状シール部(17a)を備えており、
ボトル本体に炭酸飲料を収容し、前記可変隙間部(S)を狭めることにより圧縮した開閉用シール部(17c)で出口部(15b)をシールすると共に、栓装置(4)をねじ込むことによりシールパッキン(2a)で筒口部(1a)をシールすることにより、ボトル本体を密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガス抜き通路(15)から分岐通路(16)を経て、前記筒状シール部(17a)を弾性変形させることにより、ガスを外部に放出するように構成され、
前記飲料保存状態から、操作装置(7)を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記可変隙間部(S)が広がることにより、ボトル本体の内部に充満したガスを出口部(15b)から外部に放出するように構成されて成ることを特徴とする炭酸飲料用ボトル。
【請求項3】
筒口部(1a)に雌ネジ(3a)を設けた断熱性のボトル本体(1)と、前記雌ネジに螺合する雄ネジ(3b)により筒口部を開閉自在に閉鎖するキャップユニット(2)を備え、ボトル本体に収容した炭酸飲料を前記筒口部から注出する構成とされ、前記雄ネジは雌ネジに対して、正転回動(F)によりねじ込み方向(D)に移動し、逆転回動(R)によりねじ戻し方向(U)に移動する構成において、
前記キャップユニット(2)は、前記雄ネジのねじ込みにより前記筒口部の内周部を気密的にシールするシールパッキン(2a)を設けた栓装置(4)と、前記筒口部の上方から前記栓装置を正逆回転させる操作装置(7)から成り、栓装置の上向き筒部(6)に前記操作装置の下向き筒部(9)を挿入することにより構成され、
前記栓装置(4)と操作装置(9)の相互に、連結回転機構(11)と、ガス抜き機構(12)が設けられており、
前記連結回転機構(11)は、操作装置(7)を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、該操作装置(7)を前記栓装置(4)に対してそれぞれねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置(4)を操作装置に追従して回転させるように構成されており、
前記ガス抜き機構(12)は、
前記上向き筒部(6)と下向き筒部(9)の間に形成されており、下部をボトル本体の内部に連通し、上部に出口部(15b)を有する筒状のガス抜き通路(15)と、
前記ガス抜き通路から上向き筒部(6)を貫通する分岐通路(16)と、
前記出口部(15b)に臨んで上向き筒部(6)の上端部を被覆する環状の開閉用シール部(17c)と、前記分岐通路(16)を含んで上向き筒部(6)の外周部を被覆する筒状シール部(17a)を備えたガス抜きパッキン(17)と、
前記操作装置(7)の下向き筒部(9)の基部から前記ガス抜き通路(15)の出口部(15b)と開閉用シール部(17c)に対向するように形成されたシール面(18)により構成されており、
ボトル本体に炭酸飲料を収容し、栓装置(4)のシールパッキン(2a)により筒口部(1a)をシールすると共に、操作装置(7)のシール面(18)を開閉用シール部(17c)に密着させて出口部(15b)をシールすることにより、ボトル本体の内部を密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガスをガス抜き通路(15)から分岐通路(16)を経て、前記筒状シール部(17a)を弾性変形させることにより、外部に放出するように構成され、
前記飲料保存状態から、操作装置(7)を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記シール面(18)が開閉用シール部(17c)から離れることにより、ボトル本体の内部に充満したガスを出口部(15b)から外部に放出するように構成されて成ることを特徴とする炭酸飲料用ボトル。
【請求項4】
前記ガス抜きパッキン(17)は、前記開閉用シール部(17c)を前記筒状シール部(17a)の上端(17b)から内向きに周設すると共に、該開閉用シール部の内周部に沿って上向きに突出するリブ部(17d)を周設しており、
前記飲料保存状態において、前記リブ部(17d)は前記操作装置の前記シール面(18)により圧縮されるが、筒状シール部(17a)の上面は前記シール面(18)から離間させられるように構成されて成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の炭酸飲料用ボトル。
【請求項5】
前記連結回転機構(11)は、回転自在に挿入された前記栓装置の上向き筒部(6)と、前記操作装置の下向き筒部(9)の相互において、一方の筒部に形成された螺旋溝(13)と、他方の筒部に設けられて前記螺旋溝に摺動自在に嵌合された突部(14)により構成されており、
前記操作装置(7)を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、突部(14)が螺旋溝(13)に沿って摺動することにより、栓装置(4)に対して操作装置をねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、
前記所定回転角度を超えて回転させたとき、突部(14)が螺旋溝(13)の端部に当接することにより、栓装置(4)を操作装置に追従して回転させるように構成されて成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の炭酸飲料用ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸飲料を収容した断熱性のボトル本体にキャップユニットを装着することにより密閉された飲料保存状態を可能とする炭酸飲料用ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の飲料用ボトルが販売されているが、炭酸飲料用ボトルとして満足できるものが提供されていない。
【0003】
炭酸飲料は、冷却状態で断熱性のボトルに充満して気密的にシールすると、ガスの発生を抑制することができるが、ボトル内部に飲料が充填されていない空間が存在した状態で揺すったり、冷却状態から温度が上昇したりすると、ガスの発生が活性化されることになる。
【0004】
そこで、ボトルの内部が所定圧力以上の高圧状態になると、ボトルを密閉したキャップが飛ばされるという暴発事故を招来する危険がある。
【0005】
また、ボトル内部が所定圧力とされている状態でも、ボトル内部にガスが充満しているので、ユーザが飲用のためにキャップを取り外すと、ガスと共に飲料が噴き出し、衣服等を汚損する問題がある。
【0006】
このため、特許文献1や特許文献2のような飲料用ボトルが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-68267号公報
【特許文献2】特開2003-38360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1により提案された飲料用ボトルは、ボトル本体の口筒部に設けた雌ネジにキャップの筒部に設けた雄ネジをねじ込む構成とされ、ネジ部の上下にシール用のパッキンを設け、ボトル内部の圧力が上昇すると、キャップの筒部が膨らみ、ネジ部の螺合を強め、パッキンを強く密着させることにより、キャップを外れ難くするように構成している。しかしながら、このようにシールを強めるように構成することは、ボトル内部の圧力が更に上昇したときは、暴発のおそれがあり、極めて危険である。
【0009】
特許文献2により提案された飲料用ボトルは、栓体に設けた排圧通路に圧力調整弁を設け、常圧時には閉弁するが、高圧時には開弁することにより、ボトル内部の圧力を減圧させるように構成している。しかしながら、圧力調整弁のためにスプリング等を使用することは構造の複雑化を招来する問題があり、しかも、減圧調整が緩く設定されている場合は、炭酸飲料の気が抜けてしまうおそれがあり、減圧調整が固く設定されている場合は、開栓時に飲料が噴き出して衣服等を汚損するおそれがある。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決した炭酸飲料用ボトルの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明が第1の手段として構成したところは、筒口部に雌ネジを設けた断熱性のボトル本体と、前記雌ネジに螺合する雄ネジにより筒口部を開閉自在に閉鎖するキャップユニットを備え、ボトル本体に収容した炭酸飲料を前記筒口部から注出する構成とされ、前記雄ネジは雌ネジに対して、正転回動によりねじ込み方向に移動し、逆転回動によりねじ戻し方向に移動する構成において、前記キャップユニットは、前記雄ネジのねじ込みにより前記筒口部の内周部を気密的にシールするシールパッキンを設けた栓装置と、前記筒口部の上方から前記栓装置を正逆回転させる操作装置から成り、前記栓装置と操作装置は、相互に上向き筒部と下向き筒部を挿入することにより組み合わされ、操作装置を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、該操作装置を前記栓装置に対してそれぞれねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置を操作装置に追従して回転させるように構成した連結回転機構を設けており、更に、前記栓装置と操作装置の相互に、操作装置をねじ込み方向に移動したとき狭まり、ねじ戻し方向に移動させたとき広がる可変隙間部が外気に通じて形成され、前記キャップユニットにはボトル本体の内部に連通するガス抜き通路と、ガス抜きパッキンが設けられ、前記ガス抜き通路は、前記筒部を貫通して外気に通じる分岐路と、前記可変隙間部に臨む出口部を備え、前記ガス抜きパッキンは、前記分岐路を含んで前記筒部を被覆する筒状シール部と、前記可変隙間部に挿入される開閉用シール部を一体に形成しており、前記可変隙間部が広げられた状態から狭められたとき該隙間部が開閉用シール部により閉じられて前記出口部をシールするように構成され、炭酸飲料を収容したボトル本体の筒口部にキャップユニットを装着することにより密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガス抜き通路から分岐通路を経て、前記筒状シール部を弾性変形させることにより、ガスが外部に放出されるように構成され、前記飲料保存状態から、操作装置を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記可変隙間部を広げることにより、ボトル本体の内部に充満したガスが開閉用シール部を通過して出口部から外部に放出されるように構成されて成る点にある。
【0012】
また、本発明が第2の手段として構成したところは、筒口部に雌ネジを設けた断熱性のボトル本体と、前記雌ネジに螺合する雄ネジにより筒口部を開閉自在に閉鎖するキャップユニットを備え、ボトル本体に収容した炭酸飲料を前記筒口部から注出する構成とされ、前記雄ネジは雌ネジに対して、正転回動によりねじ込み方向に移動し、逆転回動によりねじ戻し方向に移動する構成において、前記キャップユニットは、前記雄ネジのねじ込みにより前記筒口部の内周部を気密的にシールするシールパッキンを設けた栓装置と、前記筒口部の上方から前記栓装置を正逆回転させる操作装置から成り、前記栓装置と操作装置は、栓装置の上向き筒部に前記操作装置の下向き筒部を挿入すると共に、両筒部の相互に、操作装置を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、該操作装置を前記栓装置の内部でそれぞれねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置を操作装置に追従して回転させるように構成した連結回転機構を設け、上向き筒部と下向き筒部の相互間には、操作装置をねじ込み方向に移動したとき狭まり、ねじ戻し方向に移動させたとき広がる可変隙間部が形成されており、前記キャップユニットは、内部にガス抜き通路を形成し、前記上向き筒部にガス抜きパッキンを設けており、前記ガス抜き通路は、ボトル本体の内部に連通する連通路と、前記可変隙間部を介して外気に連通する出口部と、前記上向き筒部に貫設された孔を介して外気に連通する分岐路を備え、前記ガス抜きパッキンは、前記出口部に臨んで可変隙間部に配置された開閉用シール部と、前記分岐通路を含んで上向き筒部の外周を被覆する筒状シール部を備えており、ボトル本体に炭酸飲料を収容し、前記可変隙間部を狭めることにより圧縮した開閉用シール部で出口部をシールすると共に、栓装置をねじ込むことによりシールパッキンで筒口部をシールすることにより、ボトル本体を密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガス抜き通路から分岐通路を経て、前記筒状シール部を弾性変形させることにより、ガスを外部に放出するように構成され、前記飲料保存状態から、操作装置を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記可変隙間部が広がることにより、ボトル本体の内部に充満したガスを出口部から外部に放出するように構成されて成る点にある。
【0013】
更に、本発明が第3の手段として構成したところは、筒口部に雌ネジを設けた断熱性のボトル本体と、前記雌ネジに螺合する雄ネジにより筒口部を開閉自在に閉鎖するキャップユニットを備え、ボトル本体に収容した炭酸飲料を前記筒口部から注出する構成とされ、前記雄ネジは雌ネジに対して、正転回動によりねじ込み方向に移動し、逆転回動によりねじ戻し方向に移動する構成において、前記キャップユニットは、前記雄ネジのねじ込みにより前記筒口部を気密的にシールするシールパッキンを設けた栓装置と、前記筒口部の上方から前記栓装置を正逆回転させる操作装置から成り、栓装置の上向き筒部に前記操作装置の下向き筒部を挿入することにより構成され、前記栓装置と操作装置の相互に、連結回転機構と、ガス抜き機構が設けられており、前記連結回転機構は、操作装置を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、該操作装置を前記栓装置に対してそれぞれねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置を操作装置に追従して回転させるように構成されており、前記ガス抜き機構は、前記上向き筒部と下向き筒部の間に形成されており、下部をボトル本体の内部に連通し、上部に出口部を有するガス抜き通路と、前記ガス抜き通路に臨んで上向き筒部を貫通する分岐通路と、前記出口部に臨んで上向き筒部の上端部を被覆する開閉用シール部と、前記分岐通路を含んで上向き筒部の外周部を被覆する筒状シール部を備えたガス抜きパッキンと、前記操作装置の下向き筒部の基部から前記ガス抜き通路の出口部と開閉用シール部に対向するように形成されたシール面により構成されており、ボトル本体に炭酸飲料を収容し、栓装置のシールパッキンにより筒口部をシールすると共に、操作装置のシール面を開閉用シール部に密着させて出口部をシールすることにより、ボトル本体の内部を密閉した飲料保存状態において、ボトル本体の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガスをガス抜き通路から分岐通路を経て、前記筒状シール部を弾性変形させることにより、外部に放出するように構成され、前記飲料保存状態から、操作装置を前記所定回転角度だけねじ戻したときは、前記シール面が開閉用シール部から離れることにより、ボトル本体の内部に充満したガスを出口部から外部に放出するように構成されて成る点にある。
【0014】
好ましくは、前記ガス抜きパッキンは、前記開閉用シール部を前記筒状シール部の上端から内向きに周設すると共に、該開閉用シール部の内周部に沿って上向きに突出するリブ部を周設しており、前記飲料保存状態において、前記リブ部は前記操作装置の前記シール面により圧縮されるが、筒状シール部の上面は前記シール面から離間させられるように構成されている。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、前記連結回転機構は、回転自在に挿入された前記栓装置の上向き筒部と、前記操作装置の下向き筒部の相互において、一方の筒部に形成された螺旋溝と、他方の筒部に設けられて前記螺旋溝に摺動自在に嵌合された突部により構成されており、前記操作装置を所定回転角度だけ正転方向と逆転方向に回転させたとき、突部が螺旋溝に沿って摺動することにより、栓装置に対して操作装置をねじ込み方向とねじ戻し方向に移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、突部が螺旋溝の端部に当接することにより、栓装置を操作装置に追従して回転させるように構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、炭酸飲料を収容したボトル本体1の筒口部1aにキャップユニット2を装着することにより密閉した飲料保存状態において、ボトル本体1の内部にガスによる所定圧力PNを超える高圧PXの状態が生じたときは、ガスをガス抜き通路15から分岐通路16を経て、筒状シール部17aを弾性変形させることにより、外部に放出することができる。そして、前記飲料保存状態から、操作装置7所定回転角度だけねじ戻したときは、栓装置4を筒口部1aに装着した状態で、開閉用シール部17cによるシールを解除してガス抜き通路15の出口部15bを開放することにより、前記所定圧力PNを大気圧まで減圧することができるので、飲料が噴き出すことはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る炭酸飲料用ボトルを示す断面図である。
【
図2】キャップユニットの分解状態を示す斜視図である。
【
図3】キャップユニットを構成する栓装置と操作装置を分離した状態を示しており、(A)は
図2のY矢視方向の断面図、(B)は
図2のX矢視方向の断面図である。
【
図4】操作装置と栓装置の相互に設けられた連結回転機構の作用を示しており、(A)は
図2のY矢視方向の断面図、(B)は
図2のX矢視方向の断面図である。
【
図5】操作装置と栓装置の相互に設けられたガス抜き機構を示す断面図である。
【
図6】本発明の作用に関し、(A)はキャップユニットをボトル本体の口筒部に臨ませた状態を示す断面図、(B)は操作装置を正転回動することにより栓装置の雄ネジを口筒部の雌ネジにねじ込んでいる状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の作用に関し、ボトル本体の内部が所定圧力を超えていないときの作用を説明しており、(A)はボトル本体の口筒部にキャップユニットが装着された状態を示す断面図、(B)はガス抜き機構を示す拡大断面図である。
【
図8】本発明の作用に関し、ボトル本体の内部が所定圧力を超える高圧状態とされたときの作用を説明しており、(A)はボトル本体の口筒部にキャップユニットが装着された状態を示す断面図、(B)はガス抜き機構を示す拡大断面図である。
【
図9】本発明の作用に関し、ボトル本体の筒部からキャップユニットを取り外す際に操作装置を逆転回動したときの作用を説明しており、(A)はボトル本体の口筒部が栓装置によりシールされた状態で操作装置が逆転回動したときの状態を示す断面図、(B)はガス抜き機構を示す拡大断面図である。
【
図10】本発明の作用に関し、ボトル本体の筒部から栓装置をねじ戻すことにより取り外している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0019】
図1に示すように、炭酸飲料用ボトルは、ステンレス製の真空断熱容器により形成されたボトル本体1と、該ボトル本体1の筒口部1aを開閉自在に閉鎖するキャップユニット2により構成されている。
【0020】
開閉手段として、相互に螺合する雌ネジ3aと雄ネジ3bがそれぞれ筒口部1aとキャップユニット2に設けられており、雄ネジ3bは雌ネジ3aに対して、正転方向Fの回動によりねじ込み方向D(図示下向き方向)に移動し、逆転方向R回動によりねじ戻し方向U(図示上向き方向)に移動する。
【0021】
ボトル本体1は、キャップユニット2を取外した状態で筒口部1aから炭酸飲料Qを注入することにより収容し、筒口部1aをキャップユニット2で閉鎖することにより、炭酸飲料Qを保存する。炭酸飲料Qを飲用するときは、キャップユニット2を取外すことにより筒口部1aを開口させ、炭酸飲料Qを注出する。
【0022】
(キャップユニットの構成)
図2ないし
図5に示すように、前記キャップユニット2は、前記雄ネジ3aのねじ込みにより前記筒口部1aの内周部を気密的にシールするシールパッキン2aを設けた栓装置4と、前記筒口部1aの上方から前記栓装置4を正逆回転させる操作装置7により構成されている。
【0023】
栓装置4は、上下を開放されたほぼ円筒体により形成され、リング状の前記シールパッキン2aを装着した下端部5から上向き筒部6を延設している。上向き筒部6は、下側筒部6aと上側筒部6bを有しており、下側筒部6aの外周には前記雄ネジ3aが形成されており、上側筒部6bは、後述するガス抜き機構の一部を構成する。
【0024】
これに対して、操作装置7は、栓装置4よりも大径の円形とされた頂部8aの周囲に周壁8bを周設した下向きカップ状の操作体8と、該操作体8の中心部に設けられた下向き筒部9を備えており、下向き筒部9の上端のフランジ9aを前記頂部8aの下面に高周波溶着その他の方法で結合一体化している。図示実施形態の場合、下向き筒部9の内部には、上下方向の中間位置に隔壁9bを設けており、該隔壁9b頂部8aの間の内部空間に断熱材10を装填している。
【0025】
キャップユニット2は、栓装置4の上向き筒部6に対して、操作装置7の下向き筒部9を回転可能に挿入すると共に、連結することにより構成されている。そこで、栓装置4と操作装置7の相互に、連結回転機構11と、ガス抜き機構12が設けられている。
【0026】
(連結回転機構)
連結回転機構11は、操作装置7を所定回転角度だけ正転方向Fと逆転方向Rに回転させたとき、該操作装置7を前記栓装置4に対してそれぞれねじ込み方向Dとねじ戻し方向Uに移動させ、前記所定回転角度を超えて回転させたとき、栓装置4を操作装置7に追従して回転させるように構成している。
【0027】
連結回転機構11の1例として、回転自在に挿入された上向き筒部6と下向き筒部9の相互において、一方の筒部に形成された螺旋溝13と、他方の筒部に設けられて前記螺旋溝13に摺動自在に嵌合された突部14により構成することができる。図示実施形態の場合、下向き筒部9の外周面のうち直径方向に対向する2個所に螺旋溝13を形成すると共に、下向き筒部9の下端から螺旋溝13に向けて導入溝13aを形成しており、これに対して、上向き筒部6の内周面のうち直径方向に対向する2個所に突部14を設けている。従って、下向き筒部9を上向き筒部6に挿入する際、前記突部14は、導入溝13aから螺旋溝13に導かれ、摺動自在に嵌合させられる。
【0028】
突部14を螺旋溝13に摺動自在に嵌合した状態で、操作装置7の下向き筒部9を正転方向Fに回動すると、螺旋溝13の一方の端部に形成された端部13fが上向き筒部6の突部14に当接する。反対に、下向き筒部9を逆転方向Rに回動すると、螺旋溝13の他方の端部に形成された端部13rが上向き筒部6の突部14に当接する。
【0029】
従って、操作装置7は、螺旋溝13の長さにより定められた所定回転角度だけ正転方向F又は逆転方向Rに回転したとき、突部14を螺旋溝13に沿って摺動させることにより、栓装置4に対して、ねじ込み方向D又はねじ戻し方向Uに移動する。
【0030】
そして、操作装置7は、前記所定回転角度を超えて正転方向F又は逆転方向Rに回転すると、螺旋溝13の端部13f又は端部13rが突部14に当接することにより、栓装置4を操作装置7に追従して正転方向F又は逆転方向Rに回転させる。
【0031】
図4に示すように、栓装置4の上向き筒部6の上端と、操作装置7の下向き筒部9の基端部に設けられたフランジ9aの間には、外気に通じる離間空間が形成されている。該空間は、
図4(A)に示すように、操作装置7を所定回転角度だけ正転方向F1に回転させることによりねじ込み方向D1に移動したときは、狭まり、
図4(B)に示すように、操作装置7を所定回転角度だけ逆転方向R1に回転させることによりねじ戻し方向U1に移動させたときは、広がるようにされた可変隙間部Sを構成する。
【0032】
(ガス抜き機構)
前記ガス抜き機構12は、
図5に示すように、前記上向き筒部6と下向き筒部9の間に形成された筒状のガス抜き通路15と、該ガス抜き通路15から上向き筒部6を貫通して外気に通じる分岐通路16と、上向き筒部6の上側筒部6bに装着されたガス抜きパッキン17により構成されている。
【0033】
前記ガス抜き通路15は、前記導入溝13aに臨んで下向き筒部9に貫設された連通路15aを介してボトル本体1の内部に連通させられており、上部に前記可変隙間部Sに臨む出口部15bを設けている。この際、前記下向き筒部9の基端部に設けられたフランジ9aは、前記出口部15bに対面するシール面18を形成している。
【0034】
前記ガス抜きパッキン17は、ゴム等の弾性材によりほぼ円筒状に一体成形され、上向き筒部6における分岐通路16を含んで上側筒部6bの外周部を被覆する筒状シール部17aと、上側筒部6bの頂面を超えて延びる筒状シール部17aの上端17bから内向きに周設されることにより上側筒部6bの頂面を被覆する環状の開閉用シール部17cを備えている。この際、開閉用シール部17cは、内周部に沿って上向きに突出するリブ部17dを周設している。
【0035】
図示実施形態の場合、筒状シール部17aの下端に内向きの周条17eを設け、上向き筒部6の外周に前記周条17eに嵌合する周溝6cを設けている。これにより、ガス抜きパッキン17は、上部においては開閉用シール部17cが上向き筒部6の頂面に係合し、下部においては周条17eが周溝6cに係合するので、上向き筒部6の上下方向に関して位置決め状態で取付けることができる。
【0036】
(連結回転機構とガス抜き機構の関係)
図4(A)は、キャップユニット2をボトル本体1の筒口部1aに装着ときの作用を示している。操作装置7は、所定回転角度だけ正転方向F1に回転したとき、栓装置4の内部においてねじ込み方向D1に移動する。これにより、前記可変隙間部Sが狭められてリブ部17dを含む開閉用シール部17cにより閉じられる。換言すると、前記シール面18がガス抜きパッキン17のリブ部17dに密着し、前記出口部15bをシールする。
【0037】
所定回転角度を超えて更に操作装置7を正転方向に回転すると、これに追従して栓装置4が正転方向F2に回転させられるので、雄ネジ3aをボトル本体1の雌ネジ3bに螺合した状態で、ねじ込み方向D2に移動させることができ、シールパッキン2aにより筒口部1aをシールする。
【0038】
図4(B)は、キャップユニット2をボトル本体1の筒口部1aから取外すときの作用を示している。操作装置7は、所定回転角度だけ逆転方向R1に回転したとき、栓装置4の内部でねじ戻し方向U1に移動する。これにより、前記可変隙間部Sが広げられ、リブ部17dを含む開閉用シール部17cを通過する隙間を形成する。換言すると、前記シール面18がガス抜きパッキン17のリブ部17dから離れることにより、前記出口部15bを開放する。
【0039】
図5は、ボトル本体1に炭酸飲料を収容した状態で筒口部1aにキャップユニット2を装着した飲料保存状態を示しており、筒口部1aは、シールパッキン2aによりシールされている。ボトル本体1の内部は、ガスにより大気圧よりも高い所定圧力を生じている。ガスGは、ボトル本体1の内部から連通路15aを介してガス抜き通路15に進入し、ガス抜き通路15の内部を所定圧力と同一圧力に保持する。このとき、ガス抜き通路15の圧力は、分岐通路16からガス抜きパッキン17の筒状シール部17aに作用するが、分岐通路16を閉鎖した筒状シール部17aの弾着力が勝ることにより、シール状態が保たれている。同時に、ガス抜き通路15の圧力は、出口部15bから開閉用シール部17c及びリブ部17dに作用するが、シール面18がリブ部17dに圧着されているので、シール状態が保たれている。
【0040】
ところで、ボトル本体1の内部にガスによる所定圧力を超える高圧状態が生じたときは、ガス抜き通路15の内部も高圧となるので、分岐通路16を介して、図示鎖線で示すように、筒状シール部17aが外向きに弾性変形する。これにより、上向き筒部6の外周面に隙間が生じるので、ガスGを外部に放出させることができる。その後、圧力が所定圧力に戻ると、筒状シール部17aが弾性復元し、分岐通路16を閉鎖する。
【0041】
この際、ガス抜きパッキン17は、リブ部17dがシール面18により押圧されている反面、筒状シール部17a及びその上端17bは、外側から拘束される部材を有しておらず、自由に弾性変形可能な状態とされている。このため、超高圧の圧力が作用したとき、図示鎖線で示すように、上端17bから下向きに延びる筒状シール部17aが適度に弾性変形する。
【0042】
図示実施形態の場合、ガス抜きパッキン17は、筒状シール部17aを上向き筒部6の外周面の全体を包囲して弾着しており、前記分岐通路16は、上向き筒部6の直径方向の2個所に位置して貫設された小孔により形成されている。従って、ボトル本体1の内部圧力がキャップユニット2と筒口部1aの相互に螺着されたネジ3a、3bを変形させるほどの超高圧状態に近づいたときにだけ、筒状シール部17aが分岐通路16を外部に向けて開放させるように構成されている。換言すると、超高圧ではない常圧状態においては、ボトル本体1の内部に充満するガスが外部に漏洩するおそれはなく、炭酸飲料が気の抜けた飲料になることはない。
【0043】
(作用)
図6は、キャップユニット2をボトル本体1の筒口部1aに装着するときの作用を示している。
図7は、炭酸飲料を収容したボトル本体1をキャップユニット2により密閉した飲料保存状態において、内部が所定圧力以下の常圧とされているときの作用を示している。
図8は、前記飲料保存状態において、内部が所定圧力を超える超高圧状態とされたときの作用を示している。
図9は、前記飲料保存状態から、操作装置7を所定回転角度だけ逆転回動したときの作用を示している。
図10は、所定回転角度を超えて操作装置7を逆転回動したときの作用を示している
【0044】
図6(A)に示すように、キャップユニット2は、操作装置7を所定回転角度だけ正転方向F1に回転すると、栓装置4の内部に向けてねじ込み方向D1に移動する。そして、更に、所定回転角度を超えて操作装置7を正転方向F1に回転すると、栓装置4を追従して正転方向F2に回転させることができる。従って、
図6(B)に示すように、栓装置4の雄ネジ3bをボトル本体1の筒口部1aの雌ネジ3aに螺合させ、該栓装置4を正転方向F2に回転してねじ込み方向D2に移動することにより、キャップユニット2を筒口部1aに装着することができる。このとき、操作装置7のシール面18は、ガス抜きパッキン17における開閉用シール部17cのリブ部17dを圧着し、ガス抜き通路15の出口部15bを密閉している。
【0045】
炭酸飲料を収容したボトル本体1をキャップユニット2により密閉した飲料保存状態において、
図7(A)に示すように、炭酸飲料から生じるガスにより、ボトル本体1の内部には、大気圧以上の圧力が生じる。図示のように、圧力が所定圧力PN、つまり、常圧とされているときは、該圧力が外部に漏洩することはない。
図7(B)に示すように、ガス抜き通路15の出口部15bは、ガス抜きパッキン17のリブ部17dを含む開閉用シール部17cがシール面18に圧着された状態で、気密的に閉鎖されている。また、分岐路16は、筒状シール部17aにより、気密的に閉鎖されている。
【0046】
ところで、飲料保存状態において、炭酸飲料の温度が上昇したり、炭酸飲料の収容量が減少することによりボトル本体1の内部における飲料未充填の空洞部が拡大したりしたとき、炭酸飲料から生じるガスが増加することにより、
図8(A)に示すように、ボトル本体1の内部は、所定圧力を超える超高圧PXとされた状態となり、ネジ3a、3bを変形させてキャップユニット2が飛ぶ、つまり、暴発を起こすおそれがある。この場合、
図8(B)に示すように、ガス抜き通路15に生じる超高圧PXの圧力が分岐通路16から筒状シール部17aの内周面に作用して弾性変形させ、上向き筒部6の外周に形成された隙間を介して、ガスの圧力を外部に放出させる。これにより、ボトル本体1の内部は、上述した所定圧力PNに戻り、筒状シール部17aが復元することにより再び分岐通路16をシールする。この際、上向き筒部6と筒状シール部17aの間から排出されるガスは、操作装置7の周壁8bの内周部に向けて放出される。
【0047】
炭酸飲料を飲用するときは、ボトル本体1の筒口部1aからキャップユニット2を取外し、開放された筒口部1aから飲料を注出する。この際、上述のように、ボトル本体1の内部は、大気圧よりも高い所定圧力PNに保持されているので、炭酸飲料が勢いよく噴き出して、衣服等を汚損するおそれがある。この点に関して、
図9(A)に示すように、栓装置4が筒口部1aにねじ込まれた状態で、操作装置7を逆転方向R1に回動すると、操作装置7は、栓装置4からねじ戻し方向U1に移動し、このとき、シール面18をガス抜きパッキン17のリブ部17dから離反させ、ガス抜き通路15の出口部15bを開放する。従って、
図9(B)に示すように、所定圧力PNとされたガスが出口部15bから外部に放出され、これにより、ボトル本体1の内部を大気圧となるように減圧する。この際、出口部15bから排出されるガスは、操作装置7の周壁8bの内周部に向けて放出される。
【0048】
図10に示すように、操作装置7を逆転方向R1に回転し続けると、所定回転角度を超えたときから、栓装置4が追従して逆転方向R2に回転させられ、ねじ戻し方向U2に移動することにより、筒口部1aから取外される。上述のように、取外しに先立ち、減圧されているので、炭酸飲料が噴き出すことない。
【符号の説明】
【0049】
F 正転方向
D ねじ込み方向
R 逆転方向
U ねじ戻し方向
Q 炭酸飲料
S 可変隙間部
1 ボトル本体
1a 筒口部
2 キャップユニット
2a シールパッキン
3a 雌ネジ
3b 雄ネジ
4 栓装置
5 下端部
6 上向き筒部
6a 下側筒部
6b 上側筒部
6c 周溝
7 操作装置
8 操作体
8a 頂部
8b 周壁
9 下向き筒部
9a フランジ
9b 隔壁
10 断熱材
11 連結回転機構
12 ガス抜き機構
13 螺旋溝
13a 導入溝
13f、13r 端部
14 突部
15 筒状のガス抜き通路
15a 連通路
15b 出口部
16 分岐通路
17 ガス抜きパッキン
17a 筒状シール部
17b 上端
17c 環状の開閉用シール部
17d リブ部
17e 周条
18 シール面